薄暗い闇の中を華やかな衣装を纏った炎使いの少女が行進する。同時刻、館で作曲に勤しんでいた子爵はふと目を上げ、窓の外を眺めた。
「貴方の大切なモノは、なぁに……?」
うわごとのように少女は繰り返す。
「それとも、忘れたいコトのほうが多いのかしら? ドチラでも構わない。私にそれを見せて? やさしく口付けて、まどろむような愛を囁いて、美しい思い出のまま燃やして灰燼に帰してあげるから」
「同族殺しが来た、か」
面倒ごとを厭う口ぶりで男は命じた。
「館にいる者は全て迎撃体勢に入れ。私の趣味の時間を邪魔するものは何人たりとも許さぬ。館内へは一歩も入れるなよ――」
「同族殺し……やっかいなオブリビオンが現れたな」
サク・スミノエ(花屑・f02236)は猟兵たちを出迎え、事件のあらましを語り始めた。
「オブリビオン達がもっとも忌み嫌う存在――同族殺し。その名の通り、オブリビオンでありながらオブリビオンを狙って放浪する者たち。そうなるきっかけがなんだったのかはわからないが、正気を失った彼らはその手を同族の血に染め続ける。無論、襲われる方のオブリビオンとて、手をこまねいて殺されてやるわけもない」
そこに生じるのは凄惨なる同族同士の殺戮、だが――。
「漁夫の利、という言葉がある。両者の争いに付け込むことによって、通常では力の及ばぬ強力な領主さえも倒すことが可能になるだろう。卑怯な手だが、敢えてそれをよしとする者にこの仕事を頼みたい」
同族殺しの炎使いに狙われた子爵が住まうのは、崖を背面にそびえる三階建ての館。
外門、内門、エントランスホールの各所に数十体の黒騎士たちが配備されている。彼女が子爵を殺すにはこの三重の防衛線を突破しなければならない。
「あらかじめ、自分がどの防衛線を守るオブリビオンと戦うかを決めておくといいだろう。外門は視界が効かず、森に囲まれているため、そうした自然状況で戦うのに慣れているものが好ましい。少数精鋭が配置された内門では、高威力の技や猟兵同士の連携が求められるだろう。そして、エントランスホールでは総力戦となる。敵は数に物を言わせて抵抗を試みるはずだ。もし、外門と内門の敵を倒しきれていなかった場合は増援として現れる」
語り終えたサクの掌上で輝光するグリモアが異世界への道を開く。
ダークセイヴァーを満たす暗闇は纏わりつくような不気味さを湛え、血臭のする霧に閉ざされた森は鬱蒼と静まり返っていた。
ツヅキ
お世話になります。
第1章のプレイングは9/27の昼頃までの受付です。判定・執筆はできるだけまとめて行います。
また、第1章のプレイングでは、戦う場所を1つ選んでください。2つ以上書いてあった場合は最初に書いてある場所のみ描写されます。
1.外門…森の中に張り巡らされた外塀にある門の前で戦います。2/3の敵を倒すと門が開き、同族殺しのオブリビオンは内門へ向かいます。非常に視界が悪く、周囲は木々が生い茂っている見通しの悪い戦場です。
2.内門…前庭にある二番目の門で、数体の黒騎士が待ち受けています。数が少ない分、強い敵です。命中率や威力の低い攻撃は通りづらいので、1体ずつ連携して倒すような戦術が求められます。2/3を倒すと門が開き、エントランスホールへの道が開けます。
3.エントランスホール…子爵の居室に通じる階段のある、吹き抜けの玄関ホールです。ここを突破できれば子爵との戦いが待ち受けています。防衛する黒騎士は数が多く、増援も含めた全ての敵を倒すと第2章に進みます。
なお、同族殺しのオブリビオンの目的は子爵であるため、第1章では猟兵のみを狙って攻撃することはありません(オブリビオンを狙った範囲攻撃に巻き込まれることはあります)。
現時点では不明ですが、相手の記憶を元にした攻撃方法を持つようです。
第1章 集団戦
『怪物に堕ちた黒騎士の群れ』
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POW : リピート・ナイトアーツ
【正気を失いなお残る、磨かれた騎士の武技】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD : 無数の飢牙
【鎧】から【無数に伸びる蛇や狼、竜の首】を放ち、【噛み付きによる攻撃をし、拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 鎧装転生・鋼獣群集
自身の【五体と生命力】を代償に、【吸収してきた生命の形をした鋼の生物たち】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【鋭い探知能力の下、生命力を吸収する牙や爪】で戦う。
イラスト:にこなす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴェスター・アーベント
心情/
この世界を救い、オブリビオンを滅する為ならどんな手でも使う…全ては人々を守る為に。
場所/内門
「黒騎士よ…押し通らせてもらうぞ!」
戦術/UC【終焉ヲ齎ス黒】で攻撃
「消えろ、オブリビオン」
基本戦術は右手の聖剣と空中に浮遊し『念動力』で操る魔剣による攻防一体の剣技。
聖剣の『武器受け』で攻撃をいなしながら、『念動力』により操った魔剣を用いて【終焉ヲ齎ス黒】を『カウンター』で叩き込み敵を跡形も無く粉砕、傷を受けたら『怪力』を以って鋭く聖剣で斬りつけて生気や魔力を『吸血』し『生命力を奪い』受けた傷を癒しながら敵を殲滅するまで地形を壊しながら戦う継戦能力と破壊力に長ける戦術。
補足/アドリブ歓迎
ガーネット・グレイローズ
狂気に囚われ、同族を殺すようになったオブリビオンか。
この世界では、オブリビオンさえ正気を保てなくなるということか?
3.エントランスホール
同族殺しに人員を割いている今がチャンスだ。少しでも戦力を削るぞ。
【念動武闘法】を発動させ、スラッシュストリングを複製。
それらを<念動力>で操り、攻撃用と防御用に用途を分けていく。
攻撃の基本は糸を高速で震動させ、糸鋸の要領で甲冑ごと体を切断する<鎧無視攻撃>だ。
<第六感>で【無数の飢牙】のタイミングを読み、マントに仕込んだ偽翼や
防御用の糸で<武器受け>してガード。
素早く<カウンター>で斬撃を放ち、襲い来る獣の首を切り払っていく!
※アドリブ、連携、アレンジ歓迎。
キトリ・フローエ
オブリビオン同士でも喧嘩することがあるのね?
オブリビオンが何を考えているかなんてわからないけれど
相手がオブリビオンなら、あたし達のやることは変わらないわ
全部纏めて、やっつけてあげる!
あたしは外門に
フェアリーだもの、森の中は慣れてるつもり
小さな身体で木々の影に隠れつつ(迷彩)
第六感も働かせながらじっと目を凝らして索敵(暗視)
敵を発見次第、高速詠唱
光の属性と破魔の力を籠めた空色の花嵐を、見える敵全てを対象に全力で
すぐに詠唱を重ねて二回めの攻撃も放つわ
鋼の生物の爪や牙は空を飛んで躱したり、オーラ防御で凌ぎつつ
一緒にいる皆と声を掛け合い力を合わせて
最低限、門を開かせることを目標に迅速な撃破を目指すわ
アネット・レインフォール
▼心情
ふむ、子爵もだが…気になるのは炎使いの能力だな。
機会があればさり気なく確認し、
射程や威力といった情報の一端を掴みたい所だ。
当人達の関係性までは分からないが…。
――今夜は少し、荒れるかもな。
▼POW
優先度は「2>3>1」だが
猟兵の数が少ない所をカバーする。
予め葬剣を鋼糸状に展開。
敵の攻撃時に絡める事で時間差を作り
武技を逆利用しつつ【無刀閃】で霽刀を振るう。
なるべく複数範囲を巻き込む形で圧殺するが
連携時は地面を狙い足場を崩すフォローも。
同族殺しは視界の端に捉えておき
攻撃には回避か、敵を吹き飛ばし利用してみる。
門には暗糸で敵を掴みブン投げて破壊し陽動も兼ねる。
連携、戦場の調整移動、アドリブ歓迎
冴木・蜜
1.外門
同族殺し、ですか
何故過去が殺し合うのか
皆目見当は付きませんが
利用できるのならば…してしまいましょうか
体内毒を限界まで濃縮
身体を液状化し
地面や木等を這い移動しつつ
目立たなさを活かして潜伏
黒騎士が接敵してきたら
すかさず『微睡』
揮発した毒を操りつつ
そっと黒騎士達に這い寄り
融けた毒腕でその身体に触れてやりましょう
視界が利かぬのならば
私を見つけるのも難しい筈
気付いたとて
この生い茂る木々の中
液体の私を捉えられるでしょうか
もし攻撃された場合は
武器を這い上がり
飛び散った飛沫さえ利用し
毒液で包み融かし落としてやりましょう
私は死に到る毒
さあ
おやすみなさい
また会う日が来ませんよう
九尾・へとろ
■外門
ひょひょ、同族殺しとは愚かな事じゃ。
まぁ人の世も同じようなもんじゃし、笑うのもあれじゃが。
ともあれ、普段なら届かぬ敵に手が届くなら利用しない手はないのー。
先ずは同族殺し様に中で暴れてもらわんとな。
外門に降り立ち、拍手を一つ。『存在感』を示し、敵の目を集めよう。
トントンと拍を取り、武舞を舞わせてもらうとしよう。
『ダンス』『暗殺』『舞踊』の身軽さで騎士様方の攻撃は避ける。
おっと、鎧の中に物騒なものを飼っておるのー。
じゃが、ウチの武舞は止められんよ?
戦場を舞い、手刀は剃刀の如く、騎士様方を黄泉へと誘おう。
観客は多ければ多いほどよい。
骸の海に帰る前に、ウチの舞いが見れて幸せものじゃぞ、お前様方。
城島・侑士
冬青(f00669)と
綺麗…?俺には禍々しい毒蝶に見えるけどな
それにほらうちの嫁…母さんの方が綺麗だろ(どや)
うう娘が冷たい…
惚気じゃないのに
敵の敵は味方って簡単に言えるほど世の中は単純じゃないぜ
特にダークセイヴァーという世界ではな
同族殺しだろうがオブリビオンである以上
最終的には刃を向けることになるだろう
前衛を担当する冬青を援護する形でUC咎力封じを発動
黒騎士の行動を阻害する
援護射撃で敵の気をそらせて死角から娘が攻撃…という形で数を減らしていく
悪いな1対2で
黒騎士からのUCは発動タイミングを第六感で事前に察知し
回避するかオーラ防御で直撃するのを防ぐ
おっと同族殺しの範囲攻撃も注意しておかないとな
城島・冬青
お父さん…城島・侑士(f18993)と
内門で戦闘します
同族殺しの炎使いさんをちらりと見る
遠目からでも目立つ戦場の赤い華
綺麗な女の人だね
お父さん、そこで惚気るの?
今はそーゆーのいいから!(すかさずツッコミ)
他の黒騎士に加勢されないよう孤立した黒騎士に狙いを定め攻撃
UCを発動し高速で斬りかかります
お父さんの援護で黒騎士の死角へ回り込み傷口をえぐるで負傷している箇所へ追撃する
騎士のUCはダッシュと残像を駆使して回避するつもりだけど避けきれなかったら武器受けで凌ぐ
父が他の黒騎士に狙われそうになったら衝撃波で牽制する
お前の相手はこっちだよ!
第六感で同族殺しさんの攻撃の巻き添えを喰らわないようそっちも警戒
ヴィクトル・サリヴァン
同族殺し、ねえ。
共食いなら勝手にやってればいいと思うけど、そう上手くはいかないよね。
両方とも倒さなきゃヤバいんだし。
利用させて貰いつつ俺達の目的を果たそう。
…あんまり近寄りたくないな―。炎はね?
内門で戦闘。
UCで空シャチ召喚、三匹位まで合体させて連携させ、他の猟兵を援護。
鎧から伸びる無数の首を一体が受け、残り二体が攻撃仕掛けて来た黒騎士に突撃、噛みつきで反撃。
俺自身は水の魔法で援護。シャチの攻撃に水属性付与したり水のバリアで同族殺しの炎?の巻き添えダメージ軽減させたり。
騎士だったのにその手の立派な武器を使わないなんて堕ちちゃってるねえ。
まあどうこう言うわけじゃないけども。
※アドリブ絡み等お任せ
冴島・類
・エントランスホール
同族殺しの例は数多聞くが
切っ掛けを知る為にも…
元より、倒す機としても
側で、見させていただく
ホールは数が多い戦場と言う
炎使いの技に万一も巻き込まれぬよう彼女の動きも注意を念頭に
逆に、一時的でも
攻撃した隙に畳み掛けるなど、
利用できるなら活用
瓜江を手繰り
彼の蹴撃とフェイント、攻撃されるタイミング見切り
残像で躱すなど、騎士達の操る多数の鋼獣の動きを引きつけ
生まれた隙に踏み込み
本体の甲冑へ接近
二回攻撃、薙ぎ払いで攻撃を
接近したことによる反撃は避けたいが
近くに味方の他猟兵がいれば
味方への攻撃は、舞で威力軽減してでもかばい
全体としての勝利を目指す
狂気の合間に目指す色…
どんな色をしているか
●第1章 『三重の要』
「こそこそ、っと。絶対に見逃したりしないのよ」
迷彩を発動した途端、キトリ・フローエ(星導・f02354)の体からはふっと光が絶えて周囲の木々に紛れ込んでしまう。
「んしょっ!」
草むらからぴょこっと顔を出し、じっと目を凝らす――来た、と小さな唇で囁いた。闇の向こうから身を隠すことなどまるで考えもしない甲冑姿の黒騎士たちが集団で姿を現す。
「ベル、お願い――!」
麗しき花蔦の杖と化した精霊が吹きすさぶ花嵐となって暗闇の森を迸った。それも、続けて二度も。
「あら? 綺麗な青と白の花びら――」
側まで迫っていた炎使いの少女は、ぼんやりと小首を傾げて想定外の襲撃に慌てふためく黒騎士たちを眺める。
「どこだ!? 同族殺しの他にも敵がいるのか!!」
外門を背に周囲を見渡す彼らの頭上で、乾いた拍手が一つ鳴り響いた。
「上――!?」
見上げた先には、闇と霧を背負う九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)の鮮やかな着物の色彩。解き放たれた黒蛇の群れを跳躍して躱した着地を狙い、突き出された斧の一振りを軽やかに上体を反らしていなす。
「くそっ、ただ踊っているだけなのに攻撃が当たらない……!?」
「ひょひょ、キレはあるが狙いが雑把じゃのー。おっと」
鎧の内側から牙を剥いた狼の頭をひょいと舞を踏む足取りで避け、己を的にして彼らの注意を惹き付ける。
「このっ――」
完全に黒騎士たちの耳目がキトリとへとろに集まったところで、本来の『敵』である狂騒の炎が彼らへと襲いかかった。
「た、助け……ぐあっ――!」
「どうした!?」
「い、息が……ッ」
首を押さえてもがく仲間に駆け寄った別の黒騎士の肩にぼとりと黒いタール状の毒液が滴り落ちる。
「うわああッ!!」
「落ち着け、敵はどこだ!?」
「わからない、気を付けろ――!」
混乱に陥る彼らの足元で黒い水溜まりがほくそ笑むように揺らめいた。死に至る毒の名を冴木・蜜(天賦の薬・f15222)という。
さあ、眠れと死告げの飛沫が夜の森を迸る。鎧の腕に、脚に絡みついて鋼ごと融かして骸の海へと還していく。
また会う日の来ぬように、と――。
「よっ! とっ! はっ!」
微光を纏ったキトリは狼の蹴りをオーラで弾いた。後方に吹っ飛ぶのを急ブレーキで堪え、襲いかかる無数の蛇の頭をくぐり抜けて叫ぶ。
「こいつを倒せば門が開くわ!」
「承知の助じゃ!」
へとろの手刀が鋭く閃き、手近にいた黒騎士の延髄を落とす。その目が最後に見たものは、闇夜に美しく浮き上がる幼さと妖艶さを兼ね添えた妖狐の武舞――……軋む音とともに外門が動いた。
「開いたわ!」
ぐっ、と小さな拳を握ったキトリが目標の達成を告げる。
「止めろ――ひっ!?」
炎使いの少女が哄笑しながら駆け抜けるのを止めようとした黒騎士が悲鳴をあげた。大剣の柄から這い上がった蜜が腕から首へと絡みつき、声にならない声で囁いた。
「お勤めご苦労さま。おやすみなさい、永遠に――」
「外門が突破されたぞ!!」
「なんとしてもここで食い止めろ、エントランスホールには絶対に入れるな――うわあッ!?」
同族殺しを迎え撃つために出陣した黒騎士たちの隊列が突如として乱れる。
門前に張り巡らせていたアネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)の葬剣が鋼糸状の罠となって展開。知らずに剣を抜いた騎士らの武器を絡め取り、くんっとその反動を利用して前転しつつ霽刀で闇に一筋の蒼い剣閃きを描いた。
激しい振動が轟き、巻き込まれた黒騎士たちの周囲がえぐれたように陥没する。
「来たか」
炎の燻る匂いに顔を上げたアネットの眼前を、炎の馬たちが駆け抜けた。
(「強烈だな、炎の騎馬隊か。それに――」)
恐れおののく黒騎士の眼前では、首の無い彼自身が槍を振り回している。己が恐れる自分自身の姿を具現化されて悲鳴を上げる彼らを、炎使いの少女はくすくすと面白そうに眺めていた。
「うちの嫁……母さんの方が綺麗だな」
「でも、あれはあれで戦場の赤い華って感じで綺麗じゃない?」
城島・侑士(怪談文士・f18993)の戯言に城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は呆れて肩を竦めた。
「綺麗……? 俺には禍々しい毒蝶に見えるけどな。その点、母さんといったら――」
「出た、お父さんの時と場所を選ばない惚気話!」
「違うよ、惚気じゃないよ」
「今はそーゆーのいいから!」
「だから惚気じゃないって――おっと」
迫りくる狼の首や体に侑士の放った縄や枷が巻き付き、自由を奪っていく。
跳躍する冬青の全身に纏わりついた黒い花弁が彼女の姿を闇に紛れ込ませ、頭上からの死角攻撃を黒騎士に見舞った。
「よし!」
撃破に成功した娘の背後から再び拘束具を飛ばしつつ、侑士が微笑む。
「悪いな1対2で」
「な――!」
鎧の上からぐるぐる巻きにされた黒騎士は助けを求めて周囲を見渡すが、仲間たちは離れた場所で他の猟兵と交戦中だ。
「できるものならやってみなよ!」
破れかぶれで襲いかかる人型の鋼生物を、冬青は見事な足捌きで回避。残像の残る戦場を一気に駆けて本隊までの距離を詰めた。
「悪いけど、恨まないでよねっ!」
「ぐあっ!!」
鎧の隙間に突っ込んだ剣先で傷口をさらに抉る。
「くそっ!! 猟兵め――!!」
だが、頽れる仲間の仇を討とうと矢を向けた黒騎士の前に立ちはだかる男がいた。
「消えろ、オブリビオン」
「ちっ――」
ヴェスター・アーベント(孤独な剣士・f09560)は放たれた弓矢を右手の聖剣で切り伏せ、愕然と目を見張る黒騎士へと浮遊する魔剣を迸らせた。
「がっ!!」
喉元を貫かれた敵を暗糸で吊り上げたアネットは思いきりそれを門へと叩き付ける。鉄柵のひしゃげる音とともに門が倒れていくではないか。
「く……、も、門を守れ!」
息も絶え絶えに立ち上がろうとする黒騎士の眼前に舞い散る、涼やかな水飛沫。
「な……ッ、牙のある魚だと――!?」
「シャチっていうんだよ。覚えておいてくれると嬉しいな、ってもう聞こえないか」
呆気なく頭から丸ごと齧り倒された黒騎士の亡骸を見下ろして、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)はヒレの先で頭をかいた。
「見事な曲芸だな」
三匹のシャチが連携して敵を翻弄する様子にアネットは感心したようにつぶやき、敵の足元を穿つことで戦いを援護する。
「後ろから来るよ、気を付けて!」
戦場に冬青の緊張した声が響き、全員が後ろへと跳んで炎使いの少女から距離を取った。
「!!」
とっさにアネットは体勢を崩していた敵をそちらの方向へ吹き飛ばし、ヴィクトルは空を泳ぐシャチの周囲に幾つもの水輪を張り巡らせて炎の中和を試みる。
「これは――?」
張り巡らせた気の膜で攻撃をいなした侑士は一瞬だけ視界を掠った光景に目を細めた。
「迷路?」
「ああ。それも、こちらの記憶を具現化するタイプのようだな」
アネットが頷き、炎に照らされた少女の横顔を見つめる。
「……殺してあげる……そんなものは忘れてしまったほうが楽だもの。もう戻らない、私を倒してくれたあの人はもう戻らないから燃やすの……全部、全部……!」
「あの人?」
首を傾げる侑士に冬青が叫んだ。
「お父さん、危ない!」
剣の一振りで生まれた衝撃波が侑士と黒騎士の間を迸る。
「おっと、まだこっちが残ってたな」
内門の向こうへと去っていく少女の背中を見送り、再び放った拘束具が黒騎士の脚に絡みついた。
「騎士だったのに堕ちちゃってるねえ。その手に持った武器は飾りかい?」
それは咆哮する竜頭をシャチで受け止めたヴィクトルの、まるで揶揄するようなつぶやき。
「まあ、いいけどね。でも、最後くらいは騎士同士で決着をつけたらいいんじゃないかな」
せめてこれ以上の敵を通すまいと仁王だつ黒騎士の前に進み出たヴェスターはひたと敵を見据え、告げた。
「黒騎士よ……押し通らせてもらうぞ!」
右腕で振るう剣が倒れた門を残骸と化し、踏み込んだ中庭に破壊の痕跡を刻みつける。
「う……ああ……」
鬼神のように突き進むヴェスターの姿に怯んだ黒騎士の顔面に魔剣の切っ先がめり込んだ。
「言っただろう、押し通ると」
吸血によって流れる血を止めたヴェスターは表情ひとつ変えずにつぶやく。手段は選ばない。この世界を救うためならば、彼はどんな手でさえも使うつもりだった。
血と炎に支配された子爵の館には、ひとつ、またひとつと破壊された黒騎士たちの骸が積み上がっていく。
「なんて鮮やかな憎しみと狂気の色なんだろう……」
金切り声めいた音を立てて糸を繰る冴島・類(公孫樹・f13398)の唇から感嘆の吐息が零れ落ちた。シャンデリアの輝きを受けた炎がエントランスホールの中心で咲き誇る大輪の華のように燃え広がっていく。
「今だ、瓜江。あの炎の壁を利用して、引き付けて――そう、狙うは本体のみ」
なんとか炎を躱して疾駆する鋼獣たちの牙を黒衣の人形が身を翻しては一つ箇所へと追い込み、隙をついて黒騎士の懐へと踏み込んだ主の刀が鮮やかに敵を薙ぎ払う光景はよくできた劇のような趣がある。
「後ろがお留守だぞ」
二手の敵を前にして足並みの揃い切らない黒騎士たちを、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は数体まとめて切り裂いた。
鋭く振動する糸鋸によって真っ二つに切断された上半身と下半身が床へと転がり落ち、ぶつかりあった鎧が葬送の音を奏でる。
「ひとえに同族の血を求めるほどの狂気……オブリビオンでさえも正気を保てなくなる世界とは
どこまでも罪深いな」
背後から狙いすました槍の牙突をガーネットは僅かに首をひねっただけで躱すと、マントの下に隠していた翼で後ろの壁まで吹き飛ばした。
「大丈夫ですか? さすがに数が多いですね」
「ああ。いけそうか?」
「無論です」
類は頼もしげに微笑み、ガーネットに襲いかかる剣の一振りを舞いの如き足運びで受け流す。外で戦った猟兵たちが善戦してくれたおかげで、増援の現れる気配がないのは幸いだ。
いける、とガーネットは勝利を確信した。
「こいつで最後だ!」
飛来する蛇頭を引き絞った糸で反らし、腰の妖刀を引き抜いて敵が体勢を立て直す暇を与えることなくその首を切り落とす。
(「道は拓けた」)
さあ、どうする――類は歩み出す少女の背を見つめる。
吹き抜けの頭上から低い男の声がしたのは、まさにその瞬間のことだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『幻惑の演奏者』アストラル子爵』
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POW : サイレントステップ・アーベント―緋靴の為の夜会―
【永遠に踊り続けたい狂気を宿した魔の緋き靴】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD : ドリーム・ロンド―夢現の輪舞曲―
【最も幸福な時期の夢へ誘おうとする竪琴の音】が命中した対象に対し、高威力高命中の【猛烈な眠気と頭に響く目覚めへの否定の声】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : ヘル・マスカレイド―死霊の為の仮面舞踏会―
戦闘用の、自身と同じ強さの【演奏者を護る様舞う仮面を被る踊り手達の霊】と【踊り手を癒し鼓舞する曲を奏でる演奏者の霊】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:ひゃく
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「モリオン・ヴァレー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●第2章 『紅蓮と音律による狂騒曲』
「――やれやれ。やけに騒ぎが大きいと思ったら客が増えているではないか。はやく片付けて続きに取り掛からねば」
上から聞こえた声にガーネットと類が顔を上げると、ペンを置いた子爵が階段の踊り場に佇みこちらを見下ろしている。
「領主――」
少女の唇が薄っすらと笑みの形を作った。
子爵は鬱陶しげに目を細める。
「おおかた、どこぞの領主によって土地を追い立てられた同族殺しか。こうなるから安易に人に与したヴァンパイアに手を出すのはやめろと言っているのに……こいつらは正気を失い、自分を裏切った相手かそうでないかも理解できぬままに同族を襲い続ける。実に迷惑な連中だ」
その指先が抱えた楽器の弦を奏で、不気味な音色を紡ぎ始めた。
「炎を使う少女――確か、遊戯を愛しむ元軍人のリウといったか? 自分を倒した人間の男を囲っていると聞いたが、その様子ではやはり悲劇にしかならなかったようだな。同情はせんよ。同族殺しに堕ちるくらいなら死んだ方がましなくらいだ」
少女はエントランスホールの中央に立ち尽くしたまま炎を渦巻かせ、子爵は正面からそれを見下ろせる踊り場で迎え撃つ。
子爵に至る道は2つだ。
跳躍し階段の手すりを飛び越えて踊り場に飛び込むか、あるいは左右に分かれている階段から回り込んで挟み撃つ。
複数の足音が次第に近づき、外で戦っていた猟兵たちもエントランスホールに合流する。戦いの幕を上げるための序曲が子爵の指先から奏でられた。
ヴェスター・アーベント
心情/
これが領主か…巫山戯た様子だが、確かな力を感じる。
同族殺しとやらを利用してでも、倒させてもらうぞ。
行き道/右の階段
狙うは挟撃、徹底的にやる。
戦術/UC【闇ノ誓約】を使用
「《その場から動くな》ーーー
貴様の願いは叶わない、闇に縛られ炎に焼かれるのだ」
【闇ノ誓約】を用いてルールを宣告、踊りや移動に負担を科す事でリウが戦い易いように仕向ける。
その上で俺は敵の攻撃を『見切り』『念動力』で自在に操る魔剣を使い『なぎ払い』『武器受け』しつつ、『怪力』を込めて振るう鋭い聖剣の斬撃で領主や領主の召喚した霊を斬り裂き、暗黒の力で『生命力を吸収』しながら戦う。
「貴様に勝ち目はない、消えろ!」
補足/アドリブ歓迎
冴島・類
饒舌な子爵のお陰で
同族殺しが狂気に至る理由の欠片を知れたわけですが
裏切りに悲劇
…碌なものじゃない話だ
彼女に答えを問えないなら
結局狂わせるのは
今であれ、過去であれ
想い、心を壊されたから
そんな事しかわからないってのは
リウが炎を放ち開戦したなら
操る瓜江の手を飛び台にと構え、放り投げさせ跳躍
踊り場に向かい接近戦へ
落下の勢いに乗せ破魔の薙ぎ払い
同族殺しの炎の技に巻き込まれる可能性も織り込み済
炎耐性で耐え
反撃され負傷すれば、糸引いて瓜江呼び、血で風巻を解放
二回攻撃にて風の刃纏った蹴撃で
子爵の体勢を崩させるの狙い
味方の攻撃へ繋げる
赤い靴履き
旋律に乗せ
死ぬ迄踊るつもりなら、お相手下さいな
炎の舞台は似合いですよ
キトリ・フローエ
あなた達が狂ってしまっていても、そうでなくても…
あたし達は、あなた達を倒すだけ
だって、あなた達がオブリビオンである以上は
この世界にとって迷惑な存在であることに変わりはないもの
仲間の皆とタイミングを合わせつつ空を飛び、手摺を越えて踊り場へ
リウが炎使いならその勢いを利用し
あたしは全力の炎の風(エレメンタル・ファンタジア)で子爵を攻撃
子爵が死霊を召喚しても気にせず纏めて範囲攻撃を
敵を倒すのに敵を利用するだなんて確かに変な話
でも狂ってしまっているのなら、…いいえ、どの道やることは同じだわ
あなたにとってはとんだとばっちりかもしれないけれど
運が悪かったと思って諦めてちょうだい
大人しく骸の海へ還ってもらうわ
ガーネット・グレイローズ
あれが、この館の主か。同族殺しも中に入って来たし、
此処からは三つ巴の戦いになるな。共闘の可能性は……考えない方がいいか。
「お取込み中失礼するよ、先生」
奴の武器は竪琴か。さっきから不思議な音色を奏でているが……
ブラックバングルから<衝撃波>を放ち、階下から踊り場の子爵を狙い攻撃。
それと同時に地面を蹴って大きくジャンプしながら
【妖刀の導き】を発動させ、装備武器の攻撃力を呪詛で強化。
私はヘル・マスカレイドで呼び出された霊の対処にあたるが、
本命はあくまで子爵。マントに仕込んだ偽翼を広げ、
<武器受け>で踊り手の攻撃をガード。次の瞬間、
鞘からひとりでに抜けた妖刀を<念動力>で子爵へと飛ばす!
アンリ・オヴォラ
丁度イイトコじゃない?
ちょっと趣味じゃないけど、たまにはああいうオトコもいいわよね
ねっ❤
まずそこのお姫様に巻き込まれないようにしなきゃ
消耗狙いなんでしょ?じゃあすぐにはいかない
ドラマチックに階段で近付くワ
音楽なんて、ステキな趣味
串刺して傷をえぐったら、アナタはどんな歌を聴かせてくれるのかしら
でもその音、よくないみたいネ
二つのこの玉で、周りのモノ壊させてもらいましょ
あとは少しでも気が散るように手元足元お顔の周りにも飛ばすわ
拘束具達は攻撃の脇からフェイントでぶつけて
指先の動きを見切って音を防いだり遮ったりも大切ね
どっちにして、アタシ今が一番幸せなの♪
王子様のキスもアリだけど、今度にしとくワ
アネット・レインフォール
▼心情
ふむ…もし子爵が真の作曲家ならば、
通常よりも手足や楽器を大切にしている筈だ。
狙うとしたらそこだが…炎使いとの一戦も控えている。
ここでの消耗は最小限に抑えるべきだろう。
故に――今回は盾役に徹する。
▼POW
戦場にいる全猟兵に対し【全テ守ルト誓ウ】で、
なるべく被害が及ばないよう努める。(炎使いは対象外)
子爵が肉弾戦を行うとは考え難いが、
盾を縦横無尽に展開し攻撃には警戒しておく。
楽器や音を使ってくる場合は、盾を重ねて遮音効果を高めるか
盾をちまちまぶつける等して敵の集中力を削ぐ。
有事の際や意表を付く時は、一時的に武器の状態に戻し
念動力で投射するか普通に霽刀で一閃する。
▼他
連携重視、アドリブ歓迎
冴木・蜜
敢えて正面から仕掛け
子爵の注意を惹きましょうか
体内毒を濃縮の上
液状化した腕を伸ばし
階段の手すりを掴んで跳びます
子爵が死霊達を召喚したら
『無辜』で身体を気化
目の前で姿を消し
スピードを落とさず一気に子爵に接敵
そこで気化を解いて
溶けた毒手で触れ
その腕を融かし落とします
その腕を融かしてしまえば
新たな音を奏でることも出来ますまい
反撃してきたら攻撃を受けた瞬間
すかさず体を液状化
飛び散った飛沫さえ利用し
更に融かして差し上げましょう
私は死に到る毒
故にただ触れるだけで良い
次は踊れぬよう
足を融かしましょうか
……なんてね
私だけを相手していられるんですか?
貴方の敵は私だけでは無かったのでは?
城島・冬青
お父さん…城島侑士(f18993)と
踊り場に飛び込みます
お父さんの手を握り…いや腕を掴んで?UC【夜歩く】で飛翔
そしてそのまま踊り場に…とーう!(しゅたっと着地)
デキる娘は空だって飛べます
マッハ4くらいでね💫
【夜歩く】の飛翔能力と組み合わせたダッシュで子爵へ接近し
こちらへ注意を向けた上で斬り合いを挑みます
内門での戦闘同様
父からの援護を受けつつ子爵の負傷を確認
傷をえぐるで追撃する
相手の攻撃は残像と武器受けを駆使してまともに食らわないよう気をつけます
リウさんは他の場所でもこんな風に戦ってきたのかな…
おっと!父の声かけで気を引き締めます
彼女にも色々あるだろうけれど今は目の前の戦闘に集中しないとね
城島・侑士
冬青(f00669)と
娘に手を引かれたと思ったら…おわっ!?
お前、いつの間にUCで空飛べたんだ?
マッハ4…??
自慢したくなるくらいデキる娘なのは認めるが随分遠くへ行ってしまったようだ
まぁ音速で飛べたらあっという間に遠くへ行くわな
…って現実逃避してる場合じゃなかった
援護射撃と二回攻撃を駆使して冬青が子爵へ攻撃しやすくするためサポートで行動する
【咎力封じ】での行動の阻害も忘れない
ドリームロンド発動は第六感と聞き耳で警戒し命中する前に回避するかオーラ防御で対応する
冬青は同族殺しの女が気になってるようだが
子爵の言うように正気を失ってる相手だ
此方が標的に変わる可能性だってある
奴の攻撃に巻き込まれるなよ?
ヴィクトル・サリヴァン
わざわざ解説してくれるとは親切だねこの子爵。
事情が分かったからと言って別にどうこうするわけじゃないけど。
利用できるかはともかくとして、あの強そうな子爵を倒す為の共闘頑張るしかない、か。
左の階段を回り子爵の下へ。
何か正面からだと罠仕掛けられてそうな気がするし。
…床が抜けるとかはないと思うけども。
念の為階段下りるときもトラップ等は警戒。
ちょっと遅れるかもだけど確実にね。
降りたらまず先行して戦っている猟兵達で負傷している人にUC発動、治療する。
いなさそうなら水の魔法と銛の投擲で子爵を直接狙って仮面舞踏会の妨害。
接近すると同族殺しの攻撃に巻き込まれそうなので距離取りつつ立ち回る。
※アドリブ絡み等お任せ
「させるものか」
子爵のどこか嘲る声色とは真逆の質実なる低い呟きとともに、エントランスホール全体を庇えるほどの巨大な『盾』が展開した。
「なに――?」
己の先取を疑いもしなかった子爵の横顔に僅かな驚きの色が広がる。
「私の音色に踊り狂うはずの亡霊たちを留めた――だと?」
「真の作曲家ならば、己の手足よりも大事にしているであろうその楽器を武器としてではなく心を動かす道具として用いたらどうだ? 同族殺しに狙われたのは運が悪かったとはいえ、同情する気にはまるでならないな」
全ての武器を護りに回したアネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)は、彼の抱える竪琴から目を放してリウと呼ばれた炎使いの少女を見つめた。
「後のことを考えればここでの消耗は最低限に抑えるべきだろう。故に――俺は皆の盾役に徹する。前は頼んだぞ」
「ああ。三つ巴の戦いだ、背中を預けられる仲間がいるのは非常に頼もしい」
ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は力強く頷き、腕を振るって一陣の衝撃波を放った。
「ふ――このような攻撃など……なに!?」
子爵の眼前に、跳躍したガーネットが迫っている。
「お取込み中失礼するよ、先生」
軽やかに告げ、禍々しき気を放つ妖刀を抜き払った――否、それは自動的に鞘を捨てて宙を迸ると子爵の心臓目がけて飛翔。
「く……ッ」
咄嗟に召喚した仮面の男達が子爵を庇うも、空中で一回転したガーネットの背から生えた偽翼がそれらを一掃する。
「この私をそう簡単に止められると思うなよ」
長い髪を翻し、自律する妖刀を従えた偽翼のガーネットは唇の端を吊り上げて微笑んだ。その直後のことである。それまで身体を気化させることで死霊たちの包囲をすり抜けていた冴木・蜜(天賦の薬・f15222)が突如として姿を見せた。
「な――ッ」
「万物を溶かす蜜毒の味はいかがです?」
背筋が凍るような声で囁いた蜜の両手が触れた途端、子爵の腕がどろりと溶解して竪琴を取り落とした。
「ぎゃああッ!!」
床に落ちた拍子に奏でられた耳障りな超音波も、瞬時に液状化した蜜にはその毒をまき散らすための手助けにしかならない。
蜜は上半身だけを現すと、虚ろな眼差しで問いかける。
「次は踊れぬよう、足を融かしましょうか」
「ぐ……ッ」
腕を拾って後ずさる子爵の注意はその時、完全にもうひとりの敵から離れていた。
リウの逆巻く炎を背に、黒衣の人形――冴島・類(公孫樹・f13398)の傀儡たる瓜江と小さな彗星のように飛翔するキトリ・フローエ(星導・f02354)が同時に躍りかかる。
「傀儡と妖精か!」
慌てて竪琴を取り上げる子爵にキトリが否定を返した。
「それだけじゃないわ!」
「なに?」
驚愕は直後に吹き荒れる炎嵐によって悲鳴へと変わる。
「まさか、リウの炎を利用しただと!?」
「あなたにとってはとんだとばっちりかもしれないけれど、運が悪かったと思って諦めてちょうだい」
逆巻く炎を背に凛と浮遊するキトリの瞳に、子爵の卑しい笑みが映り込んだ。
「ふっ、お前たち猟兵の手口はわかっているさ。利用するだけそうして、リウも殺すのだろう? とんだ正義の味方だな」
「それで挑発しているつもり? あたし達は、あなた達を倒すだけ。だって、それがあたし達の使命なんだから!」
竪琴の音色に導かれて踊る死霊たちごと、キトリは猛然と気合を込めて吹き飛ばした。
「く――前が見えな……ッ!!」
足元を薙ぎ払われた子爵は、目を見開いて床に転がる。
「な――!?」
見上げる視界には炎の中、ゆらりと立ち塞がる赤糸繰りの絡繰り人形。その襲撃が子爵の足元を死角より薙いだのだ。
「おのれ、よくも――!!」
無様を晒された子爵の怒りを類は微笑で受け止め、赤い靴を打ち鳴らす子爵へと語りかける。
「死ぬ迄踊るつもりなら、お相手下さいな。炎の舞台は似合いですよ」
「その言葉、受けてたつぞ!」
厭世的な音楽家の仮面を剥ぎ取った子爵は赤い靴を手すりにかけ、自ら階下へと飛び降りようとした。
もし、城島・侑士(怪談文士・f18993)の腕を引っ掴んで飛び込んできた城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)の突撃がなければ、彼は今ごろエントランスホールを舞踏場と化してその足さばきを披露していたに違いない。
「やっば、うっかり蹴り倒しちゃった!」
軽やかに着地した冬青は、すぐさま加速。
子爵はほぞを噛み、回避を試みるも間に合わない。
「くッ……この小娘、早い――!」
「そうなんですよ、うちの娘ってばデキる娘でね」
全開の笑顔で凶悪な拘束具を次々と子爵に放つ侑士は、顎に手を当て、とぼけた独り言をつぶやいた。
「あ、でも本当にマッハ4で飛べたらあっという間に遠くへ行くわな。さすがにそれはないか」
「くそこの親馬鹿めが!」
拘束具でぐるぐる巻きにされた子爵のかき鳴らす幻夢の旋律すら、侑士はひょいと気壁の応用で躱してしまう。
「後ろ、後ろ」
侑士の指さす先を振り返った子爵が見たのは、残像を纏いつつ至近距離まで詰めていた冬青の追撃だ。
「ここ!」
「ぎゃー!!」
先ほど瓜江が払った傷跡を容赦なく冬青の刃が抉り開く。さすがにこれ以上は、と撤退を試みる子爵をリウの炎が取り巻いた。
「ちいッ――」
死霊たちを連れて階段を下りかけた子爵の前に立ちはだかったのは勇壮にも銛を手にしたヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)である。
「どけ!」
「わざわざ事情を親切に解説してくれたお礼に願いを聞いてあげたいような気がしなくもないんだけど……まあ、そういうわけにもいかないんだよね。残念だけど、仮面舞踏会はもう終わりだよ」
とんとん、と脚の先で階段に何のトラップもないことを確かめたヴィクトルは小さく頷くと助走をつけて持っていた銛を思いっきり投げた。
死霊の群れの中央を貫いた銛はそのまま彼らを巻き込んで反対側の壁へと突き刺さる。周囲に迸る水流と炎が化学反応を起こして霧のような水蒸気が周囲に満ちた。
「ちょっとは涼しくなったかな」
「く……左が駄目でも右が残っている……!」
身を翻す子爵だったが、振り返った先には愛刀を手に仁王立つヴェスター・アーベント(孤独な剣士・f09560)と、色っぽいウインクで出迎えるアンリ・オヴォラ(クレイジーサイコカマー・f08026)の両名だ。
「ちょっと趣味じゃないけど、たまにはアナタみたいな男と火遊びも悪くないわね」
しなを作るアンリの流し目に子爵はぞくっと震え、思わず後ずさる。
「おっと、俺がいるのを忘れないでよね」
リウの炎に撒かれないよう、距離をとった背後からヴィクトルが声を張り上げた。
「ぐぬッ……!」
「さあ、アナタの音楽、ワタシに聞かせてちょうだい?」
ヒュィン、とアンリの掌上に浮遊する二つの輝玉が互いに絡み合うような軌跡を描き、子爵目がけて特攻を開始。
「今よ、ヴェスターちゃん」
「敬称はいらん。ヴェスターと呼べ」
アンリの軽口にも真顔のまま進み出たヴェスターは逃げ場を失った子爵に向けて絶対的な力を持つ言葉を放った。
「《その場から動くな》――貴様の願いは叶わない、闇に縛られ炎に焼かれるのだ」
「うぐッ……」
子爵が呻き、リウの指先が炎を絡めて踊った。
「うあ、あああ……!!」
炎馬の群れを避けようとした瞬間、恐ろしい苦痛が彼を襲う。
「く、くく……こうなったら、リウよ、私はお前を攻撃しない! お前がこいつらを殺すのだ!!」
「外道が!」
怒るヴェスターの魔剣が迫りくる炎馬をいなし、冬青は背面にかざした刃の面で火の粉を払う。
「リウさんは他の場所でもこんな風に戦ってきたのかな……」
「冬青」
侑士の諫める声に冬青は微かに頬を膨らませた。
「わかってるよ、お父さん。今は集中しないとね」
「そういうこと。そら、いってこい!」
性懲りもなくこちらの隙をつこうとしている子爵の脚を虎挟みで捕まえると、侑士は娘の背を押した。
「……まったく、碌なものじゃない話だ。ねえ瓜江? そんな事しかわからないってのはひどく残酷なことだとは思わない?」
指先を伝う血を絡繰りに与え、類は哀しみにまぶたを伏せる。
「せめて、できるのは壊された心と釣り合うようにその身をも壊してやることだけ。だから、饒舌な子爵には退場してもらいましょう」
苦心して纏わりつくアンリの玉を躱していた子爵はまたしても足元をすくわれて息を呑んだ。足がほとんどぶつ切りになるほどに大きく切り裂かれているではないか。
「あああああ……!!」
子爵にその怪我を与えた瓜江は両脚に纏った風刃を再び振るった。同時に拘束具を隠れ蓑にしていたアンリの玉が追撃にかかる。
唇を尖らせて色気を振りまきながらの最後通告がこちらである。
「んー、でもやっぱりアタシ今が一番幸せだから王子様のキスはまた今度にしとくワ。アナタの音楽には期待してたんだけどネ? アデュー!」
「くッ、こんなところで――!?」
「貴様に勝ち目はない、消えろ!」
往生際悪く子爵を取り囲む死霊たちをヴェスターの聖剣が薙ぎ払い、道を空けた。ヴィクトルが銛を床に突き立て、それを起点として召喚した雷撃によって味方の猟兵たちの受けた傷を急速快癒する。
「元気百倍!」
小さな拳を握り、キトリは持てる力の全てを振り絞って風を起こした。
「お願い、力を貸して。彼を骸の海へ送り還すために」
祈るように上向いたキトリを中心として、特大の嵐が渦巻く。その追い風に乗ったガーネットの背で偽翼が開き、鋭く旋回した念動剣が子爵の腹部を貫いた。
「ぐあああ――!!」
「哀れだな」
それまで牽制にしか使っていなかった盾を分解し、構成していた武具の一つを手にしたアネットは躊躇なくそれを一閃する。
「な……なぜ避けられなかった……?」
遂にその身に受け続けた傷が致命的な域に達したことを知り、子爵は愕然とつぶやいた。彼の四肢は蜜の毒液に侵されてほとんど腐食している。
「これが私の戦い方です。冥途の土産にお見知りおきを」
砂となって崩れていく男を見送り、蜜はゆっくりと残る『敵』を振り返った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『リウ・メイファ』
|
POW : 殺戮遊戯
【炎で出来た騎馬軍団】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 鏡想遊戯
戦闘用の、自身と同じ強さの【相手が嫌う相手自身】と【相手の大切なヒトやモノ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ : 追憶遊戯
戦場全体に、【出来る事なら忘れてしまいたい記憶】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
イラスト:天城望
👑8
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シン・バントライン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●第3章 『さぁ、私と一緒に遊びましょう?』
「…………」
炎使いの少女――リウという同族殺しのオブリビオンは灰となって消えゆく子爵を退屈げに眺めていた。
「……次を探さなきゃ」
それは、楽しかった遊戯が不意の終わりを遂げてまだ遊び足りない子どもの呟きのようだった。
リウは探さなければならない。
美しい記憶を、哀しみの思い出を、それらを弄ぶ遊戯の続きを。それが彼女の性癖だから。
「ああ、でも――」
遊戯よりも楽しかったはずの思い出を、いまのリウは思い出せない。思い出したくないのかもしれない。
ふと、彼女はいま初めて猟兵たちの存在に気が付いたような顔で振り返った。
「あなたたちにも、そんな思い出がアルのかしら……?」
差し伸べられた指先から滲みだした寂寥と戯れの紅蓮がエントランスホールを侵食してゆく。
「なら見せてちょうだい、心の痛みも喜びも。ゼンブ全部ぜんぶ、私が燃やし尽くしてあげるから」
アネット・レインフォール
▼心情
オブリビオンとなった少女は完全な記憶を持たない、か。
こうして見ると哀れなものだな。
失った思い出を蘇らせる術は持ち合わせていない故、
せめて彼女が充足して旅立てるよう一助となろう。
▼POW
先ずは炎の騎馬軍団の対処を。
刀剣を念動力で浮かせ足場利用し、
空中戦を展開する事で無力化を狙おう。
数が多い時は、霽刀を納刀し居合に構えて意識を集中。
稲妻を利用しつつ高速に駆け抜け【雷帝ノ太刀】で広範囲を一閃しよう。
炎使いも同様に足を活かして攻撃するが、
周囲に配置した刀剣に跳弾するよう高速移動を繰り返し
フェイントも織り交ぜる。
炎だろうと軍団だろうと――其処に在るなら斬り伏せてみせよう。
▼他
連携、アドリブ歓迎
キトリ・フローエ
リウ、そんな風に狂ってしまうくらい、忘れたかったのね
手放さなければ前に進めないくらい、辛くて悲しくて、寂しくて
でも、幸せでもあったのね
あたしはオブリビオンを救える言葉なんて持っていないけれど
もし誰かが彼女に呼び掛けるというのなら、それを止めるつもりはないわ
夢幻の花吹雪でリウの動きを封じながら
皆の想いを届かせられるよう、頑張るわね
炎の騎馬軍団があたしにも襲い掛かってくるなら
オーラ防御と火炎耐性で凌ぎつつ水の属性魔法で相殺を
…忘れてしまいたい記憶なんてあたしにはひとつもない
だって、今あたしの中に在る記憶のすべてが
どれもあたしにとっては大切なものだから
あたしの記憶も思い出も、あなたの炎では燃やせない
冴木・蜜
私の嫌うわたし
人にもなり切れず
人を救う力も無い弱い怪物
私の大切なひと
そんな私を導いてくれる
気高く強い海の魔物
なるほど
それが貴方のやり方ですか
私は…見た目通りの醜い人間でして
大切なヒトだからこそ
貴女にいいように扱われるのは
とても……とても、堪えられないのです
ここは「彼女」の出番ですね
注射器で栄養剤を投与
体内UDCを活性化し『萌芽』
知識欲のままに知性を追尾させ
召喚した彼ら諸共娘を喰わせます
彼女は知識欲が旺盛ですから
炎如きに怯む娘ではありません
さあ 思うままに貪りなさい
私に攻撃が向くことがあれば
液状化し蔓や蔦を伝う等して躱し
逆に融けた毒の手で触れてやりましょう
記憶は記憶のまま
胸の淵にあるのが良い
冴島・類
忘れてしまったのか
正気と共に、大事な何かを
それは…
忘れてよかったものなのかい?
悲しいも、苦しいも
愛おしいも
忘れて狂い誰かのいつかを燃やす
楽しいというのなら
覗き
やってご覧
炎に巻かれる前に
薙ぎ払いで駆ける道筋作り
接近、踏み込み
鏡写しの姿が、燃え行く笑顔や祈り
大切ないつかの影であったとしても
怯まず…迷わず、攻撃見切り
フェイント交えた動きで引きつけ相手どり
瓜江を手繰り
彼自身は、背後からリウの元へ向かわせ
十二分に引きつけきれば
ふっと両手広げ攻撃受け止め
糸車で、リウの元へ返す
見えたかい
でも、あげれないよ
僕は何も忘れないし
燃やされようと、離さない
全部、全部
君も、人ので遊ぶより
自分のいつかに、海の先に
還るんだ
城島・冬青
お父さん…城島侑士(f18993)と
今まで見てきたリウさんの危険な戦い方を見るにいつ罪のない人々が巻き添えになってもおかしくないです
なので貴女をこのままにするわけにはいきません!
【廃園の鬼】で戦闘力を上げリウさんに突進!火炎耐性があるから炎はあまり気にせずに突っ込んじゃいますよ
お父さんはサポート宜しくね!
残像とダッシュでリウさんの視界を翻弄し
父の援護射撃で気が逸れたところを死角から斬りつけます
彼女からの攻撃は武器受けで凌ぎ
不意打ちは第六感で警戒
何か嫌な予感がしたらダッシュで回避し一旦距離を取り様子を伺う
…にしてもこんなに炎を出したら屋敷が燃え落ちちゃいそうなんだけど??
共闘・アドリブ歓迎でーす
城島・侑士
冬青(f00669)と
アドリブ◎
子爵を倒した後に同族殺しが臨戦態勢になるのはある程度予想していた
戦う気はない…と言っても聞く耳なんざ持ってないだろうさ(銃を構え)
ならやることは一つだろ?
炎に臆せず突っ込んでく娘を援護射撃でカバーする
冬青の攻撃が通りやすくなるよう
奴の気を此方に向けるように足元や顔を狙い射撃する
とはいえこっちは炎なんてまともに食らったら暑い…なんてもんじゃないんでエントランスホール内のにある柱や家具に身を隠しつつ炎の直撃を防ぐ
攻撃が飛んでくるタイミングは第六感と聞き耳で感知出来るようにする
勿論オーラ防御も忘れず併用
あの女の探している記憶には興味ない
悪いが倒すだけだ
俺は猟兵だからな
ヴィクトル・サリヴァン
次、か。
きっとそれを見つけるまでの過程で被害も出るだろうし許す訳にはいかないね。
連戦はまあちょっときついけどあっちの方も相当のはず。
さて、頑張ろうか。
高速詠唱で水の魔法使用、ホール全体を完全に炎で包まれないよう適度に消火。
逃げ道塞がれてどん詰まりってのは厄介だし。
炎でできた騎馬軍団は火炎耐性活かしてある程度無視、同族殺し本体へ銛を投擲してUC発動。
実体なかったら銛を止める事も難しいだろう。
続いて召喚される水シャチで騎馬軍団を迎撃、そのまま突っ切らせて喰らいつかせる。
脇を抜けて来た兵団いるなら高速詠唱からの全力魔法で迎撃。
…待ち続けて誰も帰ってこなかった。それ位さ、俺には。
※アドリブ絡み等お任せ
アンリ・オヴォラ
なんだかこのコこのまま泳がせた方が楽出来る気がしてきたわね
マ、どっちでもいいけど~
さぁさぁ、おいでなさい
蛇ちゃんは陽動、騎士ちゃんは死角からの攻撃や強襲でいって頂戴ね
このコ達はちゃんと皆に合わせるイイコだから、アタシはあの手この手で回避に専念させてもらうワ
迷路…はいいけど、アタシ忘れたいコトは忘れちゃう主義なの、ゴメンなさいね~
クヨクヨするのはおブスの証拠だもの~
強くてステキ❤なアンリちゃんはすぐに踏破しちゃうわよ
それに、モタモタしてたら強~い皆にイイトコ取られちゃう!
蛇ちゃん達がやられてたら、アタシが行くしかないわね
暗殺術で距離詰めて、串刺しにして傷口をえぐったら
アンタ、ちょっとはステキよ
ガーネット・グレイローズ
【SPD】
アカツキを抜き、【妖剣解放】を発動
〈残像〉を生み出し、〈フェイント〉を交えながら翻弄して
リウへと斬りかかる。
【鏡想遊戯】で召喚されるのは、かつてコロニー防衛隊に
所属していた頃の軍服姿の自分。そして、母の死を
きっかけに疎遠になった愛する弟(自分とよく似た赤い髪の青年。過去の自分は熱線銃、弟はフォースセイバーを振るって攻撃してくる)
……人の記憶を盗み見するとは、いい趣味とはいえんな。
あいにく今の私は多忙でな……思い出に浸っている暇は無いんだ。
躯丸とアカツキの二刀流〈二回攻撃〉で、幻影を切り捨てるぞ。
すまんな……時間を見つけて必ず会いに行くよ、ギュンター。
ヴェスター・アーベント
哀れな存在よ…たとえお前に卑怯者と罵られようと構わん、この世界を闇から解放する為なら喜んで俺は外道となり冥府魔道の旅路を行く!
戦術/UC【瞬迅剣】で攻撃
「俺の剣、受けてみよ!」
基本戦術は右手の聖剣と空中に浮遊し『念動力』で操る魔剣による攻防一体の剣技。
敵の動きを『見切り』魔剣を操って炎を『武器受け』したり、騎馬軍団を『薙ぎ払う』事で敵の攻撃を防ぎながら『カウンター』の【瞬迅剣】を『怪力』で振るう聖剣にて繰り出し斬り捨てる。
傷を受けたら鋭く聖剣で斬りつけ、暗黒の力で生気や魔力を『吸血』し『生命力を奪い』受けた傷を癒す。
「お前の無念をも背負い、俺は明日へ進む!」
補足/アドリブ歓迎
「それは……忘れてよかったものなのかい?」
果たして、冴島・類(公孫樹・f13398)はどのような表情で問いかけたのだろうか。
「悲しいも、苦しいも、愛おしいも――その全てを忘れて狂い誰かのいつかを燃やす。そんな“遊戯”が果たして楽しいというのなら、やってご覧」
炎を薙ぎ払い、リウへと駆ける類の双眸にその深奥を覗き込むリウの姿が写り込んだ。
「――! その軍服は、コロニー防衛線にいたころの……!?」
赤き妖刀を抜いたガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)と瓜江を繰る類の眼前には、鏡写しにされた自己嫌悪の象徴が立ちはだかる。
「……人の記憶を盗み見するとは、いい趣味とはいえんな。あいにく今の私は多忙でな……思い出に浸っている暇は無いんだ」
「うん。こんなものに惑わされたりは、しない」
迸る熱線をくぐり抜けた剣閃が二度、瞬いた直後。ガーネットは過去の己の斬り捨ててリウへと迫る。
リウの唇が退屈そうにつぶやいた。
「つれないのね……」
「多忙だと言ったはずだ!」
のらりくらりと躱すリウをガーネットと類によるフェイントが徐々に逃げ場を封じていく。
「人ので遊ぶより、還るべき場所があるはずだ」
要所で瓜江をリウの背後へと回り込ませた類は、不意に両手を広げて彼女の攻撃を――それから生み出された“大切なモノ”の攻撃をその身に受け止めた。
「!?」
「見えたかい? でも、あげれないよ。全部、全部」
たとえ燃やされようと。
何も忘れず。
決して離さず。
「あっ」
リウが小さな悲鳴をあげた。
背中から撃たれたのだ。
無言で佇む瓜を介して排出されたダメージによって、赤い衣装に裂け目が入った。
「ふっ。懐かしい顔だ……よもや、こんなところでお前の顔を見るとはな、ギュンター」
ガーネットは自分の同じ赤い髪の弟の幻影と切り結びながら独り言のようにつぶやいた。もう随分と疎遠になった弟。その愛しい瞳を間近に見つめ、――直後。
「すまんな……時間を見つけて必ず会いに行くよ、それまで待っていてくれ」
容赦なく二刀にて切り捨てる。
真紅の瞳には、今倒すべき相手を映したまま。
私の嫌うわたし――其れは人にも成り切れなければ、だからといって人を救う力も持たない弱い怪物。
私の大切なひと――其れは、そんな“私”を導いてくれるとても気高くて強い海の魔物。
冴木・蜜(天賦の薬・f15222)は、相反する者たちを苦々しい表情で見つめている。なるほど、という承知のつぶやきは唾棄すべき相手の手管を理解した上での反応だった。
「私は……見た目通りの醜い人間でして。大切なヒトだからこそ、貴女にいいように扱われるのは……とても……とても、堪えられないのです」
彼の病的な指先が己の腕に注射器を突き立てた途端、獰猛な『彼女』たちが皮膚を食い破って萌芽してリウへと襲いかかった。
「まあ……!」
迸る炎など意に介することなく、それらはリウを蝕み、思うさまに貪る。
幻影が掻き消え、蜜の記憶が眠るい胸の淵へと戻っていった。
「面白いわ」
くすくすと微笑するリウの指先が炎馬を差し向ける。
だが、一足早く液状化した蜜は手近の柱からシャンデリアへと乗り移り、頭上から伸ばした毒の手で白い肌に黒い染みを作った。
「他人の記憶を弄び、自分の記憶は不完全、か。哀れな存在だな」
アネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)がつぶやけば、キトリ・フローエ(星導・f02354)が頷いた。
「きっと、そんな風にくるってしまうくらい、忘れたかったのね」
「ああ。だが、残念ながら俺たちは失った思い出を甦らせる術は持ち合わせいない」
アネットの周囲に幾つかの刀剣が浮遊する。
全てで十三。
突進する炎馬の群れを、それらを足場として地上から脱することで物理的に回避。
「はッ――!」
抜き払った霽刀より生み出される大容量の稲妻が真っ向からそれらとぶつかり合った。
「綺麗」
炎を凌駕する雷を、リウはうっとりとした瞳で見つめる。
「いまなのよ!」
アネットの一閃によって壊滅した炎馬の残党へと泡のような水魔法が吹き付けられ、鎮火させられていく。
途中で路を見失い、途方に暮れてしまいそうな迷路すらも今のキトリを捕らえることはできない。
「……忘れてしまいたい記憶なんてあたしにはひとつもないもの。あたしの中に在る記憶のすべてが大切なものだから。あなたの炎なんかでは、燃やせないのよ。絶対に」
「――ッ」
夢幻かと見紛う花吹雪。
眩しげに目を細め、その場に立往生したリウへと跳躍したアネットが剣を薙ぎ払う。
「あら?」
反撃に転じたリウの指先が空振った。
「残念だが、それはフェイントだ」
靴の裏で刀の峰を蹴り、方向転換したアネットは再び雷帝の太刀で激しく稲光する雷を放つ。
「炎だろうと軍団だろうと――其処に在るなら斬り伏せてみせよう」
一瞬だけ瞑目し、まだ電光が消え失せる前の刀を鞘へと納めた。
「リウ……」
花嵐に霞むキトリの横顔が見る間に憂いを帯びる。
「大切だったはずの記憶。手放さなければ前に進めないくらい、辛くて悲しくて、寂しくて」
でも、それは幸せでもあったはず。
そうでなければ。
「あなたは同族殺しになんて堕ちることはなかった」
なら、せめて――救いようのない彼女が充足して旅立てるように。
後を引き継ぎ、アネットが告げた。
「その一助となれるよう、力を賭して戦おう」
満身創痍となりながらも、戦いを止める素振りを見せないリウをヴェスター・アーベント(孤独な剣士・f09560)はただ純粋に哀れだと思った。
「だが……この剣はそれでもお前を屠る。たとえ卑怯者と罵られようと構わん、この世界を闇から解放する為なら喜んで俺は外道となり冥府魔道の旅路を行く!」
「――ふふッ」
肩を砕かれ、血を吐きながらもリウは微笑する。
ヴェスターは自分自身の鏡像が繰り出す剣戟を見切り、リウの周囲を護る炎渦を浮遊する魔剣でいなした。
「お前の炎はこの程度か?」
空中で回転する刃が炎を断ち切り、道を拓く。
ヴェスターは大きく踏み込み、ぐっともう片方の聖剣を握る手に力を込めた。最後の一歩を空間転移で一瞬にして縮め、必殺の瞬迅剣――!
「もっと、見たいのに」
リウが傷を受けた途端に鏡像はかき消える。
「無駄だ。そのようなもので俺の歩みは止められん」
「どこへ?」
「明日へだ」
無邪気な問いにヴェスターが答えた。
「お前の無念をも背負い、俺は明日へ進む!」
轟音を立てて唸る刃に脇腹を持っていかれ、よろめいたリウの眼前を不気味な蛇が横切る。アンリ・オヴォラ(クレイジーサイコカマー・f08026)の操る死霊だ。
「やだもう、モタモタしてたら強~い皆にイイトコ取られちゃう! さぁさぁ、蛇ちゃんが陽動してくれてる間に死霊ちゃんは死角から強襲するのよ、いいわネ?」
それにしても、とアンリは唇に指を当てた。
「なんだかこのコこのまま泳がせた方が楽出来る気がしてきたわね。マ、どっちでもいいけど~」
「行く先々で地獄絵図が出来上がりそうだけどね」
嘆息したヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は肩を竦め、彼女の言葉を反芻する。
「次、か。きっとそれを見つけるまでの過程で被害も出るだろうし許す訳にはいかないね」
彼の高速詠唱による水魔法のおかげで、建物に延焼していた炎は適度に消火された後だった。逃げ道を塞がれてどん詰まりだけは勘弁である。
「そうよね~。それはちょっと困っちゃうワ」
アンリはわざとらしくため息をつき、その後でくすりと笑った。
「迷路……はいいけど、アタシ忘れたいコトは忘れちゃう主義なの、ゴメンなさいね~」
ものの数秒で攻略すると、出口はリウの真正面。
「足りないわ」
「あらマ、ご期待に添えなくてごめんなさいね? だって、クヨクヨするのはおブスの証拠だもの~。アンリちゃんは強くてステキなのよ、覚えておいてちょうだい」
気づけば、リウの背から鉤爪のような拷問具が生えていた。
いつの間に、という驚愕。
「強くて、ステキ?」
吐血とともにリウは首を傾げる。
気配なく近づいていたアンリの指先に装着された武具が、音もなく彼女の胸を貫いたのだ。
「そうヨ。ワタシには及ばないけど、そうやって串刺しにされてるとアンタ、ちょっとはステキよ」
のけぞったリウの胸元に、続けてヴィクトルの投擲した銛が突き刺さる。
「いた、い……? これは痛み? なんだか、懐かしい感じがする」
天を仰ぎ、何かを求めるリウの瞳が大きく見開かれる。
数匹のシャチが――炎馬を蹴散らしてリウへと到達した鋭い牙がその喉に食らいついていた。その光景は残酷でありながらもどこか幻想的ですらあった。
煌びやかな衣装を纏った血まみれの少女を戯れに噛みつく水の獣。
これがショーであったのならきっと、拍手が湧き起こるタイミングでヴィクトルはつぶやいた。
「……待ち続けて誰も帰ってこなかった。それ位さ、俺には」
迷宮の出口からゆっくりと歩み出ると、脇をすり抜けた炎馬めがけて凍れる津波をお見舞いする。透明な結晶に覆われた炎は硝子のように弾け、無となった。
その場に居合わせた猟兵たちの独白に耳を傾けながら、城島・侑士(怪談文士・f18993)はゆっくりと年代物の銃を構える。
「異論はなし。どうせ、最後にはこうなるってわかってたんだ。戦う気はない……とこちらが言っても聞く耳なんざ持ってはいないだろうし、やることは一つだろ?」
「だね」
城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は爪先を床に軽く叩き付け、突撃のタイミングを計った。
「リウさんの危険な戦い方じゃ、いつ罪のない人々が巻き添えになってもおかしくない。ここで止めるよ。お父さんはサポート宜しくね!」
「了解」
侑士が引き金を引くのと、冬青が駆け出すのとが同時。
弾丸に頬を掠められたリウの指先が迷路を描きかけるも、巻き込めたのは冬青の残像のみ。本体は行く手を阻む鏡像の斬撃を同じそれで受け流し、そのまま漆黒の太刀筋でもって下から鋭く斬り上げた。
「血――」
死角から斬られたリウは、背と頬を伝う温い液体に指先を這わせる。
「赤い、炎と同じ色」
「わ、っと!」
嫌な予感がして、冬青が駆け足で退いた目の前を炎馬が駆けていく。
「あぶない、あぶない。……にしても、こんなに炎を出したら屋敷が燃え落ちちゃいそうなんだけど? お父さん、ちゃんと避けれてる??」
「ああ、心配無用だ」
「ならよかった!」
大時計の影に避難した侑士の答えを受け、冬青は安心して再び突進。
「勇ましい娘だ」
独り言ち、彼女の攻撃が通りやすくなるようにリウの足元を狙って連射する。
「あいにくと、敵の記憶なんぞに興味ないんでね。こう見えても俺は猟兵だからな。悪いが倒すだけだ」
連続して狙われたリウの足元がふらついた。
「貴女をこのままにするわけにはいきませんので!」
逆巻く炎などものともしない冬青が突っ込んでいく。その手には殺傷力の増した漆黒の刃。「覚悟をどうぞ」と事前に告げ、真横に薙ぎ払った。
「あ」
微かな悲鳴。
「もう一丁」
侑士のつぶやきと銃声。
「駄目押しで!」
冬青の刃が肉を抉り骨を断つ鈍い音が耳に届いた。
それは、遊戯の終わり。
永遠の。
まだ遊び足りない子どものように駄々をこねるリウの瞳からすうっと生気が抜けていく。ようやく、彼女の躰は還るのだ。
自分のいつかに、海の先へと。
先に還っているはずの、大切な記憶が待っているその場所へ――……。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年10月07日
宿敵
『リウ・メイファ』
を撃破!
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