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激情カアニバル

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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●鋭い目付きの老師範
 朝昼夕と客足が途絶えない、大人気のカフェ。
 そこでは大人気の飲料、クリームソーダなどという物が売られている。
 多くの者はこれが何かを知っていると思われるが、大正時代では珍しい物らしい。

 そんなカフェに忍び寄る魔の手――。

 物陰に潜むは、元は古武術の老師範だった影朧……名を『菱宮・三郎右衛門』。
「むむむ、何という……嘆かわしい! 許せぬっ!」
 大声を上げながら、三郎右衛門は凄まじい視線でカフェを凝視する。
 果たして、その鋭き眼は何の感情を現しているのだろうか。

●グリモアべエス
 ウィルバー・グリーズマン(入れ替わった者・f18719)は、何時も通りに淡々と依頼内容を語り出す。普段と違う点は、ジュースを片手に持っている事だろうか。
「まずは簡潔に説明しますね。カフェの店長が襲われるので敵を撃退して下さい」
 そう言うと、ずずーっとジュースを飲んで一息を付いて。
 空になった缶をカツンと机に置いた。
「いやぁ、クリームソーダって美味しいですよね。そのカフェにも売っている様ですが、色々な種類があるらしいですよ。メロン、イチゴ、スミレ、ザクロ……」
 他にも変わり種があるので、色々と試して見ると言うのも良いかも知れない。

「それは置いといて、詳細です。菱宮・三郎右衛門という影朧が、目的は不明ですがカフェを他の影朧達と共に襲います。それを撃退するという話ですね」
 まず最初にカフェで食事でもしながら、敵が来るのを待つ。
 その他にも、影朧が何の為に店長を襲うかを調べるのも良いだろう。
「三郎右衛門は物陰に隠れて、ぶつぶつと独り言を言っています。多分、カフェからも姿は見えますよ。聞き耳を立ててみるのもアリかも知れませんね」
 寛ぐか調査するかは各々に任せるとの事。
 好きにやるとしよう。

 その後は影朧達を撃破するだけだ。
「三郎右衛門以外の影朧は理性乏しき存在です。転生は……まぁ、難しいのでサクッと倒して下さい。三郎右衛門は意外と話せますので転生の可能性有りです」
 会話は出来るが、戦闘になるのは間違いないと言う点だけは注意が必要だ。
 余裕があれば転生を狙ってみるのも良いだろう。

「三郎右衛門をどうするかはご自由にどうぞ。影朧の撃退さえ達成して頂ければ良いので……ああそうそう、一食分くらいなら奢りますよ。好きな物を頼んで下さい」
 そう言って魔本を開くと、転送を始めた。

 転送先はカフェの前。
 さてさて、何をしようか。


小強欲
 こんにちは、大正時代に行ってみたい小強欲と申します。
 詳しい内容はOPの通りです。

 一章では、カフェで寛ぐor三郎右衛門を調査する。
 二章では、三郎右衛門の手下の影朧を倒す。
 三章では、三郎右衛門を倒す、です。

 三郎右衛門を転生させるかはお好きに。
 割と話は通じますが、好戦的なので戦闘は避けられません。

 では、自由度の高いプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『彩る泡の傍らに』

POW   :    甘味も頼む

SPD   :    軽食も頼む

WIZ   :    今日のお勧めも頼む

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紡刈・縫助
(そのままの服だと幅を取るので、転移前に普通の洋服に変える)
うわ怖。ストーカーかァ? えんがちょだな。
ゴッド・クリエイションで人間以上に頭いい雀を生み出して偵察させるワ。
三羽くらいでいいかね? 帰ってきたら話して聞いてみるぜ。

それはそれとしてクリームソーダ頼もっと。
なにがいーかねェ……ア、これがいいや。ミカンください!
ミカンってのがいいよナ。オレンジよりミカン派なのよネ、オレ。

ア、雀ちゃんたちお帰りアーンドお疲れ!
ソーダ飲む? どーだった?



 晴れた日の昼下がり、多くの人が賑わうカフェの前にて。
 狐の神である紡刈・縫助(古狐神・f17182)は、店内の様子を確認して。
「へぇ、すげー人気だなァ」
 結構大きなカフェだが、店内の席が全て埋まってしまいそうな程の賑わい。
 特別な日と言う訳では無いのに関わらず、この人気っぷりは凄まじい物がある。

 普段着だと幅を取ってしまう為、ここに来る前に洋服に着替えていた縫助。
 周囲を見てみれば、似た様な服装をした者達も多く存在する。
 そんな中、カフェから離れた物陰からやや古めの衣服を着た老人を見付けた。
 彼こそが菱宮・三郎右衛門。鋭い視線をカフェに向けており、見るからに怪しい。
「うわ怖。ストーカーかァ? えんがちょだな」
 カフェの客にも気付いた者が居るようで、ほんの少しだが不穏な雰囲気だ。
 縫助が手を広げると、その上に小さな雀を三羽ほど創り出して。
「さぁてと。ちょっくら偵察頼むワ、雀ちゃんたち」
 人間を上回る知恵を得た雀に、三郎右衛門の調査を頼む縫助。
 パサパサと羽根を広げて飛び立つ三羽の雀。
 帰って来てから詳細を聞くとして、それまではカフェで寛ぐ事にする縫助だった。


 店の外側にあるカフェテラス席。
 早速、名物のクリームソーダを頼もうとメニューを開いて。
「なにがいーかねェ……」
 話に聞いた通り、様々な種類がある。
 メロン、リンゴ、イチゴ、オレンジ、レモン、等々。バリエーションが豊かだ。
「……ア、これがいいや。ミカンください!」
 通り掛かった店員に、ミカンのクリームソーダを注文をした。
 聞き馴染みのないクリームソーダだが、珍しい物が数多くあるのがこの店の特徴。
 オレンジよりもミカンの方が好きな縫助にとって、柑橘類だけでも非常に細かく分類されていたのは僥幸と言えよう。

 程なくして運ばれて来るミカンクリームソーダ。
 まずは上のアイスクリームをスプーンで掬って、口に含んで。
「おォ、美味しい……」
 シャクシャクとした食感、実に良質なバニラアイス。
 ミカンソーダに溶け掛かったアイスは不思議な風味を出している。
 柑橘類特有の後味の良さも相まって、縫助は上機嫌になって。
「人気店なのも頷けるぜ……ア、雀ちゃんたちお帰りアーンドお疲れ!」
 戻って来た三羽の雀にソーダを勧めつつ、三郎右衛門について話を聞いてみる。

 雀の話によると、三郎右衛門は店長個人に怨み等がある訳ではない。
 カフェそのもの……特にクリームソーダ。
 ひいては、それを飲んでいる者に対して強い嫉妬を抱いているとの事。
「……もしかして、羨ましいのかねェ?」
 まだ情報は足りないが、その可能性は高い。

 なんにせよ、これから悪事を働こうとしているのは間違いない。
 縫助と雀たちはミカンクリームソーダを飲みながらも、襲撃に備えるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
ふーむ、やはり何があったのか勘ぐってしまうな。
深い恨みでもあるのか、それとも……?

■闘
【WIZ(調査あり)】
事前の情報がある以上、みだりに動かないほうがいいな。
俺はカフェで待つか……あ、今日のお勧めください。

食事中は【視力】で辺りをこらし、それらしい姿を探す。
発見したら目を離し、神経を集中させつつ【聞き耳】を立て、
影朧の独り言を聞いてみるか……
(※この時点で完食しています)

■注
聞き耳を立てる時は読書を装って影朧に警戒されないようにし、
周囲に目を凝らすのも可能な限り少なめにする。

して、声が聞こえ辛い場合は……そうだな。
風で飛んだしおりを取りに行くふりをしながら接近してみるか。

※アドリブ歓迎



 涼しげな風が吹いているカフェテラス。
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は一冊の本を手にして、席に座っていた。
(「ふーむ、やはり何があったのか勘ぐってしまうな」)
 恨みがあるのか、それとも別の何かなのか。
 現時点では分からないが、みだりに動くべきではないと清綱は考えて。
「……あ、今日のお勧めください」
 戦闘前に、まずは腹ごしらえ。
 店員に注文をすると、読書を始めた。


 今日のお勧めは、新鮮なブロッコリーを使った野菜のサンドイッチとベーコンエッグ。それとレモンのクリームソーダ。
「ほう、美味いな」
 シャキシャキと食感良いサンドイッチ、カリカリのベーコンと半熟玉子。
 それに加え、爽やかなレモンソーダにアイスクリーム。
 味は勿論の事、量も十分にあると言える。
 満足そうな表情でサンドイッチを食しながら、辺りに視線を移して。
「……あれか」
 隠れてはいるものの、凄い目付きでカフェを睨んでいるので、とにかく目立つ。
 あまり見過ぎると目が合ってしまいそうなので、軽食に目を向けて。
 残るベーコンエッグを口にして、レモンクリームソーダも一気に飲み干して。
 手にした本で読書を装いつつ、神経を耳に集中。
 三郎右衛門の独り言を聞こうと試みた。

「……せぬ、……者め……」
 ここからだと距離が離れているので、所々しか言葉が聞こえない。
 清綱はふむ、と思案顔になって。
 本から目を離さずに、栞を手に取った。
(「良し、ここだ」)
 風が強く吹いたタイミングを見計らって、栞を風に乗せて飛ばしてしまう。
 ひらひらと舞う栞を追い掛けて、三郎右衛門へと接近。
 栞を取りに行く振りをして、聞き耳を立て始める。

「嘆かわしい! あの様な緑やら赤い液体なぞ、身体に悪いに決まっておろう! ハイカラを気取り健康を気にしない若者め、許せぬぞ……し、しかし美味しそうに飲みおってからに……!!」
 リスクを承知で近付いたからか、かなりの情報を得る事に成功した。
 憤怒……そして別の様々な感情が混ざり合った、異常なまでの激情。
 何食わぬ顔で栞を持って席に戻ると、清綱は暫し考えを巡らせる。
「…………別に身体に悪い物ではないのだがなぁ、クリームソーダ」
 空になったコップを見ながら呟く。
 身体に良い、と豪語する程の物でもないが、別に悪い訳でもないだろう。
 しかし三郎右衛門は悪い飲み物だと信じ切っており、それを提供している店に対して強く怒りを抱いている……頑固が過ぎる老人の何と面倒な事か。
 もしもクリームソーダを良い飲み物だと信じさせる事が出来たのならば、彼の怒りも収まるのだろうか。

 ともあれ、襲撃までは手を出すべきではない。
 この後にどうすべきかを考えつつも、清綱は本を読み進めて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
あはは。なんだよ爺さん若者に嫉妬か?
おもしろいな。
おもしろいからからかってやろう。
爺さんがよく見える窓際の席を陣取ろうか。
そこの店員さん。クリームソーダお願いしていい?
ザクロがいいな、おれは。鬼子母神の気持ちを理解出来るとは思わねぇけどさ。
アイスクリームって豪勢だよなあ。ああでもここは大正じゃないんだっけ…大正は大正でも未来の大正なんだよな。不思議だなあ、ええ?
爺さんに見せつけるように飲む。あーおいしい。
どんな反応するんだ?気になるな。おもしろそうだ。
カッとなったらいいのさ。冷静さを失え。その方がやりやすいからさ。



 カフェの窓際。
 三郎右衛門が良く見える席に、茜崎・トヲル(白雉・f18631)は座っていた。
 メニューを見る振りをしながらも、彼の様子を見ていて。
「く……あはは。なんだよ爺さん若者に嫉妬か?」
 三郎右衛門の視線の先には他の客が飲んでいるクリームソーダ。
 怒っていたり、羨ましそうだったり、嘆いていたりと、実に表情豊かだ。
 見ているだけでも、笑えて来る。
 そんな三郎右衛門を見ていると、一つの感情が湧き出て来て。
「おもしろいな」
 これ程までに嫉妬していると、誂いたくもなる。
 クリームソーダを見せ付けてやると、果たしてどんな反応するのだろう?
 試しに少し誂ってやろうと考えて。
「そこの店員さん。クリームソーダお願いしていい?」
「あ、はーい!」
 色々な種類があるが、ここはザクロのクリームソーダを頼む事にして。
 注文が来るまでの間、トヲルはどう誂ってやろうかと悪い笑みを浮かべていた。


 ザクロと鬼子母神には強い繋がりがあると言うのは、よく聞く話だ。
「まぁ、鬼子母神の気持ちを理解出来るとは思わねぇけどさ」
 運ばれて来たクリームソーダは、まるで血の様に赤く染まっている。
 上に乗ったアイスクリームをスプーンで突きながら、豪勢だなと感じて。
「ああでもここは普通の大正じゃないんだっけ……」
 七百年以上も続いた大正時代。
 一つの時代がここまで続くというのも驚きだが、未来の大正と言うのも中々に不思議な感じがある。

「さて、と」
 三郎右衛門がザクロクリームソーダを見ている事を確認。
 スプーンでアイスを掬って、まずは一口。
 ザクロソーダに少し浸されたバニラアイスは、二種類の甘さが混ざり合っている。
「おっ……これは、おれ好みだな。あーおいしい」
 見せ付けるかのようにクリームソーダを味わって。
 チラッと三郎右衛門の方に目を移してみると、煉瓦の壁を素手で握り潰していた。
 パラパラと煉瓦の破片が、彼の手から滑り落ちていて。
「うわぁ、冷静さなんてもう無いな」
 それはもう、凄まじくカッカしていた。
 心なしか、彼の背後に嫉妬の炎が出ている様にも見える。 
「ま、いいか。その方がやりやすいからさ」
 ここまでキレていると、後々の戦闘でも影響が出てくる。
 攻撃の苛烈さは増すと思われるが、行動はかなり単調になる。
 高い練度の武術を封じる事ができるのだから、間違いなく戦闘が楽になる筈だ。

 そうして、只管にクリームソーダを見せ付けるようにして、飲み進めて行く。
 そんなトヲルを、三郎右衛門は只々睨み付けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾崎・ナオ
どったねじーちゃん。クリームソーダ食べたいん?

クリームソーダって、あれって着色料じゃなかった? あーでも、大正時代の人なら着色料を身体に悪いって思うんかな。たしかバターも石鹸って言ってたんでしょ?今じゃ考えらんないね~。

ナオちゃんは普通にお客さんとして。席は…っと、今じーちゃんの傍に座ってるのと、あと何人かいるよね。流石に服装で猟兵かどうかわかると思うので席ちょっと離して座ろう。バランス良く別れましょ。もう他の猟兵がバランスよく別れてたらナオちゃんは店長の傍かな。

クリームソーダを頼むよ、定番の緑!メロンソーダ!
あ、調査は特にしないよ。次に備えて席を整えただけ。
あんみつもある?こしあん好きー。



 カフェ店内のカウンター席。
 すぐ近くに店長が見える位置に、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)は注文したクリームソーダを飲んでいて。
「うん、美味しいなぁ!」
 ナオが頼んだのは、定番とも言えるメロンのクリームソーダ。
 透き通った緑色のそれは、現代の物と変わりのない鮮やかな薄緑。
 清涼感のある味もさることながら、バニラアイスが良いアクセントとなっていて。
 一つの作品と言っても良い程に、完成されていた。
 そんなメロンクリームソーダを味わいながら、ナオは普通の客として寛いで行く。


 殆どの猟兵達は三郎右衛門が見える。若しくは、彼から近い席に座っていて。
 しかし、ナオはそこから少々離れたカウンター席。
 これは戦闘時に動き易いように、全体のバランスを考えた上の事だ。
「うわぁ、ここからでも感じる……」
 三郎右衛門の気配――。
 嫉妬、憤怒、悲哀……その他、色々。
 勘の鋭いナオでなくとも、何人かの一般客も気付く程だ。
「やっぱ食べたいんかなぁ?」
 ここからでは姿は見えないが、完全に怒り狂っていると言う訳でもない。
 であるならば、説得できる可能性もあるのかも知れない。

 ふと、ナオはある事を思い出す。
「……そういえば、クリームソーダって着色料だっけ?」
 そう、これには実際にメロンの果汁が入っている訳ではない。
 酸味料による風味付けと、着色料による色付け。
 現代の昔は合成着色料を使っていたらしいが、ここは未来の大正。
 使用しているのは天然着色料なので、健康上には然程影響がない様だ。
(「大正時代の人なら着色料を身体に悪いって思うんかな」)
 現に三郎右衛門は悪いと決め付けて、憤怒している。
 当然と言えば当然だが、そういった層の者も居るには居るのだろう。
 反面、周囲の客を見れば、気にしない者も多いというのも分かる。
(「たしかバターも石鹸って言ってたんだよねぇ」)
 現代では考えられないが、昔はそういった思想の時代だった。
 尤も、ここは未来の大正。本当はどうなのかは確かめない限り分からない。
 果たして実際はどうなのか、詳しく調べてみるのも一興かも知れない。

 それはまた今度の機会にするとして、少し早いおやつの時間だ。
「あ、店員さん。あんみついいですかぁ?」
 調査は他の猟兵に任せて、自分は戦闘までは寛ぐ事にして。
 メニューにあるこしあんのあんみつを指差し、近くの店員に注文を取る。

 そう時間も掛からずに、運ばれてくるあんみつ。
 刺激的な甘さのメロンクリームソーダとは違う、優しげな甘さ。
「んー、最高……っ!」
 ナオは好物のこしあんに舌鼓を打ちつつも、影朧の襲撃まで備えて行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『殭屍兵』

POW   :    アンデッド イーター
戦闘中に食べた【仲間の肉】の量と質に応じて【自身の身体の負傷が回復し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ゾンビクロー
自身の【額の御札】が輝く間、【身体能力が大きく向上し、爪】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    キョンシーファクトリー
【死者】の霊を召喚する。これは【仲間の死体に憑依する事で、負傷】や【欠損箇所が完全修復し、爪やユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:久蒼穹

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 様々な感情が混じり合い、何かもう良く分からない事になっている三郎右衛門。

「ぐぐぐ……皆の衆! あの身体に悪い飲み物を破壊してしまえいッ!」

 遂に耐え切れなくなったのか、手下の影朧達に命令をして。
 何処から現れたのか、わらわらと現れるキョンシーの様な影朧。
 鈍い動きで店に向かって来る彼等の目的は、『店の破壊』ただ一つ。

 手下の説得は不可能だ。
 遠慮なくボコボコにしてしまおう。
尾崎・ナオ
説得するとしたら、身体に悪くないって事を説明すりゃいいんかね。ま、説得するかは気分次第ですけど☆

しかし、人が美味しくあんみつを食べてる時。まだ食べきってないでしょおお!

数で来るなら数で対抗!【指定UC】最大展開して攻撃。串刺しにしてやんよ!屍云々で痛覚がないってんなら手足落とすか。肘と膝を重点的に狙いに行こう。あと目玉もね!

『御札が輝く間、身体能力が大きく向上し、爪の攻撃回数が9倍』ね。目印に光ってくれるなら判りやすい。その間はテーブルを盾にしたりして回避しますか。【第六感42】の使いどころだね。

1回仲間攻撃するならその背後から手持ち銃で。【クイックドロウ161】【早業41】で仕留めましょ。



「ウ、アアア……」
 現れた影朧は、小さい呻き声を上げてカフェへと近付いて来る。
 三郎右衛門のいる方向からもそうだが、別の方角からも大量に。

 ナオはあんみつを食べている途中……と言うより、まだ半分すら食べれていない。
「タイミング悪過ぎるでしょおおっ!」
 注文が運ばれて来て三分も経っていない。何と不運な事か。
 とは言え、彼等を放置して食事をする訳にも行かない。
「ぐうぅ……折角、人が美味しくあんみつを食べてる時にぃっ!」
 せめて、あと数分あれば……。
 嘆きたくもなるが、こればかりは仕方がない。
 怒りを心に秘めながらも、ナオは入口近くまで来ている影朧達の元に歩き出す。


 大量の影朧が相手ならば、同じく大量の武器で相手をするのが得策だ。
 そう考えたナオはお気に入りのナイフを六十本近く複製して。
「串刺しにしてやんよ!」
 一般客は既にカフェ内に避難しているので、全力を出しても問題はない。
 思う存分に暴れてやろうと、全ての複製ナイフを浮かび上がらせた。

 ナイフは、ナオの周囲を広範囲に展開されている。
 だが、相手は屍の影朧。刺しても致命傷になり難い上に、毒も効果が薄いだろう。
「痛覚がないなら……手足落とすか」
 中々恐ろしい考えだが、ナオの能力ならばこれが最適解とも言える。
 展開されたナイフを不規則に、バラバラに動かして、動きを見切らせ難くして。

 ――シュパァ!

「ガアッッ!!」
 肘、膝、眼球。行動を封じる部位を重点的に狙ったナイフの斬撃と刺突。
 影朧の手や脚がバラバラになって、その動きを封じて行く。
 しかし、それを逃れた影朧数体の額に貼ってある御札が輝き出して。
 先程の鈍い動きから一転。突如として機敏に動き出す。
「っと、これは判り易い……」
 素早くカフェテラスのテーブルの下に逃げ込むと、それを利用して回避を試みた。
 隙間から御札の輝き。それと、自らの勘を頼りに狙われ難くして。
「グオアアアアァッッ!!」
 鋭い爪を手当たり次第に振り回し、暴れ回る影朧。
 飛来するナイフも次々と叩き落とす程の、超高速の攻撃的動作。
 その凄まじい動きには流石のナオも迂闊に手を出す事は出来ない……。
「グギャッ!?」
 筈だったのだが、周囲を見ていないのか。
 はたまた、激しく動き過ぎた為か。凄い勢いで同士討ちをしてしまって。
「おっ、チャーンス!」

 ――ドンッ! ドンッ!

 影朧が怯んだほんの僅かな隙を逃さずに、背後から超高速の早撃ち二連発。
 弾丸は見事に脳天を撃ち抜いて、二体を仕留めてしまった。

 味方が倒されても他の影朧の御札は輝いており、高速攻撃を続けていて。
「あー、やっぱ脳みそ腐ってるんだねぇ」
 学習しないと言うのは本当に楽だ。これならばナオとしてもやりやすい。
 後に控える三郎右衛門を説得するかどうかを考えながらも、ナオは残る影朧の撃破を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜崎・トヲル
殭屍が部下なのかよ爺さん。生きてる奴は付き合ってくんなかったのか?
あはーはは、かっわいそ。笑える。
面白いから邪魔しよう。

向かってくる殭屍共を視界に収めて深呼吸。慌てず騒がずに。
エナジークローク展開して七つ道具からメスを取ったならオペの開始だ。
向かってくる爪や伸ばした手足の関節やひらひらしてる札やらを切開だ。
痛かったら手を上げてくださいね~はーい痛いですか我慢してくださいね~。いや殭屍は痛みとか感じねーか。言うだけ無駄だったな。
ダストトゥダストってね。出来の悪い死体人形で遊ぶには年が上過ぎるぜおじーちゃん?



 猟兵の防衛が始まり、カフェ入口の影朧が次々と戦闘不能に陥っている。
 その様子を見ていた三郎右衛門は、簡単に倒れていく影朧達に憤慨していた。
「ええい、不甲斐ないッ! もう少し頑張らんかッ!!」
 影朧達に怒声を浴びせるが、残念ながら彼等は屍。
 三郎右衛門の手下ではあるものの、単純な命令しか聞けない存在に過ぎない。
 トヲルはやや離れた三郎右衛門に対して、少し大きめの声で話し掛ける。
「殭屍が部下なのかよ爺さん。生きてる奴は付き合ってくんなかったのか?」
「……」
 トヲルの言葉を聞くと喋るのを止めてしまう。図星なのだろう。
「あはーはは、かっわいそ。笑える」
「ぐぅぅぅぅ……ッ!!」
 笑うトヲルに、悔しがる三郎右衛門。
 影朧はと言うと、二人の会話を気にした様子もなく店の破壊を行おうとしていた。


 このまま三郎右衛門を誂うのも面白いが、影朧達を放置するのはまずい。
 ふと、影朧に何もさせずに全て倒したらどう反応するのだろう、と思い付いて。
「良し、邪魔しよう」
 展開したエネルギー体の衣から、医療の七つ道具を取り出して。
 更にその中から取り出したるは、鋭い刃を持ったメス。
 それを手にすると、トヲルは迫り来る影朧を視界に収めて、静かに深呼吸。
 影朧が一気に迫れば普通は慌てそうな物だが、そういった事もなく冷静沈着に。
「オペの開始だ」
 意識を切り替え、ニヤリと笑うと、トヲルは自分から影朧達の元へ向かって行く。

 動きは鈍くとも、その鋭い爪は驚異と言える。
 しかし肉体の動きが分かっていれば、避けるのは容易い。

 ――シュパッ!

「痛かったら手を上げてくださいね~」
 誂う様な言動で影朧の手足の関節を切開し、動けない様にしてしまう。
 医術を扱うトヲルならではの戦法だ。
 これでは手を上げる事など出来ないが、元より彼等は死体。
 痛みも感じなければ、聞く耳も持たない。
「グアオオオォッ!!」
 動けずとも、凄まじい叫び声を上げる影朧。
「はーい痛いですか我慢してくださいね~……って、殭屍は痛みとか感じねーか。言うだけ無駄だったな」
 喧しいので頭をガッと蹴り付けると、静かになった。

 続いて迫るのは、額に貼ってある御札が輝いて強化された影朧。
 動きが非常に素早くなり、攻撃頻度も跳ね上がっている強敵。
 トヲルはそんな影朧の動きを確実に読み、その上でメスで御札を切り裂いて。
 輝く御札を斬り裂かれた影朧は、糸が切れた様に倒れ込んでしまう。
「ダストトゥダストってね。出来の悪い死体人形で遊ぶには年が上過ぎるぜおじーちゃん?」
 メスを遠くにいる三郎右衛門に向けると、挑発するかの様な言葉を言い放つ。
 三郎右衛門は意外にも怒りはせずに、舌打ちを一つするだけに留めていた。

 更に迫り来る影朧達も流れ作業の如く、次々と仕留めて行く。
 だが、まだ膨大な数が存在する……店に被害を出さずに倒し切るのは中々難しい。
 しかし、三郎右衛門の反応を是非見たいと考えて、トヲルは全力で阻止を続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紡刈・縫助
僵尸だとォ!?オイコラテメェーッ!!なーに死人使ってんだコラーッ!!
オレはなあ!!死人で遊ぶヤローがダイッキライなんだよ ジーさん!!
許さねー!!テメーのドタマに灰燼拳たたき込んでやっからなァ!!
ケドまずはこいつらだな!
ナカマ食って強くなるってことは、口をなくしてやれば解決だな!
オマエらのドタマにも灰燼拳!
物理的にアタマ ブっとばしてやれば食えねえだろ!
早業で踏み込んで灰燼拳!
尻尾で薙ぎ払って灰燼拳!
はーい次のヒト、どうぞー!!



「僵尸だとォ!? オイコラテメェーッ!! なーに死人使ってんだコラーッ!!」
 カフェテラスに立つ縫助が、開口一番に出した言葉。
 それは、影朧を操る三郎右衛門に対しての、怒りの言葉だ。
「ええい喧しいわッ! む……お主は橙色の毒物を頼んどった奴じゃなッッ!!」
 三郎右衛門もまた、クリームソーダを飲んでいた縫助に確かな怒りを持っている。
 二人の怒声が響き渡り、カフェに避難している客も目を丸くして困惑していた。
「オレはなあ!! 死人で遊ぶヤローがダイッキライなんだよ! ジーさん!!」
「誰が遊んでおるか!! これは毒物から帝都を守る活動じゃ! 若造が!!」
 互いに怒りの矛先が全く別の方向に向いている為、どうにも会話が噛み合わない。
 どちらも本気なのだろうが、このまま話を続けても埒が明かないだろう。
 であれば、実力行使が最も早い。
「許さねー!! テメーのドタマに灰燼拳たたき込んでやっからなァ!!」
「此方の台詞じゃ!! 儂の秘拳で邪な思想を砕いてくれるわッ!!」
 ヒートアップする二人をよそに、影朧達はカフェを破壊しようと動き出していた。


 流石に目の前でカフェが破壊されるのを放置は出来ない。
 軽く拳を握ると、まずは一体の影朧に近付いて。
「ガオオオッ!!」
 鋭い牙で噛み付こうと、大口を広げて縫助へと迫る影朧。
 そんな影朧の口に向けて、素手による超高速の灰燼拳。

 ――グチャァッ。

 非常に嫌な音が辺りに響いて、ポーンと三郎右衛門に向かって何かが飛んでいく。
 そう――影朧の首だ。
 三郎右衛門は迫るそれを、手刀で叩き落として。
「ええい気色悪い、そこな若造ッ! 死者は丁寧に扱わんかッ!!」
「それをアンタが言うんじゃねえッ!!」
 相性が悪いのか、兎にも角にも喧嘩が絶えない二人。
 そんな事を話しながらも、尻尾を伸ばして影朧達を薙ぎ払い。
 素早く距離を縮めてからの灰燼拳。
 次々と影朧を殴り付けて、撃破して行く。

 ――ゴッ、ガッ、バギッ、ボゴッ!

 純粋な破壊力の何と素晴らしき事か。
 豪腕で頭をブッ飛ばし、影朧の動きを封じる。この繰り返しだ
 影朧は頭が無くなっても暫くはピクピクと動いている。
 しかし、少し経てば完全に動きを止めて、光となって消え去ってしまう。
 大量に存在する影朧だが、一撃で倒されてしまえば数など関係ない。
 敵は無数に存在する訳ではないのだから。
「はーい次のヒト、どうぞー!!」
 辺りに影朧の頭が飛び散るのは一種のホラーとも言える。
 とは言え、完全に倒せば光となって消えるので安心だ。
 カフェ内の客達はかなり怯えているが、こればかりは仕方がないだろう。

 特に意図した訳ではないのだが、実に効率的に影朧を倒し続ける縫助。
 だが、これでも全力ではない。
 本気の一撃は、あの三郎右衛門に叩き付けると決めているのだ。
「待ってろよ、ジーさん! すぐにそっちまで行ってやるからなッ!!」
 縫助の握る拳に力が籠もり、引き続き影朧の頭をブッ飛ばして行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
予想外の動機だな。クリームソーダを狙っていたとは。
だが、暴れていい理由にはならん……覚悟せよ。

■闘
彼等はアンデッド故か、理性がほぼ残っていないようだ……
最早斬り祓うしかあるまい。
刀に【破魔】の力を宿して戦闘に入るぞ。

攻撃時は敵の集団目がけて【空薙】による【範囲攻撃】を放ち、
大量撃破を狙う。発動時は【早業】の抜刀で発動時間を短縮し、
『共食いをしている敵』を優先的に攻撃する。

戦闘時は常に50m程距離を取り、近づかれたら後方【ダッシュ】で
その場から逃れる。
間合いに入られたら動きを【野生の勘】で予測、【カウンター】の
太刀で追い払う。

せめて、その魂だけは救いたいものだ。

※アドリブ歓迎



 三郎右衛門がカフェを襲う理由。
 それがクリームソーダと言うのは、何とも言えない気持ちになってしまう。
 清綱もまた、予想外の動機に驚いている者の一人。
「だが、暴れていい理由にはならん……覚悟せよ」
 合金製の刀、『今刀』に破魔の力を宿すと、刀全体に青白い光が纏わる。
 これはアンデッドに対して非常に効果の高い聖なる刀だ。

 彼等は既に理性のない怪物。
 せめて魂だけは救いたいという、清綱の慈悲。苦しむ事なく祓おうと考えて。
 カフェに寄って来る彼等を見据えると、今刀の柄をしっかりと握り直した。


 清綱の目の前には、数えるのも億劫な程に大量の影朧。
 しかし、長かった影朧の襲撃もどうやら彼等で最後の様だ。
 彼等の後方には何も見えない。
「此方に辿り着く前に、全て倒してしまうか……空薙」
 居合の構えから、目にも追えない速度の抜刀。

 ――ヒュッ。

 一瞬だけ響いた風の音。
 断ち切るのは物ではなく、空間そのもの。
 続いてバシュンッと甲高い破裂音が響くと、此方に向かう影朧達が吹き飛んだ。
 バラバラと辺りに吹き飛ぶ影朧だが、それでも即死に至らないのか蠢いて。
 散らばった仲間の肉を食べようと、他の影朧が群がって。
「させん」
 今一度、破魔の力を今刀に宿して、二度目の空薙を放つ。
 共食いをしようとした影朧に向かって放たれると、同じ様に破裂音を響かせて。
 次々と影朧達を仕留め続けて行く。

「グルルルルゥ……」

 だが、それを逃れた影朧が一体だけ存在した。
 手には仲間の腕。ボリボリとそれを喰らうと、戦闘力を増加させて。
 喰い終われば腕の投げ捨てて、機敏な動きで清綱へと向かい始める。
「これは避けられんな。だが……」
 その速度はかなりの物だが、屍故に動きは単調。
 フェイントなどの動作もなく、猪突猛進だ。
 それでは清綱を倒すのは難しい。

 振り被られた腕は、細いながらも鋭く強靭。しかし……。
「そこだッ!」
 今刀を抜いて腕を受け流すと、即座に反撃が放たれる。
 超高速の、破魔の力が宿った太刀。
 その一撃は見事、最後の影朧の首を斬り落とした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『菱宮・三郎右衛門』

POW   :    愛は拳で語る(物理)
【武の心】を籠めた【拳】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【自らに向ける殺意】のみを攻撃する。
SPD   :    愛弟子の応援
戦闘力のない、レベル×1体の【稽古熱心な弟子】を召喚する。応援や助言、技能「【鼓舞】【奉仕】【掃除】【医術】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    手合わせを所望する
【全盛期の頃の姿】に変身し、武器「【薙刀】」の威力増強と、【草履】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。

イラスト:auau

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はジェマ・ファリナセアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 三郎右衛門が放った影朧達は全て倒された。
 それも、カフェに被害を一切出さずにだ。

「ぬぅぅぅぅぅ……まさか、あれだけの数を捌き切るとは……!」

 怒りながらも、凄く悔しそうな表情をしている。
 もう味方はいない。
 ここは退くべきなのだろうが、三郎右衛門に後退の二文字はない。

「こうなれば仕方あるまい。儂自ら、あの毒物を消し去ってくれるわッ!!」

 カツンと地面を踏み付けて、猟兵達の元に歩き出す。
 説得するか否かは自由だが、説得するにしても戦闘は避けられない。
 長きに渡って鍛え続けた武術は、肉体の衰えにも関わらず高い実力を誇る。
 用心して掛かろう。
尾崎・ナオ
なぁんか、今回、個性的な猟兵が多いようで。ナオちゃん没個性だからにゃー、埋もれちゃうにゃー。てか誰も説得するそぶりがないのはちょっと可哀想な気もしてきた。

別に?説得したい訳じゃないんだけどね?やっぱ気になるじゃん、何でそんなに嫌いなのかなってさ。単純な思い込みなのか、何か理由があるのか。

SPDで増殖した子分は回復か鼓舞でもするんかな。【指定UC】で即座に潰そう。ちょっとお話したいからね~。

「じーちゃんや。あれ別に毒物じゃないけど、嫌な思い出でもあるん?」
あれ色水だよ。元々はサイダァだよ。って話して判るかな。むしろ炭酸水は健康に良いってUDCアースでは推奨されてるんだよなぁ(砂糖抜きだけど)


ジャスティス・ボトムズ
体にいいものだけを飲み食いしたいのは分かるがよ。
そんなのは無理って少し考えれば気がつくだろ。
出されたものを毒まで食らうくらいの覚悟見せろよ。

理不尽な理由で暴れる敵を許すわけにはいかないぜ。
正義を執行するという強い意志でUC使うぜ。
フルパワーで叩き斬るぜ。
近距離で戦うなら槍と剣を使うが、さらに接近して攻撃してくるならパンチでぶっ飛ばすぜ。
パワーにはそれなりに自信があるからよ。

敵を叩き潰すのが俺の正義だ。
わけわかんねー理由で暴れる敵はボコボコにしないとな。


茜崎・トヲル
へえ、爺さん愛弟子いんの?慕われてんだね。
いいな。さっきも挑発のらなかったもんな。
やっぱりさ、一方向から見ただけじゃわかんねえもんだよな、人ってさ。爺さんは影朧だけどさ。まあ似たようなもんさ。原材料同じだしな。

腕を切ってー…おれのね。爺さんのじゃないぜ。
腕を切り落として、等価交換で同じ重さの爆弾に変えて、愛弟子の群れに投げ込んで起爆させる。
どっかーん。
くたばった愛弟子に気を取られてる内に近くのテーブルからソーダ貰って、等価交換で毒に変えてぶっかけてやろう。
おやぁ?あんたのいったこと正しかったな?

あ、店からは見えないように。営業妨害になっちまう。
提供してくれた客にはあとでちゃーんと一杯おごるよ。



 拳を握り締めて、カツンカツンとカフェに歩み寄る三郎右衛門。
 彼の前に最初に現れたのは、正義執行の剣『ジャスティスソード』を手にしたジャスティス・ボトムズ(裏切りの正義・f22965)。
「……体にいいものだけを飲み食いしたいのは分かるがよ。そんなのは無理って少し考えれば気がつくだろ」
 食事をしていれば、どうやっても身体に悪い物を摂取してしまうのが人間だ。
 ビーガン等でもない限り、良い物を食べ続けると言うのは限界がある。
「出されたものを毒まで食らうくらいの覚悟見せろよ」
 そもそもの話、カフェで危険物を出せば大正時代でも当然ながら営業停止になる。
 毒物を出せる筈もないのだ。

 しかし、三郎右衛門はそんな事は知らんとばかりに言い放つ。
「やる前から無理という輩に説教などされたくないわッ! 食事を我慢せいッ!!」
 根性論ここに極まる。
 歳を取ると頑固になるとは言うが、三郎右衛門もその類の者なのだろうか。
 ジャスティスの後ろでは、ナオが不思議そうな表情で。
 下手に話せば逆ギレする気もするが、好奇心が勝ったのか三郎右衛門に尋ねる。
「えーと、何でクリームソーダがそんなに嫌いなん? 嫌な思い出でもあるん?」
 手下を使ってまで破壊しようとする行動力は凄まじい。
 ここまでするからには、何か特別な理由があるのではないかとナオは考えて。
「緑色の飲み物なんぞ、身体に悪いに決まっておろうがッ!」
「……えっと、それだけ?」
「そうじゃが?」
 どうやら、ただの思い込みに過ぎないようだ。
 ナオは呆れ顔で三郎右衛門を見て。
「じーちゃんや。あれ別に毒物じゃない……」
「くどいッ! 毒じゃないと言うのならば証拠を見せてみい! 証拠をッ!!」
 頑固な老人は本当に面倒臭い。
 ナオは元々説得する気もない為、何度か首を振ってからナイフを周囲に展開した。

 戦闘に入る前に、猟兵達と三郎右衛門の周囲に人集りが出来る。
 尤も、人は人でも三郎右衛門の弟子。本物の人間ではない。
「へえ、爺さん愛弟子いんの? 慕われてんだね」
「ふんっ、煽てても何もないわッ!」
 カフェの破壊活動には参加しなかったものの、危険を承知で応援に来る程だ。
 頑固で思い込みが激しい三郎右衛門にも、こういった者達がいる。
 トヲルは彼の意外な一面を見て、中々嬉しそうに。
「やっぱりさ、一方向から見ただけじゃわかんねえもんだよな、人ってさ……爺さんは影朧だけどさ。まあ似たようなもんさ。原材料同じだしな」
 先程も安易な挑発には乗らず、猟兵達の動向を窺っていた。
 人には様々な顔があると言うが、三郎右衛門もまた同じなのだろう。
 今の顔を見てみれば、見るからに怒りの表情。しかし目は恐ろしく冷静だ。
 どうやら、一筋縄では行かないだろう。


 弟子達の鼓舞によって、三郎右衛門の戦闘力は大きく向上する。
「ゆくぞ……ハアァッ!!」
 地面が陥没する程に蹴り付けると、目の前にいたジャスティスの元へと迫る。
 その速度は極めて速く、真っ直ぐに最短距離を駆け出して。
「フルパワーで叩き斬るぜ」
 ジャスティスは正義の剣を構えると、その鋭き刃を上段に構えて。
 正義執行すると言う強い意志を持てば、身体に黄金のオーラが纏われる。
 理不尽な理由で暴れる三郎右衛門を許す訳には行かない。
 タイミングを図って、渾身の力を以て正義の剣を振り被った。

 ――ズシャアッ!

 鋭い刃は地面をバターの様に切り裂いてしまう程の威力。
 ――だが、三郎右衛門は直前で動きを止めていた……そう、フェイントだ。
「ぜいやぁッ!!」
「ちぃっ!」
 三郎右衛門が再度急接近をすると、鋭い拳で連撃を叩き込む。
 ジャスティスはすぐに剣を離して、彼と同じく拳で迎撃を始めた。

 弟子の鼓舞の効果は確実に出ている様で、三郎右衛門の力を引き上げている。
「あれは放置できないかなー。サクッとやっちゃいますか」
 大量のナイフを動かして、弟子に向けて一気に放つ。
 彼等は非常に脆弱で、一撃で倒れてしまう……が、逃げ回るので狙いを定め難い。
 数も多いので、倒し切るのは少々時間が掛かってしまうだろう。
「良し、おれも少しは仕事するかな」
 刃物で自分の腕を傷付けると、それを切り落として。
 それを代償にして、腕の重さと同等の爆弾へと変化させた。
「わっ、なにそれマジック!? 個性的ぃー!」
 今回、彼を含めて個性的な猟兵が多い。
 これでは没個性な自分は埋もれてしまう……等と思っているナオ。
 だが安心しよう、君も十二分に個性的だ。
「いや等価交換……いててててっ」
 腕を切り落としたのだから、当然ながら凄まじい痛みが走る。
 それを我慢して、爆弾を逃げ惑う弟子の群れへと投げ込んで。
 どこからか取り出したスイッチをポチッと押せば……。

 ――ドッカーンッ!!

 凄まじい爆発が起きて、大量の弟子が吹き飛ぶ。
 残る弟子はナオの複製ナイフによって、全て処理されてしまった。

 鋭い攻撃を繰り出して、ジャスティスに攻撃をしていた三郎右衛門。
 だが、爆発によって吹き飛ばされた弟子が視界に入って。
「ぬぅ! よくも儂の弟子を! カァッ!!」
「まだ速くなるのか……!」
 更に速度を増した拳がジャスティスの頬を掠める。
 力にある程度の自信があるジャスティスだが、相手の攻撃速度は増し続ける。
 老人とは思えないスタミナで速度が衰える気配もなく、中々反撃に移れない。
 そんな三郎右衛門の頭にグラスが当たって、中身の液体が降り掛かって。
「これはまさか……あの毒物かッ! ぐううううぅぅッ、肌が焼ける様じゃ!!」
 そう、これはカフェテラス席に置いてあったクリームソーダ……。
 ではなく、トヲルが等価交換で変質させた猛毒だ。
「おやぁ? あんたのいったこと正しかったな?」
 ケラケラと笑うトヲル。
 カフェからは少し離れているので、ここで何があったかまでは分からないだろう。
 もし客にバレてしまえば営業妨害もいい所だ。

「よし、チャンスだ」
 三郎右衛門の動きが鈍り、ここぞとばかりにジャスティスは反撃に打って出る。
 まさしく一転攻勢。三郎右衛門は防御するので手一杯だ。
「そこな女! やはり毒物でないかッ!!」
 毒を受けようとも防御の手は休めず、ナオへと怒声を放つ。
「いやいやいや、あれ色水だよ! 元々はサイダァだよっ!!」
「む、サイダァじゃと……?」
 誤解されたままは嫌なので、毒だと言うのには否定するナオ。
 寧ろ、UDCアースで炭酸水は健康に良いとまで言われている程だ。
 三郎右衛門はサイダァについて知っているのか、ナオの方を向いて。
 そこに容赦のないジャスティスのジャブが放たれる。
「ぐぬぅっ!」
 毒を受けた事もあって避け切れず、見事に頭に当たって脳を揺らして。
 続けて、ジャスティスは正拳の構えを取った。
「敵を叩き潰すのが俺の正義だ。わけわかんねー理由で暴れる敵は……」
 持てる力の限り……ボコボコにする。

 ――ボガァッッッ!!!

 渾身の正拳は三郎右衛門の腹を穿ち、遥か遠くへと吹き飛ばしてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



 吹き飛ばされて、煉瓦の壁へと激突した三郎右衛門。
 ガラガラと音を立てて崩れる煉瓦の中から、静かに起き上がって。
「おのれ、若造共めが……」
 怒りに満ちる……と思いきや、意外にも冷静な表情で。
 そして、誰に聞かせる訳でもない小さな声で、呟いた。

「サイダァ、もしもあの話が本当だとしたら……」

 あれ程の威力の正拳を受けても、何とか致命傷を避けた三郎右衛門。
 腹部を抑えつつ、ゆったりとした足取りで再度カフェへと向かって行った。
紡刈・縫助
覚悟は出来たかジーさん! 今からテメーをブッ飛ばす!!
ぬぁーにが愛の拳だコラ! ソレが愛ならオレのコレも愛だわ!!
た・だ・し!死人に対してのな!
うぉっとぉ!ヘッ、なかなかやるじゃねーか!
だが甘いぜ。オレは最初から殺意なんか抱いちゃいねー!
オレの!この思いは!純粋な怒りだァ!!
アンタの根性たたき直してやるぜ ジーさん!
距離取ろうとした袖をグラップル!
追跡して早業で踏み込んで、拳をオーラ防御して!
いざ尋常にィ!灰・燼・拳!!



 三郎右衛門がカフェに向かう途中。
 待ち切れなかったのか、縫助が仁王立ちをして立ち塞がる。
「覚悟は出来たかジーさん! 今からテメーをブッ飛ばす!!」
 怒りに満ちている縫助だが、三郎右衛門は至って冷静だ。
 どうやら先程の戦いで頭が冷めたらしい。
 とは言え、その瞳は燃える様に鋭く、未だに戦闘意欲は薄まらない。
「狐が粋がりおる。やれる物ならばやってみんか、愛の拳で粉砕してくれるわ」
 逆に挑発するかの様な言動をする余裕まである。
 先程までの怒り具合とは真逆に、老獪な口撃……。
 寧ろ、此方が本来の三郎右衛門なのだろう。
「ぬぁーにが愛の拳だコラ! ソレが愛ならオレのコレも愛だわ!! た・だ・し!死人に対してのな!」
「死体愛好家じゃったか。まっことハイカラじゃのう……」
「そういう意味じゃね―よッ!!」
 三郎右衛門は、怒る縫助の言葉をさらりと受け流す。
 このまま話していても、弄ばれるだけだと感じた縫助。
 彼の根性を叩き直してやろうと。
 そして死人で遊んだ罪を償わせようと、歩き出した。


 しかし、先に攻撃を仕掛けたのは三郎右衛門。
 縫助の頭を狙った、鋭い手刀による貫手。
 不意を突かれたものの、持ち前の反射神経で難なく回避。
 だが、攻撃はそれだけでは終わらない。
「そりゃ! ほっ、はっ! せぇッ!!」
 次々と放たれる貫手は縫助の動きを確実に妨害して。
 刃の様に鋭い手刀によって、洋服が少しずつ切り裂かれてしまう。
「うぉっとぉ! ヘッ、なかなかやるじゃねーか!」
 防戦一方だが、縫助は一つの策を立てていた。
 『その瞬間』が訪れるのを待ち続けて、只管に防御を続けて行く。

 戦闘となれば、三郎右衛門も猛る。
 それでいて冷静な判断力があると言う、非常に厄介な存在だ。
「先程の威勢はどうしたッ! 口だけかぁッッ!!」
「ちぃ! 本当にジーさんかアンタッ!?」 
 一撃一撃が非常に素早く、途切れる事のない連撃。
 重さはないが、速度に特化したそれの威力は言わずもがな。
 度重なる貫手によって、縫助の足が止まる。
「ここじゃあッ!! 我が愛を知れいッッ!!!」
 ここが好機と見たか、今までの比ではない速度の拳が縫助に迫る。

 ――スパァンッ!!

 三郎右衛門の拳は防御をすり抜けて、縫助の頭部を打ち抜いた。
 命中した相手の殺意を消し去ってしまう、終戦を意味する一撃――。
「終わりじゃな……」
 勝利を確信して、三郎右衛門は自らの拳を下げる。
 だが直後に、縫助に袖を掴まれて。
「何ぃッ!?」
「……甘いぜ。オレは最初から殺意なんか抱いちゃいねー!」
 縫助はこの瞬間を狙っていた。
 戦闘意欲を失っていない縫助に驚くが、三郎右衛門はすぐに距離を取ろうとする。
 しかし、がっしりと掴まれた袖によって逃げられず。
 続け様に打たれた拳も、彼を纏うオーラによって防がれる。
「オレの! この思いは! 純粋な怒りだァ!! いざ尋常にィ! 灰・燼・拳!!」
 縫助は逆の手を振り被って。そして、憤怒の一撃が放たれた。

 ――ズガァァァァァァンッッ!!!

 渾身の灰燼拳は見事に三郎右衛門を打ち付けて、致命傷を与える。
 袖が破けて、そのままの勢いで遥か遠くに吹き飛ばしてしまった。


 本日二度目の超遠距離移動が終わると、その場所は先程のカフェだ。
 よろよろと立ち上がるが、もうその身体は長くはない。
 目の前にはメロンのクリームソーダが一つ。
 少し躊躇するが、このまま待っていても消滅してしまう。
 味を確かめようと、グラスを手にして飲んで見ると。

「……はははっ! 本当にただのサイダァではないかッ!!」

 三郎右衛門はからからと笑う。
 そして、そのまま光の粒となって消え去ってしまった。


 戦闘が終わり、カフェの営業が再開する。

 食べ終えていない注文を味わいに行く者。
 依頼終わりに一杯、何か注文しようとする者。
 色々とあったので客に一杯奢ろうとする者。
 疲れたので早く帰ろうとする者。
 依頼を達成したので、猟兵達も各々が好きに動き出した。

 こうしてまた一つ、猟兵の活躍で帝都の事件が解決された。
 だが、まだまだこの世界の依頼は数多く存在する。
 次の依頼に赴いて、帝都を脅かす者達を倒し続けよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月17日


挿絵イラスト