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エンパイアウォー㉞~虎穴にて魔王を拝む~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー #オブリビオン・フォーミュラ #織田信長 #魔軍転生

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●虎王、信玄装
 グリモアベースにて。六連・栄が猟兵たちへと声をかけていた。
「魔空安土城で、ついにかの信長公との決戦だ。我こそはという猟兵は? いまなら虎と化した武田信玄の憑装付きだ、倒したときの武勇もうなぎ上りじゃあないかな?」
 どこかおどけた口調で敵の威容を語るのは、猟兵の緊張を少しでも緩和しようという算段だろうか。その声に釣られて猟兵の視線が集まれば、栄の説明が次の段階へと移る。
「今回、僕が君たちを送り込むのは、三方ヶ原で顕現を阻止された武田信玄を装備とした織田信長のところだ。早速だけれど、彼のスペックについて伝えさせてもらおう」
 栄の掌から展開するのは幾何学文様。そこへと映し出されるのは、黒い甲冑を着込み背後に虎の霊を負った第六天魔王の姿。
「君たちの知る通り、オブリビオンである織田信長は強敵だ。まずもって僕ら猟兵が機先を制することのできる相手じゃあない――つまりはいつも通り、先制攻撃への対策が必要でね?」
 投影されるディスプレイが3つに別れる。それぞれが織田信長のユーベルコードを示した。
 1つ――風林火山。刀、甲冑、翼を装備することによる信長自身の自己強化。
 1つ――甲斐の虎。白虎と化した武田信玄を召喚することによる戦闘力強化。
 1つ――騎馬軍団。武田軍の逸話に基づく数百騎からなる騎馬武者達の蹂躙。
「強化ユーベルコードが2種。攻撃ユーベルコードが1種。強化ユーベルコードはその効果が乗った信長の攻撃や、白虎信玄による攻撃が来るものと考えた方がいいだろうね」
 そのどれもが、対策なしに相対すれば猟兵が一撃で倒されるほどのものだ。
「無策で挑めば敗北必須。対策を講じてようやく五分。それでも、これまで2回世界滅亡の危機を救ってきた君たちからすればいつものことだろう?」
 肩を竦め苦笑する栄の表情にあるのは、猟兵たちへの信頼。
「さて――もう一度問おう。我こそはという猟兵は?」
 パン、と手を鳴らす栄。その背後に幾何学文様が組みあがって転移ゲートが開いた。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はいつもありがとうございます。
 ついに織田信長との決戦、エンパイアウォーも終結が見えてまいりましたね。

====================
 第六天魔王『織田信長』は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 彼を攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
 対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
 対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
====================

 ついでに本シナリオで六連・栄もグリモア猟兵デビューとなります。
 旅団シナリオは主に栄での運営を予定しておりますので、彼のこともどうぞお見知りおきを。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『第六天魔王『織田信長』信玄装』

POW   :    風林火山
【渦巻く炎の刀】【黒曜石の全身甲冑】【嵐を呼ぶ樹木の翼】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    甲斐の虎
自身の身長の2倍の【白虎状態に変身した武田信玄】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    武田騎馬軍団
レベル×5本の【武田軍】属性の【騎馬武者】を放つ。

イラスト:UMEn人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

徳川・家光
とうとう、ここまで来ました!ひとりの猟兵として、この戦で必ず信長を仕留めてみせます!

信長の風林火山に呼応して、こちらも羅刹大伽藍を展開します。相手は翼で飛ぶでしょうからこちらはかなり不利になりますが、「左腕の装甲」だけは相手に狙いを見破られようとも守り抜き、代わりに他の部位へのダメージは意に介さず、伽藍が砕け血まみれになろうとも殴る蹴るを続けます。
そして、ほんの一瞬でも翼が「左腕で掴める範囲」に来たら、何があろうとも必ず掴み、決して離しません!
そして、翼を掴んだままの大伽藍から飛び出し、生身で信長の胸鎧の隙間に刀を差し込みます!

すべてはこの一撃の為!深手を負うのは元より覚悟の上です!



●将軍、罷り通る
 転移ゲートが開き、真っ先にそこから飛び出した赤髪の羅刹を見て信長は狂喜の笑みを浮かべた。
「ほぉ――億が一、万が一が、千載一遇の好機にまでなるとはなぁ!」
 そう、彼こそはサムライエンパイアを治める徳川幕府の長。徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)その人であったが故に。
「御大将自ら戦地入りとは!」
「そうとしか見れぬか、信長公!」
 言葉の押収は短く、機先を制して信長の身体が天へと上る。嵐の力を宿した樹木の翼が力強く羽ばたき、炎渦巻く刀を大上段から振りかぶり狙うは家光の首級。
 紛うことなき神速でもって放たれる信長の一撃に対し、家光が叫ぶはただ一言。
「――大伽藍!」
 信長の一撃が神速であれば、その伽藍が組みあがるのに要するは刹那。家光の纏っていた鎧甲冑に加えて魔空安土城の一部すら取り込み、その場に立ち上がるのは大鎧武者。
「これにてお相手仕る!」
 家光の言葉と共に右腕を盾のように掲げる大伽藍。信長の振り下ろした刀と、大伽藍の拳が正面から激突し――
「はっ、よく出来た木偶だ!」
 拮抗は一瞬。信長の刀がめりめりと大伽藍の右腕へとめり込み、粉砕する。
「これで、仕舞いか? 徳川家光ゥ!」
「否、これで十分!」
 ぐっ、と。家光の意志に応じて大伽藍が腰を入れる。右腕を引く動作は、そのまま左腕を前へと向かわせる原動力。
「何っ!?」
 大伽藍の右腕に深々とめり込んだ刀は、信長に離脱を許さない。防ぐことではなく、信長を捉えるために差し出された大伽藍の右腕は、家光の覚悟それそのもの。
 引かれた右腕に釣られて信長が空中で姿勢を崩し、その背から伸びる翼の1枚を大伽藍の左腕がむんずと掴む。
「戦場に赴く余は、将軍である前にひとりの猟兵――見誤ったな!」
 ガシュン、という独特な音は家光が大伽藍を脱ぎ捨てた際のもの。大伽藍の胸部から飛び出た家光が、先の信長とは対照的に地から天を狩った。
 ――交錯は一瞬。大伽藍の拘束を抜けて信長が天に舞い、家光が地を踏む。
「貴様ァ……!」
 信長の胸元に、鎧の隙間を衝いて残るのは家光の愛刀大天狗正宗。オブリビオンである信長は心臓を衝くその一撃を受けてなお健在だが、その手傷は決して浅くない。
「余ばかりを見ていていいのか、信長公? ……汝を仕留めるべくこの場を目指しているのは、何も余だけではないぞ!」
 信長の憤怒を宿した目線にも一切ひるまず、家光は毅然と天を見て千子村正権現を抜く。
 その言葉を証明するように――転移ゲートが新たな猟兵の来訪を告げ輝いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

秋月・信子
@SPD

城内という【地形の利用】をし遮蔽物となる物に【ダッシュ】して一旦身を隠し、信長公とその分身…いえ、召喚された信玄公の攻撃をやり過ごします

『まさか事前に顕現を阻止した信玄入道が蛸じゃなくて虎男だったとはね、面白いものが見れたわ』
息を潜め機会を伺いながら隠れている最中にUC【Esの影法師】、姉と呼ぶ二重身が顕現し頭の中に囁きかける
「姉さん…あの手で行きましょう。まだ姉さんは認知されてませんから私が囮になりますので姉さんが【目立たない】よう行動して【だまし討ち】する作戦で…」
『いいえ、囮は私がやるわ。ドン臭い信子が捕まれば終わりだけど、私ならいざとなれば影に戻ればそのまま逃げれますからね?』


イリス・ウィルター
【POWで判定 アドリブ、共闘歓迎】
とうとう、ここまで来たか。
我が名はイリス・ウィルター!推して参る!
すまない、紅葉姫。本当に申し訳ない
武器がこれだけと思ったか!

日本刀を隠し、妖刀のみで最初は戦う。
覚悟と激痛耐性で攻撃を耐えながら、情報収集と戦闘知識、見切りで相手の行動の癖を読みながら戦う。
攻撃を受けた後、咄嗟の一撃とカウンター、生命力吸収、二回攻撃、捨て身の一撃、傷口を抉るを乗せた攻撃を繰り出す。
体力がなくなってきたら、妖刀を相手に向かって投げてから、残像を伴うスピードで接敵。
そこから隠していた日本刀で戦う。相手の動きを読んで、捨て身の一撃、傷口を抉るの技能でバーバリアンの力をもって攻撃


レイ・キャスケット
相当に高名な武将って聞いてるけど、たかが魔王一人くらい相手に出来なくてどうするのって話
なにしろボクは迷宮の『大魔王』を討伐する使命を持った魔法学園の生徒であり猟兵なんだからね!

地を揺らし押し寄せる騎馬軍団、脅威ではあるけどその数と質量が仇になるんだよ
床面広範囲に【全力魔法】で堅い氷を張りながら、自分は靴裏に氷のブレードを作ってスケート【ダッシュ】の【逃げ足】で追いかけっこだよ
騎馬達が足を滑らせて転倒したら反転して
はいは~い、残念、ストライクだよ~♪ と【挑発】しながら「クラッシュドアイス」を【高速詠唱】乱れ撃ち
十全に氷の破片が散ったところを光の檻の【属性攻撃】を仕掛けるよ



●影、氷、刀
 将軍の声に応えるようにして、転移ゲートから「4つ」の影が魔空安土城へと降り立つ。そのうち2つは左右へと別れて駆け、その中央を蒼の装束が一直線に信長を目指す。残る1つは転移ゲートから直下に構え、信長をしかと見据えた。
「なるほど、将が先陣を切る――貴様らも良い長を持ったものだ!」
 しかし、猟兵たちが到着しても信長は一切の動揺を見せない。むしろ、3人の猟兵が一斉に駆けて来たのを見るや否や、地上を埋め尽くす無数の騎馬隊を呼び出して迎え撃つ程。その先陣には無論、信長。
「改めて名乗らせてもらおう――第六天魔王信長と!」
 白虎信玄に跨り猟兵へと駆ける信長が高らかに名乗る。
 応じたのは、戦場の中央を信長目掛けて走る蒼狼。
「我が名は、イリス・ウィルター! 推して、参る!」
「よく吠えたッ!」
 武田の騎馬隊よりもよほど早く駆けた信長と、イリス・ウィルター(刀の技を磨くもの・f02397)が切り結ぶ鋼の音が響く。
「儂の刀を受けるか――業物と見た!」
「銘は紅葉姫……師より継いだこの刃、そう簡単に折れはしない!」
 ギリギリと、信長が片手で振るった炎刀に対しイリスは両手で紅葉姫を構えてどうにか鍔迫り合いの拮抗を保つ。だが……そうやって動きが止まれば、信長の乗騎である白虎信玄がイリスに対して牙を剥く。
「あなたの相手は私よ、猫の信玄ちゃん?」
 しかし、この場に参じた猟兵はイリスだけではない。先程左右へと別れた人影のうち1つ――秋月・信子(魔弾の射手・f00732)が、白虎信玄の死角からスルリと姿を現わして銃撃を放つ。魔空安土城の構造をうまく使って放たれたその銃撃は、見事に白虎真言の牙をイリスから反らした。
「ぬぅ――姿が見えぬと思えば! だが、騎馬武者たちをそう躱せるか!?」
 生命を共有する白虎信玄に銃撃を貰い、僅かに怯む信長。その一瞬を利用し、イリスも信長の刀を弾き間合いを取り直すが……その間隙に騎馬武者たちが雪崩れ込んでくる。
「踏ん張りどころだ、やるぞ!」
「ええ、承知してるわ」
 即席のコンビネーション。イリスが前へ、信子が後に。構えた2人を攻撃するべく騎馬武者たちが武器を振り上げ――
「「今ッ!!」」
 イリスと信子が揃って取ったのは回避行動。特に信子はその姿をトプリとイリスの影へと落とし溶けるように消え、騎馬武者の狙いを大いに狂わせる。その行動により猟兵めがけて渾身の一撃を振りかぶっていた騎馬武者たちは肩透かしを食らった形となり、
「ナイスタイミング!!」
 そのタイミングで、転移ゲート直下で待機していた猟兵が動いた。
 転移ゲートから信長までを一直線につなぐような形で、レイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)の全身から放たれた濃密な魔力が床一面を埋め尽くす。
「これが、ボクなりの合体魔法!」
 そして床一面に敷き詰められた魔力がレイの指振りひとつで即座に絶対零度の凍気を放てば、戦場中央部がまるでスケートリンクのように氷漬けになり……突然の環境変化に騎馬武者たちは対応しきることが出来ない。
 氷を踏み抜きながらも、騎馬武者たちが次々と転倒する。
「君たちの質量ならクラッシュドアイスになることも計算済みだよ――そぉれ、行けぇ!」
 そして、それによってレイの目論んでいた仕込みが全て成就した。放たれるのはレイの魔術ユーベルコード「リフレクト・リフレクティア」によるレーザー光。転倒しもがくことしか出来ない騎馬武者たちに、乱反射するレーザー光が容赦なく降り注いだ。
「信長に信玄、高名な武将らしいけど――ボクの目標たる『大魔王』と比べれば!」
 そうやって騎馬軍団たちを蹴散らしつつ、靴裏に生成したブレードで氷漬けの床を滑りながらレイは咆える。サムライエンパイアのフォーミュラである信長を前にして、それすらも越えるべき通過点のひとつと評するレイ。その姿は信長からしても見事の2文字だろう。
「やりおるっ!」
 騎馬軍団の一部を猟兵たちの巧みな連携で崩されて、信長もさすがに舌を巻いた。
「感心している暇はないぞっ! ――すまない、紅葉姫、頼むっ!」
 そしてその一瞬の隙を見逃さず、イリスが鋭く愛刀を擲つ。剛力で投じられた紅葉姫はその切っ先をまっすぐに信長へ向けたまま飛び、
「小癪な! 武士の魂を投じるかっ!」
 ――イリスの狙い通り、信長の気を十分に惹きつけた。
 信長の刀が紅葉姫を打ち払うのとほぼ同時。戦場に響くのは轟音がひとつ。
「何ッ……!?」
 宙にたなびくのは硝煙の軌跡。戦場の横合いから信長を狙撃したのは、先ほどトプリと影に消えたはずの信子……厳密にいうのであれば、その本体。ボルトアクションライフルに銀の弾丸を込め、狙い穿ったは信長の憑装である白虎信玄の額中央。
「……憑装と言いましたか。半ば霊のような存在であるソレには、銀の弾丸は効果覿面でしょう!」
「おのれェ、猟兵がぁ!」
 悶え苦しむ白虎信玄の心中を代弁するように、信長の表情が憤怒に歪んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「騎馬相手となれば、射撃ですね」

【WIZ】編隊射撃

●先制対策
「CODE:SPARTOI。バトルドロイド隊、展開」
味方を召喚し対抗します。

「周囲の灯りを斉射、燃焼弾装填」
敵の騎兵、馬であれば本能的に『火』を嫌がるもの。城内の灯りを破壊&燃焼弾を準備し迎撃(【地形の利用&属性攻撃】)。

「一斉掃射。馬の脚を狙う」
バトルドロイドは馬の脚を狙い馬自体を障害物にし敵を食い止める狙いです(【スナイパー&援護射撃】)。

●攻撃
「その頭、狙い撃つ」
信長は頭部に防具を付けていない様子。
【誘導弾】で狙い撃ちます。

「バトルドロイド隊、目標変更」
生き残った味方と合わせて信長に一斉射を浴びせましょう。


荒谷・ひかる
うぅ……ついにこんなとこまで来ちゃった。
わたしにできること、そんなに多くないけど……やれるだけのこと、がんばるんだよっ!

対峙してすぐ、草木の精霊さんにお願いして、出てくる騎馬隊との間に突撃の邪魔になる茂みを作る
これは馬防柵の代わりなのと……あと大きな音の鳴る癇癪玉を沢山隠しておくため
騎馬隊が茂みに差し掛かる辺りで「鉄砲隊、てーっ!」って叫びつつ、火の精霊さんにお願いして癇癪玉に着火
大量の破裂音はそれだけでお馬さんびっくりだし、ブラフだけど鉄砲は武田騎馬隊のトラウマなはずっ!

時間を稼げたら、素早く【雷の精霊さん】で反撃っ!
どれだけ頑丈な鎧を着込んでも、雷は防げないんだよっ!



●かつて長篠、いま安土
 白虎信玄は、猟兵による先の狙撃を受けて最早消失寸前。生命を共有している信長にとってもそれは痛手であり、そのような苦境をごまかすように信長が声を張り上げた。
「確かに、徳川率いる猟兵は強敵……! されど、ただでやられる第六天ではないことを知るが良いっ!」
 その咆哮と共に、地を駆けるは武田騎馬武者たち。一部を撃破されども、未だ数百騎は下らぬその威容が猟兵たち目掛けて殺到する。
 が。
「わたしに、できること――がんばんだよっ!」
 戦場に響くは少女の懸命な叫び。それと同時に騎馬武者たちの行く手を遮るように、そして戦場の仲間を守る様に聳え立つのは無数の樹木。2メートルにも達しようかというその草木は、少女――荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)の祈りが精霊へと届いた証。
「馬防柵のつもりか……だが鉄砲隊が足らんなぁ!」
 それを見た信長が、嘲るように言葉を放ち騎馬武者たちに蹂躙突撃を命じる。たとえその馬防柵に騎馬武者の一部がせき止められようとも、数で圧しきるという構えであった。
「……いいえ、それも目的だけれど、それだけじゃあありません!」
「抜かしおるっ!」
 馬防柵を挟み、ひかると信長の視線が交錯。そして、ひかるの言葉を証明するように――新たな猟兵の来訪を告げ転移ゲートが輝いた。
「長篠の再現と参りましょう、第六天魔王織田信長――ッ!」
「ええい、次から次へとっ!」
 まさに騎馬武者たちがひかるの馬防柵を蹂躙しようかというその瞬間に戦場に馳せ参じたのは黒鉄の猟兵。左右に引き連れたバトルドロイドの数は騎馬武者たちの数に劣るとはいえそれでも200に届こうかという大軍団。
 ここにきて騎馬武者の数に対抗しうる戦力を持つクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)という猟兵が参戦したことに、信長は苦虫を噛む表情を隠しもしなかった。
「だが、儂の騎馬隊が貴様らに届く方が、早いっ!」
 クネウスの到着は想定外、しかし騎馬武者たちは既に突撃中。であれば、クネウスの引き連れるバトルドロイドの射撃よりも騎馬武者の蹂躙の方が早い。少なくとも、ひかるの馬防柵は割れるだろうと信長が叱咤の咆声。
 拍車をかけられた騎馬武者たちが、ついに馬防柵へと突入する――!
「……今です!」
 そしてそれこそひかるの待ちかねていた絶好のタイミング。生え伸びた草木の中、精霊の力により実らされた幾つもの種子。ギリギリまでタイミングを計り精霊に願うのは、それらの爆裂。
 まるでホウセンカの播種ように、あるいはポップコーンの種が弾けるように。火の精霊の力を借りて為されるそれは、癇癪玉のように強烈な爆発音を伴った仕掛け罠。
 いかに過去から呼び出されしオブリビオンとはいえ、騎馬武者の駆る馬はあくまでも只の馬の延長戦に過ぎず。急に鳴り響いたその爆発音が、しかも超至近距離のものであれば馬脚も乱れざるをえず。
「そして、どっかーん!」
 馬防柵近辺でたたらを踏んだ騎馬武者たち。それを狙うはひかるの呼ぶ雷撃。騎馬ではなく武者を狙うその落雷でもって、突撃の先陣が完全なる混乱状態へと叩き落とされた。
「CODE:SPARTOI……目標は信長旗下の騎馬武者隊列。装弾は焼夷燃焼弾――斉射!」
 そうやってひかるの策が購ったのは、クネウス率いるバトルドロイドが射撃体勢を取るに十分なだけの時間。落ち着いたクネウスの声に従い、次々と放たれる燃え盛る弾丸が馬防柵ごと騎馬武者たちを焼き払っていく。
 燃え盛る馬防柵は先の音響に引き続き騎馬たちの足を竦めさせ、その竦みが猟兵側の打撃をさらに騎馬軍団へと浸透させた。
「三段も不要、か――儂の戦術も、随分と洗練されたものよのぉ!」
 次々と撃破されていく騎馬武者たちの様子を見て信長が笑う。最早笑うしかないのか、それとも此処で笑えるが故の第六天か。
「お褒め頂き、恐悦至極……返礼は弾丸で返させて頂く」
「ならば、来るが良い! 猟兵ッ!」
 騎馬武者への対応をバトルドロイドたちに任せ、クネウスが狙ったのは織田信長の額。
 言葉の応酬に続いて戦場を切り裂くは鋭い銃声。
 信長の身体がぐらりと傾ぎ――しかし、立て直した。
「その狙い、見事也――だが、儂を倒すにはまだ足りんぞォ!」
「……なるほど、鎧がなくともその防御効果は全身に及ぶということですか」
 クネウスの狙い通り信長の額を穿った弾丸は、されどそこに一筋の血を刻むのみ。ユーベルコードによる信長の守りを砕きはしたものの、決定打にはなり切れなかった。
 戦局は大きく猟兵の側に傾き、魔空安土城での決戦はようやくその終着点が見え始めていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

枯井戸・マックス
まともに斬り合って勝てるなんて思ってないさ。
なら、俺もうつけを演じてみようか。

仮面の瞳を輝かせUC発動。
召喚するのは双子座の鎧と人形『双児宮コピーキャット』。
人形を自分そっくりの姿に武器改造し敵の攻撃を人形へと誘発させる。
切り裂かれて無様に叫ぶ演技も忘れずにな。
そしてトドメの一撃を放つ時こそが最大の隙と見た。本物の俺が懐に潜り込んで、鎧をも通す衝撃を与える全力の掌底を叩き込んでやる!
人形と擦り替わる瞬間や人形を斬る手応えの違和感はコピーキャットが放つ催眠術で誤魔化し、俺自身の接近がばれてもフェイントでタイミングをずらして急所(仮面)への直撃を逸らし、無理やり攻撃を当てに行く。

連携アドリブ可。


ルード・シリウス
そうか、お前が…あいつ等魔将軍束ねる総大将か。
さぁ殺り合おう、存分に殺り合おうぜっ。あいつ等も凄かったが、それ以上にお前は強いんだろ?なら不足無し、持てる十全…自分の命も賭けて、お前を喰らうっ

◆行動
暴食剣・呪詛剣の二刀構えて防御、迎撃の構え。空中、地上どちらから仕掛けてられても対象出来る様に
敵の攻撃に対して振りないし突きの軌道見切り、タイミングを合わせて暴食剣・呪詛剣の二刀で防御
ある程度の深手は覚悟、致命傷だけは何としても阻止する
凌ぎ切れたら【鮮血暴君の魔剣】発動。怪力込めた呪詛剣からの暴食剣による鎧の防御無視した二刀の連撃を叩き込む
受けた負傷は補食能力(吸血&生命力吸収)で癒し、継戦能力維持



●双子天狼
 白虎信玄を失い、騎馬武者たちもその大半が猟兵の策により壊滅。もはや、信長の元に残るのは風林火山の4文字のみ。
「――さぁ、死合おうぞ、猟兵!」
 それでもなお、猟兵たちを威圧してやまないだけの威容を保つのはさすがフォーミュラというべきか。
 そして一瞬でも膠着状況があれば、その機先を信長は制する。攻撃と攻撃の継ぎ目、猟兵たちの連携の穴とすらいえないほどの間隙を針の穴を通すような瞬発力で信長が駆けた。
「魔将軍より強いんだろう、総大将!」
 それに応じて前に出るはルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)、荒れ狂う天狼星。
「その通り、儂こそが魔将軍統べし第六天魔王波洵――織田信長その人よォ!」
 一刀。信長の炎纏う刀がルードの頭上から振りかぶられる。
 迎え撃つは二刀、ルードの持つ神喰、無愧の大剣一対。平行に構えたその刃で信長の炎刀と鍔ぜり合う。
「第六天の刃を受けきるかッ」
 信長の刀がルードの大剣と刃鳴散らす。刃による直撃こそ受けずとも、刀の纏う焔が少なからずルードの身を焼き焦がす。
「こっちは命賭ける覚悟で来てるんだ、お前の事、喰らわせてもらうぞ!」
「で、あるか。……ならば命を置いて行けッ!」
 轟、と唸りを上げるは信長の樹翼。拮抗状態にあった鍔迫り合いを押し込むべく羽ばたいた翼が力強く刀を押し込む。
「おっと、まともに斬り合う奴だけが猟兵だと思うなよ? 尾張の大うつけさんよぉ!」
 そこに横から割入る姿がひとつ――拳を振り上げて吶喊するのは枯井戸・マックス(強欲な喫茶店主・f03382)その人だ。
「横槍を入れるかッ!」
 ギャリ、と甲高い鋼の音を上げ信長の刀がルードの刃の上を滑る――狙うはマックス。無手の者を先んじて倒すが有利と踏み、力を入れる方向を切り替えての変幻自在の斬撃がマックスの身体を横薙ぎに切り裂いた。
「ぐ、ぬぁあぁああ!?」
 胸を横一文字に切り裂かれ、マックスの身体から力が抜けてまるで綿毛のように吹き飛ぶ。いささか派手過ぎに見える吹き飛び方に信長は僅かな違和感を覚えるも――
「痴れ者が――うつけはそちらのようだな」
 即座にルードへと向きなおる。吹き飛んで戦線離脱した猟兵よりも、未だ健在の猟兵の方が脅威レベルとしてははるかに上――歴戦のオブリビオンフォーミュラ信長であるからこそ、そう判断してしまう。
「いや、やっぱりお前がうつけだよ、織田信長」
 そして、向きなおった先、ルードの表情で信長はその判断が間違いであったことを悟るが、
「何を――!?」
「召喚武装、十二天が一、双児宮コピーキャット。楽しんでいただけたかい?」
 信長の背を叩くのは、仮面の双眸を光らせたマックス。先とは対照的に、マックスの掌底打を受けて信長の身体が宙へ浮いた。
 ……そう、マックスの選んだ戦術とは、己の写し身を作り出しそれをぶつけ強引に信長の攻撃をやり過ごすというもの。そこに生じる違和感はコピーキャットの能力である催眠暗示でどうにかすり抜ける……まるで綱渡りのような細い勝ち筋は、信長が戦上手であったからこそピタリと嵌ったのだ。
「ぐ、ぬっ……!?」
「さぁ、信長。お前は、俺の飢えを満たせるか?」
 そして、マックスの一撃に苦悶の表情を浮かべる信長めがけ、ルードが一気呵成の連撃を仕掛ける。両の大剣は元のサイズからしてもなお巨大なものとなり、刃は真紅に染まる。
 その銘は鮮血暴君、血を求めて猛り狂う魔剣としての真の姿。鍔迫り合いの際に負った火傷から抽出されたルードの血液が、その封印を解いたのだ。
 その巨大さに見合わぬ速度で振るわれる一対の大剣。十字斬、そして左右へ切り開く水平斬。一瞬で繰りだされた都合4発の斬撃が信長の黒鎧へと深々と食い込み、そのまま振り抜かれる。
「我が鎧を――砕くかっ!」
 バリン、と。黒曜石が砕け無数の破片が戦場に散った。
「まだだっ!」
「その意気は認めるがァ!」
 続く連撃、先と合わせて8連。ルードの振るう刃が信長へと向くが、信長は刀一本でそれをいなし、翼の推力にモノをいわせて大きく後退った。
 猟兵たちと信長の距離が、開戦当初のそれへと戻る。
「仕切り直し――というには格好がつかんな」
 自嘲し笑う信長は満身創痍。猟兵の陣容を睨む目にも、籠る力は薄く。
 次の交戦が決着になるだろうと、その場の誰もが確信していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・源次
織田信長…お前の名は日の本に生まれ学んだ者なら知らぬ者はいないだろう…いざ相対して分かる
お前は確かに覇を成した者だと

だが、それは過去の事…今を生きるものには不要だ

「貴様らにそんな覇道は必要ない。」

対神太刀を抜き深く腰を落とし切っ先を背面に向けるように構え
それがお前の奥義というわけか…ならば相応の業と覚悟を持って挑む

炎獄機関…最大稼動…
地を蹴り、駆ける。まだ足りん
特殊戦靴、起動。更に踏み込み加速
蒼炎結界。煉獄の炎を纏い、対神太刀の特性「エネルギーの放出」を実行
背後へ向け爆発的に放出されたエネルギーで更に加速

亜音速の蒼炎の一矢となりて、宿業を穿たんと渾身の突きを放つ

「俺は魔を祓う為に来たのだ。」



●叢雲、第六天を覆う
 静寂。
 戦場に似つかわしくない2文字が魔空安土城を席巻している。
 信長は迂闊な一撃では猟兵に付け入る隙を与えるのみ。
 猟兵もまた、生半可な攻撃では信長に機先を制されるために。
 猟兵側も、信長も、次の交錯こそが最後の一撃になると理解しているが故の停滞。
 だからこそ、その男は間に合った。
「遅れてすまない……は、俺には似合わんか」
 ぽつりと。小さな呟きが沈黙を切り裂いた。
「――何奴」
「名乗る程の名は、無い。そのうえで、敢えて名乗るのであれば……」
 守護者。その3文字を名乗ったのは黒いスーツの伊達男。名を、叢雲・源次(攻殻猟兵・f14403)という剣客猟兵。
「……して、貴様は何を守る」
「貴様らの覇道、それの要らぬ世を」
 ざり、と地を噛む源次の靴。信長を見据えつつ、腰を落として構えるのは対神太刀、黒ノ混沌。雷撃によく似たエネルギーの奔流を纏ったそれは、一撃必殺に特化した源次の覚悟を示す刃。
「ほぉ……」
「日の本に生まれ学んだ者に、知らぬ者のなき覇者。いざ相対すれば嫌でも分かる。貴様は覇を成した者だと」
 間合いを図るかのように紡がれる言葉。猟兵たちも固唾を呑んでそのやり取りを見守り、いざというときに介入できるよう身構える。
「その上で、不要と申すか」
「ああ……貴様の覇は過去の産物。今を生きる者には不要だ」
 はっ、と。ここにきて信長が破顔した。
 最初は小さく。次第に堪えきれぬとでもいうような呵々大笑。
 奇妙なまでの圧力を伴うそれは暫し続き、
「なるほど。ここにきてようやく理解したわい」
 ふぅ、とため息をついて信長が猟兵たちに、源次に向き直る。
「不要と言われて、はいそうですかと引き下がる者が覇者であろうはずもなかろう!」
 構える。最後の一撃と理解して、その上で。信長は己の在り様を示し、過去として世界に刻み込むべく猟兵に切っ先を向ける。
「かかってくるが良い、守護者とやら……儂という過去を、振り払ってみせろ!」
 瞬発。羽ばたいた樹翼が信長を力強く駆けさせ、刀の纏う炎が空間に紅の尾を残す。
「宿業を、穿つッ!」
 遅れて、源次が踏み込み地を駆ける。信長とは対照的に、全身に纏うは蒼の焔。
 一歩。互いの距離が大幅に縮まる。源次の戦靴がカチリと音を立て、その歩みをさらに加速。
 二歩。もはや白刃戦の距離。黒ノ混沌に蒼の焔が収束し、一柱の加速炎として放たれる。
 三歩。交差。剣戟の音は響かず、互いの一撃が互いの命を狙って交錯した。
「――ふっ」
 先に動いたのは信長。刀から炎を消し、手馴れた動作で鞘へ納める。
「良い覚悟であった、守護者よ」
 その言葉を受け、源次もまた居合の要領で抜き放っていた刀を鞘へ納めた。
「その言葉、魔を祓うべく来た者として受け取ろう」
 胸元を深々と切り裂かれ、機械の身体を曝しつつ応じる源次。
 その背後で、信長の首がゆっくりと地へ落ちた。
「俺たちの、勝ちだ」
 2度目の沈黙は短い。その場に集った猟兵たちの喝采が、即座に戦場を埋め尽くしたからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月23日


挿絵イラスト