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エンパイアウォー③~山岳に忍ぶ者を討て!~

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー

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●城に至る山にて
 徳川軍、関ケ原に向け出陣す。
 その一報が猟兵たちの間を駆け巡ると共に、グリモアベースでは次々とサムライエンパイアへの転移ゲートが開かれていた。
「ニコラの担当するのは上田城、そこに座す上杉軍。山岳地帯に隠れ、進軍する徳川軍へと襲い掛かろうとする上杉軍を相手にすることとなるわ」
 ニコラがグリモアから展開するのは関東から関西にかけての日本地図。そこをクローズアップし、映し出されるのは現代でいう長野県。その東部にある上田城近辺である。
「徳川軍が使おうとしている関ケ原へのルートは中山道。上田城はその要衝にあたるわ……ここを抜かない限り、徳川軍への被害は免れないでしょうね」
 故に。ニコラが転送するのはその上田城付近の山岳地帯。伏兵として野に伏せている上杉軍に対し、猟兵側から攻撃を仕掛けようという魂胆だ。
「ニコラの予知では、転移先に居るのは夜襲、野戦を専門とする妖魔忍者たち。そいつらが徳川軍に夜間戦闘を仕掛けるより早く、ちょうど日没前後の時刻に転移・突撃という形になるわね」
 季節は夏、おりしも山岳地帯では緑が濃くなる。転移ゲートもそういった森に隠すことができるため、現地に飛んだ猟兵の立ち回りによって奇襲を仕掛けることもできるだろう。
「だから、転移ゲートを抜けた先で、どういった形で仕掛けていくのかは皆の工夫次第よ」
 そういってくるりと猟兵たちを見回すニコラ。
「今回の戦において、ニコラたち猟兵が出来るのは徳川軍のサポートが主よ……徳川軍の者にピクニックで関ケ原に到着してもらえるよう、頑張りましょう」
 転移担当としての気持ちをそう表明し、ニコラは転移ゲートを展開。現地へ突入する猟兵を改めて募るのであった。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はいつもありがとうございます。ついに始まりましたサムライエンパイアでの戦争、エンパイアウォー。今回Reyoは人数が揃い次第、サクサク完結させていくスタイルで参ろうと思います。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 首塚の一族による拘束術式を無事成就させるためにも、猟兵たちは徳川軍を守ることが求められます。そのため、今回のシナリオでは徳川軍へと夜襲を掛けようと用意している忍者たちの元へとニコラがお送りします。
 野に伏せて夜襲の機会を伺っているのは10人前後の妖魔忍者たち。
 転移ゲートの位置を隠蔽できるため、彼らに対して奇襲をかけることも可能でしょう。
 フラグメント、およびOP情報を元にした皆様のプレイングをお待ちしております。
 
 それでは、出陣をよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユリウス・リウィウス
始まったな、第六天魔王との戦争が。猟兵を支えてくれた江戸幕府への義理は果たさねばなるまい。

「生命力吸収」「精神攻撃」「恐怖を与える」死霊の霧を広く展開。夕刻では、夕霧と区別が付くまい。
霧を最大限まで展開したところで、UCとして起動。妖魔忍者とて、不意に死霊に襲われればどうかな?

続けて亡霊騎士団を足止めのために喚起して、ばらばらの迂回路を通って前進させる。まだ俺の居場所は、この段階では割れないはずだ。
亡霊騎士団が忍者の一人でも潰せればよし。

最後は俺自らの虚空斬で「なぎ払い」「傷口をえぐる」。逃げるなら「追跡」で後を追い、背中から斬り捨てる。
反撃は「見切り」「盾受け」「武器受け」「カウンター」で。


伊美砂・アクアノート
【SPD 打縫術・磔展翅】
どうも、ニンジャの皆さん
猟兵です……ってなワケで、とりあえずよろしく死んでくれや
【暗殺11、投擲10、スナイパー10、だまし討ち5】 木々の間から武器投擲するコトで攻撃。完全隠密を狙うよりも、敵が猟兵側の奇襲意図に気づいたタイミングであえて仕掛ける。…他の隠密特化とか素早く逃げられる猟兵がヒットアンドアウェイしてくれるコトを期待しつつ、自分は【罠使い10、毒使い10、地形の利用5】で即席の罠を設置し、奇襲に反応した忍者の注意を引けるように囮になる。できるだけ派手に、罠に手榴弾や毒を交えつつ、他の猟兵に注意が向かぬよう挑発。……なんだ、ニンジャも大したコトないな?



●誰そ彼時の死霧に乗じて
 日が落ちる。山間部ということもあり、山陰が太陽を隠せば瞬く間に闇が広がっていく。僅かに遅れてそれに連なるのは、日光という熱源が消えることによる冷気。それは山頂から現れ、その途中に霧を引き連れながら次第に山裾へと広がっていく。
「――しめたものだな。霧が出て来た。夜陰に乗じるにこれ以上の機会はあるまい」
「ですな。あとは徳川の連中がどこに陣を張るか……斥候が戻り次第、動くが良いかと」
 ぼそぼそと、低く抑えた声で語るのは妖魔忍者たち。霧に言及したのはその中でも特に体格の良い1人であり、周囲のオブリビオンの扱いからもこの分隊を束ねる者であろうことが伺い知れた。
 ざぁ、と風が吹く。夏の、そして山であるが故の乾いて暑い風。木々が騒めき――その違和感に気づいたのは忍者たちの棟梁のみであった。
「――この霧、尋常ではない」
 本来であれば風に吹き散らされるはずの霧が、山肌に沿って忍者たちを覆うように留まったのだ。それもそのはず、夕霧に紛れて忍者たちの間近に散布されていたのは紛れもないユーベルコード、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)の死霊の霧なのだから。
「思ったよりもお早いお気づきで。どうも、ニンジャの皆さん――猟兵です」
「チィッ!」
 棟梁が舌打ちし手振りで散開を示すのと、忍者のうち1人の頭に横合いから棒手裏剣が突き刺さるのはほぼ同時。言葉を降らせた伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)の奇襲が完璧なタイミングで忍者の内の1人を屠った。
「――今の一撃程度、いなされるものと思っていたんだけど。なんだ、ニンジャも大したコトないな?」
 どさり、と忍者が倒れ伏すのを見て、アクアノートは肩を竦める。夕暮れ時の森林という闇が支配し始める空間であっても、賭博場のディーラーを模した良く目立つ服装と相まってその動作は挑発としての効果を余す事なく発揮した。
「貴様ッ……!」
「おお、怖い怖い。女一人に総がかりかい?」
 アハハ、と響く笑い声をわざとらしく残し、アクアノートは森の中へと姿を消す。それに釣られ、アクアノートを倒すべく森へ踏み込む忍者が1人――遅れて、ぎゃあ、という悲鳴が響いたのはアクアノートの罠が忍者を捉えたからだろう。
 棟梁は響いた悲鳴に苦い表情を浮かべたが……意識を切り替え、その場に残った忍たちに指示を出した。
「霧で攪乱などせねばならないのであれば――敵は寡兵! 各自、任務を遂行せよ」
「「「ハッ!」」」
 妖魔忍者たちはオブリビオン。誰か1人でも徳川の元へ辿り着けば少なくない被害をもたらすことができる存在であるが故の指令。
 そうやって散じた忍者たち、その行く先は三々五々。
「――くっ、まだ伏せている者が居たか!」
 その中の1人が、霧の中からぬぅ、と姿を表す亡霊騎士と直面し声を挙げる。
 それはユリウスが霧から具現化させた幾体かのうちの1つなのだが、その忍者がそんなことを知る筈もなく。
「だが、首を撥ねれば、いかな猟兵とて……!」
 忍者の持つ刀が閃き、亡霊騎士の首を斬り飛ばす。首はごろり、と大地に落ち、僅かに遅れて霧散し――
「これもまた義理というものでな。果たさねばならない事があるのは、貴様らも俺も同じことだ」
「な、に――!?」
 攻撃の直後という好機を逃すことなく斬撃を放ったのは霧に紛れて隠れていたユリウスその人。ソウルサッカーとライフイーター、それぞれの銘を持つ2振りの黒剣による横薙ぎの一閃が忍者の首と胴をそれぞれ切り裂いた。
「さぁて……霧は最大限に広げた。皆、上手くやってくれよ」
 己の呼び出した亡霊騎士と同様に骸の海へと霧散していく忍者を視界の端に置き、ユリウスは低く呟いて仲間の健闘を祈った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

舞塚・バサラ
【SPD】
先手を取れるならば是非も無し
一刻も早く敵を根絶やし、この道行を安定させるのが某達の仕事で御座るな

転移ゲートを抜けると同時に、周囲の木々に紛れつつUCを使用するで御座る(地形の利用、目立たない、忍び足)

極力足音や存在感を消し、敵に対しては徹底して不意を撃つで御座る(存在感、目立たない、だまし討ち、先制攻撃、忍び足)
また、極力死んだように見えぬよう、傷跡を残さずに暗殺を行う事で此方の襲撃に気づくのを少しでも遅らせて初動を鈍らせるで御座る(暗殺、毒使い、早業)
更に妖魔であるならば【破魔】も効くで御座ろうよ

以上を出来うる限り勘付かれぬよう迅速に
気付いた時点で詰みの状態へと持って行くで御座る


白鳥・深菜
「希うは<草>の<異常発生>、
望むは牙向く森の守護者――」


まずは【災厄と希望の開放器】で、
敵の周囲の木々や草を爆発的に成長させて操り、
敵の足元を奪うように拘束する。

そして、その足元の異常に周囲が注意を向いた瞬間。
そのタイミングで木々の上から相手の頭へと
【青天白日の暗殺剣】による奇襲を放つ!
草木の束縛と奇襲の衝撃、これで大勢を奪って後は押し切る!

「ワイルドハント【奇襲担当】白鳥・深菜
――名乗る時間すら惜しいわ。無作法に、雑に、狩る」



●野性の猟人
 散会した忍者たちはそれぞれが2人組。多いところで、偵察に出ていた者と合流しての3人というのが主流なようであった。
「しかし、忍である俺らが奇襲を受けるとは……公に面目が立たん」
 そして、木々の間を飛ぶように走りつつ、山岳地帯を突っ切って中山道へ向かう忍者たちのうちのうちの1人がそう呟く。
「何、お頭の見立てによれば相手は寡兵。散開した我らが、そうそう全滅させられるとは――」
 呟いた忍者の横合いを並走する者がそう言って頷いた、その瞬間。
 ざわり。風による木々のざわめきとはまた違う。
 ざわり。野に潜む獣の起こす蠢きともまた違う。
「これは――!?」
 忍者の向かう先を、急激に成長した木の枝や下草の類が塞ぎにかかる。明らかな異常、確かな怪異。立ち塞がった植物の障壁を避けるため、必然と忍者たちの足並みが乱れ、それぞれが孤立する一瞬が生じた。
 そしてそれこそが、その怪異を……ユーベルコードを起動した猟兵の狙い。
「猟兵か! しかし、この速度、この術……早すぎる!」
 仲間とはぐれ、道行を妨害された忍者たちが臨戦態勢に入るも――「彼女」にとってはその全てが遅い、遅すぎた。
「名乗る時間すら惜しいわ。無作法に、雑に……狩るッ!」
 異常成長した植物の障壁、その頂点から舞い降りたのは白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)。旅団ワイルドハント所属、奇襲を得意とする野性の猟人が1人。孤立、そして予想外の地点で襲撃を受けたことによる精神的動揺、さらに加えるのであれば忍者たちの信じるところである棟梁の見立て間違い――その全てが重なる一瞬を深菜は見逃さず、的確に一撃を放つ。
「狩るべきを狩る……それが、わたくしの役割!」
「クッ……!?」
 深菜の攻撃はいわば二撃確殺。その一段目を形成するのは青天白日の暗殺剣。肉体的死角だけでなく精神的死角すら突いた盲点への一撃は、ただでさえペースを乱されている忍者の隙を極限まで拡大する衝撃の一打。
「これで、押し切る!」
 続く二撃目は愛剣たる白銀のレイピアによる刺突。点を穿つその一撃は絶大な威力と引き換えに見切られれば回避されやすいもの――しかし、暗殺剣によりありとあらゆる動作を遅延させられた忍者に対しては必中必殺のフィニッシュムーブ。
 骨を穿つ音は硬く、その内側を搔き乱す音はそれに掻き消され響かず。深菜のレイピアに頭蓋を穿ち抜かれた忍者の身体が力を失い、そのレイピアが手馴れた動作で引き抜かれると同時に地に伏して灰のように消え去っていく。
 ――視点を変え、深菜が向かわなかった側では。
「ちっ、俺の側に来なかったのは幸いというべきか……?」
 猟兵に襲撃された仲間を捨て置き、ひたすら走る忍者。その背後ではまさに深菜の手により1人の忍者が骸の海へと還されたところであった。しかし、それをその忍者が知る由もなく。
「時間を稼ぎさえすれば、俺たちの誰か1人でも徳川の元へ辿り着けばそれで勝ち……!」
 後背に残した同僚の健闘を願いながら、地を踏み忍者が加速し――
「ぐふっ!?」
 駆けだしたまさにそのタイミングで、忍者の腹部を穿つ拳打がひとつ。完璧な不意打ちに、防御どころかロクな受け身も間に合わずに忍者の身体が進行方向とは逆に吹き飛ぶ。
「――なるほど、さすがオブリビオン。頑丈で御座るな」
「貴、様ァ……!?」
 苦悶の表情を隠せぬ忍者の元へ追撃する影。それは忍びとして悪を討つ猟兵――舞塚・バサラ(罰裁黒影・f00034)の姿に他ならず。
「とはいえ、殺せぬ相手で無し。痛苦、傷痕、それらの心配は一切無用――何故ならば、悔いる暇も無く仕留めさせて頂くが故に」
 ユーベルコードの詠唱を含む文言は、果たしてオブリビオンである忍者へと向けた手向けの言葉か。
「妖魔忍者を、愚弄するか、猟兵ッ!」
 地面に叩きつけられつつ、なんとか姿勢を整える忍者。言葉と共に己を吹き飛ばしたバサラの姿を探すが――その視線の先には影ひとつなく。
「それがしは彼我の戦力を分析しただけで御座る――そして、忍びたるもの、仕掛けるという事は既に貴殿は詰んでいる。ただ、それだけのことに御座るよ」
 問いかけの形で投げられた忍者の叫びに、応じるバサラの声は忍者の真後ろから。
 陰術、無明変転――己の姿を一瞬にして敵の認識範囲から消し去り、回避不可能な暗殺の一撃を仕掛けるそのユーベルコード。忍びたるものかくあれかし、の体現ともいえるその絶技はオブリビオンに反撃どころか抵抗も許すことはない。
「――まぁ、聞こえてないで御座ろうが」
 バサラが忍者の声に応じた頃には既に、引き抜かれた刀がその首を落として鞘に収まっていた。
 憤怒の表情のまま断頭され、忍者の身体が血飛沫を上げながら倒れる。
「さて……この方面はこの2人だけで御座るか」
 予想より忍者たちの散開が早い――どうせならばこの場で蹴りを付けたかったで御座る、と嘯くバサラ。彼は他の忍者を追う猟兵たちと合流するべく、その姿を再び誰そ彼時の闇へと溶かし消えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アドリブ&絡み歓迎

戦争が始まった、か…好き放題殺して廻れるボーナスタイムだな…存分に暴れ廻ろうか…

忍者相手に奇襲を仕掛ける、か…中々皮肉が効いていて愉快だな…自らの得意分野で仕留める、か…良い趣向だ…

さてさて…来い【七血人】…
ははは…今日は何時もの情報収集じゃないぞ?本業だ…
好きに殺せ…
なぁに…この戦争中、幾らでも貴様らに遊ばせてやる時間はある…思う存分暴れて来い…

私も侵食の「呪詛」を籠めた呪いの矢(全力魔法)を相手の動きを「見切り」ながら「2回攻撃」で「傷口をえぐる」様に放つ…たまには後ろからの援護に専念するのも悪くはあるまい?

さぁさぁ…抹殺と洒落混もうじゃないか…


叢雲・源次
兵は神速を貴ぶ…一気に攻め入るのが上策か

高速移動が敵方の得手らしい…ならばこちらも相応の対処をする
インターセプター起動…敵影複数補足…目標選定
炎獄機関…稼働率修正、出力上昇、排熱機構作動……高速戦闘、開始。

【ダッシュ】【早業】一気に彼我の距離を詰める
【見切り】【覚悟】「ウォールデバイス」で衝撃波を反らしつつ多少のダメージを承知の上で選定した敵の懐に飛び込む
『七閃絶刀』抜刀から瞬時に七連続の斬撃をすれ違い様に放ち「特殊な気流」を断つ
【二回攻撃】隙を生じぬ二段構え。そのまま慣性を無視したかのような軌道で踏み込み、返す刀で再び連続斬撃を見舞う

こんな所で止まっている訳には行かんのでな…瞬殺させて貰う。


向坂・要
こりゃまた大人数で賑やかなことで
どうせだ
楽しんでいきなせぇ

余裕がありゃ、の話ですがね

なんて嘯きつつ
周囲を覆う用に霧とそれに宿る狼の群れを呼び出し
陽炎の属性と毒のルーンを付与させたそれらを周囲に展開
第六感も生かして俯瞰的に周囲の様子を把握しつつ奇襲、迎撃とさせて貰いますぜ

ま、精霊達に任せっぱなしってわけにもいきませんしオレも暉焔や武器を用いて参戦させてともらいますがね
(カウンター、見切り、念動力、第六感など使用)

っとあちらさんの攻撃で野火なんておきねぇように、も気をつけさせてもらいますぜ

アドリブ
絡み歓迎



●晴れぬ霧の中で
 霧深い林間を駆ける数は3つ、うち2つが猟兵による初期奇襲から逃げ延びた者であり、残る1つは徳川軍の偵察へと出ていた者である。
 何故、人数の内訳がそこまで詳しく判るのか――それは、猟兵側にそれを可能とするだけの探知能力を持った者が居るからに他ならない。
「――霧の展開は十分か」
 忍者たちが霧を嫌がって陣形の密集具合を上げ、霧が薄くなるであろう地点と読んで風上へ向かうのをそのセンサーで把握し、仲間に問いかけるのはまさにその探知能力を備えた叢雲・源次(攻殻猟兵・f14403)である。
「思ったより相手が少人数なもんでね。こりゃ、今回は余裕をもって楽しんでいけそうですぜ」
 源次の問いかけに茶目っ気の多い言葉で返すのは、自然現象をユーベルコードにより操り忍者たちを常に霧の中に捕捉し続けている向坂・要(黄昏通り雨・f08973)だ。
「そちらのご婦人は」
「くふっ……問題ない。既に、キルゾーンにあ奴らの配置は……終わっている」
 そして、続いて源次が問いかけるのはもう1人の猟兵。喪服のようにも見える黒の和服を緩く着こなし、大弓を持った彼女の名は死之宮・謡(統合されし悪意→存在悪・f13193)という。
「であれば。追い込みは俺と要で。仕留めるのは謡に一任しよう」
 その返事を受け、源次は改めてインターセプターを見るべく手首を返す――表示されるのは彼我の距離と、現在忍者が辿っている移動ルート。源次が仕掛けたのは要の操る霧と地勢、さらには忍者たちの目的である徳川軍の行路とを照らし合わせて仕掛けられたのはとっておきのキルトラップだ。
「しかし、忍者相手に奇襲戦……中々皮肉が効いていて愉快、愉快。相手方の得意分野で仕留めるとは……良い趣向だ」
 うっとりした表情で源次の策を評しつつ謡が鏃の先端をぺろりと舐める。その一舐めで矢全体に込められるのはとてつもない量の呪詛そのものだ。
 そうやって戦闘の準備を整えつつ、暫し。
 開戦の声は、霧とそこに宿る狼霊を通じて忍者の動きをつぶさに把握していた要があげた。 
「――さて、源次の旦那。そろそろ仕掛け時かい?」
「ああ。既定の地点を超えたな……兵は神速を貴ぶ。俺が一気に攻めあがる、後は頼んだぞ」
 要に応じつつ、源次は低く腰を落とす。戦国の世らしからぬ廃熱機構の金属音と炎獄機関のエンジン音は要の操る霧に吸い込まれて響くことはなく。
「言われなくとも……好き放題殺して、存分に暴れさせてもらうよ」
「心強いことだ」
 ひらひらと手を振りながら物騒な返事をした謡には口角を僅かに上げて、源次は忍者たちの横合いへと突撃を開始した。
 彼我の距離はおよそ100メートル程度。山岳森林部という見通しの悪い地点だからこそ成立するごく短距離からの突撃奇襲に、忍者たちはしかし慌てず応じた。一瞬で陣形を組み替え、1人の忍者が源次の前へ。残る2人が源次の間合いから逃れるように動き、戦場からの離脱を図る。
「この霧、やはり貴様らの術か――猟兵!」
 源次と相対した忍者はその体に霧を巻き込むような気流を纏うとともに忍者刀を抜刀。振るわれるそれは、直線的に突撃する源次の首を刈り取る的確なカウンターであったが――
「その程度で、止まる訳にも首をやる訳にもいかんのでな」
 その斬撃波が源次へと至る直前で弾かれる。不可視の障壁はユーベルコードによるものではなく、この世界からすればオーバースペックの機械的装置による斥力が生み出したもの。
「何っ……!?」
「――隙だらけだな。瞬殺させて貰おう」
 そして源次は相手の攻撃は防御し弾くことが織り込み済み。必殺を期した一撃をいなされたことで隙を曝した忍者を放置する理由もなく。
「仕掛ける」
 斬撃、忍者の懐へと踏み込みすれ違うような歩法から繰り出されるは一瞬七閃。サイボーグならではのプログラムされた精緻な斬撃の嵐が、忍者の纏う気流をまずは寸断する。
「……獲った」
 次いで、静かな一言と共に繰り出されるのは気流による動作補助を失い無防備となった忍者の首を狙う必殺の斬撃。もはや物理法則を無視しているとしか思えない動きで矢継ぎ早に繰り出された超高速の刃は、狙い過たずその忍者の首を両断した。

●霧の中の殺戮領域
 霧の中を駆ける忍者。2人組となったその片割れの額を、血の色をした呪いを纏った矢が穿ち――その勢いで胴体から首を捥ぎ取り、それだけで飽き足らずまるで水風船のように破裂させた。
「はァ!?」
 そして、その横に居た忍者が上げるのは驚きと、なによりも恐れの混じった声。それもそのはず……触れられる程に近くにある木々ですらぼんやりとした影でしか見えない時刻、それに加えてこの濃霧。弓射による狙撃など、本来であれば不可能な状態で「狙いすましたとしか思えない」一撃で仲間の首が捥げ爆ぜたのだから。
「いい声で啼くわねぇ……もっと、その声を聞かせなさい」
「まだ、猟兵が居たというのか――!」
 そしてその恐怖を煽るように霧中から響くのはわざとらしい謡の声。痛恨の念を声に滲ませつつ、1人残った忍者は猟兵を相手にすることなくこの場から離脱するのは不可能と踏んでか、忍者刀を抜いて戦闘態勢を取った。
「貴様らが何人であろうと、やり方は、ある!」
 刀を持たぬ手で忍者が切るは早九字の印。伴って生み出される無数の鬼火が、全周囲に向けて無差別に放たれる。忍者が狙うは周囲の木々に着火しての火攻め――いかな霧が深いといえ、ユーベルコードとして生み出されたその鬼火は問答無用で木々を燃やそうと飛び交うが。
「――1人になれば、やると思っていましたぜ」
 霧の中から現れるのは無数の狼。白銀の毛並みを帯びたそれらが、要の指示に従い鬼火を次々と丸呑みにして火計をその根本から封じる。
「お前さんらの能力は、とっくに丸裸……変な気は起こさずに、さぱっと骸の海へお帰り願えませんかねぇ?」
「誰がっ!」
 慇懃無礼な要の勧告は、むしろ忍者の神経を逆撫でした。見るからに激発した忍者は再び鬼火を生み出し――今度は鎮火などさせるものかという強い意思を感じさせる巨大な1つの鬼火として行使する。
「――全く、そのまま諦めてくれればもう少し楽だったでしょうに」
「言わせておけば……!」
 霧中から響くのは、忍者の激情をさらに煽る要の声。巨大な鬼火を投擲しつつ、忍者は霧の中を声のする方向へと突進した。
「……謡さん。仕上げを」
「ああ、奴らにも遊ばせてやらねばならんからな」
 楽しくてたまらない――そのような色を含んだ謡の声が忍者の耳に届いたころにはすでに遅く。
「――貴様ら、一体、どれだけの数を……!」
 刀、槍、斧――7種の血色をした武器が四方八方から忍者の身体を貫いている。
「なんだ、間抜けなことを……そ奴らは、我が闇の友だ。貴様が負けたのは、たった3人の猟兵……冥途の土産に、覚えて逝くと、いい」
 霧の中から忍者の前に姿を見せるのは、夕暮れの闇に同化してしまいそうな謡。
 ころころと嗜虐的な笑みを浮かべた彼女がツイ、と手を振れば。謡の呼び出した闇の殺戮者たちがそれぞれの得物を好き勝手な方向へと振り抜く。結果としてその場に生まれるのは、八つ裂きなどという表現が生温く感じるほどに微塵に潰された忍者の遺体だ。
 使い手が消えれば投擲された鬼火もフッと消え――後に残るのは戦闘の痕跡のみ。
「……ふふふ……くくく……くはははははは!」
 そしてその無様な散り様がツボに入ったのか、高らかに笑う謡。
「ここまで一方的だと……ま、ちょっとだけ同情しちまいますぜ」
 そう言って肩を竦める要だが、そもそもこの霧中での奇襲作戦自体が要のユーベルコードを文字通り「要」としているのだ。第三者から見れば「お前が言うな」という状況。
「さて――これでまた徳川軍はひとつ安全になった訳で。謡さん、そろそろ笑い上戸を止めて、ほかの猟兵と合流しましょうぜ」
 未だに笑い続けていた謡に声を掛けつつ、要は戦況推移を確認するべく他猟兵たちとの合流を目指すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

さて、奇襲ってんなら得意分野だ。
緑が深いならそれを●迷彩代わりにして敵にできるだけ近づくとしよう。
●殺気を完全に消して、息を潜める。
敵を視認できる距離になれば、あとはこいつ(刀)を抜き放つのみ。

風林火陰山雷 番外 雷・火!
さぁさぁ、これだけの量の斬撃、奇襲されてなお躱すことが出来るかよ!
敵に近づかれたらまずい気配はあるが、ならば近づかせずに斬り殺す。
仮に近づかれようが!二刀を用いた●2回攻撃、●鎧無視攻撃でその首を叩き折る。

大蛇切、舐めるんじゃねぇぞ。


百鬼・甲一
さて…故郷での戦、気合いを入れねばなりませんね。@
隠密相手ですか、可能なら奇襲を掛けたい所ですね…お仲間達と示し合わせて強襲するとしましょう。隠密相手に下手な小細工は無用、連携される前に一人ずつ屠って行きましょうか。指示を出している頭、もしくは一際強い者がいるようなら、ソイツを狙いましょう。「手練れとお見受けした…私と死合っていただきたい…!」太刀と散弾銃を両の手に携え、突撃します!勘と見切りで避けつつ、カウンターで連続攻撃をぶち込んで行きます。「忍の技と私の技…どちらが上か試させていただこうか!」



●宵闇斬首行
 忍者の棟梁と彼に付き従った数名の忍者は一路、徳川軍の宿営地を目指していた。
「人数は減ったが……少数精鋭で掛かれば同じこと、急ぐぞ!」
 応、と答える忍者たち――だが、棟梁はそこに違和感を覚える。戻る筈の声音の種類、それが1つ足りない。
「――1人、欠けたか?」
「おっと、思ったより早く気付かれたな。だが、ちょっと遅かったな」
 忍者隊列、その最後尾。森林に紛れ、抜刀の瞬間にすら極限まで殺気を抑えていた遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)が、忍者たちの横合いから1人の首を刈り取ったのだ。
「不意打ちであれば確かに狩れようが……! 貴様一人で我らに仕掛けるとは、功を焦ったな猟兵!」
 だが、棟梁側の判断も早い。奇襲を仕掛けてきたのが猟兵の姿が1つしかないとなれば数の利を生かしてこの場で相手をする――下手に逃げるよりはそちらの方が早いと断じ、一斉攻撃を仕掛けるその動きは「集団として顕現したオブリビオン」ならではの一糸乱れぬもの。
「ハッ、忍者が気配を探れねぇたぁ、随分と腕も頭も悪いみたいだなぁ!」
「謀るか、猟兵ッ!」
 それと相対した景明は、しかし余裕の表情。そして、その余裕の根拠として樹上から飛び降りつつ割り込む猟兵の姿。棟梁の前に降り立った彼――百鬼・甲一(不死傭兵・f16959)が、一刀を構えて棟梁の一撃を受け止める。
 残る忍者に対してはまさに後の先という言葉の通り、景明は二刀の乱撃で見事に忍者たちの攻撃をいなして見せる。
「忍軍の棟梁、手練れとお見受けした。百鬼甲一がお相手仕る」
「小癪な……!」
 鎬を削るは僅か。景明が忍者たちをいなして弾いたように、甲一もまた巧妙な弾きの動作で棟梁の刀を押し返すと共に名乗りを上げる。
「――だが、そのような挑発に誰が乗るものか! 刀陣、構え……時間はかけられん、手短に終わらせて頂く」
 武士然とした甲一の名乗り。しかし、相対するは忍者の一群。多数の利を捨てるはずもなく、棟梁の号令と共にまたもや全員の忍者が刀を構えて陣を組む。
「甲一、宣言通り棟梁は任せたぜ?」
「ええ――ですので、他はそちらに。向こうが対応を変えないのなら、こちらも打ち合わせ通り」
 じり、と間合いを図る忍者たちに対し、景明は自然体。抜き放ったままの二刀が、僅かに差し込み始めた月光を受けて鈍い輝きを放つ。対して打ち合わせ通り、と答えた甲一が隙を見せぬまま取り出すのは連射可能な散弾銃。本来なら運用に両手を必要とする武器を、甲一は軽々と片手に構える。
 寸刻、静寂が戦場を支配した。
「「「――殺ッ!」」」
 口火を切ったのは忍者衆。集団そのものが1つの生き物と化した縦横無尽の斬撃嵐が戦場に吹き荒れる。
「忍の技と私の技――どちらが上か試させていただこう!」
 前衛、甲一。姿勢を低くし忍者たちの乱撃を掻い潜るような身捌きから力強く踏み込み、彼が狙うは棟梁の首ただ1つ。
「大蛇切、舐めるんじゃねえぞ!」
 後衛、景明。対照的に一歩も動かず、不動の構えから忍者たちを迎え撃つべく放つのは、生じた残像により景明が阿修羅と化す程の無数の斬撃。
 ――決着は同時。
「……見事也、猟兵ッ!」
 悔し気な声を漏らしつつ、棟梁が崩れ落ちる。その胸には散弾銃によって開けられた大穴。崩れる棟梁の首を振りかぶられた甲一の太刀が介錯するかのように刈り取った。
 対し、景明の周囲で微塵に切り捨てられる忍者たち。放った斬撃の悉くを受け止められ、その上で返された刃の嵐は防御を許すような量ではなく。
「仕舞いだな」
「ええ――私たちの勝ちです」
 勝ち名乗りは短く。血振りを済ませ鞘に刀を納める2人。
 かくして、徳川軍への夜襲を狙っていた忍びの一群は殲滅されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月03日


挿絵イラスト