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エンパイアウォー⑧~渇きと飢え

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●サムライエンパイア
 第六天魔王『織田信長』の居城、魔空安土城へ向かう幕府軍は、最大の難所である関ヶ原に集結した。
 ここからは関ヶ原で幕府軍を待ち受ける信長軍を突破し、さらに山陽道、山陰道、南海道の3手に別れて進軍する事になる。
 関ヶ原で待ち受ける軍勢は、魔軍将、軍神『上杉謙信』と、大帝剣『弥助アレキサンダー』。
 それを越えた先でも、山陰道には、陰陽師『安倍晴明』。
 山陽道には、侵略渡来人『コルテス』、南海道には、大悪災『日野富子』の軍勢が待ち受けている。
 猟兵達は、この魔軍将の軍勢を撃ち破り、最低でも1万人以上の幕府軍を魔空安土城に到達させねばならなかった。

●鳥取城餓え殺し
 山陰道の防御指揮官である安倍晴明は、奪った鳥取城を拠点として、猟兵と幕府軍を壊滅させる準備を行っていた。
 鳥取城は、有名な『鳥取城餓え殺し』が行われた場所であり、恨みの念が強く残っていた。
 この城に、近隣住民を集めた上で閉じ込め飢え死にさせることで、奥羽の戦いで使用した『水晶屍人』の十倍以上の戦闘力を発揮させる事が可能となった。
 この強化型『水晶屍人』量産の暁には、山陰道を通る幕府軍と猟兵全てを殺し尽くしても、ありあまる戦力となるほどの脅威であった。

●水晶屍人
 初めに感じたのは、異常なほどの渇きと飢えだった。
 そのため、何も考える事が出来ず、食べる事だけが最優先されていた。
 故に、例え農民が命乞いをしても、関係なし。
 俺には、小さな子供が……。
 まだ結婚もしていないのに……。
 農民が何を口にしたところで、水晶屍人の心には響かない。
 そもそも、わずかに残った記憶のカケラに刻まれていたのは、仲間の死体を食って生き延びた自分自身の姿。
 自分が死んだ後も、仲間達に死体を食われ、怨霊と化したのだから、他人を憐れむ気持ちなど微塵もなかった。
 それどころか、恐怖に打ち震える農民達が苦しむ姿を愉しむようにして、ただひたすら喰らい続けるのであった。

●ガジルからの依頼
「みんなにお願いしたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が祈るような表情を浮かべ、猟兵達に対して今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、水晶屍人達を倒し、農民達を助け出す事。
 ただし、今回の水晶屍人ハ安倍晴明が鳥取城の怨霊を利用して造った特別製。
 そのため、猟兵達が以前に戦った水晶屍人と比べ物にならないほど強く、10体ほど集まれば猟兵と渡り合えるぐらいの超強化が施されているらしい。
 現在、水晶屍人は10体ほどで農民達(5人ほど)に襲い掛かっており、一人ずつ命を奪っていきながら、鳥取城まで追い立てようとしているようだ。
 幸い農民達は逃げている途中なので、猟兵達が水晶屍人を倒す事さえで張れば、彼らを救う事が出来るだろう。


ゆうきつかさ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 8月20日までに必要成功数を達成できなかった場合、山陰道を侵攻する幕府軍が壊滅し、3万人が犠牲になります。
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第1章 集団戦 『水晶屍人』

POW   :    屍人爪牙
【牙での噛みつきや鋭い爪の一撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    屍人乱撃
【簡易な武器や農具を使った振り回し攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    水晶閃光
【肩の水晶】の霊を召喚する。これは【眩い閃光】や【視界を奪うこと】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

有澤・頼
「………」
(この人たち、元は普通の人間だったんだよね…)

早めに終わらせようか。
敵が農民たちに意識が向かないように囮になるよ。「フェイント」をかけて「剣刃一閃」でスパッと斬るよ。敵の攻撃に対しては「見切り」で避ける。適宜、正面からだったり、背後から攻撃をしかけていこうかな?

(戦争が終わったらこの人たちに何か食べ物をお供えしよう。人の屍肉じゃなくてとても美味しいものを)


紬雁・紅葉
死を撒き
黄泉を広げる
巫女としてその所業
赦せる訳も無し

陰陽師の謀略諸共その魂
御鎮めします

羅刹紋を顕現
【雷の魔力】を攻撃、防御
に付与

九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け
正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔雷属性衝撃波を以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければUC+破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔雷属性衝撃波を以て打ち返しを狙う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

八雷神と剣神"布都主"の御名に於いて
汝らの比良坂下り案内仕る!

亡者達よ!疾く速く!
黄泉へ去り罷りませい!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


神凪・狐毬
[心情]
ここには、困ってる農民の方がいる。つまり、恩の売り時ですね!
いやぁ、陰険なお仕事ばかりでしたが、お金につながるお仕事があってよかったです。ええ、助けられて、本当に良かった。

[行動]
まず、時間稼ぎに注力します。ちまちま倒す時間もないですしね。
「フォックスファイア」で敵の足を燃やして行動力を削いで、ひらひら逃げながら潰していきます。
「おやみなさん、そっちのお城は危ないですよ」
後は農民を安全な場所まで誘導しつつ、追って来れないように足を燃やしつつ、周辺の水晶屍人を焼きましょう。
「大丈夫ですよ。みなさん助かります。さぁ、走った走った。」


ミモザ・クルセイル
◆心情
「餓え殺し…二度とあってはならないですね」

猟兵との連携、アドリブ歓迎
「オーラ防御」発動させつつ
空中浮遊で上空から農民と敵の間へ切り込みます

◆戦闘
戦場全体や仲間の状態に常に気を配る

「食は命の源です!」
 水晶屍人の「屍人乱撃(SPD)」に対し、ユーベルコード「夢のスープ」を使い、敵の行動速度低下を狙います

食を楽しむ様ならば「先制攻撃」を狙います
「ダッシュ」で一番近くにいる敵の懐に潜り込み、鋼糸で締め上げて「敵を盾に」しながら他の水晶屍人を「呪殺弾」「零距離射撃」等で攻撃して行きます。
最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
 その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします


白雨・七彩
10体集まると厄介なのであれば纏まらないよう分かれて当たるのが良さそうか。
だがその前に襲われている民を救わねばな。

水晶屍人と農民達の間へ「破魔」を上乗せした【炎月】を放ち、敵の気を此方へ引き付ける。
逃げていた農民が怪我をして直ぐに動けない様子であれば、
襲っていた水晶屍人の膝と足首を狙って【水刃】を放ち足止めを。

人の肉は美味いかも知れんが、獣の肉も案外いけるかも知れんぞ?
どれ、一つ味見でもしてみないか。


クロウ・ファンタズマ
心情:死体には炎って言うのは相場が決まってる。灰の一欠片も残さず焼き尽くしてやれば成仏できるだろう?

行動:基本的には【怪力】を活かして【肉断ち包丁】で四肢を破壊することを狙うぜ。
この肉断ち包丁は切れ味はそこそこしかねぇが重い。
一発食らえば骨まで砕ける。
切れなくても叩き潰すことはできるんだよ。
そうやって四肢を潰したなら、指定UCで跡形もなく焼き尽くしてやる。

「真っ黒に火葬してやるよ、成仏しな」

噛みつき?
噛みつかれそうになったら、顎を殴り上げて無理やり口を閉じさせてやる。
それに顎は頭に直結してるから脳にダメージが行く。
死体でも脳みそで考えてるなら多少目眩くらいは誘発できるだろ。



●山陰道
「………(この人たち、元は普通の人間だったんだよね……)」
 有澤・頼(面影を探す者・f02198)は仲間達と共に茂みの中に隠れて、水晶屍人と化した農民達を眺めながら、複雑な気持ちになっていた。
 水晶屍人になった時点で自我は失われ、血に飢えたケモノ同然。
 こうなると元に戻す術はない。
 ただ、倒す事だけが、唯一救う手段と言えた。
 それが分かっているせいか、多少なりとも心が痛んだ。
「餓え殺し……二度とあってはならないですね」
 そんな空気を察したのか、ミモザ・クルセイル(みもざいく・f00333)も水晶屍人に視線を送る。
 ここで水晶屍人に同情したところで、何も事態は変わらない。
 だが、二度と同じ過ちを繰り返さないようにするため、農民達を救う事ならばできるはず……!
「そう言った意味では、恩の売り時ですね! いやぁ、陰険なお仕事ばかりでしたが、お金につながるお仕事があって良かったです」
 そんな中、神凪・狐毬(巫女の姿をした小悪党薬師・f00559)が、ホッとした様子で口を開く。
 農民達がいくら金を持っているのかわからないが、恩を売っておいて損をすることはない。
 例え、いま金がなかったとしても、数年後には『あの時、助けてもらった農民です』と言って、恩返しをしてくれる可能性もあるのだから、やるだけの価値はある。
「だが、農民達を助けるためには、水晶屍人を倒さねばならない。10体集まると厄介なのであれば、纏まらないように分かれて当たるのが良さそうか。まあ、その前に襲われている民を救わねばならないが……」
 白雨・七彩(雨の狐・f06113)が逃げ惑う農民達の存在に気づき、険しい表情を浮かべた。
 農民達は水晶屍人達に追われ、息も絶え絶え、ヘトヘトになりながら、それでも必死に逃げていた。
 それも、そのはず。
 ここで諦める事は、即死ぬ事を意味しているのだが、途中で立ち止まって休憩しようと考える農民などいる訳がない。
「まあ、死体には炎って言うのは相場が決まってる。灰の一欠片も残さず焼き尽くしてやれば成仏できるだろう?」
 クロウ・ファンタズマ(黒焔のネクロマンサー・f21283)が肉断ち包丁を握り締め、ゆっくりと歩き出した。
 それに合わせて、ミモザがオーラ防御を発動させつつ、空中浮遊で上空から農民達の前に降り立った。
「た、助けてくれ!」
 その途端、農民達がボロボロと涙を流しながら、ミモザに縋り付いてきた。
 そのため、ミモザは全く身動きが取れぬまま、水晶屍人達の注目を一身に集めていた。
「死を撒き、黄泉を広げる、巫女としてその所業。赦せる訳も無し。陰陽師の謀略諸共その魂、御鎮めします」
 そう言って紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)が羅刹紋を顕現すると、水晶屍人達達に対して容赦なく雷を落とすのであった。

●水晶屍人
「死にたくなかったら、早くここから逃げるんだ」
 すぐさま、七彩が農民達を守るようにして陣取ると、破魔の力を上乗せした【炎月(エンゲツ)】で複数の狐火を放って、水晶屍人の身体を炎に包んだ。
 しかし、水晶屍人はまったく熱さを感じておらず、唸り声を響かせながらジリジリと距離を縮めてきた
「う、うわあああ」
 それを目の当たりにした農民達が、蜘蛛の子を散らすようにして逃げ出した。
「……後は水晶屍人達を倒すだけですね」
 その間に、紅葉が破魔の力を込めた雷属性の衝撃波を放ち、先頭に立っていた水晶屍人を薙ぎ払った。
 それに合わせて、七彩が【水刃(ミズハ)】を仕掛け、水属性の刃で水晶屍人の足首を切った。
 そのため、水晶屍人は思うように体を動かす事が出来ず、バランスを崩して倒れ込んだ。
 だが、水晶屍人は怯まなかった。
 腐臭を放つ指で、地面を削るようにして這っていき、再び農民達の後を追おうとした。
「恐ろしいほどの執念ですが、こちらも遊びに来ているわけではないので、サクッと逝っちゃってください」
 そのことに気づいた狐毬が【フォックスファイア】の狐火で、地面を這っていた水晶屍人を炎に包んだ。
 それでも、水晶屍人はジタバタと、もだえ苦しんでいたが、肉体の方が先に限界を迎え、消し炭と化して崩れ落ちた。
「それじゃ、早めに終わらせようか」
 その間に、頼が水晶屍人の攻撃を避けつつ背後に回り込み、【剣刃一閃】でスパッと首を刎ねた。
「この肉断ち包丁の切れ味は、そこそこしかねぇが重い。一発食らえば骨まで砕ける。切れなくても叩き潰すことはできるんだよ」
 それに合わせて、クロウが肉断ち包丁を力任せに振り回し、水晶屍人の四肢を破壊する事で、完全に動きを封じ込めた。
 紅葉も水晶屍人の注意を引きながら、破魔重弓「鳳翔」で頭を射抜き、農民達が逃げるまでの時間を稼いだ。
「グガガガガ……」
 しかし、水晶屍人達は狂ったように農具を振り回し、猟兵達に襲い掛かってきた。
「食は命の源です!」
 それに気づいたミモザが【夢のスープ(デリシャススープ)】を使い、栄養満点のスープを仲間達に配り、それを口にしなかった水晶屍人達の行動速度を五分の一のするのであった。

●血に飢えしモノ
「グググググ……」
 だが、水晶屍人はまったく諦めていなかった。
 身体の奥底から無尽蔵に湧き上がる飢えを満たすため、何度倒れても立ち上がり、猟兵達に襲い掛かってきた。
「人の肉は美味いかも知れんが、獣の肉も案外いけるかも知れんぞ? ……どれ、一つ味見でもしてみないか」
 そんな空気を察した七彩が、思わせぶりな態度で、水晶屍人を挑発した。
「グガガガガァァァァァァァァァア!」
 その挑発に乗った水晶屍人が、鋭い牙を剥き出しにして、猟兵達に襲い掛かってきた。
「真っ黒に火葬してやるよ、成仏しな」
 それを迎え撃つようにして、クロウが【ブレイズフレイム・マットブラック】を仕掛け、顎を殴りあげて無理やり口を閉じると、漆黒の炎の爆発で水晶屍人を肉塊に変えた。
「八雷神と剣神"布都主"の御名に於いて、汝らの比良坂下り案内仕る! 亡者達よ! 疾く速く! 黄泉へ去り罷りませい!」
 紅葉も薙刀「巴」を握り締めまるで舞い踊るようにして、水晶屍人達を斬りつけた。
 その間にミモザが水晶屍人の懐に潜り込み、鋼糸で締め上げて盾代わりにしながら、呪殺弾で次々とトドメをさしていった。
「なんとか全部倒す事が出来ましたね」
 そう言ってミモザが、疲れた様子で座り込む。
 水晶屍人の大半はクロウによって、四肢が破壊されているため、もう二度と動くことはない。
 万が一、動くことが出来たとしても、惨めに地面を這う事しか出来ない。
「それじゃ、私は農民達の様子を見てきますね。また水晶屍人に襲われていても、困りますし……」
 そんな中、狐毬がイイ笑顔を浮かべながら、農民達が逃げた方向にむかって走り出した。
 そこには善意以外の感情も含まれていたが、農民達を心配している事は間違いないため、万が一別の水晶屍人に襲われているようなことがあれば、命懸けで助ける事だろう。
(「戦争が終わったらこの人たちに何か食べ物をお供えしよう。人の屍肉じゃなくてとても美味しいものを……」)
 そんな事を考えながら、頼がその場を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月18日


挿絵イラスト