エンパイアウォー⑲~傲慢な侵略者に報いの鉄槌を
●サムライエンパイア ~厳島神社
「……何だ? 戦況になど、私は何の興味も無いぞ」
自身の作戦が失敗していることを信長の部下に知らされ、
「何度も言っているが、お前らエンパイア人は、たまたま私達コンキスタドールに姿が似ているだけの下等生物。私はお前らを知的生物に定義していない」
だからこそ、長州藩士達を躊躇なく生贄にして自身の配下を召喚したのだ。
「全く、使えん奴らだ……。私が以前訪れた国の民は、お前等に比べればマシだったぞ。まあ、皆殺しにして、そいつらの神はこうして乗騎にしたがな」
そう言うとコルテスは自分の側にいる乗騎、ケツァコアトルをポンポンと叩く。その動作にケツァコアトルはビクリと体を震わせる。
「ほら、ケツァルコアトル。わが乗騎になれた事を感謝して、また子を作れ。お前の子でも送っとけば、邪魔をする馬鹿も減るだろう」
以前産ませた子は全て、生贄として有効活用される前に猟兵達に処分されてしまっただろう。だが問題ない。また産めばいいのだから。
●グリモアベース
「コルテスの居場所が見つかったっす」
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)、狐面のヒーローマスクにしてグリモア猟兵はそう切り出す。
「場所は厳島神社っすね。そこで高みの見物と決め込んでるみたいっす。なので、みんなにはコルテスを倒しに行って欲しいんすよ」
富士の噴火や山陽道の熱波地獄などの作戦を指揮していた男だ。さらに、それらの作戦を行う上でケツァコアトルの子供である仔竜を生贄に使ったり、長州藩士を生贄にオブリビオンを召喚したりなど、命をただのリソースとしてしか見ていないような作戦が多い。
「コルテスを生かしておけば、今後も敵や味方の犠牲を考えない作戦が行われるかもしれないっす。それはなんとしても防ぎたいと思うんすよ」
そう意気込むリカルドは、更に予知で得た情報を伝える。
「肝心のコルテスなんすけど、コルテスは『戦闘の仕方を忘れて』いるみたいなんす」
コルテスが自分の力で直接戦ったのは、侵略を開始した最初の数回のみで、以降は『侵略して滅ぼした世界の戦力』を利用して、安全圏から楽しく侵略と虐殺を繰り返してきた。そのため、『自分が直接攻撃される事を想像もしていない』ということらしい。
「だから、予想できないようなユーベルコードの攻撃に対しては、一方的に攻撃を受けてしまうみたいなんす」
ただし、注意してほしい点もあると言う。
「工夫もなく真正面から攻撃した場合や、今回の戦闘中に受けたことのある攻撃に対しては、激烈な反撃を行ってくるみたいっす」
そのため、攻撃方法に何らかの工夫が必要となってくるだろう。そしてこう付け加える。
「なので、非道な作戦をやってきたコルテス、自分も正直許しがたい相手とは思っているっすけど、怒りで攻撃が単調になったりしないよう注意っすよ」
そう言うとリカルドは「それじゃ、頼んだっすよ」と猟兵達を戦場へ送るのだった。
麦門冬
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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というわけでこんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。みんなで侵略渡来人をボコボコにしましょう。
以下、補足情報です。
●侵略渡来人『コルテス』
人を人とも思わない傲慢な侵略者です。リカルドの話したとおり、最初は戦闘の仕方を忘れているようなので、真正面からの攻撃以外の、初めて受けるような攻撃には対応できない模様です。
コルテスの指揮した作戦は④、⑨、㉕となりますが、コルテス自身、作戦の成否はあまり関心がないです。
●ケツァコアトル
コルテスの乗騎にされている神様です。乗騎となっているだけでなく、子供も産まされているようです。
エンパイアウォー④にてケツァコアトルの子供が儀式の生贄に使われそうになっていたようですが、基本的に捕獲・保護されたケツァコアトルの子供は丁重に骸に海に還したものとします。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
三上・チモシー
アドリブ連携歓迎
事前に簡単なものでいいので汲み出しとお盆を用意
服装はシンプルなものに着替え
鉄瓶も持ち、異国の神様を飲み物でもてなそうとする一般人のふり
畏まり、敬っているよう演技を
自分はコルテスの指揮した作戦を潰す機会が多かったから、この戦況への無関心っぷりには正直、イラッときてるんだよね
でも冷静に、冷静に
不審に思われない程度にできるだけ近づき、汲み出しにお茶を注ぐと見せかけ【熱湯注意】を使用
攻撃先はコルテス、ケツァルコアトル両方
ほんの少しでも怯んでくれたなら、その隙にダッシュで急接近
【グラップル】でコルテスに掴みかかり、【怪力】を目一杯込めた【鎧砕き】の一撃を!
大豪傑・麗刃
この大豪傑麗刃は…いわゆる変態のレッテルをはられている…
たしかに日頃は思い当たるフシがなくもない。だが今回ばっかりはネタ一切抜きのシリアスで行くのだ(本気?フリ?)
そしてそれは今回のような状況では武器になるのだ。
まずは相手に気付かれぬよう可能な限り【忍び足】で近づく……が、まあいずれは見つかるだろう。そしたらわたしの美形でも強そうでもない見た目を最大限に活かし無力なフリをする。武器すら持たぬ道化を演じ、【パフォーマンス】も交え、相手におおいに油断させる。そしてなんとか相手に近づいたら、電光石火の【早業】で【だまし討ち】の【捨て身の一撃!】
必殺!零距離鬼神フラッシュ!
あとは【ダッシュ】で逃げる!
●開幕の一杯
信長の配下より猟兵がこちらへ襲撃することを警告されたようだが、コルテスは気にすること無く本殿でくつろいでいた。猟兵がここまでたどり着けるものだろうか。来たとしても返り討ちにすればよかろうと。
「む?」
そのようなことをコルテスが考えていると、妙に顔の濃い男と目が合う。先程の伝令の男だったか?いや、そうだとしたらこれほどのインパクトの顔を忘れているはずが……いや、エンパイア人の顔は似たりよったりなので、先程は偶然に気にならなかっただけもしれない。
「まだ何か用か?」
「よ、余興でどうなのだ?」
コルテスがそう問いかけると男は身体をグネグネさせながら応える。
(つまらんな)
とはコルテスは思う。とりあえず、いつの間にか横で明るい髪をした小僧がお茶の準備をしているようなので、その茶でもぶっかければ多少は面白くなるだろうかと思ったその時、
「そーれ、熱湯ざばー!」
「!?」
小僧が茶を注ごうとした鉄瓶の注ぎ口から熱湯が吹き出し、コルテスと横にいたケツァコアトルに降りかかる。
(小僧、こんな高熱の湯が入った鉄瓶を素手で持っていて熱くなかったのか)
突然の事態にコルテスの頭をよぎったのは、敵襲よりもどうでもいいことだった。
(かなりあっさりかかりましたね)
拍子抜けするくらいにユーベルコード【熱湯注意】による不意打ちが決まったことに三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)は逆に驚きそうになるくらいだ。
一緒に本殿に忍び込んだ大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)も丸腰だったせいか、忍び込んでいるのに途中で気づかれたというのに、特に敵とも思われなかったようだ。普段ネタに走っているような彼が真面目におどけて道化を演じたというのも功を奏したのかもしれないが、それは結局真面目なのかどうなのかよくわからなくなる。
(でも冷静に、冷静に)
コルテスの指揮した作戦を潰す機会が多かったチモシーは、コルテスの戦況への無関心っぷりには正直、イラッときている。だが、ここは気持ちを抑えて冷静に次の行動を実行するのみ。
「む?」
熱湯をかけられたショックから立ち直ろうとしていたコルテスは、武器を構えようともせずにこちらへ向かってきたチモシーに面食らう。そしてチモシーはそのままこるってすの襟首を引っ掴み、小柄な体格とは思えないような膂力でコルテスを床に叩きつける。
「ゲホッ!!」
ロクに受け身も取れずに叩きつけられるコルテス。そして天井を見上げる形になったコルテスの視界いっぱいに麗刃の顔が飛び出してくる。
「必殺!鬼神フラッシュ!」
「ぐおおおおおおっ!!」
至近距離からの麗刃の変顔に思わず悶絶するコルテス。目の前で閃光弾を食らったくらいの衝撃があるようだ。
「あとはダッシュで逃げるのだ!」
攻撃に成功したのを確認した麗刃はチモシーと一緒にスタコラサッサと逃げることにする。
「そ、それにしてもいつやってもこのワザは自尊心がズキズキいたむ!」
そこまで自分の顔がショックだったかと、ちょっぴりハートに傷がつく麗刃21歳であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
「な、何だったのは今のは?」
先程の猟兵の不意打ちに体全身の痛みとともに頭もくらくらするコルテス。だが、非戦闘員に紛れたり忍び込んだりする手にはこれから警戒することにする。
「猟兵らしくなくても反撃できないくらいにぶっ叩いておけばいいだろう」
もし味方だったとしても、その程度でくたばるような奴を寄越した信長が悪いのである。
火土金水・明
「あなたが『コルテス』ですか。一度、お手合わせ願います。」
【POW】で攻撃です。【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【ねこねこ・ロックンロール】で『侵略渡来人『コルテス』』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。(召喚された黒猫は、使い魔の黒猫とそっくりです。)
「この国で戦いをやる気がないのでしたら、すぐにでも出ていけばよかったのに。それとも出ていけるだけの力すら持っていないのですか?。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●そこに見えるものは
「あなたが『コルテス』ですか。一度、お手合わせ願います」
次にコルテスの前に現れたのは火土金水・明(人間のウィザード・f01561)だ。
「猫の子仔猫 獅子の子仔獅子!」
ユーベルコード【ねこねこ・ロックンロール】で自身の身長の倍もある黒猫が召喚される。
「変わった獣だ」
コルテスは驚くでもなく淡々と感想を述べる。そしてのっそりと【古典的騎乗術】による騎馬突撃を思い出し、ケツァコアトルにまたがる。だが、明はコルテスが動き出す前に黒猫を動かし、コルテスにけしかける。明の動きにトレースして飛びかかる黒猫。時折フェイントも混ぜつつもその爪でコルテスを狙う。
「この国で戦いをやる気がないのでしたら、すぐにでも出ていけばよかったのに。それとも……」
明がそこまで喋った時点で不意に途切れる。相手が動き出すよりも先にこちらから先制攻撃を方はずだった。
「その攻撃は思い出した」
だが、後から動いたにもかかわらず、襲いかかる黒猫を迎撃し、跳ね飛ばす。
「な……!」
明も残像を生み出し、魔力を纏って防御の備えをするが、残像ごと防御を突き破られて、そのまま跳ね飛ばされる。
巨大な黒猫はコルテスにとって初めて見たことがある存在かもしれないが、猫であろうと人であろうと魑魅魍魎であろうと、コルテスにとってはさほど興味のない『下等生物』である。そこに区別はなく、ただ真正面から向かってきたものを迎撃したに過ぎない。
「なんということだ」
そして、跳ね飛ばされていった明を見、彼女が先程言っていた言葉をぼんやり思い出しつつコルテスは呟く。
「私の行き先に口出しができるとでも思っていたのか。なんと傲慢な奴なんだ」
失敗
🔴🔴🔴
サイコ・クレイリリィ
*オブリビオンを食べてしまいたい程に愛する変態ヤンデレクレイジーサイコパス
ボクのUCを当てる為には……そうですね按摩、渡来人の言葉ではマッサージでしたねそれを提案しましょう。
良きモノを見分けるには高い集中が必要で、その状態は知らず知らずに疲労を蓄積させるモノ、一度按摩で心身ともにリフレッシュした方がより良きモノを見つけやすくなるかもしれません。といった感じで口車に乗せましょう。
サイコヒーリングを込めた按摩、心地よさにうつらうつら始めたらそのまま寝てもいいですよと誘惑しましょう。
寝たらおもむろに七尺の妖刀の封印を解き、終わらない妖刀の宴でおいしく戴き、大食いの貪欲さで何度も何度も情熱を注ぎます。
出水宮・カガリ
奇襲。潜入。
門とは、目印として建つものであるから
そういうのは得意ではないのだが…
【籠絡の鉄柵】を隠形状態で先行させ、コルテスを探す
見つけたらそのまま大型化させ、姿を隠したままコルテスを縛る
完全に拘束してから、縛りをきつくして敢えて異変に気付かせる
コルテスが拘束を逃れようとしているのを確認したら、こちらの姿を現す
【大神の神眼】で見つめ【死都之塞】を
逃れたい、生き延びたい、下等生物に先手を打たれる屈辱…
その意思、捉えた
案ずるな、それら全て、全て、もう用のないものだ
落ちよ、堕ちよ、沈まれ、静まれ、止まれ、止まれ、眠れ
乗騎の攻撃がもしあれば、【鉄門扉の盾】で防ぎつつ、コルテスへは【命の篝火】でとどめを
●学習した渡来人
「按摩……マッサージか」
「良きモノを見分けるには高い集中が必要で、その状態は知らず知らずに疲労を蓄積させるモノ、一度按摩で心身ともにリフレッシュした方がより良きモノを見つけやすくなるかもしれません」
コルテスにそう提案するのはサイコ・クレイリリィ(男の狐サイコヒーリングはサイコさん・f12837)、オブリビオンを食べてしまいたい程に愛する変態ヤンデレクレイジーサイコパスだ。按摩の心地良さによって眠りこけたところにぶすりとイクのが彼の算段である。
「良きモノを見分けるには高い集中が必要か……」
コルテスはそうひとりごちた後、サイコの襟首を掴む。
「へ?」
「見分ける必要のある段階に至るものすらないから、私はこの世界に興味を持てぬのだ」
そしてそのまま放り投げる。
「先程熱いものをぶっかけられたばかりなのだ。そのやり口は覚えている」
「そんな……! ボクよりも先に熱いモノをぶっかけた奴がいるなんて!」
ちなみに熱いものとは熱湯である。そして放り投げられたサイコは何かにぶつかる。そこには顔のない魚のようなものが浮いており、コルテスに巻き付いて拘束しようと飛びかかっていたところだが、誤ってサイコを拘束してしまう。
「そして身を忍ばせるやり口も先ほどのを覚えている。さっきの顔の濃い奴の方が身を隠せていたとは思うがな」
「くっ」
コルテスの言葉に思わずうめき声をあげてしまったのは顔に傷のある青年、鉄門扉のヤドリガミである出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)だ。自身の一部である『籠絡の鉄柵』を隠形形態にしてコルテスを拘束せんと動いていたのだが、それを見抜かれてしまったようだ。
この二人にとって不幸だったのは、既に同じような方法でコルテスに大打撃を与えた猟兵が既にいたことだろう。それぞれの作戦が完全に発動することが防がれてしまった。
「是よろづのあそびを憎むもの。全ての命は、我が内に」
技の発動条件には不十分だが、【マスケット銃撃ち】の為に弾込めを行っているコルテスめがけてユーベルコード【死都之塞】を放つ。相手の自由意志を奪い、動きを封じる視線は、視るだけで攻撃になるとは予想もしていなかったコルテスに命中し、その動きを止めさせる。
「落ちよ、堕ちよ、沈まれ、静まれ、止まれ、止まれ、眠れ」
そのまま止まったままでいてくれという想いかカガリは長剣『命の篝火』を抜き、コルテスへと迫る。抜剣とともに刀身に炎が宿る。
「これで終わりだ」
コルテスへと炎の斬撃を浴びせるカガリ。
「……よもや、そのような術があったとはな」
だが、コルテスは斬られたにも関わらず、悠々とマスケット銃への弾込めを再開し、弾を込める。
(その意思、捉えきれなかったか)
ユーベルコード【死都之塞】は奪うべき自由意志がどのような方向に形作られているか認識する必要がある。その意志を誘導するのに自身の分体にて拘束し、『下等生物へ先手を取られる屈辱』、そしてそれを晴らしたい意志などを芽生えさせようとしていたが、失敗した。
「だがもうそのような術は食わん」
せめてもう一太刀と斬りかかろうとしたカガリだったが、超至近距離からのマスケット銃による射撃に吹き飛ばされる。魔軍将の力のせいか、銃であるのに大砲を受けたような衝撃だった。
「ここまでか……」
これ以上コルテスの意志をどうにかすることは出来ないと悟ったカガリはこの戦場から退却することにする。
「さて……」
カガリが退却したのを確認すると、コルテスは残っていたサイコの方を向き直る。カガリがいなくなったことで戒めも解かれたが、真正面から相手では自慢の七尺(およそ2.1m)の妖刀の封印を解き、相手に突き刺す隙もないだろう。
「今さっき、お前のようなやつにお誂え向きの騎乗術を思い出した」
そういうとコルテスはサイコを組み伏せる。
「ケツァコアトル、お前も混ざれ」
こうしてサイコはその身を侵略渡来人に侵略され尽くされるのだった。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
アムレイド・スヴェントヴィット
「生死を繰り返す認識すら残らないとは。なんと惨い事か」
私が導きましょう。安らかなる褥へ。
【クラタエグス・エヴァンジェ】
手元に潜めた小さなサンザシの枝を媒介に発動する技
まずは地形を利用し、その動きを見極めることへ注力。自分から刃を振るうのは最小限に
その動きが直線的か。起点はどこか。どこへ向かわないのか。
ワイヤーを張り巡らせ、追走の隙に空間を切り出して行く。
確実にその刃を捉えられる一瞬に、確実に搦めとる。
その瞬間が見えたら、外套を翻し、そのまま身を任せよう。零距離で、確実に彼へ差し出そう。
互いの刃がどう刺し交わされようと関係ない。この身の傷など些事でしかないのだから。
「さぁ、罪の褥に安らぎなさい」
緋縅・善蔵
「ヨーロピアンマヌケが。お前より俺の方が速いんだよ!」
【オーラ防御】【力溜め】と〔VRB〕で攻守を強化。
〔支援要請〕で4機召喚し、戦力の絶対数を増やす。
VRBで超音速ダッシュ
敵の龍と接触直前に【迷彩】を使って下側に回り込み、仁王で騎乗者ごと【串刺し】にする【だまし討ち】
【早業】で【一斉発射】の【零距離射撃】
その後は味方と連携して中距離からの威力の高い射撃を続け、龍が生きてたらソレにも注意を払う。
可能なら〔斬鐡〕で【部位破壊】で龍の頚やコルテスの銃を持つ腕を斬り落とす。
出来る限り接近戦は避けるが近距離で敵の攻撃を受けたら【カウンター】と【武器受け】
「俯瞰的にしか戦場を見ないとはな。指揮官失格だ」
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
独創性。中々難しいお話。……他の人にできない事をすれば良さそう?
それならやれる事もあるし試してみよう。サムライエンパイアだし。
攻撃の前に皆を目立たない様に周囲に配置。合図で一気に囲んで行こう。
皆には私の格好に変装してもらって一目だけだと全員私。所謂分身の術。
演技も交えれば本当の私を見つけるまでちょっとの時間稼ぎ。
符雨に空砲を撃ってもらって、音を出した反対方向からまず第1陣。
第一陣から時間差で第二陣。その時は私も皆と一緒に。かごめかごめ。
回って狭めて広まって、どこかで聞いた最大の戦術。囲んで棒で叩く。
単純だけど、どこからかの攻撃は相手にとって必殺。頑張って間違い探し。
●侵略渡来人の末路
「生死を繰り返す認識すら残らないとは。なんと惨い事か」
始終けだるげな様子のコルテスに向け、アムレイド・スヴェントヴィット(断裂者・f14644)は呟く。
「私が導きましょう。安らかなる褥へ」
ギュッと握る手の中には彼の切り札がある。
「独創性。中々難しいお話。……他の人にできない事をすれば良さそう? それならやれる事もあるし試してみよう。サムライエンパイアだし」
人形のような令嬢、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)も自分にできることをやってみようと決意する。
「ヨーロピアンマヌケが。お前より俺の方が速いんだよ!」
一方で、好戦的な様子でコルテスにそう啖呵を切ったのは全身を機械の鎧で覆われ、ウォーマシンかと見間違われそうな男、緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)だ。
「バンシィ! 俺に力を貸せ!」
ユーベルコード【VRB】にて紅蓮の闘気をその身に纏う。それによって超高速飛行が可能となる。
「ほう、貴様の方が速いとな。言われているぞケツァコアトル」
そういうとケツァコアトルに騎乗したコルテスは、自分の乗騎にそう話しかけると、目にも留まらぬスピードで善蔵へと突撃してゆく。
「速っ!!」
さすがは神というべきか。その速度は強化された善蔵にも引けを取らない。
「その調子だケツァコアトル。もう少しで慣らしは終わる。そうすればもっと速度を出していいぞ」
(もっと速くなるのか!)
すんでのところで回避した善蔵は戦慄する。更にユーベルコードで無人機の応援を呼ぼうかと思ったが、【古典的騎乗術】を思い出す時間を更に与えてしまえば、追いつけない速度になってしまうかもしれない。
実際、アムレイドもそのまま神社の本殿を破壊しながら飛び回るケツァコアトルに攻めあぐねているのか、まずは様子を見ている様子で、時折フックつきロープを飛ばすが、相手に命中することはない。だが、アムレイドの動きの意味を善蔵は読み取る。
(なら、やはり増援を呼んで時間を稼ぐ方が良いか…)
「皆、行って」
善蔵がそう考えていると、眞白が【百器大波乱】によって大量のからくり人形を呼び出す。建物の陰からわらわらと出てくるからくり人形はすべて眞白と同じ格好をしていた。これで本物が誰だか分からなくする作戦のようだ。
もっともコルテスは眞白の本物を探すつもりはない、というかそもそも本物と偽物を見分ける必要性をあまり感じていないようだったが。
「増えたか。小賢しい真似を……む?」
どこから銃声がし、コルテスは反射的にそちらへ突撃する。そこには空砲で注意を惹きつけた、呼び出したのとは別の眞白のからくり人形『符雨』がいた。
「私を狙ったつもりか? やれ、ケツァコアトル」
コルテスは【奴隷神使い】としてケツァコアトルに命令すると、符雨に向けて突撃し、そのまま腕にかじりつくと符雨の身体を振り回し、銃を落とさせる。
「まず第一陣」
どこからともなく眞白の声がしたと思うと、からくり人形達が一斉にコルテスに攻撃を仕掛ける。
「それで私を出し抜いたつもりか」
コルテスは符雨をからくり人形達めがけて投げつけさせ、彼女らが符雨を受け止めている間に蹴散らそうとするが、
「第二陣」
時間差で別方向から襲いかかるからくり人形達に、コルテスは急旋回して回避する。だが、そうして旋回した先には善蔵が飛び込んでくる。
「今度はこっちだ!」
「流石に鬱陶しくなってきたぞ」
そのままケツァコアトルを突撃させようとして、不意に善蔵の姿が消える。
「む、どこに身を隠し……!!」
光学迷彩機能によって姿を隠していた善蔵がすれ違いざまにアームドフォート『マザーウィル』からミサイルの一斉発射を叩き込む。爆炎と爆風がコルテスの視界を覆う。
「そんな小手先の攻撃で!」
コルテスが善蔵のいたであろう方向に飛ぼうとするが、不意に何か紐のような物にぶつかり、飛行を妨害される。
「これは……ロープ?」
よく見ると周囲にロープのようなものが張り巡らされており、それに進路を妨害されたのだろう。
「空間を切り出させてもらった」
そう言ったのはアムレイド。他のみんなが戦っている間に彼は攻撃するふりをして本殿中にロープを巡らし、コルテスの動きを徐々に制限していったのである。そして、善蔵と眞白が特に張り巡らせている宙域におびき寄せたのだった。
「これは、立体かごめかごめ」
ロープに上にからくり人形達が立っており、ぐるぐるとコルテスの周りを回るようにロープを飛び移っていき、すれ違いざまに攻撃を加えてゆく。
「有象無象風情が私を取り囲むとは」
「どこかで聞いた最大の戦術。囲んで棒で叩く。単純だけど、どこからかの攻撃は相手にとって必殺」
人形達の連続攻撃に足止めを受けているところへ、善蔵が飛び込む。
「俯瞰的にしか戦場を見ないとはな。指揮官失格だ」
巨大な剣『屠龍』を振り抜き、ケツァコアトルの首を、コルテスの右腕ごと刎ね飛ばす。
「確実にその刃を捉えられる一瞬、それを待っていた」
命を失ったケツァコアトルごと落下するコルテスにアムレイドは追いすがる。コルテスは咄嗟にマスケット銃を構えようとするが、銃を持っていた腕もうない。
トン、とコルテスの胸に当てられたのはサンザシの枝。魔除けなどにも使われる植物の枝である。ちなみに、花言葉に『希望』というものがある。
「さぁ、罪の褥に安らぎなさい」
ユーベルコード【クラタエグス・エヴァンジェ】の発動条件が整う。コルテスにどこからともなく強烈な光を浴びせられる。光線としての威力がかなりのものであることが、コルテスの灼かれている様からも見て取れる。
「私は、滅びるのか? ああ、そうなのか」
どこか他人事のようにコルテスは呟く。
「大いなる神、これが私の運命なのならば……」
何か言おうとして侵略渡来人『コルテス』は光の中に消えていった。
成功
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