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エンパイアウォー⑨~太陽の力、使いたいよう

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー


●サムライエンパイア ~山陽道
「あ~、やる気でねえぜ。可愛い子を汗びっしょりさせてブラウスを濡れ透けにさせるならともかく、武士のおっさん等蒸し殺すためにとか」
「まあ、そう言うな。この戦いが終わったら好きにするといいさ」
「それもそうだな」
 何事かの儀式を行っている集団がそのような会話を行っている。彼らは一様に天使のような姿をしており、この国には似つかわしくない格好である。
「それにしてもだ。コルテス様に呼び出された俺らを見た長州藩士だっけ? 奴等の顔を見たか? 『話が違う』とでも言いたげな顔だったよな」
「まさか連中、自分たちが俺らを召喚するための生贄に使われるなんて思っても見なかったらしいもんなあ。大の大人が怯えて泣き叫ぶ様は最高だったぜ」
「まあ、言ってやるな。徳川の兵に正面からぶつかれば無残な死を迎えていたかもしれぬのだ。こうして痛い思いをせずに我らの糧になってもらうのが、せめてもの慈悲というものだろう」
「わーお、俺ら慈悲深ーい」
 無駄口を叩きつつも彼らは着実に儀式を進めている。これが成功すれば、山陽道は熱波にまみれ、ここを通る徳川軍の多くが命を落とすことになる。
 そんな儀式を行う彼らを、太陽の力が込められた霊玉は、静かに照らしていた。

●グリモアベース
「新しい敵の動きが見えたっす。協力頼むっす」
 そう猟兵達に話しかけるのは狐面のグリモア猟兵、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)だ。
「前に何人かの猟兵に富士山に眠る太陽の力を奪って作った霊玉を奪い返す依頼をしたんすけど、流石に全部は予知できなかったみたいで、コルテスの手に何個か渡ったみたいなんすよ」
 そして、その霊玉で儀式を行っているところを予知したらしい。
「儀式名を名付けるなら、『山陽道熱波地獄』、儀式が成功したら山陽道は平均気温50度超えの殺人的猛暑に見舞われるっすよ」
 更にコルテスはそうした灼熱の環境に活発的になる『南米原産の風土病』も蔓延させ、幕府軍に死をまき散らす予定のようだ。
「だからみんなには、儀式の阻止を頼みたいんすよ」
 風土病のウィルスは、極度の高温でなければ死滅する種類。そのため『熱波を生み出しているオブリビオン』を撃破できれば、風土病も阻止できるというのだ。
「儀式を行っているのは、幕府に叛意を持つ長州藩の毛利一族……ではなくて、その配下の長州藩士を生贄にして呼びされた天使型のオブリビオンっす。……自分に協力してくれる相手を生贄にするとか、コルテスは何を考えてるんすかね」
 相手の非道にリカルドの声が少し沈む。
「まあ、それはそうと、今は目の前の儀式っす。みんな、頼んだっすよ」
 そう言うとリカルドは猟兵達を送り出すのだった。


麦門冬
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 こんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。
 8月20日までにこのシナリオフレームの依頼が必要成功数を達成できなかった場合、山陽道を侵攻する幕府軍が壊滅し、3万人が犠牲になります。壊滅させないためにも頑張りましょう。基本的には儀式を行っているオブリビオンを蹴散らせば、儀式が行えなくなるので、それで儀式完了です。

 以下、補足事項です。

●万能従者型・渡来の天使
 かつて渡来人と共にやってきた、量産万能従者型の天使を模した何かです。他の個体を兄弟と呼び、基本的に愛らしく献身的に振る舞うそうです。たとえ騙す相手や殺す相手でも。
 基本的に『慈悲』の名のもとに好き勝手やっています。

●霊玉
 儀式に使われているアイテムです。とりあえず、戦闘の余波で壊れるほどやわな作りではありません。特にプレイングに書かれなくても、戦闘後に霊玉は儀式に再利用されないよう、砕くなりなんやかんやされたものとします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『万能従者型・渡来の天使』

POW   :    天使の一撃
単純で重い【天使の斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    くるくる回る天使の輪
自身が装備する【天使の車輪】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    兄弟の危機を見過ごせない!
自身が戦闘で瀕死になると【新たな別の渡来の天使】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
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ナターシャ・フォーサイス
【聖祓】
WIZ
天使を名乗り、慈悲と称し好き放題…
それではとてもとても、天使と呼ぶには相応しくないですね?
そも、貴方がたもまた我々が導く哀れな魂でもありますし…

…ですので。そこに直りなさい。
真の姿、その一端たる機械仕掛けの天使となりましょう。
慈悲とは、救いとは何か、教えを精神へと説いて楽園へ導くのです。
彼らの抵抗はクゥーカさんや我らが天使達相手をしてくださるでしょう。
経験が浅くとも、光を以て祈り手助けいたしましょう。

導かれたら、次の方が来るようですが…延々と連鎖するのもどうなのでしょう。
クゥーカさんの手を借り、連鎖に終止符を打ちましょう。
もし来ても…その時は、聖句を紡ぎ光を以て祓い誘いましょう。


クゥーカ・ヴィーシニャ
【聖祓】
WIZ

4万人の兵士に家族。それだけの被害を出すわけにはいかないな。

天使だかなんだか知らんが、駆除するまで。ナターシャの支援の元、戦闘を行う。
相手の群れの壊滅が目的だ。そのためにも、多少のダメージには目をつぶろう。ナターシャの足を引っ張りたくはないしな。全力でいかせてもらう

相手が倒れたら、【ミレナリオ・リフレクション】を使い、【兄弟の危機を見過ごせない!】による増援を阻止する。強い奴と戦いたくはないんでな。ここで打ち切らさせてもらおう。

……てかここ敵味方に天使多すぎねえか?



●ドキッ★天使だらけの熱戦場
「天使を名乗り、慈悲と称し好き放題…それではとてもとても、天使と呼ぶには相応しくないですね?」
 ナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)は渡来の天使達を見て、そう問いかける。
「そも、貴方がたもまた我々が導く哀れな魂でもありますし…」
「えー? 俺達が哀れに見えるかは見解の違いじゃないかなー?」
「そうそう。滅びゆく世界を前にして足掻いてるお姉さん達の方が哀れなんじゃないかなー?」
「骸の海へ導いてあげるからさ、お姉さんもこっちに来なよ~」
 だが、ナターシャの言葉に天使達はヘラヘラと笑いかけ、言葉を返す。恐らくはこのまま話しても、のらりくらりと返されるだろう。
「4万人の兵士に家族。それだけの被害を出すわけにはいかないな。天使だかなんだか知らんが、駆除するまで」
 クゥーカ・ヴィーシニャ(ミレナリィドールの人形遣い・f19616)は戦闘用人形『姉様』を呼び出し、戦闘態勢に入る。
「分かんないかなあ? 被害じゃなくて『救済』さ。ここを抜けても織田信長の手によってこの世界は滅ぼされる。それを見なくていいんだから…さ!」
 天使の一人がそう喋りながら、斧に繋がっている鎖をクゥーカに飛ばし、腕に巻き付ける。クゥーカも振りほどこうと試みるが、戦場での場数が足りないのか、絡みつく鎖が離れない。
「骸の海から蘇ったら、妹にでもしてりゃるよ!」
 天使の斧がクゥーカに叩きつけられようとしたその時、
「そこに直りなさい。慈悲とは、救いとは何か、教えを直接精神へと説いてあげましょう」
 不意に二人の間に割った影が鎖を断つ。その反動で狙いがそれ、クゥーカはなんとか回避する。鎖を断ち切ったのは機械仕掛けの鋭利な翼を背に、天使達を従えるにふさわしい風格をも兼ね備えたナターシャだった。【限定解放:楽園の使徒】によって機械じかけの大天使へと姿を変え、その身を強化しているのだった。
「へーえ、そこの彼女も天使みたいな格好してるじゃん。俺等が骸の海に導いたら、彼女も俺等の妹に……ぐあっ!!」
 軽口を叩いていた天使が撃ち落とされる。攻撃を放ったのはナターシャが引き連れる小天使、聖祓天『マグ・メル』だ。
「うおっ!兄弟! よくもやりやがったな!」
 軽口を叩いていた天使達も、今の攻撃で雰囲気は変わる。【兄弟の危機を見過ごせない!】とどこからともなく天使の増援も現れる。
「強い奴と戦いたくはないんでな。ここで打ち切らさせてもらおう!」
 クゥーカは【ミレナリオ・リフレクション】で、増援に来た敵に対し、同じ存在を召喚しようとするが、相手との実力差もあるせいか、召喚に失敗する。
「うちの兄弟をよくもやってくれたじゃん!」
 増援に来た天使が、身につけていた車輪をクゥーカに投げつける。
「くぅっ!」
 姉様に弾いてもらい、なんとか攻撃を凌ぐ。
「クゥーカさん!」
 ナターシャが聖祓杖「アルカディア」で天使達を打ち払い、支援する。
「大丈夫です! 経験が浅くとも、光を以て祈り手助けいたしましょう。だから、次こそはうまいくはずです」
 ナターシャの【限定解放:楽園の使徒】は味方の攻撃の威力などを上げる効果がある。クゥーカの【ミレナリオ・リフレクション】も威力が上がっているはずなので、ある程度を実力差は埋められているはず。
「わかった! もういっちょやってみる!」
 そう言うと、クゥーカはナターシャの攻撃を受け、体勢を崩していた天使に姉様を向かわせ、そのまま止めを刺す。
「ちっ、兄弟!」
 天使達が増援を呼ぼうとした時、
「今度こそ打ち切りだ!」
 一度見た技に対して成功率が上がるのも【ミレナリオ・リフレクション】の特徴である。今度こそとクゥーカの召喚は成功し、天使が召喚されて増援に来た天使を迎撃する。
「助けに来……何だコイツ!」
 増援の天使もこれには面を喰らう。
「これで連鎖に終止符を打てましたね」
 その様子にナターシャはホッと胸をなでおろす。厄介な増援さえいなければ、対応も難しくないだろう。
 こうして、小天使を従え戦う機械天使と天使を呼び出し迎撃する聖者による、渡来の天使の迎撃が本格的に開始された。
「……てかここ敵味方に天使多すぎねえか?」
「あと、倒された天使達を見ると、お人形みたいな部分が見えるから、ミレナリィドールもたくさんって感じね」
「マジかっ!!?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナギツ・イツマイ
 私はねぇ…中身のないイケメンが大嫌いなんだよっ!!(取ってつけた設定)

 詩宴:ラップ・バトル。

 yo!yo!俺のLyricとRhymeが砕くぜ真夏の体yo!
 youはlucky最後に俺みたいなナイスガイをLOOKメーン?

 群れなきゃ何も出来ねぇちっちゃなビーンズに灯すぜファイヤ・トーチ!
 南米といえばコスタリカ
 街路に吹く風FIREの気配に満ちてる
 それはブレイクタイムのお知らせ
 ついでにテメェらのハートもBlake!
 ミル見る砕くローストコフィ

 『滴る真夏のEssence⤴︎!』(エコー)


要約:コスタリカ産コーヒー豆の焙煎と抽出を行うイメージで火災旋風から業火の土石流で轢き潰す。yo!!



●これも一つのバトルの形
「私はねぇ…中身のないイケメンが大嫌いなんだよっ!!」
 登場するや開口一番、ナギツ・イツマイ(天秤と物の怪・f19292)は渡来の天使達に言い放つ。取ってつけたような言い方にも聞こえるが、きっと今まで見せなかった彼の新たな一面だろう。
「おお? イケメンって言ってくるのは嬉しいが、中身がないというのはどういう了見だ坊主」
「中身が無いかどうか、痛い目見れば分かるかなー?」
 天使達が武器を構え、生意気なUDCを懲らしめようとした時には、ナギツは次の動作へと映っていた。
「yo!yo!俺のLyricとRhymeが砕くぜ真夏の体yo! youはlucky最後に俺みたいなナイスガイをLOOKメーン?」
 小刻みにリズムに乗りながらRhymeを刻むナギツ。周囲に熱風が渦巻く。これはユーベルコード【双皿秤の詩演】を発動させるために必要な詠唱であり、今回の『詩演』とは天使達へのラップバトルだった。
「OK boy! 止めてみな俺等のritual! そして見な止まらないreal!」
「bossとのpromise、燃すのはprominence!」
 天使達も負けじとラップで返してくる。それだけでなく、ナギツがユーベルコードの詠唱に入ったのに感づいたか、車輪を飛ばして攻撃してくる。
「群れなきゃ何も出来ねぇちっちゃなビーンズに灯すぜファイヤ・トーチ!」
「broをバカにするなら鮮烈なblow!」
「絆軽視に傷の警鐘! 覚悟しやがれ!」
 仲間と行動していることにdisられることにカチンと来たのか、斧を振り上げ斬りかかる天使達。ナギツもなんとか背負った天秤で攻撃を凌ぐものの、受けた負傷は小さいものではない。だが、なんとか詠唱を完成させる。
「南米といえばコスタリカ 街路に吹く風FIREの気配に満ちてる それはブレイクタイムのお知らせ」
 ナギツの背負う天秤秤『全き鏡写しの天秤』に風と火の力がそれぞれの天秤皿に宿り、混ざり合う。そして、火災を伴った旋風となって渡来の天使達に襲いかかる。
「breaktimeはこっちで……うおっ!」
「ついでにテメェらのハートもBlake! ミル見る砕くローストコフィ」
 炎に巻かれながらも突撃してくる天使達にブレーキを掛けるがごとく、今度は業火の土石流を叩き込む。それはさながら焙煎されたコーヒー豆のごとく黒い輝きを放っていた。
「ハートに来たぜお前のビート……」
「とんでもillな奴が居るもんだ……」
 ラップバトルの後は互いをリスペクトの精神で天使達はナギツを称賛しつつ倒れる。
「だがcautionだぜboy、次来るbroは俺達より甘くねえ」
「何だって?」
 消える前に不穏な言葉を残して消える渡来の天使。そして聞こえる翼の音。骸の海へと変える前にユーベルコード【兄弟の危機を見過ごせない!】で自分達の増援を呼んでいたのだった。
 第2ラウンドの幕開けとともに、ナギツは再びRhymeを刻むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

峰谷・恵
「お前たちの慈悲なんか要らない、オブリビオン」

他の猟兵と連携を取る。
空在渾で飛行して上空から侵入、上から敵に空在渾の神殺しの力で強化したMCフォートで制圧射撃(2回攻撃+誘導弾+鎧砕き)を仕掛け、敵が高度を上げて他の猟兵の近接攻撃回避をやりにくくする。
制圧射撃で頭を抑えながら熱線銃の射撃で一体ずつ削っていき、ある程度ダメージが重なった敵は空在渾で強化したアームドフォートと熱線銃の一斉射撃(一斉発射+2回攻撃+誘導弾+鎧無視攻撃)で増援を呼ぶ前に撃破する。
敵の攻撃は最高速度時速5000kmの飛行で回避、避けきれないものはダークミストシールドで防御(盾受け+オーラ防御)


ポノ・エトランゼ
 こんなに暑いと自然にも影響でちゃうわね……
 ――何だかとっても不愉快な会話をしているようだけど、あの飛んでいる『虫』さん達
 いっそ清々しいほどに、攻撃を仕掛けられる相手ね
 幕府軍を無事に通過させるため、そして長州藩士のカタキ討ちぽいのも含め、戦闘に参加させていただくわ

 飛翔していようがなかろうが、UCフリーズ・アロー
 敵と翼を射貫きたいわねぇ……あと、ちょっとは涼しくならないかしら?
 私もエルフボウを使って攻撃しましょう
 他の猟兵さん達と一緒なら【援護射撃】も兼ねて
 適宜、またUC使用

 新たな敵が召喚されたら、とりあえず速攻射貫く
 敵攻撃は【見切り】で回避を頑張りたい所

 連携・アドリブ歓迎


愛久山・清綱
天使の名を騙る妖共よ……この俺が成敗してくれる。
むむ、『お前のほうが妖怪だろ』だと?
……だまらっしゃい。こう見えても現役の神職だ。
■前
大なぎなたを片手に、秘儀【神宿】を発動。
おぞましい姿を見せて天使たちに【恐怖を与える】のだ。
代償は【毒耐性】【激痛耐性】【呪詛耐性】で我慢。

■闘
先ずは全身から【衝撃波】を放ちつつなぎなたを回転させる
ように振り回し、飛んでくる天使の輪を弾き落としながら
【ダッシュ】で突進する。

相手への接近に成功したら、敵が密集している集団めがけて
大なぎなたを力強く振るう【範囲攻撃】で大量撃破を狙うぞ。
残った敵は睨みつけながら一刀両断だ。

天に変わりて、誅を下さん。

※アドリブ・連携歓迎



●偽りの天使に制裁を
「兄弟達! 猟兵共、よくやりやがって……苦しまないように慈悲くらいくれてやってもいいかとも思ったが、もうなりふり構ってられねえ!」
「お前たちの慈悲なんか要らない、オブリビオン」
 仲間がやられて激昂する渡来の天使達に峰谷・恵(神葬騎・f03180)は上空から冷たく言い放つ。ユーベルコード【空在渾】により、空を飛べるようになっている彼女は、そのままアームドフォートで一斉射撃する。
「くっ、頭を抑えられたか! 散開して的を散らせ!」
「ただ撃たれるわけには行かねえよ!」
 背中の翼は伊達じゃないと言わんばかりに天使達は【くるくる回る天使の輪】で増やした車輪を立てにしつつ恵に向かってゆく。
「よし、釣った!」
 強烈な【天使の一撃】も超高速飛行で回避しながら、恵は内心ほくそ笑む。自分のユーベルコードは天使達に対して相性はかなりいいようで、白兵戦になっても余裕で相手していられる。地上にいる猟兵であれば、天使達の機動力で接近戦を挑まれたら苦戦していたかもしれない。
 それに、上空で戦える猟兵は自分だけではない。
「天使の名を騙る妖共よ……この俺が成敗してくれる」
「はあ? 妖って言ったら、お前天狗だろ!」
「……だまらっしゃい。こう見えても現役の神職だ」
 薙刀を構えるのは愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)、大古の叡智を求める一族出身のキマイラだ。古風な装いがサムライエンパイアの住人のように見せてはいるが、生まれも育ちもキマイラフューチャーだ。
「神よ、我に加護を……」
 ユーベルコード【神宿】を発動し、三柱の神の御霊をその身に宿す。蝕む代償は小さくはないが、日頃の鍛錬により得た耐性で抑え込む。
「いざ参る」
 薙刀を振り回し、起こした衝撃で天使達の防御に呼び出していた車輪を吹き飛ばし、斬りかかる。
「この天狗、めちゃくちゃ強い!」
「天狗ではないと言っている!」
 清綱の鬼気迫る姿に天使達もどこか怯んでいる。清綱の宿した神々がこの天使達と相性がよかったのだろうか。
「こんなに暑いと自然にも影響でちゃうわね……。――何だかとっても不愉快な会話をしているようだけど、あの飛んでいる『虫』さん達」
 飛んでいる『虫』さん……恵と清綱に釣られて上空で戦闘している天使達に狙いをつけているのはポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)だ。熱波地獄に苛まれれば、ここを通る人間だけでなく、あたりの自然や、そこに住まう動物たちにも悪影響が出る。自然を愛するエルフの一族である彼女としては見過ごせない。
「いっそ清々しいほどに、攻撃を仕掛けられる相手ね」
 幕府軍を無事に通過させるため、そして長州藩士のカタキ討ちぽいのも含め、ポノはユーベルコードを発動させる。
「射よっ!」
 彼女の掛け声に応じ、150もの氷の矢、【フリーズ・アロー】が出現し、天使達へと飛んでゆく。
「ぐあっ!」
「下からかよ!」
 上空の猟兵に気を取られていた天使達は別方向からの攻撃に対応できず、大半の天使達達がまともに矢を受ける。
「つ、翼が!」
「これで涼しくなったかしら?」
 翼が氷の矢により凍りつき、動きが鈍った天使達に向け、ポノは勝ち気な笑顔を向ける。そして、『エルフボウ』で狙いをつけ、確実に一体一体狙撃する。
「ぼくも容赦するつもりはない」
 恵もアームドフォートと熱線銃の一斉掃射で天使達にビームと実弾の雨を降らせる。
「くっ、兄弟達……」
 生き残った天使達が【兄弟の危機を見過ごせない!】と救援を呼ぼうとするが、
「天に変わりて、誅を下さん」
「く、くそおおおおおお!!」
 清綱が天使達を睨みつけてると、増援を呼ぶ前に薙刀を振り回し、一刀のもとに切り捨ててゆく。
「ふむ、妖というよりは絡繰の類であったか」
 バラバラと落下してゆく天使達だったものを見送りながら、清綱は独りごちるのだった。

 こうして渡来の天使達を倒した猟兵達は霊玉を破壊し、儀式を中断させる。余談ではあるが、霊玉は富士山から取り出したばかりの時には迂闊に破壊すると辺り一帯がマグマになるようだが、儀式ある程度力が取り出された霊玉に冷却系能力の扱いが得意な猟兵に処置してもらうことで安全に破壊できたそうな。
 これによって、山陽道熱波地獄の儀式は破壊され、徳川の兵の安全は確保された。だが、それは更に危険が待ち受ける道が開かれたことも示す。だが、世界を守るため、猟兵達は、そして徳川の兵達は歩みを止めるわけにはいかない。
 次の戦場に向かい準備をするため、猟兵達はこの地を去るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月18日


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#エンパイアウォー


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト