寛永三方ヶ原の戦い~千の戦器を率いるは
●東軍
時は寛永、遠江国敷知郡は三方ヶ原。
東軍、徳川葵の旗に集まった戦力のうち、約一千の軍勢が陣を敷いていた。
「な、なあ。この戦、本当に勝てると思うか?」
「馬鹿か、お前。藪から棒に不吉なこと言うなよ!」
「だ、だってよぉ。相手はあの『甲斐の虎』だぞ? 神君家康公でさえ負けたってのに、俺たちなんかが勝てるわけないって」
「ああもう! 頼むから黙れって。おれだってな、練習用の巻き藁くらいしか斬ったことないのに、いきなり化け物と戦えなんて言われてずっと吐きそう……」
「そこ! 私語は慎まんか!」
陰気臭い顔で言い合っていた若侍たちを一喝して、軍を率いる老武者は舌打ちした。
思った以上に士気が低い。これでは、開戦前から勝負は決しているようなものだ。
「わわっ、槍が勝手に動いた!?」
「何やってるんだ、お前がぶつかって倒したんだろ!」
「…………」
叱りつけたそばから、別の場所でも騒ぎが起こっている。
「どうにか、早急に手を打たねば……」
老将は頭を抱えた。
●西軍
『……あれが徳川の軍か』
遠淡海、浜名湖を後ろに置く西軍の本陣にて、遠眼鏡で敵軍の様子をうかがっていた“彼”は呟いた。
『家康殿が率いていたものとは比べものにならん。泰平の世とは、これほどまでに武士を腐らせるのか』
嘆かわしい、と首を振りながら遠眼鏡を下ろす。
……ふと、その周囲にいくつもの気配が現れた。
『ギャッハハハハ! なっさけねえ話だぜ。武士のくせに、テメエでテメエの牙を抜いちまったってか?』
ある声が、ゲラゲラと笑っている。
『まったくだねぇ。あんな青びょうたんに使われてる武器たちが、かわいそうじゃないのさ』
ある声が、ため息をついた。
『お前たち、殿の御前だぞ』
ある声が、仲間をたしなめた。
声はすれども人の姿はない。代わりに、周囲には無数の武器が浮遊していた。刀や槍、こん棒、弓に鉄砲。おおよそ思いつく限りの武器が、邪な妖気を纏って宙に浮かんでいる。
武器たちは口もないのにどうやってか、好き勝手にしゃべっていたが、やがて最初の笑い上戸が進み出て言った。
『なあ大将、さっさとおっぱじめようや。命じてくれりゃ、オレ“一振り”だけでも皆殺しにしてやるぜ』
『ならん』
短いが、有無を言わさぬ響きの声だった。
たった一言で相手を黙らせると、“彼”は本陣の最奥へと戻っていく。
『彼奴らは無銘のナマクラどもに任せ、うぬらは本陣の守りに専念せい。よいか、我らがなすべきは敵を殺すことではない。うぬらの生き死にも、儂の首すらどうでもよい。目的はただ一つ、事が成就するまでの時間を稼ぐことぞ』
『あいよ』『御意』『ケッ、つまんねえの』
武器たちはバラバラに返事をしながら、一つまた一つと姿を消していく。
そうして無人になった本陣の内で、“彼”は胸に手を当てると鋭い眼光で天を射た。
『……すべては我が主君、信玄公の復活のために』
●グリモアベース
「もう聞いてるかもしれないけど、『武田二十四将』と呼ばれるオブリビオンが現れたわ。武田信玄に仕えた二十四人の武将たちで、生前のご主人様を復活させようと目論んでるみたい」
前置きもなしに本題に入ると、田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は手元のリモコンを操作してサムライエンパイア世界の地図を投影した。
「場所は遠州――富士山の西にある国って言えば分かりやすいかしら?――南西部にある三方ヶ原よ。オブリビオンたちは二十四か所、個々別々に拠点を作って守りを固めてる。この拠点を襲撃し、まさに信玄を蘇らせようとしてる最中の『二十四将』を討ち取ろうってのが作戦の大筋ね。で、私たちの班が担当するのはココ」
地図上に数ある×印の一つを指さすと、いくつもの資料画像が展開する。
「敵陣の回りには、妖魔化した武器がポルターガイストよろしく飛び回ってるわ。吹けば飛ぶようなザコばかりだけど、百単位の群れが幾つも集まった大群よ」
表示された画像には、ボロボロの刀や槍、弓など様々な武器が飛翔する様が映されていた。その数たるや想像を絶するほどで、遠目には黒雲のように見える。
「いちいち戦ってたらキリがない。――ってことで、江戸幕府から千人ばかり軍隊を借り受けてるわ。彼らに道を切り開いてもらって、あなたたち猟兵は敵陣の中枢まで直行するって算段よ」
千もの侍たちと共に挑む合戦というわけだ。規模の大きさと、その裏に伺える武田信玄の脅威を感じ取って、猟兵たちの表情も自然と引き締まる。
……引き締まったのだが、それを見たユウナはなぜか、気まずそうに言葉を濁した。
「ただ、その……ね? ちょっと問題が…………」
問題? 首を傾げる猟兵たちから視線を逸らし、それまでの緊張感もどこへやらで伊達メガネをいじるユウナ。
「実は……幕府が寄越した軍隊ってのが…………ちょっとポンコツって言うか」
ポンコツ!? これから命を預け合う友軍に対してあんまりな評価だ。一同騒然となる一方、ユウナは吹っ切れた様子で肩をすくめる。
「一応は使える人材を見繕ってもらったはずなんだけど、これがもうステンコテン。道場剣術しか知らないような若造ばっかりで、オブリビオンを前にして完全にビビっちゃってんのよ」
戦国時代が終わってから生まれた彼らにとって、命懸けの戦いなど初めての経験である。相手は、『甲斐の虎』と恐れられた武田信玄の家臣筆頭。おまけに戦場となるのは、彼らが崇拝する徳川家康が武田軍と戦って大敗した土地だというから、不安がる要素は有り余るほどあった。
「そんなわけだから、まずはビビってるサムライたちを鼓舞するところから始めましょう。本来の実力を考えれば、やる気さえあれば周辺の雑魚を抑えておく程度はできる連中よ。安心して露払い役を任せられるように、励ましてやってちょうだい」
疲れたような苦笑いを浮かべつつ、ユウナは猟兵たちをサムライたちの元へ送り届けるためにグリモアの転移門を展開した。
黒姫小旅
どうも黒姫小旅でございます。
此度は速度重視のシナリオとなります。
7月30日(火)時点で、一定数の『【Q】寛永三方ヶ原の戦い』が成功完結していない場合、ヒドイことが起こるそうです。怖いですね。
以下は補足情報
●一章
・NPC
将軍・徳川家光が号令をかけてかき集めたサムライたちです。
武士の子として訓練を受けてきたはずですが、主に精神面の問題で使い物にならなくなっています。
なお、千人とか言ってますが、別に全員を相手にしなくても大丈夫です。
●二章
・集団戦
ひとりでに動く武器の集団で、その姿かたちは多岐にわたります。
戦ってみたい種別・形状・銘、その他諸々のご希望がありましたら、プレイングにどうぞ。無記載の場合は、猟兵の戦闘スタイルに合いそうな武器がランダムで出現します。
●三章
・ボス戦
『武田二十四将』の一人と思われますが、誰かは特定できていません。
第1章 冒険
『三方ヶ原の徳川軍』
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POW : 陣頭に立って力を見せつける事で、徳川軍の戦意を高揚させます
SPD : 兵士一人一人への細やかな配慮や事前準備によって、士気を上昇させます
WIZ : 演説や説得によって、徳川軍のやる気を引き出します
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
孫六・兼元
おー、大阪以来の戦場。武士の本懐、兼元たちのおしごとのときー。ん?信玄?あの腹ぐろぼーずはまだいないって言ってた。なら、三河のおー殿まけてないっぽい。子分と勝頼こぼーず相手なら長篠でいっぱい討取ってる。信玄いない今が武勲の稼ぎどき?目指せ一国一じょ~。
何より、むこーのなまくらより大阪の合戦まで渡り歩いた兼元のほーが名刀、絶対斬れる。さくさく。何だったら【錬成カミヤドリ】で兼元ふくせーして刀としてお手伝いする?30ちょいふくせーできるから一部隊ぐらいできそ。
って感じで説得して(煽って)みる。
【補足】
複製武器一般兵が装備できるなら手伝ってあげたいかなーと、無理なら説得?のみ、アドリブ歓迎で。
●
「おー、久しぶりの戦場。大阪の合戦以来だから……10年くらいぶり?」
合戦を前にした独特の空気感を懐かしんでいるのは孫六・兼元(流転刀旅・f09554)。見てくれ十歳の幼女が何を言っているのかと思われるかもしれないが、これでも彼女は110年ものの刀を本体とするヤドリガミである。
兼元は幕府軍の本陣を歩き回っていたが、顔色の悪い若侍たちが車座になっているのを見つけてトテトテと駆け寄っていく。
「どう考えたって無理だよなぁ」
「あの信玄公を相手に、俺たちなんかが……」
「信玄? あの腹ぐろぼーずは、まだいないって言ってた」
「や、そうだけどよ。いつ蘇ったっておかしくないって話……って誰!?」
気付いたら紛れ込んでいた幼女に、若侍たちは驚愕して飛び退いた。
兼元は一身に視線が集まったところで気にも留めず、ふんぞり胸を張って若侍たちを見渡す。
「信玄がいないなら、三河のおー殿まけてないっぽい。子分と勝頼こぼーず相手なら、いっぱい討取ってる」
「え、そうなの?」
「『長篠の戦い』のことかな。信玄公の死後だが、跡継ぎの勝頼殿と戦って神君家康公と織田信長殿の連合軍が圧勝したんだ」
「そう。つまり、信玄いないなら勝てる。信玄が死んでる今が武勲の稼ぎどき。目指せ一国一城~」
「あーっと……どうなんだろ?」
「言われてみれば、信玄公が死んだ後の武田って……?」
武田信玄はいまだ復活していない。改めてその事実を再確認して、若侍達の表情に変化が現れ始めた。
ここでもう一押し、と兼元はとっておきの切り札を提示する。
「何だったら兼元、刀としてお手伝いするか?」
すらりと鞘から滑り出る、ヤドリガミとしての本体でもあるサムライブレイド。その特徴的な三本杉の刃紋を見せた瞬間だった。
「ちょっ! 関の孫六!?」
若侍たちの目の色が変わった。
「孫六……しかもこれ、まさか二代目兼元ですか!?」「二代目! 歴代で一番のヤツじゃねーか!!」「手伝いって、え、何、まさか貸してもらえるんすか!?」
「お、おう……」
もしかして、刀剣マニアだったのだろうか。予想以上の食い付きぶりに、ちょっと引きながらも兼元は頷く。
「貸してやるのは、ふくせーだけどな? 時間が経ったら消えるけど、この合戦が終わるまでなら、だいじょうぶだと思うぞ?」
「ウッヒョ――ッ!! 二代目兼元を実戦で使えるなんて、夢みたいだァァ!!」
ユーベルコードによって複製された銘刀を受け取って、さっきまでの陰気な面がウソのように狂喜乱舞する若侍たち。
ちょっとこうアレな感じもするが、彼らの熱気は他の兵にも伝染し、ひいては軍全体の士気を上げていくことだろう。……そんな気がした。
大成功
🔵🔵🔵
伊美砂・アクアノート
【SPD】
ーーーま、太平の世よな
いや、皮肉ではなく『良い時代だ』と言ったのさ。家康公も他の大名も、当然のように身内や家臣、主君も斬っていた時代を駆け抜けたのだからね
だが、諸君らが負けて死ねば、戦国の世に逆戻りだぞ? 子が親を殺し、隙あらば裏切る、無法の時代になる。…そんな世に、子や孫を放り出したいかね?
ほら、酒だ
震えてるんなら呑めよ。怖いなら今のうちに叫んでおけよ。死んだら何も言えねえぞ?
ヒトが斬れねぇってンなら、アタシが人肌脱いでやらぁ。(鋼糸で)受け止めてやっから、斬りつけてみなよ。女一人斬り捨てられねぇで、それでも侍かい!?
…と、発破をかける。
あ、あとで無礼な物言いをしたコトは謝罪します
●
「――ほら」
「おわっ!?」
陰鬱な表情で刀の手入れをしていた若侍は、いきなり横から差し出された盃に驚いた様子で顔を上げた。
「美女の酌だ、受け取っとけ」
伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)は盃を押し付けると、持参した徳利から酒を注いでやる。
「震えてるんなら呑めよ。怖いなら今のうちに叫んでおけよ。死んだら何も言えねえぞ?」
「うっ……」
まさに心中を言い当てられて、言葉に詰まる若侍。
強がりさえ出てこないのか。内心で苦笑を漏らしつつ、アクアノートはコキコキと首を鳴らしながら立ち上がる。
「なるほどね。そういうことなら、アタシが一肌脱いでやらぁ。……ひとつ、斬ってこいよ」
「はぁ!?」
仰天の余り、若侍の手から盃が落ちた。
酒が足を濡らすのも気にする余裕もなく、とんでもないことを言い出した女に食って掛かる。
「あ、あんた、いったい何を……!?」
「受け止めてやっから、斬りつけてみなって言ってんだよ。ほらほらどうした、女一人斬り捨てられねぇで、それでも侍かい!?」
「う、ぐぐぐ」
挑発的な言葉に、若侍は顔を真っ赤にして打ち震えて……そして、ずっと手入れしていた刀を振り上げた。
「い、いいだろう。やってやらぁぁぁぁぁ!!」
気勢というよりは悲鳴に近かった。姿勢も太刀筋もなっていない、叩き付けるような斬り込み。それを、アクアノートは微動だにせず、棒立ちのまま受ける。
――ッ!
刃が止まった。無音だった。
若侍は訳も分からず押したり引いたりしていたが、やがて気付いた。
「これは……糸?」
「髪すら揺れぬ凪の閃刃――ってな」
【結界糸・無風陣】。極細の糸による防御結界を展開したアクアノートはニヤリと笑って刀を押し返し、尻餅をついた若侍を見下ろして言った。
「怖かったかい? 諸君らが負けて死ねば、こんなことが当たり前の時代に逆戻りだぞ? 親子も主従も関係なく、女子供も容赦なく殺さなきゃならない、無法の時代だ。……そんな世に、子や孫を放り出したいかね?」
「…………」
言い知れない迫力を帯びた藍色の瞳に貫かれて、若侍は無言のままに立ち上がると、ぎこちない動きで一礼だけしてフラフラと何処かへ去って行ってしまう。
「……ちょっとキツく当たりすぎたかな?」
アクアノートは困ったような顔で頭を掻いた。しかし、去り際の彼には力強い『何か』が芽吹こうとする気配が感じられたように思う。
ここから先は、一人になる時間を与えた方がいいかもしれない。そう考えて、アクアノートは黙って若侍を見送った。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「その凄いヤツまだ復活してないよな?」
なんやかんやで負けた軍に、空っぽの総大将!
さっぱり負ける気がしないな!
まず下地作り!
自分が弱くても大丈夫って気持ちにさせるぞ!
敵の装備は古い! 改良され進化した装備を信じるんだ!
戦法が古い! 研究され尽くした敗北の理由を突きつけろ!
情報も古い! 平和な世になって地勢を調査し放題だった!
敵は戦国最強かもしれないが、今はもう戦国時代じゃない!
そしたら次!
時代の差が、自分にも及んでいると自覚させる!
皆は戦国時代よりいいモン食べてて丈夫だろ!
教育が広まって頭もよくなった!
技だって先人から習い放題だし!
唯一、不安があるとしたら……心か?
じゃあ訊くぞ!
心はあるかー!?
●
「武田信玄なんぞ恐るるにたらず! そもそも、まだ復活してないしな!」
大勢の武士たちの前に立ち、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は熱弁した。
過去の亡霊に尻込みする必要はないのだと。
「敵の時間は、もう百年近く前から止まってる。時代遅れの装備、時代遅れの戦法、時代遅れの情報。いいか、はっきり言っておく。奴らが最強と呼ばれた時代は、とっくに終わってるんだ!」
……本当にそうだろうか? 不安そうに、サムライたちは顔を見合わせる。
生まれて初めての合戦を控えてナーバスになっている気持ちは、そう簡単には切り替わらない。しかし、人を鼓舞することに秀でたフィロメーラの言葉は不思議と聞く者の心に刺さった。
「それに引き換え、皆はどうだ。これでもかってほど研究し、発展させ、改良してきているじゃないか!」
ゆっくりと、確実に。萎れた草花が水を吸い上げて生き返っていくように、フィロメーラの演説を聞くサムライたちの表情に活力が戻り始める。
「自信を持て! 皆は昔よりいいもの食べて、丈夫な体に育った。先人からじっくり教えを受けて、技を磨くこともできた。教育にも恵まれたから、頭もいい。……あとは何だ? 何が揃えば完璧だ? そう、『心』だ! 心さえしゃんと持てれば、もう負ける気がしないな!」
断言した。
自信満々に。
絶対に大丈夫だと。必ず勝てるのだと。自分でも確信し、それが相手にも伝わるようにと想いを込めて、フィロメーラは拳を振り上げて叫んだ。
「じゃあ訊くぞ! 心はあるかー!?」
「お、おー!」
「声が小さい! もう一度!」
「おお――!」
「まだまだぁ!」
「おおぉぉ――――!!」
最初は恥じらいが残っていたが、回数を重ねるごとに声は大きくなり、やがて天に轟く雄叫びとなって大地を震わせた。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
よろしい。
わたしが先頭に立ち、皆の士気を高めるために何か余興めいた事をしようではないか。
とりあえず、なんかすごそうなトコを見せてやれば、こういうすごいのが味方にいるから勝てるだろうと思わせることができるはずなのだ。
三方ヶ原で勝てる、だってこんなに頼もしい味方がほら。
……
ともあれ。
はああああああああああああ(それっぽい気合)
(スーパー変態人発動)
見よ!この光を!
これこそが悪を討ち正義を示す希望の光なのだ!
この光に賭けて誓おうではないか!わたしがかならず敵を破り勝利をもたらすのだと!
だからみんな安心して戦いに臨んでほしいのだ!!
……
ま、まじめなことを言うと頭痛が痛いのだ。
(強調のための重言肯定派)
テラ・ウィンディア
戦いにビビッてどうするんだ…ってちょっと前のおれなら…言うんだろうけど
確かに怖いよなー
でも…励ましたりっておれはやっぱりわからない
だから…味方の力を示そう
本当は技や力を見せるのはあまり良い戦術じゃない
だけど…自分達だけで戦う訳じゃないって事を見せないとな
【属性攻撃】で全身に炎を纏い
ユベコで浮かび炎を纏ったまま陣頭へと飛来しよう
初めての戦いは不安か!だがな…その初心こそが最高の力を見せるだろう
武田が何するものか!
向こうの軍を睨みつけ見据えよう
うん、おれの世界できっと勇者達はこうして立ったんだ
多くの人々を背に…己が倒れれば奴らの刃は護るべき者に届いちまう
(オーラを纏い陣頭にて西軍を見据えるちみっ子
●
いよいよ、出陣の時が近付いてきた。サムライたちはすでに準備を終えて、隊列を組んでいる。
……が、何とも嫌な静けさだ。幾人もの猟兵から激励を受けてきたはずたったが、まだどこかで怯えているのだろう。
「戦いにビビッてどうするんだ……って、ちょっと前のおれなら言うんだろうけど」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は困ったように眉を下げた。
これまで数々の死線を潜ってきたテラには、彼らの心境が痛いほどわかる。怖いだろう、逃げ出したいだろう。そう思うのは至極自然なことで、責められるものではない。
しかし、だからといってどう励ましたらいいだろうか……
上手い言葉が見つからないでいると、一人の青年が進み出た。
「よろしい。ここはわたしにお任せあれ」
「れ、麗刃?」
「はい、テラちゃんはこんなところで奇遇なのだ」
思わぬところで所属旅団の団長と顔を会わせたテラが目を丸くすると、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は、にぱっと破顔した。
「こうなんか、すごそうなトコを見せてやれば、なんかこう勝てるだろうと思わせることができるはずなのだ」
というわけで、柔軟体操イチニのサンシ。軽く体をほぐすと、サムライたちの前に飛び出していき――
「はああああああああああああ!!」
それっぽく気合いを発した。
黒髪が金色に染まってそれっぽく逆立ち、全身からそれっぽいオーラが立ち上ぼる。
「な、何だ、あのアレっぽいあれは!?」
「馬鹿な……奴の戦闘力が上がっていく、だと!?」
「見よ、この光を! これこそ悪を討ち正義を示す希望の光なのだ!」
ざわつくサムライたちへと、麗刃は呼び掛ける。
「この光に懸けて誓おうではないか! わたしがかならず敵を破り、勝利をもたらすのだと!」
「……なるほどな」
麗刃の意図を察して、テラは手を打った。
本当なら、技や力を見せるのはあまり良い手ではないかもしれない。だが、力強い味方がいるということを兵たちに知らしめてやるのは大切だ。
「なら、おれも……。武田が何するものか!」
紅々と燃える火の魔力が、風を喰らって吼えた。
炎を纏ったテラは超重力フィールドを展開して浮かび上がり、陣頭へと飛んで麗刃と並び立つ。
「初めての戦いは不安だろう。だがそれでいい! その初心こそが最高の力を見せるのだから!」
「だからみんな、臆さず戦いに臨んでほしいのだ!!」
穏やかな心を持ち激しい怒りに覚醒したっぽい金色の戦士と、紅蓮を纏い空間を歪ませて浮遊する戦天使のような少女の雄姿に、サムライたちは言葉もない。只々、畏れとも憧憬ともつかぬ感情を胸に見惚れるばかりだ。
……ここらが潮時である。
麗刃とテラは視線を交わしてうなずき合うと、揃って敵陣を指して号令をかけた。
「いくぞ、みんな!」
「出撃なのだァ!!」
●
「うぅ……」
「麗刃、どうした?」
「ま、まじめなことを言うと、頭痛が痛いのだ」
「……おいおい、大丈夫か?」
「『頭痛が痛い』だと重複表現になるけど、強調するため意図的に使うのはアリだと思うのだ」
「……いや、そっちはどうでもいいよ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『兵器百般』
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POW : 騒霊カミヤドリ
【纏っている妖気の色が血のような赤】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ひとりでに動く武器
【念動力で浮遊すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【自身が持つ武器としての機能】で攻撃する。
WIZ : 武器の知恵
技能名「【武器攻撃】【武器受け】【戦闘知識】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
イラスト:童夢
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ついに、戦いの火蓋が切って落とされた。
東軍は徳川幕府軍、約一千人。
対する西軍に、人はない。使い手のない武具だけが、無数に用意されていた。
刃こぼれした刀剣、錆びついた槍、弦が切れそうな弓。その他、とっくに寿命が尽きているような武具の数々が幾千万。それらに目に見えぬ妖気が当てられると、一つ一つがふわりと浮き上がった。
人呼んで『兵器百般』。ひとりでに武器が飛び回る怪異である。
「臆するな、進めェェェ!!」
「雄雄ォォォォォォォォッッ!!!」
怪奇絵巻のような光景に、しかしサムライたちの足は止まらない。
もはや彼らに恐怖や躊躇いはなく、刀や槍を手に鬨の声を上げると、勇猛果敢に攻め入った。
「我らが道を切り開きますゆえ、猟兵殿は本陣を!」
自らも軍馬を駆って怪異を薙ぎ払いながら、指揮官の老武者が怒鳴る。
彼らの奮戦を無駄にしてはならない。一刻も早くケリを付けるため、猟兵たちは真っ直ぐに敵陣の中枢を目指す。
●
一方、西軍の本陣。
陣幕のすぐ外側を警護するように、いくつかの武器が浮遊している。
戦場を飛び回るボロボロの武器たちとはまるで違う、立派な造りをして凄まじい妖気を纏った逸品ぞろいだ。
『あれ、見てごらん。猟兵がやってくるよ。なかなかどうして、イイ男やイイ女ばかりじゃないのさ』
『ギャッハハハ! 雑魚どもの相手は雑魚どもに任せて、一気に大将首を取りに来るつもりだな。いいぜェ、楽しい殺し合いができそうだ!』
『お前たち、はしゃいでいる場合か』
武器たちは好き勝手に声を上げながら、猟兵たちを足止めするために動き出す。
『いくよアンタら! 「直属護衛部隊」の力、存分に見せておやり!』
『今こそ、殿より与えられし役目を果たすとき!』
『オレたち「銘持ち」は、そこらのナマクラとは一味違うぜェ!』
フィロメーラ・アステール
「空を飛べる事と、空で戦える事は別だぞ!」
【空中戦】は、武器本来の姿じゃない!
だから武器の知識を完全には活かせないと思う!
例外は弓矢かな?
という訳で射撃戦がキモになりそうな気がする!
【紲星満ちて集いし灯光】を発動だ!
光精を展開して【破魔】の聖なる光を照射!
敵の妖気を打ち払い、弱体化を狙うぞ!
これは迎撃を誘う【パフォーマンス】でもある!
近接武器が飛んできたら空中【ダンス】であしらう!
普通の武術は空中で技を出す事を想定してないからな!
空中戦機動にはついてこれないはず!
矢で攻撃されたら【オーラ防御】バリアで受け止め!
聖なる力で【武器改造】して【盗み】取る!
光精を宿した輝く矢として、敵にお返しするぞ!
●
「光輝の縁を知るもの、集まれー!」
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、二百を超える光精を召喚して破魔の光を撒き散らしながら、空を翔けた。
自ら浮遊する武器とはいえ、元々は地上戦を想定して造られた物だ。聖なる光で妖気を祓った上で空中戦に持ち込めば、本領は発揮できないはず。もしも例外があるとしたら、地上にいながら攻撃できる物。例えば……
疾ッ!
地上から一本の矢が、フィロメーラ目掛けて放たれた。
「わわっ!?」
舞踊のような体捌きで上半身をよじると、矢は顔を掠めて空の彼方へと消えていく。
頬にじんわりにじむ痛みを噛み締めつつ射手の姿を探すと……いた。色鮮やかな装飾を施された弓が、こちらに照準を合わせている。
『あっはは、よく避けたね!』
二の矢をつがえながら、弓はほがらかに笑った。
『おいらは「桃狩り丸」。一里も離れたところに実ってた桃を、一発で射抜いたことがあるのだよ。……こんな具合にね!』
強射。
ピシッと弦が鋭く鳴って、矢が放たれる。豪速にして正確無比な一射だった。はるか上空を自在に飛翔するフェアリーの小さな体を、過つことなく貫かんとする。
……今度は、避けきれない。
とっさに、フィロメーラは魔法障壁を展開した。
ギャァン! と耳障りな音を立てて鉄の鏃がオーラ防御を貫くも、鼻先三寸ギリギリで止めることに成功。
往生際悪く震動する矢を小さな両手でつかむと、周囲に展開していた光精の一体を呼び寄せて憑依させる。
「それじゃ、お返しだぞ!」
即席合成した輝く聖矢を槍投げよろしく振りかぶり、力いっぱい投擲した。
『くっ……負けるかぁ!』
人間ならば歯軋りでもしてそうな声で桃狩り丸は吼え、正面から射返した。
それぞれ聖光と妖気を纏った二本の矢が、双方の中間でぶつかり合って激しく火花を散らし……
バチンッ!
妖気を纏った矢が爆発四散、フィロメーラの聖矢が一直線に突き抜けて地面に大穴を開ける。
「……よし、決まった!」
砂煙が収まったその跡には、完全に浄化されて物言わぬ道具へと戻った妖弓『桃狩り丸』が転がっていた。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
ぬう。武器が飛んでしゃべるとはブキミなのだ!武器だけに。
(武器の化身的なものは猟兵にもいそうな気もするが……都合の悪いことは忘れよ!)
それはともかく。
この数はまともに相手するのは大変そうなのだ。なんか手を考える必要があるのだ。で、考えた結果。
全部斬ればいいのだ。
相手が銘刀らしいのだ。うらやましいのだ。ならばこちらは質の差を量でカバーするのだ。
そんなわけで武器いっぱい持ってきたのだ。適当に二本持ち、剣刃一閃!二本で二閃!2回攻撃で4閃!武器が斬れなくなったら(実際は気分で)交換!これを敵がいなくなるまでやれば勝ちなのだ。
カミヤドリとやらは理性ない相手なら冷静に対応すればたぶんいけるんじゃまいか。
●
「この数を相手にするのは流石に大変そうなのだ」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は、サムライブレイドの一群に取り囲まれていた。何十と飛び交う刀は見るからに業物であるが、これといって特徴のないシンプルな造形ばかり。
……いや、特徴があるにはあった。
「なんか、同じような刀ばっかりなのだ?」
『いかにも! 我らが銘は「無限習作」。ある刀匠が一年間、形状から大きさ重さに至るまでまったく同じ刀を打ち続けたという逸話を持っている』
「ははあ、ご立派な由来でうらやましいのだ」
うっかり内心を吐露する麗刃だったが、感心しているばかりではない。名だたる銘刀たちを相手にどう対抗したものか、しっかりと考えている。
「質の差は量でカバーするのだ!」
言葉の通り、麗刃は数えきれないほどの刀を持参していた。急揃えなので品質はお察しだが、腰にといわず背中にといわず大量の刀を纏った姿は圧巻の一言。
『数で押し切るか、面白い。……ところで貴様さっき、数でも敵わないみたいなこと言ってなかったか?』
「都合の悪い記憶は消えました!」
潔く言い切って、麗刃は二本刀を抜き放つと敵群へ躍りかかった。
左刀で縦一文字、数本まとめて両断し、右の刀を横に払って赤黒い妖気を吹き飛ばす。斬れ味が落ちたら、すぐ投げ捨てて新品と交換。二刀を広げた回転斬りで一掃した。
「剣刃一閃! ……が両手で二閃。二閃が四閃、四閃が八閃。八が十六、十六が三十二。どんどん斬りまくるの――だ?」
もう何度目か、景気よく刀を投げ捨てたその手が、むなしく空を探る。
「あれ、次の刀……ない? 弾切れなのだァァ!?」
『隙あり!』
「のあっ!?」
愕然として頭をかかえる麗刃は、左右から銘刀が挟み撃ちに斬りかかってきたのをブリッジ姿勢で回避。上下逆さまになった視野に、先ほど捨てた得物を発見して手を伸ばす。
掴んだ。ブリッジのままで跳び上がり、空中で体を捻って半回転。遠心力を込めて、剣を振る。
斬!
すぐ目前まで迫っていた銘刀が、真っ二つになって消し飛んだ。
「おお、まだ斬れるのだ。ノリで手放すものではないなー。文字通り、捨てたものではないのだ」
近くに落ちていた別の刀を拾い、二刀流に戻った麗刃はカラリと笑う。
「さあ、仕切り直しなのだ!」
成功
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黒鋼・ひらり
ふん…空飛ぼうが立派なナリしてようが大層な妖気纏おうが武器は武器…それも銘刀、魔剣、妖刀なんて御大層なら大体金属製…つまり磁性体よね?
なら、私の能力の対象…
襲って来る奴は磁力で弾いて逸らして…場合によっては逆に操って同士討ちよ(念動力、おびき寄せ、吹飛ばし、属性攻撃)
金属製以外の武器が来たら?
その時は義手や転送した斧槍で防御、何なら無理やり耐えるわ(武器受け、激痛耐性)
…そもそも私自身殆ど動かないし理性無く無差別攻撃で飛回る武器なんて寧ろ同士討ちするんじゃない?
散々に攪乱しつつ範囲内に集めた所でUC発動
ここは戦場、あんたら自身も含めて金属には事欠かないでしょ…諸共ぶっ潰したげる!(地形の利用)
●
疾ッ
風を裂いて飛来する鋭矢を、右手で弾く。
「……いちいち、いいとこ狙ってくるわね」
作り物の義手ではあるが痺れるような痛みを覚えて、黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)は顔を顰めた。
『そう言うアンタこそ、よく止めるじゃないか』
矢の主、朱塗りの和弓が愉快そうに声を躍らせる。
『アタシは「紅天狗」ってのさ』
「ベニテング……って、毒キノコの?」
『いかにも“アタり”そうだろ!』
と、和弓を包む邪悪な妖気が血の赤に染まる。
来るか……。高まる警戒心が、ぞわりと逆立った。全方位、囲まれた。
「っ!?」
驚愕して見回すと、これまで防ぎ落してきたはずの矢の数々。そのすべてが本体と同じ赤黒いオーラを帯びて浮遊しているではないか。
そして乱舞。
ある矢は一直線に飛翔し、別の矢はジグザグ不規則に飛び回り、また別の矢は車輪のごとく高速回転。
狙いも何もなっていない、めちゃくちゃに暴れ回る矢の大竜巻に、ひらりは逃げる間もなく呑み込まれた。
『アッハハハ! アタシの矢たちは、キノコの毒より速く回るよ!』
会心の手応えを覚えて高笑いする紅天狗だったが、しかしすぐに気付く。
……矢の竜巻の、様子がおかしい。
完全な無法状態で渦巻いていたところに、一種の秩序が生まれていた。てんでバラバラに動いていた矢が、規則正しく列を作ってスムーズに流れ始める。
『これは……?』
「なるほど、すごい攻撃ね。……だけど、矢の鏃に使われてるのは鉄。だったら、私の独壇場よ」
バチバチッ! 電流が走る。
矢の竜巻の中心で、電磁浮遊しながらひらりは赤瞳を光らせた。
強化人間としてひらりに与えられた異能は『磁力』。自在に磁気を操る彼女にとって、鉄製品は下僕も同然だ。
「まとめてぶっ潰したげる!」
『くっ、んのぉぉぉっっ!!』
制御を奪った矢の群れと、ついでに仲間が砕いた刀槍の破片も引き寄せて、紅天狗めがけて雪崩落としに叩き付ける。紅天狗も矢継ぎ早の射撃で迎え撃つが、圧倒的な物量の前には焼け石に水だ。
「いっけぇぇぇぇぇっっ!!」
ありったけの磁力で強引に押し通し、紅天狗は鉄屑の山に埋葬されたのだった。
成功
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孫六・兼元
ん?銘持ち?兼元のご同輩?そいえば、信玄ぼーずも一刀姉妹が佩刀されてた?むむ、おなじ姉妹刀の孫六、義姉妹刀っぽい之定がいたら一門の恥だからしゅくせー。そこにいたらでてくるーっぽい。
ん、まよいでた姉妹をじょー仏させるのも姉(現存で一番古い筈?1514年辺りで作られたので、認められてる作刀期間より古い)のお役目?いざじんじょーに勝負。
ん、こんな騒乱をおこすことに加担してるからきっと不届き者?刀?なので、【二念仏】で成敗。辞世の句ぐらいはきいてやるー。
ん?ふくせー兼元?きっと、頑張ってる。
【補足】
信玄も佩刀してたので同門対決希望。之定は兄弟の契りを結んだ伝説から。アドリブは大歓迎、二念仏は説明参照。
●
二代目兼元。
美濃国一番とも謳われる刀匠『関の孫六』の二代目で、歴代最高との呼び声高い鍛冶師である。やはり美濃トップの『和泉守兼定』初代の下で修業し、息子の二代目、通称『之定』とは兄弟の契りを交わしたと伝えられている。
『その意味では、お義姉さまとお呼びすべきでしょうか?』
妖気を纏って浮遊する刀は、鈴のなるような声で小首をかしげた。
孫六・兼元(流転刀旅・f09554)は、相手の口ぶりと作刀の特徴から正体を察して、憮然とした表情で鼻を鳴らす。
「おまえ、之定っぽいな。そいえば、信玄ぼーずも佩刀してた?」
『信玄公の差料といえば、鳴神兼定さまなど有名ですね。そこまでの格ではありませんが、ご慧眼の通りワタシも二代目兼定でございます』
刀身を見せびらかすように中空を漂いながら、之定は語る。
『もし鳴神の姉さまをご所望でしたら、信玄公の復活にご協力いただかねばなりませんが……』
「それは、できないそーだん」
『あら、残念』
ピタリ、と之定が止まった。纏っていた妖気が赤黒く染まり、攻撃的に膨れ上がる。天を突くように刀身を振り上げる、大上段らしい姿勢を取った。
『戦うより他はないようですね。……二代目和泉守兼定、参ります』
「こんな騒動に加担してる不届き者、というか不届き刀? 成敗するのも義姉のお役目。……二代目孫六兼元。いざ、じんじょーに」
対する兼元は青眼。切っ先をまっすぐ敵に付けた隙のない構えだ。
凍てつく剣気がみなぎり、お互いを除いたすべてが結界で断絶されたような錯覚の中で、双方微動だにせず睨み合ったまま時間だけが過ぎていく。
……そして、時は満ちた。
『ケェェイ!!』
「んっ!!」
ほぼ同時に動いた。
之定は大上段から縦に一閃。自身の理性すら吹き飛ばした渾身の一撃を叩き込むのを、兼元は幽玄の体捌きで紙一重にかわす。
初手はともに無傷。妖刀はすかさず刃を返して二の太刀を振るい、そして兼元は……――――
――チャキ
小さく鍔を鳴らして納刀した。
『……ぇ? なん、で…………』
呆然と、之定がつぶやく。
なぜ刀を収めるのか。なぜ、己の二撃目が届かなかったのか。
「一刀成敗、二念仏……こんどは、まよわずじょー仏しろ」
之定の刀身に、線が生じた。斜めに一本、その線を境にして、半分ずつ左右にズレていく。
『……なるほど。さすがはお義姉さま。お見逸れしました』
二拍ほど遅れて斬られたを自覚した之定は、それだけ言い残して地面に落下した。
成功
🔵🔵🔴
伊美砂・アクアノート
【SPD オルタナティブ・ダブル】
―――ボク、どちらかというと対人戦特化なんだよなぁ…
なんだよ浮いてる武器って。斬る相手いないじゃん…
ブツクサ文句を言いつつ…分身
【早業10、2回攻撃10、ロープワーク5、】
武器はボクが分銅鎖、オレが極細糸
浮遊する武器を絡めとるように攻撃
や、やりずれぇ…けど、オレの他の武器だと有効打にならねぇし…
けど、泣き言は言えねぇよな
死地に他人を蹴り飛ばしたンだ、オレが文句言えねえ
彼らを逃げられなくしたのは、ボクたちだからね
大勢死ぬかな。きっと死ぬよね
ああ―――面倒だ。こういう時に、敵将の首を落として終わらせられれば楽なのに。こんな武器なんかを相手にしなくちゃいけないなんて
テラ・ウィンディア
戦うべき武器は名刀、妖刀、魔剣の類達
そして此方は
今回は錆鞘の太刀のみを使用
ああ、凄い剣だな
(対する未だ抜いていない太刀の鞘は錆びだらけで戦場のボロボロの武器達と大差なく見えるだろう
おれの太刀はお前らみたいに喋ってはくれない
だが…言いたい事は解るつもりだ
(太刀を抜いてシンプルながら輝く刀身を晒し
お前らに負けるつもりなんぞないってな!
【空中戦】で飛び込み
【第六感・見切り・残像】を組み合わせての可能な限りの回避を試み
【早業】での斬撃による反撃と迎撃に
【串刺し】による刺突
地上
空中でも切り結び合い
あえて囲まれ
その上で止めに串刺しになる瞬間
消えざる過去の痛み発動
空間に刻まれた斬撃による蹂躙!
斬斬斬斬斬斬!
枯井戸・マックス
●連携・アドリブ歓迎
「名のある逸品揃い踏みってとこか。だが躾がなってないな」
魔導遺物の収集家でもある俺にとっては、気儘に動く凶器なんてのは品性の無い獣と同じだ。
「盟友達よ、我が呼びかけに応え来たれ。さあ手本を見せてやりな!」
自身の武器達を召喚して【封印を解く】ことで各々に戦わせつつ、俺はウツシムラマサを手に取りユーベルコード発動。
懐から取り出したスプーンの束を無数の刀に変化させ、敵勢と打ち合わせる。【武器改造、武器受け、一斉発射】
統率が取れた群れには頭目がいるもんだ。
乱戦に乗じて敵の立ち回りから頭目の所在を【情報収集】し、
ウツシムラマサ本体の【属性攻撃】、雷撃を纏った刺突で頭を潰しにかかろう。
●
「だあ、やりづれえ!」「ボク、どっちかというと対人戦特化なのに……」
飛び回る武器たちの攻撃を避けながら、伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)たちは臍を噛んだ。
アクアノート“たち”である。多重人格者である彼女は別人格のひとつを分身体として召喚したのだが、二人がかりでもなお苦戦を強いられていた。
理由は単純。相手取った敵との相性だ。
『ギャッハハハ! そらそら逃げてばかりかァ!』『ちったァ楽しませろや!』
彼女らに斬りかかってくるのは、二振りの野太刀だ。馬でも両断できそうなほど長大で、鍔元にはそれぞれ馬頭鬼と牛頭鬼の彫金が施されている。
斬馬刀『馬頭王』『牛頭王』。それが彼らの銘であった。
対するアクアノートたちの得物は、鎖付き分銅とガラス製の細糸。パワータイプの敵と正面からやり合うには、いささか絶望的だ。
「とはいえ、他の武器じゃ決定打にならねえし……」「……だけど、逃げるわけにもいかないよね」
不利を自覚しながらも、二人は決して退こうとしなかった。
何故なら、彼女らの後方では今でも幕府軍のサムライたちが戦い続けているからだ。彼らに戦えと叱咤激励したのは、他でもないアクアノートである。そんなくせして、いざとなって尻尾を巻くようでは笑い話にもならない。
『シャァァオラァ!!』『死ねヤァァァ!!』
迫りくる破壊の斬撃に、二人のアクアノートは糸と鎖を幾重にも展開して真っ向から受け止めようと――――
「――またの名を銀輪『部隊』。存分に猛り踊れ!」
ばらまかれた無数のスプーンがサムライブライドに変身し、八重垣を作って受け止めた。
「でぇりゃああっ!!」
続けて飛び込んできた黒髪の少女が、錆びついた鞘に収まったままの刀でぶん殴り、野太刀を弾き返す。
「助かった!」「ありがとうよ」
「いや。……それにしても、すごい刀だな」
反動を器用に流して着地したテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、油断なく目を光らせながらも称賛を込めて野太刀を見つめた。
「きっと、並々ならない名刀なんだろう」
「だが、こうも躾がなってないんじゃぁな」
スプーンをもてあそびながら歩いてきた枯井戸・マックス(強欲な喫茶店主・f03382)が、飄々とした態度で肩をすくめる。
魔道遺物の蒐集家たるマックスの目から見れば、どれほど名のある逸品でも、気儘に人を傷つけるようでは品性下劣な畜生も同然だ。
「……それもそうかもな」
テラは自身の太刀を見下ろして呟く。
錆だらけで、前方の名刀たちとは比べ物にならないほどみすぼらしい外見だ。自ら動いたりするわけでもなく、言葉だって発しない。
「それでも、あんな奴らに負けはしない……だよな!」
軽く力を込めれば、音もなくスルリと抜けた。錆び付いた鞘から現れた刀身は、鏡のように研ぎ澄まされた輝きを放っている。
「さあ、行くぞ!」
他を待つことなく単身で突っ込んだ。
疾走の勢いを乗せた刺撃から、息もつかせぬ連続斬りで畳み掛ける。
『チィ……速さは上等だが、甘ェ!』『所詮は錆び付きの鈍刀よ!』
業を煮やしたように、二刀の野太刀が吠えた。長大な刃を振り回して、力任せに薙ぎ払いにかかる。
ガギィン! と重い音がして、テラの体が飛んだ。辛うじて防御はしたが、いかんせん体重の軽いテラは踏ん張りが弱い。軽々と飛ばされた少女を討ち取らんと、野太刀たちが追走し……
「――そこだっ!!」
斬斬斬斬斬斬!
野太刀の飛翔軌道に、突如として『斬撃』が出現した。確定した過去を操るテラのユーベルコードが、過去に空間に刻まれた斬撃を今ここに召喚したのである。
『グアアアッッ!?』『ひ、ひとまず退け!』
前触れもなく現れた斬撃の嵐に呑まれた野太刀たちは、刀身に斬り傷を作りながらも素早い判断で転身。安全圏へと逃れて体勢を立て直そうと……
「待ってたぜ!」
先端に分銅の付いた鎖が、逃げてきた野太刀に絡み付いた。
「残念だけど、ここで終わってもらうよ!」
蜘蛛の糸のように細く丈夫なガラス繊維が、鎖の上から巻き付いて二刀をひとまとめに縛り上げる。
『くっ、こんなもんでェ!』『おい、ちょっと落ち着け! オレが折れちまう!』
アクアノートたちの拘束は巧みだった。片方が暴れても、もう片方が邪魔になって鎖や糸を解くことができない。無理に引きちぎろうとすれば、相方の体を傷つけかねない。非力な分、相手の力を上手に活用した効率的な捕縛だ。
そして、まともに動けないでいる野太刀を、鎖と糸の先端を握ったアクアノートたちは渾身の力を込めて引っ張る。
「もういっぺん、斬られとけ!」「いっけぇぇぇっ!!」
念動力による抵抗を振り切って、公転軌道を描いて振り回す行き先は、テラが召喚した斬撃群の真っ只中だ。
『や、やめろォォォッッ!?』『ギャァァァァァ!?』
斬斬斬斬斬斬!
二度目となる斬撃の嵐に耐えるだけの余力は、野太刀たちには残されていなかった。
絶対切断の概念が芯鉄まで届き、二振りの斬馬刀は細切れの鉄くずと化したのだった。
●
テラとアクアノートたち三人の活躍で野太刀が粉砕されたのを横目に、マックスは駆け出していた。
複製した刀を操って仲間を援護しながら、戦場を注意深く観察し続けていた彼は、ようやく見つけたのだ。
「これだけの大群だ、かならず統率役がいると踏んでいた。そこだぁぁぁ!!」
数本の複製刀を投擲するのは、あくまで目くらまし。容易く斬り返されて砕け散るが、それで稼いだ数秒で肉薄し、無数の複製刀のオリジナルである〈金牛宮ウツシムラマサ〉で斬りかかった。
耳障りな音を立てて、刃金が噛み合う。ギリギリと鍔迫り合いながら、改めてマックスは敵の姿を観察した。
見積もって二尺七寸、先の野太刀には及ばぬがかなり長い太刀だ。妖気を纏った刀身は、いかにも斬れ味の鋭そうな輝きを宿している。
「お前さんが、この武器どもの頭目だな?」
『よくぞ見抜いたな。いかにも、我は直属護衛隊の頭「髭切」である』
「っ!? 髭切だァ!?」
予想を超える名が飛び出して、マックスは仰天した。
銘刀『髭切』。平安の世、源満仲が天下守護のために作らせた二刀の片割れで、罪人の首を刎ねたら顎髭まで切断したことが銘の由来とされている。その後も様々な逸話を遺し、その度に銘を変えたことでも有名で、もし本物であれば国宝級の名刀だ。
「こ、こいつはたまげたが……だからって、やることは変わらねえ。ぶっ潰す!」
『返り討ちだ!』
動揺を抑え込んで、手元の刀の封印解除。超過駆動によって生じた雷電をまとい、牡牛の猛進のごとき勢いで刺突を放った。
髭切も同様に突き。マックスの太刀筋に重ねて、乗り上げ、喉を貫く軌道でカウンターを見舞う。
「……マズっ!?」
殺られる、マックスは確信した。歴然たる技量の差。こと剣術に関しては、どうあがいても敵わない。
……だから、剣術には頼らないことにした。
「ウツシムラマサ!」
叫ぶは、手中の妖刀の銘。封じ込めた荒魂の力を限界まで、解き放つ。
バリバリバリバリッッ!!
目がくらみ耳をつんざくほどの電光雷撃が生まれた。
凄まじい光と音が戦場を満たして、ゆっくりと収まっていったその後には……
「ビッグネームの割に大したことねえな。本当に伝説の名刀か?」
拍子抜けしたような表情で、刀の峰で肩をたたくマックスの姿があった。
髭切はどこへ消し飛んだのか見当たらないが、代わりに西軍本陣を囲う陣幕の一カ所に黒焦げた大穴が空いている。
「さて、と。頭目は殺ったし、他の所も片はつきそうだな。しかし、髭切ねぇ。たいそうな銘だが、武田信玄と何か関わりでもあったか……っとわぁ!?」
思考は唐突に遮られた。
ゴウ、と暴風が本陣の内より巻き起こり、視界を遮っていた陣幕を吹き飛ばす。
「な、何が起こった!?」
駆け付けたテラが、目を丸くする。
続いてやってきたアクアノートが、吹き荒ぶ風の向こうで立ち上がる黒影を見止めて、合点がいったように頷いた。
「なるほど。あれが大将首だね。これでちょっとは、やりやすくなりそうだ」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『戦国武将』
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POW : 合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:酉作
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
豪風で陣幕を吹き飛ばし、悠然と歩み出たのは陣羽織の男だった。
『よもや、髭切を折られるとは。この時代にも、真なるモノノフがおったということか……』
男は妖気の絶えた刀の残骸を手に、感心した様子で呟く。
『儂の全力をもってしても敵わぬやもしれぬな。……しかし、信玄公の復活まであと少し。その時間くらいは稼いで見せよう!!』
炯々と瞳を輝かせ、やおら陣羽織を脱ぎ捨てた。惜しみ無く衆目に晒された筋骨隆々たる肉体には、生々しい傷跡が数えること27。
『聞けぃ! 我こそは、武田二十四将の末席にして甲陽の五名臣がひとり。多田大権現満仲の子、源頼光。頼光の孫、多田頼綱の流れをくむ者――』
名乗りを上げる男のもとへ、どこからともなく武者鎧が飛来。
合体巨大化していくなかで、真っ二つに折れていた妖刀が再生し、背後には弓矢や火縄銃を担いだ足軽部隊が出現する。
『――足軽大将、多田淡路守三八郎満頼。推して参る!!』
鬼斬りや天狗退治など様々な伝説を残した猛将、多田・満頼。ついに全貌を顕した大将は、凄まじい気迫でもって猟兵たちを睥睨した。
『信虎公、信玄公の親子二代に渡って仕えし足軽部隊。そして、我が多田家の始祖に由来する銘刀「髭切」の力を思い知らせてくれる!』
フィロメーラ・アステール
「こいつは手ごわそうだぞ!」
人外の者と戦った経験があるみたいだな!
すると下手なまやかしは避けた方がいいかな?
ここは【勇気】を出して、接近戦を仕掛けてみよう!
【残像】のスピードで接近する!
敵は巨大化した!
つまり、手足の内側に入り込みやすくなった!
入り込んでしまうことで【敵を盾にする】……えっと。
敵は自分の身体がジャマになって、全力を発揮しにくいはず!
一方で、不意の動きに当たりやすくなる危険もあるけど!
【第六感】の導きと【気合い】避けの合わせ技で乗り切る!
敵の周囲を飛び回って気を惹き、味方を支援しよう!
攻撃チャンスが来たら【聖星辰・飛龍段波】だ!
【全力魔法】の光のオーラを乗せて【衝撃波】を放つぞ!
●
故人にいわく、一足進め先は極楽、と。
「敵の懐の内こそが、一番の安全地帯ってな!」
雨あられに降り注ぐ矢弾にも臆することなく、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は果敢に前へ出る。
妖精の翼を羽ばたかせて集中砲火をかいくぐり、一騎駆けに敵将へと肉薄した。
『ぬう、これは!?』
「大きくなった分、近づかれたら戦いづらいんじゃないか?」
フェアリーならではの小さな体を活かして、甲冑の陰など巧みに死角を取りながら敵の巨躯にまとわりつく。
武将、多田満頼はじれったそうに手足を振り回して跳ね飛ばそうとするが、体長にして十分の一を下回る小柄な妖精を捕らえるのは簡単でない。
『ええい、振り払うことができぬというなら……来やれ、【合戦具足】!』
満頼が叫ぶと、周囲に散乱していた武器の残骸が浮き上がった。折れた刀槍が磁力に引かれるように集まってきて、紅の甲冑に取り込まれていく。
合体、変形が始まった。
「な、うわっ!?」
右手甲の陰に身をひそめていたフィロメーラに狼狽が浮いた。
高速で組み変わっていく武者鎧が、外殻にくっついていたフィロメーラの体を掴まえたのだ。慌てて逃げようとするが間に合わず、そのまま内部に飲み込まれてしまう。
『くかか! そんなに儂から離れがたいなら、内に塗り固めてやるわ!』
囚われの妖精が中から鎧を叩きながら何かを喚いているが、無駄なあがきであろう。
満頼は呵々大笑し、次なる敵を探して視線を巡らし……
爆ッ!!
唐突に右腕が爆発。内側から手甲が弾け飛んで、黒煙が上がった。
「……物理のお勉強だ。爆弾ってのは、密閉空間の方が破壊力が増すんだよ!」
全身全霊の光オーラを乗せた衝撃波、【聖星辰・飛龍段波】の極大攻撃でピンチからの大逆転を果たしたフィロメーラは、傷付いた右腕を抱える戦国武将を不敵に見下ろした。
成功
🔵🔵🔴
火土金水・明
「せっかく戦も終わって平和な世界になったのに、武田信玄に復活されても迷惑なだけです。」
【WIZ】で攻撃です。攻撃は【フェイント】を掛けつつ【先制攻撃】で【高速詠唱】した【破魔】の【属性攻撃】の【全力魔法】の【サンダーボルト】を【範囲攻撃】にして、『多田満頼』と足軽部隊を巻き込めるようにし纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「あなたも再び骸の海へ戻りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●
「せっかく戦も終わって平和な世界になったのに、武田信玄なんて復活しても迷惑なだけです」
『そう思うなら、力づくで止めてみせい! 行く手に立ち塞がるものは、武威でもって打ち砕いて進むのが武士の在り方よ!』
「……ですから、そんな時代は終わったと言っているんです」
火土金水・明(人間のウィザード・f01561)はあきれたように嘆息した。
話し合える相手ではないと割り切って、おもむろに右手を持ち上げると敵軍を指さす。
「――受けよ、天からの贈り物!」
雷が、落ちた。
紫電が閃き轟音が響き渡って、骸の海からよみがえった戦国武将と配下一同を丸ごと高圧電流が呑み込んだ。明の魔力が付与された電光雷撃は広範囲に拡散し、邪悪な妖気を電気分解しながら空気の匂いを変えていき……
――満を持して再放電。
大気が帯びた電気エネルギーを、破壊の力に変えて解放した。
落雷した後からもう一撃を放つ、二段構えの雷魔法。明が磨き続けてきた技能の数々を惜しみなくつぎ込んだ大技だ。大将の満頼はまだしも、配下の足軽たちは耐えきれるわけもなく悲鳴を上げて消滅していく。
「部下の人たちは骸の海へと帰ったようですね」
二連続の雷撃が収まった後は、その場に残っていた静電気をオーラ障壁として全身にまとい、陽炎のように空間を歪めて虚像の分身を作って反撃に備える。
先制攻撃は上々。しかし一切油断することなく、明は武将・多田満頼を睨みつけた。
「さあ、次はあなたの番です」
成功
🔵🔵🔴
テラ・ウィンディア
…あの名刀髭切に…彼の坂田金時も従えた源雷光の血筋の英雄か
それが己の役目を徹し…武田信玄に尽くす
武田信玄とは…素晴らしい人だったんだろうな
だが…オブビリオンとなってはその心も歪められる、か
ああ…故に
挑ませて貰う
おれもまた最強を目指す身だからな
モードグランディア発動
【見切り・第六感・残像】を駆使して可能な限り回避を試
【空中戦】で空中機動を強化
【属性攻撃】で炎を錆鞘の太刀に付与
髭切といったか!だがおれの剣は無銘だがそれでも…臆する太刀ではないぞ!
【早業】での神速斬撃
【串刺し】の技能を利用した牙突
常に【戦闘知識】と…戦闘経験で動きを把握しながら必殺の斬撃を狙う!
身を犠牲にしようと我が一撃を届かせる!
●
『……あと少し。少しの時間さえ稼げれば…………』
鎧の一部が壊され全身を雷に焼かれながらも、満頼の闘志は一向に衰えない。
もとより彼が目的としているのは、あくまで時間稼ぎ。主君が復活するまで生き残る事さえできればいいのであって、負傷など気にも留めていなかった。
「そこまで、尽くすのか」
心を動かされたように、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は感嘆の声を漏らした。
家来を見れば主の質もおのずと知れる。これほどの男が一つの駒として役目に徹するのだから、武田信玄とはよほどの大器だったのだろう。
『当然のことよ。他国出身にもかかわらず、先代の信虎公には三十三将に取り立てていただき、信玄公もまた厚遇してくださった。そのご恩に報いるためならば……』
鉄兜の奥に光る双眸は、どこまでも真っ直ぐで純粋だ。
その忠義は称賛に値する……だからこそ、テラは哀しかった。
「せっかくの心も歪んでしまう、これがオブリビオンか。……ああ、故に。挑ませて貰うよ。同情じゃない。最強を目指す、挑戦者の一人として!」
ズンッ!
足元の土が陥没し、テラは超高速で飛翔した。まるで曳光弾のように炎の軌跡を描きながら、〈錆鞘之太刀〉を抜き放つ。
「おおおぉぉぉぉ!!」
『ぬうん!』
超重力フィールドを纏った猛進の勢いを集中させた片手一本突きが、満頼の振るう剛剣と正面から衝突した。
『ぐぅ……!? 粗末な拵えだが、どうしてどうして尋常な太刀ではないな!』
「髭切といったか、あんたの名刀と違って無銘だが……それで尻込みするような太刀ではないぞ!」
鍔迫り合いながら言葉を交わすのは一瞬で、均衡は即座に崩れる。
崩したのはテラだ。急な脱力で敵刃を上滑りさせて、残像を置き去りに懐へと飛び込んだ。
「今度こそ、届けぇぇっ!!」
神速の払い胴。
巨大な鎧武者の脇を翔け抜ける刹那、がら空きの横腹に斬撃を叩きこむ。
……手応えあり!
成功
🔵🔵🔴
黒鋼・ひらり
ふん、悪の大将のお出ましって訳ね
色々背負ってる様子だけどぶっ潰させて貰うわ
そっちが銘刀なら私も得物…巨大鉄球と鎖を連結し鎖鉄球モードで対峙
磁力反発による加速や跳躍(ダッシュ、ジャンプ)で攪乱しながら磁力を込めた(属性攻撃)鎖鉄球を繰り出すわよ(投擲、怪力、ロープワーク、鎧砕き)
無機物と合体して巨大化するようだけれど、素材が武器の残骸ならさっきと同じ事…弾いて、逸らして、跳ね飛ばして(念動力、吹飛ばし)、何なら合体に使う残骸を引寄せて妨害するのもいいわね(おびき寄せ)
トドメはUCによる渾身の一撃
鎖を絡み付かせつつ磁力と怪力で無理矢理引寄せた所を…全力で振り被った鉄球でもって叩き潰してあげるわ
大豪傑・麗刃
さすがは武田軍の武将。実にたけだけしいのだ。
そして淡路守殿とおっしゃる。さすがにタダモノではなさそうなのだ。多田だけに。
……
それはともかく。
おまえみたいなのがいるとわたしは安心してネタにも走れないのだ!
わたしは怒ったのだ~~!!!!!!
(スーパー変態人発動)
んで!右手に刀2本!左手に本人は斧と脇差(と言うには大きすぎる剣)!これをもって全力で思いっきり突っ込み思いっきりブッた斬るだけなのだ!
相手はおおきくなるらしいけど、おおきくなればその分当たりやすくなるだけなのだ!攻撃はまあ、ダッシュ力活かしたり残像だとかしたりして回避すればなんとかなんじゃね、たぶん。
●
「はああああああああああああ!!」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)から噴き上がる闘気が彼の黒髪を逆立て、体が金色に染まった。本日二回目の【スーパー変態人】発動である。
「わたしは怒ったのだ~~!!!!!!」
書いて字のごとく、怒髪衝天。いったい何が、彼を怒らせているのか……?
「おまえみたいなのがいると、安心してネタにも走れないのだ!」
『笑止! 我らオブリビオンにとって唯一無二の脅威たる猟兵が、笑いなぞ取って何となる!?』
「『笑止』ってことは笑いが止まらないってことで、ウケてるなら万事オーケー……」
「あんたら、どこまで脱線するのよ」
どこか呆れ顔で、黒鋼・ひらり(鐵の彗星・f18062)がツッコんだ。
「ともかく! そっちにも色々と背負うものがあるみたいだけど、ぶっ潰させてもらうわ。覚悟なさい!」
ビシッと人差し指を突き付けて軌道修正。ネクタイピン型の転送装置を起動して、別空間に保管してある愛用武器を召喚した。
その名も【グレートコメット】。武骨なクロガネの巨大鉄球だ。右腕に巻いてある漆黒の鎖と連結した鎖鉄球モードで、いざ勝負。
『来いやァァッ!!』
駆け込んでくる二人の猟兵に、満頼は吠えた。
名刀『髭切』を大きく振り上げて、切っ先は頭部を避けて横手に落とす。鎧兜が邪魔で真上へ振りかぶれないゆえの変則上段の構え。
そして、斬る。
地面を砕く踏み込みからの袈裟一閃。実体なき概念すら斬り捨てかねない怪力乱神の一太刀に対して猟兵たちは……
「おまえが斬ったのは残像なのだ!」
ゴールドに輝く麗刃は残光を目眩ましに走り抜け、
「――【マクスウエル】起動、磁力反発!」
ひらりは能力制御システムを呼び起こして超磁場を形成。我が身を弾き飛ばすことで斬殺軌道から逃れた。
『やりおる!』
空振りに終わった満頼は、即座に次の手を打つ。ユーベルコード【合戦具足】、周囲に散らばる武器の残骸を取り込み、甲冑を補修強化しようと……
「私の前で、それは悪手よ!」
『ぬ!?』
ひらりが磁力操作の出力を上げた。
広範囲に展開された磁力フィールドが、満頼に引き寄せられようとしていた武器たちを絡めとり、効果範囲の外へと吹き飛ばしていく。磁力が効きづらい金属や岩石、砂などは防ぎきれずに取り込まれてしまったが、装甲の回復およびパワーアップは想定されたものよりはるかに小さい。
……そして何より、こちらの間合いに持ち込むだけの隙が生まれた。
「こんだけ大きな相手なら、距離さえ詰めてしまえば攻撃の外れようがないのだ!」
まずは麗刃。
右片手で刀を二本まとめてふん掴み、駆け寄りざまに斬りつける。火花を散らして甲冑を引き裂き、勢い余って一回転――からの左!
やはり片手の一つで馬鹿デカい戦斧と脇差し(とは名ばかりの片手半剣)を一緒に握り、回し裏拳の要領で叩きつけた。
背筋が粟立ちそうな破砕音を立てて裂傷が二筋、先の刀傷と合わせて四筋の傷が鎧に刻まれる。
「そんじゃ、あとはお願いしますのだ先生!」
「任せなさい!」
麗刃が飛び退くのに合わせて、ひらりが出る。
磁気を帯びた黒鎖がジャラリとうねって鋼の鎧に絡み付き、動きが鈍ったところへ巨大鉄球をぶちかました。
グワァァァァァァンン!!
大質量のクロガネが直撃した。地形すら変える強打をもろに喰らって、土手腹に刻まれた野獣の爪痕のような裂け目から全身へと無数のヒビが伸びていく。
『あ、ぐおおお!? おのれぇぇぇぇ!!』
戦国武将の絶叫を背景に、巨大なる合戦具足が音を立てて崩壊した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
孫六・兼元
ほむ、髭切…鬼切丸?なら、兼元とどっちが斬れるかためしてみるのも一興。異朝の鍛冶師の作刀より、関の孫六のほーが古刀最上作と戦場でしらしめるっぽい。
ん、長さは不利、でも五尺前後の長いのにうちかった兼元もいる。姉ができないどーりなし、兼元の真柄切ここに再現。
なので、兼元の遣い手になれそな猟兵いたらつかってもらうほーこーで。兼元しょせんただの刀だし。 いなそなら自分で居合の機会ねらうっぽい。
【補足】
連携、アドリブ大歓迎。兼元の真の姿ってどー考えても打刀なので、誰かに使われるの希望。『真柄切』は自分で動くより差料して貰ってここぞと言う時に抜刀してくれるとかっこいーかなと、刀的な活躍としても。
伊美砂・アクアノート
【SPD 結界糸・無風陣】
うーむ、拙者は武士とかそんな立派なモンでは無いでゴザルからなー。どちらかと言えば、そちらの言葉で乱波、透波と呼ばれる存在に近いのでゴザルよ…当世風に呼べば『ニンジャ』でゴザルな。
【暗殺11、罠使い10、毒使い10、物を隠す5、だまし討ち5、フェイント5】…勇猛果敢?一騎当千? 素晴らしい心意気だね。だけど、ボクは卑怯卑劣な戦法を使わせてもらうよ。
毒と手榴弾を利用したトラップを設置。どちらかというと周辺兵士の霊を罠に引っ掛ける。……隙が見えたら、迷わず飛び込んで首を狙う。悪いが、オレの興味は味方部隊の損害の最小化だ。あとついでに武功も欲しいんで素直に斬られてくれねェか?
●
『ぐぅ……ま、まだだァ!』
甲冑を失い、今にも倒れそうなほどの傷を負っても、満頼は戦いを止めようとはしなかった。
『奥義、【乱世斬】!』
がむしゃらに振り回しているように見えて、一太刀一太刀が必殺の鋭さを持つ連続斬り。その威力たるや凄まじく、巻き起こる剣風すらも斬撃力を帯びた衝撃波となって破壊の限りを尽くし……――――
刃に伝わるかすかな感触。無数の糸が切れる音。そして……
BANG!!
爆炎と豪風、そして異臭を放つ煙が武将を包み込んだ。
いつの間にか戦場に仕掛けられていたトラップ群だ。炸裂したのは手榴弾と、もう一種類。
『ぐぬ!? こ、これは……』
煙を吸い込んだ満頼は、肺臓がよじれるような苦痛に呻いた。
『毒か!?』
「ご名答」
爆煙の向こうから姿を現し、ほくそ笑むのは伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)。
「勇猛果敢、一騎当千、大いに結構。だけどボクは、卑怯卑劣な戦法でやらせてもらうよ」
『ぬん!』
苦し紛れに放たれた衝撃波を、アクアノートは極細糸を束ねた防御結界で受け、バックステップで威力を殺す。ついでにくるりとターンを決めると、その表情がガラリと変わる。
「なんといっても拙者、武士とかそんな立派なモンでは無いでゴザルからなー。そちらの言葉で乱波、透波……当世風に呼べば『ニンジャ』でゴザルゆえ」
『しゃらくさい!』
続けざまの薙ぎ払いはトンボをきって飛び越えて、再び表情が豹変する。
「悪いが、オレの興味は味方部隊の損害の最小化だ。ついでに武功も挙げれたら言うことなし!」
『キェェ!』
渾身の刺突が命中する寸前で高速移動を発動。一点集中により視野が狭まった隙をついて、死角を取る。
『ど、どこに消えた!?』
「……訊かれて答えるバカはいねえよ」
敵を見失った満頼が慌てて周囲を見渡すのを見下ろしつつ、一跳びで頭上を奪ったアクアノートは、左の腰元に手を伸ばした。
そこにあるのは、一振りのサムライブレイド。搦め手を好む彼女を思えば似つかわしくない“まっとうな”近接武器は、たまさか同行することになった他人から託された物だ。
「頼むぞ」
「ん、こちらこそ」
鯉口を切りながらささやくと、刀が答えた。文字通り、言葉を発して。
「昔から、剣に従うようにのみ斬るべし、っぽいこと言ったとか言わないとか。まあそんなわけで、技についてはこっちに任せろー。でも、しょせんはただの刀だから、やっぱり遣い手ありきになる」
「わかった。やってみるよ」
アクアノートは頷いて、一息に刀を抜き放った。
露わとなった刀身、二尺三寸五分。刃金に浮かぶは言わずと知れたる三本杉。天下に聞こえる最上大業物、二代目関の孫六である。
ヤドリガミとして魂を得て、猟兵に覚醒した孫六・兼元(流転刀旅・f09554)が、仮初めの人型を捨てて本性である刀の姿を顕したのが、それであった。
『ぬ、上か!』
兼元が鞘の内にて溜め続けていた力が抜刀と同時に解放され、気付いた満頼が頭上を仰ぐが、もう遅い。
「大将首もらったぁぁっ!!」
「かくごー!」
大上段に振りかぶられた兼元が、動いた。
アクアノートは手の平から伝わる気配を頼りに兼元を追う。少しでも斬撃に体重を乗せられるように、少しでも剣速が減じないように。自分に出来る最大効率の動きでもって、兼元の刃筋に合わせて体を捌く。
「――いける!」
遣い手の全身と全霊が刃にのしかかる、刀剣にしか分からない感覚に酔いしれながら、兼元は一筋の光となって駆け抜けた。
――――ッ!!
わずかな刃風、アクアノートの着地。そして、無音。
それまでの死闘がまるでウソだったかのように、戦場がシンと静まり返った。
満頼がグラと傾いで、名刀『髭切』がピキと軋んで……
『……、…………み、見事』
武将の首とその佩刀は、まったく同時に落下した。
「……すげぇ、首落とすついでに、刀まで斬っちまった」
「髭切も似たようなことやったって言うしな? 異朝の鍛冶師の作刀にできたことが、関の孫六にできないどーりなし」
「そういうものなのかしら?」
コロコロと人格を変えながら呆然とするアクアノートの手中で、兼元は勝ち誇ったように刃を煌めかせた。
●
それから、少し呼吸を整えて。
「おや、なんでござろう」
地面に転がっていた満頼の首級の傍に何か落ちているのを、アクアノートが拾い上げた。
「まきもの?」
横から人型に戻った兼元が覗き込む。
パッと見た限りでは、ごく普通の巻き物のようだった。少しばかり血で汚れてしまっているが丁寧な作りで、『第六天魔軍将図』と表題がついている。紐解いて、中身に目を通してみると、『偉人武将軍団』なる武将たちが列記された名簿であるらしい。
「だいろく……もしかして、織田信長と何か関係が?」
「ん、持って帰ったほーが良いっぽい」
もしかしたら、大変なものを手に入れたかもしれない。そんな予感を胸に、二人は顔を見合わせた。
【END】
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴