エンパイアウォー㊳~天下に轟くは
●島原・安土城の戦い
徳川幕府軍はとうとう戦力を消耗することなく、島原の地へと辿り着いた。
待ち受ける魔空安土城は首塚の一族の呪詛の力によって地に落ち、残すは織田信長とその本隊のみとなった。
「本隊は幕府軍が承った!」
集結した幕府10万の軍と、信長軍が激突する。その隙を縫って、猟兵達はオブリビオン・フォーミュラたる第六天魔王、織田信長へと迫る。
「是非もなし」
天守で猟兵達を待つ織田信長は、そう呟いた。
●憑装・弥助アレキサンダー
「皆様! とうとうこの時が来ましたわ! エンパイアウォー、最終局面ですの!」
エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)は、猟兵達に向かって興奮気味に話し始めた。
「皆様の対峙する相手はもちろん、織田信長! 信長はとある秘術を用いて、皆様を迎え撃つつもりでいますわ!」
織田信長の秘術、その名も『魔軍転生』。
信長配下の魔軍将をその身に『憑装』させることで、その魔軍将に由来した様々な力を発揮するという能力である。
もともと強力であるオブリビオン・フォーミュラに、魔将軍の力が加わってしまうのだから、一筋縄ではいかないだろう。
「皆様には『弥助アレキサンダー』を憑依させて戦うことを目論んでいるようですわ。扱うのは闘神の独鈷杵、逆賊の十字架、大帝の剣……どれも強力な武器のようですわね」
そう言うと、エリルはそれぞれの武器についての説明を始める。
「闘神の独鈷杵は、炎の闘気を飛ばして爆破攻撃を行うようですの。でも、本当に恐ろしいのはそこから。互いを炎の鎖で繋ぐことで、否応なく相手の間合いに合わせて戦わされてしまう……。そうなれば信長は自前の刀を用いて、急所を狙った斬撃を行ってくるんじゃないかしら」
一呼吸おいて、エリルは再び言葉を続ける。
「続けて逆賊の十字架。身体部位一つを肥大化した鳥の頭の変身させ、噛みついてくるようですわ。受けてしまえば生命力が奪われ、信長の傷が癒えてしまう……どのように受けないか、受けるのであればどうのように受けるか……それを考えなくては、相手の一方的になってしまいますわ」
エリルは真剣な目で猟兵達一人ひとりを見た。
「最後は、大帝の剣。ただこの攻撃……剣を振るのではなく、その剣を粉砕して、無数の剣の形をした花びらへと変えて襲ってくるようなのですわ。その花びらによって敵を切り刻む……ということなのかしらね。しかも、戦場全体、見渡す限りに花びらを飛ばすことが出来るようなので、射程範囲外への対比は非常に困難……不可能といっても過言ではありませんわね。逆に、がむしゃらに近付こうとしてもただ傷つくだけになってしまいますわ」
どれも対処を誤れば大打撃は免れない。そんなすべての攻撃の説明を終えて、エリルはきゅっと胸をおさえた。
「敵は織田信長。今までこの戦争で戦ってきたどの敵より、強敵ですわ……」
それは、苦しい戦いを強いることでもあった。それでも、この世界のため、猟兵達は戦わなければならない。
「皆様の力、信じていますわ」
エリルが顔を上げる。そして、グリモアが輝く。
「お願い、勝ってきてくださいまし!」
G.Y.
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●先制攻撃ルール
第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
こんにちは。G.Y.です。
とうとう最終局面。織田信長との直接対決と相成りました。
オープニングに書いた通り、敵は弥助アレキサンダーの能力を用いて攻撃を行ってきます。
使用するユーベルコードは、皆様の選んだユーベルコードと同じ能力値を必ず使用してきますので、それを念頭に置いたうえで、そのユーベルコードをどのように対処するか、プレイングをお願いいたします。
攻撃に合わせた対処をせず、真正面から受ける、耐えるだけでは非常に困難かと思われます。ご注意ください。
大変難しいシナリオとなりますので、苦戦や失敗が発生する可能性もございます。その点ご了承いただき、その懸念を打ち砕くようなプレイングを期待しております!
なお、ユーベルコードの選択をしていない場合は採用自体が出来ませんので、送信時にはよくご確認頂いたうえでお送りいただけますと幸いです。
それでは、最終決戦。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『第六天魔王『織田信長』弥助装』
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POW : 闘神の独鈷杵による決闘状態
【炎の闘気】が命中した対象を爆破し、更に互いを【炎の鎖】で繋ぐ。
SPD : 逆賊の十字架による肉体変異
自身の身体部位ひとつを【おぞましく肥大化した不気味な鳥】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 大帝の剣の粉砕によるメガリス破壊効果
自身の装備武器を無数の【大帝の剣型】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
天守に佇む一人の男。
しかしその背後には、もう一人の忠臣の姿があった。
秘術・魔軍転生。魔軍将弥助アレキサンダーの力を受けた、第六天魔王、織田信長。
「うぬらの力を、儂に見せてみよ」
そう言うと、信長は自らの刀を抜いた。
月夜・玲
織田信長か…
相手にとって不足は無いね
僅かの可能性だって掴ませる気は無いよ
《RE》IncarnationとKey of Chaosを抜剣
敵の噛みつき攻撃を『オーラ防御』と『武器受け』の2重の防御でガード
実力、そして先行されるのを考えるなら避けるのは現実的じゃあない
なら、多少ダメージを負ってでもガードする方に賭けるよ!
そしてそれだけ接近されているって事は、逆に此方の射程でもあるって事!
噛みつき攻撃をガードしながら、抜剣した両剣にエネルギーをチャージ
2剣による【エナジー開放】の2回攻撃!
この距離からの範囲攻撃なら、そちらもダメージを回避できない筈だよ
肉を切らせて骨を断つってやつだね!
●アドリブ等歓迎
「織田信長か……相手にとって不足は無いね」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)が二振りの剣……RE》IncarnationとKey of Chaosを抜剣した。
「ぬううんっ!!」
弥助の持つ『逆賊の十字架』が怪しく輝くと、信長の肉体が奇妙に歪み始める。
(くっ……!)
変質が始まる。恐ろしいほどの威圧感に、玲の身体が自然に震えてしまう。だが、負けじと玲は剣を握りなおした。
(……!?)
信長が駆けた。肉体の変異はいまだ終わっていない。
(まずいっ!)
玲は咄嗟に全身にオーラを纏った。玲に内包されたオーラの力は凄まじく、その力を壁として展開すれば、生半可な攻撃であれば受け止められるはずであった。だが。
めきめき、と左肩が鎧ごと肥大化してゆく。そうして膨らんだ肉塊が怪鳥の頭部となり、おぞましい鳴き声を放つと共に、その巨大な嘴で一気に玲へと噛みついた!
「あぁあっ!!」
悲痛な叫びと共に玲の右肩に鮮血が迸る。怪鳥はオーラの壁を破り、鋭い牙を玲の肉体へと突き立てたのだ。
「ぐ、うぅっ!!」
玲とて相手の力量を見誤ったつもりはない。事実、玲は最初から回避という選択肢は捨て、身を護る一手のみで臨んでいた。
だが、身を護るという意識が強かっただけに、敵のどの部位が変異するか、その観察、あるいは予測への意識が足りていなかったのかもしれない。
結果、オーラ防御とともに受けるはずであった剣での防御が遅れてしまった。たった、一瞬の判断の差であった。
「でも……ね!!」
痛みに耐えながら、玲は信長を睨む。
「ここは……此方の射程でもあるんだよ!」
「……むっ!?」
玲の両手の剣から、強いエネルギーが発せられた。
「エネルギー……解放!!」
その言葉と共に、両手の剣が激しく発光した!
二振りの剣に蓄えられたエネルギーは戦場中を駆け巡り、波のように信長を襲う。
「この距離からの範囲攻撃なら、そちらもダメージを回避できない筈だよ!」
「ぬおぉっ!」
凄まじいエネルギーに、怪鳥の牙が玲から離れた。
「はぁっ!」
玲は剣を振りかぶり、怪鳥の首を叩き斬る!
怪鳥の首はエネルギーの奔流に巻き込まれ塵となり、信長も鎧をバキバキと弾けさせながら吹き飛んでいった。
「肉を切らせて……骨を断つ……って奴、だね……!」
息を切らせながら、玲がにやりと笑った。
「……なるほど、しかと見たぞ」
吹き飛ばされた信長は、直立し、顔色を変えずに答えた。
玲から奪った生命力が傷を癒したのだ。
だが、全身からは血が噴き出ている。確実にダメージは与えていることは確かだ。
「はぁ……はぁっ……!!」
玲は息を切らせながらも、負けじと立ち向かう。剣を持ち上げ、信長へと刃を向けた。
「兆が一だろうとね、僅かの可能性だって掴ませる気は無いよ」
「で、あるか」
そう言って、二人はお互いに笑うのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
白斑・物九郎
●POW
「ワイルドハント、白斑物九郎
サムエンのフォーミュラを狩りに来た」
・対先制
【野生の勘】で敵攻撃の照準・発射緩急を察知
敵照準精度を削ぐ狙いで襖の影等を駆ける(ダッシュ+地形の利用)
己が敵の直接視覚外に入った一瞬を利し(早業)、アイテム:モザイク状の空間で己の姿の映像を創出(アート)、敵の視界内へ送り出す
敵攻撃を空振らせる狙い
・反撃
鎖に繋がれたなら逆に曳かれるままの接近も狙う
特に魂を覿面に喰らう左手【グールドライブ(吸血&生命力吸収)】で信長ではなくまず弥助を狙う
魂たる弥助にはさぞや効こう
強化を得、【怪力】で振るう魔鍵にて信長相手に近接戦
「闘気」を削る【精神攻撃】を魔鍵より繰り出し打ち掛かる
己の力を見せつける信長に、巨大な鍵を担いだ少年が現れた。
「ワイルドハント、白斑物九郎。サムエンのフォーミュラを狩りに来た」
白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は自らそう名乗ると、持ち前の脚力を用いて戦場を駆けまわりはじめた。
「ほぅ……弥助。あれを持て」
『おう、信長様!』
背後に立つ弥助の魂が呼応した。すると信長の手に闘神の独鈷杵が姿を現した。
「むううん!」
激しい闘気が戦場を駆け巡る。物九郎はその闘気を肌に感じながらも、足を止めずに走り回る。
襖の影等を利用し、身を隠しながら走る物九郎の動きに、信長もまた慎重に機を伺う。
一瞬の隙も許されない緊迫した間合いの中、突如モザイクと共に大きな影が飛び出してきた。
「はあああっ!!」
その影に向かい、信長は間髪入れずに闘気を発した。影は空中で爆発し、直後繋がれた鎖を信長が引き寄せる。
だが、そこに物九郎の姿はない。
「それは俺めの映像だ」
咄嗟に信長は刀を抜く。視界の外から飛び出した物九郎へ、反射的に受け止めようとしたのだ。
しかし、物九郎の狙いは別にあった。
「ザ・レフトハンド――【吸血&生命力吸収】ON」
伸ばされた左腕は背後に立つ弥助へと向けられていた。
『なにぃっ!?』
「弥助!」
弥助と信長が同時に叫ぶ。不意を突いた攻撃に、物九郎の左腕はやすやすと弥助を掴む。
「この左腕は特に魂を覿面に喰らう。魂たる弥助にはさぞや効こう」
『ぐあああああっ!!』
物九郎の言葉通り、弥助の魂が苦悶の表情で悶えた。
「えぇい、離れよ!」
信長が刀を振るい、物九郎を引きはがすと、すかさず物九郎は魔鍵を構えてそれを受ける。
激しい金属音に、鍔迫り合う二人。弥助の魂の力を喰らった物九郎の力は、一時的ながら信長にも迫る力を得ていた。
「その闘気……削いでやりまさぁ」
物九郎は気怠そうな口調で、しかしそんな態度とは裏腹に、持ち前の怪力で豪快に刀を跳ね上げると、空いた隙を狙って魔鍵を振るう。
振るわれた魔鍵は信長を打ち据え、鎧を貫いていた。
「ぬ、むうっ……!!」
痛みと共に、力が抜けていく感覚。手にした独鈷杵が力を失っていく。たまらず信長は身を引き、物九郎から距離を取った。
『すまねぇ信長様』
「くだらぬ口はきくな、弥助」
そういう信長も、疲労の色は隠せない。着実にダメージは与えられているようであった。
そして、猟兵達の猛攻は、まだまだ続く。
成功
🔵🔵🔴
カタリナ・エスペランサ
「猟兵カタリナ・エスペランサ推参ってね。討ち取らせてもらうよ、第六天魔王!」
双翼を広げて信長の前に降り立てば、気取った様子で名乗りを上げて。
敵の先制は《第六感》で《見切り》、《オーラ防御》したシューズを使い《カウンター》《武器落とし》の要領で怪鳥の頭部を蹴りつけ受け流すように回避。
《空中戦》技能を活かして体勢を整え《早業》で間合いの内側まで一気に《ダッシュ》。
使用UCは【閃紅散華】。詠唱と共に雷刃の《鎧無視攻撃》《属性攻撃》・蹴技の《鎧砕き》・羽弾の《零距離射撃》・ペンダントから撃つビームの《クイックドロウ》で連撃を叩き込み、頃合いを見て仕切り直す事で反撃に備えます。
※共闘・アドリブ歓迎です。
戦いは拮抗状態にあった。実力で勝る信長の力には、百戦錬磨の猟兵達をもっても苦戦は免れない。
それでも傷の増えていく信長を見て、勝機はあるのだという実感は確かに感じられた。
「猟兵カタリナ・エスペランサ推参ってね。討ち取らせてもらうよ、第六天魔王!」
カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)が大見得を切って信長の前に姿を現した。
「よかろう。この第六天魔王・信長を討ち取ってみせよ」
信長が面白そうに笑う。そして、逆賊の十字架を握りしめた。
(……来るっ!!)
カタリナの直感がそう語りかけた。既にシューズにオーラを施し、受け流す準備を整えている。
――しかし。
「えっ?」
変化しているはずの頭部が無い。攻撃が来ることは直感で見切っていた。それなのに。
「どうした?」
信長が問う。
カタリナの全身が危険信号を発し、汗があふれた。気付けば、カタリナの真正面に怪鳥の頭部があった。
「――!!」
咄嗟に飛び退くカタリナは、その背から怪鳥の首が伸びているのを見た。
「信長を討つのではなかったのか?」
怪鳥がカタリナの足へと食らいつく。
「ああああっ!!」
カタリナが悲痛な叫び声をあげた。
怪鳥は空中のカタリナに食らいついたまま首をグンと引き、カタリナを地面へと叩きつける。
「あぐっ!」
口から血を吐き出しながら、カタリナが地に伏せる。
「手ぬるい。この信長を討ち取りたくば――」
そこで信長は言葉を止めた。
「……を以て……此処に披露仕るは……」
カタリナが何かを呟いていることに気が付いたからだ。
「その傷で何を語る? なにを儂に披露する?」
「――要するに、後悔しても遅いってコト!」
カタリナのペンダントが輝いた直後、怪鳥の眉間を光が貫いた。
「ほぅ……!」
手に隠し持ったダガーに紅雷の刃が伸びる。背の翼から無数の羽根が放たれ信長の目を隠し、その鎧を砕かんばかりの蹴りが放たれた。
みしり――。信長の鎧が音を立ててひび割れていく。
その衝撃に、二歩、三歩。信長が引く。
「見事。だが、儂を討つには……足りぬ」
カタリナから奪った生命力が、信長の傷と鎧を癒してゆく。
「それでもね……私のこの刃はあなたに届いた」
そう言って、カタリナが膝をついた。
猟兵達は被害を受けながらも、着実に信長を傷つけていた。それは小さく遅い歩みではあるが、信長を倒す一歩となって、後続の猟兵達へと受け継がれてゆくのだ。
苦戦
🔵🔴🔴
セリオン・アーヴニル
強敵か…なら俺も相応の覚悟と『対価』を払い全力で対峙しよう。
敵先制攻撃及び以降の攻撃に対し【穿雷迅威】を一瞬だけ使用。
『早業』で発動タイミングを短縮し、
向上した反応速度と『見切り』の相乗効果で回避しつつ後方退避。
UC使用を一瞬に止める事で「避ける事に重点をおいた奴(能力)」という印象を与えておく。
常時『目立たない、迷彩』を発動し可能な限り狙いを逸らし銃撃主体で攻撃。
接敵、攻撃時には『生命力吸収』を用い、少しずつでも体力を削っていく。
終盤、大振りの攻撃回避後や他猟兵の攻め等で隙が生じたら、
『全力魔法』でブーストをかけたUCを使用。
最大速度で突っ込み至近距離で『ノクシス』による最大の一撃を狙う。
「強敵か……」
信長を前に、セリオン・アーヴニル(並行世界のエトランジェ・f00924)は呟く。
「なら俺も相応の覚悟と『対価』を払い全力で対峙しよう」
「よかろう、ならばその覚悟とやら、儂に見せてみよ」
信長の手に逆賊の十字架が宿り、肉体が変異を始める。それに合わせてセリオンは自身の肉体に力を込める。
「遅い」
「!?」
信長の腕が怪鳥の頭部へと変化し、セリオンへと襲い掛かる。
(発動が遅れた!)
その変異により、本来の信長の間合いを越えた一撃が、セリオンの穿雷迅威の発動タイミングを狂わせていたのだ。
パチパチとセリオンの頭が雷を纏って白く輝く。だが完全な変身の前に怪鳥の頭部がセリオンへと食らいついた。
「うぁっ!!」
一撃を受けながらも、セリオンの身体が精霊の姿へと置き換えられ、雷の如き速度で怪鳥の牙から抜け出した。
「どうした、それがうぬの変化か?」
信長の腕は即座に追撃を開始し、絶えずセリオンを狙い続ける。
「くっ……!!」
変身することで反応速度を上げ、その攻撃を避け続けるセリオン。しかし、追いすがる信長の攻撃に、距離を離すことが出来ない。
本来であればほんの一瞬、距離を取るためだけに使用するつもりであった。それだけではない。セリオンの誤算はもう一つあった。
雷光を纏い、発光した姿はよく目立つ。迷彩を纏っていようと、これでは距離を取ったところで信長の目にははっきりと映る。それは信長がセリオンへの追撃を仕掛けるには十分な標となった。
信長に捕捉され続けている今、解除は逆効果だ。一気に間合いを詰められて、再び牙を受けてしまうだけだ。
雷光の如き速度は信長からの攻撃を避けることこそ可能ではあったが、予定通りの攻撃へと移ることが出来ない。さらにセリオンの力は、使い続ければ寿命を削るという対価がある。このままではいずれ、敗れる。
「うぬの覚悟とは、避けるためにあるのか?」
信長が挑発するように、セリオンへと問う。
「違う……!」
その言葉にセリオンが転進する。雷光の速度のまま、信長へ向け速度を上げた。
「俺の覚悟は……こういうことだ!」
セリオンの拳が信長へと向けられた。その手首に嵌められた腕輪が光り輝く。
「はぁあっ……!!」
腕輪からあふれる光が拳を覆う。巨大なエネルギーを纏った一撃が信長に向けて放たれた!
どぉん! と激しい衝撃音と共に、爆風が戦場中を覆い隠した。
変身を解除したセリオンは、息を切らせながら膝をつく。
「……っ!!」
爆風の中には、しっかりと二本の脚で立つ信長の姿があった。 どうやら、咄嗟に両腕を用いてその一撃を防いでいたようだ。しかし、腕から伸びた怪鳥は、黒く焦げてボロボロに崩れ落ち、手甲も割れて内側から血が噴き出している。
「しかと、受け止めた」
信長は実に面白い、という顔でセリオンを見るのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
枯井戸・マックス
「この世界はお前の故郷だったな。ああ、心配しなくても守るさ。だから、素直に力を貸してくれよ?」
日本刀の遺物『ウツシムラマサ』を手にUC発動。
迫りくる刃の花弁だって、つまりは無機物だ。
銀輪舞台で操作権を覆す事だって出来る筈。
ここからは大帝の剣をどれだけ支配し合えるかの戦いだ。
日本刀による【武器受け】で迫る花弁を打ち払いながら、【封印を解く、催眠術】の効果を持つ眼力を仮面の瞳から放って大帝の剣に呼びかける。
成功したら敵の攻撃を奪い取り、刃の雨を降らせるぜ。
ウツシムラマサの【属性攻撃】、刃を伝う電撃もおまけにどうぞだ!
「まだこの世界の魔導遺物を集めきってないんでね。ここで滅ぼされる訳にはいかんのよ」
戦況は猟兵の不利に傾きつつあった。オブリビオン・フォーミュラたる織田信長の力は伊達ではないということだろう。
枯井戸・マックス(強欲な喫茶店主・f03382)はそんな信長を前にしながらも、いつもと変わらない態度で戦場に立つ。
「この世界はお前の故郷だったな。ああ、心配しなくても守るさ。だから、素直に力を貸してくれよ?」
そう語るのは、手に携えた日本刀の遺物『ウツシムラマサ』である。
「大帝の剣よ」
信長が手にしたのは大帝の剣。それに信長が念を籠めると、大帝の剣がバラバラに砕け散る。
その破片を操作するように、信長が指をくいと持ち上げる。すると砕けた大帝の剣、その破片の一つ一つが刃の花弁となって宙に浮き始めた。
「ゆけ」
その言葉に呼応するように花弁がマックスへと向かって襲い掛かる。
「くっ!!」
マックスの肉人形に無数の傷が走る。マックスは傷を押さえながら、にやりと笑った。
「……やっぱり早いねぇ。けど……」
その間にも傷は増えていく。傷などものともせず、手に持つウツシムラマサを掲げると……ぴたり、とマックスを囲む周囲の花弁の動きが止まった。
「こいつも無機物だ。ウツシムラマサの力で操作権を覆すことだって出来る筈」
マックスの周囲で止まった花弁の形が、日本刀の形へと変わっていく。
「ほう……だが、儂を、そしてメガリスを支配し返そうなど……笑止」
信長が腕を伸ばす。日本刀となった筈の花弁が、ぐぐぐとマックスへと向かって近付いていく。
「……やってみなければわからないこともあるんだぜ……さあウツシムラマサよ、存分に猛り踊れ!」
その叫びと共に、仮面の瞳が輝いた。その瞬間、周囲の日本刀が刃の向きを変え、信長へと向いた。
「……なに?」
数本の日本刀が、信長の身体を貫いた。信長の口から血がごぼりと吐き出される。
それは、ここまで戦い抜いた猟兵達の生み出した結果と、ほんの少しの運であった。
これまでの傷を受けて、信長の力が一瞬緩んだそのほんのわずかな一瞬だけ、マックスの力が信長を上回ったのだ。
「まだ……この世界の魔導遺物を集めきってないんでね。ここで滅ぼされる訳にはいかんのよ」
そう言うマックスもまた満身創痍であった。
だが、大きな傷を与えたことは、勝利への大きな前進といえただろう。
成功
🔵🔵🔴
テニエ・ミスチヴァス
流石に変化も透明化も通用しそうに無いか……
なら今回は搦め手抜き、本気で挑ませてもらうよ
先制対策
手持ちの魔法の鞄、勿体無いけどこれを炎の闘気に全力で【投擲】して身代わりにするよ
爆発は多少のダメージは覚悟で衝撃に備える
凌いだら【UC】発動
正々堂々アピールで信長にもこのUCの効果を説明してあげる
その後は身軽さを駆使して一気に接近、斬り合いに持ち込むよ
……まぁ【見切り】を駆使しても長くは持たないだろうけどね
でもこのUC、実は強化するのはナイフとフォークだけじゃないんだ
斬り合いの最中、勢いよく頭を振って強化された髪による【だまし討ち】の【目潰し】
怯んだ隙を一気に狙うよ
搦め手抜きなんて嘘ついてごめんね!
テニエ・ミスチヴァス(変幻自在の虹縞猫・f20445)は身体を透明化したり変身のできる愉快な仲間である。しかし。
「流石に変化も透明化も通用しそうに無いか……」
テニエはそう言うと、魔法の鞄を肩にかけて信長に立ち向かった。
「なら今回は搦め手抜き、本気で挑ませてもらうよ」
その言葉に、信長はにやりと笑う。
「うぬの言葉には嘘があるな。だが、面白い。その嘘がどこまで本気か、見せてもらおう」
信長の手に闘神の独鈷杵が現れた。信長は独鈷杵を握りしめ、強く念じ始めた。
「ぬうううん……!」
闘気が集中する。そのエネルギーがテニエを狙い、今にも爆発をしようとした瞬間。
「ちょっと勿体ないけど!」
小さなものが宙を舞った。
「何?」
信長が驚きの声を上げる。闘気がその小さなものを中心に爆発した。
それはテニエの魔法の鞄。爆風はテニエまでもを吹き飛ばし、テニエは柱に背中を打ち付ける。
「あぐっ……けど、凌いだ!!」
猫のように身軽に立ち上がるテニエの手には、ナイフとフォークが握られた。
「単純だが良い対策だ。他の策は何か?」
信長は行き場を失った鎖を引きながら、テニエに問う。
「私のユーベルコードは、透明化と変化能力を代償に武器の攻撃力を超強化するんだよ」
テニエはそう言ってフォークをくるくると指で弄びながら、瞬発力を活かして駆け出した。
「惜しい力よ」
信長は刀を抜き、フォークとナイフの攻撃を受け止めると、返す刀でテニエの武器を弾き飛ばした。……かに思えた。
「武器はね、フォークとナイフだけじゃないんだよ」
「ぬぁっ!」
振り回すテニエの髪、それが信長に絡みつき、極細の鋼糸のように信長を締め付けた。
髪が肉に食い込み、血が噴き出す。
「わかった? これが私の本気の嘘! 搦め手抜きなんて嘘ついてごめんね!」
信長が髪を引きちぎり、自由を取り戻す。だが、体のあちこちから出血し、息が上がっているようであった。
テニエもまた、傷と疲労感で自由に動く力は失いつつある。
「……ふふ、ふはははは! 実に、実に良いぞ!」
「あははははっ!」
信長が笑った。テニエもつられて笑うのであった。
成功
🔵🔵🔴
カタリナ・エスペランサ
「討ち取りに来た、そう言った筈だよ信長!」
傷には《医術》で応急手当を施し、真の姿に近づいた事で六枚に増えた翼を広げて信長の前に舞い戻り。
《学習力》で先の戦闘経験を分析、勘ではなく《戦闘知識》を軸に戦術を再構築。
先制には展開した《念動力》の力場で知覚を補強し、感知した瞬間に《衝撃波》の《吹き飛ばし》で《カウンター》を放つと同時に反動を利用して《ダッシュ》で後退、間合いを開けつつ《空中浮遊》。
「パフォーマーとしちゃ同じ演目を繰り返すのも芸が無い、ってね!」
使用UCは【失楽の呪姫】。黒雷の《鎧無視攻撃》と劫火の《破魔》を混合した嵐で《範囲攻撃》《属性攻撃》に呑みこみます。
※共闘・アドリブ歓迎です。
ルード・シリウス
予め左手で紅刃握り込んで隠し、闘気による攻撃を左腕で受けて炎の鎖を絡ませる。この時点でほぼ使い物にならなくなるだろうが、重要なのは握り込んだ刃を隠し通す事、後は少しでも動けばいい
狙い通り左腕に絡ませれたら、暴食剣を右手に持ち接近し暴食剣で攻撃
信長が『自分の間合い』へと引き摺り込み致命の一撃を放つのを誘い狙う為
信長が自分の間合いに引き摺り込み、致命の一撃放ってくるならその瞬間を見切り残像も駆使して致命箇所をずらし、それ以外の箇所に攻撃させる
同時に、身体掴み怪力で引き寄せ左手で触れ【鮮血暴君の魔剣】発動、握り込んでいた紅刃を巨剣化し貫かせる
やっと掴まえたぜ…
勝ちを拾うなら、この位はやらねぇとな…っ
一時信長に傾いた戦況も、猟兵達の活躍により盛り返しつつある。状況は五分と五分。死力を尽くした最後の戦いが、今始まる。
「討ち取りに来た……そう言った筈だよ信長!」
応急手当を施したカタリナは、翼を広げて信長へと駆けた。
「あがくか。よかろう」
信長が逆賊の十字架を手に取った。次第に肉体が異形化していく。その先の戦いでは直感が災いした。だが、一度攻撃を受けた今、信長の戦術は学習した。
念動力を高め、感覚を研ぎ澄ます。信長の変異させる部位を予測する。
「……そこっ!!」
カタリナの蹴りが、怪鳥の頭を直撃した。
「……なるほど、前の通りにはいかん、ということか」
信長の肘から伸びた怪鳥が吹き飛ばされた。
「やられっぱなしじゃないんでね!」
カタリナが見得を切ったその背後。陰に隠れるようにルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)が信長へと突進した。
「うおおおっ!」
「ぬるい!」
信長が即座に闘神の独鈷杵を呼び出すと、ルードに向かって闘気を集中させた。
どぉん! と大きな爆発音とともに、爆風がルードを飲み込む。
「ぐうぅうっ!!」
ルードの叫び声が爆炎の中で響く。
「他愛ない」
そう信長が吐き捨て、繋がれた鎖を引く。煙の中から左腕が焼かれ、血にまみれたルードが引き寄せられ、信長は刀を構えた。
思った以上のダメージであった。左腕の感覚がまったくなくなっている。目も霞み、吐き気を催すような痛みがルードを襲う。
それでも、それでもだ。
「……む!?」
「もう遅い……!」
ルードの姿が一瞬ブレた。その動きが信長の一太刀を躊躇わせ、代わりにルードが信長の胸倉をつかむ時間を与えていた。
「やっと……掴まえたぜ……!」
ルードが息を切らせながら笑い、左手で信長に触れた。
――ずん。
「………!!」
突如出現した真紅の大剣が信長の身体を貫いた。
左腕に隠し持った紅刃が、ルードの血を吸い巨大化したのだ。
「勝ちを拾うなら、この位はやらねぇとな……!!」
鎖から解き放たれ、ルードが倒れ伏す。
「く……く、ふふふ、ははは……この、信長を謀ったか!!」
貫かれた刃を引き抜くと、信長の全身が鮮血で染まる。足がふらつき、険しい表情を見せる。その瞬間を、カタリナも見逃さない。
「パフォーマーとしちゃ同じ演目を繰り返すのも芸が無い、ってね!」
カタリナの身に、魔神の魂、黒雷、劫火の欠片が宿る。
「あたしの本気……見せてあげる!」
カタリナを中心に雷と炎が混ざり合った嵐が巻き起こる。
「ぐ、おおぉっ!!」
その勢いに、信長の身体が浮き、その嵐の中へと飲み込まれる。
「はあああああっ!!」
嵐に焼かれる信長に、カタリナの蹴りが炸裂した。
「………!!!」
嵐が晴れる。それと同時に、信長の力が失われていくのが感じられた。
「見事だ……猟兵……達よ……」
信長がかすれた声で呟いた。
「過去は、破られた……」
信長の姿が消えてゆく。
「この天下に……お前たちの未来……示すが良い」
その言葉を最後に、戦場に静寂が訪れた。
「信長……討ち取ったり……!」
自らの力の反動で血を噴き出すカタリナが、ルードを担ぎ上げながら、小さく声を上げた。
戦いは終わった。
サムライエンパイアの未来は猟兵達の手によって護られたのだ。
激しい戦いの傷痕はまだこの地に残るだろう。
それでも、未来があるのならば、きっと乗り越えることも出来るだろう。
サムライエンパイアの世が、今再び明けたのだ。
成功
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