エンパイアウォー⑲~敵の敵は本当に味方?〜
「なあにが下等生物だ、クズが」
そう言ってルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)は手元に寄せられてきたばかりの調査報告書を握り潰した。
エルナン・コルテス。
当時のアステカ帝国の治世に反感を覚えていた少数部族を扇動し、自国の軍と合同作戦を行って攻め滅ぼし、協力してくれたはずの現地民を騙して自国の勢力下に完全に置き、全ての文化を破壊し尽くした渡来民である。
そんな彼が生前、一度も足を踏み入れなかった日本の地にいる。
「部下は富士山で噴火活動を活発化させる儀式を必死に執り行っていたようですが……肝心のコルテスは神に捧げる供物の選定で大忙しのようです」
数時間後、会議室に集められた猟兵達の前でルウは眉間に皺を寄せていた。
居所は厳島神社。徳川の世になるはるか前、この国を支配していた武家「平氏」が建造を企画した神社で、今も彼らが奉納した美術品がほぼ完全な状態で残っている場所である。
「コルテスが自分の力で直接戦ったのは、侵略を開始した最初の数回のみ。以降は『侵略した場所の戦力』を利用して、安全圏から楽しく侵略と虐殺を繰り返してきただけ。……つまり我々が日夜経験している『戦闘』からは離れて久しいようです」
つまり、血で血を洗う戦いにおいてはコルテスを本気にさせない限りは圧倒的にこちら側の方が有利、ということである。
「なので問題はコルテスよりもそれに洗脳されているアステカの神である『ケツァルコアトル』の方かもしれませんね。コルテスが『主人が死ぬと連座で死ぬ呪い』をかけているようなので、生存本能で襲いかかってくることが大いに考えられます」
ケツァルコアトルの対処に手が一杯になっている間に、眠れる獅子であるコルテスを起こしてしまえば猟兵側のアドバンテージは消え失せる。ならば、一網打尽で消し飛ばすのが最善手であろう。
「というわけで今回は先手必勝・完全撃滅で行ってください。奉納品や神社部分が壊れなければ、他の心配は一切いりませんので」
平岡祐樹
おそらく今回の件でもっともヘイトを集めている物が現れてきましたね、平岡祐樹です。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回、コルテスは、自分が直接攻撃される事を想像もしていないどころか『戦闘の仕方すらも忘れて』います。
その為、予想できないようなユーベルコードの攻撃に対しては、一方的に攻撃されてしまうでしょう。
ただし真正面から切りかかるとか、わかりやすい正拳突きのような、予想が出来る攻撃、或いは『そのシナリオ中に、猟兵から似たような攻撃方法を既に受けている』場合は、激烈な反撃を行ってきます。
なので、ある意味「時間と頼れるはずの仲間が最大の敵」な案件になってきますのでご注意を!
第1章 ボス戦
『侵略渡来人『コルテス』』
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POW : 古典的騎乗術
予め【大昔にやった騎馬突撃を思い出す 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : マスケット銃撃ち
【10秒間の弾籠め 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【マスケット銃】で攻撃する。
WIZ : 奴隷神使い
【ケツァルコアトルの噛みつき 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:シャル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
春日・釉乃
先手を撃てばいいなら先駆けで行くよ!
[鶴姫]を着込んで出撃
背中の追加ブースターによる空中戦ダッシュで一気に間合いを詰めてそのままケツァルコアトルを斬りかかる…と見せかけて騙し討ちの【獨弧究剣】を威力重視で発動!
着込んだ鎧を周囲へ一斉発射のパージをして、ケツァルコアトルを怯ませるの
そして、鎧の中から出てきたあたしは本命のコルテスへ早業で鎧無視攻撃の居合斬りをお見舞いするんだから!
攻撃が終わったら、コルテスが本気を出す前に離脱するために[シールドスレイヴ]を展開しつつ、残像を発生させながら退却するよ。
「先手を撃てばいいなら先駆けで行くよ!」
鶴姫を身につけた春日・釉乃(蒼薔薇のPrince・f00006)はブースターの出力を全開にして本殿への長い階段を凄まじい速さで駆け上っていた。
「……これはここの神の像か? 木を彫って作ってあるようだが、この程度そこらへんの猿にでも出来る。金属で像を作れないようでは……」
凄まじい轟音が外から響いているにもかかわらず、コルテスは仏壇の中にある仏像を雑に手を取って眺めていた。
ケツァルコアトルが異変を感じ取って外を睨みつける中、釉乃が本殿内に飛び入る。
その姿を見たケツァルコアトルは一吠えして釉乃に襲いかかった。
「何だ、うるさいぞケツァ……」
ようやく異変に気付いたコルテスが面倒臭そうに後ろを振り返るとバラバラになった黒い鎧に潰されるケツァルコアトルの姿と、そこから刀の柄に手をかけながら飛び込んできた長い黒髪の少女の姿があった。
『正体見たり! ってカンジね。型なしで型ありに勝つ――これがあたしのBLADE ARTSッ!!』
そこから放たれた居合斬りがコルテスの軍服を切り裂き、大量の血が噴き出す。コルテスの手から離れた仏像を上手くキャッチした釉乃はすぐに身を翻した。
「この仏像の価値が分からないあなたに供物を選ぶ資格なんてないわ。……それじゃ!」
パージした鶴姫が再び釉乃の体に装着され、その体を守るように外から入ってきた空中に浮かぶ盾が護衛する。
「逃がさん! 早く来いケツァルコアトル!」
胸を押さえながら叫ぶコルテスの元にケツァルコアトルが来る頃にはすでに釉乃の姿は本殿の中にはなかった。
その後を大幅に遅れて出発したコルテスであったが、吹き飛ばせたのは念のため用意しておいた残像だけに留まった。
大成功
🔵🔵🔵
ヘクター・ラファーガ
要するに、予想を軽く超えるようなやり方で攻撃すればいいんだろ?なら簡単だ。
神社に居座ってるっぽいし、ここは一つ人間を舐め腐ったクソ野郎に、神の代わりに罰を与えるとするか。
ヤツに悟られないよう"クライミング"で素早く島の頂上に登る。ちょうど神社が見えて、かつヤツの背後の方向に陣取る。そこで"ロープワーク"を駆使して自分を固定。『一撃の矢・轟雷貫穿』を発動。
"全力魔法"で最大まで雷をチャージ。それを空へ放つ。
何をするって?呼び寄せるのさ。あのクソ野郎がふんぞり返ってる場所に神の怒りを、雷を落とす曲射を放つ!
あとアンタ、猟銃持ってたよな。アレがちょうど雷の着弾点になると思うぜ。避けられると思うなよ
UDCアースの厳島神社の背後にそびえる弥山は開発が進み、ロープウェイまで出来るなど頂上まで行く方法は簡単になっている。
しかしサムライエンパイアにおける弥山の頂上までの道のりは修行の一環であり、頂上にある社殿を除けば一切手の入ってない大自然のままであった。
そんな険しい道のりを軽々と乗り越えたヘクター・ラファーガ(風切りの剣・f10966)の姿が賽銭箱に硬貨を入れると無言で目を閉じ、手を合わせていた。
「……うっし。そんじゃあ一丁やりますか」
息を吐いたヘクターははるか下に見える厳島神社の社殿のそばで釉乃の姿を求めてウロウロしているコルテスの姿を裸眼でしっかりと捉えていた。
『どこへ行こうが、怒りってのは降り注ぐもんだ』
魔力とワイヤーで特大の弩を作りだすと、紫電で出来たトライデントをそこに装填し、自分の限界まで魔力をそこに注ぎ込む。
「宗像三女神、だったか。あんたらのお膝元で好き勝手やられたくないだろ? 力を貸してくれ!」
コルテスがこちらから背を向けた瞬間にヘクターは空に向かってトライデントを放った。
「ちっ……どこに隠れおったあの小娘は」
その頃、ケツァルコアトルの背に乗ったコルテスは苛立ちながらマスケット銃に弾込めをしていた。
弾込めが終わり、自身の得物であるマスケット銃を太陽にかざしてその美しい姿に惚れ惚れしていると太陽が紫色に光った気がした。
「ぐわぁぁぁぁっ!?」
次の瞬間、全身に凄まじい電流が走り、コルテスは悲鳴をあげた。
ケツァルコアトルの背中で崩れ落ちたコルテスの姿を見て、ヘクターは近くにあった大きめの岩に腰掛けながら獰猛な笑みを浮かべた。
「どうだ、神の怒りを味わったご感想は?」
大成功
🔵🔵🔵
美国・翠華
【アドリブ歓迎】
甘く見ているなら…私が怖がらせてあげようかな…
スキルは暗殺…それに忍び足と早業ですぐにコルテスの陣営に忍び込んでいく
すぐ近くまで接近すれば…UDCの好きになんて…
このナイフで仕留められれば…
もし返り討ちにあっても私を生贄に選ぼうと考えたりして、すぐには仕留めないかも
倒せなかったらあの言葉を使って
ユーベルコードを発動させる…
好きに使って愉しめばいい…
あとはUDCの人間とは明らかに違う攻撃を食らわせる
…私をボロボロにするんだからそれくらいはやってみせてよ
「くそっ、さっきから一体何なのだ!」
「甘く見ているなら……私が怖がらせてあげようかな……」
猟兵達の相次ぐ襲撃により苛立ちながら本殿の中に戻ってきたコルテスに襲いかかる機会を美国・翠華(生かされる屍・f15133)は柱の影からじっと伺っていた。
「すぐ近くまで接近すれば……UDCの好きになんて……このナイフで仕留められれば……!」
決意を新たにした翠華はナイフを握り直すと、満を持して背を向けているコルテスに飛びかかった。
「ぬっ⁉︎」
「お命頂戴いたします!」
ナイフがコルテスの軍服に突き刺さる。しかしコルテスは小さな翠華を強引に掴むと壁に向かって投げつけた。
「かはっ……」
壁を破壊し、外の通路にまで飛ばされた翠華の体は手すりにぶつかって辛うじて止まった。
「下等生物が、私の選択の邪魔をしおって……。見せしめだケツァルコアトル、適当に食って良いぞ」
抜いたナイフを苛立たしげに床に叩きつけたコルテスは、ケツァルコアトルに向けてそう言い捨てる。
『お願いします……私の体を……好きに使って……ください……』
ケツァルコアトルが近づいてくる中、薄れゆく意識の中で翠華はそう呟いた。
すると翠華の首に巻きついたマフラーが翠華の体を喰らい始めた。
「……何だ?」
コルテスが眉を顰める中、ケツァルコアトルは慌てた様子で口を開いた。
「……私をボロボロにするんだからそれくらいはやってみせてよ」
マフラーは翠華の体を完全に飲み込むと、ケツァルコアトルの大口に自分の体を伸ばして突っ込んだ。
ケツァルコアトルが声にならない悲鳴をあげる中、コルテスは目を見開いてマスケット銃を向けたが、マフラーは一切気にせずに、コルテスが捨てたはずのナイフを振り上げた。
成功
🔵🔵🔴
カタラ・プレケス
アドリブ歓迎
……人だけなら、それは歴史と認めよう
でも、星を殺そうとした貴様は僕の敵だ
とりあえずUCの射程限界に近い所の水中に潜伏
『天動観測』『地動観測』平行起動
敵の位置関係を占星術で観測
『幻想双魚』に意識の裏を泳がせて
視覚共有によるコルテスを視認
【蒼星生み出すは海神の三叉槍】発動
近くの海水から大量の三叉槍を生成
空から雨のように降らせてコルテスと竜を拘束
ある程度動きを止めれたなら水中から
本命の三叉槍を連続で射出して攻撃
「星霊の逆鱗だ、死に絶えろ」
満潮の時間帯が近づき、大鳥居と本殿の間を繋いでいた砂浜が海水の中に沈んで行き、本殿の柱も少しだけ海水に浸かり始めた。
「……人だけなら、それは歴史と認めよう。でも、星を殺そうとした貴様は僕の敵だ」
半人半魚の姿になって、潮位の上がった海の中を泳ぐカタラ・プレケス(夜騙る終末の鴉・f07768)の手元には2つの本があり、まるで地上にある時のように独りでにページがめくられていった。
そしてその動きが止まり、開き放しになったページを流し見したカタラは呟いた。
「いっておいで、ピスケス」
カタラに並走していた透明なガラスの魚が本殿へと滑るように泳いでいく。
そしてカタラが目を瞑ってから再びひらくと、目の前の海の様子と並列して、はるか遠くにいるはずの、手すりに体を預けて咳込むコルテスの姿が視界に映った。
『海は何処までも深く広がる様に、我が音は宙を超えて響く。蒼き星より生まれしもの。生命の原初より来るもの。これ海神の一端なり』
カタラの周りに海水で作られた大量の三叉槍が現れ、空に向けて打ち上げられる。
放たれた三叉槍は弧を描きながら空を舞い、厳島神社目がけて飛んで行った。
「なんだ、晴れているのに……。これでは私の銃がしけてしまうではないか」
三叉槍に先んじて、ポツポツと飛んできた水滴にコルテスは眉間に皺を寄せる。あれだけの襲撃を受けてきているはずなのに、コルテスはその雨を自然現象によるものだと信じて疑わず、その場を動かなかった。
大量の三叉槍が通路に叩きつけられるが、元が海水だからか通路や屋根に当たると同時に水飛沫と化す。
しかしコルテスやケツァルコアトルに当たった三叉槍は散らずに実態を保ったまま、体の肉を抉った。
「星霊の逆鱗だ、死に絶えろ」
空から降ってくる三叉槍に意識が行っている隙に近づいてきたカタラが特大の三叉槍を振りかぶって投じる。
ほぼ足元から飛んできた強烈な一撃は、足を止められていたコルテスの額に見事に突き刺さった。
大成功
🔵🔵🔵
ヨナルデ・パズトーリ
奴と同じ名を持つ者を此処まで愚弄するか・・・苦しかろう、悲しかろう・・・
お主の世界の妾に代わり、妾の手でお主を開放してやる故、な
其れと・・・ふざけるなよ下郎!
妾の、テスカトリポカの名においてコルテス、貴様は塵も残さぬ!
海に囲まれた宮島という『地形を利用』
海を『水泳』で密かに移動
『殺気』を隠し『目立たない』様に『迷彩』で潜みつつ隙を伺う
敵の隙を『見切り』UC発動後『空中戦』で肉薄し『先制攻撃』を『二回攻撃』で叩き込む
『高速詠唱』による『呪詛』の籠った『全力魔法』を『零距離射撃』で叩き込むと
同時に『怪力』による『鎧無視攻撃』を『捨て身の一撃』叩き込む
敵の攻撃は『残像』で避けつつ『激痛耐性』で耐える
「奴と同じ名を持つ者を此処まで愚弄するか……苦しかろう、悲しかろう……」
海に囲まれた宮島という地形を生かしてヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)も静かに泳いで移動していた。
溢れんばかりの殺気を隠し、目立たない様に水中に潜みつつ隙を伺っていたヨナルデの視線の先には大量の三叉槍を浴びて満身創痍になりながらコルテスを乗せて逃亡を図るケツァルコアトルの姿があった。
『我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者! 民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!』
ジャガーを模した黒曜石の鎧に身を包んだヨナルデは地面を蹴り飛ばし、嘗て自らに捧げられた血と骨で構成された翼を広げた。
「テスカトリポカ……どこかで聞いたことがあるな、ケツァルコアトルよ!」
ヨナルデからの不意打ちをマスケット銃を両手で持って正面から受け止めたコルテスは高笑いした。
「過去の残滓が……。大人しくアステカの民と滅んでおけば良かった物を! そうすれば貴様の好敵手のこんな姿を見ずに死ねたのにな!」
ケツァルコアトルがヨナルデの小さな体に噛み付こうと口を開く。ヨナルデは大きく開いた口に黒曜石の斧を自分の体の代わりに突っ込んだ。
「お主の世界の妾に代わり、妾の手でお主を開放してやる故、な。……ちょっとばかし大人しくしとくれ」
自分の半身の兄であり、体を交じらわせた相手であり、自分の半身の好敵手であり、覇権を巡り闘いあった相手の嘴を慈愛と哀しみが混ざった視線を送りながら撫でたヨナルデは視線を上に向けると同時に凄まじい殺気を放った。
「其れと……ふざけるなよ下郎! 妾の、テスカトリポカの名においてコルテス、貴様は塵も残さぬ!」
そうして放たれた気迫のこもった衝撃波と左頬に叩き込まれた右ストレートにコルテスの体は軽々と吹き飛んだ。
成功
🔵🔵🔴
上泉・祢々
月代さんと連携
んー……刀を使わない相手は気が進みませんが
放置もできないので殺りますか
勝負は弾を込め終わるまでの10秒ですね
あ、月代さんいいこと思いついたのでその腰のヤツ貸してください
月代さんに型無を借りて腰へ
存外しっくりきますね、これ
そのまま腰の柄に手をかけ居合の構えで月代さんの後ろを駆け
月代さんの作った隙に一撃を入れます
人の生み出した神速の抜刀術、どうかご賞味ください!
とは言っても私、刀は振れませんしそもそも型無に刀身ありませんし
実際叩きこむのは側頭部目掛けた後ろ回し蹴りです
油断して弾を込めている所には効くでしょう?
用が済んだら即座に撤退
それにしても……月代さんってほんとに何者です?
月代・十六夜
上泉・祢々(f17603)と連携。
ほほう。予想外の攻撃に弱い…OKOK万事了解ってね
相方に予備の型無をパス。
大事に使…わなくていいか別に。
相手の弾込めが終わる前に【ジャンプ】で竜の動きを【見切っ】て【空中戦】の要領で一気に身を跳ばして接近。
その首貰ったぁ!とかそれっぽいことを言いながら着地からの【霞む幽太刀】居合一閃…という刀身のない居合という【フェイント】を決めて。
なーんつってな、と相手を飛び越えるように跳躍。
あとは任せたぜ上泉嬢!
あ、ついでにくらえよお前の子供の血液目潰し!!と別の依頼で回収してた仔竜の血をぶちまけて撤退。
竜が半狂乱とかになってくれたら嬉しいなって。
「ほほう。予想外の攻撃に弱い……OKOK万事了解ってね」
宮島に跳ねながら降り立った月代・十六夜(韋駄天足・f10620)の後ろで上泉・祢々(百の華を舞い散らす乙女・f17603)は腕を組んでストレッチをしていた。
「んー……刀を使わない相手とやるのは気が進みませんが、放置もできないので殺りますか」
祢々は腕を解くと先にどんどん進もうとする十六夜を呼び止めた。
「勝負は弾を込め終わるまでの10秒ですね……あ、月代さんいいこと思いついたのでその腰のヤツ貸してください」
「ん、これか? いいぞ、大事に使……わなくていいか別に」
そう言って十六夜は腰に下げていた刀の片方を祢々に投げ渡す。
両手でキャッチした祢々は腰にそれを下げると海に映った自分の姿をマジマジと見た。
「存外しっくりきますね、これ」
祢々がその姿に満足そうに頷いていると厳島神社のある方向から凄まじい打撃音が聞こえてきた。
2人が揃って音のした方向に振り向くと、絵で見覚えのある男がこちらに向かって吹っ飛ばされる姿が近づいてきていた。
「おや?」
「どうやらあっちから出向いてくれたみたいだな」
2人のいる位置をはるかに越えた先の地面に受け身も取れず、叩きつけられたコルテスはフラフラになりながら、マスケット銃を杖代わりにしながら立ち上がった。
「がっ……どいつもこいつも、下等生物のくせに……!」
「その首貰ったぁ!」
相手が弱っていて動けないことを良いことに、十六夜は刀に手をかけながら地面を蹴り、一気に距離を詰める。
『――受けられるか?』
そして目前にまで迫り、挑発するような不敵な笑みを浮かべた十六夜が刀を一気に引き抜く。しかしその柄の先に肝心の刃は無かった。
「なーんつってな」
コルテスが目を見開いてマスケット銃で防御しようとする様子を見て不敵な笑みから一転、無邪気に笑った十六夜は再び地を蹴って飛び立つ。
「貴様……逃すか!」
言葉を失っていたコルテスは気を取り直すと振り返りながら素早くマスケット銃の弾込めに入る。
「おっと、お前の相手は俺じゃあねぇぜ」
「その通りです」
十六夜の後をこっそりと追いかけていた祢々はコルテスの背後に陣取ると柄に手をかけながら、両足を広く取った。
「あとは任せたぜ上泉嬢!」
「人の生み出した神速の抜刀術、どうかご賞味ください!」
そこから放たれるのは目にも留まらぬ速さの回し蹴りだった。
側頭部に食らって再び真横に吹っ飛ばされるコルテスを尻目に祢々は型無を抜いて、刃の無い柄をプラプラと振って見せた。
「これが私の編み出した【百華流】です。というか私、刀は振れませんしそもそもこれに刀身ありませんしね」
獣が嘶く声が聞こえてくる。祢々が厳島神社のある方向を再び見るとそこからケツァルコアトルが翼をはためかせて十六夜に襲いかかろうとしていた。
「あ、ついでにくらえよお前の子供の血液目潰し!!」
十六夜は懐から水風船を取り出すとケツァルコアトルの顔面に投げつける。
破裂した水風船からぶち巻かれた赤い液体を目に入れたケツァルコアトルはその場にとどまって悲鳴を上げた。
「効いてる効いてる! さ、どっちも動かなくなっている間に逃げるぞ!」
「この刀モドキだったり血液入りの水風船だったり……月代さんってほんとに何者です?」
「さぁ? 何者なんだろうな!」
問いかけを適当に返しながら、2人は宮島から早々に退散していった。
大成功
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ゼット・ドラグ
「お前と戦える日を待っていたぜ、コルテス」
竜を利用するのは俺が許さん。ケツァルコアトルごと倒させてもらう。
敵の先制攻撃は、【咄嗟の一撃】で左手首から刃を発射し、ケツァルコアトルを怯ませつつ回避。
武器を【フェイタル・イマジネーション】で作成。
西洋式の槍と盾でコルテスの銃弾を防ぎつつ、槍で攻撃を仕掛ける。
隙を作るためケツァコアトルに話しかける。
「お前の子供は俺達が守ってやったぞ。その恩をここで返してくれたら助かるんだが」
隙が出来たら盾で身を守りつつ、槍を突き出して突撃。
激突する直前で槍についてるボタンを押し、前方に大爆発を起こす。
「盾で防ごうとしていたのはお前らの攻撃じゃねえ、俺自身の攻撃だ」
「お前と戦える日を待っていたぜ、コルテス」
ケツァルコアトルの体を支えに再び立ち上がったコルテスに声がかけられる。
「竜を利用するのは俺が許さん。ケツァルコアトルごと倒させてもらう」
ゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)の宣言にコルテスは痛む頰を押さえつつ笑って見せた。
「下等生物が何をえらそうに……。我らコンキスタドールはこれを信仰していた者諸共滅ぼせるだけの実力があるのだ、力ある者がその力を存分に払って何が悪い!」
「ああ、悪いさ。現実を直視しないで自分よりも強い相手を認めない所とかな」
「好きにさせておれば、勝手なことを……! ならば貴様の矮小さを身をもって味あわせてみせよう!」
コルテスがケツァルコアトルの尻尾を叩き、一気に距離を詰めてくる。
ゼットは左手首から刃を放ち、コルテス達の突進の進路を逸らさせると両の手を広げて叫んだ。
『これが竜殺しとして生きてきた俺の中の一つの究極の形だ!』
現れた西洋式の槍と盾を掴み取り、Uターンして再び突っ込んできたコルテスを盾で正面から防ぐ。ゼットは盾の横から槍を突き出したが、コルテスに銃身ではね返されてしまった。
「さぁさぁさぁ、防ぐだけでは私を止められんぞ! 貴様の盾など砕き壊して、貴様の体の末路のデモンストレーションとしてやろう!」
「……お前の子供は俺達が守ってやったぞ。その恩をここで返してくれたら助かるんだが」
ケツァルコアトルは一切ゼットの言葉を聞かず、半狂乱になっているかのように吠え続け、コルテスの指示に従うのみである。
交渉が決裂したことを悟ったゼットは目を閉じて首を振ると槍の柄にあるスイッチを押した。
すると槍頭が爆散し、間近にいたコルテスやケツァルコアトルの体を一瞬で粉々に破壊していく。1人と1体は自分の身に何が起きたのか分からないまま、意識と肉体を失っていっただろう。
「盾で防ごうとしていたのはお前らの攻撃じゃねえ、俺自身の攻撃だ」
自分の前面に特大のクレーターが出来上がったところでゼットは息を吐き。柄だけになった槍を宙に投げた。
成功
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