エンパイアウォー②~冥府魔道への道を断て
●奥羽諸藩・とある山村
それは突然、訪れた。
――ヴヴヴヴァァァァァァ
「なんだ、ありゃあ……?」
不気味な唸り声を聞きつけた村人が、家屋から顔を出す。
すると、目に入ったのは――肩から奇妙な水晶を生やした屍。
「な、なんだこりゃあ!!」
驚き腰を抜かす村人に、屍が殺到する。
取り押さえられ肩を噛まれた村人の瞳からは意志が、肌から生気が失われ、瞬く間に屍と化す。
――ピキ、ピキ
肩から水晶を生やしながら、屍となった村人はゆっくりと起き上がる。
同じような状況が、村の至る所で発生していた。
――ヴヴヴヴヴァァァァァァ!!
そして、屍と化した村人たちは、屍の軍の一員に加わり、動き出す。
こうして、村がひとつ、まるまる屍の軍に呑み込まれた。
彼らが目指す先は――江戸。
●『水晶屍人』の江戸侵攻を阻止せよ!!
「なんだ……なんだこれ……っ!!」
グリモア猟兵館野・敬輔は、己のグリモアが見せた光景に顔面蒼白となり、怒りに震えている。
「こんな形で死者を冒涜するなんて……ひどい……許しておけるか!!」
「敬輔落ち着け!!」
怒りに駆られ喚く敬輔だが、駆け付けた他の猟兵に右頬を叩かれ、冷静さを取り戻す。
「っ……すまない、取り乱した。順を追って説明するな」
声を聞きつけ集まった他の猟兵を前に、敬輔はすまなそうに頭を下げた上で、己の予知を話し始めた。
「皆には『水晶屍人』の侵攻を阻止してもらいたい」
第六天魔王軍の魔軍将が一、陰陽師『安倍晴明』の術で生み出された、肩から奇妙な水晶を生やした動く屍。それが『水晶屍人』。
「『水晶屍人』の戦闘能力自体は高くない。だが問題は噛まれた人間も新たな『水晶屍人』となってしまうことだ」
つまり、雪だるま式に『水晶屍人』が増えていくことになる。猟兵は噛まれても『水晶屍人』になることはないが……。
「現在、『水晶屍人』の軍は江戸を目指している。もし江戸に到達するようなことがあれば、幕府は全兵力の2割を江戸防衛に割かなければいけなくなる」
そうなれば信長軍との決戦に必要な兵を送り込むことが難しくなるだろう。ここで止めなければいけないのだ。
「『水晶屍人』には知性がない。指揮官さえ討ち取れば、奥羽諸藩の兵らだけでも掃討は難しくない」
しかし指揮官はオブリビオンのため、猟兵が討ち取らねばならない。
「指揮官は数千の『水晶屍人』を従えているが、強引に蹴散らして突破してもいいし、指揮官だけを狙い撃ちしてもいい。やり方は皆に任せる」
指揮官を討ち取れば、後の対処は奥羽諸藩の兵に任せられる。とにかく指揮官を討ち取ることに全力を注いでほしいと、敬輔は若干声を震わせながら伝える。なお、指揮官は怨霊を従えたオブリビオンの姫、とのこと。
「この件で突然生活を奪われ、人としての生すら奪われ、挙句の果てに藩や幕府、生きとし生ける者達を脅かす存在に無理やりされてしまった人たちの数は……計り知れない」
――しかも彼らを人に戻す手段は、おそらく……ない。
「彼らの無念を晴らすためにも……ここで止めてくれ! 頼んだ!!」
敬輔は深く頭を下げると、手にした丸盾のグリモアを展開して転送ゲートを開いた。
北瀬沙希
北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
よろしくお願い致します。
奥羽諸藩が『水晶屍人』により危機に陥っております。
皆様は『水晶屍人』の群れを指揮する指揮官を見つけ出していただき、撃破願います。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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状況、及び詳細はオープニングの通り。
『水晶屍人』は無数にいますので、このシナリオだけで全滅させることはできません。指揮官の撃破に全力を注いでください。
●プレイングの受付について
本シナリオのプレイング受付は【8月3日 8:31~】からとさせていただきます。
それ以前にいただいたプレイングはお返しする場合がございます。
また、戦争シナリオでは北瀬はプレイングの全採用を保証致しません。
参加者多数になった場合、戦争シナリオへの参加回数が少ない方を優先して採用することがございますこと、ご了承願います。
※1度北瀬のマスターページにも目を通して頂けると幸いです
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『怨霊姫』
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POW : 怨霊乱舞
【無数の怨霊の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 怨霊傀儡
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【怨霊を憑依させることで、自らの傀儡】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : 怨霊家臣団
【レベル×1体の、怨霊武者】の霊を召喚する。これは【刀や槍】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:麦島
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠天御鏡・百々」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●とある村近くの平野にて
転移でたどり着いたのは、街道沿いの小さな村。
周囲は田畑や平野が広がり、見通しは極めて良い。
村の北から、唸り声が波の如く押し寄せるように聞こえる。
――ヴヴヴヴァァァァァァ
――ヴァァァァァァァァァ
――アアアアアアアァァァ
よく目を凝らすと、波の正体は数百、いや数千の『水晶屍人』の群れ。
そして、群れの奥にちらっと見えた着物姿の女性……おそらくこの群れの指揮官だろう。
村人たちに決して外に出ぬよう伝え、猟兵らは『水晶屍人』の群れを突破し指揮官を撃破すべく、行動を開始した。
――これ以上、死の連鎖を繰り返さぬために。
神城・瞬
僕の故郷も理不尽な襲撃で滅ぼされましたが、故郷の人が屍人にされていたら、と思うとぞっとします。さぞや無念でしたでしょう。僕は家族とサムライエンパイアで過ごした仲で精一杯生きる皆さんの姿を見てます。
このままだとさぞや苦しいでしょうね。・・・これ以上の悲劇を生まない為に。
敵の数が多いので、月読の同胞と共に戦います。同胞の戦いを【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】で支援します。敵の数が多くてキリが無い時は【範囲攻撃】【吹き飛ばし】。ボスへの道が拓けたら【全力魔法】からの渾身の誘導弾で攻撃します。
●同胞と共に、悲劇を防ぐ
(「僕の故郷も理不尽な襲撃で滅ぼされましたが、故郷の人が屍人にされていたらと思うとぞっとします」)
神城・瞬(清光の月・f06558)の故郷であるダークセイヴァーでも、奇妙な術で死体を操る存在は全くいないわけではない。故に瞬には屍人にされた人々の無念がより強く感じ取れる気がした。
サムライエンパイアに何度か赴く中で、怪異や魑魅魍魎に脅かされながらも精一杯生き抜く人々の姿はしっかりと目に焼き付けてきた。
――しかし、この世界で精一杯生き抜いてきた人々は、無残にも屍人として利用されている。
(「このままだと、屍人にされた人々はさぞや苦しいでしょうね……」)
これ以上の悲劇を生まない為に、瞬はぐっと杖を握り締め、決意を固める。
――ここで、止めます。
水晶屍人の数が多すぎるのを見て、瞬は【月読の同胞】で月読の紋を付けた戦士の霊を召喚。戦力差を少しでも埋めようとする。
戦士の霊は恐れを知らず勇敢に水晶屍人に立ち向かい、突撃する屍人に剣を叩き付け、弓で押し戻す。瞬も氷の魔法で屍人の水晶を破壊し、時には戦士の霊の壁をすり抜ける屍人を吹き飛ばし続けた。
――ヴアァァァァァ!!
吹き飛ばされる屍人の怨嗟の声が、瞬の耳に入る。
それは屍人とされた無念を瞬に伝えるかのように、もの悲しく響く。
(「あなたたちの無念は晴らしますから」)
吹き飛ばした屍人に目を伏せ謝りつつ、それでも瞬と戦士たちは少しずつ前へと進む。
やがて、怨霊姫と瞬との間に遮るものがなくなった。
「なぬ……邪魔者かの?」
「ここで潰します」
瞬は渾身の氷の誘導弾を撃ち出し、怨霊姫を狙い撃つ。
「怨霊兵士たち、あ奴を狙い撃つのじゃ」
怨霊姫は刀を持つ怨霊兵士を壁として立たせる一方、弓持つ怨霊兵士に月読の戦士や瞬を射かけさせる。矢に撃ち抜かれた月読の戦士が次々と消滅するも、瞬の誘導弾は彼の意のままに壁の怨霊兵士の間をすり抜けた。
――ガシャン!!
氷の誘導弾が怨霊姫の目に命中し、その周囲をも凍結させる。
「お主……!!」
「これ以上命を弄ぶのは、許しません」
氷を砕きながら瞬を睨む怨霊姫を、瞬もまた睨み返していた。
成功
🔵🔵🔴
真宮・奏
もう、助けられない方達も出てしまっているのですね・・・
サムライエンパイアの方達には恩があります。季節のお祭り、お店で頂いたおいしいお食事、温泉でのおもてなし・・・これ以上皆さんの笑顔を奪わせない為に戦います。
敵が多いですか。【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で敵の攻撃の被害を抑えつつ、【二回攻撃】【範囲攻撃】で煌く神炎を使います。ボスへの道が拓けたら、ボスで一気に接近、【属性攻撃】で炎を纏わせ、【二回攻撃】で直接斬り付けてやりたいですね。もし、ボスの遠距離攻撃で接近するのが困難なら【属性攻撃】で作った炎を【衝撃波】で飛ばします。
●人々の笑顔を守る為に
真宮・奏(絢爛の星・f03210)も、義兄と同様、サムライエンパイアの人々に恩を感じている身。
目を閉じれば思い出す、彼の地での思い出。それは季節のお祭りを家族で楽しんだ経験だったり、店でいただいた美味しい食事の味だったり、温泉で受けたおもてなしだったり。
――しかし、思い出いっぱいのこの世界が今、水晶屍人に蹂躙されている。
(「もう、助けられない方達も出てしまっているのですね……」)
グリモア猟兵から告げられたのは、水晶屍人と化した人を戻す手段はない、ということ。それが奏の心をぎゅっと締め付けた。
「せめて、これ以上皆さんの笑顔を奪わせないために、戦います」
奏はエレメンタル・シールドを構え、水晶屍人の群れへと突っ込んでいく。
水晶屍人の壁は厚いが、ここを突破しないと指揮官の元へはたどり着けない。
奏は殴りかかったり噛みついたりする水晶屍人をエレメンタル・シールドでいなしながら、【煌く神炎】で48個の神聖な霊気の白熱した煌きを持つ炎を生み出し、周囲にばら撒いて屍人を焼く。それでも同類を押しのけて殺到しようとする水晶屍人は、もう1度生み出した炎をばら撒き、次々と焼いていく。
――ヴァァァァァァァァ……
神聖な炎で焼かれ、土へと還る水晶屍人のうめき声。
奏には、そのうめき声に呪われし運命から解放された安堵感が含まれる気がした。
「そこな娘よ」
突如、水晶屍人の壁の向こうから届く、古めかしい声。はっと顔を上げた奏の目に入るのは、着物姿の姫――怨霊姫。
「おぬしは屍を痛めつけて心痛まぬのかの?」
「……っ!!」
弓矢を持つ怨霊武者に命じて矢を射かけさせつつ、水晶屍人の壁の向こうから奏を挑発する怨霊姫に、奏は怒りのまま神聖な炎を飛ばすが、怨霊武者の盾に阻まれる。
「あなたこそ、怨霊を……」
「そこな怨霊はわらわの家臣じゃ。家臣を好き勝手使うて何が悪い?」
「これ以上の冒涜は許せません!!」
奏は怨霊武者の矢を避けながら再度神聖な炎を今度はひとまとめにし、衝撃波と共に怨霊姫にぶつける。
「ぎゃああああ!!」
衝撃波で怨霊武者が吹き飛ばされ無防備になった怨霊姫を、神聖な炎が包み込んでいた。
成功
🔵🔵🔴
真宮・響
そうか、もう多くの犠牲者が出てるんだね。サムライエンパイアの人達には世話になった。家族3人で楽しんだ季節の祭りで世話になった人々の顔が目に浮かぶ。
その営みを破壊し、冒涜する行為は絶対許せない。せめてこれ以上の惨劇を防ごうか。
数が多いね。突撃するよ!!真紅の竜に【騎乗】して【ランスチャージ】しながら屍人の群れに飛び込み、【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】で攻撃。屍人を竜を使って轢いたりなぎ倒したりしながら、ボスの姿を探す。ボスの敵を確認したら竜ごと上空にジャンプ。上空から【槍投げ】で敵目がけて【串刺し】する勢いで渾身の槍を投擲する。
●命の破壊者は許しておけず
「……そうか、もう多くの犠牲者が出てるんだね」
既に失われたいのちに対して目を伏せ黙祷を捧げながら、真宮・響(赫灼の炎・f00434)はこの世界で出会った人々の顔を回想する。
――それは、家族3人で楽しんだ季節の祭りで世話になった人々の顔だったり。
――あるいは、温泉で労ってくれた村長の顔だったり。
――あるいは、ある神社の境内で寝転がりながら眺めた子供たちの顔だったり。
しかし、今この世界に起きようとしているのは……それらの顔すら消し去りかねない事態だ。
(「サムライエンパイアの人達には世話になった。その営みを破壊し、冒涜する行為は絶対許せない!」)
せめてこれ以上の惨劇を防ぐべく、響はブレイズランスを片手に戦場へと赴いた。
水晶屍人の数の多さを見て、響は単身での突撃を断念し【真紅の竜】を召喚、騎乗する。
「さて、一緒に行くよ。踏ん張りな!!」
響は竜と共に水晶屍人にランスチャージを敢行、片っ端からブレイズランスで貫いていく。その傍らで別の水晶屍人を竜の腹で轢き、あるいは竜の尻尾でなぎ倒し数を減らすが、正直きりがない。怨霊姫が水晶屍人を傀儡化して操り、戦線復帰させているからなおさらだ。ならばと響が考えた戦略は、指揮官のみの狙い撃ち。
(「指揮官はどこかね……」)
響はじっと目を凝らし、指揮官らしきオブリビオンを探すと、水晶屍人とは異なる怨霊の姿が目に入る。グリモア猟兵は、指揮官は怨霊を従えた姫と言っていた。おそらく、あの怨霊の居所に指揮官もいるはずだ。
「飛び上がれ!!」
結論を出すなり、響は竜に命じ、空高くジャンプさせる。空中から改めて目を凝らすと、怨霊に守られている姫の姿が目に入った。大当たり。
「これは勝手に弄ばれた命の炎だ!! 受け取りな!!」
響は竜を急降下させながら怨霊姫目がけてブレイズランスを投げつける。急降下の勢いも乗り串刺しにする勢いで投擲された槍は、狙い違わず怨霊姫の左肩を貫く。
「が……は……っ!!」
槍に刺された勢いで怨霊姫がのけ反り、苦痛に顔をゆがめた。
大成功
🔵🔵🔵
春乃・菊生
アドリブ・共闘等々、歓迎する。
[WIZ]
品もなければ敬意もない、外道の所業じゃな。
……到底、捨て置けるものではないのう。
秘術ノ伍。
舞(【ダンス】【歌唱】)により秘術((破魔】【なぎ払い】【範囲攻撃】)をなし、
また味方に加護(【破魔】【呪詛耐性】)を与えよう。
此処は貴様らの住まうに相応しくなかろう。
黄泉比良坂は開いておる。
還るがよい。
●怨霊は怨霊の棲まう地へ還れ
「品もなければ経緯もない、外道の所業じゃな」
押し寄せる水晶屍人の群れを眺め、春乃・菊生(忘れ都の秘術使い・f17466)はただ一つ、大きくため息をつく。
「……到底、捨て置けるものではないのう」
菊生は小声で呟くと、右手に白鞘巻の太刀を、左手に蝙蝠扇を持ち、水晶屍人の前へと進み出た。
――ヴアアアアアァァァァァァ!!
――アアアアアアアアアァァァ!!
新たな獲物が来た、とばかりに不気味な歓喜の声を挙げる水晶屍人達。
しかし、菊生が一礼して静かに舞い始めると……その声は途端に鎮まった。
――パキン、パリン
――アァァァ……
菊生が舞うと、水晶屍人の肩に生える水晶が割れ、水晶屍人たちがその場に頽れる。
それでもまだ動く水晶屍人が菊生に触れようとしても、触れようとした傍から頽れ、土に還っていく。
――その顔は、呪われし宿命から解き放たれたかのように、安堵に満ちた顔。
菊生の舞に込められた秘術は、味方には魔を払い呪詛に抗する力を与え、敵の持つ魔を打ち払う力を持つ。
その力を持って、晴明の術の力が籠められし水晶の力を払い、屍人に戻して土に還しているのだ。
「還されては困るのう……」
水晶屍人が次々と還されるのを黙って見ている怨霊姫ではない。左肩に大穴を空けたまま、次々と怨霊武者を召喚、舞い続ける菊生に矢を射かけさせる。
しかしそれが死霊術で召喚されたものであれば、菊生の【秘術の伍】で祓うことができる。
――還れ
矢を受けながらも舞い続けた菊生が一言呟くと、怨霊姫の呼びし怨霊武者らが次々と土へ還って往く。
「我の大事な武者を還すとはのぅ」
怨霊武者の消滅と共に力の一部を奪われ、憎々しげに菊生を睨む怨霊姫。
「黄泉比良坂は開いておる。還るがよい」
此処は貴様らの住まうに相応しくなかろう? と飄々とした口調で言い放った菊生を、怨霊姫はただただ睨みつけていた。
成功
🔵🔵🔴
隣・人
「隣人ちゃんですよ!! いやぁ。戦争も騒々しくお相手さんは生命への冒涜者! 何と言いますか懐かしいですね不死の王さん! あ。兎に角。此度も全力で暴れ回りますよ文字通り」
水晶屍人の群れを突破するべく、回転椅子(拷問具)を構えて高速回転しながら殴り倒しますよ
そして指揮官たる怨霊姫に接近しましょう
接近したならばUCを使用
今までの高速回転で目を回していますので威力倍増
コーヒーカップ(拷問具)を召喚して怨霊姫を【九倍】の速度で超高速回転させましょう。もしかしたら味方の猟兵も回して(巻き込んで)しまうかもしれませんね。部位破壊(三半規管)
お相手さんがぐでんぐでんに成ったところでUC解除。拷問具で撲殺ですよ
●文字通りの全力回転(ただし自分も)
「隣人ちゃんですよ!!」
水晶屍人の壁の奥にいる怨霊姫に手を振りながら自己アピールから入るのは、隣・人(六六六番外・f13161)。なお、勝手ながら本リプレイではフルネームで記させていただきます。
「いやぁ、戦争も騒々しくお相手さんは生命への冒涜者! 何と言いますか懐かしいですね不死の王さん!」
「何のことかの?」
怒涛のようにしゃべり続ける隣・人に対し、怨霊姫は首を傾げるのみ。
「あ、わからないですよね。兎に角、此度も全力で暴れ回りますよ文字通り」
「それはこの群れを突破してから言うが良い」
他の猟兵の攻撃で幾分か弱った様子の怨霊姫が、水晶屍人の壁を指差す。
「じゃあ遠慮なく!」
にっこり笑って回転椅子(拷問具)を構え、高速回転しながら次々と屍人をなぎ倒す隣・人。怨霊姫もなぎ倒された屍人を傀儡として蘇生し、再度壁として立たせるが、隣・人はそれすらまとめてなぎ倒しながら前へと進む。
水晶屍人の壁を突破した隣・人は、怨霊姫に接近するや否や【隣人散闇流殺人技芸・超絶斬新無差別撲殺・高速回転】で自らのぐるぐる目を光らせ、コーヒーカップ(遊具かつ拷問具)を召喚。
「さささ、乗って下さいね」
有無を言わさずコーヒーカップに怨霊姫を乗せる隣・人。
「もしかしたら味方も回してしまうかも……って味方がいないです!?」
拷問具を携えて高速回転していたら、猟兵でも積極的に巻き込まれたくないと思いますが。
それはさておき、隣・人はいつもの9倍の速度でコーヒーカップを超高速回転させ、怨霊姫の三半規管を豪快に狂わせ、平衡感覚を失わせる。
「な、何をするのぢゃ……」
怨霊姫の目がぐるぐる目になったところで、隣・人は回転いすを再度取出し、怨霊姫の後頭部を一撃したが……まだ生きているようだ。
ちなみに隣・人は戦場から撤退後、人知れずえれえれえれと吐いていたとか。
……部位破壊されたのは自分自身の三半規管もだったようです。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
……清明
あたし本気で今、あんたのこと目の敵にしたわ
首洗って待ってろ
その骸に世界の不幸を叩き込んでやる
強引に突破するか
指揮官もその怨霊も屍人も、このUCがピッタリじゃないか?
UC発動
多少強引にでもその負の感情、恨み、祟りの性質を変質させてやる
あたしの目の前でこれ以上何かに怨念募らせてみろ
もれなく浄化してやるからな
サブ攻撃として【破魔、祈り】を籠めた【歌唱の衝撃波】で【なぎ払う】よ
敵攻撃は【第六感で見切り】【破魔の力のある】光の鎖で【早業武器受けからのカウンターなぎ払い】
【オーラ防御】常時発動
倒した敵の武器や死体を【念動力】で巻き上げ必要に応じて壁や攻撃に転用する
広範囲攻撃で指揮官を炙り出す
●希望の祈りを込めて死刑宣告を
「……晴明、あたし本気で今、あんたのこと目の敵にしたわ。」
他の猟兵の活躍でかなりその数を減らしたとはいえ、未だ蠢く水晶屍人の群れを見て、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は怒りを隠しきれぬ様子。
「首洗って待ってろ」
未だ居所も姿さえも見えぬ陰陽師、安倍晴明に対し宣戦布告するかのように、志乃は空を見上げ憎々しげに呟いた。
――その骸に世界の不幸を叩き込んでやる。
指揮官たる怨霊姫は、別の猟兵にかなり弱らされたのか、宙に浮きながらもよろめいている。
その手前には未だ多くの水晶屍人が残っているが、志乃はこの状況を強引に突破するために適したユーベルコードを覚えていた。
――【全てを希望へ(チェンジ)】
装備武器を無数の光の花びらに変え、半径51m以内の指定した対象を攻撃できる技。しかも光の花びらには「周囲の正の感情を賦活し、呪詛を祈りと変える」効果がある。目の前のオブリビオンは、いずれも恨み、祟り、憎しみなどの負の感情を持っている相手だ。
「あたしの目の前でこれ以上何かに怨念募らせてみろ。もれなく浄化してやるからな」
志乃は大声で宣言した後、ユーベルコードを発動。装備武器を光の花びらに変えて広範囲に吹雪かせ、水晶屍人を悉く浄化。さらに魔を払う祈りを込めた歌を歌いながら水晶屍人をなぎ払い、消滅させてゆく。
――ウァァァァ
――アア……アア
消えゆくときにあげる声は、無念ではなく感謝のそれ。
結果、この場にいた水晶屍人はほぼ全滅した。
その後も志乃の一騎当千ぶりは留まるところを知らない。怨霊武者の射かける矢は第六感で察して見切って躱し、すかさず破魔の力が込められた光の鎖でカウンター。鎖で一気に薙ぎ払われた怨霊武者はその破魔の力に怨霊姫との繋がりを断たれ消滅していく。
水晶屍人と怨霊武者がほぼ全滅し、その場に残ったているのは怨霊姫のみ。
「おのれ……っ!! 徳川に与し者が!」
怨霊武者の消滅と共に残った力をほぼすべて失った怨霊姫が、自ら手を下さんと志乃に接近。
「言ったはず。もれなく浄化してやるから、って」
志乃は残った光の花びらを全て集め、怨霊姫に集中させる。
――光の花びらは怨霊姫を包み込み、その存在を浄化した。
こうして、この場の戦いは猟兵の完勝で終わった。
それは、水晶屍人を生み出した安倍晴明に手を届かせる、確実な第1歩となる。
大成功
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