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命を弄ぶモノ

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●薄暗い廃墟
 村から離れた所にある薄暗い廃墟の裏口で、二人の子供がそっと屋敷を眺めていた。
「ねぇリアン、もう帰ろうよ」
 涙を浮かべながら人狼の少年に声を掛ける人間の少女。ここに着くまでの間に聞かされた何度目かの泣き声に、少年は溜息を吐きながら少女へと向き直る。
「何言ってるんだよ、ちぃ。『廃墟には人狼を食べちゃうお化けが居る』とか言う大人達の言葉を信じるのかよ。そんなの居るわけないだろ?」
「でも危ないよ。本当に居たら、ちぃは平気でもリアンは食べられちゃうんだよ?」
 本格的に泣き出した少女に、少年はぽんぽんと頭を撫でる。
「分かった分かった。廃墟の中を覗いたら帰るから。それで良いだろ?」
 少年が引かないのを見て、少女はこくんと頷く。少女が納得したのを見て、少年は駆け足で廃墟へと近寄ると、身を乗り出して窓から中を覗き込む。
 薄暗い廃墟の中、少年の視界に映るのは埃塗れの家具と、室内で蠢く何か。
「良く見えないな……中に入らないと駄目かな……」
「ほぅ……人狼病の感染者か。ならば治療法の発見に役立って貰おうか」
「え……?」
 中を見るのに夢中になってた少年は、近くから聞こえた声にはっとして、意識をそちらへと向ける。
 その場に立つ白衣を纏い、血に染まったその人は少年へと枷を投げ付け、その枷に捕らわれた少年はそのまま無力化されその場に倒れこんだ。
「リアン!」
 倒れこんだ少年を抱き廃墟の中に入っていくのを見て、少女も慌てて少年の後を追う。
 少年と白衣の医師を追って表側へと回った少女の視界に、開けた墓地と彷徨う首の無い騎士の亡霊が映し出される。
「あ……あ……」
 その光景に、少女の足は立ち竦む。そんな少女を見つけた首無し騎士達が少女の周囲へと集まり、亡霊達が振り上げた剣は少女の首と胴体を無残に斬り離した。
 そして生者の居なくなったその庭に、捕らわれた少年の絶叫が響き渡った。

●グリモアベース
「皆集まってくれ。ダークセイヴァー世界で事件が起きた」
 手にしたグリモアを見ながら、コーダ・アルバート(f02444)は近くに居た猟兵達に声を掛ける。
「場所は人の住む村の近く、とある医者が住んでいた廃墟で事は起きる」
 村の子供が大人達に内緒で廃墟探索に出かけてしまう。そこで、オブリビオンと化した医者に見つかって殺されてしまうというものだ。
「その医者は、生前から人狼病の治療法を探すと言っては人狼を捕らえ、非人道的な実験を繰り返し、ついにはその実験を受け入れられなかった一般人に殺された。それがオブリビオンとなって蘇り、再び同じ事を繰り返しているようだ」
 住処としている廃墟の奥で、医者は人狼を捕らえては非人道的な実験を繰り返し、廃墟の中は実験の犠牲者達が蠢いている。
 廃墟の庭は墓地になっていて、再びこの医者を倒そうと立ち上がったものの返り討ちにあい、首を刎ねられた戦士達の亡霊達で溢れている。
 子供達の到着を阻止した所で、医者は実験台にする人狼を求めて村へ降りてしまう。
 そうなれば、被害は更に大きくなってしまうだろう。
「だから、今から皆を子供達が来る前の廃墟へと転移させる。子供達が廃墟に到達する前に、問題のオブリビオンを倒して欲しい」
 他の人狼で実験中なのか、現場に到着した時ならば医者は廃墟からは出てこない。
 庭で彷徨っている首なし騎士を逸し廃墟へと向かい、実験の犠牲者達の群れを突破して、廃墟に居る医者を倒すのが今回の目的だと、コーダは猟兵達に告げる。
「これ以上の被害を出さないためにも、今回の件、宜しく頼む」
 コーダは猟兵達に頭を下げると、集まってくれた猟兵達を転移させていった。


早瀬諒
 オープニングを読んで頂き有難うございます。早瀬諒です。
 今回のシナリオはダークセイヴァー世界の廃墟の中で、非人道的な実験を繰り返すオブリビオンを討伐するのが目的となっております。

 第1章で、庭を彷徨う首無し騎士達をねじ伏せ、
 第2章で、廃墟内に蠢く、弄ばれた肉の玩具達と戦い、
 第3章で、妄執に取り付かれた医者を倒すというシナリオになっております。

 これ以上の悲劇を起こさない為、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『首なし騎士の亡霊』

POW   :    力でねじ伏せる。

SPD   :    速さでねじ伏せる。

WIZ   :    魔力でねじ伏せる。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●廃墟の入り口

 グリモア猟兵の転移によって猟兵達が姿を現したのは、広大な墓地と彷徨い続ける首無し騎士の亡霊の姿。
 墓地となった庭の真ん中辺りに見える、すっかり廃墟と化した屋敷の入り口が猟兵達を待ち構えているように開かれていた。
 猟兵が現れた事を察した騎士の亡霊達は、仲間を増やそうとおもむろに猟兵の下へと集いだす。
 ここを突破しなければ、廃墟となった屋敷へ到達出来ない。
 猟兵達は墓地を抜けるため、戦闘準備を整え墓地へと足を踏み入れた。
ユリウス・リウィウス
ふん、首無し騎士の亡霊か。いいだろう、俺に降れ。そうすれば、お前達の無念を晴らしてやるぞ、なあ、おい。
「生命力吸収」効果の死霊の霧を展開しつつ、亡霊騎士団を召喚。数には数で、死者には死者で対抗させてもらう。
敵の技量がこちら側より上なら、三体ずつ合体させよう。それで戦線を支えろ。

戦闘の流れの分かれ目と見えたら、虚空斬を一閃。敵陣に切れ目を入れる。後は亡霊騎士団の全軍突撃で蹂躙するまで。

俺自身も双剣での「なぎ払い」「鎧無視攻撃」「鎧砕き」と「武器受け」「カウンター」で前線に立つ。
味方には、首のある死者を攻撃しないよう徹底しておかないとな。同士討ちされたらたまらん。

これで制圧か? なら、突入するぞ。



●廃墟への入り口

 一番最初に足を踏み入れたユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)の姿を見るなり、新たな仲間を増やそうと襲い掛かる首無し騎士の亡霊達。
「ふん、首無し騎士の亡霊か。いいだろう、俺に降れ。そうすれば、お前達の無念を晴らしてやるぞ、なあ、おい」
 自身に襲い掛かる亡霊達にそう告げると、ユリウスはユーベルコードを発動する。
「苦しみのうちに斃れた死霊達よ。その怨念をもって憎き命をとり殺せ」
 ユリウスによって巻き起こされる死者の怨念を孕んだ冷たい死霊の霧は、周囲を取り囲む首無し騎士の亡霊の生命力を奪いさる。
 そのまま消滅していく首無し騎士の亡霊達。それでも次から次へと現れ続ける首無し騎士の亡霊に舌打ちすると、ユリウスは別のユーベルコードを発動させる。
「数には数で、死者には死者で対抗させてもらう。『死の顎に囚われ迷う怨念の塊どもよ、汝らの憎悪をもって偽りの生命に終焉を与えよ』」
 ユリウスの言葉に呼応するように、次々に姿を現す長剣と板金鎧を装備したゾンビと、長槍と丸盾を装備した骸骨兵による亡霊騎士団。
 言葉通り数には数をもって、首無し騎士の亡霊達に襲い掛かるユリウスの亡霊騎士団。
 ユリウス自身も手にした双剣で、迫り来る首無し騎士の亡霊の剣を薙ぎ払う。
「禍太刀の一閃だ。喰らっとけ」
 黒剣で横薙ぎに払えば、真っ二つに分かれ消えていく亡霊達。
「これで制圧か?味方と同士討ちになってもたまらん。このまま突入するぞ」
 周囲の敵を討ち果たした所で、ユリウスは亡霊騎士団を率いて先へと進んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花盛・乙女
子供を犠牲にして、何が医者だというのだ。
私が最も許せん手合いだな。
情けも容赦もしてやるわけにはいかない。

さて、目の前にあるは騎士の亡霊か。
騎士…私の知る猟兵の騎士達は皆誇りを持った、清廉とした者ばかりだ。
貴様らもきっと同様に、騎士然としていたのだろう。
だがしかし、彷徨うその姿は無様としか言いようがない。
故に斬る。彷徨う無様を晒すことなく、再び眠りにつけるように。

この羅刹女の【黒椿】と【乙女】にてその魂を鎮めよう。
意思があるならば、貴様らが騎士ならば、全力を賭すがいい。
不本意であろうが与えられた二度目の生のようなものだ。
悪道に落ちず、騎士然として今一度眠りにつくが良い。

■共闘アドリブ歓迎



●騎士の道

「目の前にあるは騎士の亡霊か……私の知る猟兵の騎士達は皆誇りを持った、清廉とした者ばかりだ。貴様らも生前は同様に、騎士然としていたのだろう」
 花盛・乙女(羅刹女・f00399)は、目の前の墓地を彷徨うだけの亡霊達を前にぽつりと言葉を漏らす。
 意思があるならば、目の前に居るのが首を無くしただけの騎士の心を持った者達ならば、全力をもって相対し再び眠りに就かせてやろうとも考えた。
 だが、目の前に居る亡霊達には、自我を感じない。目的も無くただ彷徨うばかり。何故彷徨っているのかも、きっと分かってはいないだろう。
 乙女は僅かな無念さを感じながら、愛刀の極悪刀【黒椿】と小太刀【乙女】を抜き身構える。
「彷徨うその姿は無様としか言いようがない。故に斬る。彷徨う無様を晒す事なく、再び眠りに就けるように」
 そんな乙女に気が付いた亡霊達は、仲間を求めるように乙女の下へと集まりだす。
「不本意であろうが与えられた二度目の生のようなものだ。この羅刹女の【黒椿】と【乙女】にてその魂を鎮めよう」
 乙女はそんな向かってくる首無し騎士の亡霊を【黒椿】で斬り伏せ、伸ばされるその腕を【乙女】にて弾き返す。
「雑魚に用はない!鬼の吹雪で乱れ散れ!」
 騎士の亡霊達が集まった場所へと駆け出し、舞うような無数の一閃を繰り出せば、その一撃を受けた周囲に集っていた亡霊はその姿を消していった。
「悪道に落ちず、騎士然として今一度眠りにつくが良い」
 周囲の亡霊を一掃すると、乙女は庭の中央に現存する廃墟を睨みつける。
「子供を犠牲にして、何が医者だというのだ。私が最も許せん手合いだな。情けも容赦もしてやるわけにはいかない」
 その中に居る医者に、憤りを覚えながら乙女はグッと手を強く握り締める。
 目指すは廃墟の中に居る医者のオブリビオンの殲滅。
 全てを斬り伏せるため、乙女は廃墟を目指し駆け出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
ヴァンパイアでも異端の神でもない……ですか。
あぁいえ、興味が湧かないとかそう言う意味ではなく。問題は山積みだな、と。
一つずつ着実に片づけていくしかありませんか、やれやれ。

頭が無いのであれば、心臓を撃ち抜くだけです。
【スナイパー】の【早業】で近付かれる前に手早く一体ずつ処理。
もう少し、対多数の手段があればよかったですが……無いものねだりしても仕方がありません。
一発必中、一撃必殺を心がけ、少しでも手間を減らして、近い敵から仕留めていくほかありませんね。

……生憎ですが、私の首は差し上げられません。
まだ、やるべきことが残っていますので。
無念でしょうが……こうするしかできないのは、許してくださいね。



●1対多数の戦い
「今度の敵はヴァンパイアでも異端の神でもない……ですか」
 墓地を彷徨う首無し騎士の亡霊、そしてその墓地の中央に位置する廃墟を見て、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)は、誰に告げるでもなくそう呟いた。
 シャルロットがそう呟いたのは、今回の事件を起こした敵に興味がないからではない。
 この事件もだが、ダークセイヴァー世界を荒らしているのはヴァンパイア達だけではないとの事実を確認しているに過ぎない。
「問題は山積み……一つずつ着実に片づけていくしかありませんか。やれやれ」
 息を一つ吐く。シャルロットの眼前には、墓地を彷徨う首無し騎士の亡霊達。
 墓地へと足を踏み入れれば、亡霊達は入ってきたシャルロット目掛けて集まりだすだろう。
「もう少し、対多数の手段があればよかったですが……無いものねだりしても仕方がありません」
 多数を纏めて払う術を持たない以上、シャルロットが取る戦術は一つ。
 一発必中、一撃必殺を心がけ、少しでも手間を減らし接近してきた敵を順に仕留めていくだけ。
 墓地に足を踏み入れる前に、シャルロットはユーベルコードを発動させる。
「『基礎は努力を裏切りません!』」
 自身の攻撃力を強化し、より確実に亡霊達を倒す準備を整えて、シャルロットは廃墟を目指し、墓地の中へと駆け出した。
 墓地へ入るや否や、首無し騎士の亡霊達は一斉にシャルロットを見てその腕を伸ばす。
「……生憎ですが、私の首は差し上げられません。まだ、やるべきことが残っていますので」
 シャルロットは迫る亡霊の心臓目掛け、手にした魔導銃を撃ち抜いて。
 引き金を引くたびに、弾が命中し心臓を撃ち抜かれた亡霊達は一体ずつ消えていく。
 その隙間を縫うように、シャルロットは廃墟目掛けて駆け抜けていく。
「無念でしょうが……こうするしかできないのは、許してくださいね」
 目の前に立ちはだかった首無し騎士の亡霊を撃ち抜いて、シャルロットはその姿が消滅するのを見ながら、先へと進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガルディエ・ワールレイド
満月による狂気、短くなる寿命。
確かに人狼病には問題が有るだろう。実際、それで悩んでる人狼の猟兵も知っている。
だが、それを研究する過程で人狼達の命を踏みにじるならば、それは妄執としか呼べねぇんだ。

◆戦闘
「無念に倒れた騎士達に敬意を。お前たちの遺志を継ぐと誓おう。だから、安らかに眠りな」
《属性攻撃》を乗せて強化した【竜神の裁き】と、近接戦闘を織り交ぜて戦闘。
武装は《怪力/2回攻撃》を活かすハルバードと長剣の二刀流
《武器受け/見切り》で受け流し、被弾時は《オーラ防御》
複数の敵が間合いに入れば《なぎ払い》だ
防御も回避も難しい状況なら相打ち上等で《捨て身の一撃》



●想い、繋いで

 墓地を駆け、目の前に立ちはだかる騎士の亡霊を、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は手にしたハルバードと長剣を以て斬り伏せる。
「無念に倒れた騎士達に敬意を。お前たちの遺志を継ぐと誓おう。だから、安らかに眠りな」
 眼前の騎士の亡霊に声を掛けるガルディエ。そのまま周囲の亡霊を巻き込むようにユーベルコードを発動させる。
「『この雷は半端じゃねぇぜ。覚悟しな!』」
 ガルディエのユーベルコードが放った異端の神の力でもある赤い雷は、眼前に立ち塞がる騎士の亡霊達を薙ぎ払い、消し去っていく。
 そのまま走り込む様に剣を振るい、仲間を求め彷徨い腕を伸ばす亡霊を消滅させながら墓地を抜けていく。
(……満月による狂気、短くなる寿命。確かに人狼病には問題が有るだろう。実際、それで悩んでる人狼の猟兵も知っている)
 墓地を駆けながら、ガルディエの脳裏にふと浮かぶ思考。
 現在においても人狼病の解決法は未だ見つからず、それに苦しむ猟兵とて少なくは無い。
「だが、それを研究する過程で人狼達の命を踏みにじるならば、それは妄執としか呼べねぇんだ」
 目の前の廃墟の中の医者に吐き捨てるように、ガルディエは声を上げる。
 二本の剣を薙ぎ払い、ガルディエは道を阻む彷徨う首無し騎士の亡霊達を斬り払う。
 妄執に取り憑かれた殺戮者の居る廃墟を見据えながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイオラ・セレーネ
さてさて、私にはお前達の無念とか、信念とか、誇りとかそんなものはどうでもいいの。晴らしてやる義理もない、意味わかるわよね?いや、耳ないんじゃわからないか
神契りマチェットで【鎧砕き】とか試してみようかしら。この有象無象にあまり時間をかけたくないの。進路を遮る邪魔者だけを叩き潰して進むわ。全員と相手なんて組手じゃないんだし、【早業】で脇や股とか、鎧の隙間を狙って手早く処理するのもアリね
想定されるのは囲まれて蹂躙だけど、ピンチになったらUC【叛逆と撃滅の狼煙】で【恐怖を与え】ながら切り抜けたいわ。まあ、そんなことにならないよう安全を重視するけど…器用に動きたいわね

私は咎討ち、異形狩り…お仕事開始よ



●咎討ちの異形狩り

「私にはお前達の無念とか、信念とか、誇りとかそんなものはどうでもいいの。晴らしてやる義理もない。意味は分かるわよね?」
 墓地を駆け、神契りマチェットで首無し騎士の亡霊を斬り捨てるアイオラ・セレーネ(咎討ちの斥候・f00082)は、有象無象に集まる亡霊達に吐き捨てるように言い放つ。
 有象無象に集まる首無し騎士の亡霊達にあまり時間を掛けたくなかったアイオラだったが、それでも仲間を求める様に、救いを求めるように周囲に集まる亡霊達を見て、アイオラは一つ息を吐く。
「言葉を聞く耳も、理解する為の頭も無いんじゃ分からないか」
 ぼやきながらアイオラは進路を遮る眼前の亡霊を狙って、神契りマチェットを振り払えば消えていく亡霊達。
 返し刃で別の亡霊の鎧の隙間にマチェットを刺し込み、突き刺したマチェットを引き抜けばそのまま亡霊は消滅した。
「にしても、全員と相手なんて、組み手じゃないんだから」
 進路を遮る眼前の亡霊だけを斬り捨て、囲まれないように手早く【早業】で斬り伏せるも、あまりの数の多さに嫌気も差す。
 廃墟まで後僅かな距離となった時、アイオラは全ての亡霊の伸ばしてくる腕を払い除けながら、廃墟までの距離を走り抜けた。
 首無し騎士の亡霊が彷徨う墓地を潜り抜け、アイオラは深い息を吐く。
 目的地の廃墟と化した屋敷の前、庭の墓地を見れば首無し騎士の亡霊達は屋敷まで追ってくる気配を見せずに、そのまま墓地を彷徨っていた。
「追って来ないならそれで良いわ。さて、ここからが本番ね」
 廃墟の扉を軽く押せば、古びた蝶番が軋む音と共に扉は開かれる。
 薄暗い廃墟、外からの明かりが室内を照らし出し、中の光景を映し出した。
 蠢く無数の肉片。実験の被害者と思われる異形のモノ達。
 それらを見て、アイオラは再び身構える。
「私は咎討ち、異形狩り……お仕事開始よ」
 その言葉が聞こえたのか、中に居た異形のモノ達もアイオラの方へと向かってきたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『弄ばれた肉の玩具』

POW   :    食らい付き融合する
自身の身体部位ひとつを【絶叫を発する被害者】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    植えつけられた無数の生存本能
【破損した肉体に向かって】【蟲が這うように肉片が集まり】【高速再生しつつ、その部分に耐性】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    その身体は既に人では無い
自身の肉体を【しならせ、鞭のような身体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。

イラスト:柴一子

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●人でなくなったモノ

 薄暗い屋敷の中、無数に蠢くモノがあった。
 良く目を凝らしてみるならば、人狼特有の獣耳や尻尾を身体のあちこちから覗かせていて、彼らがかつて実験台にされた人狼の成れの果てである事は容易に想像が出来た。
 微かに人の形を保っているもの、色々な人と混ぜ合わせられたのか複数の腕や足、獣耳や尻尾を持つもの。
 様々な姿をしていても、一つだけ共通する事。

 彼らはもう、人ではない。

 ただ蠢くそれは、廃墟の入り口に立つ猟兵達の姿を見ると、猟兵達を自身の一部として取り込もうと襲い掛かってきた。
ユリウス・リウィウス
これはもはや、生きているとは言えんな。俺に出来ることといえば、終極を与えることのみ。

「生命力吸収」「精神攻撃」を込めた死霊の霧で、まずは弱い実験体から討滅していく。
霧を抜けてきた実験体は亡霊騎士団で迎撃。番号は5まで上げておく。
亡者達の間を抜けてきた相手に、虚空斬を叩き込もう。「傷口をえぐる」「なぎ払い」「呪詛」「恐怖を与える」を重ねる。
敵の攻撃は、「武器受け」「盾受け」「見切り」「カウンター」で対応。
受けた傷の回復は、死霊の霧に重ねる「生命力吸収」で敵から搾り取らせてもらう。

まったく、手間がかかる。お前達をそういう風に作り替えた輩にまだ利用されているということすら分からんか。いいから終われ。



●死したる肉塊

 廃墟と化した屋敷の入り口から見える蠢く肉塊達。
 かつて人狼であったそれを前にして、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)は眉を顰めた。
「これはもはや、生きているとは言えんな。俺に出来ることといえば、終極を与えることのみか」
 双の黒剣を構え、ユリウスは率いてきた亡霊騎士達を合体させていく。
 亡霊騎士達の数字が「5」を示し、準備は整ったとばかりにユリウスはユーベルコードを発動させる。
「オオオオオ……」
 ユリウスに気付いた弄ばれた肉の玩具達が新たな肉体を取り込もうと迫るも、周囲に撒き散らされた生命力と精神力を削る効果のあるユリウスの死霊の霧は、進んでくる肉の玩具達の生命力と精神力を奪っていく。
「オオオ……」
 霧に触れるなり力の弱い肉の玩具達は生命力を奪われ、結合部から肉塊が崩れ去る様に消えていく。
「フン、これで終わりはしないだろう?なあ、おい」
 ユリウスの言葉通りそれで全ての肉の玩具達が消え去る訳もなく、力の強い肉の玩具達は死霊の霧を突破するや肩部分を変形させた人狼の頭部を生み出した。
「アアアアア」
 霧に奪われた生命力を補充せんと、人狼の頭部はユリウスへと噛み付こうと振りかぶる。
 ガキン、と固い物が人狼に喰らわれる音が周囲に響く。
 それと同時に、生命力を吸い取られ消え去る、ユリウスが呼び出していた亡霊騎士達。
 亡霊騎士達が消えた隙間を縫って、ユリウスは眼前にまで迫った肉の玩具達を手にした双の黒剣を横薙ぎに振るい、斬り捨てる。
 斬り捨てられ消滅する肉の玩具。別の肉の玩具を薙ぎ払い、傷口をえぐる様に剣を返せば、痛みに呻く獣の様な鳴き声が周囲に響いた。
「まったく、手間がかかる。お前達をそういう風に作り替えた輩にまだ利用されているという事すら分からんか。いいから終われ」
 迫るもう一体にそう言葉を投げかけると、ユリウスは双の黒剣を横薙ぎにし、肉の玩具を斬り捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイオラ・セレーネ
全く、賑やかったらないわ。少しタバコ休憩、ふぅ……何アレ。気持ち悪くて触れたもんじゃないわね。近づきたくもない。

常に一定の距離を保ちながら左腕の【怨嗟の炎】を使って焼き殺………焼却処分してやろうかしら。周りの猟兵を巻き込んでも知ったことじゃない。そこにいたそいつが悪いのよ。何回も使うのは熱いから、銃での【援護射撃1】も織り交ぜてね。【恐怖を与える20】で怯んでくれたら、素通り出来るのだけれどそんなに上手くいくとは思えないわ。撃ち漏らしは他の猟兵に任せて次を急ごうかしら。

さあ、悪逆の限りを尽くそう。



●奇妙な肉塊

「全く、賑やかったらないわ。少しタバコ休憩、ふぅ……」
 騎士の亡霊に追われ、墓地を駆け抜けたアイオラ・セレーネ(咎討ちの斥候・f00082)は、屋敷に飛び込むと一息吐く為に懐から煙草を取り出して火を点ける。
 煙草を吸い込み廃墟の中を見渡せば、人の姿をしない弄ばれた肉の玩具達の蠢く姿。
「……何アレ。気持ち悪くて触れたもんじゃないわね。近づきたくもない。いっそ焼き殺………焼却処分してやろうかしら」
 ぼやいたアイオラに気付いて迫る弄ばれた肉の玩具に対し、アイオラは距離を取りながら左腕の【怨嗟の炎】を巻き上げる。
 爆音と共に燃え出す肉の玩具。だが、肉の玩具の肉片が蟲が這うように傷口へと集まると、身体を焼く炎と燃えた痕そのものを消し去った。
「なっ……!?」
 高速再生で癒えた肉の玩具の傷を見て、アイオラは再び左腕の【怨嗟の炎】を巻き上げた。
 再び爆音と共に炎に包まれる肉の玩具だったが、炎と爆発の耐性を得たのかその傷もすぐに再生される。
「ちっ……」
 炎は効かなくなっている。それを理解すると同時に、アイオラはすぐに肉の玩具との距離を取り、銃を手にして肉の玩具目掛けて撃ち抜いた。
「ギギギ……」
 銃弾に込めた爆発と炎に対する恐怖を肉の玩具へと植え付け、高速回復の反動もあってかどんどん動きが鈍くなる肉の玩具。
 銃で間合いを取りながら、左腕の【怨嗟の炎】で再び炎を巻き上げれば、再び燃え上がる肉の玩具。
 動きが鈍っていたからか、炎は消える事無く肉の玩具を燃やし尽くし、肉の玩具はその場に倒れ伏せ消えていった。
「はあ……まったく」
 その光景を見ながらアイオラは息を吐く。一体を倒しはしたが、ここにはまだ肉の玩具達が蠢いている。
「撃ち漏らしは他の猟兵に任せて次を急ごうかしら」
 アイオラは他の猟兵が肉の玩具と戦ってるのを確認し、颯爽とその場を後にした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャルロット・クリスティア
未練がありますか……それはそうでしょうね。
臨んだわけでもないでしょうに、そのような姿にされては……死ぬにも死にきれないものでしょうが……!

あの肉体は……人のそれよりも、蠢き混ざりあうのはスライムやあのあたりにむしろ近いものでしょうか。中途半端な破壊は無意味ですね。
となれば……焼き尽くす。
炎属性の術式弾を撃ち込み、肉片すら残さず、焼く。
1を2にするのと0を1にするのでは大きく違う。再生や融合などさせはしませんよ。

……せめて、極力痛みのないよう、手早く終わらせます。
救うことはできずとも、それくらいは……!



●蠢くモノ達

 肉体をしならせ鞭の様に伸ばし、多少の傷を与えても他の肉片が集まり再生する。
 そんな弄ばれた肉の玩具の特性を見ながら、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)はふむ、と思案する。
「あの肉体は……人のそれよりも、蠢き混ざりあうのはスライムやあのあたりにむしろ近いものでしょうか。中途半端な破壊は無意味ですね」
 それならばと、肉の玩具の視野に入らぬ場所に陣取るとシャルロットはユーベルコードの準備を始める。
(……焼き尽くす。肉片すら残さず、焼く。再生や融合などさせはしませんよ)
 肉の玩具を全て燃やし尽くすために、意識を集中させる。
「……せめて、極力痛みのないよう、手早く終わらせます」
 肉の玩具達の群がる一点を狙って、シャルロットはユーベルコード・術式刻印弾・炎爆(ルーンバレット・ブラスト)を発動させる。
 炎属性の術式弾が撃ち放たれ、その弾丸が群れる一体に着弾する。
 着弾と同時に重い一撃が激しい爆発を起こし、着弾した肉の玩具の身体を吹き飛ばし、周囲の肉の玩具達を炎が包み込んだ。
「オオオオオ……」
 響き渡る肉の玩具達の絶叫。再生もままならぬ程の高温の炎に、肉の玩具達の身体は焼かれ崩れていく。
 青白い炎に包まれたその中の一体がシャルロットの姿が視界に入ったのか、本能から生を望んだのか、身体の一部を人狼の頭部へと変え、頭部をシャルロット目掛けて伸ばした。
 シャルロットに噛み付き、その生命力を奪おうと伸ばされる肉の玩具の身体。
 だが、その身体がシャルロットに届く前に、肉の玩具はそのまま炎に飲まれ燃え尽き、消え去った。
 伸ばされた腕が燃え尽きるのを見て、シャルロットはぽつりと言葉を漏らす。
「未練がありますか……それはそうでしょうね。自らが望んだ訳でもないでしょうに、そのような姿にされては……死ぬにも死にきれないものでしょうが……!」
 周囲を見れば、炎が移った他の肉の玩具達も燃え尽き、消え去ったようだ。
「貴方達をそんな風にした元凶は、必ず討ち果たします。貴方達を救うことはできずとも、それくらいは……!」
 顔を上げ、そんな決意を胸にシャルロットは廃墟の奥、元凶となったオブリビオンの元へと進んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロース・ウェスペルティリオ
翔(f03463)さんと参加

敵の鞭のような身体に、同じく鞭のように蔦を伸ばした黒花の炎を絡めていくよ
お肉って焼くと硬くなるよね?
ひとまず、焼き尽くすのではなく表面を炙って固めていき、動きを鈍らせようかと
翔さんが拘束具を投げつける隙を作れるよう、蔦でぐるぐるにして満遍なく焼きます
火力が足りなければ合体して足していくし、十分そうなら周囲の敵も巻き込もうか
翔さんの風で煽られたら、さらに火力が上がるかな?
ああ、もちろん味方の身体や道具等に燃え移らないようにしておくよ。ご安心ください

ふむ。欠片が集まって再生したりというのはちょっと親近感あるねぇ
あちらとしては、不本意極まりなさそうだけど
ん。おやすみなさい


香坂・翔
フロース(f00244)と一緒!
元が人狼の相手とか、何か色々嫌なんだけど……まぁ、好き嫌いは言ってられないか
回復されるの面倒だし、フロースが炎で敵絡めてるなら、咎人の怨念の風で炎煽ってみようか
回復するでも何でも、俺から気が逸れた奴に咎力封じ使うよ
フロース、俺の事焼かないでね?

敵の攻撃は咎人の怨念で相殺。高速移動で敵の懐に入り込んででも、確実に咎力封じは当ててくよー
周囲の敵のユーベルコード封じたら、咎人の怨念で周囲を纏めて切り裂く

元人狼……色々思うところはあるけど、これ以上の被害は出させないから
ちゃんと元凶も屠ってあげるからゆっくり眠ってね?
お休みー!



●風と炎の演舞

「元が人狼の相手とか、何か色々嫌なんだけど……まぁ、好き嫌いは言ってられないか」
 人狼に何か思い入れでもあるのか、香坂・翔(紅の殺戮兵器・f03463)は目の前で蠢く弄ばれた肉の玩具を見て顔を顰めた。
 それでも首を横に振ると、割り切ったように愛用のブラッディランスを手に身構える。
「お肉って焼くと硬くなるよね?ひとまず、焼き尽くすのではなく表面を炙って固めていき、動きを鈍らせようか」
「回復されても面倒だし、風で炎煽ってみようか?あ、フロース、俺の事焼かないでねー?」
 フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)の提案にあっさりと便乗する翔。
 敵を前にしながら、親しい相手との共闘故どこか緊張感に欠けるやり取りを繰り広げるも、翔の意識は肉の玩具から逸れてはいなかった。
「勿論、味方の身体や道具等に燃え移らないようにしておくよ。ご安心ください」
「それならいいや。それじゃ、行こうか」
 フロースの返事を聞いて、翔は臨戦態勢に入る。
「お前らの恨み辛み、全部俺が晴らしてやる」
 ユーベルコード・咎人の怨念を発動すると、翔の身体を敵の怨念が纏わりつく。
「ふふ、よろしく頼むよ」
 それに合わせる様にフロースもTacca chantrieri api(タッカ・シャントリエリ・アピ)を発動する。
 フロースから鞭のように伸ばされた黒花の蔦は、肉の玩具が伸ばした鞭のような腕を絡み取り、その肉塊の表面を焼き上げる。
「ギギギ……」
 燃やされ暴れる肉の玩具を更なる蔦で絡め取るフロース。肉の玩具は焼かれるその皮膚を高速再生するも、焼かれ続ける限り完全な治癒にはならない。
「ふむ。欠片が集まって再生したりというのはちょっと親近感あるねぇ。あちらとしては、不本意極まりなさそうだけど」
 肉片が集まり再生していく肉の玩具を見ながら、フロースは感嘆の声を上げる。
 そこへ高速移動で接近してきた翔が、フロースが絡め取る肉の玩具へと別のユーベルコードを発動する。
 咎力封じで生み出された拘束具は、近距離に居た肉の玩具の動きを封じ込め、全てのユーベルコードを封印した。
 回復の手段を奪われ、フロースの炎に焼かれ続ける肉の玩具達。
 翔とフロースの連携で敵のユーベルコードは封じたが、表面を炙る事を目的としていたフロースの火力だけでは肉の玩具を焼き切る事は出来ていなかった。
「翔さんの風で煽られたら、さらに火力が上がるかな?」
「やってみる?」
 フロースの提案に、またもや楽しげに乗る翔。
 翔が咎人の怨念を発動すると、周囲に巻き起こる黒い風。
 風は真空波となり絡め取っていた肉の玩具達を粉々に切り裂き、肉の玩具達を包んでいたフロースの炎はその風に煽られる様にその勢いを増していく。
「元人狼……色々思うところはあるけど、これ以上の被害は出させないから。ちゃんと元凶も屠ってあげるからゆっくり眠ってね?」
 燃え尽きていく肉の玩具達に声を掛ける翔。
 燃え尽きた肉の玩具を前に、暗い雰囲気は性に合わないとばかりに翔は笑顔を浮かべて、消えていく肉塊に「お休み!」と元気良く叫んだ。
「ん。おやすみなさい」
 その言葉にフロースも続き、二人は先へ進む為にその場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花盛・乙女
…哀れな。
死してなお弄ばれるその痛苦は想像を絶する。
この羅刹女の刀にて、安らかな眠りを。

【黒椿】を鞘に納め、歩み寄ろう。
取り込まんと伸ばすその肉の腕の攻撃、歩みつつの居合いにて断ち払う。
確実に、その肉を削ぐ。

確実にその偽りの生を終わらせる為、至近まで近寄る。
多少の噛み付きは「怪力」でもって筋肉を収縮、固めることで牙を通さない。
絶叫する顔を見て、悪を断つことを新たに決意する。
【雨燕】、神速の居合いにて首を落とす。

無念だろう。悪戯に殺されて。
悔しいだろう。このように生かされて。
その無念、晴らせるとまでは思っていない。
だが背負うことは出来る。
この羅刹女の背に、刀に、その無念悔恨を預けるがいい。


アンナ・フランツウェイ
私も呪詛天使計画と呼ばれた狂った実験の生き残り。故に命を弄ぶあの医者を許せないし、あなた達を苦しませたくはない。同じ境遇だった者としてあなた達を救ってみせる…!

【断罪式・白詰草】を発動させ空中を高速移動しながら、肉体の再生を阻害させる効果を持たせた【呪詛】を纏わせた血液の刃を打ち込んでいこう。

犠牲者達が多く集合している地点に降りたてたら【断罪者の大鎌】へ【呪詛】と血液を注ぎ込み【武器改造】。巨大化させた大鎌を振るい【なぎ払い】【範囲攻撃】。命中したには【生命力吸収】でトドメを刺していこう。

あなた達を実験体にした奴は私が裁いてくる。それでもが奴が憎いと言うなら…あなた達の恨み、私に貸して。


ガルディエ・ワールレイド
"今の"お前達をほんの一欠片でもこの世に残しはしねぇよ。
綺麗に片付けてやる。
だから、安らかに逝け。

◆戦闘
切り札を使って短期決戦を仕掛けるぜ。
《属性攻撃/全力魔法》を乗せた【因縁の連鎖の果て】を発動。無数の黒き雷槍を放つ。
俺が持つ最大の殲滅力で、細胞も残さず消し炭にしよう。
(UCの代償を感じながら)別にこんな痛みは大した事が無ぇんだ……お前達の痛みに比べればな。

【食らい付き融合する】対策
噛みつきに対しては近接戦で対応
武装は《怪力/2回攻撃》を活かすハルバードと長剣の二刀流
噛みつきを最優先で《見切り/第六感》で察知し、《武器受け》の要領で迎撃して斬り裂く
武器には雷の《属性攻撃》を付与。



●最期に見えたもの

「酷い……」
「……哀れな。死してなお弄ばれるその痛苦は想像を絶するな」
 周囲を薙ぎ払い、苦しむように絶叫を上げる弄ばれた肉の玩具を前に、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)と花盛・乙女(羅刹女・f00399)は絶句する。
 それでもこの地へ来た目的を果たさんと、アンナは愛用の断罪の大鎌を手に身構える。
「私も呪詛天使計画と呼ばれた狂った実験の生き残り。故に命を弄ぶあの医者を許せないし、あなた達を苦しませたくはない。同じ境遇だった者としてあなた達を救ってみせる!」
 そう言ってユーベルコードを発動するアンナ。断罪式・白詰花(ダンザイシキ・シロツメノハナ)はアンナに死者の呪詛を纏わせ、俊敏な移動力を与えた。
 自身の血液で出来た刃が近場の肉の玩具達を切り裂き、追撃するようにアンナが高速で走り出す。
 武器に呪詛を送り込み巨大化させた断罪の大鎌を振るい、周囲の肉の玩具達を薙ぎ払うアンナ。
「"今の"お前達をほんの一欠片でもこの世に残しはしねぇよ。綺麗に片付けてやる」
 アンナが飛び込んだのを見て、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)も自身のユーベルコードを発動させる。
 竜と吸血鬼の融合状態へと姿を変え、無数の黒き雷槍を雨のように降らせ、周囲の肉の玩具達を薙ぎ払っていく。
「俺が持つ最大の殲滅力で、細胞も残さず消し炭にしてやるからな」
 黒き雷槍に貫かれ、絶叫を上げる肉の玩具。
 元凶たるガルディエから生命力を奪おうと、人狼の頭部で喰らいつこうとする肉の玩具の動きを見切ると、ガルディエはハルバードと長剣でそれを受け流す。
 そのまま止めを刺すべく斬り裂けば、そのまま崩れ消滅していく肉の玩具達。
 強大な力で肉の玩具達を圧倒するガルディエ。けれどその強力な力は、ガルディエ自身の肉体をも崩壊させていた。
 全身を蝕む痛みに耐えながら、ガルディエはハルバードを振るう。
(別にこんな痛みは大した事が無ぇんだ……お前達の痛みに比べればな)
 ハルバードを薙ぎ払い、崩れ落ちる肉の玩具達に思いを寄せるガルディエ。
「…………」
 その光景を見ながら乙女は【黒椿】を鞘に納めた。
 高速移動で戦場を跳ね確実に仕留めるアンナや、周囲を強力なユーベルコードで殲滅していくガルディエとは対照的に、乙女は【黒椿】を鞘に収めたまま肉の玩具達へと静かに歩を進め出す。
「乙女さん?」
「ギギギ……」
 肉の玩具を薙ぎ払いながら声を掛けるアンナ。戦闘で負った傷を癒そうと、肉の玩具達は近寄る乙女に向かって鞭のようなその腕を伸ばした。
「乙女さん!」
 肉の玩具の動きを察したアンナの声が響く。だが乙女の歩く速度は変わらない。
 乙女を絡め取ろうとする鞭のような腕が触れる刹那、乙女は抜刀し、その伸ばされた腕を斬り落とした。
「ガ……!?」
 斬られて驚いた肉の玩具達は、それでも肉体を人狼の頭部へと変形させ、乙女の肩へと喰いついた。
「っ……」
 乙女は噛まれた肩の痛みに顔を顰めるも、肩に力を込め筋肉を収縮させ、肉の玩具達の牙を通さない。
「……無念だろう、悪戯に殺されて。悔しいだろう、このように生かされて」
 甲高い絶叫を発しながら乙女の肩に喰らいつく肉の玩具達に語りかける様に呟くと、乙女はユーベルコードを発動する。
 神速の居合いで刀を振り抜けば、乙女の肩に喰らいついていた肉の玩具は粉々となり地に落ちて消え去った。
「その無念、晴らせるとまでは思っていない。だが背負うことは出来る。この羅刹女の背に、刀に、その無念悔恨を預けるがいい」
 消滅していく肉の玩具に弔いの様に声を掛ける乙女。
 その一瞬を突いて背後から襲いかかろうとする肉の玩具の気配に乙女は振り返るも、乙女が刀で切り裂く前に肉の玩具を背中から大鎌が貫いた。
「あなた達を実験体にした奴は私が裁いてくる。それでも奴が憎いと言うなら……あなた達の恨み、私に貸して」
 アンナに生命力を吸い取られ、崩れ落ちる肉の玩具の身体。
 アンナの背後を狙った肉の玩具を乙女が斬り裂き、残った肉の玩具をガルディエが斬り伏せ、周囲に居た肉の玩具が居なくなったのを確認すると同時に視界に入る先への扉。
「この羅刹女の刀にて、安らかな眠りを」
「安らかに逝け」
 悪戯に弄ばれた犠牲者達への黙祷を捧げ、三人は見えた扉の向こうへと進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『妄執に取り付かれた医者』

POW   :    なぜ協力しないんだ
【人狼病への憎悪】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    不幸を減らす為なんだ
【頑丈な手枷】【重い足枷】【睡眠薬が染み込んだ猿轡】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    なぜ理解しない
【他者を救うという理想】【自身の行いへの狂信】【邪魔者への憎悪】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。

イラスト:安子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠宮落・ライアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●妄執に取り付かれた実験室

 弄ばれた肉の玩具が蠢いていた広間を抜けた奥の部屋。
 古びた扉を見つけた猟兵達がその扉を開けると、中は実験室の様で、壁一面に飛び散る血の痕、部屋中に充満する肉が腐敗した匂い。
 それらを気にする事も無く、こちらに背を向けたままの白衣を纏うもの。猟兵達が探していた、医者のオブリビオン。
「何だ、誰か来たのか?」
 猟兵の気配に気付き、血に塗れ、手元の実験器具を血に染めたまま振り返る医者のオブリビオン。
「これが動かなくなったから、次の人狼を探しに行こうと思っていたんだがな。君達は何しに来た?」
 これ、と称した医者のオブリビオンの眼前にある台に乗せられていたのは、まだ幼く見える人狼の亡骸。
 それを見て絶句する猟兵達。そんな猟兵の姿を見ても意に介さず、医者のオブリビオンは淡々と言葉を紡ぐ。
「君達は人狼の調達の手伝いに来たのか?それとも私の邪魔をしに来たのか?もしも邪魔をするのならば、容赦はしないぞ」
 猟兵の態度が協力的でないのを察した医者のオブリビオンは、その手のメスを構え、猟兵達と対峙した。
アイオラ・セレーネ
呆れたわ…私はお前の使いっ走りじゃないんだよ。あんな気持ち悪い廃棄物共の処理をさせたツケは払ってもらうわよ。ヤブ医者。

戦闘
銃弾を鉛玉から魔弾に切り替え、UC【霊術と魔力の封殺】を使用。対象の技能を阻害することでの様子見を図る。
素早く走り回り、極力近付かず、回避を最優先しての制圧を心掛け、膝をついて素早く動けなくなれば【神契りマチェット】にて急所を狙う。
(瞳は猩血に濁り【殺気】を放つ)噛み千切るッ!!
逆にUCを封じられてしまった場合は【怨嗟の炎】と銃撃による【2回攻撃】に徹して他の猟兵に任せる。





「君達は人狼の調達の手伝いに来たのか?それとも私の邪魔をしに来たのか?もしも邪魔をするのならば、容赦はしないぞ」
「呆れたわ……私はお前の使いっ走りじゃないんだよ」
 血塗れになりながら振り返った妄執に取り付かれた医者の言葉に、アイオラ・セレーネ(咎討ちの斥候・f00082)は不快感を隠さずにそう吐き捨てる。
 苛立ちを込めてアイオラは手にした銃口を、挨拶代わりに医者に向けて撃ち放つ。
 ユーベルコードによって放たれる三発の魔弾。敵対意思を明確にしたアイオラの銃弾を、医者は机の上にあった人狼を自身の前に差し出して受け止めた。
「外に居た奴ら同様邪魔しに来たと言う訳か。ここまで来たという事は、広間に置いていた失敗作も片付けてくれたのか?」
「あんな気持ち悪い廃棄物共の処理をさせたツケは払ってもらうわよ。ヤブ医者」
 再び魔弾を撃ち抜くアイオラの銃弾を人狼を盾にして身を庇った後、視界を覆うために人狼をアイオラ目掛けて投げ付ける医者。
「ヤブ医者とは心外だな。私は不幸を減らす為に研究しているというのに」
 素早い動きで投げられた人狼の亡骸を避けるも、人狼で死角になった所から現れる医者が投げた頑丈な手枷がアイオラの腕を絡め取った。
 アイオラが手枷を外そうと銃弾を撃ち込むも、頑丈に出来たそれは簡単には壊れない。
「これが必要な研究だと、何故理解しない?」
 素早い動きで動き回るアイオラを更に拘束せんと、拘束具を手に歩み寄る医者。
 理解するなら許してやる、と言わんばかりの傲慢な態度にアイオラは吐き捨てる様に言い放った。
「そんなもん、理解したくもないわ」
 言葉と共にアイオラは再び魔弾を撃ち放つ。至近距離からの魔弾は全弾医者へと当たり、医者の手にした拘束具も、アイオラの腕を拘束した手枷も消え去っていく。
「噛み千切るッ!!」
 手枷が消え再び身軽になったアイオラは、瞳を猩血に濁らせ医者に対する殺気を纏い、仕舞っていた神契りマチェットを抜き出して医者との間合いを一気に詰めて振り抜いた。
「ぐふっ……」
 的確に切り裂いた感触を手に感じたアイオラ。
 振り抜いた神契りマチェットは、医者の腹部を的確に切り裂いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
そのやり方は否定するが、テメェが人狼病に抱く憎悪だけは否定しないでやるよ。
人狼の事を想うならば、その憎悪を抱いて骸の海に還りな!

対【なぜ協力しないんだ】
「テメェが本当にやるべき事を出来てないからだ」
【聖剣リューテール】発動
サイズの大きくなった敵だろうと問題なく間合いに入れる極大光刃で戦うぜ
《怪力》で剣速を確保し、素早く切り返しての《2回攻撃》
聖剣には蒼い光の《属性攻撃》で形成される
敵の攻撃は《見切り》回避、肉弾戦を仕掛けてくる場合は《武器受け》で対処
(聖剣はオブリビオンしか斬れない為、物理的な武器攻撃を受けられない)
被弾時は《オーラ防御》
防御も回避も出来ない時は、相打ち上等で《捨て身の一撃》だ





 腹部を斬られよろめいた医者を前に、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)はその隙を逃すまいと追い討ちを駆けるべく走り出す。
「ぐ……何故、君達は邪魔をする」
「テメェが本当にやるべき事を出来てないからだ」
 体勢を崩す医者の呻きに対し、ガルディエは自身の回答を返すとユーベルコードを発動し、聖剣リューテールを生み出す。
 聖剣を構え、ガルディエは走りこんだスピードの威力をも剣に乗せて、体勢を崩したままの医者へと斬り掛かる。
「ちっ」
 咄嗟に足元に転がる人狼の亡骸を拾い上げ、盾にして剣を防ごうと試みる医者。
 だが、ガルディエの聖剣はオブリビオンのみを切り裂く。聖剣は盾にされた人狼の亡骸を擦り抜けて、医者へと刃を届かせた。
「な……」
 人狼を擦り抜ける聖剣。その剣に身を切り裂かれる刹那、医者は人狼の亡骸を投げ捨て咄嗟に飛び退いた。
 それでも回避が一刻遅れた為、ガルディエの聖剣の刃は飛び退く医者の皮膚を切り裂いた。
 斬られた箇所からボタボタと血を流す医者。傷を癒す術の無い医者はギリッと歯噛みして、強い憤りをもってガルディエを睨みつける。
「っ……満月を見ると凶暴化し、寿命も短くなる。その病の治療法を求めて何が悪い!何故貴様達は協力しない!!」
 協力しない猟兵に対する憤りを、人狼病への憎悪を露にする医者。
 ゴォ、と巻き上がる具現化された無数の憎悪は医者の身体に纏わり付き、その姿を一回りも二回りも大きくする。
「……そのやり方は否定するが、テメェが人狼病に抱く憎悪だけは否定しないでやるよ」
 巨大化する医者に対し、ガルディエはポツリと言葉を漏らす。
「ほざけ!」
 そんなガルディエに、医者は握り締めたメスを振り下ろす。
 振り下ろされるメスの軌道を見切って、医者の懐へと入り込むガルディエ。
 属性を秘めた蒼い光を放つ聖剣リューテールを、眼前の巨大化した医者へ叩き込むように振り抜いた。
「人狼の事を想うならば、その憎悪を抱いて骸の海に還りな!」
 振り抜き、素早く切り返して医者を十字に斬り刻む。
「が……」
 切り刻まれた医者は、それでもまだ倒れずにその場に立ちはだかっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユリウス・リウィウス
【箱庭世界】

ああ、死の臭いがする。呪われてるぜ、お前? 生ける屍をあれだけ作ればなぁ。
ああ、俺だって屍使いだ。だがな、死後はこいつらと同じモノになる覚悟は出来てるんだよ。
とにかく、お前のお遊びは終わりだ。骸の海で人狼達に許しを乞え。

亡霊騎士団を全て合体させ前に出す。
「生命力吸収」「恐怖を与える」の死霊の霧を展開。「精神攻撃」の悪意の怨霊を喚起。

翔やフロースの援護をもらいながら虚空斬で斬りかかる。双剣の「2回攻撃」「傷口をえぐる」「見切り」「カウンター」で渡り合おう。
状況が不利なら血統覚醒して真の姿をとる。
棘の生えた拘束衣とも甲冑とも見える重装甲の姿。眉庇から赤い光が漏れる。黒風鎧装で更に強化。


フロース・ウェスペルティリオ
【箱庭世界】で参加
翔さん、ユリウスさん、よろしくねぇ

人狼病の治療法を見つけようと頑張るのは素敵な事だけど、その手段が人狼さんを使い捨てにするような物だと流石に賛同は出来ないねぇ
人狼病の直し方が分かる前に、人狼さんが全滅してしまうんじゃないかい?
……根絶が目的なら納得の行動かも。なるほど

ウチはお二人の援護に回るよ
【目立たない、忍び足】で部屋の障害物(器具や肉片等)に紛れつつ、
【暗殺、スナイパー、串刺し】でダガーを放ち【援護射撃】するねぇ
【毒使い】の毒を刃先に塗っておいたら、効くかなぁ?

敵から放たれる拘束具は【早業、第六感】も併せて素早く回避
部屋に散らばる器具類も遠慮なく盾に使わせてもらいます


アンナ・フランツウェイ
私は処刑人、人狼達の命を弄んだアンタを処刑する為に来た。何者かって?アンタと同じ様な人間共の犠牲者…呪詛天使計画の生き残りだよ。

【断罪式・白詰花】を発動させ、犠牲になった人狼達の呪詛を身に纏う。さぁ…復讐の時だ。

高速で空中を飛び回りつつ向かってくる拘束具の軌道を【見切り】、血液の刃で拘束具を叩き落としながら医者へ接近。

あえて急所ではないが医者にとっての急所…肩目がけて突き刺し、【傷口をえぐる】で引き裂き肩ごと腕を切り落とす。…私達が来る直前に犠牲になった人狼の子供、その【呪詛】を流し込みながら。

その子は苦しみながらも生きたいと願い死んだ。その命に報いる為に…処刑剣を医者の首目がけ振り下ろそう。


香坂・翔
【箱庭世界】で参加。
フロース、ユリウス宜しくねー!

俺は難しい事は分かんないし、どうでも良いよ。
俺の大事な人がお前が犠牲にしてる人狼だからお前を倒す、それだけ!

咎人の怨念の風で切り裂き高速移動で攪乱。
ユリウスのサポートしながら隙を見て槍で貫くよ。
拘束具に捕まらない様に動き回って、見切りながら風で払い落とす。
フロースに攻撃行かない様にも見ておかないとね。

目障りだし、そろそろ消えてくれる?
これ以上の犠牲はお断りだよ!


花盛・乙女
貴様が此度の黒幕だな。
仁術に身を置きながらの非道の数々。
この花盛乙女の刃でもって、人狼たちの弔いを果たそう。

【黒椿】と【乙女】の二振りを構え相対。
巨躯になる術を使われても怯むことなく、むしろ腕が鳴ろうというものだ。
大きくなった分鈍重になれば「カウンター」、後の先もとりやすい。
「グラップル」を用い体幹を崩し、その血に塗れた腕を斬り捨てる。

思想に囚われ真の医の在り方を歪めるいかれの戯言など耳に届かん。
貴様はただの人殺しだ。
なればこの羅刹女の剣と拳…【雀蜂】にて、躯の海へと還してやろう。

■アドリブ等歓迎です




「く……」
 血塗れになりふらつきながら体勢を立て直そうとする医者に、ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)が亡霊騎士団を率いて医者の前に立ちはだかる。
「ああ、死の臭いがする。呪われてるぜ、お前?生ける屍をあれだけ作ればなぁ」
「ふん、亡霊を率いてる貴様にとやかく言われる筋合いはないな」
 ユリウスに反論する医者の言葉に、ユリウスはくっと喉奥で笑うと侮蔑の表情を浮かべながら医者に告げる。
「ああ、俺だって屍使いだ。だがな、死後はこいつらと同じモノになる覚悟は出来てるんだよ」
 召喚した亡霊騎士団にユリウスが視線を送と、その場に居た亡霊騎士達は合体し、強力な一体へ変貌する。
「どいつもこいつも……私の研究の邪魔をするな!」
 激昂した医者が巨大化した腕をユリウスへと振り下ろす。ユリウスの前に亡霊騎士が立ちはだかり、その腕を受け止めようと身構える。
 途端に吹き荒れる黒き風。風は真空波となりユリウスへと振り下ろされる医者の腕を切り刻む。
「何だと」
「ユリウス!お待たせ!」
 風と共に高速移動で現れたのは、ユリウスの友人でもある香坂・翔(紅の殺戮兵器・f03463)。
 急に現れた翔に向け拘束具を投げ付けようと構える医者の腕に、複数のダガーが突き刺さる。
「な……」
「人狼病の治療法を見つけようと頑張るのは素敵な事だけど、その手段が人狼さんを使い捨てにするような物だと流石に賛同は出来ないねぇ」
 ダガーと共に飛んで来た声のした方を振り返れば、フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)の姿。
「人狼病の直し方が分かる前に、人狼さんが全滅してしまうんじゃないかい?……根絶が目的なら納得の行動だけどねぇ」
「人狼病を治す為の研究を、何故理解しない!」
 苛立ちと共に医者がフロースへと拘束具を投げ付けるも、翔が手にしたブラッディランスで撃ち落とす。
「んー、俺は難しい事は分かんないし、どうでも良いよ。俺の大事な人が、お前が犠牲にしてる人狼だから俺はお前を倒す。それだけ!」
 言葉と共に勢い良く駆け出す翔。それに合わせてユリウスも生命力を奪い取る死霊の霧を展開する。
「苦しみのうちに斃れた死霊達よ。その怨念をもって憎き命をとり殺せ」
 死者の怨念をはらんだ冷たい霧が医者の周囲を取り囲む。
「ウチはお二人の援護に回るよ。翔さん、ユリウスさん、宜しくねぇ」
「分かった!フロース、ユリウス、宜しくねー!」
 タール状になり部屋の障害物の中に隠れながら医者へとダガーを放つフロースに、嬉々としながら医者の周りを飛び跳ね返事をする翔。
 止まる事無く室内を駆け抜け、翔は目標を定め切れてない医者に近寄るとその槍を突き立てた。
「ぐ……」
 翔に足を貫かれ、体勢を崩した医者に強化されたゾンビ亡霊騎士が剣で斬り掛かる。
「亡霊風情が……!」
 巨大化した医者の腕が斬り付けた亡霊騎士の剣を受け止め振り払い、反撃にと力の全てを込めて亡霊騎士を殴りつけるが、強化された亡霊騎士はその一撃を盾で受け止めた。
「禍太刀の一閃だ。喰らっとけ」
 動きが亡霊騎士に抑え込まれた医者へ向け、ユーベルコードでヴァンパイアへと覚醒し、棘の生えた拘束衣とも甲冑とも見える重装甲の姿のユリウスが、手にした双の黒剣で医者を切り裂く。
「ぐぅ……」
「毒を刃先に塗っておいたら、効くかなぁ?」
 動きの鈍った医者に、フロースは毒を仕込んだダガーを放つ。
 突き刺さった傷口周辺には毒が回り、じわじわと皮膚の色が変わっていく。
「目障りだし、そろそろ消えてくれる?これ以上の犠牲はお断りだよ!」
 黒い真空波を巻き起こしながら翔はスピードを乗せた勢いで、医者に槍を突き立てる。
「ガハッ」
「お前のお遊びは終わりだ。骸の海で人狼達に許しを乞え」
 吐血し、ふらふらと揺れる医者の懐に入り込むと、ユリウスは虚空斬を放つ。
 横薙ぎに振るった黒剣は医者を斬り裂き、医者はついに膝を地に着けた。


 巨大化したまま膝を着き、肩で息をする医者に対し花盛・乙女(羅刹女・f00399)は【黒椿】と【乙女】の二振りを構え、医者目掛け斬り掛かる。
「貴様が此度の黒幕だな。仁術に身を置きながらの非道の数々。この花盛乙女の刃でもって、人狼達の弔いを果たそう」
 巨大化しようが怯む事もなく、むしろ当てる的も大きくなって腕が鳴ると張り切る乙女は、医者との間合いを計りながら【黒椿】を振るう。
「ぐぅっ」
 【黒椿】に斬り裂かれ血を撒き散らし大きく体勢を崩す医者を、部屋の上空からアンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)が襲い掛かる。
「私は処刑人、人狼達の命を弄んだアンタを処刑する為に来た」
 手にした処刑剣・ラストレクイエムで医者を貫くと、そのまま空中へと翻った。
「がはっ……。処刑人だと……?オラトリオ如きが何様のつもりだ」
 血を吐きながら空中を舞うアンナに怒声を浴びせ、医者はアンナ目掛けて拘束具を投げ付けるが、アンナはその軌道を見切りながら空を舞いそれらを弾き落とす。
「何様だって?アンタと同じ様な人間共の犠牲者……呪詛天使計画の生き残りだよ。さぁ、復讐の時だ」
 吐き捨てる様に言いながらアンナは空中から急降下し、処刑剣で医者を貫いた。
「がああ……」
「思想に囚われ、真の医の在り方を歪めるいかれの戯言など耳には届かん。貴様はただの人殺しだ」
 再び急上昇して空中を舞うアンナと入れ替わるように、医者との間合いを詰めた乙女が振るい上げた【黒椿】は、的確に肩の間接を捕らえ医者の右腕を斬り落とした。
「ガアアアアア……!」
 響く医者の絶叫に、空を舞うアンナが再び急降下しようと処刑剣を構え体勢を整えた時、ふとアンナの視界に入る人狼の子供の亡骸。
 絶望に染まったその人狼の子供の表情を見て、アンナはぐっと唇を噛み締める。
 人狼の子供の無念さ、絶望を味あわせるためにアンナは再び空中から急降下し、手にした処刑剣を残った左肩へと突き刺した。
「……私達が来る直前に犠牲になった人狼の子供、その子の呪詛を受けなさい!」
「が、あ……」
 アンナが医者に流し込んだ死者達の呪詛は医者の動きを硬直させ、肩に突き立てた処刑剣で傷口をえぐるように刃を返せば、斬り落とされ地に落ちる医者の左腕。
「ぐ……うぅ……」
「羅刹女の剣と拳……【雀蜂】にて、躯の海へと還してやろう」
「その子は苦しみながらも生きたいと願い死んだ。その命に報いる為に……」
 両腕を無くし喚き悶える医者へと乙女は斬撃を繰り出して医者の身体を真っ二つに切り裂き、アンナが振り抜いた処刑剣は医者の首を胴から引き離した。

 床へと崩れ落ちる医者。胴から分かたれたその首も、地に転がるその身体も、骸の海へと還っていくのか粒子となって消え去っていく。
「……守って上げられなくて、ごめんね……」
 遺された人狼の子供の亡骸に、アンナがそっと声を掛ける。
 人狼の子供が死んだ事も【過去】になったのか、子供の身体も医者と同じ様に粒子となって消えていった。
 医者に殺された子供達がオブリビオンになって蘇らないようにと願いながら、一行は廃墟を後にした。


「ねぇリアン、もう帰ろうよ」
 廃墟から外に出た猟兵達の耳に、女の子の泣き声が聞こえる。
「何言ってるんだよ、ちぃ。『廃墟には人狼を食べちゃうお化けが居る』とか言う大人達の言葉を信じるのかよ。そんなの居るわけないだろ?」
「でも危ないよ。本当に居たら、ちぃは平気でもリアンは食べられちゃうんだよ?」
 猟兵の誰かが声のする方をそっと様子を伺えば、そこに居たのは予知で聞いた人間の少女と人狼の少年の姿。
「分かった分かった。廃墟の中を覗いたら帰るから。それで良いだろ?」
 少女が頷いたのを見て少年は駆け足で廃墟へと近寄る。
 身を乗り出して窓から中を覗き込むも、首を横に振るとすぐさま少女の下へと戻っていく。
「何も無かったよ。やっぱり嘘だったんだな」
 少年がつまらなそうに言うと、子供達は村へと戻っていく。
 予知で犠牲になるはずだった少年。子供達が無事に村へ戻っていくのを確認して、事件は解決されたのだと、猟兵達もグリモアベースへと帰還するのだった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月23日


挿絵イラスト