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幸福の花は歪なミツを欲する

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 しあわせのこな、幸せの子なんだ。
 仕合せの香に、ふしあわせなものなんだ。
 不幸せの節合わせ、父子も会わせてとっても幸せ。
 そんな幸せが憎らしい、そんなシアワセが妬ましい。
 だから壊そうそうしよう。
 不仕合せこそが相応しい。
 不幸よ巡れ、節合わせのように!!

「グリモア猟兵チャンネル。略してグリチャンの時間です」
 穏やかな微笑みを浮かべたグリモア猟兵、煌石・庭園水晶(庭園で佇む静寂・f10825)はゆったりとした動きで、ぱち、ぱち、と手を叩く。
「今回……事件を予知した世界はダークセイヴァー。小さな村から親子が数組、攫われました」
 断定系、ということは既に起こっている事柄であると知る。庭園水晶はひとつ頷くと言葉を続ける。
「親子を攫って玩具のように拷問を行っている……というのは、事実でありフェイクです。今回関与しているオブリビオンの本当の狙いは、猟兵という存在です」
 予知した事件の首謀者となるオブリビオンは、狙いはどうあれ猟兵に興味を持ち、村人を虐げているという事件を餌に猟兵を誘き出そうとしているという。
「不運にも攫われた親子のグループは、村から離れた寂びた廃館の地下牢にいます」
 屋敷の地下まではノーガードらしく、障害となるようなオブリビオンもいないが、その地下牢で看守として牢を守り、連れ去られた者達を『幸せ』にしている大将級のオブリビオンがいるが、このオブリビオンは首謀者となるオブリビオンと利害が一致し、手を組んでいる存在だという。
「ダークセイヴァーという、オブリビオンの支配が盤石な世界で、わざわざ猟兵を狙うという少数派に分類されるような首謀者ですが……」
 なんであれ、猟兵を誘き寄せる為に力のない親子を幾組も攫っているのは事実である。
「敵の思惑に飛び込むは不服と思う方もいましょうが、どうか、猟兵としてオブリビオンを倒し、無事な人々を解放して差し上げてください」
 庭園水晶はゆっくりと頭を下げると、よろしくお願いします、と猟兵達へと告げた。


阿離磨
 ハッピーエンドが大好きですが、トゥルーエンドも大好きです。
 はじめまして、お久しぶりです、こんにちは、こんばんは。
 モラモラキュゥっとモキュキュキュキュ、阿離磨(ありま)と申します。
 お久しぶりのダークセイヴァーをお届けします。

 上記の通り世界はダークセイヴァー。
 第一章からボス戦となりますが、初手のボスは真の首謀者と手を組んでいる存在となります。もちろん進んでいけばいずれ顔をアわせることとなるでしょう。
 それでは皆様、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『調薬師・エーブル』

POW   :    ユーフォリアドラッグメーカー
【幸せかつ無気力になる香の霧】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を対象にとって幸せな幻影を映す霧で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    ゴートリック・セラピー
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【強制的に幸せな気分にする香を喫煙器】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    ディザブルコンダクター 10
【ダークセイヴァーの領民の理性】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【領民に薬を放ち、戦う事で幸せになる狂戦士】に変化させ、殺傷力を増す。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリダン・ムグルエギです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●しあわせのかおり

 廃館は不自然なほどに自然の姿を保っていた。
 瓦礫が転がるわけでもなく、木々が枯れ葉てているわけでもなく。
 けれども優先すべきことの前があれば、その不自然さに現状目をつぶらなければならい。
 足を踏み入れ地下牢を目指すと、ふわりと鼻孔を撫でる甘やかな匂いが漂う。地下へと降りれば降りるほど、奥へ進めば進むほどにその匂いは強くなる。
 そして目の前に映った光景に、猟兵は言葉を暫し失うだろうか。
 大きな通路の左右に並ぶ牢屋の数々に。その中で繰り広げられている、子供の首を大人が絞めているという、おかしな光景に。
 首を絞められ苦悶の表情を子供が浮かべているかと思えばそうではない。その表情は恍惚としている。まるで首を絞められることを悦ぶかのように。まるで呼吸が細くなることを感謝するかのように。
 思考する猟兵の頭を、吐き気がするほどの甘い匂いが搔き乱し、麻痺させ、記憶を混濁させようとする。
 そんな猟兵を笑うように、静かに地下の闇の奥から現れたのは、半獣の女だった。
『あら、あなた達が卿の言っていた猟兵というものかしら』
 猟兵の存在を認識している、であれば、その女の正体は考えるまでもなく、すぐにわかることであった。
『私は卿の選別から選り分けられた人間を幸せにしている途中なの、邪魔をしないでちょうだい』
『……あぁ、いいえ。卿の言葉に従うのならば、猟兵は殺さなければならない存在』
『それなら、ここで私の香りに包まれて、果ててくれないかしら』
 女の姿をしたオブリビオンが尻尾を揺らすと、咽る程の匂いが一瞬途切れる。その代わりとでもいうのだろうか、鼻が愚図るほどの臭気が漂い始める。
『私の香に、染まってね』
 薄暗い地下の廊下で、ソレは嘲笑した。


※第一章のプレイング受付は、10月6日の18時以降となります。
春日・氷華
氷の異能を持つ寡黙な少女。見た目と言動から冷徹に見えるが優しさを持つ。
【毒耐性】を発動。
彼女に生物用の薬物は効かない。

白手袋とマントを脱ぎ棄て、彼女の静かな怒りに呼応するように周囲の気温が急激に低下する。
「……」
相手が領民を操る前に、牢屋とあたしたちのいる通路を分断するように【絶対零度】による氷の壁を作り出します。
「……あなたの霧はもう彼らに届かない」

【絶対零度】を使用。周囲に絶対零度の冷気を放ち、霧がこちらに届く前に凍らせて無効化します。
「……無駄」
【カウンター】で霧沿いに相手へ凍結【属性攻撃】を放ちます。
「……お返し」

敵が攻撃を無効化して霧を吐いたら凍らせて防。
「……千日手。きりがない」


メグレス・ラットマリッジ
【SPD】
あーこれは奈落へ真っ逆さまな、人を駄目にする系の幸せですね。
善意なのかもしれませんが、廃人を送り込まれる地獄の鬼の気持ちも考えてください

雷杖による妨害(マヒ殴打・目潰し・恐怖付与)を基本に、斧で致命打を叩き込むスタイルです。
一所に長く留まらない、武器を振った風で吹き飛ばす事でなるべく香を吸い込まないようにします
大量に吸い込むことがあれば距離を置き心身を整えましょう。

UC対策は動き観察を行い不自然な脱力を見切り、雷杖の閃光・轟音で硬直を引き起こします。

アドリブ歓迎



●幸せは氷に閉じ込められ、打ち砕かれる

 地下牢の異質な空気を感じ取り、そして目にした春日・氷華(氷の女王・f22182)は、静かに白い手袋とマントを脱ぎ棄てると、周囲の空気が変化する。
 甘く重く痺れるような空気が徐々に冷え、痺れを纏う思考が軽くなると、オブリビオンのエーブルは目を細めた。
『無粋ね。私の香りの邪魔をするなんて』
 エーブルが手にしたパイプを振るうと、ふわりと香りの霧が濃くなる。
 しかし氷華が手を軽く動かすとそこから冷たい雪花が生まれ、霧を勢いよく伝っていく。
『……凍れ』
 氷華の呟きを糧にするかのように、冷たい地下牢の床から氷壁が急激に成長し、廊下と地下牢を分断し、個室の様に隔離した。
「……あなたの霧はもう彼らに届かない」
『あら……そうね、私の香りが届かないなんて、かわいそうに』
 エーブルが哀し気にそう呟くと、氷壁の向こうから絶叫が響き渡る。それはひとつ、ふたつではない。閉じ込められている牢という牢から、嘆きや悲鳴、叫び、泣き喚く声が氷を突き抜けて廊下まで聞こえてくるのだ。
『せっかく幸せだったのに、目が覚めてしまったんだから』
 ひどい猟兵ね、とオブリビオンが笑うと、メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)は、あぁ、と人差し指を唇に当てる。
「これは奈落へ真っ逆さまな、人を駄目にする系の幸せですね。善意なのかもしれませんが、廃人を送り込まれる地獄の鬼の気持ちも考えてください」
『そんなもの知らないわ。私はただ、目の前で不幸を嘆く子を幸せにしたいだけだもの』
「話が通じませんね」
 雷杖と手斧を握りしめ、構えるとメグレスは氷華の隣に並び立つと、瑪瑙色(アゲート)の瞳と、藍晶色(カイヤナイト)の瞳をそれぞれ見合い、手と足を動かした。
 エーブルの噴き出した香の霧は意思を持つように広がり、メグレスへと襲い掛かるが、氷華が指を動かしエーブルを示せば、地下全体の温度が低下し、霧はパラパラと重さを増して雫となり床に落ちると、パキリと音を立てて氷結する。
 チッ、と舌打ちをするが、駆けだしたメグレスは止まらず、手斧を振るい、エーブルの香水瓶へとその分厚い刃を叩きつける。
 ガギンッ、とヒビ入るような音を立てて香水瓶に亀裂が入り、そこからあふれる様に甘く腐った臭いの霧が漏れ出すあ、外気に触れた瞬間にソレは小さな氷の粒となって床に転がる。
 形勢が不利と判断すると、オブリビオンは身体から力を抜き、目に見えて脱力したように身体を揺らす。それがカウンターを仕掛ける動作であると見切ったメグレスは、雷杖をグルンと手の中で遊ばせ、力を籠める。
 次の瞬間爆発的な閃光と轟音が地下に響き渡り、その反動からパラパラと天井から砂ぼこりが落ちる。
 エーブルの脱力状態から成されるカウンターは『ユーベルコードを受けた』時に発生することを、メリグスは10秒先を見てきたかのように見抜いていた。閃光と轟音で、視力と聴力が麻痺したエーブルは、両目を抑え、耳を伏せて、フラフラと後退する。
 苦し紛れに、香水瓶を振るうと、熱を持った香霧が拭きだし、蒸気と成りながら猟兵へと襲い掛かるが、氷華は一歩前に踏み出す。
「……無駄」
 その言葉自体に力が宿っているかのように、告げられた瞬間、向かっていた霧はバキバキと凍結し、オブジェの様に凝結する。
 そして。
「……お返し」
 砕け落ちたオブジェを操り、水分を凝縮させ鋭さを作り上げた氷の刃を用いて、その刃を雨矢のごとくエーブルへと放つ。
 感覚をふたつもマヒしていれば、満足に動くことなどできない。
 エーブルは避けることもかなわず、氷刃の的となり、甲高い悲鳴を上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

春日・氷華
……今の隙に、親子たちの回復とケアをしないと。

敵が絶叫を上げている隙に敵周囲の冷気を操り、四方から氷の壁を生み出し氷の箱に敵を封じ込めます。
【属性攻撃】【時間稼ぎ】
「……『アイスコフィン』」

手を振るうと牢屋を覆っている氷の壁が粉々に砕けて、氷霧となって周囲を漂う。
「……散れ」
【氷楼雪華】幻想的な光景は、傷ついた親子たちを対象に回復を与える安らぎの眠りを与えます。
「……大丈夫。悪夢はすぐに終わるわ」
眠りの中で【催眠術】を使用し、薬でおかしくされていた時の記憶を消去します。

氷の檻から音が聞こえたら、彼女が出てくる前に親子たちを再び氷壁で隔離させます。
「……もっと、ゆっくり寝てても良かったのよ?」



●狂気は氷花に抱かれてただ眠る

 敵が絶叫を上げているのを好機とみた春日・氷華(氷の女王・f22182)は、指をパチンと鳴らす。音から伝わる衝撃はパキリと周囲の霧を、水分を凍らせるように、エーブルの足元を氷の枷で封じ、そこから彼女を飲み込むように急成長し氷の檻に閉じ込める。
「……『アイスコフィン』」
 この程度でオブリビオンが死ぬことはない、けれども時間稼ぎとしては使えるだろう。
(……今の隙に、親子たちの回復とケアをしないと)
 氷華が手を振るうと、牢屋を隔離している氷の壁がカシャンと砕け、意味をなさなくなる。
「……散れ」
 冷たい風に雪の様に攫われた氷片を気にせず、廊下に並ぶ牢の中を足早に確認すれば、蹲り血が出る程顔を掻きむしり続ける者、目の前で狂ったように笑いながら頭を打ち付けるモノを見て怯え泣き狂う子供、香霧の効果が薄まっていたはずであるにもかかわらず子供に手を上げようとするモノ。
 阿鼻叫喚とはまさにこのことであろう。氷華は唇を一度噛むと、息をゆっくりと吐き、冷気を通して牢屋の中に氷の蕾を作り出す。
『……眠りなさい。次に目を開けた時には、すべて終わっているから』
 冷たい、しかしその中に暖かさを交えた言葉と共に、氷の蕾は開花しハラハラとその花弁を花吹雪へと変化させ、正気を失った者達の周りを飛び交いその瞼をゆっくりとおろさせる。
「……大丈夫。悪夢はすぐに終わるわ」
 眠りに落ちる直前に、少しの催眠をかけ、記憶の消去を試みるが、それが成されているかどうかは彼らが起きなければ、判断は難しいだろう。
 しかしどうであれ、これで現状での被害が少なくなると安心すると同時に、バギンッ!!と鈍い音を立てて、オブリビオンを閉じ込めていた氷の檻は砕かれる。
 冷気で身体の機能が低下しているのだろうか、エーブルはガクガクと肩と足を揺らして、氷の檻の残骸を足で踏みつけ砕くと、深く冷たい狂気を孕んだ瞳で、氷華を睨みつけた。
『わだ ジ、の 幸せ、を゛……!!』
 氷華はすぐに廊下へと足を踏み出すと、再び霧の餌とならぬように眠らせた者達を匿う様に氷の壁を再び作り上げ、指で自身の唇を撫でる。
「……もっと、ゆっくり寝てても良かったのよ?」
 猟兵の言葉に、エーブルは獣の様な咆哮をあげ、鋭い眼光で目の前のモノを、正しく、そして真の意味で強敵と認識したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウル・トールフォレスト
(基本好きにお任せします)

「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気で好奇心旺盛。そして根本が人でない故に残酷で凄惨

猟兵の役割も理解してるが、基本的に楽しそう、面白そうで物事を判断する
神出鬼没に出現し、気まぐれにアチコチ歩き回り、笑顔で爪を振るう
そんな子

基本的に巨体を活かした力任せな戦闘スタイル
鋭い爪で引き裂いたり、踏みつけたり
体表で自生する植物を操り、防御や隠密、罠等、サポートも行わせる
本人の身体自体も植物の性質を持つ


エンキドゥについて
身長140程度
無口、無表情。
空中等、アウルの手では届かない相手に使用される
大事にしているので頻度は少ない



●幻惑の香りを纏う森

 オブリビオンに体温がるのか、何にせよエーブルは、低下した地下廊下の温度に肩を震わせる。
(このままでは、マズイ)
 自身がここまで追い詰められるなど、予想もしていなかったのだろう。
 撤退を。せめて、ここにいない『卿』へと伝えねば。
そうは思うが、目の前に現れた森を体現したような巨躯の少女に、エーブルの目が見開かれる。
――今日はどんなところに行けるのかな?
 そんな少女らしい思いのままにやってきたアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は、冷えた廊下と氷の壁、そして微かに残る不愉快なほどに甘い臭いに頬を膨らませる。
「コレ、あなたのせいなのかな?」
『なに?』
 言葉を投げられ、エーブルは反射の様に返すが、アウルの眉は寄り、苔と植物に覆われた手がぎゅっと握られる。
「楽しくないよ」
『なにを……』
「面白くないんだよ!!コレ、全部あなたのせいだよね!?」
 地下に響く大きな声でアウルが宣言すると、エーブルの用いる香よりも甘く惑う匂いが地下廊下に広がる。
『甘ぁい夢を見ましょう』
 それはアウルの体表に自生する植物が垂らす蜜の香りだ。粘質性のある蜜は冷えた床に落ちるとも、その香りを損なわずにエーブルの周りまで魅力的な匂いを届ける。
『あ、ぁ……?』
 香りに誘われるようにエーブルはふらりと足を踏み出し。アウルの足元まで正気の見えない瞳を揺らして近寄ると、恍惚とした微笑みを見せる。
 強い幻覚をミせる蜜の香りに、エーブルは虜となる。
 アウルはそんなエーブルを見下ろすと、腕を振るい上げ、その鋭く大きな爪で自身よりも小さなエーブルの胸を、腹を、喉を引き裂き、風邪を巻き上げてオブリビオンを吹き飛ばし、壁へ打ち付けるように弾く。
「ふふ、つまらないっ!!」
 現況を裂き飛ばし、少しだけ気が晴れたのか。アウルは楽し気に声を弾ませて愛らしく笑うと、森を思わせる緑の瞳でエーブルを見て、そう口にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春日・氷華
冷気と氷は満ちた……もう十分。
「……終わりにしましょう」

「……罪なき親子たちを苦しませた報い、受けてもらう」
【冷気解放】で敵の霧を凍らせ無効化しながら、圧縮させた冷気を足元や手元で爆発させ、推進力にして高速で突進します。
「……あなたのしあわせは、無理やり捻じ曲げたもの」
その儘の勢いで、右手を氷で覆い作り出した氷の鉤爪を叩き付けます。
「……他人の心を弄び踏み躙る行為、あたしは絶対に許さない」

防御したらそのまま傷口から体内に冷気を送り込みます。
「……地獄へ落ちなさい」
「『大紅蓮』」

回避したら、手を地面に付けて敵の足元の凍った地面から連続で氷柱を生み出して攻撃します。
「……氷牙(アイス・ファング)」



●砕けたシあわせに

場は決していた。冷気と氷で満ちた地下には、あの妖しい臭いはなく、息を吸えば冷えた空気が喉を焼くように通る程だ。
「……終わりにしましょう」
春日・氷華(氷の女王・f22182)がそう告げれば、エーブルはギリリ、と歯を鳴らす。
「……罪なき親子たちを苦しませた報い、受けてもらう」
『邪魔、ジャマ、ジャマ、邪魔なのよ!!私の、私達の作る幸せに、猟兵は必要ない!!』
 布を裂くようにエーブルの声が周囲の氷をわずかに振るわせる。しかし、この場は既に氷華の領域(テリトリー)へと変わっている。それを承知で、エーブルは氷華を睨みながらも、逃げる機会を探す様に視線を動かすが、氷華はそれを許さない。
『……絶対に逃がさない』
 瞬時に冷気を圧縮させ、冷えた床を蹴ると同時に圧縮した空気を爆発させると、それを推進力として氷華はエーブルへと突進する。
 廊下の冷えた空気が氷華の振るい上げた腕に纏い、鋭い鉤爪を持つ肩まで覆う程の巨大なガントレットを形作る。
 エーブルの香は既に何の意味もなさない。
「……あなたのしあわせは、無理やり捻じ曲げたもの」
 深く澄んだ氷を思わせる氷華の青の瞳の奥が煌めく。
 振り上げた氷の鉤爪をエーブルに叩きつける瞬間、オブリビオンはひび割れた香瓶を盾にするが、あっけないほどにソレは砕け散り、その身体に氷華のガントレットの先が深々と突き刺さる。
「……他人の心を弄び踏み躙る行為、あたしは絶対に許さない」
『が…あ、ぁ゛』
 くぐもった嗚咽を黙らせるように、氷華は冷たい傷口からオブリビオンの体内へと冷気を送り込む。
 体内から冷え、機能を停止させ、やがて傷口からパキリと氷が生える。
『大紅蓮』
 氷華は、そう呟く。
「……地獄へ落ちなさい」
 氷像へと姿を変えたオブリビオンだったモノを弾く様に振り払うと、ソレは氷の壁に当たり、バギンッ、と音を立てて砕け、氷の破片となった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『『死花』ネクロ・ロマンス』

POW   :    パイル・ソーン
【既に苗床となったヒトの手による鷲掴み】が命中した対象に対し、高威力高命中の【背から突き出す血を啜る棘を備えた茨の杭】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    フラバタミィ・ニードル
【体を振い止血阻害毒を含んだ大量の茨棘】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    バイオ・ビュート
レベル×5本の【木属性及び毒】属性の【血を啜る棘と止血阻害毒を備えた細い茨の鞭】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※MSより
 第二章の冒頭リプレイ開示は10月23日の午後。
 プレイング受付は同日の18時からとなります。
●しあわせのはな

 猟兵は地下牢を開き、捕らわれていた親や子供達を助ける。
 捕らわれていた者はそれぞれ顔を見合わせ、何かを探す様に視線を彷徨わせるが誰も口を開かない。
 に留まる理由はないと猟兵は村人を連れて来た道を引き返す。
 しかし、地下から上がると最初に通ったはずの大ホールがない。
 代わりに、美しく花が咲き乱れる広い庭園が広がるが、それよりも目を引いたモノに猟兵は眉を寄せる。
 それは庭園を彷徨う様にして歩き回る、人間に寄生している巨大な花だ。
 生気のない肌と瞳から、寄生されている人間が生きているとは思えない。
 となば、ソレは死体。死体に寄生して操り、移動や行動の手段としている花のオブリビオンである。
 猟兵は助けた村人を下がらせ、武器を手にするが『死花』ネクロ・ロマンスに寄生された女性と思われる死体を見た、子供が小さな声で、こう呟いた。
「……おかあ、さん」
 村人の顔を見れば困惑と悲嘆と恐怖が綯交ぜになった表情をそれぞれ浮かべ、死花の寄生体を見ていた。
 猟兵は察するであろう。
 この数知れずにいる死体のいくつもが、元は絆の繋がったモノ達であったのだと。
 しかし、今はオブリビオンの苗床となった死体は、生ある者を捕らえると、呻く様な音を漏らして、近づいてきた。
春日・氷華
氷の異能を持つ寡黙な少女。
寄生植物だけを殺して、遺体は出来る限り傷付けず後で埋葬したい。
それが、せめてもの手向け……あたしが彼らにしてあげられること。
こんな残酷な姿のまま、お別れなんてさせはしない。

怒りを押し殺したように呟きながら、後ろの村人たちを守るように腕を広げて『氷壁』を展開し安全圏を確保します。
「……ごめんなさい」
【氷桜雪華】猟兵たちを除く全てを眠らせます。
寄生植物は冬眠状態へ、死体への侵食や動きを鈍らせる。
倒した死体は癒しの力で綺麗な状態へ。
村人たちも家族の傷つく姿を見せないように。

雪の花が舞い散る中、静かに冷気を纏い近くの敵へ。
「……いくわよ」
攻撃は冷気で凍らせ無効化【カウンター】


メグレス・ラットマリッジ
【SPD】
犠牲者は出ずに済むかと思いましたが、間に合いませんでしたか……。
せめて亡骸だけでもお返ししましょう、綺麗には残せないかもしれませんが。

兎にも角にも生者を優先。他の猟兵が戦っている間に安全な場所まで誘導しましょう。
その後はUCを使用、鎧を纏い鉄塊と化したそれに跨り戦場を駆けます。
出来るだけ人体を傷つけないように本体部分を狙い、速度を乗せた斧を勢いのままに振るいます。
相手の茨棘は馬体を盾にするよう隠れ、鎧で受けてもらいます。

現世の存在ならともかく死者が生者に干渉する道理はない
そんなに血が欲しいなら、その胴に鉄を食らわせてやりますよ。
伐ッ採!

アドリブ歓迎



●物言えぬ者へ

(犠牲者は出ずに済むかと思いましたが)
 メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)は横に並び、目の前に突き付けられた惨状を静かに見つめる春日・氷華(氷の女王・f22182)を一瞥すると、小さく息を吐いた。
「……間に合いませんでしたか」
 氷華はメグレスの呟きを耳にすると、固く結んでいた拳をゆっくりと解き、腕を広げる。
 場の生ぬるい空気は張り詰める様に冷え、村人と死花を分断するように厚く大きな氷の壁が生え立つ。
「……ごめんなさい」
 口から紡がれる音は氷の花へと姿を成し、舞い乱れながら村人と死花の群れを取り巻き、踊り狂う。
『……眠りなさい。次に目を開けた時には、すべて終わっているから』
 背後の氷壁の向こうで、村人の気配がすぅっと薄くなったのを感じながら、氷華が、ほぅ、と息を吐いた瞬間だった。
『指輪を探して』
 口早にユーベルコードを謳い、メグレスは強固な鎧を纏った撤回のごとき亡霊馬を召喚すると、氷華の能力に反応して暴れる様に伸ばされた鋭い茨の鞭が己と氷華へ届く前に防ぐ。
「……植物なら、冬眠状態か……動きを鈍らせられるかと思ったけれど」
「どうやら、ユーベルコードの相性が良くなかったようですね」
 規制された死体を出来る限り傷つけたくはなかった氷華は眉を寄せ、血を求めて近づいてくる死花を睨みつける。
 メグレスは冷静に場を見回すと鉄馬に騎乗し、片腕で斧を握りしめて手綱を引く。
「どうやら、寄生されている体を傷つけるのが本意でないことは同じようですね。子の冷えた空気の中でも鈍らないというのであれば、狙う場所は決まります」
「……本体の、花」
「えぇ。では、いきましょう」
 氷華の言葉に柔らかな笑顔を返したメグレスは、首を動かし死花を見据えると、目を鋭く細め、鉄馬と共に駆けだした。
 出鱈目に向かってくる茨の鞭を素早く掻い潜り、騎馬が死花に接敵すると、メグレスの細い腕が軽々と斧を振るい上げる。
「現世の存在ならばともかく、死者が生者に干渉する道理はない」
 瞳を宝石の様に光らせる。
「そんなに血が欲しいのならば、その胴に鉄を食らわせてやりますよッ!!」
 厚い刃が風を切り、強烈な斬撃が死花の茎を両断すると、血の様に赤い花は無残に枯れ散り切断面から滲むように茶色く変色していく。
 流れるような動きで、メグレスが硬質で太い茎を切り捨て、それを逃れた死花へと氷華が冷気をぶつけ凍らせる。
「伐ッ採!!」
 ブォンッ!!と斧を振り回し、凍った花を茎ごと砕くメグレスを援護するように氷華が場の空気を凍てつかせていく。
 死花が打たれた死体は、活動力となるモノを失い、その場にぼたぼたと倒れ伏し、物言えぬ肉へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

宮入・マイ(サポート)
連携歓迎っス!

マイちゃんは面白いことがありそうなら首を突っ込むっスよ!
それ以外の目的で依頼に行くことはないっス!
まーなんでも面白いと思うタイプなんっスけどね。
ただ、面白いことに集中して依頼の本筋から離れちゃうときもあるっス…

基本は攻撃が来たら喰らっちゃうっス、本体がやられない限り死なないっスから!
後は寄生虫をけしかけてUCにつなげる感じっス。
でもこれにこだわらなくても大丈夫っス!
好き勝手やるときもあるっス!
あ、【裏返しの不幸】は面白いことを邪魔された時にしか使わないっス。

後は~…他人のことをあんまり気にしないっス、面白ければ被害が出ようがなんだろうがオッケーっスよ!

きゃっきゃ。←これ重要っス。



●同じで違うモノ

それは色鮮やかな花の様でもあった。
 宮入・マイ(奇妙なり宮入マイ・f20801)は目の前の死花を見て首を傾げる。
 そんな彼女へ向かい、寄生された死体が手を伸ばしわしずかもうとするが、体内に寄生虫を宿しているマイには死花が自分たちと同じであると察知できた。その予備動作を軽くかわすと指をグッと曲げる。
『産むッス増やすっス地に満ちるっス、そんで面白いことやるっス。』
『『『そんな暇はない。』』』
『あ、言うこと聞かんっスねこいつら。』
 マイの口ずさんだ言葉に、ナニかがその意思を差し込んだ。曲げた指が自身の小さな寄生虫を弾き、死花の花弁の中へ飛んでいく。
 ピンッ、と被弾した死花は、それを気にする様子もなくマイへと手を伸ばすが、数秒野間を開けて爆発的に増えた内部の寄生虫が死花を食い破るようにあふれ出る。
 ボロボロと崩れる死花を見て、マイはきゃっきゃと声を出し、同じように自分へと向かってくる死花を一体ずつ確実に処理していくのだった。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

コトト・スターチス(サポート)
辻ヒーラーのコトトですっ
皆さんをいやせるようにがんばります!

ぼくはケガしている方やピンチな方(特に一般人)がいれば、すぐさま『いやしのてのひら(少人数)』か『せいなるほのお(多人数)』で回復しながら【救助活動】をします!
辻ヒーラーとしてぜったいに治します!

回復がいらなければ、敵の攻撃を【見切り】つつ【情報収集】していきます
分析してゲットしたデータをいかして、適切なユーベルコードで反撃しますっ
ぼくは基本的に遠くから攻撃することが多いです
でも、いざとなれば殴りヒーラーもできますから、メイスでぽかりと【気絶攻撃】しますねっ!

※ネタ・シリアスどちらもOKですが、迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません



●聖なる通りすがりの癒し手

(傷ついた皆さんを癒いやせるように、がんばります……!)
 コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は青い電子の数列と共に現れると状況を確認し、愛用の鈍器を構える。
 死花はコトトの出現を感じ取ると、寄生している本体から茨を伸ばし、その血を啜ろうとする。
 しかし彼女は小さな体でその茨の網を身軽に避けると、鈍器の柄を遊ばせてみせる。
『ひっさつ! いやしとさばきのファイアーですっ!』
 その言葉に誘われるように、ボボボ、と現れた聖なる炎。59の耀くように明るい炎に、死花の動きが鈍る。
 えい、と掛け声とともにコトトがメイスを振り下ろすと同時に、周りを漂っていた聖なる炎が弾丸の様に死花の本体へと向かい、寄生された死体を残して延焼する。
「ぼくたちが、お助けしますっ」
 メイスを指揮棒の様に操り炎の軌道を指示しながらコトトは胸の内でそう思う。
 妖しく咲き乱れた死花の数は、そうして徐々に徐々に減らされていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「ダークセイヴァー世界の人達を助けるためにも、私も協力させてもらいます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【フレイムランス】を【範囲攻撃】にして、『『死花』ネクロ・ロマンス』達を纏めて巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●浄化の炎は雨の如く

「ダークセイヴァー世界の人達を助けるためにも、私も協力させてもらいます」
 マントを翻して降り立った火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は、素早く術を編み込みトリガーとなる言葉を口にする。
『我、炎により敵を焼き尽くす。』
 破魔の力が宿った炎と光の属性を掛け合わせた魔法の槍は、薄暗い庭園を照らす様に、シャンデリアの様に死花達の頭上を等間隔に並んで旋回する。
 見るモノが見ればそれはひとつの芸術を思わせるような光景であった。
「オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい」
 明は指を一直線に振り下ろす。それを合図とするかのように、瞬く炎の槍は弓雨の様に死花達の本体である巨大な花を貫き、燃やす。
 悪しきモノだけを破魔の力が燃やし尽くし、あたりに名残を残す様に熱が広がった。
ざわざわと音がかすれた後に残ったモノは、背中を食い破られるように荒らされた村人の死体と、猟兵、そして亡くなった家族を直視できずに眠った村人だけだった。



 オブリビオンの気配が複数ないと感じ取った猟兵達は、村人を出口付近の部屋に隠れさせ、ただひとつ残るオブリビオンの気配を追って階段を駆け上った。
 大きな木製の重厚なドアを叩き開けると、そこにいたのは。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『逃した赤子を追い求める者』

POW   :    さあ僕たち、ディナーの時間です
無敵の【意思を持つ醜悪な拷問具】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    貴方に答えが出せますか
対象への質問と共に、【魔方陣】から【意思を持つ様々なタイプの拷問具】を召喚する。満足な答えを得るまで、意思を持つ様々なタイプの拷問具は対象を【拘束し、どす黒く血に濡れた吸血刃】で攻撃する。
WIZ   :    貴方はオレには敵わない
【完璧な会釈】を披露した指定の全対象に【洗脳波を浴びせ、決して敵わないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はタンケイ・オスマンサスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●シアワセをモッテ

 オブリビオンの気配が複数ないと感じ取った猟兵達は、村人を出口付近の部屋に隠れさせ、ただひとつ残るオブリビオンの気配を追って階段を駆け上った。
 大きな木製の重厚なドアを叩き開けると、そこにいたのは断頭台に腰掛ける不機嫌そうな男と、床に転がる人間……だったものたちだ。
 室内は広々としており、赤い絨毯が敷かれているが、ところどころ汚れの様に茶色い染みがついている。
 断頭台の男は、手にした重石付きの鎖をじゃらりと鳴らし、つまらなそうに足元に転がるいくつもの村人であった者のひとつを蹴り飛ばす。
 それはゴロンと転がってはずみ、猟兵達の足元まで転がってくる。
 その顔は安らかなどではなく、顔から出る全ての体液で汚れ、苦悶の中で死んだことがわかるほど、凄惨な表情であった。
『……』
 その男は……オブリビオンは、気だるげに立ち上がると、白い手套をはめた指で断頭台をひと撫でして、猟兵達へ視線を向け、ゆるりと薄く笑みを見せた。
佐藤・和鏡子
拷問具ごと全速力の救急車で跳ね飛ばしてからフック付き牽引ロープをかけて救急車で引きずり回します。(牽引のユーベルコードを使います)
いきなり牽引フックを使ってもよけられるのが落ちなので、一撃入れてひるませて確実に引きずり回しを決められるようにします。
(運転の技能で正確に狙いを付け、吹き飛ばしと蹂躙を併用して救急車による一撃の威力を高めます)
可能なら引きずり回す際に振り回して壁などの固い物に叩き付けてさらなる追い打ちを狙います。
『自分が今までやってきたことを人にされるのはどんな気分ですか?』



●それはきた

 ギュギリとこの場に似つかわしくない、古いゴムが擦れる音がしたかと思うと、それはやってきた。
 古いとはいえ耐久力がある石壁を瓦礫に変えて突き破ってきたのは、佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)の運転する1台の古い救急車だった。
 それはさしものオブリビオンも予想が出来ていなかったらしく、自身へ目掛けて突進してくるその乗り物と思われる鉄の塊に、一瞬だけ動きを止めるが、すぐに立ち上がると、慌てた様子もなく美しく完璧な会釈を向けた。
 和鏡子の脳内がぐらりと揺れるが、踏み込んだ足を引くことはなく、そのまま車体をオブリビオンに激突させると、細く見えるその身体を拷問器具ごと吹飛ばし、壁に激突させる。
 確かな衝撃を車内で感じた和鏡子はフック付きのロープを放ち、ボールの様に弾んだオブリビオンの身体に巻き付けると、再度ハンドルを握り広い室内を出鱈目に走り回る。
 その動きは予測できず、車体とロープで結ばれたオブリビオンは、くぐもった声をあげながら壁や天井、床に叩きつけられる。
 しかし、内部にいる和鏡子も洗脳派を受けており、それに抗いながらハンドルを握っている。一歩間違えば運転を誤まって横転しかねないが、それでも彼女は揺れる視界と震える手でハンドルを切った。
「自分が今までやってきたことを人にされるのはどんな気分ですか?」
 救急車の後ろで鈍い音をさせるオブリビオンへ、彼女は言葉をおくった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

木常野・都月(サポート)
デフォルトとして、野生の狐として培ってきた[野生の勘、第六感]を使用して、敵の挙動や保護対象、周囲の状況の[情報収集]をしながら行動したい。
[オーラ防御]を展開しつつ行動したい。

基本は、精霊様に頼んで、フォローやサポートをお願いしつつ、[属性攻撃(必要があれば2回攻撃)」で攻撃をしたい。

強い敵が相手なら[属性攻撃]に[全力魔法]も乗せたい。

護衛対象がいるなら、護衛を優先したい。
[激痛耐性]で[かばう]事も視野に入れつつ、[カウンター、属性攻撃]で対処したい。

敵の攻撃手段に金属が使用されてるなら、雷の精霊様に頼んで、簡易的な電磁障壁で攻撃を止めたり、銃弾なら弾き返したりしたい。



●妖火

『でてこい、俺』
 その言葉と共に、ボッ、ボッ、と部屋の中に火球がいくつも現れる。
 踊るように揺らめくその焔の弾はオブリビオンの周りを漂い、狙いをすます。
 この声の出所はどこからか。
 赤い瞳を巡らせれば、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が、自分の分身と共にエレメンタルロッドを操り『精霊様』に祈りながら、炎をつくり出していた。
「手加減も遠慮も……いらだいだろう」
 黒い尻尾をふわりと揺らし、そう告げると、都月はふぅと息を吐いて、エレメンタルロッドの先端をオブリビオンへと向ける。
 2人の術者によって操られた火球は一度空中でぴたりと止まると、不規則的な赤い尾を引いて、オブリビオン目掛けて弾丸の様に放たれた。
 ユーベルコードを使う暇を与えないその攻撃に、血に濡れた髪を靡かせてオブリビオンは避け続けるが、いつまでも続くものではなく、足に被弾した火球は勢いよく燃え上がり、彼の衣服を、肌を、焦がす様に燃え上がった。
 喉の奥で低く唸るオブリビオンの音を聞き、都月の耳がピクリと揺れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・クロセ(サポート)
真紅の瞳。燃える炎。あふれる勇気。直情正義、元気全開、単純明快!
正しい心で悪しきを討ち、そして弱き者を救い、その盾とならん、我こそは義侠のスーパーセル!
スーパー純粋熱血、ハイパーテンプレ系ヒロイン、それがステラです。

一人称は「アタシ」ですが殆どの猟兵は先輩に相当するので話すときは「わたし、あなた」といった礼儀正しい振舞いとなります。
探索系はストレートな解決法を選び、
戦闘では正々堂々と敵の正面に立って攻撃を引き受け味方にチャンスを作る方が好みです。なお、近接戦闘派です。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
正義を大事にするので、他の猟兵の意図を阻害したり公序良俗に反する行動はしません。



●意思伏せるエンブ

 ドガンと飛来した意思を持つ拷問具をひらりと避けると、ステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)は双剣を構えなおす。
「弱者を嬲るオブリビオンはアンタね? アタシが海へ還してあげる」
サイキックエナジーを凝縮して作られた刀が空を切れば、火の粉がふわりと舞いあがる。
にたりと笑うオブリビオンは、創造し意思を躍らせた拷問具の矛先を、ステラへとむけると指で指揮するように示す。
『アタシは止まらない!行くよ、焔轟…熱風剣!』
ソレは美しい剣舞にして演舞の炎舞。舞い踊る双剣の煌めきと炎の闘志が燃え上がり、向かってくる拷問具を焔で包み、その意思を平伏させ、屈服させるように地へと伏せる。
 盾となる悪意を越えて、ステラがオブリビオンへと迫り、双剣をふるい美しく飾られた服飾を切り裂き、その身体を、意思を、苛烈に切り捨てた。
 くぐもった声を漏らして退くオブリビオンは、ステラをひと睨みすると、ぼたぼたと液が漏れる身体を抑え、敵となる猟兵を見た。

成功 🔵​🔵​🔴​

コノカ・ハギリガワ(サポート)
『やるわ。私に任せなさい!』
 サイボーグの鎧装騎兵×戦巫女、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
出身世界:スペースシップワールド

性格:勇敢
戦場では積極的に前線に切り込み、敵の注意や攻撃を引き受けます

・戦闘
勇翠の薙刀を主に使って戦います
また、エメラルドアームから発生させた障壁で仲間を庇います

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●翠が煌めく薙ぎの波に

「やるわ。私に任せなさい!」

 電子の海のような色をした毛先を揺らしながら、コノカ・ハギリガワ(勇を示す翠・f06389)が前に躍り出る。
 それと同時にオブリビオンの足元にふわりと魔法陣が浮き上がる。

『貴方は私に勝てるかどうか』
『貴方に答えが出せますか?』

 その魔方陣から不規則な音を立てて召喚された拷問器具が、彼の異形の周りを踊りまわると、それはコノカへと刃を向ける。
 向けられた質問の意味を理解したコノカは、むっと口を結ぶ。
 しかしその質問に媚びることも屈することも考えることはない。コノカは返答を行動として返した。

『一瞬、よ』

 それは真に一瞬だった。
 手にした薙刀をくるんと回し、それを勢いよく、横に薙ぎ払う。
 翠色の煌めく斬撃波は、向かってきた拷問器具をすべて蹴散らし、塵芥へと消し換えた。
 コノカの『翠空閃』は、勢いを殺さず、オブリビオンへと向かう。
 その一陣を避けようとするが、行動が一瞬遅かった。
 オブリビオンの片腕と首の半分を、翠の斬撃が椅子ごと切り裂いたのだ。

 血の代わりにドロドロとした黒い体液のこぼれるオブリビオンの体が、喉が、くぐもった嗚咽を漏らす。

「言ったでしょう。一瞬、とね」

成功 🔵​🔵​🔴​

ミラン・アレイ(サポート)
明るく元気でマイペース系なドラゴン女子だよー。語尾は伸ばしがち。思考は柔軟にシンプルに。共感型なところもありつつ芯はある感じ。おもしろいことや楽しいこと大好き。シリアスも大好き。行動原理は「人の助けになりたい」かなー。
スキルやユーベルコード は使い所では遠慮なく使うよー。
戦闘はパワープレイに寄りがちだねー。オーラ防御で攻撃弾きながら剣で斬ったり、怪力でぶん殴ったり。ドラゴンっぽく、竜翼で飛んで空中戦しかけたり、ドラゴンブレス吐いたりもするよー。あと、味方のサポートに徹するのも好き。
あとはお任せでアドリブ歓迎だよー。


百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ

攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

影朧などの場合は説得もしたい



●ライカのふたり


 白刃を構えたミラン・アレイは息を整える。 
 目の前にいるのは手負いとはいえオブリビオン。
 百地・モユルも武器を構えて対峙する。

 『人の助けになりたい』という似たような思いを抱く二人はちらりと視線を合わせ、オブリビオンが仕掛けて来る前に走り出す。

 オブリビオンが想像した醜悪な拷問器具が周囲から迫る。
 モユルは瞬時にヴァリアブル・ウェポンを展開すると炎の力をまとわせて拷問器具の群れへと攻撃を仕掛ける。攻撃回数を重視したその散弾に、拷問器具の勢いが落ちる。

「ボクの炎で焼き払ってやる!」
「次はわたしにおまかせだよー」

 ミランは躍るように拷問器具の間をすり抜けてオブリビオンに肉薄する。敵は距離ととろうとするが、ミランのほうがわずかに早かった。

『刺し貫け――』

 ザグン、とオブリビオンの身体を貫いたその斬撃から繰り出された雷は内側から爆発するように刃となって広がり、敵の動きを封じる、まるで杭のように相手をその場に捉え、縫い付けた。

「こいつがボス…なら、こいつを倒せば」

 モユルが再び炎を宿すとミランもバチリと剣に雷を宿す。
 雷火は確実にオブリビオンの焼き尽くさんとその勢いを加速させていく。
 敵は、己を縛り付ける雷の刃から抜け出そうとするが、簡単に抜け出せるわけもなく、ただただその場でもがくことしかできない。

「さぁ、おわらせよー」
「これで最後だ!」

 炎の散弾がオブリビオン目掛けて撃ち放たれる。ミランはその後を追うように走り出し、勢いをつけて剣を振りかぶる。
 着弾した炎がオブリビオンの肌を体を焼き焦がす。それでも往生際悪く手を振りかざすその姿を、少女の鋭い一閃が、切り裂いた。

 ボールのように飛んだ、胴体と切り離されたそれは、炎の中で黒い塵となって、ばらばらと崩れて消えていった。

 その場の拷問器具もすべて消え去り、あとに残ったのは城主の居なくなった廃墟だけ。




 無事に救われた親子、失ってしまった絆。
 それは様々にあったかもしれないが、こうしてオブリビオンの起こした事件のひとつは、猟兵の手によって鎮圧された。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月01日
宿敵 『調薬師・エーブル』 を撃破!


挿絵イラスト