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魔法のチカラ

#UDCアース #挿絵

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#挿絵


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●Puella maga
「センセ達は、普段から魔法少女になりたいと思っていると思うンスけれど」
 ね、と首を傾いだ小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)は狐のように瞳を細め。
「そういう訳で、センセ達には魔法少女になってきて貰うっス!」

 予知に顕れたのは、邪神教団の一つの企みであった。
 強い願いを持つ者を魔法少女へと変身させ、願いを歪んだ形で叶える事で絶望させて喰らう魔法生物達。
 それらを大量に放流する事で、願いを持つ者達を邪神の贄としようと言うのだ。
「住宅街の外れにその魔法生物達がみっちみちに詰められている倉庫があるっスから、センセ達にはその倉庫の中身を丁寧に倒してきて欲しいっス!」
 もし。倉庫ごと破壊する等の乱暴な方法で敵達を一匹でも逃がせば、近隣の住民達に魔法少女の呪いが及ぶであろうと、いすゞは人差し指を立てて注意を付け足し。

「強い願いを持つ――、センセ達ならば今回『敵を倒す』という意志があるっスよね。つまり、倉庫に入ればその場に魔法少女になるっス」
 本来ならば『契約』によって成る呪いではあるが、今回はその媒体があまりに多すぎる。
 魔法生物を逃さぬために倉庫自体に施された呪物結界により、外を通る程度ではその呪いに侵される事も無かろう。
 しかし。もし願いを持って結界の中に足を踏み入れれば、その呪いが暴発する事は想像に難く無い。
 老若男女、皆一律魔法少女と化すであろう。
 皆だ。

 その性質上、邪神教団の団員の見張り等は居ない、と彼女は付け足してから。
「ま、ま、ま。お仕事を終えたら綺麗な星とネモフィラの見える丘もあるッスし、なんなら焼肉屋だってあるっスから」
 憂さ晴らしだって出来るっス、なんていすゞは笑ってぽっくり下駄をコーンと鳴らして。
「可愛くなってくるっスよォ、センセ!」
 莞爾に喉を鳴らしたいすゞの掌が、眩いた。


絲上ゆいこ
 いつもお世話になっております、絲上ゆいこ(しじょう・-)です。
 魔法少女になる皆さんを書かせて下さい。
 よろしくおねがいします。魔法少女になる皆さんをです。

●一章について
 魔法生物が沢山いるので、倒して下さい。
 物流倉庫めいた広めの倉庫の棚全てに、魔法生物がいます。
 広さや条件で戦闘には困る事はありませんが、魔法少女になります。

 全員です。
 入った瞬間綺麗に変身します。多分バンクもあります。
 魔法少女名(Magical Motto)もなんかこう、でます。
 心の目で見えるやつが、でます。
 希望の魔法少女名が無い場合は絲上がどうにかします。
 キャラモチーフや色表記があれば、嬉しいです。
 ユーベルコードもどこかマジカルになるでしょう。

●大切な注意
 恥ずかしく無いです、全員魔法少女ですから。
 恥ずかしくはないです。
 場合によっては魔法少年や、魔法中年や淑女もなりますがその辺りはお任せいたします。
 格好良い魔法使いになる事もあるかもしれません。
 恥ずかしくないです。
 みんな魔法少女だから大丈夫です。

●三章について
 ネモフィラの咲く丘で、星空の元過ごす事ができます。
 一つのシーンに絞ってプレイングを行うと、ぎゅっと引き締まって良い感じになるかもしれません!

 もうどうしても心が落ち着かない場合は、近所に食べ放題の焼肉屋さんもあるそうですよ。20歳以上ならお酒だってでます。
 いすゞはお声掛けがあれば、三章のみ参加させていただきます。

●迷子防止のおまじない
 ・冒頭に「お相手のキャラクター名(または愛称)とID」または「共通のグループ名」の明記をお願いします。
 ・グループ名等は文字数が苦しい場合、無理に括弧で囲わなくても大丈夫ですよ!

●その他
 ・プレイングが白紙、迷惑行為、指定が一方通行、同行者のID(共通のグループ名)が書かれていない場合は描写できない場合があります。

 それでは、皆様の魔法少女をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『『都市伝説』魔法少女マスコットの怪』

POW   :    証拠隠滅
自身の身体部位ひとつを【対象を丸呑みする怪物】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    『ほらほら敵が出てきたよ!』
いま戦っている対象に有効な【魔法少女を屠り去る敵】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    『これで契約成立だよ』
【対象を魔法少女に変える種】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●魔法少女は夜に笑う
 しんと冷えた広い広い倉庫の中。
 誰も居ない筈の倉庫の中では、確かに気配が蠢いていた。
灰炭・炎火
なるなるなるなるなるなるなる!
あーし、魔法少女なる!
わー、なってみたかったの! 夢だったの! ね、いいよね!

ステッキは……ニャメ(※:全長3m、鎖鉄球付きの斧)でいっか!
いくよぉー、へーんしんっ!(ニャメの重斧をブンブン振り回し周囲の敵を薙ぎ払いながらバンクに入る)

じゃーん! えーっとえーっと、じゃあ、アッシュコール・フレイムファイアー! 炎と火の魔法少女! 可愛く参上! あーしがきたからには、大惨事よ!

あーしの魔法は…………フルパワー!
纏めて、どかーんってしたげる!


砂喰・ネイン
マホー……今、なんて?少女?
馬鹿おっしゃい、そんなのになるものですか――

(変☆身)
……なるのね。いいわ、あきらめましょ。
只管に契約契約って芸のない。貴方たちそれでも商人なの?違う?
それなら私の奴隷になるか、若しくはこのまま死になさい。
隷属の鉄鎖(※ハートフル・キズナチェインとルビが振られ
ショッキングピンクに染まっている)で魔法生物を締め殺すわ。
何でよ。何でキラキラしたエフェクトが出るのよ気持ち悪い。

それにさっきから気になっているのだけど、この服って。
(ヘビモチーフ。ふりふりでふわふわ)
……その、せめてもう少し足を隠してほしかったわ。
お父様に知れたら怒られちゃう。

※アドリブ絡み歓迎
なんでもします



●導かれし炎と、導く蛇
 月明かりに照らされた外壁。
「ふうん、ここね」
 確かめるように扉に手を伸ばした砂喰・ネイン(奴隷売り・f00866)は、ソレを値踏みするかのように瞳を細める。
 随分と大きな倉庫だ。
 どうやら鍵は掛かっているようだが、この程度であれば壊す事は他愛もないであろう。
「ふふんふふん、ふふんふふん♪」
 そんなネインの上を、ちらちらと輝く炎の翅がぐーるぐる。
 ご機嫌な鼻歌で、素敵なビートを奏でる小さな妖精。
 灰炭・炎火(“Ⅱの闘争”・f16481)がぴっかぴかの笑顔で、ネインを上から覗き込む。
「あーしねえ、魔法少女になってみたかったんよね! 夢だったの!」
「馬鹿おっしゃい。そんなものになるものですか」
「ええーーっ、魔法少女ええやんー!」
 炎火は唇を尖らせてみせるが、どこか楽しげ。
 そのまま彼女が小さな掌で扉を押すと、軋む音と共に開く扉。
「……?」
 確かに先程は、鍵が掛かっていたのに。
 鍵なんて、はじめから無かったかのように軽々と開いた扉。
 瞳を瞬かせながらネインが扉の横を覗くと、圧倒的な怪力にねじり切られた鍵だったモノが見えた。
「……随分と力が強いのね」
 チロリと蛇の舌を伸ばしたネインは、肩を竦めて。
「うぇへへ。そうなんよぉ、あーし強いんよぉー」
 炎火は当然と言った様子で、くすぐったそうに笑いながら倉庫の中へと翅をはためかせた。
 その瞬間。
 二人を射抜く、大量の視線。
「ぷゅい」
 倉庫の中にそらぞらと響いたのは、あまりにカワイイ声音だ。
「契約、――成立ぷゅ」

 そして、世界は虹色に染まる。

 心とは裏腹。身体が、勝手にリズミカルに動き出す。
「――ニャメ、いくよぉー!」
 真紅の巨大な重斧を、軽々と持ち掲げる23cmの妖精。
 そのまま円を描く様に、得物を振り回す軌道に炎が弾けた。
「へーんしんっ!」
 斧に世界の色を塗り替える煌めく流星を纏って、星が幾つも爆ぜて散る。
 ぱちぱちと瞬き二つ、紅い瞳に炎が燃え宿り。
 勢いに乗った炎火は、斧を振り回して、くうるりくるり。
 彼女が回る度に。身につけた衣服を燃やすが如く、炎が舐めあげ。
 その跡は、光り輝く灰と化す。
 灰が風に溶けるように吹き飛べば、そのリリカルな衣装を顕しだす。
 軽やかな音と共に、爪先が朱に染まり。
 空中を滑るようにステップを踏んで、ぱちんと火花が散った瞬間。
 炎火が滑らかにウィンクをすると、星が跳ねた。
「炎と火の魔法少女――」
 どこからともなく飛んできた炎の蝶が、ポニーテールの根本へと留まると髪飾りと成り。
「アッシュコール・フレイムファイアー! 可愛く参上っ!」
 炎火……否。
 ――魔法少女アッシュコール・フレイムファイアーは、巨大な重斧を掲げてめちゃくちゃカワイイポーズを取った!
「あーしがきたからには、大惨事よっ!」
 確かに。
 炎火が変身時に振り回した斧が原因で、周りの棚はへしゃげ。
 巻き込まれた魔法生物達も元気に弾け飛んでいるので、既に大惨事は間違い無い。

 この気合の入った作画。
 賢明な皆様ならばお気づきであろう。
 これは次回の変身の時も安心。
 制作コスト削減の為に流用を前提に作成されるシーンを、銀行に例えて命名されたという。
 そう。――魔法少女の変身バンクシーンである!

「……馬鹿馬鹿しいわね……」
 ちろり、ちろり。
 蛇の舌を揺らしたネインの足先が床を叩けば、靴が鈍色に輝いた。
 鈍碧色の光が足先を包みこんで、絡みつくように、編み上げるように。
 綺麗な軽い音と共に。ヒールの高い編み上げサンダルが、一瞬で色づいて彼女の脚を彩り。
 同時に腕を包んでいた光が、レースのフィンガーレスグローブと化した。
 蛇が絡みつくように、魔法のチカラでハーフアップに結い上げられた髪。
 しゃらり、しゃらり。
 鎖繋がれた金のコインが音を立てれば、光のリボンが広がり伸びる。
「と、言ってもなるのね。……そう」
 冷ややかな翠の瞳がうっそりと閉じられれば、光る魔法のお化粧。
 一瞬で、指先と目元に彩りが宿り。
 くうるり、その場で周りながら。
 ネインが人差し指で唇をなぞると、艶めく紅が引かれる。
 光のリボンがふりふりふわふわの可愛いミニスカートを生み出して。
 ネインはしゃあらりしゃらり。
 ハートのハイライトに満ち溢れた、桃色の鎖を引き絞った。
「契約なんて言う割りには、顧客のニーズも聞かずに、有無も言わせず押し売りするのね。――あなた達、それでも本当に商人なのかしら?」
 音を立てて腰に生まれるリボンは、軽やかに風を受けて。
「吹き荒ぶ砂漠の風――、アイト・ヴァラス!」
 こつん、ヒールの音を響かせてネイン――魔法少女アイト・ヴァラスは跳ねた。
「貴方たち……。奴隷になるか、若しくはこのまま死ぬか選ばせてあげるわ」

 棚から降りてきた幾体もの魔法生物達が、仲間だったモノを踏みしめてアイト・ヴァラスを見上げる。
「魔法少女になって、成したい事がそんなことなのかい?」
「もっと違う夢がある筈モプ!」
 口々にわめき出す、魔法生物達。
 心底どうでもいいモノを見る瞳で一瞥したアイト・ヴァラスは、生物達を見下ろし。
「下らない」 
 ちろり、舌で感じる彼らの意志。
 そして彼女の意志とは関係無く、自動的に飛び出る必殺技コール!
「心とお金を直列繋ぎ! 夢見心地で征きなさい、隷属の鉄鎖(ハートフル・キズナチェイン)!」
 ショッキングピンクの光が弾け、魔法生物達の首に鎖が絡みつき。
「アイト・ヴァラスちゃん! あーしも、あーしもっ! まとめてどっかーんっ!」
 アッシュコール・フレイムファイアーの明るい声音と共に。
 アイト・ヴァラスの鎖が絡みついた魔法生物達へと、叩き込まれた重斧。
 それはただの圧。
 とてもとても重たい物を頭上に叩き込まれたモノの、当然の反応。
 一瞬で圧し潰された魔法生物達は、言葉を発する事も出来なくなり。
 ずずん、と地響きに似た音を立てて、床に地割れが広がった。
 ひゃっと慌てながら、魔法生物達がわめき出す。
「フレイムファイアーとヴァラスがそういうつもりなら、モプ達も考えがあるモプー!」
 一体のぬいぐるみめいた、魔法生物の頭部が膨れ上がり。
 巨大な口を開けば、歪に尖った牙が立ち並ぶ。
「うるさいわよ」「えっ? 何なに?」
 アイト・ヴァラスの心底冷え切った声音。
 膨れ上がった敵頭の根本へと、鎖が絡みつき。
 アッシュコール・フレイムファイアーが振り向いた勢いで、石突部分より鎖で伸びた鉄球が偶然撓り。 そのままの勢いで、口を開いたままの頭を偶然叩き潰す!
「あれ、今何か言ってたやんね?」
「いーえ」
「そっか、気の所為やろかー?」
 少しだけ不思議そうに、アッシュコール・フレイムファイアーは小首を傾ぎ。
「ま、えっか! 細かいことわからへんし、全部倒せばええんよねぇ!」
「その通りよ」
 気を取り直して再び大暴れを始めた彼女に、再び肩を竦めたアイト・ヴァラスは唇を笑みに擡げた。
「おっけー、まぁかせて! あーしの魔法は、いつだって――フルパワーっ!」
 アッシュコール・フレイムファイアーのそれは、本当に魔法なのかただの暴力なのか判別はしかねるがパワーはフル。

「……でも、この服って」
 敵をヒールで踏みつけながら、ふ、とアイト・ヴァラスは視線を落とし。
「……せめてもう少し脚は隠れなかったのかしら」
 お父様に知れたら怒られちゃうわ、なんて独りごちて。
 彼女はショッキングピンクの鉄鎖を、更に振るうのであった。

 二人の魔法少女は、背中合わせ。
 魔法生物達を、括って、叩いて、潰す。
 だってまだまだ敵は、たっぷり居るのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オセロ・コールブランド
俺知ってんスよ。いまどきのレディースはカワイイ男にいいねしがちだって。
だから俺!魔法少……年女!バッチシキメてくんでシクヨロよろまーッス!人助けしてモテたーい!
つうわけでスカイステッパーで飛びまくる俺は今からシマエナガの魔法……ちゅん!
(※白×黒×ピングブラウンなのでシマエナガを名乗ることにした)

「そこまでだ!可愛くってってごめんなちゅん!ひと呼んでえーっとえーっとシマエナガの魔法少女えーっとえーっと……俺でーーーーっす!キック!」

基本数が多くて掴まえる感じっぽいんで
前述コードで飛ぶ・ないし【スライディング】で動き回って逃げつつ
マジカルキックとかゆるふわバスターソードできっちり削ってく感じで!


鳳仙寺・夜昂
俺が……魔法少女……?

なんとなくマジカルになった錫杖持って、
魔法少女物によくいる使い魔っぽくなったひよこ(雛鳳)を肩に乗せて
ひらっとした服とマフラーを風になびかせ、
和製ダークヒーロー系魔法少女、ここに推参――!

俺、通りすがりの魔法少女です!こっちはサーヴァントのひよこ!

敵マスコットを『月影』で縛ったあと、思いっきり【グラップル】で殴る。
昔、日曜の朝で見た女子向けアニメでもやってたし平気平気。全然魔法少女。

なーーーにが契約成立だ、こちとら険悪性質なんだよ!責任取れよ!自分が蒔いた種でくたばれ!

正気に戻るなよ俺。死ぬ。


※魔法少女名おまかせ
※絡み・アドリブ歓迎
※どうなっても構いません


キラス・レスケール
絶望を喰らうとは許せんな。希望を与え人々を守るのが神である。
つまり俺様は神でありながら光の魔法少女だったというわけだな!

俺様は神だから変身バンクとやらも神々しく光輝くものとなるだろう。
白い翼とかも舞うだろう。ふりふりのレースすら似合ってしまうのだ。神だからな。

ふむ、敵が多いな。だが魔法少女にして神の俺様はこの程度で動じることはないな!
攻めに回るだけが戦いではない、傷付いた猟兵たちを『生まれながらの光(マジカル・ゴッド・ヒーリング)』で癒して回ろう。
疲労は蓄積するかもしれんが、神にして魔法少女はこの程度で膝をつきはしないのだ

※自信満々ノリノリ俺様神様
※アドリブ、絡み、その他ご自由に調理して下さい



●煌めく魔法少……少女達
 倉庫へと一歩踏み込めば、そこは『呪い』渦巻く空間。
 しかし神たる彼にすればそんな『呪い』等、憂うことも無い些末な事であった。

「――絶望を喰らうとは許せんな、希望を与え人々を守るのが神である」
 朗々と響く声音。
 曼荼羅めいた文様が背に浮かび上がり、後光が煌めく。
 一瞬ラメの全裸になったキラス・レスケール(†神†・f16415)の背より、伸びた巨大な白い羽根が彼を包み込み。
 どこからともなく現れた、大量の羽根が撒き散らされた。
 高く高く脚を擡げたキラスの足先から、ラメが解けてゆく。
 白いヒールブーツ。
 ふんだんにあしらわれたレースは、その柔肌を覆い。
 金色のペチコートにふわふわのクリームのような白いスカートが、キラスをかわゆく彩る。
 肩がまろび出た可愛らしい上着に、花咲くように金ラメのリボンが弾け。
 ふうわり降り落ちてきた羽衣めいた薄布を纏えば、長い紅い髪が輝いてやや桃色に染まった。
 きゅりん、きゅりん。
 可愛らしい音と共に金のリボンが弾けてキラスの髪が、ツインテールに纏め上げられ――。
 蓮の花の髪飾りが輝く。
「――つまり俺様は神でありながら、光の魔法少女マジカル・ゴッドでもあるのだ!」
 後光。
 背で輝く曼荼羅が、ひときわ煌きを増し。
 キラス――マジカル・ゴッドは、脚を組んで一服。星の形の魔法の煙草の煙を吐き出した。
 この一服の為に生きている節は、まあまあある。
「ふむ、敵が多いようだ。――だが魔法少女にして神の俺様は、この程度で動じることは無い!」

 そんなマジカル・ゴッドの雄姿に。
「……か、可愛い……ッ!?」
 オセロ・コールブランド(人間のパラディン・f05438)は衝撃を受けていた。
 どうみても20を超えた大人が、ふわふわキラキラピカピカ偉そうに可愛い服である。
 完全にアウト、アウトに見えるが……。
「俺、知ってんスよ。今どきのレディースカワイイ男にいいねしがちだって」
 カワイイ男。
 どう見ても成人男性があんなに可愛い服を纏えるのならば。
 青春のど真ん中! 若干16歳の俺が可愛くなってしまったりしたら!?
 もう、いいねがバズっちゃうんじゃねーっの!?
 ウェーイ、ウェイ! ウェイウェーイ!?
「俺! 魔法少……、ね、女ッ! バッチシキメてくんでシクヨロよろまーッス!」
 彼は、偉大なる一歩を踏み出した!
 どうもこう、名乗り切るにはちょっと勇気が足りませんでしたけれど!

 暗転する世界。
 光の聖剣が背景に映し出され、シルエット姿になったオセロがその剣とすれ違う。
「あぁ――俺ァ、……俺ァ……! 人助けしてモテたい!」
 それは腹の底よりの。
 心の。
 魂の叫び。
 願いに呼応するかのように、世界に満ちる光。
 空より光り輝く羽根が、降り注ぎ。視界を全て覆い尽くさんばかりの、白に満ち溢れた。
 まるでダンスのように、ステップを踏んだオセロの身体が白く発光する。
 これは意志にかかわらず、身体が勝手にステップを踏ませているのだ。
 すいっと腕先に掌を滑らせると、軽い響きと共に羽毛めいたグローブが腕を覆い。
 赤褐色の瞳の奥で、光が煌めいた。
 胸元、腰、脚。
 ぱん、ぱん、ぱん、と3度光が弾け。
 羽根モチーフの白いワンピース。
 黒いベルトが、腰でくうるり回って。
「わるーい契約はそこまでだ!」
 ステップを踏む、オセロの腰より伸びた外套の内側は桃褐色。
「可愛くってってごめんなちゅん! 人呼んで――えっと、えっと……シマエナガの魔法少……ちゅん……年女……!」
 円を描くように蹴り上げられた白いブーティが、その爪先で変身バンクシーン内の世界を切り裂くように。
「俺でーーーーっすッッ!!! キーーーーック!」
 なかばやけくそ気味に魔法少ちゅん年女マジカルシマエナガは吠え。
 敵達の視線を一身に受けながら、魔法生物が詰まった棚へとドロップキックをぶちかました!
 名乗りがなんとも中途半端ですけれど!

 マジカルシマエナガが飛び込んだ棚から、ぼとぼとこぼれ落ちる魔法生物たち。
「魔法少女になれムーのに、本当にそんな力の使い方で良いム?」
 ふるふるとその身を寄せ合い、ぬいぐるみ達が彼を見上げた。
「それ、……は……」
 何のために魔法少女になったのか。
 一瞬言葉を詰まらせマジカルシマエナガ。
 俺は、……俺は――。
「ぽっくんたちを……助けてほしいムゥ……」
 震えながら魔法のステッキを構えて、魔法少女(男)を見上げる魔法生物は潤んだ瞳。
「良いに決まってんだろ、バァーーーーーーカ!!」
 その横から颯爽と現れ。
 魔法生物を罵りながら錫杖でフルスイングした鳳仙寺・夜昂(仰星・f16389)の姿が、煌き光った。

 ※ここから架空の回想シーンです。
 寺の裏山で、あの日出会った紅い紅いひよこ。
『俺が……、魔法少女……?』
『そうピョ、よっくんは魔法少女になるピョ!』
 炎の尾羽をはためかせた、炎色のひよこがぴょいぴょいと跳ね跳び。
『よっくんは……ひよを助けてくれたピョ、これはお礼ピョ!』
『そうか……俺は、魔法少女……』
 脳裏に過った呪いの見せる、架空のおぞましい映像。
 今、世界で一番不機嫌です。みたいな仏頂面を浮かべた夜昂の尻尾毛が靡く。

 意識せずとも、身体が勝手に動くのだ。
 腰が捻られ、腰に手を当て。
 ハートを準えた形へと生まれ変わった錫杖を口元に寄せれば、りんりんりん。
 綺麗な音を立てて揺らす度に、世界にハートが満ち溢れ。
 ひいらりひらり、和服モチーフの裾が靡いて。
 青いマフラーが光り輝きながら、首に巻き付いた。
「俺、通りすがりの魔法少女! こっちはサーヴァントのひよこ!」
 ぴよ。
 勿論しゃべるわけも無い雛鳳が、一段とおおきなリボンを揺らして夜昂の肩へと降り立ち、変身完了。
 背中にカワイイハートが散り。しゃり、とみらくるはーと錫杖が音を立てる。
「実らぬ徒花に実を、命の輝きをココに! 和製☆ダークヒーロ系魔法少女、みらくるよだか、推参ッ☆」
 ぱきゅーんみたいな音がして、カワイイポーズをキメさせられるみらくるよだか。
 はー、って顔をマジカルシマエナガはする。
 ほう、って顔をマジカル・ゴッドがした。
 あー、って顔をみらくるよだかはした。
 大丈夫、正気にはまだ戻っていない。大丈夫。このまま行ける。
 あーってなりながらも、視線に負けないようにみらくるよだかは自らに言い聞かせ。
「――なーーーにが契約成立だ、こちとら険悪性質なんだよ!! 責任取れよ!!」
 棚を擡げた脚の反動だけで蹴り上げるヤクザキックで更に蹴散らしながら。
 ミニスカ着物のみらくるよだか(男)がぜんぜん正気には戻っていないけれど怒りに満ちた口調で魔法生物達をバンバン踏んだ。
「うぇ、責任!? 責任をそいつらに取らせるつもりっスか!? 認知!? 認知させるっスか!?」
 何故かドキドキしてしまったマジカルシマエナガ(男)が、魔法生物のブチ放った光線を空中を蹴って避けつつ、ふかふかのスカートをはためかせ。
「ほう、ほう。俺様は神だからな、貴様のそういう所も受け止めてやるぞ!」
 海よりも深く広い神の御心で、薄布をはためかせながらマジカル・ゴッド(男)は指先に加護の光を宿し、みらくるよだかの身も心も癒やしてやる。
 重ねて軽やかに地を蹴ったみらくるよだかは、こちらに向かってきている魔法生物に向けてすばやく錫杖を叩き込むと種を打ち返し。
「シマエナガ、ゴッド!? 何の話しだ!?」
 魔法少女達は、勿論魔法少女名で呼び合ってしまう。
 それは魔法少女の呪いの、基本的かつ重要な部分だ。
 みらくるよだかの足元の影が長く長く伸び、星々の煌きを纏ってマスコット達を縛り上げ――。
 そこに空を蹴って方向転換してきたマジカルシマエナガが、蹴り上げた勢いと重力を味方に。羽根の如き美しきバスタードソードを、叩き込む!
「そりゃ魔法少女の話っスよー」
「ふむ、魔法少女の話だな」
「あーーーーッッ!!」
 魔法少女の責任って何だろう。
 ぴよぴよとみらくるよだかの肩で、リボンを揺らして踊って応援をする雛鳳。
 影に囚われた魔法生物達を、ぜんぜん正気に戻ってなんか無いけれど、まるで苛立ちを叩き込む様に何度も殴るまじかるよだか。
 ふ、と。
 額に掌を当てて、小鳥の様に首を傾いでマジカルシマエナガは周りを見渡し。
「んで、こんなにカワイイ魔法少女になったのにレディースはどこっスかェ?」
 あれれ、おかしいなあ。
 ふかふかとしたカワイイリボンがマジカルシマエナガの頭上で揺れる。
「うん? このフロアには俺様達しか居ないが?」
「ンエ?! 俺がこんなにカワイイ格好してるのに、いいねしてくれるレディゼロ!?」
 マジカル・ゴッドの言葉に目を丸くするマジカルシマエナガ。
 二人の魔法成人男達は一度視線を交わして、こっくりと頷いて。
「いいね」「いいね」
 魔法生物を執拗に殴りながら呟くまじかるよだか。
 神の寛容さでいいねをするマジカル・ゴッド。
「ちゅんちゅーんッ!?」
 ふるふると首を振ったマジカルシマエナガは、鳥の尾を模したスカートをはためかせて顔を覆った。
 かわいそうだから光で彼を癒やしてあげるマジカル・ゴッド。
 哀れな少年魔法少女の心まで癒やす、これぞ神対応ってモンよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桜屋敷・いろは
なゆさん/f00421

モチーフ:桜、夜空
膝上の丈の桜色の和服に、白いエプロンドレスのエプロン部分のみ
白いオーバーニーソックスに、桜の止め飾り

桜モチーフのヘアアクセに、白鬼の面を頭に

和風魔法少女の出来上がり、ですね
まぁ!なゆさん、とっても可愛いです!
お花がすてき。

んん、名乗りは思いつきました。
澄み渡る雪牡丹。
冴える桜吹雪。
とか、どうでしょう?

では、行きましょう
バトンのように魔法のステッキをくるくる回して

悪い子、悪い子、だれかな?何処かな♪
見つけたらふたりで送ってあげます♪

お空で楽しく遊びましょ♪

(必殺技の名称等お任せします。可愛い名前もお願いしたいです。)


蘭・七結
イロハさん/f17616

モチーフ:アネモネ、赤紫
白い振袖に、あかく短かな袴を合わせ
あかい花一華と白鬼の面を頭に乗せて
和風の魔法少女のできあがり、かしら

魔法少女。夢と希望を混ぜ合わせた、ステキな姿
そんな魔法の姿になれたのなら、きっと愉しいわ

まあ、なんて愛らしいのかしら
イロハさんも、よおく似合っているわ
名乗りは、どうしようか
はじめてだもの。迷ってしまうわね
ナユの名前を、イロハさんが付けてちょうだいな

悪さをする、悪い子が現れたみたい
悪い子には、おしおきが必要かしら
そのための魔法少女、だものね
あかい花の乱舞を、味わってちょうだいな
くるりくるり。魔法の杖を回してみせる
〝紅恋華〟のように、花びらを舞わせて



●花の少女達
 蘭・七結(恋一華・f00421)と桜屋敷・いろは(葬送唄・f17616)が、その倉庫へと脚を踏み入れた瞬間。
 二人の身体が輝き出した。

 彼女達の意志とは関係無く、身体が動きだす。
 こつん、こつん。
 左足、右足、踵を鳴らして。
 踵の音に合わせて。
 室内だと言うのにカーテンを引くみたいに、世界へと嘘くさい夜の帳が落とされる。
 煌めく星空、大きな月。
 淡紅色と紅色と花弁が、舞い散る、散る。
 貝のように結ばれた二人の掌へと花弁が纏われ。
 その花弁は、二人の衣装を和装へと生み変える。
 白い振袖、桜色の和装。
 こん、こん、と二人が同時にステップを踏むと髪が結い上げられ。
 七結の手を握ったまま。
 いろはがその腕を高く持ち上げると、七結がその掌を支点にくるりと廻る。
 同時に服が光り、白い振袖の下が紅く短い袴に早変わり。
 次は七結が腕を高く持ち上げれば、いろはがその掌を支点にくるりと廻る。
 膝上丈の桜色の和服に合わせて、オーバーニーソックスとふかふかとしたサロンエプロンが輝いた。
 小さく笑いあった二人が同時に相手の頭の上へと手を伸ばせば、花弁が輝き散り。
 いろはの結いあげられた頭上には、桜花飾りと白鬼の面。
 七結の結いあげられた頭上にも、紅い紅いアネモネの花飾りと白鬼の面。
 魔法の輝きを纏う桜の杖と、鍵の杖。
 かつんと二人が杖を交わしあえば夜に染まった世界は、元の倉庫へと戻ってくる。

「まぁ! なゆさん、とっても可愛いです!」
「イロハさんも、よおく似合っているわ。なんて愛らしいのかしら」
 お花が素敵ね、なんて。
 くすくすと二人は、暗い倉庫の入り口で密やかに笑い合い。
「ねえ、名乗りは、どうしましょうか。はじめてだもの、迷ってしまうわね」
 ナユの名前を、イロハさんが付けてちょうだいな、と。
 七結は、いろはに大きな紫瞳を瞬かせて。
「……ん、んん、そうですね……」
 いろはは、七結の耳へと唇を寄せて内緒のお話。
 笑みに瞳を眇めた七結は、くすぐったそうに紅花弁を揺らし。
「ふふ。それはとっても、素敵、ね」
「ふふ、そう言ってもらえると、安心しました」
 ふにゃ、と眦を下げて笑ういろは。
 そこに響いた、歪な声音。

「君たちは、その契約で何を望むんだい?」
「君たちは、その契約で何がしたいんだい?」

 倉庫の奥から、現れた幾つもの気配。
 声音と共に放たれた種を、バトンのように杖をくるくると廻したいろはが叩き落とし。
「まあ、まあ。悪さをする、悪い子が現れたみたい」
「悪い子、悪い子、だれかな?」
 内緒話みたいに、肩を竦めあった二人は敵へと向き直り。
「悪い子には、おしおきが必要かしら?」
「では、ふたりで送ってあげましょう」
 だって、だって。
 そのための魔法少女、だもの。
 地を蹴って、同時に踏み込んだ二人は真っ直ぐに敵を見やり、杖を掲げた。
「冴える桜吹雪――、セイント・ブロッサム」
 ふわりとエプロンを靡かせた、いろは――セイント・ブロッサムは腕を引いて杖をくるくると廻し。
「澄み渡る雪牡丹――、セイント・アネモネ」
 回り込むように杖を円の形に薙いだ七結――セイント・アネモネは、紫の瞳を細めた。
 名乗りを上げた二人を包み込む、美しい花弁の煌きは魔法のチカラだ。

 ――さよならさよなら、愛しきみよ。
 ――お空で花の乱舞を、味わってちょうだいな!
 かつん、と二人の杖が重なった瞬間。紅と薄紅の花弁が重なり、生まれる花時雨。
 燃え、敵を貫く花弁の雨は、嵐のように敵を裂き焦がし。
「ぴゃっ!」
 ぬいぐるみのような敵達は、ぼてんと地に落ちて。
 浄化されたかのように、花に飲み込まれて溶け消える。

「………」
 ちょっぴり、ちょっぴりだけ。心の中に生まれたどきどき。
 眼鏡の奥で揺れる藍色。
 セイント・ブロッサムは杖をきゅっと握りしめて。
「……魔法少女って楽しい、ですね」
 セイント・アネモネはこっくり頷いて、こーんと靴底を響かせた。
「ふふ、おんなじね。夢と希望を混ぜ合わせた、ステキな姿だもの。おそろいで、愉しいわ」
「ふふ、……そうですね」
 肩を竦めて、擽ったそうに笑ったセイント・ブロッサムは歩きだす。
 その横をセイント・アネモネも一緒に歩き出す。

 この奥にはもっともっと、たくさんの敵達が待ち受けているだろう。
 それでも、それでも二人なら。

 悪い子、悪い子、だれかな、何処かな♪

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花菱・真紀
姉ちゃん…俺、この歳になって何故か魔法少女になりました…(呆然としながらも敵UDCにはキチンと対応)
あーもーこうなったらヤケだなりきろう!?
魔法少女☆マキ。参上☆

可愛いマスコットのフリをして人をだますわるーいUDCは倒しちゃわないとね♪

UC【バトルキャラクターズ】を三体召喚。こっちも仲間を増やさせてもらうよっ!
(召喚したキャラクターも魔法少女っぽい何か)
じゃ、一斉攻撃行くよー♪

(自身は対UDC用自動拳銃で攻撃。
【クイックドロウ】【先制攻撃】【戦闘知識】【援護射撃】【スナイパー】)

魔法少女に銃ってのもいいもんだろ?
〜はぁ、なんかどっと疲れた。

アドリブ連携歓迎。


天之涯・夕凪
ふむ、魔法少女に…ん??
すみません、少し耳が…それで、ええと、誰が魔法少女に?
…。
なるほど
分かりました
では皆さん、頑張ってくださいね(帰ろうとする)(帰れない)
…。

はい、頑張ります(胃を痛める)
(口から血が出そう)(出ない)

という訳で、『可能な限り』目立たないよう
『可能な限り』速やかにオブリビオンを殲滅します
捕食形態にした白菫で撃ち落としていきます
…寧ろ(魔法少女になってしまったという)証拠を隠滅したいのは此方なのですが…

ああ、仕事は仕事ですから、一匹たりとも逃す気はなく
この行き場のない恥辱、弾丸に込めてお返ししますね

モチーフ:時計、銀月の夜
色:夜の色、モノトーン
属性:火
他全てお任せします



●時計とゲーム
 万年筆が宙を駆け、描き出すは時計の針。
 くるり、くるり。
 針は月夜に、踊り廻る廻る。短針を追う長針が、幾度も短針に追い抜かされ。
 かちりと二つの針が重なった瞬間。
 文字盤が溶け出し、溶けた数字が灰と黒の光の帯と化して。天之涯・夕凪(動かない振子・f06065)へと絡みつく。
 帯が絡みついた先から、ショート丈のバルーンパンツのオールインワンが生まれ。
 弾けた光が腕を這えば、黒いフィンガレスグローブが腕を覆った。
 空に浮かぶ夜がきゅっと集まり、服へと注ぎ込まれれば夜の色を紬ぎ。
 その身に刻まれた聖なる傷痕が大きく輝いて、楔が夕凪を飲み込んだ。
 さらさらと伸びるマントに、大きな懐中時計。
 書生めいた帽子を深く被ると、眼鏡の奥で銀が揺れる。
 構えた星の煌きは白銀を形作り。祈る女の彫り込まれた純白の機関銃が、その大きさを増し――。
「巡る時は願えど止められはしないのですから、――夜はお静かに」
 しい、と人差し指を立てて、内緒の指。
 ヒールブーツも高らかに。
 こん、すとん、こん。
「魔法少女、クロック・クロック推参です」
 軽やかなステップのち、炎が首元で燃えて星屑のチョーカーが弾けて揺れ。
 あっ、ウィンクも勝手に出る、凄い。
 なにこれ怖い。
「成程」
 夕凪――クロック・クロックは勿論、何も成程ってなんかいない。
 勝手に身体が動いたのだ。口も。
「……成程」
 あっ、一気に胃が痛くなってきたな……、みぞおち辺りを抑えた。
 なんなら吐血とかも今ならできそうです。
 その形がややプリティに、そして一回り大きくなった白菫に身体を寄せつつ状況を整理する。
 あまりにトンチキな話に、うっかり話に聴き入ってしまったせいでうっかり転送されてしまった。
 オーケー、成程。
 何ら成程じゃないですね。

「――魔法少女☆マキ、参上っ☆」
 その横で、ブリッブリの衣装に身を包んだ花菱・真紀(都市伝説蒐集家・f06119)――魔法少女☆マキも同じ様な状況なのであろう。
 ああ、姉ちゃん。
 ……俺はこの歳になって何故か魔法少女をしています。
 一瞬真顔になった魔法少女☆マキは、心の中で過去に亡くした姉へと祈りに近い報告を終えてから。
 ぱっちりとクロック・クロックと視線を交わした。
 ――この状況で出来る、最善の事。
「……仕事は仕事ですから」
 クロック・クロックは純白の機関銃を構えて、一気に通路を駆け出す。
「……ああ」
 どこか沈痛な面持ちで魔法少女☆マキも頷いて、可愛く装飾されたゲームコントローラーを握りしめて。
 大きな魔女帽子を被ったバトルキャラクターを召喚すると、敵の気配蠢く扉を蹴り開けた。

 ここには既に、多数の『魔法少女』たちが集結している。
 恥ずかしがる事なんて、一つも無いのだ。
 自分たち以外にも、沢山の男性が魔法少女と化している。
 そう、恥ずかしがる事なんて、一つも無いのだ。

 魔女を模したバトルキャラクターが、敵の溢れる棚をなぎ倒し。
「可愛いマスコットのフリをして人をだますわるーいUDCは倒しちゃわないとね♪」
 ヤケ気味に魔法少女になりきる事を決めた20歳成人男性、魔法少女☆マキ!
 唇を無理矢理笑みにきゅっと引き絞った彼は、やたらカラフルになった拳銃を幾度も敵へと撃ち込み。
「はい、はい。はい、そうですね、がんばります」
 彼の困った眉は生まれつきでは在るが、困ったように微笑んだまま。
 ああ、内蔵とか口からまろびでそうな気分だ。
 だからこそ。『可能な限り』目立たない様に、『可能な限り』速やかに。
 魔法生物を殲滅する事に決めた27歳成人男性、クロック・クロック!
 軽やかに地を蹴ったクロック・クロックは、歪に肥大化した魔法生物の頭を機関銃の銃口で叩き、いなし。
 その事で勢いよく閉じられた牙の横を、夜色のマントが掠り抜ける。
 床に叩き込まれたとは言え、まだ敵意の色を失わぬ魔法生物は再び大きな口を開き。
 クロック・クロックは、大きく開かれた口の中に機関銃の銃口をそのまま差し込んでやる。
 この行き場のない恥辱は。
「――弾丸に込めてお返ししましょう」
 ず、ががががががが。
 その肚の中に直接たっぷり弾を叩き込まれた魔法生物は、一瞬でその身を弾き飛ばされ。
 きゃーっと怯えた様な声を上げる、無数の魔法生物達。
 彼らはその声質とは裏腹。一気に前へと踏み込んできたクロック・クロックへと、殺到する。
「魔法少女になれて嬉しくないノ?」
「どうしてどうして、叶えたいことがあったからそのチカラを得たデショデショ?」
 魔法少女☆マキのバトルキャラクター達が、螺旋を描くように拳を叩き込み露払いを行うが――。
「助けて、助けて、戦うべきモノは僕たちじゃないよぅ!」
 後から後から。
 無数に迫りくる魔法生物達。
 一体一体がそこまで脅威とは言えずとも、大量の敵はその数こそ厄介なものだ。
 機関銃で敵を撃ち抜きながら。クロック・クロックは彼らの言葉ごと蹴散らす様に、薙ぎ払ってバックステップ。
「クロック・クロック! 後ろからきてるよっ☆」
 その瞬間。
 後ろから聞こえたその声にクロック・クロックが振り向くよりも早く。
 空中で身を翻して喰らいつかんと、迫っていた狂牙を魔法少女☆マキが拳銃で撃ち落とす。
「ありがとう……」
 撃ち落とされた敵が、地へと堕ちると同時。振り向いて地を蹴ったクロック・クロックは、魔法少女☆マキへと距離を詰めて。
「ございますっ」
 鋭く吐き出した吐息に礼を載せて。彼の背後へと放たれていた、巨大なリボンを機関銃の重心で叩き落とす!

 物量で責める魔法生物達の中心へと、追い詰められた彼らは背中合わせ。
 魔法少女達は勝ち気に、そして――困ったように笑った。
「……じゃ、一斉攻撃行こっかっ♪」
 魔法少女☆マキの魔力が膨れ上がり、魔法少女を模したバトルキャラクターがプリンセスフォームへとその姿をチェンジし。
「はい、一匹たりとも逃さないように致しましょう」
 頷いたクロック・クロックの機関銃より時計の文字盤が溢れ出すと、白い銃身に巨大な羽根が伸び生えた。

 魔法少女☆マキの号令一つ。バトルキャラクター達は一斉に魔法生物達へと飛び込んで早く鋭い一撃を放ち。
 クロック・クロックの血を喰らった白菫は、大きな羽根を張り出して、全てを喰らわんと弾を爆ぜさせる。
 敵を、倒す、薙ぐ、撃つ、爆ぜさせる。
「魔法少女に銃ってのもいいもん、だろ?」
 なんて。
 魔法少女☆マキ――真紀は笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天御鏡・百々
●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、連携歓迎

●魔法少女:○○ミラー(思いつかないのでお任せ、ミラーが入っていれば何でもOK、色は赤や白)
フリルの着いた可愛らしい服ですが、どこか日本神話の神様風味なデザインの衣装になります


動くぬいぐるみや杖とは……付喪神に近しきモノか?
いや、ずっと邪悪な意思を感じるな……
我が破魔の力にて成敗してくれよう!

敵の放つ種は神通力(武器)による障壁(オーラ防御56)で防御するぞ
魔法少女的にはバリアの魔法あたりに変化するのだろうか

その上で、天鏡破魔光による破魔の光でマスコットどもを浄化してくれる
(破魔65)
こちらは魔法少女の必殺技「セイントシャイン:変更可」などとなるであろうか


九重・桜花
魔法少女、ってあの魔法少女だよね?
うーん...ジョブ的には相性良いんだろうけど、ボクに似合うか分からないしちょっと恥ずかしいかも...
(口ではそう言いつつまんざらではない、むしろ乗り気なようで)

とりあえず倉庫に突入っと...わっ!?
(それっぽい衣装に変化して決めポーズ)
『魔法少女・○○○○(お任せします)、参上!』
...って、体が勝手に動いちゃったけど...これが魔法少女...うん、結構可愛いかも(ふふっ、っと微笑んで)

よーし、せっかくだから攻撃もそれっぽいユーベルコードでいってみようっと!
『轟け!サンダーストーム!』
雷と竜巻を組み合わせたエレメンタル・ファンタジアで一掃するよ!




 魔法少女って、あの魔法少女だよねぇ。
 ……ボクに似合うか分からないし、ちょっとだけ恥ずかしいかも。
 きゅっと拳を握り込んだ九重・桜花(花吹雪・f10723)は、その長い長いツインテールの先が巻き上げられるのを感じながら、自らの中で渦巻いた魔力の奔流に身を委ねる。
 シャツがフリルシフォンに絞り上げられ、意志とは関係無く掌がぱん、と打ち鳴らされた。
 手首に巻きつけられたシュシュが伸び、片腕を覆うグローブが生まれ。
 勝手に踊った脚先が、桃色に輝いて桜色のブーツを纏う。
 光り輝くシルエットと化した服が引き絞られてふわふわとしたスカートが纏われる。
「わるーい奴らは、おてんとさまと散ることの無い桜が許さない!」
 口をついて出る、どこか芝居じみた声。
 はらはら舞い散る薄紅色の花弁を掌に握りしめると、全身が輝いて腰にリボンが伸び生えた。
「魔法少女・チェリーブロッサム、参上っ!」
 ルーンソードを虚空へと突きつけて。
 ぴしっとポーズを決めた桜花――魔法少女・チェリーブロッサム!
「身体が勝手に動いちゃったけど、……これが、魔法少女?」
 きょときょと服の隅々まで、腕を持ち上げて、くるりと回転。
 確認しながらチェリーブロッサムは小さく頷いて。
「……うん、結構かわいいかもっ」
 ふふふ、と微笑む彼女の横。
 日輪の文様が刻まれた鏡が、くうるりくるり。
 翡翠色が広がり、鏡の中よりすり抜けるように少女が姿を顕した。
 くうるりくるり、鏡が廻る。
 鏡の中に映る少女――天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)の服がくるくると映り変わり。
 ぴたりとその鏡の回転を百々が止めれば、ぱっと翡翠色の光が満ちて。
 鏡に映った服が、現実に顕れる。
 白い狩衣めいた上着にふんだんにあしらわれたフリル。
 ぽくんと高下駄が打ち鳴らされて、紅色のミニスカートが光を纏って伸びた。
 柔らかく瞳を瞑ると、その目尻に紅が輝きと共に引かれ。
 しゃん、りん。
 涼やかな音を立てて、頭に大きな鈴が二つ。
 瞬間、背に纏われた日輪の紋より後光が伸びて。
「日輪の元に、全てを見通す明鏡! プロミネンスミラー、推して参る!」
 凛々しく瞳を開いた百々――。プロミネンスミラーは器物たる鏡を抱き寄せて。
「――チェリーブロッサム殿、感じるか?」
「うん、……禍々しい……これが呪いの気配?」
「うむ、恐らくは。……ヤドリガミに近しきモノかとも思ったが――、ずっと邪悪な意志を感じるな」
 チェリーブロッサムの答えに、プロミネンスミラーは眉を寄せて頷き。
 魔法少女のバンクシーンは律儀に待つタイプの魔法生物達が、彼女たちを取り囲んだまま一斉に蠢いた。
「邪悪なんてひどいにゃ、あちきたちはみんなの夢を守りたいだけなのにゃ!」
「信じて、ほしいにゃっ!」
 一歩脚を踏み出した黒猫のぬいぐるみは、その頭を捻じ曲げると花の蕾のような形と化した先より『種』を放ち。
「そんな姿で言われても全く説得力がないなぁっ!?」
「全くよのう! 我らを護れ、ミラーシールド・マジック!」
 チェリーブロッサムがルーンソードでその種を叩き斬り。
 掌を伸ばしたプロミネンスミラーが張り巡らせた、加護の障壁が眩く輝き。
 破砕された黒き呪いが透明な障壁にへばりついて、一瞬で蒸発したかのように溶け消える。
「信じてくれないのにゃ?」
「あんなバリアずるいワン」
「信じられないから、僕たちを受け入れられないミャ!」
「ワン達は悪い事を企んでなんか無いワン!」
 口々に喚き散らして風を切って突撃してくる魔法生物達を、障壁とルーンソードで捌きながら。
 一歩脚を踏み出した二人は、敵達を確りと睨めつけた。
「嘘をつくわるーい子達は」「我が破魔の力にて、仕置をしてくれよう!」
 地に落ちた敵達の前に、剣を片手に躍り出るチェリーブロッサム。
 逆手に構えた刃で、掬い上げるように敵達を切りつけて。
「――轟け! サンダーストーム!」
 嵐と、風の魔力が混ざり弾け。
 放たれた雷光纏う竜巻は敵達を喰らい、爆ぜる雷光。
「……君たちはもう、処分すべきみたいだね」
「ワン!」
 仲間がやられた事により、一斉にチェリーブロッサムに殺到する魔法生物!
「今だよ、プロミネンスミラーちゃん!」
「任せよ、チェリーブロッサム殿! 悪しき物よ、破魔の光に浄化されるが良い。――セイント・シャイン・ライト!」
 ひょいっと上半身を屈めたチェリーブロッサムの上を、破魔の光が駆け。
 カワイイ声はそのままに歪な姿を顕した魔法生物達が、蒸発するかのように聖なる光に溶け消える!
 奥に蠢く気配が、更に二人を睨めつけ。
「次、まだまだ来るみたいっ!」
「任せよ! 征くぞ、チェリーブロッサム殿!」
 即興の魔法少女の連携タッグ。
 ふたりとも、不思議なふわふわした衣装。
 なんだかくすぐったくて、敵の前だと言うのにチェリーブロッサムは忍び笑い。
「ふふふっ、オッケー。ボクが前にでるよっ、プロミネンスミラーちゃん!」
 魔法少女が二人いれば、不思議と何にだって負ける気がしないんだもの!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイブル・クライツァ
宵(f05409)さんの魔法少女姿が見れるって事で
私は巻き込み事故程度で、その姿を収めつつ魔法生物達を倒すわ
敵が沢山居るみたいだから、油断しないようにね?と言って魔法少女姿になる事は伏せておいて…

いつも通りの白黒ではある。
スカート短いし、ヴェールが無い分服にレース多様のゴシックロリータ系に
ヒールがショートブーツになってるわ…
カメラが無事ならOKよ。動き易さが損なわれてないなら無問題。
宵ちゃんは如何かしr…(条件反射でシャッター切り)
…ふふっ、カメラは必要よね。さ、頑張りましょう?(誤魔化す)
なら宵さんはキュートスマイラーよね?
それにしても不思議よね、と緩く笑んでから巫覡載霊の舞で敵を圧し切るわ


弦月・宵
レイブルおねーさん(f04529)にはめられて
魔法少女になるよ!

突撃前は「強い敵」と聞き、やる気満々
一歩境界を超えた所で「な、なんだこれー!?」

結んでいる髪がほどけてウェーブに、
薄青色のフリルが花弁のように広がるスカートに、
ショートブーツはおねーさんとお揃い。
おへそ出しルックに上目使いで見上げて困惑

…カメラだよね?それ。
むぅ!おねーさんにオレからの召喚魔法ーっ
魔法少女名(フォトジェニッカー)の名前をプレゼント
オレは(クールスマイラー)!
オレは二人で!(強調)カメラのデータを埋めたいな?

UC:不可視の者にお願いしてカメラマンを任せる
ついでに敵の動きを読んで、ステッキになった太刀を振り回すからな!




 衣擦れ音。
 白の髪を覆う黒いヴェールがその身を一度覆い隠し。
 次の瞬間には、身に纏った衣服がきゅっとレースに引き絞られる。
 レースでふかふかのペチコートに、レースと編込みで彩られたミニスカート。
 レイブル・クライツァ(白と黒の螺旋・f04529)が一歩歩めば、ブーツが暗色に輝きその形をショートブーツへと変え。
 こん、とステップを踏む。
 白黒の星屑が散って、黒いレースの手袋が肘まで伸び。
 もう一歩。
 大きなリボンが胸を覆い。
 こん、こん。
 ヒールが星屑を零して、レイブルは穏やかに1カメにポーズを決めて。
 仕上げに腰より黒いリボンが跳ね伸びた。
 自動で動く、変身バンクシーンの硬直時間を終え、掌をぐっぱぐっぱ。
 動きやすさには、さして問題は無さそうだ。
 ――そんな事よりも。持ってきたカメラの無事を確認した瞬間。
「……宵ちゃんは?」
 カメラを手にとったレイブルは、急いで横へと振り向いた。

「な、なんだこれ……っ!?」

 驚愕の声音も、飲み込む宵夜の光。
 薄く靭やかなその身体が、夜の闇色に飲み込まれる。
 シルエットに星屑を纏わせながら、弓形に背を撓らせて。
 黒曜の角が伸びる、綺麗な黒髪。
 結われた結び目が自然と解け、ふわふわとその髪が揺れ広がる。
 弦月・宵(マヨイゴ・f05409)がうっすらとその金の瞳を開けば、世界に色が満ちた。
 薄青の光が腰で弾け、花弁の様にスカートが花開く。
 重ねて星屑がぱちんと音を立てれば、スカートが沢山のフリルで彩られ。 
 まるでソレはダンスのよう。
 一歩脚を踏み出せば、薄青の光が脚を包んでブーツと化し。
 もう一歩ステップを踏めば更に星屑が散って、胸を覆う大きなリボンが生まれた。
 腹部も顕に、形の良い臍が見えるその姿。
 こん、こん。
 ヒールが星屑を零して宵は、2カメを上目遣いでポーズを一つ。
 仕上げに腰より伸びた、薄青のリボンがひいらりひらり。
「おねーさん、……強い敵って言ってなかった!?」
 パシャ。
 困惑顔でレイブルを見上げた宵を、反射的な速度でレイブルはとりあえず撮影する。
「……おねーさん……それ……」
 頬を膨らせて、更にジト目になる宵。
「……ふふっ、カメラは必要よね」
 レイブルは柔らかな笑顔で宵のジト目を躱して、とりあえずもう一枚撮っておく事にした。
 パシャパシャ。
「さ、敵は沢山居るみたいだから、油断しないように頑張りましょう?」
 うんうん、やっぱり宵さんの魔法少女姿なんてレアだしね。
「行く時もそれ言ってたけどさっ!?」
 事実、敵の気配は幾つも蠢いている。
 しかし魔法生物達は行儀が良いので、魔法少女達が掛け合いしている時は手を出さないのだ。
 花で装飾されたステッキと化した太刀を構えた宵は、もう、と肩を竦めて。
「むぅ……、おねーさん!」
 くるり、くるり、跳ね回せば散る花弁。
 ひゅうるり、と呼び出された精霊がレイブルの持つカメラを取り攫い。
 その存在感を一瞬で希薄にした精霊を尻目に、宵はレイブルへと向き直った。
「オレは、ふ・た・り・で! カメラのデータを埋めたいな?」
 カメラマンはお願いするからさ、と宵はレイブルを上目遣いで見上げて。
「そう、……宵さんのお願いなら仕方が無いわね」
 肩を竦めて。
 ああ、その顔も撮っておきたかったけれど。
 宵と背中合わせ、レースで装飾された白黒の薙刀を構えたレイブル。
「おねーさん、……ううん。行こう、魔法少女フォトジェニッカー!」
「なら、宵さんは魔法少女キュートスマイラーね」 
 二人の金の視線が交わされ、笑みに揺れる瞳。

 そこに、魔法生物が首を傾いだ。
「そろそろ良いミプ?」
「うん、待ってくれていてありがとっ!」
「お約束ミプからね~、じゃ、みんな行くミプ~~!」
 おー、と元気なお返事をする魔法生物達。
 在るモノは銃を構え。
 在るモノはその身を膨れ上がらせて。
 一斉に『種』を魔法少女達へと放つ!
「フォトジェニッカー!」
「ええ、やりましょうキュートスマイラー」
 跳躍と共にキュートスマイラーがステッキを振るうと、虹と星が散って種を叩き落とし。
「……それにしても不思議よね」
 ふ、と笑んだフォトジェニッカーは、キュートスマイラーの隙を埋めるように低く踏み込み。
 その身に魔力を漲らせて、レースの帯めいた魔力を散らし爆ぜさせる。
 放った衝撃波は、白と黒の花弁と化して。
 魔法生物達がきゃあきゃあ騒ぎながら、薙ぎ払われる!
 フォトジェニッカーが、振り切ったばかりの薙刀の上へと。重力に任せて降り落ちてきたキュートスマイラーは、刀身を足場として更に跳ね飛んで。
 呼び出した精霊の視界で『視えていた』。そのまま地へと降りていれば、直撃していただろう種をキュートスマイラーは既の所で回避をする。
 そして空中で上体を引き絞り――、円を描かのように太刀を鋭く振り抜いた!
 散る流星は、しゃらしゃらと音を立て爆ぜ。
 白黒の花弁に一塊にされていた魔法生物達は、ステッキの一閃にばらばらと解けるように倒れて掻き消え逝く。
「ねえ、今のちゃんと撮れていたかしら?」
 思わず尋ねたフォトジェニッカーの問いに、カメラを持つ精霊の答えは無いけれど。
「違うでしょ、フォトジェニッカーっ」
「!」
 えーいっと。
 フォトジェニッカーに抱きつかんばかりの勢いで飛び込んだキュートスマイラーは、彼女とぎゅっとくっついてカメラ目線。
 ちゃんとカメラのデータは、二人で埋めたいもの、と。
 精霊の持つカメラが、かしゃりと音を立てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
「魔法少女に変身だーーー☆」
UDCのアニメで見た魔法少女に変身できると聞いて飛び込んでいくよ!

倉庫に飛び込むと早速変身。
お洋服がぱんって弾けてシルエットの状態で魔法少女のコスチュームがどんどん装着されるよ!
気がつけばいつの間にか人間サイズになって、背中の羽もいつの間にか天使の羽みたいになっちゃった☆
変身が完了したら『魔法の妖精天使 フェアリエル・ティエル』ってどーんと名乗り上げるね!!!

戦闘は【スカイステッパー】を使って空中を駆けながら、一緒に大きくなったレイピアでぐさーってするね♪
身体が大きくなったらすごくらくちんだよ!

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


パーム・アンテルシオ
魔法少女…UDCアースのアニメとかである、あれだよね。
本当、色んな…邪神?がいるよね。

放っておけないのは、当然だけど…
せっかく、不思議な体験ができるんだから。
楽しんでいかないとね。ふふふ。

それじゃあ…うーん。歌、フレーズ。炎、フレイム。
歌と炎の魔法少女・ナインフレイズ。
ふふ、どうかな?即席にしては、意外といい感じだと思わない?

どうにも、数だけは沢山いるみたいだから…
範囲攻撃で。いっぱい燃やしちゃおうか。

ユーベルコード…火王。
じゃなかった。えっと…
第四広域魔法・ブロッサムフレア!
悪い事を企む、いけない子たちは…あつーい炎でお仕置きだよ。ふふふ。

…ちょっとだけ、楽しいかも。なんて。

【アドリブ歓迎】


リリカ・ベルリオーズ
モチーフ:ピンクのバラ、宝石
魔法少女名お任せします。アドリブ・連携大歓迎

ローズ・ローズ・マキアージュ!!
~変身バンク~
ピンクの薔薇に包まれて、(魔法少女名)ここに参上!
悪しき行いをする者には、このわたくしが…!
愛の天罰、落とさせて頂きます!(決めポーズ)

絶望の淵に彷徨う魔法生物さんたちに、このわたくしが希望を与えてやりますわ!
燃え盛れ、情熱の愛!! (いつもよりルビーの数を割り増しで)
リリカル・マジカル・ソルセルリー☆彡
あなたがたも、愛されるべき存在であることをお忘れなく!

正義の救世主みたく華麗に登場し、
敵を倒した後は多くを語らず華麗に次のフェーズへ。
その方がかっこいいと、本で読みましたから。



「魔法少女に、変身だーーっ☆」
 オレンジみたいに甘い色をした髪を揺らして。
 倉庫へとぎゅうんと飛び込んで行った、小さな小さな妖精のお姫様。
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)はその翅をはためかせて。
「魔法少女……って、UDCアースのアニメとかである、あれだよね?」
 その後ろをのんびりとついてきたパーム・アンテルシオ(写し世・f06758)は、獣耳を揺らして首を傾ぐ。
「本当に、いろんな……邪神? がいるよね」
「魔術使いとしては、とても興味深いわ。どのように変身するのかしら?」
 リリカ・ベルリオーズ(白金の翼・f12765)のおっとりとした返事とは裏腹。
 その桃瞳は、ぴかぴかと好奇心に揺れている。

 その瞬間。
 いの一番に倉庫へと飛び込んだティエルの姿が、光に飲み込まれた。
 服が白く輝き、ぱん、と光が音を立てると、足先が白いハイヒールパンプスに包まれ。
 しゅるしゅると伸びる白い光が、再びぱん、という軽い音を立ててスカートと成る。
 ティアラがきゅっと頭を包み込むデザインに輝き変わると、きゅっと身体をくの字に畳んだティエル。
 そして、ぐっと伸びをするように身体を広げれば。
 輝く妖精の翅が、白く輝き天使の羽根へと化した。
 こん、こん。
 ヒールの音を二度立てて、花がきらきらと散り。
 地へと降り立ったティエルは、レイピアをくるりと廻して前へと突きつけるポーズ。
 魔法少女と成ったときの、『願い』が叶ったのであろうか。
 妖精たるティエルの小さかった体はまるで、人間であるかのような大きさへと姿を変えていた。
「魔法の妖精天使、フェアリエル・ティエル――、ぴかっと登場っ☆」
 そしてカワイイキメポーズ。
 ぱぁん、と花弁を背おってウィンクをすれば、星が散った。

「わあー……」
「……わ」
 目の前で『魔法少女』と成ったティエルに、目を輝かせるリリカと目を丸くするパーム。
「ふふ、わたくしも変身です」
 そして。
 ぴょんと倉庫の中へと、リリカは軽やかに脚を踏み入れる。

 ――ローズ・ローズ・マキアージュ!
 何故か口を付いて飛び出てきた言葉は、不思議としっくりと口馴染む言葉だ。
 いつの間にか握りしめられていた薄紅色のバラを握った拳を高く掲げて。
 花弁の嵐にリリカは飲み込まれる。
 ――不思議と怖くはない。
 降り注ぐ宝石の輝きの中、薄紅色のバラへと唇を寄せて。
 弾ける花弁。
 溢れ出した桃色の光に包まれて、リリカは瞳を瞑った。
 瞑った目尻へと、引かれた輝く紅。柔らかな髪の毛が結い上げられ――。
 ぱん、きゅりん、ぽん。
 光が音を立てる度に花をあしらったブーツが。
 ふんだんにフリルのあしらわれたスカートが。
 宝石を抱いた大きなリボンが。
 花弁を散らしながら、リリカを包み込む!
 「ピンクのバラに包まれて――、ローズ・ローズここに参上!」
 レースと花に彩られた宝石剣を真一文字に掲げれば、鈍く光を照り返し。
 背景に散る花弁が光と爆ぜた。
「悪しき行いをする者には、このわたくしが……、――愛の天罰、落とさせて頂きます!」
 シャン、と剣で花弁の散る空間を斬り裂くように。
 真っ直ぐに前を見つめてローズ・ローズは、朗と宣言した。

 どんどん魔法少女と変身するく猟兵達を前に。
「……せっかく、不思議な体験ができるんだから」
 楽しんでいかないとね、なんて。
 パームはふふふ、と笑って飛び込む事にした。
 さあ、私はどんな変身をするだろうか。
 滑り込んだ足先から、火花が散り燃える。
「……うーん」
 折角魔法少女になるのならば、ステキな名前が良い。
 自分の得意な事。
 歌に、炎の術。
 ならば、魔法少女としての名前は――。

 九尾の尾をふんわりと揺らして、その澄んだ声音で高らかに歌を口ずさむ。
 歌に呼応して、桃色の炎が自らの服を舐めた先から光り輝き。
 紅いリボンが滑るよう。
 腰にきゅっと巻き付いて、九尾の尾を包むように大きなリボンが腰に生えた。
 いつの間にか手に握られていた、大きな扇を仰げば、一瞬その姿が扇に隠されて。
 次の瞬間投げ捨てられた扇が溶け消えると、パームの服は光に包まれていた。
 揺れる袖下。
 袖肩を晒した艶やかな和装めいた上着が、胸元に巻き付いて。
 生まれたスパッツの上から、桃色の光に包まれたスカートがぱっと伸びて形を成す。
 臍も顕に、可愛らしい元気なデザインの和装魔法少女服。
 桃色の火花が一瞬フェードインし――。
「歌と炎の魔法少女――ナインフレイズ」
 空より降り落ちてきた和傘を捕まえると、くうるりと廻して。
 ちらちらと散る、薄紅の花弁。
「悪い事を企む、いけない子たちは……あつーい炎でお仕置きだよ」
 ぽっくり下駄をこーんこん。
 ふふふ、とナインフレイズはカメラ目線で不敵に微笑んだ。

 新たな魔法少女の出現に、やっとの事でぞろぞろと姿を現しだした魔法生物達!
 そう。
 魔法少女の敵はちゃんと変身を待ってくれるのだ! 優しいね!
「とっつげきーっ!」
 人のサイズで駆けるのは初めてだけど。
 こんなに早く走る事ができるなんて、わくわくしちゃう。
 天使の羽根で風を切って、巨大なハンマーを構えた魔法生物へと。
 どこか楽しげに飛び込んで行く、フェアリエル・ティエル。
「歯ァ食いしばるヤン!」
 そんな彼女に狐めいたぬいぐるみが一気に距離を詰めて。
 圧縮した空気の壁を突き破る程の衝撃を生み出す槌が、叩き込まれた!
 ――が。
「ふふん、そんな攻撃当たらないもんねー!」
 その宙の上。
 何も無い宙を踏みこんで、その激しい一撃を難なく避けていたフェアリエル・ティエル。
 再び何も無い宙を――スカイステッパーで踏み蹴って。
 空中で脚をぐっと引き絞って、フェアリエル・ティエルは思いきり狐のぬいぐるみを蹴り上げる!
 大きな体の攻撃って、気持ち良いーッ!
「みんな! 活路はボクが開くよ! ついてきてね!」
 そのまま一気に踏み込みながら。
 魔法少女達へ大口を開いて今にも飛びかからんとする魔法生物達を、フェアリエル・ティエルはレイピアで払い除けて。
 その彼女の背を守る、ローズ・ローズは両掌に紅玉石を煌めかせた。
「絶望の淵に彷徨う魔法生物さんたちに、このわたくしが希望を与えてやりますわ!」
「ん……。じゃあ、希望を与えるお手伝いをしちゃおうかな」
 横でこっくり頷いたナインフレイズは、敵の攻撃を避け地を蹴って。
 両腕を広げれば、下駄の音を高らかに響かせた。
「ユーベルコード……、じゃなかった、えっと……」
 少しだけ言い淀んだナインフレイズは、耳を小さく揺らしてから。
「――第四広域魔法・ブロッサムフレア!」
 桃色の炎を纏った花弁が、嵐のごとく魔法生物達へと降り注ぐ。
 併せて、ローズ・ローズが紅玉石をぱっと放り投げると。それらは宙に留まり、まるで花弁のように煌めいた!
「――燃え盛れ、情熱の愛!」
 リリカル・マジカル・ソルセルリー🌠
 降り注ぐ薄紅色の花弁の雨の中。
 ローズ・ローズの愛の炎と化した紅玉石が、魔法生物達の胸を貫く!
「キュッ!?」
 貫かれて目を見開いた魔法生物たちは、桃色の花弁に静かに包まれてそのまま地へと転がり落ち――。
「――あなたがたも、愛されるべき存在であることをお忘れなく」
 ローズ・ローズは瞳を瞑って唇を引き絞ると、格好良くキメて黙り込んだ。
 だってだって。
 華麗に敵を倒した後は、多くは語らない方が格好良いと本で読んだもの。
 そこにティエルが大きく手を振って。
「あっ、奥にも沢山居るみたいだよ! みんな、行こーっ!」
 フェアリエル・ティエルのいつもより大きな身体は、見回るにもとっても楽ちん。
 早く早くなんて、大きく手を振り振り。
「わっ、はあい、待って下さいな」
 キメていたローズ・ローズは、フェアリエル・ティエルの背を慌てて追いかける。

 ナインフレイズは掌を見て、瞬きを二度、三度。
 普段よりもファンシー度の増した自らの炎の花弁。
 何かを行う度に星散るのは、少しワクワクする。
「……魔法少女って、……ちょっとだけ、楽しいかも」
 なんて。
 小さく呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソル・アーラ
魔法少女?
魔法を使う少女といえば愛しの先輩…!
先輩、今何してるのかなぁ
って、あれ?ここどこだ?(※先輩に想いを馳せて適当な生返事してたら転移させられました)

とりあえずこの中に…
え、ちょ、ま、何だこれーーーーー!?(BGM:IN)

きらめく光は愛の太陽☆
LOVEなアートで貴方を彩る♪
魔法少女マジカルソアラ!
貴方のハートにラブペインティング❤(決めポーズ!)

か、体が勝手に!しかも少女!?
え、呪い?
こ、こうなったら早く倒して終わらせるしかー!(ヤケ)

魔法の絵筆でパステルカラーに染め上げるわよ
少女の夢にホラーは厳☆禁
愛の絵の具で浄化してあげる♪

…言ってる自分を想像すると十分ホラーだけどなっ!(心の叫び)



●愛しの先輩へ捧げる
 魔法。
 魔法を使う少女と言えば――。
 勿論、愛しき愛しきローズブラウンの髪。
 菫の瞳の愛らしき瞳。
 街で一目惚れした、あの麗しく愛しき先輩!
 ああ、明日も学園で会えるだろうか!
 明日は……。
「……あれ? ここ、どこだ?」
 うっかり頭の中を片思い中の先輩でいっぱいにしてしまったソル・アーラ(空回りの太陽・f18166)は首を傾ぎ。
 そういえばグリモア猟兵が、何かを退治するとかしないとか言っていた様な。
 まあ、多分戦闘跡が見える倉庫の中に敵はいるのであろう。
 転送されたからには、戦……。

「えっ、ちょっ、まっ!?」
 倉庫へと、ソルが脚を踏み入れた瞬間。
 意識とは関係しない部分で身体が動き出した。
 腕が掲げられ、溢れるハートに飲み込まれる身体!
「な、何だこれーーーーーーーーーッ!?」
 夜だった世界が、爽やかな光に包まれ。
「――きらめく光は愛の太陽☆」
 パステルカラーの全裸にひん剥かれたソル。
 ラメがその身体を包み込み、周りを飛び交うハートが身体へと飛び込み満ちる。
 ぽん、と音を立ててエプロンドレスを基調とした服が生え。
 巨大な絵筆を両手で抱えたソルが、筆の柄をくるくると廻しながら可愛くステップ。
「LOVEなアートで貴方を彩る♪」
 絵筆を虚空へと突き出してとってもカワイイポーズ!
 やーんかわいい!
「魔法少女マジカルソアラ! 貴方のハートにラブペインティング♥」
 ぱきゅんっ、弾けたハートがマジカルソアラを彩り。
 ハートの形のブローチが沿えられたリボンが胸を飾る!

「ひっ、えっ、なにこれ? 呪い? なにこれ? 少女!?」
 変身バンクシーンの無敵硬直時間を終えれば、マジカルソアラの脳は最高に混乱を極めていたが。
 敵が待ってくれるのは変身までなのだ。
「キミが次の契約者?」
「キミの願いはなにカナ?」
「キミカワイイね、魔法の才能あるよォ」
 うぞうぞと集まってくるカワイイマスコットじみた魔法生物も、これだけの数があれば恐ろしさしか感じない。
「えっ、えっ……、あ、ああもうっ!? こ、こうなったら早く倒して終わらせるしかないのかなああッ!?」
 今マジカルソアラが理解出来ている事は、目の前にあふれているぬいぐるみじみた生物達が恐らく敵だと言う事と。自らが魔法少女に変身した言う事実だけであった。
 えっ、俺少年ですけど!?
 えっ、少女なの!?
 自問自答する間も敵は待っちゃくれない。
 混乱しきったマジカルソアラは――。
「魔法の絵筆でパステルカラーに染め上げるわよっ☆ 少女の夢にホラーは厳☆禁!」
 きゅりんっ。
 地を踏みしめると聞いたことも無いくらいファンシーな足音が響いた。
 円を描くように、巨大な絵筆を振るえばハートが撒き散らされ――。
「愛の絵の具で、浄化してあーげるっ♪」
 魔法生物達に命中したハートの塗料は、彼らの身も心もメロメロに溶かし――。

 そう。
 混乱しきったマジカルソアラは、魔法『少女』になりきる事にしたのだ。
 そうする事でスカートを履く自分を肯定しようとしたのかもしれない。
 斯くも思春期の少年の心は、敏感で壊れ物なのであろう。
 マジカルソアラの頭の奥で、あれっ、今俺が一番ホラーじゃない? みたいな思考が一瞬過るが、封殺する。
 だって思春期の少年の心は敏感で硝子だから。

「さあさあっ☆ パステルに染まりたい子から、かかってらっしゃい!」

 そうして、マジカルソアラは、考える事を止めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
まほうしょうじょ?というのが何なのかボクにはわかりませんが、
呪いを外に逃がすわけにはいかない
誰かが呪いに蝕まれるわけにはいかない
それは理解しています

【空想音盤:追憶】の花弁の嵐を身に纏い
侵入と共に敵を斬り裂きましょう
間合いに入れば鞭剣を振るい、間合いの外なら魔銃を放ちましょう
倉庫内を走り、宙を舞い敵を翻弄するように動き回りましょう

※魔法少女
お任せします
キャラモチーフは琥珀と藤の花
ダークセイヴァー出身のため世間知らずです
NGは特にありません
アドリブや連携も歓迎 です


亀甲・桐葉
魔法少女。
依頼を聞いて、勉強してきたけど
正直あんまり分からなかったや

…どんなお洋服、着るんだろう
出来ればかわいいのがいいな、白とか水色とかの…
言ってない、言ってないから復唱しないで
かわいくない子たち!

勉強したのより、ずっと怖いマスコット
だから早いとこ、片付けちゃおう

光蝶を武器に変化させて
銀の拳銃にしたら、魔法の火炎弾で敵を撃つ
隙を突いた二回目の攻撃は、後ろからの騙し討ち
敵の攻撃は〝栄光世界〟で作った、大きな宝石を盾に防いで

もうちょっと、かわいい顔で出直して
…ああ、ねこさんの使い魔、欲しかった……
もうヤケだよ
月の裏までぶっとんじゃえ
お星さまにしてあげるから

◆アドリブアレンジ、捏造盛々、全て大歓迎



●猫と蝶
 魔法少女、というものが何なのかはよくわからないけれど。
「呪いを、外に逃がす訳には、いきません」
 きゅっと拳を握りしめたアウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)は亀甲・桐葉(往瑠璃揚羽・f18587)と横並び。
 魔法少女、を勉強はしてきたけれど。
「はい、そうですね。……みんなを守りましょう」
 結局良く解らなかった桐葉は、こっくりと頷いて。
 二人は同時に倉庫へと脚を踏み入れる。
 魔法少女の事は解らずとも。
 誰かが呪いに蝕まれる事は、誰かがオブリビオンに苦しめられる事は。
 許すわけには行かないのだから。

 琥珀色の光が、幾つもの藤の花と化してアウレリアを包み。
 薄青色の光が、蝶と化して桐葉へと殺到する。

 白と黒の翼が大きく風をはらみ。
 藤の花弁がアウレリアの服装をふかふかとしたレースへと染め上げてゆく。
 くるりと回れば翼にアウレリアの身体は覆い隠され――。

 巨大な蝶の羽根が桐葉に宿る。
 殺到した光の蝶がぴったりと桐葉の身体のラインを覆ってワンピースを作り上げ。
 アウレリアとは逆方向。
 くるりと回れは、蝶の羽に桐葉の身体が覆い隠され――。

 正面に二人が向き直れば。
 琥珀色のワンピースに身を包むアウレリアと、薄青色のワンピースに身を包んだ桐葉の姿。
 弾けた光がアウレリアの耳を、藤の花で飾り。
 桐葉の背には、白の蝶の羽根を模したリボンが生え伸びた。

 とん、とん、とん。
 少女たちの身体は勝手にステップを踏み。
 リボンが巻き付いて、トゥシューズと化す。

 アウレリアが宙へと腕を伸ばせば、いつもの猫の面が掌へ。
「――魔法少女ウィステリア・アンバー」
 猫の面を被ったアウレリア――魔法少女ウィステリア・アンバーは面の奥から敵を睨めつけて。

 桐葉が宙へと腕を伸ばすと、青い蝶型の光が弾けて手袋が生まれ。
「――魔法少女ユリシス・ブルー」
 青いオオルリアゲハの光を銀の拳銃へと変えて、桐葉――魔法少女ユリシス・ブルーはその弾を撃ち放った。
 蝶の形を取った魔法の火弾は、腕を大砲に変えた猫の頭を貫き。
 同時に放たれた『種』をユリシス・ブルーは、巨大な宝石の盾を生み出して弾き返す。

 ネモフィラの花弁が、嵐の様如く。
「これが、まほうしょうじょ……?」
 花弁を纏うウィステリア・アンバーが小さく首をかしげて呟きながら。
 藤の花が咲き誇る形を成った鞭剣を撓らせ、目前まで迫っていた魔法生物達を薙ぎ払う。
 そのまま花弁の嵐を纏ったまま、敵群をかき分けるように剣を撓らせて地を蹴り跳ねた。

 ユリシス・ブルーの小さな落胆の声。
「……勉強したのより、ずっと怖いや」
 勉強した魔法少女のマスコットは、あんなに可愛かったのに。
「カワイイのがよかったのかい?」
「わっちはカワイイでありんすよ」
「カワイイカワイイ~」
 ユリシス・ブルーの呟きに、一斉に囃し立てる魔法生物達。
「もう、言ってない! 言ってないから。……かわいくない子たち!」
 重ねて魔法弾を撃ち放つユリシス・ブルーの攻撃に、わっと蜘蛛の子を散らすように。
 魔法生物達は囃し立てるのを止めて散ろうとするが――。
「逃しませんよ」
 ウィステリア・アンバーはソレを許しはしない。
 伸ばした鞭剣のリーチで、散ろうとした魔法生物達を食い止める!
「そう、逃さないよ。……もうちょっと、かわいい顔で出直して!」
 お星さまに、してあげる。
 鞭剣に絡め取られた敵へと。
 ユリシス・ブルーは銃に魔力をひときわ多く籠めこむと。
 解き放たれた魔力は巨大な蝶の炎と化す。
 そのまま炎は、敵を飲み込み――。

「でも……かわいいねこさんの使い魔、欲しかったな……」
 アニメじゃあんなに可愛かったのに。
 ぽつり、と囁くユリシス・ブルー。
 黒猫の仮面で顔を覆ったウィステリア・アンバーが、彼女をじっと見やった。
「……そのまほうしょうじょ? の使い魔のマスコットと言うのは……、ボクじゃダメでしょうか?」
 ダークセイヴァーにはそんな子達はいなかったから、どんなモノかは解らないけれど。
 ユリシス・ブルーがガッカリしている事だけは、解るのだ。
 すこうしだけずれた問いに、ウィステリア・アンバーは首を傾げ。
「あ。……たしかにねこさん、ですね」
 はた、と気がついたみたいに、ユリシス・ブルーは呟いてから。
 でも、そうじゃないんです、と笑った。
「……でも、元気は、でました。奥も、倒しに行きましょうか!」
「はい」
 ちょっと違ったみたいだけれど。
 元気がでたなら良かったとウィステリア・アンバーも頷いて。

 さあ、まだまだ敵は沢山いるのだから。
 二人の魔法少女は、先を急ぐ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
はい、私はいつだって魔法少女になりたいと思っております!(瞳を輝かせ)
ふ、ふふ。かしこまりました。
愛と勇気と色んなものが駄々漏れる魔法少女になってみせましょう、
マジカルたまちゃんミラクルチェエンジ!(変なポーズで)

■魔法少女
名前:お任せ
色:青紫
モチーフ:青薔薇
得意:歌と絵画
武器:鞭と絵筆

■戦闘
魔法少女姿(詳細お任せ)で華々しく&ノリノリで出現
「さぁ、残念ですが骸の海へお還しいたしましょう…!」
華麗な舞いと共に黒革の鞭で通常攻撃。
必殺技はたまちゃんお絵描きセットからマ
ジカルスティックのような絵筆を取り出し
「私の愛で萌やしつくします♡」
UC【Art of Flame】を

※アドリブ&絡みネタ大歓迎♡


ブリッツ・エレクトロダンス
嘘だろう…?なんでこんなふざけた呪物があるんだよ…
OKOK、片っ端から…ぶっ壊してやる!

(暴力系魔法黒豹のダイナミックエントリーだ!)
ドーモ、マスコットさん。
バイオレンスとフィストの魔法少女(?)、インパクト☆ブリッツです。
お前たちは残らず殴り壊してやる…!

ちぃ…!打撃耐性のある敵とは面倒臭い!
だが、俺1人だと思ったのが間違いだ!

(もう1人のブリッツ―――バオ肉したバーチャルブリッツのダイナミックエントリーだ!色合いは対照的)
『ドーモ、マスコットさん。
 バイオレンスとクローの魔法少女(?)、スラッシュ☆ブリッツです。
 お前たちは残らず斬り殺してやる…!』

あ、そこ。二人はブリキュアとか言うなよ?



●ひどいよ、もう
 ぱん、ぽん、ぱん。
 可愛らしい音を立てて、クロヒョウの身体が柔らかい光に包み込まれ。
 ハイヒールがココンと床を叩いた。
「はぁ……、嘘だろう……?」
 ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)は、自らのあまりにプリティな有様に絶望していた。
 ミッチミチの胸元。
 肩も露わな、あまりに可愛らしいミニスカートワンピ。
 カワイイお花だって沿えられたソレは、その美しき肉体には――。
 あまりにアマゾネスであった。
「なんでこんなふざけた呪物があるんだよ……、バカじゃねえのか」
 深い深い溜息を漏らして、頭を抱えるブリッツの有様に。
「ふ、ふふ。私はいつだって、いつだって魔法少女になりたいと思っておりますよ!」
 ぴっかぴかの笑顔を浮かべたのは毎度おなじみ、黙っていれば良い男。
 明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)がワックワクと倉庫へと踏み込んだ。
「マジカルたまちゃんミラクルチェエンーーーーーーーージッッ!」
 無闇にテンションの高い明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)が、奇っ怪な虫みたいなポーズで吠えた。
 青薔薇が降り注ぐ中。
 珠稀の全裸がラメに包み込まれる。
 綺麗な尻の曲線より、お花めいたスカートが生え伸びて。
 胸板を包み込むブリッツとお揃いのワンピース。
 よかった乳首は隠れていますよ。
 溢れる愛、溢れる勇気。
 口端に青薔薇を咥えた珠稀の目尻に、星が爆ぜれば化粧が施され。
 指先が唇をなぞれば、青い紅が引かれた。
「魔法少女――マジカルたまちゃん、推参……!」
 中途半端な上手さな歌声に乗せて。
 マジカルスティックと化した絵筆を真横に構え、捻れたシナチクみたいな自分なりの格好良いポーズを決めて。
 きゅりん、と青薔薇のエフェクトを飛ばす、マジカルたまちゃん。

「……あー……」
 そんなノリッノリの魔法少女(成人男性)を見ていたら、ブリッツだって自分の有様も開き直るしかない気がしてきた。
 一度大きく肩を竦めて、大きく息を吸う。。
「OKOK、片っ端から……ぶっ壊してやるか!」
「ええ、ええ! 残念ですが――彼らは骸の海へお還しいたしましょう……!」
 ミッチミチのワンピースを身に纏った、20代成人男性達は意志を確かめあえば。
 競うように倉庫の奥へ、奥へ。
「ドーモ、マスコット=サン。バイオレンスとフィストの魔法少女――インパクト☆ブリッツです」
 手頃な魔法生物達を見つけると、ブリッツは曲げ伸ばした膝の動きだけで棚を蹴り飛ばす、所謂ヤクザキックをぶちかました!
「キャ、キャーーッ!?」
 けっこう呑気してた魔法生物達は、その異様な雰囲気に思わず怯えの体勢。
「ワッ、何? えっ、こっわ」
「ふふ……、怖くない、怖くないですよ……」
 尻のラインがやたらと強調されたスカートの裾を揺らして。
 マジカルたまちゃんは黒革の鞭を撓らせて、彼らの逃げ道を塞ぐ。
「そう、怖くないぜ。ちょっとお前たちは残らず殴り壊してやるだけだ……!」
 インパクト☆ブリッツが舌なめずりをしながら、魔法生物の顔を睨めつけた。
「ヒッ!? 変態!?」
 思わずブリッツを反射的に殴りつけた魔法生物だが、暴力系魔法黒豹はその攻撃を敢えて受け止める。
 これぞプロレススタイル。
「さあ、怖く、無いッ!」
 鋭く呼気を吐き。
 地を砕かん勢いで強く踏み込んだインパクト☆ブリッツが、魔法生物に拳を叩き込むも。ぬいぐるみめいたその身体は、ぼふ、と形を変えるだけ。
「……チッ、打撃耐性があるたァ、面倒くさいな。しかし、俺は魔法少女だぞ?」
 俺が、打撃だけの魔法少女だと思わないで貰おうか。
 きゅりん、とインパクト☆ブリッツより花が散り爆ぜて。
 花弁が集まれば、一つの形を作り出す――!
「ドーモ、マスコット=サン。バイオレンスとクローの魔法少女――スラッシュ☆ブリッツです」
 そこに顕れたのは、もうひとりのブリッツ。
 そりゃあ――勿論彼も、魔法少女と化している。
「ヤダーーーーーーーーーーーッッ!! 増えたーーーーーーーーーッッ!!」
 殴られた魔法生物が、思わず叫び。
 なりふり構わず駆け出した。
「お前たちは残らず斬り殺してやる……!」
「お前たちは残らず殴り壊してやる……!」
 サラウンド放送の二人のブリッツは、逃げ出した魔法生物を追い掛ける。
「ヤ、ヤダーーーーーーーッッ!!」
 そうだね、いやだよね……。ごめんね……。
 合掌。

 呆然とムキムキクロヒョウの生贄に捧げられた一体の魔法生物を眺める事しかできなくなっていた、敵達だが――。
 突如投げつけられた青薔薇の茎が、敵達の前の地へと綺麗に刺さった。
 そう。
 彼らの前へと立ち塞がるのは、マジカルたまちゃんだ!
「ふふ……、心配しないで下さい。貴方たちは、私がお相手致しますよ……、愛を持って……ね!」
 ネッチリとした口調で綺麗なステップを踏んだマジカルたまちゃんは、魔法の杖めいた絵筆を構えてカワイイポーズ。
 嵐のような出来事に、魔法生物達は動く事も出来ず――。
「私の愛で、萌やしつくします♥」
 変態の愛に、焼きつくされる!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

喜羽・紗羅
アドリブ可
色形状お任せ


魔法少女になって悪い奴をやっつける♪
そうよ、どちらかというとこういうのが良かったんだから!
(……は?)
ヘンテコなヤ○ザ侍もどきより絶対こっちの方がいい!
(胡散臭い呪い屋の方がいいってか……)

私は重魔法少女ナパーム♦バサラン
手にした魔法のスクールバッグから重火器を取り出して
辺り一帯の敵を木っ端みじんに殲滅するよ♪

ちょっと待って何今の! 何でそんな物騒なの!?

うん、諦めろ。俺も諦めた

魔法博徒ブレイド♠バサラン、泣く子も黙る15歳の侠客!
手にした魔法の長ドスで悪い奴等を成敗するんだ
中身はおっさんだけど、皆にはナイショだよ♪

どうすんの、コレ……

は? 決まってんだろ、憂さ晴らしだ!



●ご先祖様と一緒
 魔法少女になって、悪いやつをやっつける。
 そんなの、自らに宿っている妙な侠客気取りの侍もどきより、絶対絶対。可愛くて良かったはずなんだけれど。
 

 ポニーテールに、紅い紅いうさぎの耳めいたリボンが生え伸びて。
 きゅりゅ、とステップを踏めばフリルに彩られたセーラー襟が揺れた。
 スクールバックを擡げた喜羽・紗羅(伐折羅の鬼・f17665)は、光の花を弾けさせて。
「――重魔法少女ナパーム♦バサラン!」
 自らの意志では無い言葉。
 自らの意志では無い動き。
 これも魔法少女に変身すると言う『呪い』なのであろう。
 そのまま紗羅は、スクールバックから取り出した重火器を構えると
「コレで辺り一帯の敵を木っ端みじんに殲滅するよ♪」
 ユーベルコードで姿を顕した、もうひとりの自分。
 ――無頼漢のご先祖『鬼婆娑羅』も、対になるポーズで可愛く花を散らし。
 青いリボンがぴょこんと跳ねた。
「――魔法博徒ブレイド♠バサラン! 泣く子も黙る15歳の侠客!」
 そのまま手に持った魔法の長ドスを、エア脇腹に差し込んで抉る動き。
「コレで悪い奴等を成敗するんだ☆ 中身はおっさんだけど、皆にはナイショだよ♪」
 しい、と。
 長ドスを指代わりに秘密だよ、のポーズ。
「……」
「……」
 対になるポーズのまま、一瞬の硬直のち――。
 顔を見合わせた、二人の紗羅。
「何今の? なんであんなに物騒なの!?」
「うんうん、諦めろ。俺も諦めた」
「やだーーっ、かわいくないーーっ!」
 悟りきった表情で長ドスを構えるブレイド♠バサランに、ナパーム♦バサランはぶんぶんと首を振っては見せるが、物騒な魔法少女になってしまった事実は変わりはしない。
「……もう、もう、どうすんのよ、コレ!」
「はァ? ……決まってンだろ」
 青いリボンを揺らして。
 ブレイド♠バサランは歯を剥き出して笑い。
「憂さ晴らしだ!」
 魔法生物をその真紅の視線で捉えると、長ドスを投げつけた。
「わ、私の憧れた魔法少女って、こういうのじゃないのにい……っ」
「うんうん、諦めろ」
 ナパーム♦バサランの泣き言を、かるーく受け流すブレイド♠バサラン。
「もーっ!」
 しかし。なってしまったものは仕方が無いのだ。
 戦わなければ、帰ることだって出来ない。
 ナパーム♦バサランは、スクールバックから重火器を取り出して――。
「木っ端微塵にするわよ!」
「おうおう、その意気だ!」
 二人の魔法少女は、敵へと一気に駆け出した!

大成功 🔵​🔵​🔵​

八津崎・くくり
【まじかるぶれいず】
心の闇もあなたの悪事もわたしのハートでマルカジリ
魔法少女、まじかるはーとさま参上☆彡

……ついポーズまで取ってしまったが
エチカ君、もしや今のがバンクってやつだろうか
幼い頃には夢見たものだが…ああ、君は似合っているね

正直しぬほどはずかしい

役割的には前衛
エチカの援護を当てにしつつ
魔法のナイフと魔法のフォークで悪い敵達を『浄化』する
後ろには極力攻撃させない

大口を開けてきた奴は交差させた武器で迎撃
逆に必殺の『くっくりんぐ☆はーと』(UC)をお見舞い
勘違いしないでくれたまえ、捕食者は私の方だ

ところで、終わったら焼肉に行きたいのだが君は?
そうか…君とはいつか戦う時が来ると思っていたよ…


鴛海・エチカ
【まじかるぶれいず】
煌めく星をこの身に纏い、夜闇をぴかぴか輝き照らす
魔法少女、まじかるすたー見参じゃ!

いやあ、きらきらしておって面白かったのう
では往くぞ、まじかるはーとよ!

姿をあらわしたな、契約の魔物め
いくら見目が愛らしかろうと我らを騙せはせぬ

くくりの援護を行うべく機を合わせて魔力弾を放って敵を穿ち
箒で飛び敵の攻撃を避けてゆく

隙を見てユフィンの杖を掲げ『定言命法』
――カテゴリカル・パラドクス!
みんな良い子になーれ、なのじゃ!
ルールを破る悪い子には星とハートの浄化ぱわーでお仕置きじゃ

星と花の丘を眺めるのが楽しみじゃのう
ふぇ……焼き肉?
この戦いが終わったら我らの雌雄を決する必要もあるやもしれぬな



●まじかる☆ぶれいず
 きゅっと自分を抱きしめるように、跳ねた身体。
 後頭部の牙が大きく口を一度開いて。
 ぱん、と音を立てて光が広がった。
 八津崎・くくり(虫食む心音・f13839)の身体が意志とは無関係にくるくると跳ね廻る。
 コックのような白い白いスーツに、赤いリボン。
 まあるい小さなコック帽子が音を立てて頭へと生まれ。

 小さな掌、腕のアップ。
 流星が鴛海・エチカ(ユークリッド・f02721)へと降り落ち、空の色の手袋がぽんという甘い音と共にエチカを彩る。
 次々に降り落ちてくる流星が、帯と化してエチカにまとわり付いてはスカートに、大きなリボンに、そしてトレードマークの大きな帽子へと光り形を変えた。
 一歩ステップを踏めば、星が弾けてリボンに星の花が咲き。
 もう一歩ステップ、更に弾けた星が帽子を飾りあげる。

 合わせるように前へと出たくくりの頭にエチカが触れると、きらびやかな音を立てて髪がツインテールに結い上げられ。
 お返しと、くくりが巨大なフォークを薙げば、エチカの髪が重力に逆らうように巻き上げられ。後ろで二つに括りったミルク色が、ぴょーんと跳ねた。

 二人は背中合わせ。
「心の闇もあなたの悪事もわたしのハートでマルカジリ!」
「煌めく星をこの身に纏い、夜闇をぴかぴか輝き照らすっ」
 背を弓形に反らしてから、きゅっと捩り直した身体。
「魔法少女、まじかるはーとさま参上っ☆」
 巨大なフォークとナイフを交わし構えたくくり――、魔法少女まじかるはーと!
「魔法少女、まじかるすたー見参じゃ!」
 バトンの如く、星霊杖をくるくると回して。
 脚を片足だけ擡げたカワイイポーズをとったエチカ――、魔法少女まじかるすたー!
 対になるポーズを取った二人に、流星が弾けて一瞬輝かしいフレアが満ちた。

「……ついポーズまで取ってしまったが、もしや今のがバンクってやつだろうか……?」
「いやあ、きらきらしておって面白かったのう!」
 訝しげに呟いたまじかるはーとの横で。うむうむと、まじかるすたーは満足げ。
「ああ、君は本当に似合っていたけれど……。いや、まあ……、私も正直幼い頃には夢見たものだが……」
 どこか歯切れの悪く言葉を重ねるまじかるはーとは、視線を明後日の方向へと向けた。
 正直、死ぬほど恥ずかしかったのだ。
 そんな二人へと、歪な気配がにじり寄る。

「おめでとう、新しい魔法少女たち」
「君たちのネガイは、僕たちが叶えたプー!」
「だから、……」

 姿を顕した魔法生物、――敵を見つけた瞬間。
「姿をあらわしたな、契約の魔物め。いくら見目が愛らしかろうと我らを騙せはせぬ!」
 まじかるすたーが天球儀を模した星杖を掲げ、口上を一つ。
「往くぞ、まじかるはーとよ!」
「勿論。往こう、まじかるすたー君。私はもう、お腹がぺこぺこなんだ」
 呼気に裂帛の気迫を乗せて。
 まじかるはーとは一気に地を蹴って、一瞬で間合いを詰め寄った。
 反射的に顔を捻り割って、歪な歯列の並ぶ大口を開いた魔法生物達。
「勘違いしないでくれたまえ」
 開かれたその口へと、まじかるはーとは巨大なフォークを捻り込む!
 そのまま滑り込ませたナイフで敵を跳ね上げると、UDCでそのものたるツインテールがまるで巨大な掌のように蠢いて敵をキャッチ。
 小さなコック帽子が、まじかるはーとの頭で揺れれば――。
 くっくりんぐ☆はーと!
 皆の心に伝わる、言葉なき言葉。
 背景に跳ねるカワイイ星々が散り爆ぜて。
 しかしクック……、調理とは言ってみたものの。
 味付けなんて必要無い、素材そのものの味でぱくり。
 彼女の後頭部の口は、敵を『まるかじり』。
「――捕食者は私の方だ」
 飛び込んできたまじかるはーとに仲間が一瞬で喰らわれた事で、魔法生物達は一斉に彼女へと向かって牙を剥くが。
 魔法少女は一人では無い、――二人いるのだ!
 すぱぱぱぱぱん、やたらキャッチーな音を立てて幾つもの星が弾け。
 騒然とした敵群へと叩き込まれる、箒の柄。
 それは箒に横座りで腰掛けて突っ込んできた、まじかるすたーの突撃だ!
「――カテゴリカル・パラドクス! みんな、良い子になーれ、なのじゃ!」
 まじかるすたーの言葉は、魔法の言葉。
 尚もまじかるはーとへと噛みつかんと飛びかかった敵達が、内側から弾けて綺麗な星を吐き出して。
 ハートと星の魔力は、簡単な約束すら護れぬ彼らを内側から浄化する。

「うーん……、美味しくない」
 倒れた敵達を、ひょい、ひょい、とフォークで拾い上げては後頭部の口で喰らいながら、ぼやいたまじかるはーと。
 でも食べます。
 戦う度に散っていた星々に、不思議じゃのう、なんてまじかるすたーは首を傾いで。
「ああ、でも、本物の星と花の丘を眺めるのが楽しみじゃのう」
 小さく呟かれた彼女の言葉を、まじかるはーとは聞き逃しはしていなかった。
「……そうか……。君とはいつか戦う時が来ると思っていたよ……」
 強い意志を持って。
 まじかるはーとは、まじかるすたーと視線を交わした。
「……私は、終わったら焼き肉に行きたいのだ」
 伝える言葉は、ひどく重苦しく響く。
 そう、まじかるはーとは、焼き肉に行きたい。
「……ふぇ?」
 まじかるすたーは、星と花の丘へと行きたい。
 じゃあ二人共分かれて行動すればいいじゃない、と思うであろう。
 しかしこの二人は、分かれて行動したい訳では無いのだ。
 だって寂しいじゃん。
 だからこそまじかるすたーは、不敵に笑みを浮かべた。
「この戦いが終わったら我らの雌雄を決する必要もあるやもしれぬな」
「……そうだね、その時は――」
 敵をフォークで貫いたまじかるはーとは視線を落として、低い低い声音で呟いた。
 いつか、いつか。
 彼女と戦う時が訪れる事を、予感して。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎
魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃ

やん
あたし可愛い…
魔法少女…天職ね

和洋折衷、靡く振袖
桜色のふわフリルミニスカは美脚が際立つわ!見せつけてるのよ
キラキラ桜吹雪とかわかってる
全てがキマってる
華麗な魔法で粉砕してやりましょ!

リルの歌に微笑んでウインク♡
赤くなって可愛いわ
フレズ
爆破は敵をお願いね!
いくわよヴォルフ!
とても100歳には見えない御御足ね
踏み潰してやるといいわ

ピンヒール鳴らし駆け蹴撃
ご褒美よ!魅了された?
流れる様にマジカル屠桜に煌めく呪詛のせてなぎ払い叩き斬る
魔法だから
魔法の怪力のせ千切り穿ち抉る
あたしのりるぴぃに近寄らないで頂戴
仕上げは『穢華』
綺麗に首を刎ねたげる


フレズローゼ・クォレクロニカ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎
マスコットポジション:不吉なうさぎ
魔法少女フレフレ

なんて壮観なんだ!魔法少女がいないぞ!
ボクは、彼らと契約した不吉なマスコットなのさ

あっリルくん可愛い!魔法人魚だ!
出ておいでよ、キミの櫻はノリノリだよ?
櫻宵とヴォルフくんはなかなか!
強い!強いよ!
よくミニが履けたねっ
櫻……ちぇりーちゃんすごいねいろんな意味で
魔法とは物理だったんだ
踏まれたら風穴あくね!

ボクも全力魔法で炎のハートを描いては爆発させる破壊工作で、ばーんとやるよ!
ほら、結構魔法でしょ
空中戦でふわり躱して
女王陛下は赤がすき!ぜーんぶ真っ赤に塗り替えたげる!

悪夢みそうな美脚だけどまあ、まあ!
これもありさ!


ヴォルフガング・ディーツェ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

魔法少女☆ヴォルヴォル(今年100才)

ちょ、気がついたらマイクロミニ履いてるぅ!
…女の子がフレズしかいないこともだけど、年長者組のこの筋肉質な腕と足はダメじゃない?…大丈夫、リルはおかしくない

よしさっさと終わらせる為にmagic or killしちゃうぞ☆

何故か櫻宵とお揃いのピンヒールで爆走【グラップル】で近接戦
…リルの歌、もっと違う場面で聞きたかった…!!
力を貰いつつ蹴撃と爪の格闘技を交えた【斬首の幻想】で攻め立てよう
ならオレは、櫻宵と反対側から綺麗に首を刈り取るとしようかな!
悪夢とはしつれ…いやそうとしか言えない図だコレ!美脚どころかぱんつ見えるでしょオレら!?


リル・ルリ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎
魔法人魚りるぴぃ

えっ
僕が、魔法少女に?

わぁ!?
絵本にでてくるみたいな、きゃるきゃるした人魚、になってしまった
恥ずかしい
僕はおとこなのに、恥ずかしい……
僕の櫻にこんな恥ずかしい姿、みせられな……ノリノリだ
なんかすごい自信で仁王立ちだ
格好も、いや、似合って、る?
ヴォルフガングまで……!
え……魔法、少女だ
……隠れてる僕がおかしいのかなフレズ

ぼ、僕だって!
皆を盛り上げる歌を歌うよ
びーじえむ、だ
歌唱に鼓舞のせて歌う、『凱旋の歌』はきっと皆を盛り上げてくれる
り、りるぴぃ、だから僕
魔法の歌で、『魅惑の歌』で、守るよ
心を奪う魔法の歌だ

あ!櫻!そんな動いたら
すかーと、が!めくれ……!



●美脚
 桜吹雪が舞い散る中。
 爪先、目尻、唇。
 輝く薄紅色の光が誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)の身を包んで、彼を彩り。
 光り輝くラメがまとわり付いた全裸へと、靡く振り袖。
 それは実体を顕した、和洋折衷可愛らしい魔法少女の衣装。
 そこへ現れた空を泳ぐ人魚――リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)が、櫻宵腕を伸ばし。
 微笑んだ櫻宵はリルの掌を引いて、その手の甲へと口づけを落とした。
 唇を離したその瞬間、手の甲より青光が満ち溢れ。
 リルの身体が、光とラメに飲み込まれる!

 伸びる光が絡みつき、腕を彩るフィンガレスグローブ。
 早送りの成長をする蔦の如く、真珠と金の鎖がリルを綾って。
 ふわふわのシフォンブラウスの上で音を立てた星が、胸元を覆うリボンと化した。
 ぱん、と軽やかな音。
 櫻宵の脚がふわふわのペチコートがたっぷり、薄紅色のフリルをあしらったミニスカートに包み込まれる。
 ふわふわ広がるハートと星屑。
 ぽん、ぽん、ぽん。
 リルの尾へと被せられた薄いヴェールに、桜の花が幾つも花芽吹き――。
 手を繋いだままくるくると廻る二人の腰より、大きなリボンが跳ね伸びた。
 きゅりんと爽やかな音がひときわ大きく響いて、二人はカメラ目線。
「魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃ、推して参るわっ!」
 ピンヒールも高らかに。
 惜しげもなく脚を晒した櫻宵――、魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃがファンシーさ増し増しの屠桜を構えて、虚空へのサービス投げキッス。
「わっ、えっ……魔法人魚りるぴぃ……、只今見参……っ!」
 いつの間にか被っていた帽子をきゅっと抑え込んだリル――魔法人魚りるぴぃも、空中で尾を跳ねさせて可愛いポーズをキメる!

 こん、こん、こん。
 黒き光に飲み込まれたヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)の足先を彩る、ピンヒール。
 腕に巻き付いた包帯がしゅるしゅると伸びて。
 身体へと巻きつきぴかりと星を散らせば、マイクロミニのワンピースが顕現した。
 筋肉質な身体を包むふわふわかわいい白と黒のレース。
 ぱん、ぽん!
 光が弾ける度に、襟に、手首に、足先に。
 可愛らしいレースが、ヴォルフガングを可愛く可愛く彩ってゆく。
 瀟洒な腕輪が指先で華と輝いて、一瞬アップになったヴォルフガングの目尻に紅が差す。
「キミの心にダイレクトアタックっ、――魔法少女☆ヴォルヴォル!」
 艶かしく人差し指と中指で唇をなぞると、紅が美しく引かれ。
 そのままウィンク一つ。
 ヴォルフガング――魔法少女☆ヴォルヴォルは虚空へ愛嬌をたっぷり振りまいた。

 そして訪れる、一瞬の硬直時間。
 その一瞬で真顔になったヴォルヴォルは、自らの衣装を見下ろして――。 
「ちょっ、あの! 気がついたらマイクロミニ履いてるゥ!?」
 半ば悲鳴。
 絶望するヴォルヴォル(今年100歳になります)の横で、りるぴぃが魚の尾をぴぴぴ、と跳ねさせて。
「う、うう……、僕はおとこ……なのに、こんなの恥ずかしい……」
 僕の櫻にはとてもとてもこんな姿、見せられない。
 これ以上姿を晒す事を厭い。
 慌てて物陰に隠れたりるぴぃが、こっそりこっそり皆の様子を伺うと――。
「……やん、あたし可愛い……。魔法少女、天職じゃないかしら……?」
 ウキウキとポーズを決める、僕の櫻。ちぇりー☆ぶろっさりぃ(24歳成人男性)は、ノリにノリノリ。
 なんかすごい自信満々に仁王立ちなんかキメちゃってる。
 やっぱり、櫻はすごいなあ、なんて。りるぴぃは嘆息を漏らし。
 次に移した視線の先は、蜂蜜色と薄紅色がとろける甘い髪を編み上げたうさぎの少女だ。
「なんて壮観なんだ!」
 燕尾服じみた時計うさぎの装飾に、おおきなイチゴ飾りを頭に二つ。
 フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)こと魔法少女フレフレは、腰翼をはためかせてながら悪戯げに口を開いた。
「これでは全く魔法少女がいないじゃあないか! 強い、絵面が強いよ! 本当に、本当に、よくミニが履けたものだねっ!」
 今日の彼女の設定は魔法少……少年……少年……? ……魔法少女達と契約した不吉のマスコット、との事だ。大の大人二人の前で大げさに、フレフレは嘆いて見せて。
「世界平和の為に、美脚を魅せつけてるのよ」
「いや、俺はダメだと思ってるぞ」
 平然と言いのけたちぇりー☆ぶろっさりぃの言葉を、一瞬で否定するヴォルヴォル。
 あまりに筋肉質な腕に脚。いやいやいや、やっぱり世間様に晒しちゃダメじゃない?
「あっ、リ――りるぴぃは可愛い! 魔法人魚だね!」
 はた、と目があった魔法人魚りるぴぃへと。
 本名を呼ぼうとした瞬間に、一瞬詰まった言葉。そう、魔法少女に変身している時は、魔法少女ネームで無意識に呼び合ってしまう。
 そういう『呪い』なのだ。そういうお約束なのだ。
 大きく手を振ったフレフレは、垂れたウサギ耳をはたはたと跳ねさせて。
「出ておいでよ、キミのちぇりー☆ぶろっさりぃはノリノリだよ?」
「た、たしかにノリノリで……格好も……、似合……、似……?」
 皆の格好を見ていると、だんだん脳が混乱してきたりるぴぃ。
 あれ、ほんとうにこのすがたはにあって……、……あれ、なにが正解だっけ?
「ふふ。りるぴぃ、可愛いわよ」
「ウン。……大丈夫、大丈夫。りるぴぃはおかしくない」
 ちょっと格好のおかしいちぇりー☆ぶろっさりぃとヴォルヴォルに肯定されれば、更に脳の混乱は加速する。
「……隠れてる僕がおかしいのかな、フレフレ……」
「いや、ちぇりーちゃんはすごいよ、いろんな意味で」
 フレフレの言葉にやっぱり? なんて。観念したりるぴぃは、皆へと向かって尾を跳ねさせた。

「――じゃれ合いは終ったにゃ?」
 そこへ姿を顕したのは、歪な魔法生物達。
 変身シーンと魔法少女達のじゃれあいシーンは邪魔をしない、いいヤツ達だ。
「ええ、おまたせしたわね。いくわよヴォルフ! 華麗な魔法で粉砕してあげましょう!」
「よしさっさと終わらせる為にmagic or killしちゃうぞ☆」
 同時に響いた、おそろいのピンヒールの駆ける音。
「ご褒美よ!」
 先に飛び出したちぇりー☆ぶろっさりぃが、筋肉を撓らせて上体を捻りると敵へと回し蹴りを側頭部に叩き込み。
「あ……! ちぇりー、そんなに動いたら、すかーとが、め、くれ……!」
 絶句するりるぴぃ。
 えっ、えっ、そんな、惜しげもなく下着を晒しちゃう!?
「……ご褒美か?」
 重ねて飛び跳ねたヴォルヴォルが、跳ねた敵の頭へと踵をねじり込んだ。
「ご褒美よ、その証拠に魅了されたみたいじゃない?」
 ちぇりー☆ぶろっさりぃが見下ろせば、びくんびくんと震える魔法生物。
 魅了というか、多分、それは――。
「ワッ、魔法とは物理だったんだ! 悪夢みそうな美脚だけどまあ、まあ!」
 これもありだよね。なんて、フレフレがぎゅっと拳を握って、頷き頷き。
「踏まれたら風穴があきそうな美脚ってことかな!」
 それって、どんな美脚かなあ。
 更に横から飛びかかってきた魔法生物へとヒールを捻り込むヴォルヴォルは、美脚と共に、パンツをチラリ覗かせ。
 魔法生物が悪いものを見た、と言わんばかりに絶望的な表情を浮かべたまま地へと沈む。
「ふふ。とても100歳には見えない御御足ね」
 同じく蹴り上げるちぇりー☆ぶろっさりぃの下着がチラリと顔を見せ。
「悪夢とはしつれ……、アレ……っ? ホントだ! そうとしか言えない図だこれ!」
 衝撃的な映像に、やっと気づいたヴォルヴォル。
 こんなミニスカートで蹴れば、そりゃあ。
 そうです、そのとおりです。
 先程よりはちゃめちゃにおぱんつがお見え遊ばしていてよ。
「でも、悪い子達には悪夢くらいが丁度良いんじゃないかな?」
 不吉なマスコットより滾る魔力が、ぱちりと爆ぜて星散らし。
 しあわせなゆめなんて、見させてあげない。
 虹薔薇の花弁を撒き散らして、フレフレが描き出したのは大きな大きなハートの炎!
「ボクの魔法も見せたげる!」
 瞳を眇めたフレフレがぴょいんと跳ねて、ハートを敵へと叩き込めば魔法の炎が燃えあがる。
 そんな皆の活躍に、一人きゅうっと拳を握りしめたりるぴぃ。
「ぼ、僕だって!」
 あんなに身を挺して二人が頑張っているのに、絵本にでてくるようなきゃるきゃるした人魚の姿になったからといって何なのだ。
 照れを断ち切るように。
 ――りるぴぃは甘く甘く澄み切った声を漏らし歌う。
 それは魂をひきつけて離さない、陶酔を齎す人魚の音色だ。
 美しき旋律が、倉庫に響き渡り――。
「オレさぁ……、りるぴぃの歌はもっと違う場面で聞きたかったな……」
 指輪を魔爪へと変え、前線で敵を殴るヴォルヴォルは少しだけ悲しげに。
「ステキな歌でしょ?」
 側面から攻撃を仕掛けようとした魔法生物を、踏みにじったちぇりー☆ぶろっさりぃはどこか誇らしげ。
 マジカル屠桜に煌めく呪詛を載せて、ぐっと踏み込んだちぇりー☆ぶろっさりぃが敵を薙ぎ払うと、りるぴぃへとウィンク一つ。
 魔法少女のウィンクは、それだけで星が散るのだ。
 目を見開いて、歌は止める事なく頬を染めたりるぴぃ。
 かーわいい!
 そんなりるぴぃへと迫る、一体の魔法生物。
「――……、あたしのりるぴぃに何しようとしてンのよ。近寄らないで頂戴!」
「ちぇりー!」
 曲調の変わったりるぴぃの歌声が、此方へ迫ろうとしていた魔法生物の脚を止めるが……。
 例え、その脚を止めたとは言え。
 愛しい愛しい人魚に一瞬でも迫ろうとした敵は、許しはしない。
 一瞬で間合いを詰めたちぇりー☆ぶろっさりぃの魔法の腕が、マジカル屠桜を薙ぎ払い。
 一瞬で敵の首は、千切り穿ち抉られる。
 そんな彼らを尻目に、一気にラッシュをかけるヴォルヴォルがレースをはためかせて。
「フレフレ!」
「まーかせてっ!」
 魔法少女達の猛攻に追い詰められた魔法生物たちは、自然と壁際に追い詰められはじめていた。
 苦し紛れに吐き出された種を、フレフレはうさぎのジャンプ。
 ふうわり飛び跳ねて交わした絵筆を叩けば。紅い薔薇、白い薔薇。
「女王陛下は赤がすき! ――ぜーんぶ真っ赤に塗り替えたげる!」
 魔法生物へと、降り注ぐ。
 わがまま女王様の傍若無人赤い薔薇!
 一箇所に追い詰められた魔法生物達に降り注ぐ花弁が、爆ぜ散り、燃える!
「……不吉なマスコットは、不吉を運ぶのさ」
 照り返す炎。
 そしてフレフレは、綺麗に笑う。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスクルール・ラカーユ
光色

魔法少女になるってなんでだろう…僕男だから少年じゃないの
でも僕魔法使えないから魔法使えるのはちょっと心惹かれ
って、待ってサン!まだ心の準備がー!

『舞い降りる光は夜明けの輝き
ミルキー・ブルー参上!』
…僕は一体何を?そしてこの格好は何?
凄くひらひらした服になってるよ!ズボンじゃなくて丈の短いスカートだしなんだか落ち着かない…
あ。『悪い子にはおしおきしちゃうぞ☆』
向かってくる敵にはこういえばいいんだろ?僕これは知ってるよ!

敵に対してはUCでクレールを巨大化させて攻撃してもらう。クレールのつっつく攻撃結構痛いんだぞ!
最後はサンと合体攻撃!かっこいい!あっ、違う。可愛いだろでしょ?

※アドリブ歓迎


サン・ダイヤモンド
光色

あれ?エスクルール?
エスクルールも魔法少女になるんだね!行こう行こう!

久しぶりに再会した彼の手を引いて倉庫に入れば即変身

無垢色の甘く鋭い魔性の爪、花の蕾の唇に
いつもより艶感たっぷりもっふり毛並み
長い睫毛の瞬き2回

中性的な容姿を活かし
煌く純白のロングドレスにマントのようなレースケープを閃かせ
神秘的にメイクアップ

※ズボンは足爪で裂く為普段からスカート生活
故に恥らい0
いつも通り元気
むしろ皆キラキラで楽しい

コードネーム『すうぃーと☆さんしゃいん』!
名付け:ブラッド

『大樹の精』を杖化
エスクルールと合わせ技
「光の洪水」で敵を呑み込んで

願いを歪めて絶望させるなんて
そんな酷い事、ダメだよ!

🍎アドリブ歓迎



●光色の再開
 男も魔法少女になると、説明をされた。
「……僕は男だから魔法少年じゃないの……?」
 エスクルール・ラカーユ(奇跡の迷子・f12324)は頭の上に乗った、白いひよこのような精霊クレールに尋ねるように呟き。
 うーんと唸る。
 魔法少女、ということは当然魔法が使えるようになるのであろう。
 それは魔法をつかえない身としては、多少なりとも心惹かれるモノがあるのだが。
 ……魔法少女、か。
「あれ? エスクルール?」
 そこへ。金の瞳を瞬かせたサン・ダイヤモンド(甘い夢・f01974)は、兎の耳をぴょんと跳ねて。
 有無を言わさずエスクルールの手を引くと、久々の再開を喜ぶように駆け出した!
「エスクルールも魔法少女になるんだね! 行こう行こう!」
「って、わっ、わっ!? 待って、待ってサン! まだ心の――」

 そのエスクルールの言葉の続きが紡がれる事は無い。
 倉庫へと彼らが脚を踏み入れた瞬間、光の帯が二人を包み込んだ。

 絡む青い帯は、エスクルールへと。
 無垢色の白い帯は、サンへと絡みつき。

 艶を宿した花の蕾の唇。
 長い睫毛が、瞬きに二度揺れた。
 くるくると回りながら、帯はサンの肌で跳ね弾け。
 蕩けるようなロングドレスに、光が弾ければ肩へとレースケープが顕現し。
 ぴんと伸ばされた甘く鋭い爪先に、彼の憧れの黒が宿る。
 目尻を彩る朱に、擽ったげに揺れる狐尾。
「ずっとずっと、あなたのためだけに紡ぐ歌」
 ぱん、と光の帯が弾けてステップを踏んだサンは、ピースを額に当ててポーズをキメ。

 甘いオレンジが、エスクルールの唇に紅を引く。
 サンとは逆回転。
 くるくると回りながら、青い光の帯がエスクルールの肌の上で弾け。
 腰でリボンが弾けて、たっぷりとあしらわれたレースが太ももを彩る。
 薄青のミニワンピースを纏ったエスクルールの爪先に、水色の彩りが添えられた。
 目尻を彩る色は、薄青。
 服の裾に幾つものリボンが弾けて、光の帯が溶け消える。
「舞い降りる光は夜明けの輝き!」
 同じくステップを踏んだエスクルールは、サンと対になる形でピースを額にあててポーズをキメ。
 
「すうぃーと☆さんしゃいん」「ミルキー・ブルー」
 サン――すうぃーと☆さんしゃいんと、エスクルール――ミルキー・ブルーは同時にカメラを見つめて。
「「参上っ!」」
 可愛く宣言した!

 変身バンクシーンにて意志とは関係なく、動いていた身体に自由が取り戻され。
 一瞬で冷静になった、ミルキー・ブルーは掌に視線を落とし――。
「……僕は一体何を……? そしてこの格好は何……?」
「わ、みて、みて、ミルキー・ブルー! ふわふわだね!」
 そんなミルキー・ブルーの横で、すうぃーと☆さんしゃいんはぴょんぴょんくるくる。
 この名前も彼に貰った名前なのだから、嬉しくない訳なんて無いわけで。
 はしゃぎながら自らの服と、ミルキー・ブルーを見比べながら――。
 そこで、すうぃーと☆さんしゃいんが瞳を大きく見開いた。
「……お願い!」
 強く感じる、歪んだ気配。
 すうぃーと☆さんしゃいん真剣な表情を浮かべた。
 大樹の精へと語りかけると、精を杖へと成し。
 勿論ミルキー・ブルーだって、その気配は感じている。
 クレールを掌へと乗せると、いつまでも落ち込んではいられないと、朗々を宣言した。
「出ておいでよ、悪い子は……、このミルキー・ブルーとすうぃーと☆さんしゃいんがおしおきしちゃうぞっ☆」
 精一杯の魔法少女らしさ。
 魔法少女とはこういう事を言うものだと、ミルキー・ブルーは知っている!
 同時に跳ねたクレールが、大きく大きく膨れ上がり。

「新しい魔法少女達をお出迎えに来ただけだよー」
「君たちのお願いを聞かせてほしいな」
「君たちは、何をまもりたいの?」
「君たちは、何をすくいたいの?」

 邪悪な響きを宿した可愛らしい声音。
 ぞろぞろと現れたぬいぐるみ達に、大きなクレールが一直線に突撃する!
 結構いたいくちばしに、ぴよぴよ突かれはじめた魔法生物達は、その隊列を崩し――。

「今だよ、すうぃーと☆さんしゃいん!」
「うん、ミルキー・ブルー!」
 いつのまにか握られていた、ハート型の杖をミルキー・ブルーは高く掲げ。
 すうぃーと☆さんしゃいんの大地の精の杖が、そこへ交わされ。
 二人の杖の間に光が生まれ、魔力がぐうるりぐるり、渦巻いた!
「――願いを歪めて絶望させるなんてそんな酷い事、ダメだよ!」
「わるーい野望は、僕たちが挫く!」
 ブルーシャイン!
 スウィートシャイン!
 二人の呪文が重なり――。
 同時に突き出した杖より、光の洪水が生み出されて敵を飲み込んだ!
「へへん、かっこ……あっ、違う。 可愛いだろでしょっ?」
 弾け飛んだ敵達に、鼻の下を軽く擦ったミルキー・ブルーが胸を張り。
「うんうん、可愛かった、可愛かった! ねえ、ねえ、今の、もう一度やりたい!」
 あどけなく笑ったすうぃーと☆さんしゃいんが、わあいと跳ねて微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セツナ・クラルス
魔法少女か
……うん?少女?
私が少女を名乗って許されるのか少々不安だが
なんとかなるだろう
ねえ、ゼロ……うん?
「オレには敷居が高すぎる」って?
仕方ないなあ
私の勇姿を間近で見ててくれたまえ、ふふ

変身後は
黒のロングワンピース姿になる
名前…はエクサとかそんなので良いのだろうか

これが…私?
…ふふふ、なかなか悪くないじゃないか
さあ、変身した私の実力、見せてあげよう
キュートでメルヘンでファンシーなゆめかわいいウサギ型の観測者を召喚
さあ、行こうか、わよ…ええと、ぴょんすけ(観測者の名前)
私たちの眼から逃れることはできないよ、だわよ?
口調は変だが、武器は手に馴染んだ大鎌を使用している為、
戦闘に支障はない、はず



●ふたつでひとつをしてくれない
 瞳を瞑り、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)は心の中へと問いかける。
 ねえ、ゼロ。
 魔法少女だそうだよ。
 ……、うん、少女だ。
 ねえ、ゼロ。
 聞いているかい?
『その件に関してオレを呼ぶな。敷居が高すぎる』

 そうか、そうか、仕方ないなあ。

「――ふふ、私の勇姿を間近で見ててくれたまえ」
 不敵に笑んだセツナが、一歩足を踏み入れれば。
 黒い世界へと、その姿がとぷんと飲み込まれた。
 落ちる、落ちる。
 平気な顔で瞳を瞑ったセツナへと絡みつく、白い光の腕のようなモノ。
 それは彼の身体へと絡みつくと、白く長いワンピースへと形を変え――。

 黒の世界の一番底。
 いつの間にかヒールブーツへと形を変えた靴底がこつんと音を立てた。
 世界の黒を飲み込んで、服が黒く黒く染まり行く。
「魔法少女、エクサ。――ふふ、来たよだわ。」
 使い慣れた大鎌と、ダンスを踊るように。
 柄を引き寄せたセツナ――魔法少女エクサは柄へと口づけを一つ。
「……これが、私?」
 は、と正気に戻ったかのように瞳を瞬かせたエクサに――。
「今度こそ殺すワンダニャ!」
「ちょっと絶望してくれないピョン!?」
 棚から零れ落ちてきた魔法生物達が殺到する!
「丁度よい腕試しじゃないのだわ、変身した私の実力。……見せてあげようわよ!」
 キュートでメルヘン!
 ファンシーでゆめかわいい!
 その場に適したうさちゃん型の使い魔を召喚したエクサより、ぴょんとうさぎが跳ね離れ。
「ええと、ぴょんすけ、……さあ、行こうか、わよ!」
 いつもみたいにゼロがかまってくれないので、今日は使い魔のぴょんすけがお相手です。
 杖の柄側で飛びかかってきた魔法生物達を叩き落としたエクサは、一度バックステップで距離を取って。
 ぴょんすけの視界は、エクサの視界。
 跳ねるぴょんすけの視界を共有しながら、エクサは慣れ親しんだ鎌をぴしっと構えた。
「私たちの眼から逃れることはできないよ、だわよ!」
 口調は滅茶苦茶。
 結い上げられた三つ編みに幾つもの白い花を咲かせた彼は、黒いワンピースの裾を揺らしてエクサは駆ける。
 きゅりん、きゅりん。
 魔法少女が駈ければ、可愛い音が鳴るのは道理だ。
 煌めくエフェクトを纏って、大きく鎌を引き絞る。
 魔法少女が攻撃すれば、可愛い光が散るのは道理だ。

 魔法少女は戦う、その徒花たる命を刈り取るが為に。
 珍妙な女言葉を、重ねながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九之矢・透
なんて恐ろしい呪いなんだ……!
ていうか、何で魔法少女なのさ

倉庫に入った直後の己の姿を見下ろして、
うおおおお、に、似合わねええええ…
……あ、ちょっとまってまって、この帽子だけはキープで……!
え??ま、魔法少女名って何さ!?(※お任せします)
……衣装の色が緑色ってのはまァ、嫌いじゃないけども

【WIZ】
『蜘蛛の絲』使用

「先制攻撃」と「スナイパー」で、
こっちに向かってくる種ごと絡めて捕らえる!
「範囲攻撃」で仲間への種も防げたら上々
抑えてる間に仲間にどーんとやってもらおう

どんな敵が何匹やって来ようが、仲間がいれば百人力!
……っていうのが魔法少女だろ?
もうな、変身までしちゃったら、
やり切るしかないよな!


コーディリア・アレキサンダ
まほうしょうじょ?
魔法少女の、呪い???
いや、ボクは魔女だけれど
え、変身するの? ごめん、なんだって?

説明はよくわからなかった
けれど、いや、うん、それが人に害を為すなら
――そうだね、叩くべきだ。早急に





ここからはベリアル、我が主に宿る悪魔が筆頭が――
いや、お供妖精的なサムシングであるベリアルくんに任せてもらおう

主は既に魔女然としているがそれではいけない
もっとフリルが必要だ。スカートの丈も短くしよう
ベースカラーも黒では陰気。白、白く輝くべきである

攻撃手段は……そうさな、レッドアイ
貴公、可愛くなれ
眸を星型にするとか

では行け、魔法少女サタニエル!
世界を征服する第一歩だ!


【全部!!お任せ!!します!!】



●皆様お忘れなきよう、これは呪いなのです
「なんで……なんで魔法少女なのさっ!?」
 そんな苦情を聞き入れてはくれない光が満ち満ちて、絡みつく光は花を宿す。
「……あ、ちょっとまってまって!?」
 勝手に指先が腕をなぞれば、花を模したつややかな長く白いグローブが九之矢・透(赤鼠・f02203)の細腕を包み込む。
 そばかすはそのまま、翠の瞳を彩る紅。
「せ、せめてこの帽子だけはキープで……っ!」
 帽子を奪われないように両腕で押さえ込めば。
 帽子からリボンが伸びて、まるでうさぎの耳のようにぴょんと跳ねた。
 白いシフォンの胸当てに、翠のコルセットが絡みつき。
 柔らかなスカートが光とともに膨れ伸びた。
 足先を包む上品な白いブーツに――。
 何故か、腹の底から生まれる言葉。
 これは、……これは、なんなんだ?
「……アタシは、アタシの大切なもののために、魔法少女エメラルド・エメット!」
 えっ、何? なんでこんな名乗りしてるの?
 こっわ、なんで口からこんな言葉が勝手にでてくんの?
 透――魔法少女エメラルド・エメットは目を丸く。
 何やら可愛くて格好良いポーズを無理矢理取らされた事実に、息を飲んだ。
「な、なんて恐ろしい呪いなんだ……、って、いうか……うお、うおおおおお、に、似合わねええええええ……ッッ」
 普段着慣れぬ可愛らしい装いに、自らの頬を包んで照れに照れるエメラルド・エメット。

 そんな彼女の後ろから、新たな仲間が現れた。

 少し前の時間軸。
「え? いや、僕は魔女だけれど……え? 変身? ごめん、えっ? なんだって?」
 グリモアベースで面食らったコーディリア・アレキサンダ(亡国の魔女・f00037)は、通算5度目くらいの質問を重ねていた。
 いや、説明自体は聞いていたのだ。
 理解だって本当は出来ていたのかも知れない。
 でも、脳が理解を拒んだのだから、仕方がないだろう。

 しかし、一つだけきちんと理解できた事もある。
 その呪いが人に害を為すものだと言うことだ。

 ならばコーディリアがやらなければいけない事は一つ。
 ――早急に、ソレを叩くべきだ。

 そういうわけで、理解を拒んだコーディリアに宿る別の『人格』。
 魔法少女に含蓄の深い、その身に宿った悪魔筆頭。
 ――お供妖精的なサムシングを持ち合わせるベリアルくんが、コーディリアのコーディネートを一心に引き受けたのであった。

 そして時間は、今へと戻ってくる。
 コーディリアが、敷地に足を踏み入れた瞬間。
 ぱっと背景に流星が散った。
 ああ、だめだめ、そんな魔女然とした服装はNGです!
 うちの主には合いません!
 絡みつこうとする光と喧嘩する、悪魔ベリアル。
 もっともっとフリルを。
 散る星屑は甘いフリルをたっぷりとふんだんに顕現し。
 スカートの丈は短く、短く。
 その分ペチコートも沢山膨らせておこう。
 魔法少女の下着が見えることは、望ましい事では無いからね。
 絡みついた黒い光を引き剥がしながら、白の帯を引き込むベリアル。
 あの、呪いと相談するの止めていただいて良いですか?

 きゅり、ぱん、ぽん。
 可愛い音を立てて、地へと降り立つコーディリア。
 二股に分かれた白い大きな帽子。
 大きく広がったワンピースのスカートを膨らせるフリルは、柔らかい。
 金の刺繍も鮮やかに禍々しき杖にかけられた清きフリルは、まるで神官の杖の如く。

「世界征服の第一歩をここから――魔法少女、サタニエル!」
 わっ、本当に何を言わせているんですか。
 コーディリア――魔法少女サタニエルはもう、と眉を寄せて。
「……とにかく敵が来ているみたいだよ。行こう、えーっと……エメラルド・エメット?」
「ああもう、変身までしちゃったらやりきるしか無いよな……! サタニエル、だったか。いくぞっ!」

 新たな魔法少女達の誕生に。
 変身を待ってくれていた魔法生物達が棚から一斉に飛びかかり。
「お、りゃああっ!」
 エメラルド・エメットが魔法少女らしからぬ雄々しき声かけで、透明な糸を吐く蜘蛛を放って敵達を十把一絡げ。
「へへっ、逃げられると思うなっ!」
 投網の如く拘束する!
 ぎゅっと糸を握りしめたままエメラルド・エメットは、仲間と視線を交わし。
「どんな敵が何匹やって来ようが、仲間がいれば百人力! ……っていうのが魔法少女なんだろうっ?」
「……ボクはよく知らないけれど、そう言っているみたいだ!」
 サタニエルが頷いて、自らの中の悪魔達の力を顕現する。
 ベリアルに可愛くなるように頼まれた、燃える双眸。
 いや無茶いわないで、とは思ったのだが――。
 これも、恐らく呪いなのであろう。
 燃やし、却けるもの――レッドアイが、睨めつけた敵達が、流星のエフェクトを散らしながらその視線に燃やし尽くされる!
「よーしっ、いい感じっ!」
「うん、いい感じ」
 とりあえず第一陣をしのいだ魔法少女達は、こつんと拳を交わしあい――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

斬断・彩萌
『魔法少女からめる★アヤメル』今ここに見参!
そう、確かに魔法少女にマスコットは必須……でもアンタ達てんで邪悪じゃないの!!
そんな奴らに魔法少女は語らせないわよ!
全世界の乙女と大きいお友達の純情をパワーに変えて、いざ勝負ーッ!

●POW
なんかこうキラキラと風びゅわーって感じでふわふわひらひらの服に変身するわ!
ここ1番作画に気合い入れてよね!!
で、ははぁ確かにアレに食べられちゃったらひとたまりもないケド。
当たらなければどうという事はないってワケで、Devastator(なんかすごいデコられたアサルト★らいふる)で遠距離から狙いを定めてドーン!

※アドリブ歓迎、好きにして下さい。めちゃくちゃノリノリです


ラティナ・ドラッケンリット
魔法少女か
TVでやっているアニメとかいう絵物語の登場人物だったな
リボンもフリルもコスチュームは
(ビキニアーマーベースであれば)問題ないが
戦闘に支障がないと良いな

物流倉庫とはいえ
魔法生物を逃がさない為に
地形破壊やドラゴン召喚は向かないだろうから
通常攻撃主体の戦いがいいだろう

魔法少女名はMSに任せる
恐らく私にそういうセンスはないからな

「さあ、棚卸の時間だ。在庫を一掃するぞ」
断山戦斧『しゅとれん』を主武装で
掃く様に魔法生物を薙ぎ払っていくぞ
UCで噛みついてきたら手袋を口の中にねじ込む
「人に噛みつくことを禁止する」
簡単だろう?
治療との相殺くらいにはなるだろう
たると、まかろん、しょこらも手数に必要かもな



●魔法少女マスコット問題
 星に、ハートに。
 綺麗なものを、たくさん、たっくさん!
 斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)の纏う素敵な光が、気合を入れた作画で彼女を包み込む。
 腕を上げた彩萌の爪先に、カラフルな彩りが宿り。
 くうるりくるり。
 巻き上げられた髪の毛へと、何処からともなく宿った蝶が花飾りと化した。
 蜂蜜、お砂糖、あまあいイチゴ。
 キャンディみたいな、柔らかくて優しいフリルのワンピース。
 セーラーめいた襟が、ひらひらと舞う。
 大きな帽子を片手で抑えこめば、ぽん、ぽん、ぽん、と音を立てて幾つもの花が咲き乱れた。
 デコデコのマジカル☆あさると☆らいふる――Devastatorをくるくる回して彩萌は綺麗なウィンク。
 ぴょん、と地へと飛び降りると、光の帯が彼女の足へと絡みつき。
 白のオープントゥサンダルから覗く、爪にも光が弾けて。
 手と同じくカラフルな彩りが宿った。
「世界は大体アタシのモノ! 魔法少女からめる☆アヤメル、今ココに見参っ!」
 肩へとストックを押し付けて、ライフルを構えた彩萌――魔法少女からめる☆アヤメルはライフルの銃口を、棚へと向けて――。

 とぷん、と水の中に沈むような感覚がラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)を包み込んだ。
 苦しくはない、怖くはない。
 ぽん、と生まれた泡。
 それは髪へと角飾りを生み出して。
 ごぼ、ごぼ、さらに泡がラティナを包む。
 ぱちんと泡が弾ける度に、いつものビキニアーマーを彩るように。
 レースを、リボンを、薄布を重ね行く。
 キャンディみたいな、綿あめみたいなレースをたっぷり。
 鼠径部より伸びる、前の開いたハイウェストのバッスルスタイルの薄いスカート。
 ひいらりひらり、ラティナがステップを踏めば広がった布がふわふわと揺れて。
 更に上から重ねられたレースは、まるで竜の尾のよう。
 バトルアックスを掲げると幾つものリボンと花に甘く甘く装飾を成され、魔法少女に相応しき形と成る。
 自らをと世界を包んでいた水のようなモノが、泡をごぼごぼと爆ぜさせて。
 ラティナは、甘く装飾されたバトルアックスで世界を一刀両断。
 ぱん、と弾けた柔らかな世界。
 ヒールブーツで地へと降り立つと、8の時を描くようにその刃を駆け、真一文字にかまえて見せた。
「さあ、棚卸しの時間だ。――魔法少女どらごん♥らてぃな、推して参る!」

 変身を終えたからめる☆アヤメルと、どらごん♥らてぃなは問答無用。
 同時に棚へと、その一撃を叩き込んだ!

「酷いじゃあないか、僕たちが何をしたっていうにゅ……」
「ひどいぷう! ひどいぷう! ちょっと魔法少女になってほしいってお願いしただけだぷう!」
「……そう、確かに魔法少女にマスコットは必須だわ」
 空になったマガジンを投げ捨てて。
 換えマガジンを装填したからめる☆アヤメルはコッキングハンドルを引き絞る。
 そして、眉を寄せてどこか悔しげに、吠えた。
「……でもアンタ達てんで邪悪じゃないの!!? そんな奴らに魔法少女は語らせないわよ!」
 そう。
 彼女が一番気に入らない点は、マスコットたる敵の可愛くなさであった。
 もっと騙すにしても、夢か愛とかに溢れたデザインにしてほしいもので。
「ふむ、確かにあれは可愛くは無いな」
 それはどらごん♥らてぃなも認める所。
 口々に文句を零す魔法生物共をなだめるように、どらごん♥らてぃなは戦斧を振り上げ――。
 その横から。
 どらごん♥らてぃなへと向かって大口を開いて、一気に距離を飛び跳ねる魔法生物。
「ああ、ああ、ほんっと! そういうの可愛くないわ!」
 からめる☆アヤメルの指摘と共に、放たれた弾が魔法生物の眉間を綺麗に貫いた!
 衝撃に壁へとべとんと張り付いて、そのまま可愛くない魔法生物は地へと崩れ落ち。
「全世界の乙女と大きいお友達の純情をパワーに変えて、アンタ達が可愛くなるまでぶっ倒してやるわ!」
「……よく分からぬが、そういう事のようだ。お前達には可愛くなって貰おう」
 更に逆方向から飛びこんできた魔法生物の牙を、どらごん♥らてぃなは斧の側面で受け止めて。
 開いたままの大きな口へと、拳と共に手袋をねじり込んでやる。
「まずは、可愛くなるための第一歩。――人に噛みつくことは禁止だ」
 それは、どらごん♥らてぃなの魔法の言葉。
 制約を破れば、彼らはその身を『可愛く』されてしまうことであろう。
「ふっふーん、そういう訳、そういう訳よ! ぶったおれちゃって頂戴!」
 からめる☆アヤメルはデコデコのマジカル☆あさると☆らいふるを肩口に当て構え直すと。眼鏡の奥で瞳を眇めて、凶悪に微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
由紀(f05760)と

※花にハート・ツインテのピンク担当(24)

な、なんて面白、いや凶悪なUDC……!

まさかこんなことになるとは、と
爆誕した猫耳魔法少女を
見遣ってちんつうなおももち

ちなみにこの震えはおそろしさの余りだから
決して爆笑を堪えてるんじゃないから、ウン

こうなったからには全力でいこう
由紀……いいや、キャットブルー
世界の平和はわたし達が! まもる!

ツインテール翻して掲げる武器は
いつのまにやらお花のステッキ
思いきり可憐に必殺技を披露☆ミ

なんてしてる間にブルーの仕事の早いこと
よもや由紀、魔法少女の才能が花開いて……

(目が合う)
(ほほえむ)

わたしね、人気が出たら、
シーズン2もありだと思うよ


鹿忍・由紀
花世(f11024)と

なんとなく嫌な予感がしつつも
UDCでの仕事だと誘われて

他の猟兵達が魔法とか少女とか言ってる気がするけど
敵はそういうやつなのか等と考えながら

……なるほど、こういうやつ
モチーフは猫
水色担当(27歳・男性)
猫耳付きフードのふりふり衣装
無表情のまま、ふてぶてしく

何これ、幻術かなんかの類い?
自分の身体を見下ろし確認する
花世、今どういう風に見えてる?
……知ってたでしょ、とジト目

きっちり全部倒せば戻るんだろ
思いっきり殴ってやる
恥ずかしがる素ぶりは一切無く
淡々と殴ったり蹴ったり敵をちぎっては投げる
遊んでる場合じゃないよ、フラワーピンク

(目が合う)
(普段以上に死んだ目)

残念ながら打ち切りだ



●はなとねこ
 薄紅の八重牡丹の花弁が巻き上がり、境・花世(*葬・f11024)の姿を包み込み。
 同時に足を踏み入れた鹿忍・由紀(余計者・f05760)が、その花弁に巻き込まれた。

 美しくきらびやかなソレは、――呪いそのものだ。
 靭やかに腕を伸ばした花世に絡みつく花弁が、その四肢を桃色の光へと誘い。
 華やかな人懐こい笑顔は、当人の意志とは反した身体の動きである証とも言えようか。
 
 伸ばした腕。
 そのまま花世が由紀の手を握ると、彼の四肢にも薄青の光が照り映え。
 それはささやかな呪詛耐性の結果だったのかも知れない。
 由紀が普段と見比べれば解る程度の、怪訝そうな表情を浮かべる事に成功する。
 しかし、それはこの場の呪いの総量に抗える程の効果では無い事も事実であった。

 手を繋いだまま。
 薄青の光、桃色の光。
 くるくると廻る二人より伸びた光が、身体のラインをなぞる。
 花世の腕がハートをモチーフにしたロング・グローブに包み込まれ。
 胸元をぴったりと包むデザインのオフショルダービスチェ。
 光が花世を彩る、花弁のような甘い甘い桃色スカート。
 光が由紀を彩る、膨らんだデザインに白いレースがふわふわと施された青いショートパンツ。
 ガーターベルトと一体になった白いオーバーニーソックスに、可愛らしいブーツが爪先で弾けた。

 瞳を瞑った花世の顔のアップ。
 きゅる、と巻き取られた紅色の髪は二つに分かれ。
 ツインテールに編み上げられたその髪の根本に、八重牡丹の髪飾りが宿り。
 目尻に咲く紅。

 けだるげな由紀の顔のアップ。
 柔らかな金糸の髪より生えたのは、ねこのみみ。
 可愛く、愛らしく、ぴこ、ぴこ、と揺れ。
 蒼空色が彼の目尻を彩った。

 二人の身体を甘い甘い柔らかな布で包み込み終えた光は、
 背の後ろへと伸び――、柔らかなマフラのようなマントが同時に生まれ。 
 花世の胸元にはハートを模したブローチが。
 花世の胸元には黒猫を模したブローチが。

 ついでに由紀の可愛らしい耳を覆う様にフードと、猫の手をモチーフにした手袋が生え。
 仕上げ、と臀部に可愛い尾を作り終えると、完全に光は弾けて消えた。
 ハートと星屑の光が弾け、二人は足並みを揃え――。
「絢爛たる百花の王をこの身に宿し――」
「UDCアースのこの地に降り立つ」
 手、足、一瞬のカットイン。
「フラワーピンク!」
「キャットブルー」
 そして横顔が映し出される、二人。
「世界の平和はわたし達が! まもる!」
「世界の平和は俺達が、まもる」
 格好良いポーズのまま。
「ふーん、……なるほど、こういうやつ」
 一瞬静かになった現場。
 由紀――キャットブルーはぐっぱ、ぐっぱと掌をひらいて、閉じて。
 布を引っ張ってみても、しっかりとした感触がある。
 猫の耳もそう。
 これは多分、現実のモノ。
 幻術、ではなさそうだが――。
「フラワーピンク、……知ってたでしょ」
 ジト目でフラワーピンクを見下ろしたキャットブルー。
「いや、いやいやいやいや、まさかこんなことになるとはね……」
 冷ややかな視線を受けて、表情だけは思い切り沈痛に。
 下唇を噛んで、武者震いするフラワーピンク。
 いえいえ、この震えはけして笑いをこらえている震えなんかじゃないですよ。
 そう、違うったら違う。
「……でも、こうなったからには全力でいこう、世界の平和は……」
「俺達が守る、って? ……まあ、きっちり全部倒せば戻るんだろ?」
「そういう事!」
 言うが早いか。
 けだるげな瞳のまま、猫キックで手頃な棚を蹴り倒すキャットブルー。
 ドミノのように棚が幾つも倒れ、ぬいぐるみたちが零れ落ち――。
「掛け合いをまっていたというのに何をするんだい!」
「全くだよォ~~、ひどい! ひどい!」
 姦しく苦情を口にする魔法生物たちが一斉に飛び上がった。
「へぇ、今後は気をつけるね」
 とてもとても平坦な口調で。
 可愛らしい星のエフェクトを飛ばしながら、キャットブルーは魔力を籠めたかわいい猫キックで魔法生物達を蹴り飛ばし。
「わ、仕事が早い。……よもや、魔法少女の才能が花開いて……?」
 お花のステッキを握りしめたフラワーピンクの、ツインテールがぴょいぴょい揺れる。
「何?」
 交わされた二人の魔法少女の視線。
 にっこり微笑むフラワーピンク、半額シールの付いた鮮魚みたいな瞳のキャットブルー。
「遊んでる場合じゃないよ、フラワーピンク」
「……まかせて!」
 彼女が杖を掲げ、円を描くように振ればハートが弾けて。
 杖が解けて幾つもの薄紅の牡丹の花弁と化し。
 きゅりん、と踏みしめる大地。
「フラワー・テンペスト!」
 何故かフラワーピンクの口をついて出た言葉と共に、ハートと花弁が敵達を巻き上げ、裂く。
 重ねてキャットブルーが跳ね、ぎゅっと引き絞った上半身。
 勢いをつけて、魔力の籠もった拳で――魔法生物達を殴りぬく!
 床を巻き上げて、魔法生物達がきゃあきゃあ弾き飛ばされ。
「……わたしね」
 ふ、と笑みを浮かべたフラワーピンク。
 黙々と魔法生物に暴行を加えながら、キャットブルーは視線だけで彼女の言葉に応え。
「人気が出たら、シーズン2もありだと思うよ!」
 うん、と頷くフラワーピンク。
「残念ながら打ち切りだ」
 そのまま視線を反らした、キャットブルー。

 早く、早く。
 きっちり全部、さっさと倒してしまおう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハーバニー・キーテセラ
世界の境界ぴょんと超え、御用とあらば望む場所へと御案内
魔法案内人(マジカルガイド)・ハーバニー
ここに見参ですぅ

恥ずかしさはどこかに置いてきましたぁ
(ステシに輝く恥ずかしさ耐性
バニーガール姿で闊歩するだけのことはある)
ノリノリで魔法少女に徹しますよぉ

あ、でもぉ、前口上と違ってごめんなさいねぇ
貴方達の案内先はもう決まってるんですよぉ
ええ、彼岸行きですねぇ

指先一つ鳴らして呼び出すは擬獣召喚
ファンシー風に彩った兎さん&猫さんとのコンビネーション
ただしぃ、物騒な火薬の香り付きぃ
乱戦の中を跳んではねてぇ、弾丸をプレゼントしてさしあげましょ~


姿はバニーガールモチーフであれば、好きに弄って下さってOKです


真守・有栖
魔法少女。
魔狼少女たる私にぴっっったりじゃないのっ

きらっと。ぴかっと。わおーん!と。
まじ狩る・ありす。すたーとよ!

~変身~

月光に浮かぶ人影。
影が伸びて狼の姿を形作り、大きく口を裂いて月を喰らう。

がぶり、と喰われて三日月に。
欠けた部位に影がぐるり、と丸く収まり――愛刀、月喰の鍔を形作り。

手にすれば白刃が輝きを放つ。

百鬼夜行。
魑魅魍魎。

紫の瞳が闇夜に揺らめき。
わおーん。猛き(?)遠吠え。

煌めく刀身。影が暴かれる。
おみみがぴくぴく。尻尾がもふもふ。

迸る烈光が刃となりて。

光閃。

延びる斬光が群れの彼方まで断裂。
そして、現れるはこの私!
銀狼にて魔狼たる……って、まだ変身の最中よ!?私の分の敵は何処!?!?



●ぴょんぴょんがおー
 照り映える青い月は、まんまるな満月。
 静かに輝く月光の元に、人影が映え伸び――。
 その影は狼の形と成り、そのまま月を喰らった。
 喰らわれた三日月の先が伸びる、伸びる。
 それはまるで月に掛かった影。
 それはまるで、『月食』のように。

 白い掌が迫り、月を擡げた。
 それは、真守・有栖(月喰の巫女・f15177)の光刃――『月喰』の鍔だ。
 白刃の煌きが真一文字を描き。
 菫色の瞳が夜に揺れた。

 色が揺れ移り変わり。
 空色に揺れる瞳。

 銀色より伸びた赤はうさぎの耳を模し。
 一度解けた髪が、両後頭部横にお団子を作り、更に余った毛を三つ編みにしてぴょいんと跳ねさせた。
 片耳に引っかかった小さなクラウンが金色に光る。
 ぴょーんと跳ねた、ハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)はステップを踏む。
 ふんだんにフリルをあしらわれたオフショルダーの白レオタードが輝き、コルセットが腰を覆った。
 その後ろに伸びる丸みを帯びた紅い燕尾スカートをはためかせれば、うさぎの尾がぴょこりと揺れた。
 長いヒールブーツがコツコツと軽やかな音を立てる。

「世界の境界ぴょんと超え、御用とあらば望む場所へと御案内!」
 紅いバニーカフスが手首を彩り、最後にふわふわのマントを銀のブローチが縫い止める。
「魔法案内人(マジカルガイド)・ハーバニー、ここに見参ですぅ!」
 魔法みたいに指先を伸ばせば、かわいいナイフを指の股に幾つも挟んだ魔法案内人・ハーバニー。
 再び掌を握れば、魔法のようにナイフは消え失せて。

 正直、彼女の普段の服よりも、魔法少女時の方が露出が減っている位だ。
 恥ずかしい事なんて、一つも無い。
 そのまま身軽な獣のように跳ねたハーバニーは、棚の上へと飛び乗った。
 短い尻尾を模した装飾を揺らすと、一斉にこちらに振り向いた魔法生物達にへんにゃりと微笑んだ。
「あ、あ、でもぉ、前口上と違ってごめんなさいねぇ。……貴方達の案内先はもう決まってるんですよぉ」

 ――彼岸行きですねぇ。

 ハーバニーがぱちん、と指先を鳴らすと。
 シルクハットに燕尾服を纏ったうさぎが大量に現れた。
 あっ、たまに猫ちゃんもいまーす。
「はぁ~い、みなさ~ん、焦らなくてもみぃーんな無事ご案内致しますよぉ~」
 一斉にハーバニーに殺到した魔法生物達に、うさぎ達が一斉に飛びかかり。
 レッグホルスターよりウサチャンを模した小さな拳銃を引き抜いたハーバニーは銃身に口づけ一つ。
「魔法の力で、安心安全、速やかにご案内ですよぉ♪」
 銃の吐き出す弾はハート模様。
 魔法生物の眉間を正確に貫いて、案内人のうさぎは綺麗に跳ねる。

 ――。
 百鬼夜行、魑魅魍魎。
 黒き影が世界に迫る。
 わおーん。
 そこへ狼の遠吠えが響けば、迸る烈光は白銀の刃と化し。
 夜影を、百鬼を、魍魎を切り裂いた。

 狼の耳が揺れ、白銀の尾がもっふりと跳ねる。
 レースをたっぷりと着物。
 獣尾用の尾穴の開いた袴。
 尾の上でリボンが跳ね揺れた。
 星屑が散る、そして、現れたるは――。
「きらっと。ぴかっと。わおーんっと!」

 有栖が白刃を構えて可愛いポーズで現れれば、そこにはハーバニーに焼き尽くされた敵、敵、敵。

「銀狼にて魔狼たる……、って、まだ変身の最中よ!? 私の分の敵はどこ!?!? ねえ!?!?!?!」
「あ、ここはぁ、いま片付きましたよぉ~」
 かわいい笑顔でニッコリ微笑むハーバニー。
「えええええええええええ!?!?!?」
 まじ狩る・ありす。すたーと、失敗。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
へっ!?魔法少女ってなんっすか?変身っすか?すんごい奴っすか!?
わー!きらっきらっ光ってるっすー!なんっすか、これ?
(よく意味が解っていない、でもノリノリで楽しむ)
名前はきっと勝手につけてくれるっす!
どーっすか、俺カッコいいっすか!?(きらきら爽やか笑顔でキリッとキメポーズ!)

キャラモチーフ:赤色の梅花、臥龍梅
色:メイン赤、黒と金色少々

香神写しで苦無と剛糸をたっぷり増やしておくっす!俺のマジ狩るアイテムっす!
苦無を投げてフェイントをかけ死角に回り剛糸で締めて苦無で斬ってぶったおすっす!
攻撃を受けそうなら剛糸で敵をからめとって盾にして身を護るっす!マジ狩るガードって言う奴っす!


ヴィクトル・サリヴァン
ごめんちょっと理解が追い付かない。
…どんな邪教なのこれとか色々問い詰めたいけどすべき事には変わりはないよね。
頑張ろっかー、でも少女よりは少年かなーと意志を強く持つ。
引き摺り込まれないように、ね?

工場に入れば水系エフェクトで乙姫風味な勝負服。
ひらひらが泳ぎ辛そうだなーとか思いつつ、マジカルな銛を構えて魔法生物を迎撃。
魔法少女は助け合い、ピンチな猟兵いるならステッキ(銛)投げて救助。
勿論投擲の軌道は回収し易いよう微調整。
負傷仲間がいるならUCで治療、数が多いなら水の魔法で周囲を濡らしてからUC、纏めてびりびり一気に治療!
(慣れてきたらノリノリでキメたり)

※アドリブ絡み等お任せネタおっけーなんか青系



●大体の人は理解が追いついてないから大丈夫です

 流星が香神乃・饗(東風・f00169)に降り注ぎ、大きな光が満ち満ちた。
「わー! きらっきらっ光ってるっすー! ……なんっすか、これ?」
 赤い梅の花弁が舞い散り、二の腕を抱き寄せた饗の腕にフィンガレスグローブが輝き生えた。
 両腕を伸ばす。
 纏わり付いた花弁が散り、ぴったりとした腿まで覆う黒いボディスーツ。
 ノースリーブの紅いジャケットが輝きながら彼の肩へとひっかかり。
 前開きのスカートがふわふわと彼の腰を彩り、後ろに伸びた長い長い2本のリボンに大きな梅の花が幾つも花開く。
 頭には、大きなリボンが跳ね開いた。
 金のリボンがひらひらと舞って装飾を彩どり。
 金と赤のリボンが胸元に、ぽんと音をたてて花開く。
 その真中を飾るのは大きなつまみ細工の梅の花のブローチだ。

 豪快に飛び降りた饗は両手に苦無を構えて、かっこよろしいポーズ。
 腰を少し捻って、尻を強調するポーズをとると梅の花が咲くリボンがひらひらと揺れた。
 爽やかな笑顔でキリリと笑めば、口端に八重歯が覗き。
 好青年としか表現できぬその表情。

「けしてもう失わぬよう、今日を明日に繋ぐ――。アストラル・ガロン、推して参るっす!」
 ぱん、と梅の花弁が再び散り。
「どーっすか、俺カッコいいっすか!?」
 饗――、アストラル・ガロンが瞳を眇めて跳ねると、音を立てて星が跳ねた。

 とぷん、と。
 ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は海に飲み込まれたかのように泡に包まれた。
 くうるりとサリヴァンは世界を一度大きく泳ぎ、揺れるシャチの尾。
 最後に高く掲げた銛が、光を漏らし。
 再び泡に飲み込まれる、大きな身体。
 その光が薄布めいて漂えば、泡が晴れ出した。
 青いラメ色に輝いている彼の大きな身体に、みるみると薄布の光が巻き付いて行く。
 胸元を覆う柔らかな青い布を、帯がふわりと繋ぎ止め――。
 パレオが彼の腰を覆う。
 それは幾重も幾重も重なり、十二単めいた彩りをヴィクトルに添えた。
 ごぼごぼと泡が揺らぎ。ヴィクトルが円の形で銛を薙ぐと、絞るデザインのハーフパンツに編み上げサンダルが光と共に生まれ。

 ラメが溶け――。
 現れたのはいつもどおりの、のーんびりとした表情で、頭に貝殻飾りを幾つも載せた、大きな大きなシャチのキマイラの男。
「大いなる海の、青いの未来を守る――。グランパス・ブラック、来たよ」
 貝殻で装飾された銛を掲げ、ヴィクトル――グランパス・ブラックは水泡を弾かせた!

 グランパス・ブラックはひらっひらの薄布を大量に纏った姿で、ぐうるり自分を見渡して。
「……あー、こういう感じ?」
 しっかし、どんな頭で邪教を立ち上げたらこんな結論に至るというのだろうか。
 オブリビオンの考えも、邪教の考えも、賛同も理解も出来はしない。
 ――それでも、解ることは。
 その企みを挫かねばならぬ、という事だ。

「カッコイイデザインじゃないっすか! グランパス・ブラックさん、めちゃ強そうっす!」
「ん、そう? ありがとう――」
 アストラル・ガロンのピカピカに輝いた瞳に見つめられれば、そうかもしれないと感じてしまうのも仕方はあるまい。
 照れた様子も無くグランパス・ブラックは頷きながら。
「っと!」
 短い声を漏らすと、アストラル・ガロンの横へと迫り来ていた魔法生物へと。水が弾けるエフェクトを跳ねさせて、可愛い銛ステッキを叩き込んだ。
「敵達のお出ましみたいだね、いこうか――アストラル・ガロン」
「はいっす!」
 言うが早いか、すでにアストラル・ガロンは動き出している。
 掌を叩いて、そのまま腕を大きく開くと、空中に生まれた大量の苦無。
「とりゃーっ!」
 煌めく軌道を見せて、それらは同時に多方向へと敵を貫き駆け。
 グランパス・ブラックが引き抜いた銛を大きく振るうと、魔法の波が魔法生物達を覆う。
「ん」
 その水を目隠しに、アストラル・ガロンは棚を蹴って高く飛んだ。
 一瞬。目線だけでアストラル・ガロンと意志を確認しあったグランパス・ブラック。
「――いくよ!」
「了解っすー!」
 グランパス・ブラックが地を蹴れば、その大きな身体の突撃に警戒を露わにする魔法生物達。
 その巨体が振るう銛は、確かに脅威ではあろう。
 大きな体は、大体の場合イコールで大きな膂力を持ち合わせると言う事となる。
 しかし、それは本命の攻撃では無い。

 グランパス・ブラックへ対応しようと、武器を構えた敵達の後ろに降り立ったアストラル・ガロンがぐい、と視えない絲を引いた。
 同時に苦無に繋がれた鋼糸がぴんと引き絞られると、駆け出そうとした魔法生物の身体の身を裂いて。或いは糸に絡め取られた魔法生物達が、藻掻く間も与えられず銛が降り落ち――!
 重ねて星のエフェクトを散らしながら。
 背後より迫った苦無が、真一文字に首を掻き切った。
「今のカッコよくきまってないっすか!? ね! ね!?」
「そうだね」
 片付いた敵達を前にこっくりと頷いたグランパス・ブラックへ、アストラル・ガロンはいえーいと腕を衝き上げてから。更に奥より迫る沢山の気配に、笑んで見せた。
「さあ、俺はまだまだいけるっすー!」
「俺もまあ、大丈夫。折角だし次は……魔法少女らしくいってみようか」
「よくわかんないっすけど、すんごい感じでいくっすかー!」
 頷きあった二人の魔法少女は、敵へと得物を構え――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

奇鳥・カイト
【灰桜】
セーラー服


魔法少女だ、魔法少女だ、お前は魔法少女になるのだ
タァーッ!
黒いのプリッツの、スカートに(カーン
今日も得意の、回し蹴り

声に導かれ、彼の体は魔法少女に包まれたのです
マジカル☠️鉄パイプで敵を粉♡砕していきます
体もきっと女の子になったのです

魔法少女としてこの世の悪と戦い続けよと!やり遂げてみますとも!
私は…魔法少女グレイバードなのだから!
死の灰は私の後に降り積もるのです!

桜の花…素敵ですね
何の話かしら?
貴女と同じ魔法少女なのですよ

魔法少女らしく魔法で戦いますわ
マジカル☠️鉄パイプをぶん回し、叩きつけます
またマジカル🔥火炎瓶で愛の炎をお見舞いして差し上げましょう

アドリブ・連携歓迎


千桜・エリシャ
【灰桜】
モチーフ:夜桜
色:桜色


この姿は…魔法少女、というやつですわね!
私でも変身できるなんて…ふふ、夢がありますわ
そうと決まれば、それっぽく振る舞うのが筋というものでしょう
桜色のミニスカートをふわり翻して
――魔法少女コノハナ🌸エリシャ
桜吹雪と共に参上ですわ!
マスコットのおもちちゃんと一緒にいざ!

あなたはどこかで…
カイトさんに似ている気がしますけれど…まさか、ね
――大変!敵襲ですわ!
ここは共同戦線と行きましょう!

魔法少女らしく魔法で戦いましょう
マジカル🌸ステッキで桜吹雪を巻き起こして敵を魅了
同士討ちさせましょう
マスコットが魔法少女を攻撃するなんておかしくなくて?
あなた達の敵はあちらですわ



●まほうしょう『じょ』
「タァーッ!」
 魔法少女。
 魔法少女。
 魔法少女。
 お前は魔法少女だ。
 お前は魔法少女になるのだ。

 黒いセーラーに、白いレースのあしらい。
 平らな胸に揺れる灰色のリボン。
 思い切り踏み込んで、上半身を撚る。
 魔法生物を編み上げブーツで回し蹴りで床へと叩き倒せば、黒いプリーツスカートのひだがひらひらと舞い。かわいいレースの中に隠された短いスパッツが覗く。
 重ねて、マジカル☠️鉄パイプで、敵を粉♡砕。
 粉♡砕。
 粉♡砕。
 粉♡砕。
 カーン、カーン、カーン、カーン。
 動かなくなった敵を何度も殴りつけるも、ハートのエフェクトでとってもまろやかな表現になっているので助かりますね!
 もちろん身体は少年のままだが、今彼は世界で一番魔法少女であった。
 奇鳥・カイト(自分殺しの半血鬼・f03912)――、否。
「さあ、次の悪はどちらかしら? 全て、全て、焼き尽くしてあげますわ! ――死の灰は私の後に降り積もるのです!」
 その名も、魔法少女グレイバード!
 彼……彼女はまあまあ死んだ瞳に見えるが、気の所為だろう。

 舞い散る桜吹雪が、彩る服。
 ぽん、と光が弾ける度に。
 夜桜色の髪を二つ括りに。
 薄紅色を知る黒曜の角に、桜のティアラを引っ掛けて。
 爪先が桜色に染まり。
 どこかチャイナ服めいた夜の色の前垂れに、ふわふわの桜色のスカート。
 桜の杖と化した刀をくるくると回すと、千桜・エリシャ(春宵・f02565)は微笑む。
 どこからともなく現れた和傘を片手で開いて回すと、彼女の身が隠れ。
 花弁が風に巻き上がり、夜に舞う、舞う。

 次の瞬間、和傘を投げれば。
 桜色の瞳に星が弾けて目尻に施された紅、唇を彩る朱も鮮やかに。
 杖を前に突き出すと、肩にのった白い猫が、彼女の白い首筋に絡みついて甘えた。
 きゅりん、と。
 可愛らしい音を立てて変身を終えた魔法少女――。
「夜闇に咲く小さな華が、あなたの御首を頂戴致します。――魔法少女コノハナ🌸エリシャ!」
 桜吹雪を纏い。
 コノハナ🌸エリシャは、ひどく甘く微笑んで、白猫……おもちちゃんの頬に口づけを落とした。
 ぽん、と。
 おもちちゃんの首元で桜飾りが生まれ。

「トォーーッ!」
 がしゃーん。
 グレイバードの蹴りで倒れた棚。
 そのままグレイバードは、力強い鉄パイプのフルスイングで敵をぶち落とし――。
 慌ててぽっくり下駄の音を、コンコンと響かせて跳ねたコノハナ🌸エリシャ。
「大変、敵襲ですの? ねえあなた、ここは共同戦線と行きましょう!」
 一気に距離を詰めればグレイバードを護るように。
 背に立って杖を構えたコノハナ🌸エリシャの提案に、一瞬だけ瞳を見開いたグレイバードはこっくりと頷いた。
「……ええ!」
 再び鉄パイプを振り抜いたグレイバードの後ろで、マジカル🌸ステッキをくうるりくるりと回すコノハナ🌸エリシャ。
「ねえ、マスコットが魔法少女を攻撃するなんておかしくなくて?」
 彼女の問いにゆるゆると舞い散り始めた花弁が、真一文字に振り抜かれたステッキに併せて吹雪と化す。
「あなた達の敵はあちらですわよ、ね?」
 ひどく蠱惑的な、コノハナ🌸エリシャの笑み。
「……そうかにゃ?」
「そうだわん……?」
 そうだった、きがしてきた。
 一体の魔法生物がその小さな手で武器を握ると、横に居た鳥頭へと刃物を刳りこむ!
「何するミューッ!?」
 花弁の魔力に魅入られてしまった魔法生物が、そこかしこで同士討ちを始め――。
「ターーーーーーッ!! モエローーーーーーーッッ!!」
 そんな敵群へ力いっぱいマジカル🔥火炎瓶をブチこむと、綺麗なハートのエフェクトが舞い散り爆ぜる。
 それはグレイバードの愛の炎だ。
 愛の炎ったら愛の炎なの。
 愛の炎に巻き込まれぬよう。バックステップで距離を取りながら、グレイバードは頭にいつのまにか付いていた桜の花弁をつまむと、瞳を細めた。
「桜の花……、素敵なチカラですね」
 ふふ、と嬉しそうにはにかんだコノハナ🌸エリシャは、肩をきゅっと擡げて。
「ありがとうございます、……なんだか、あなたは……不思議とどこかでお会いしたことがある気がしますの」
「……何の話かしら? 私はグレイバード。貴方と同じ魔法少女。……それだけですわ」
 白猫がにぁ、と甘く鳴く。
 魔法少女は二人、視線を交わし合い。
 その瞳の色は、見たことがある気がするのだ。
 胸の奥でどこか引っかかる、その色は――。
「――敵がきましたわ!」
 鋭く吠えたグレイバード、こっくりとそれにコノハナ🌸エリシャは頷きで応え。
「ええ、行きましょう!」
 胸の奥の引っ掛かりを飲み込んで、敵達へ向かい行く。
 魔法少女たちの戦いは、まだ始まったばかりなのだから!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

星鏡・べりる
なにこの仕事……
まあ、強い気持ちで抵抗すれば魔法少女にはならないでしょ
高校生にもなってそれは恥ずかしすぎるって

ほら、なんともな――
(変身バンクお任せします)

(んんぐぅぅ、抵抗しきれないぃぃぃ鼻血出てきたぁぁぁ)
(わ、わだじはぁ、こんっな呪いに負けぇなぁぁぃ……)

(魔法少女名お任せします。星とか宝石とかがモチーフです)

この世に蔓延る悪の種!
キラッと成敗しちゃいます!

全部当たったら拍手してね!いっくよ~!
ジュエルスター☆バースト!
(キラキラした星が飛び出し、リボン5割増しの機械鏡に不思議な反射音を出しながら当たり乱反射)

※顔見知りが居たら避けたいですが、魔法少女って友情が大事だと思います


花剣・耀子
いすゞちゃんの笑顔が眩しかったわ。
ええ、まあ、そうね。お仕事はお仕事なのだけれど。
外から斬って祓っちゃだめ? むり? そう……。

…………。
ええ、まあ、そうね。お仕事はお仕事なのよ。
いいわ。見たものを全部斬れば良いのでしょう。
――征くわ。

(変身バンクお任せします)
(魔法少女名お任せします。花とか風とかがモチーフです)
(アレンジ歓迎、ご不明点はすべてお任せします)

夜闇を照らす花明かり!
あまねく広がっ、れ゛っ゛、……――っ、この、……

……――ぜぇんぶ攫って咲き誇れ!
チェリー・ブロッサム・テンペスト!!
(きゃるきゃるに可愛くなった機械剣がウインク)

※顔見知りがいても目を合わせません絶対に ぜったいに



●つちぐもっ!
 強い心を持って挑めば、呪いくらい跳ね返せる。
 だって、もう高校生だもの。
 そう思っていた時期もありました。
 呪詛への耐性だって『少し』ばかりあるもの、なんて。

 星の魔法は美しく。
 夜より溢れた星雫が、星鏡・べりる(Astrograph・f12817)の目前へと迫る。

 ンンンンン!!!!!
 鬼の形相で唇を噛み締めるべりる。
 身体の動きは止められない、伸ばした掌が星雫を握りしめ――。

 掌の中に握り込まれた光は、世界を包む。
 瞳が充血する程見開かれた瞳。
 強く抵抗しようとするべりるの身体の変な場所にチカラが籠もる。
 わ、わだじはぁ、こんっな呪いに負けぇなぁぁ、あーーっ、ああーーーー。

 おもちゃ箱みたいに飛び出した宝石のかけら、星のかけら。
 きれいなもの、たくさん! たくさん!
 弾けた星が、角に髪を巻きつけるように円に結わえ付け。
 宝石を抱いた星飾りが髪を彩る。

 ンングウグウウウゥウ!!!
 機械鏡《ヤタ》とのリンクを切ることも出来ない。
 あの鏡は、べりるが入った瞬間に始めた資料としての録画を続けている。
 ちょっとキバりすぎて鼻血すら出てきたけれど、止められない。

 ぱんぱんっ、虚空を掌がタップすると自らの服が輝いて、生まれ変わっていく様を死んだ瞳で眺めることに成功するべりる。
 わっ、すっごい。
 こんなに可愛い服になるんだー。ネットでみたコスイベントみたいだなぁ~。
 臍がみえてるし、かわいいマフラーも生えている。
 バルーンスカートに、フリルもたっぷり。後ろに二股に伸びたマフラーもなかなかファンタジックで良いじゃない。

 ハ~~~ッ!!
 呼吸も今は成功しててよかった!
 心臓を動かす事にも成功している、大成功!
 それにしても、鼻血とまんないなぁ。

 ぱん!
 綺麗な音が響いて、帳が落ちた世界。
 花剣・耀子(Tempest・f12822)が、その足取りを一瞬止めようと、止、。
 止まらない。
 薙ぐ風は花弁を運び。
 黒曜の髪がさらさらと風に遊んで、ポニーテールに結われた。
 大きな大きな桜色のリボンが跳ねる。

 耀子の噛み締めた奥歯がギリギリと音を立て。
 胸を無駄に強調するコルセット、青いスカートがすらりと伸びる。
 抵抗に震える力のこもりすぎた腕の塞がったはずの傷が破け、少量の血が勢いよく吹き出した。
 ふわっふわっ、もっこもこ。
 けして、けして耀子の趣味ではない。
 べりるとやや対気味なデザインも含めて。
 けして、けして耀子の趣味ではない。

 散る花弁は風にさらわれ。
 ぽきゅん、ぽきゅんと可愛らしい音と共に服が変化して行く。

 なんで自分がこんなラメに包まれてくるくるくるくる回されているのかは解らないけれど、それが耀子にとってプラスになっていないことだけは事実であった。
 オブリビオンに対して怨恨の情だけがぐんぐん深まって行く。
 大体外から斬って祓っちゃだめだなんて、いいえ、組織からも仕事の依頼は来ていた。
 オブリビオンと組織に対して怨恨の情がぐんぐん深まって行く。
 断る事は出来なかったのだ。

「この世に蔓延る悪の種、キラッと成敗しちゃいます! すたーあすとろぐらふっ☆」
「夜闇を照らす花明かり! ぎっ、ぐ……ッ! あ……ッ」
 星のエフェクトを抱いて、鼻血を拭うモーションを挟みながら羽根と宝石を抱く二挺一対の拳銃を構えたべりる――すたーあすとろぐらふ。
 その横で鬼の形相で、名乗りを気合で止めようとする耀子。
 目尻に浮かぶ雫は血の色だ。
「ひゅっ、く、ぐううう、うぃんどてんぺすと……っ」
 耀子――――うぃんどてんぺすとの構える、ピンク色に染まったチェーンソーがウィンクをバチコーンとキメた。
 星とか華やらがやたらと、可愛く散り。
 ――視線を交わした二人は、一瞬で他人となった。

 苛立った足取りで踏み込んだうぃんどてんぺすとの足裏から、花びらと光が爆ぜてキュリン! と音を立てた。
 魔法少女ジャンプ特有の音だ。
 一気に距離を詰めて、敵が動き出す前に機械剣で掬い上げる動き。
 何か言いそうになる唇を強く噛み締めて、棚ごと、敵を斬りつける!
「ひゃっ、ヒドイ~~、もっとなにかいって攻撃しなよ! 魔法少女でしょっ?」
「そうそう、そうそう~」
 頷く魔法生物共を、横薙ぎに切り裂いたうぃんどてんぺすとは更に強く奥歯を噛む。

「全部当たったら拍手してね! いっくよ~!」
 重ねて背後より広げた両手を前へと可愛らしく付き出したすたーあすとろぐらふが、言いたくもないであろうセリフをスラスラと可愛らしく宣言する。
 抵抗を諦めただけかもしれない。
 キラキラと星が飛び出し、可愛くリボンで彩られた機械鏡が可愛い音を立てた瞬間に、大口を開いた敵達が一気にわっと歓声を上げた。
「そう! あんなかんじ~~っ」
「いいよ、いいよ、サイコーに魔法使いニョ!」
 めちゃめちゃ死んだ目のすたーあすとろぐらふが、とても威力と値段が高い宝石弾を装填した。
 殲滅だ。
 為すべきことは一つだ。
 地獄を、作る事だ。
「ジュエルスター☆バースト!」
 ひゅばんっ!
 はちゃめちゃな威力を宿した跳弾が爆ぜ。
 鏡へ当たる度に異様な音を立てて敵へと迫り――。
「夜闇を照らす花明かり――」
 ついに言葉への抵抗すら失敗したうぃんどてんぺすとが、口を開いた。
「あまねく広がっ、れ゛っ゛、……――っ、この、……ぎ、……ッ」
 あまりに力の籠もったうぃんどてんぺすとの踏み込みに、フロアタイルに罅が走る。
「……――ぜぇんぶ攫って咲き誇れ! チェリー・ブロッサム・テンペスト!!」
 きらきらと輝く花びら。
 可愛い機械剣がもう一度ウィンクをバチーンとキメた。
 駆ける白刃は全てを切り裂き。

 魔法少女の友情フォーメーションは、1+1を100と為す。
 まあ彼女たちは顔見知りでもなんでも無い他人だと言い張っているので……まあ、はい。

 ――呪いへの抵抗を諦めた、すたーあすとろぐらふと、うぃんどてんぺすとの進撃は、『猛攻』と言うに相応しいものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『邪悪が宿ったモノ』

POW   :    人質
【一般人】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD   :    幻影か実体か
質問と共に【回答者の見知った幻影】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    六つ目の影
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【邪神の影】が出現してそれを180秒封じる。

イラスト:Charon

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂気の果てに現れし絶望
 総勢45名の魔法使い達の猛攻は、大量の魔法生物達を殲滅せんばかりの勢い。
 狂気の沙汰とも言える、邪神教団の企みは今まさに潰える所だったのであろう。

 或いは、猟兵達が力を持つモノでなければ。
 或いは、皆が呪いへの抵抗を成功していれば。
 そのモノは現れなかったのかもしれない。

 氷柱を背に押し込まれたかのような悪寒。
 言葉にせずとも、目にせずとも。
 その場に居た、全てのモノが理解したであろう。
 それが、倉庫の最奥に現れた事を。

 一般人よりもずっと強い力を持つモノの『絶望』。
 魔法少女の呪いを与えること自体が『絶望』を呼び、感情を『贄』と化した。

 今、ココに。
 ぬいぐるみを依り代とした、邪神召喚の儀式は成ったのだ。
キラス・レスケール
神ちゅん夜

邪な神である貴様と、魔法少女となった神である俺様の雌雄を決する時というわけだな。理解したぞ。神だからな
俺様には共に戦う魔法少女の友がいる
そちらは一人、こちらはなんかいっぱい居る。負ける筈がないな
そんな感じで皆を【鼓舞】するぞ

魔法少女にして神の俺様は【存在感】(ゴッド・オーラ)で攻撃とか召喚された一般人とかを引きつけよう
そしていい感じのポーズで『無敵城塞(パーフェクト・ミラクル・ゴッドガード)』を発動し、【オーラ防御】も合わせてすべてを受け止めよう

貴様が振りまく絶望より、俺様たちの希望がより輝くということを教えてやろう

※引き続きノリノリ俺様神様魔法少女
※煮るなり焼くなり好きにして下さい


オセロ・コールブランド
俺たち【神ちゅん夜】、三人力を合わせて取れ高マシマシにボコしてやんスよー!
俺をいいねしたからにはニーサンたちはフォロワー。
逃がさねースからご一緒に魔法少女(男)をネ!んでんで、レディースの視線を集めまくるんスよ!逃がさねー!
この戦いが終わったら三人で自撮りするんだ、ちゅん!(安易な語尾

空中戦でちゅんちゅん跳ねまわって・武器受けで攻撃を受けとめる。
隙あらば2回攻撃でぼこぼこにするッす!
俺が上かたら叩いた今スよゴッド、よだかっ!
連携の力ってやつを見せてやるんス!

…今更スけどあのダーク系魔法少女あれ本名じゃ…度胸あんなァ…あーっなんでもない!
正義とイケメンは勝つしバズる!オッケー!


鳳仙寺・夜昂
【神ちゅん夜】

マスコットどもシバいたのにこれ元に戻らねえの?
……そう……(諦め)

なんでそんなに乗り気なんだよお前ら……。
俺か?俺がおかしいのか?
俺はそもそも魔法少女でミニスカだった???

とりあえず『不転』使って自己強化して、突っ込む。
当ててみろよ弱点とやらをよー。
どんな目を背けたい過去だったとしても、
どんな事実だったとしても、
受けたダメージによって強くなる以上、それは弱点じゃねえから。
でも許さねえからなお前。
【カウンター】【グラップル】でぶっ飛ばす。

うるせーーー!知らねーーーーー!仕事なんだよーーーーー!!!


※絡み・アドリブ歓迎
※好きにしてください何でもしますから



 現状の元凶である筈の魔法生物達は倒したと言うのに。
「あー……。……そう……これはまだ元に戻らないのか……」
 みらくるミニスカの裾をひらっひらさせながら、生まれた気配の部屋へと駆ける。死んだ魚みたいな瞳の夜昂――、否、みらくるよだか。
 文句を口にしながらも、解呪されぬその原因はなんとなく感覚で理解はできていた。
 倉庫の奥の棚に腰掛けている、一抱えほどの大きめのぬいぐるみ。
 そのぬいぐるみより放たれる圧は、先程までの魔法生物と比べるまでもなく強敵だと否応なく感じさせられる。
 そして恐らくは――アレが皆の感情を喰らうが為に、呪いを維持しているのだろうと。

 可愛いツインテールを、どこから吹きこんでいるのか分からぬ風に靡かせ。
「邪な神である貴様と、魔法少女となった神である俺様の雌雄を決する時というわけだな!」
 完全に理解した。
 だって俺様は神だから。
 仁王立ちで腕を組んだキラス――、マジカル・ゴッドはふわふわとスカートを揺らして吠える。
「俺様には共に戦う魔法少女の友がいる。そちらは一人、――こちらはなんかいっぱい居る!!! 負ける筈がないな!」
 たしかに、魔法少女達はなんかいっぱいいる。
 自信満々にマジカル・ゴッドが言い放った瞬間、ぬいぐるみの前に少女が現れた。
「……」
 操られているのであろうか。表情薄くうつろな瞳の彼女は、ぬいぐるみを護るように抱きあげ魔法少女達へと向き直り――。
「ふむ、向こうもなんか出たな」
「なんか出たッすね」
「なんか出たな」
 マジカル・ゴッドの呟きに。こっくりと頷いて同意するマジカルシマエナガのオセロと、みらくるよだか。
 神たる魔法少女の感覚で理解できるが。あれは戦闘能力を持ち合わせぬ、ただの少女だ。
「……うむ、なるほどな」
 瞳を眇めたマジカル・ゴッドは、一気に地を蹴った。
「増えようが減ろうが関係ねーっス! 俺をいいねしたからにゃ、ニーサンたちはフォロワー! 俺たちで力を合わせて、そちらに現れたレディーをお護りしつつ、撮れ高マシマシにボコしてやんスよー!」
 マジカルシマエナガが、ワンピースの羽根を揺らしてマジカル・ゴッドを追うように跳ねる。
「この戦いが終わったら三人で自撮りするんだ、ちゅん!」
「何? そんな安易な語尾をつける事をなんで自分で許せちゃうの?? なんでそんなに乗り気なんだよお前ら……。俺か? 俺の方がおかしいのか??? もしかして、俺も、お前達も、そもそも魔法少女でミニスカだったって事か???」
 そんな事実は無いが。
 とは言え。
 相手が盾として出したのが一般人である限り、夜昂には見捨てる事は出来ない。
 それは魔法少女まじかるよだかとしての性質というわけでは無く、夜昂としての矜持である。
 短く吐息を零すと不退の気魄たるハートを散らして、みらくるはーと錫杖を構え直し。
 まじかるよだかも敵へと備え――。

「俺様を見ろ!」
 謎の後光を背に。
 敵へと飛び込んだマジカル・ゴッドは虚ろな瞳の少女の肩に掌を当てると、強引に視線を交わさせ。
「……俺様が見えるか? 聞こえるか? ――俺様は、神だ」
「……か、み?」
 その存在感を感じたのだろうか。
 小さく首を上げた少女は、小さく呟きを漏らして瞬きを一つ。
「そうだ」
 彼女が一瞬でも、我を取り戻したその瞬間。
 マジカル・ゴッドは少しだけ力の緩んだ少女の腕より、ぬいぐるみを引き抜き投げ――。
「そういう訳で、貴様の事も全て受け止めてやる!」
 そのまま彼女を掻き抱くと、背より伸びる巨大な白い羽根の幻影。
 それは全てを護るゴッドの心が生み出した魔法、無敵城塞(パーフェクト・ミラクル・ゴッドガード)だ!
「貴様が振りまく絶望より、俺様たちの希望がより輝くということを教えてやろう。行け! 俺様の仲間たちよ!」
「ちゅんっ!」
 魔法少女の絆とかなんとかで、ゴッドが人質をなんとかしてくれるだろうと踏んでいたマジカルシマエナガは、大気を圧縮して空中を蹴り上げ。
「チェストーーーッ! ぼんやりガールを盾にしようたぁ、男の風上にも置けねース!」
 ぬいぐるみが男かどうか確認する術は無いが。
 マジカルシマエナガは空中を飛ぶぬいぐるみに、ドロップキックをぶちかます!
 その瞬間。
 ぬいぐるみの背より、影が爆ぜ伸びた。
 その影は錫杖を構え、ふわふわとしたミニスカ和服を纏い――。
「ワッ?! 明らかに本名をアレンジした度胸つよつよ魔法少女のニーサン……の影!?」
「ウッ」
 明らかに本名をアレンジした度胸つよつよ魔法少女のまじかるよだかは、マジカルシマエナガの言葉で心にダメージを負って呻き。
 彼を模した『影』はマジカルシマエナガへとその影を伸ばしながら、尋ねた。
「オマエハドウシテ、ソンナスガタニ?」
 瞳を見開くマジカルシマエナガ。
「……俺は」
 どうして魔法少女となったか。
 魔法少女となって、何を成したかったのか。
 ……そんな事、そんな事。
「俺は、魔法少女マジカルシマエナガ……! 俺は、俺は……レディースにカワゆさでいいねをされつつ人助けしてモテる為に、魔法少女になったっス!!!!!!!!!!」
 それは彼の、とても素直な気持ち。
 だからニーサン達も逃さねースから、ご一緒に魔法少女をネ! なんてレディースの視線を集める事をお祈りしながら。
 やっと胸を張って魔法少女を自称したマジカルシマエナガは、その影をレガリアスシューズの一閃で断ち切り。
「今っスよ、よだか! 連携の力ってやつを――……」
「うるせーーーーーーーーーーー!!!! 知らねェーーーーーーーーーーー!!!! 仕事なんだよ!!!!!!!!! 名前は俺が決めたんじゃねェーーーーーーーーッッッ!!!!!」
 マジカルシマエナガの言葉に重ねて、めちゃめちゃキレ叫んだまじかるよだか(本名をアレンジした度胸つよつよ魔法少女ネーム)は、なんか可愛いエフェクトが飛んでいるけれど見た目がひたすらエグいパンチを落ちてきたぬいぐるみに叩き込んだ。
「許さねえからなお前!!!」
「あーーっ、違うっす、違うっす!!! 正義とイケメンは勝つしバズるっすから!!!!! オッケー!!?!?!」
「うるせえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!」
 フォローになっているのかいないのか。
 マジカルシマエナガのフォローに、まじかるよだかは敵を蹴り上げて、パンチで叩き落とす。
 がんばれがんばれって、肩口でぴょんぴょん跳ねるひよこ。
「ひ……っ」
「……大丈夫だ、怯えずとも俺様達を信じるが良い。……なんたって、俺様達は正義の魔法少女だからな」
 正気を取り戻した少女を抱きしめて。防御を硬めたままマジカル・ゴッドは、勝ち気に微笑んだ。
 ――魔法少女の友情パワーの前には、どの様な邪心も砕かれるしか無いのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リゲル・ロータリオ
とろケモ

俺…魔法少女になったっす!?
マジっすか?(服装を確認)マジっすね。俺男なんすけど…まぁ可愛いからオッケーっす!メルトちゃんも可愛いさマシマシっすね♪
なんか暗い雰囲気が楽しくないんで、明るく楽しく賑やかに行くっすよー!

【空中戦】【野生の勘】で飛び回り回避しながら
メルトちゃんに合わせてマジカルになった水鉄砲で【援護射撃】
スカートがひらひらするけどスパッツがあるから気にしないっす

タイミングを図って『ガチキマイラ』
ガブっとブチっといただくっす。ミラクルにマジカルだからスプラッタじゃないっす

※楽しいノリ最優先の典型的キマイラ
※メンズスパッツの着用のみ必須
※頭は弱いです
※全部好きにして下さい


メルト・プティング
【とろケモ】

はーい、メルトちゃん参上でっす!
って、なんか魔法生物の残骸塗れにボスっぽいヤツとか、もしかしなくても出遅れましたね?
ま、まぁ真打ちは遅れて登場するとも言いますし!
リゲルさん、ボク達も行きましょう!

戦場では魔法少女化するとのコトですが、カワイイ系なら大歓迎!
さぁ、アゲアゲでいきますよー!

って、名乗りまでビシッとキメたはいいんですけど。
なんかボクの衣装、カッコイイ寄りじゃないです?
なんか装甲とかついてるし。ステッキかと思ったらなんかビーム砲っぽいし。
えぇー……

うわっ、リゲルさんの衣装はめっちゃカワイイんですけど!?
ズルい!ズルいです!今すぐ脱いで交換してください!!

※アドリブ、絡み歓迎



 魔法生物の残骸を踏み越えれば、獣の耳がぴょんと跳ねて。
 ふかふかとした尾と、黒い翼が大きく揺れる。
 黒い肌を覆う制服の裾がひらりと舞った。

「……もしかしなくても出遅れましたかね?」
「まぁ、真打ちは遅れて登場するというっすよ!」
「そ、そうですよねっ!」
 そして、二人が倉庫へと足を踏み入れた瞬間。
 煌めく光は空の色。

 全身が夢の色に光り輝いたリゲル・ロータリオ(飛び立て羽ばたけどこまでも・f06447)に、リボンがいくつも纏わりつく。
 スパッツが見えるように、前が開いたデザイン。
 柔らかくふかふかの広がるスカートに尾が揺れて、羽根のごとく大きなリボンが広がる。
 ボースリーブのシャツめいた服の襟に揺れる紅いネクタイ。
 可愛らしい音を立てて、長いヒールブーツが顕現した。
 音を立てて髪を彩る沢山のリボン。
 花が散り、雲を纏い――。

 その横を駆けるメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)が、地を踏み込んだ瞬間、身体が蕩けるように。
 靭やかなラインの肢体を一瞬晒したかと思えば、光が彼女を包み込んだ。
 装甲を形作る光は、彼女の額にゴーグルを。
 杖を模した細長い砲身に、背負うは装甲兵パーツ。
 スカートを模した装甲が、臍の見える黒肌を覆い。
 足先を包む機械パーツに――。
 きゅん、と銃口にレーザーの光が宿る。
 散る星々。
 花が舞い、星が乱れ――。

「明るく楽しく賑やかにっ、いつも元気なまじかる貧民・リゲル!」
「そしていつもにこにこ元気なボクです。まじかるJK・メルトさん参上でっす!」
 きゃるんと可愛いポーズをとったリゲルに合わせて、低く構えたメルト。
 ここまでキメた瞬間に、まじかる貧民のリゲルは我に返ったように――。
「えっ、俺……魔法少女に……、えっ、マジっすか? まじかる貧民ってひどく無いっすか!?」
 俺男なのに……、とふかふかのスカートを揺らしてくるくると自分の服装を確認するリゲル。
「……まぁ、可愛いからオッケーっスよね?」
 その様子に、むむーっと頬を膨らせるメルト。
「むむむむむーっ、リゲルさんの衣装はめっちゃカワイイのにボクの衣装はカッコイイ寄り……というかメカじゃないですかっ!? 魔法少女じゃなかったんですかーっ!?」
「えっメルトちゃん、カワイイじゃないっすかー、可愛さマシマシっすよ!」
「やだあーっ、リゲルさんズルいですーっ、その服ズルいですよーっ! 今すぐ脱いで交換してください!!」
「いや、いやいやいやっ、敵、敵の気配も近いですしっ! きゃーっ、メルトちゃんちょっと落ち着くっす! 冷静にーーっっ!」
 飛びかかってくるメルトと団子になりながらも、リゲルの必死のダッシュでなんとか敵の気配までたどり着き。
 仕方ない、とメルトはゴーグルを降ろした。
「もーっ、リゲルさん! あとでその服ちゃんと脱いでくださいねっ!」
 魔法少女としての魔力を銃身に籠め、構えるメルト。
 そこへぬいぐるみの後ろから伸びた巨大な影が、鋭く迫り――。
 壁を蹴って跳ね。
 スカートを靡かせながらリゲルは黒い翼で風を斬って、影を間一髪で避けながら水鉄砲を構えた。
「その件は後で話す事にするっすよ!」
「約束ですからねーっ!?」
 リゲルとメルトより同時に放たれた星の弾けた一撃が、ぬいぐるみを貫き。
 しかし、更に伸びた影が牙めいた口を大きく開いて、幾つもの瞳がメルトをギョロリと睨めつけた。
「!」
 弾ける星屑の残滓を払って、メルトは再び構え。
「そうはさせないっす!」
 一気に壁を蹴って滑空したリゲルはぬいぐるみへと飛び込むと、その腕を巨大な獅子の口へと変形させて逆に喰らいついた。
「むむむっ。……折角ですし、この衣装でもアゲアゲでいっちゃいましょうかっ!」
 今すぐ着替えられないならば、今この魔法衣装を楽しむしか無い。
 そういう臨機応変な楽しみ方も、JKの可憐さに違いないのだ。
 気を取り直してにんまりと微笑んだメルトは、獅子に食らいつかれながらも目の前に迫った影へと。
 ビームを叩き込んだ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天御鏡・百々
●神鏡のヤドリガミ(本体の神鏡へのダメージ描写NG)
●アドリブ、連携歓迎
●魔法少女描写はおまかせ

光あるところに影はあり
魔法少女たちの光に対して、影としての邪神が現れたか……
しかし、影も直接光で照らせば消え失せるのだ
我が破魔の光にて消し去ってくれよう!

我が力の弱点を突こうというのか
なかなかに狡猾なようだな
障害物に隠れる、盾にするなどで光が遮られれば、我が力も届かぬ
しかし、それに対する方策は用意できる
持ち込んだ鏡を念動力10にて操り、
それらに反射させることで障害物を回避、
『天鏡破魔光』の光を邪神に直撃させてやろうぞ!(破魔65)


リリカ・ベルリオーズ
アドリブ・連携大歓迎

ついにここまで来ましたわね。
…ここで砂糖漬けを一枚口に
人前だと少し恥ずかしいのですが…致し方ありませんね。
私だとあの可愛らしいぬいぐるみに目が眩みそうなので…後は任せます。
――やっとワタシの番だな
……そういえば、なんでこいつを食べたら腹が減るんだろうな…
ま、そんなことはさておき、相当強いように見える。油断は出来ねぇな。

自分に攻撃が来たら【第六感】で回避しようと思う
あと、敵の隙を見て炎属性の【属性攻撃】で攻撃も

とどめはこいつだ…!
――燃え盛れ、情熱の愛!!
(さっきは多くのルビーを使ったらしいが、今回は一つに意識を込めて……特大を見舞ってやる…!)
ローズ・ラブ・フレイム!!!


九重・桜花
あれは...ぬいぐるみ?
でも、この禍々しさはさっきの魔法生物達のと同じ...まさか、邪神!?

早く倒した方が良さそうだねって、あれは...人質!?
これじゃさっきみたいな大技は使えない...そうだ!

魔法少女とはちょっと違うかもしれないけど...やってみよう!
『フォームチェンジ・フレイムモード!』
炎の魔力で攻撃力を重視したトリニティ・エンハンスで身体機能を強化、素早く背後に回り込んで渾身の一撃をお見舞いするよ!



「あれは、ぬいぐるみ……?」
 禍々しい気配に駆けつけた、桜花――チェリーブロッサムは息を飲んでふるふると左右へ首を揺すった。
「でも、この禍々しさはさっきの魔法生物達と同じ……」
 苛らぐ肌が、その結論を否定する。
 あれは、あれは。
「……ううん、もっともっと強い!」
「――あれが、邪神でしょうか?」
 きゅっと拳を握り込んで、リリカ――ローズ・ローズがこくりと喉を鳴らして相槌を打った。
 仲間達が攻撃を次々に叩き込んではいるが、そこまでダメージが蓄積されているようにも視えぬその姿。
「光あるところに影はあり。――魔法少女たちの光に対して、影としての邪神が現れたか……」
 りんと鈴を鳴らして鏡を抱いた百々……プロミネンスミラーはその表情を俯けて。
「しかし、影も直接光で照らせば消え失せるのだ。我らが光にて、消し去ってくれようぞ!」
 魔法少女達を鼓舞するかのように、朗々と彼女は言い切った。
「……うんっ! 早く倒しちゃおう!」
 その言葉に勇気づけられ、こっくりと頷いたチェリーブロッサム。
「そうですね……人前だと少し恥ずかしいだなんて、……言っている場合じゃありませんわね」
 細く息を吐いて。
 甘い桃色の瞳の奥を決意に揺らしたローズ・ローズは、砂糖漬けの甘い薄紅色を一枚唇へと運ぶ。

 ――後は、任せます。
 口に運べば、不思議とお腹が空く薔薇の花弁。
 瞳を閉じたローズ・ローズ……リリカは空腹を感じると、『一人の人格が現れる』。
 ぱちりと次に開いた瞳は、金色。
 結われた髪をうっとおしそうに掻き上げて、敵を睨めつけた。
「はァ、――やっとワタシの番だな。ま、相手は相当強そうだ。油断はできねぇなぁ」
 それにあの見た目じゃ、アイツは確かに戦う事を嫌がるだろうしな、と呟く『ローズ・ローズ』。
「……ローズ・ローズ?」
 口調の変化に、首を傾ぐチェリーブロッサム。
「――ドール・ローズ、とでも呼んでもらおうか」
 肩を竦めてからドール・ローズは唇に人差し指を押し付けると、口端を擡げて笑った。

「……!」
 プロミネンスミラーの掲げる鏡の光に、何かを感じたのであろう。
 ぬいぐるみは音も無く、もうひとりの一般人少年を召喚すると自らを抱きしめさせ。
 魔法少女達から逃げるように駆けさせた。
「あれは……、男の子っ!?」
「全く卑怯な奴だな。……あの気配だと、本当にただの一般人を盾として呼び出したんだな」
 踏み込もうとしたところで、攻めあぐねたチェリーブロッサムとドール・ローズは足を止め。
 奥で守られているもう一人の一般人の少女もいるようで。
 一般人を無限に呼び出せるとすれば、随分と厄介だな、と内心歯噛みする。
「いいや、我が活路を開こうぞ、――続け!」
 しかし、そこに念動力で幾つもの鏡を浮かばせたプロミネンス・ミラーが吠えて魔法少女達を一喝した。
 障害物――少年自身の身体で光を遮れば、確かにプロミネンス・ミラーの破魔の光も届かぬであろう。
 しかし、完全に覆われている訳では無いという事は――。
 念動力で浮いた鏡が、光を照り返し。その光を受けた鏡が更に光を照り返す。
 反射に次ぐ反射が、幾つもの光明を生み。
「その少年を、離せ!」
 妖魔を浄化する破魔の光。
 それは鏡の反射によって、駆ける少年の目前を照らしだす!
「……!」
 眩しそうに瞳を細めた少年が、戸惑うように足を止めた瞬間。
「フォームチェンジ・フレイムモーーーーーードッ!」
 力強い宣言と共に、炎を纏ってその能力を高めたチェリーブロッサムが、少年の背後へと回り込む!
「えーーーいっ!」
 ひるんだ少年の腕の隙間からぬいぐるみを蹴り上げると、少年を抱き寄せて。彼女は、信頼すべき仲間たちを見た!
「プロミネンス・ミラー! ドール・ローズ!」
 チェリーブロッサムに蹴り上げられ、ぬいぐるみを焦がす火花。
 咄嗟に広がる大きな影。
「うむ!」「任せろ!」
 彼女の声掛けにプロミネンス・ミラーとドール・ローズは横並びで応じ。
 同時に低く構え、集う力は勇気と愛。
 光の帯を纏う魔法少女達は、流星を撒き散らして。
「悪しき者よ、我が破魔の力によりて滅び去るがいい! 天鏡破魔光!」
「燃え盛れ、情熱の愛! ローズ・ラブ・フレイム!」
 先程の反射による光など、比べ物にならぬ程の破魔の光。
 そして、一つのルビーへと全ての意識を籠めて叩き込まれる特大の愛の炎が、影纏うぬいぐるみへと叩き込まれる!

 そして。
「……大丈夫だからねっ、キミの事はボクたちがちゃんと護るから!」
 少年を抱き上げてぬいぐるみから距離を取るチェリーブロッサムは、自らとそう歳の変わらぬ少年を安心させるかのように微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

セツナ・クラルス
目の前の敵に肩を竦め
なんて恐ろしい…人によっては攻撃することすら躊躇しそうだ
しかし、私はもふもふに興味はない
悪いが摘み取らせて貰う、よ…?
幻影に目を細め
現れた姿に硬直する
…ゼロ?

そこにいるのは普段の姿のゼロと魔法少女となったゼロ
ふ、ふふふ…!
かわいいねえ、かわいいねえ…!
まさかきみのこんな姿を見られるとは
うん?
「どちらが本当のオレか?」だって
考えるまでもないよ

きみが偽物だ
魔法少女・ゼロに躊躇いなく鎌を突き立て
ゼロはこう見えて真面目なんだ
女装に躊躇わないゼロはゼロじゃない
ふふ、私のゼロを貶めたこと、後悔するといいよ

でも別に女装してくれても…痛!?
…じょ、冗談だよ
本物のゼロにどやされつつ敵を攻撃



 魔法少女達の猛攻に空中で身を捩り。
 邪神宿りしぬいぐるみは、四足歩行で駆け出すが――。それをヒールブーツの足先で蹴り飛ばすように受け止めたセツナ……魔法少女エクサは呟いた。
「……なんて恐ろしい」
 ころん、と転がるぬいぐるみは尾をぺちんと床にたたきつける。
 この愛らしい姿! 人によっては攻撃をする事すら躊躇しそうなくりくりの瞳!
「しかし、私はもふもふに興味は無いからね、悪いが摘み取らせて貰……」
 その瞬間。
 エクサは瞳を瞬かせる。
 無理矢理自らの魔力を引き抜かれたような感覚。
 そう、自らの愛し仔を呼び出した時のような――。

「――ゼロ?」

 彼の目前へと現れたのは、彼の別人格。
 ――二人のゼロの姿だ。
 一人は普段どおり、金瞳をした自らと同じ服装の彼。
 そしてもう一人は、金瞳をした『今の』自らと同じ服装の彼だ。
 彼らは口を利くこともなく、じっとエクサを見つめ――。

「……ふふ、ふふふふ、かわいいねえ、かわいいねえ…! まさかきみのこんな姿を見られるとは! 魔法少女姿も素敵だねえ!」
 お兄さん、多分見た目は貴方と同じですよ。
 二人のゼロがめちゃめちゃイヤそうな顔をする。
 いえ、……きっと心のあり方が違えば可愛さはまた変わるのであろう。
「ドチラガ、ホンモノダ?」
 きぃん、と耳鳴りに似た音を漏らして、邪神はエクサを睨めつけて問う。
「うん? そんな事考えるまでも無いじゃないか」
 人形より爆ぜるように広がった影を、バックステップを踏んだエクサは大鎌でいなしながら。
 踏み込んだ体重の先を逆へと移動させて一気に跳ねると、勢いそのまま。
 鎌は魔法少女姿のゼロの首を、跳ね飛ばす!

「ゼロはこう見えて真面目なんだ。女装に躊躇わないゼロはゼロじゃないよ」
 その身体を鎌の柄で叩いて距離を生むと、どろりと影と成った魔法少女姿のゼロの姿が掻き消える。
「……ふふ、私のゼロを貶めたこと、後悔するといいよ。あ。でも別に女装してくれても私は一向に」
「うるせえーーーーーーーーーーーーッ!!!」
「痛!?」
 そこでやっとの事で喋る事ができるようなったゼロは、手に持った杖でまずはエクサの頭をはたいて叫び。
 その後にぬいぐるみから襲いかかる影を斬り裂くかのように、真一文字に振るった杖でその魔力を開放した。
「じょ、冗談だよゼロ……」
「それ以上無駄口たたくんじゃねぇぞ、いいな、わかったか!」
「ふ、ふふふ……すみません」
 愛し仔にめちゃめちゃ怒られたので、エクサだって前を向く。
「……さあ、共に行こうか、私の『本物の』愛し仔」
「あー、はいはい」
 ゼロとエクサは、そうして敵へと向き直り――。

成功 🔵​🔵​🔴​

花菱・真紀
ぬいぐるみ…だけど厄介なのが後ろに憑いてるな…。
ちゃんと魔法少女頑張ったんだけどなぁ…。まぁしょうがねぇ。引き続き頑張るか…。
うん、でもこうなったらお前も巻き込みな。
UC【オルタナティブ・ダブル】
よし!魔法少女☆アキちゃん参上だぜ☆

うん、ベースが同じ有祈を冷静にみるとひどいな20歳成人男子に魔法少女させちゃいけないな。
とにかく行こうか有祈。

【クイックドロウ】で【先制攻撃】
【スナイパー】【援護射撃】で撃つ撃つ撃つ!

アドリブ連携歓迎です。


ブリッツ・エレクトロダンス
なんだこいつ…相当ヤバいぞ…!
下手すると正気が削れる…

なら!さっさと雷で焼き滅ぼしてやr…
神雷の弱点指摘か。確かにこれは必要な電力チャージの若干の時間がかかる。
そこに割り込めば充分な威力の放電はできない。

だが甘ぇよ!
(素早くフィジカル☆オートマチックハンドガン ピューマ8045Fを抜いて雑に狙いをつけ、フィジカル☆バレットを叩き込む)
覚えておけ、最近の魔法少女は実弾銃を使うイレギュラーもいるとな。



「……ッ! なんだこいつ……、相当ヤバいじゃねえか……!」
 正気が削れそうなほどの瘴気。
 正気が削れそうなミチミチのアマゾネス系魔法少女のインパクト☆ブリッツはその金の瞳を眇めて喉を鳴らした。
「ああ……どうみてもぬいぐるみだが、厄介なのが憑いてるな」
 明らかに本名をアレンジした度胸ありありメンタルつよつよ魔法少女名の20歳成人男子――真紀こと、魔法少女☆マキも、吐き気に耐えるように言葉を絞り出す。
 ちゃんと魔法少女頑張ったんだけどなぁ……。
 その結果がコレなんて、報われないにも程がある。
 そして敵は、『報われない』絶望の感情を喰らって敵は更に成長するのであろう。
 そう、わかっちゃあいる。
 わかっちゃあいるが。
「うん、でも、もう、こうなったらお前もこっちに来いよ」
 一人で酷い目にあってたまるか。
 絶望はシェアする事で克服ができるのだ。
 なあそうだろ、相棒。
 力を籠めれば、顕れる『もう一人』。
 くるくると魔法の力に包まれた彼は、ファンタジックファンシーコミカルキッチュにラメ等に包まれた全裸を晒し――。
「魔法少女☆アキちゃん、ただいま参上っ☆」
 ブリッブリの衣装に身を包んだもう一人の真紀――別人格の有祈の姿。
 冷静である筈の自らの相棒まで、名乗りはこうなってしまうのか~、と真紀はまじまじと彼を見やり。
「……うん。20歳成人男子に魔法少女させちゃいけないな」
「そう思うなら、呼び出さないで貰えるか?」
「まあまあ、そう言わずにアキちゃん。とにかく行こうぜ、数は居たほうが良さそうだしな!」
 眉を跳ねただけのアキにマキは明るく笑いかけ。
 インパクト☆ブリッツもそれには異論はないと頷いた。
「ああ、正気を削りきられる前にさっさと焼き滅ぼして――」
 その瞬間。
 歪な気配膨れ上がる。
 遠くに居た筈の敵が魔法少女達の前へと、一瞬で間合いを詰めたのだ!
「! テメ……、」
 インパクト☆ブリッツの手元でばち、と爆ぜた紫電を一瞥したぬいぐるみ。
「キサマノ『雷』ハ、ツカウマデニジカンガ、カカルノデアロウ?」
 ささやきかけるような歪な声音の指摘は、彼の力を奪う呪いを宿している。
「……ッ!」
 インパクト☆ブリッツはち、と舌打ち一つ。
 確かに、神雷は必要な電力をチャージするのに若干の時間がかかる技である。
 このように一気に距離を詰められて、チャージの時間を取る事ができなければ、十分な威力の攻撃と成る事は無いだろう。
 しかし、しかしだ。
「……甘ェよ!」
 魔法少女達は、一人で戦っているのではない!
「「全くだ!」」
 同時に応じた三人の魔法少女は、迷う事無くフィジカル☆オートマチックハンドガンを引き抜き、ぬいぐるみに銃口を向けた。
 あのぬいぐるみ自体は、ただのぬいぐるみだ。
 そしてUDCはけしてユーベルコードでなければ倒せないモノでは、無い!

 近距離から幾度となく、ぬいぐるみに叩き込まれるフィジカル☆バレット! フィジカル☆バレット!! フィジカル☆バレット!!
 ただの実弾でも、攻撃する度に流星みたいなエフェクトが溢れるので魔法少女って助かるなぁ。
 叩き込まれる銃弾の勢いに、強かに壁へと背を打ち据えられたぬいぐるみが、影を爆ぜさせ。
 一気に伸ばされた影をアキが銃底を叩きつけて弾き飛ばすと、可愛いハートのエフェクトが散る。
「こっちにくるんじゃねえぞ、邪神ちゃん!」
 相棒とリロードのタイミングをずらして、敵が近付こうとする度に連携して銃を撃ちこむマキ。
 吹き出す影はまるで炎のごとく揺れ爆ぜるが、その影を掻い潜ってインパクト☆ブリッツが駆けた!

 高く高く跳ねると、ミニスカートよりちらつく魔法少女のマジカル下着。
 冷たい視線でぬいぐるみを見下ろしたインパクト☆ブリッツは、口角を釣り上げ犬歯を見せて笑った。
「なァお前。覚えておけ、最近の魔法少女は魔法だけでは無いんだ」
 耐え忍んだ時間は、ちらついて居た自らの力を奪う邪神の呪影を祓うには十分な時間が過ぎていた。
「――実弾銃を使うイレギュラーもいるとな!」
 雷の『埒外』の制御も完璧。
 高らかに吠えたインパクト☆ブリッツは、ゼロ距離から神雷を叩き込んだ!

 そんな様子を背中合わせ。
 銃を構えたままのきいていたマキアキは――。
「……俺達、最近の魔法少女扱いでいいのか?」
「成人してるんだよなあ」
 そうなんですよねえ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

千桜・エリシャ
【灰桜】

いよいよ邪神のお出ましですわね
行きましょう!グレイバードさん!

まあ、随分と可愛らしいぬいぐるみですが
姿形には惑わされませんわ
愛…愛ですの?グレイバードさんは随分と情熱的な方ですのね
瞳の色は似ていると思いましたけれど
カイトさんとは真逆かしら?
ううん…でも…

いけない、今は集中しなくちゃ!
ここは私の真の力をご覧に入れましょう…
――マジ狩る🌸チェンジ!
ステッキを大太刀に変えて
あなたの御首いただきますわ!

さすがボス
一筋縄ではいきませんわね
ここはグレイバードさんと合体技ですわ!
灰の雨と桜の嵐――
桜吹雪の如く斬撃の嵐で切り刻んで差し上げますわ!
そうして怯んだところで、御首をいただいてしまいましょう


奇鳥・カイト
【灰桜】

邪神、ですか
何やら見えますが…そんなことは関係ありませんね
使命を果たすことに!障害はあるものなのですから!
えぇ、行きましょう!


ふふふ、それにしては随分とかわいいぬいぐるみさんですこと
せめて優しくワタを抜かせて頂きますね
えぇ、協力して…叩き込みましょう!全力で!愛を!
カイトさん?はて、誰のことかしら?うふふ面白いですわね



マジカルチェンジ!
この身の痛みを力に変えて
我が血を以って、仇なしましょう

なかなかやりますわね
では、ここはひとつコノハナ🌸エリシャさんとの合体技を行いましょう!
桜吹雪に灰の豪雨──
篠突く雨のように、全身全霊で降り注がせて頂きましょう!
首は趣味ではないの…差し上げますわ


パーム・アンテルシオ
結局、儀式は完成しちゃったんだ。
…そうなると、私たちのやる事は。
終わらせないと。猟兵としても…魔法少女としても。
魔法少女になる、この時間も。

それにしても…ずいぶん質の悪い邪神だね。
邪神なんだから、邪で当然なのかもしれないけど。
まるで…人の悪意、みたいで。
怪物は、人の中にこそ現れる。そういう事かな。

ユーベルコード…山茶禍。
狙うのは、喚び出された一般人。
「あなたは、これからの攻撃を、全て回避する」
あなたが、人を操るのなら。私は、運命を歪めよう。
直接の攻撃は…皆に任せちゃおうかな。

こういう趣向も、楽しかったけど…
非日常は、非日常だからこそ、面白い。
あなたには、もう会わない事を願うよ。

【アドリブ歓迎】



 流れる薄紅色の花弁は少女達を包む。
「あれが……」
「いよいよ邪神のお出ましのようですわね」
 カイト……否。魔法少女グレイバードと魔法少女コノハナ🌸エリシャは視線を交わしあい、小さく頷き合う。
「随分と可愛らしいぬいぐるみですね」
「背後にかわいくないモノも見えますが……」
 ステッキを構えたエリシャの横でグレイバードは瞳を眇めるが、すぐに頭を振って地を踏みしめた。
 ぬいぐるみから蠢く影。
 アレこそが邪神そのものなのであろう。
「使命を果たすことに! 障害はつきものなのですから!」
 多分、彼が魔法少女になっている事だって使命を果たすがための障害なのだ。
 きっと、きっと。
「行きましょう!グレイバードさん!」
「えぇ、行きましょう! 協力して叩き込みましょう! 全力で! 愛を!」
 エリシャの声掛けにマジカルな鉄パイプを握りしめてグレイバードは頷き。
「まぁ、愛? 愛ですの? ――グレイバードさんは随分と情熱的な方ですのね」
 ふふふ、と上品に微笑むエリシャは桜色の瞳を揺らして。
「……瞳の色は似ていると思いましたけれど、私のお友達のカイトさんとは真逆なのですね」
「カイトさん……? はて、ふふふ、そうですか? 瞳の色が似ているだなんて面白いですわね」
 上品に微笑み返したグレイバードが、さっと顔をそむけて跳ねた。
「まあ、いけない。今は集中しなくちゃいけない時でしたね!」
 慌てて後ろを追う、エリシャ。
 彼女より舞う桜の花びらに併せて、二人は邪神に回り込むように左右より間合いを詰める。
「ふふふ。それにしても、見た目は随分とかわいいぬいぐるみさんですこと!」
 せめて、せめて優しくワタを抜かせて頂きましょうかなんて、グレイバードは笑い。
「姿形には惑わされませんわ!」
 凛と呼したエリシャと、グレイバードが同時に武器を掲げた。
「――マジ狩る🌸チェンジ!」
「――マジカルチェンジ!」
 エリシャのステッキが本来の姿――大太刀を顕し。
 ぎゅっと腕を握りしめたグレイバードの躰の中が蠢いた。
「咲き誇れ、繚乱の花! ――儚き花嵐をご覧あれ!」
「この身の痛みを力に変えて! ――我が血を以って仇なしましょう!」
 斬撃を花弁に。その血を武器に。
 左右より同時に魔法少女達はその力を解き放つ――!
 が、邪神は迫る斬撃に影を全て小さなぬいぐるみにすっかりと収めてしまい。
 同時に迫りくる幾つもの黒い武器を、地を蹴り飛び避けるぬいぐるみ。
「ちょこまかと良く動く……!」
「――さすがボス! ……一筋縄ではいきませんわね!」
「ムダダ、ガ、邪マ、ダ!」
 軋むような声音。
 相次ぐ攻撃にうんざりしたように音を漏らしたぬいぐるみが、少年を召喚し壁と成すが――。 

 そこにふかふかとした尾を揺らして間へと割り込んだのは、パーム――歌と炎の魔法少女・ナインフレイズの姿だ。
 彼女は紅瞳を細めると、まっすぐに敵を見つめ。
「あなたが儀式を完成させちゃったなら……、――私たちの出来ることは、終わらせる事だけだね」
 重ねて紡がれた喉を震わせる甘い歌声。
 それは彼女自身を鼓舞し、魔力を高める加護だ。
 警戒したぬいぐるみは、少年に自らを抱かせるが――。
 ナインフレイズが狙うのは、その『少年』そのものだ。
「……あなたは、これからの攻撃を、全て回避する」
 敵が人を操るのならば、ナインフレイズは運命を歪めてみせよう。
 これで、盾として呼び出された『人』は巻き込まれる事は無い筈だが――。
 呪詛の言葉に『縛られた』少年は、びくりと肩を跳ねてぬいぐるみを放り出し。
「――あなたは、……逃げないで」
「……グッ!?」
 放り出されたぬいぐるみを指差して、ナインフレイズは更に呪詛を重ね。
 敵が足止めされたかを確認する事も無く、彼女は駆け出した。
 邪神の『自分を護れ』という呪詛と、ナインフレイズの『自身を護れ』という呪詛を重ねられた結果その場で膝を付いた少年へと向かって。

 ナインフレイズが少年を抱きとめた瞬間。
 エリシャは再び踏み込んで、グレイバードと視線だけで意志を交わす。
 敵が足止めされたならば、もう一度!
「灰の雨と桜の嵐――」
「桜吹雪に灰の豪雨──」
 ナインフレイズの歌声に知らず高められた魔力は渦を巻くよう。
 背中合わせで構えたエリシャとグレイバード。
「桜吹雪の如く、斬撃の嵐で切り刻んで差し上げますわ!」
「篠突く雨のように、全身全霊で降り注がせて頂きましょう!」
 地を蹴って、ぬいぐるみに一気に距離を詰めたエリシャは紅の花を斬撃に咲かせ。
 直上から直接黒血の武器群を叩き込むグレイバードが、世界に灰の風を撒き散らし。
「オマエ、ラ!」
「その御首、いただきますわ!」
 二人の魔力が、ぬいぐるみに殺到する!

 荒れ狂う花弁と、武器の雨。
 少年を間一髪で抱きとめたナインフレイズは、彼を抱き上げて一気に距離を取り。
 そのふわふわの尻尾で少年を支えるように包み込んで。瞳を瞑った彼に細く、細く癒やしの歌声を零していた。
 ――それにしても、ずいぶんと邪で質の悪い邪神だ。
 人に希望を見せて、裏切り、骨まで喰らい尽くす。
 そんなの、まるで、……人の悪意みたいだ、なんて。
 怪物は人の中にこそ現れる、と言うけれど。
 戦う邪神と魔法少女達へと、目線を向けるナインフレイズ。
「あなたには、もう会わないことを願うよ」
 少年を癒やしながら、彼女はぽつりと呟いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天之涯・夕凪
え? この格好続くんですか…?
そうですか…
いえ、これが済めば心を癒せると聞きましたし…依頼は帰るまでが依頼ですよね(自己暗示のように唱え)

……(他の猟兵に対する敵の攻撃方法、特に「人質」に対し)
うん、貴方に情けを掛ける必要は無いようです
一般人を盾にする邪神を野放しにはしておけません
格好等は最早些事
骸の海に速やかに還して差し上げますよ

激痛耐性で耐えながら、味方への攻撃はなるべく盾になりに行きます
心配する方もあるでしょうが、ユーべルコードの為でもありますので、どうぞ私にお構いなく
ある程度ダメージが蓄積したら、UC発動
強化された戦闘力で一気に片を付けに行きます

一般人を被害に遭わせたりはしません
決して


ソル・アーラ
〜あらすじ〜
先輩への愛の力でソルは魔法少女マジカルソアラに大変身☆
でも、この事は絶対に先輩に知られちゃいけないの
だって、だって知られてしまったら…!
(嘘偽りない王道ストーリー)


遂に邪神が…!
緊迫したシーンなのは解ってるけど、俺の呪いいつ解け…いやいやいや
考えちゃ駄目、マジカルソアラ!
考えたら貴方の心がもたないわっ
今は魔法少女としてあの邪神を倒すしかないんだよっ!

って、せ、先輩っ!?(※幻影)
「貴方は誰?」って…う、うあああ、言ったら俺の全てが終わるじゃないかぁあ!
わ、私は只の通りすがりの魔法少女よ!あううっ!

先輩を騙るなんてもう許さない!
マジカル!ラブ!サンシャイーン!



 それはそうとしてココでは前回のあらすじを紹介しようッ!
 食パンを咥えて走るソルのイメージ映像。
 角を曲がったところで……憧れの先輩とぶつかってしまう!
「い、いったーいっ!」
「わ……、大丈夫?」
 先輩に手を差し伸べられたソルは、自らの胸のときめきを知る。
 これが……ときめき?
「あの、結婚しましょう!!」
 そして、先輩がワルイジャシーンに襲われた時……、ソルは先輩への愛の力で魔法少女マジカルソアラに大変身したのであった。
 でも、その事は絶対に先輩に知られてはいけない。
 ソアラが魔法少女だと、先輩にばれちゃったら――☆
 全く事実で無い過去がソルの脳を過る。

「この呪い、いつ解けるんだろ……」
「え? この格好まだ解けないんですか……?」
 邪神を前に。
 思わず同時に呟いた魔法少女マジカルソアラと夕凪――クロック・クロック。
 二人顔を見合わせて、首を振る。
「……でもこれが終えたら心を癒やすアクティビティもあるそうですし、依頼は帰るまでが依頼ですし……」
「そうそうそうそう、考えちゃダメ、クロック・クロック! 考えたら私達の心が持たなくなっちゃうわ!」
「はい、そうですよね、はい。解りますよ」
 ソアラとクロック・クロックは顔を突き合わせて暗示をかけ合うように鼓舞を口に。
「今は魔法少女として、あの邪神を倒さなきゃっ☆」
「ええ。――それに、情けを掛ける必要も無いようですしね」
 人質。
 もう何人も呼び出され、魔法少女達に保護されてはいるがいつ彼らに被害が及ぶか解りはしない。
「――人々を盾にするような邪神を野放しにはしておけません」
 クロック・クロックが低く呟いた瞬間。
 ソアラが目を見開いた。
「……ソアラさん?」
 クロック・クロックが尋ねるが、もう彼の声は耳に入っていないのであろう。
「……って、せ、せせせせせ、先輩っ!?」
 彼の目の中に見える『幻影』。それはローズブラウンの髪に、菫の瞳を揺らす、憧れの――。
「……アナタハ、ダアレ?」
「あーーーーっ、あーーーーっ!?!?!? わ、私は只の通りすがりの魔法少女ですよ……!?」
 苦悶の表情を浮かべ完全に術中にハマったソアラへと。
 愛しい先輩の形をした呪詛の塊が弾けた――、その瞬間。
 クロック・クロックがソアラをその胸に懐くことで、呪詛より彼を庇い。
「……ぐっ!」
「あっ……あ、わ、……クロック・クロック……!?」
「心配ありませんよ――どうぞ、私にはお構いなく」
 はた、と正気に返ったソアラが瞳を見開いた。
「……っ、っ! 先輩を騙るなんて、もう許せないわ!」
「ええ、この様な服装等最早些事です。骸の海に速やかに還して差し上げましょう」
「いくわよ、クロック・クロック!」
「――はい」
 頷いたクロック・クロックを覆った黒いオーラは、呪詛、怨念、呪怨だ。
 魔法少女が覆うには、あまりに禍々しきそのオーラ。
 そしてこの衣装によって得た、心の傷。
 たった今、叩き込まれた攻撃。
 それらは全て、クロック・クロックの力と成り――。
「貴方は少し、悪事を働きすぎました」
「この純情を弄ぶなんて、ぜったいぜったい許せないわ!」
 空を裂かん勢いで駆けたクロック・クロックに併せて、一気に跳躍したソアラがスカートを翻し。
 巨大な機関銃を掲げたクロック・クロック。ソアラはその絵筆ステッキを振り上げる!
「人に害為すオブリビオンよ、骸の海にお還り」
「愛の光をあなたに――! マジカル! ラブ! サンシャイーン!」
 そして二人の魔法少女は、光に包まれ――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

灰炭・炎火
うぇー、あんな可愛いのに邪神なのぉー?
……ううん、今のあーしは魔法少女!
どんな相手だろーと、可愛く華麗に大惨事よ!

……えっ、でも一般人を傷つけたら、えー、あー……
駄目よね! じゃあちょっとニャメいーらない!
(ステッキ代わりの斧を投げ捨てる。壁を突き破りすごい遠くへ飛んでいって見えなくなる。結社に伝わる最重要アイテムであるニャメの重斧を失くしちゃったことに気づくのはずっと後のことである)

さ、ちょっと寝ててね
リリカルマジカルフロリック! 気を失う魔法!(呼び出された一般人をでこぴんで気絶させる。凄まじい音がする。多分死んでない)
無力化したら端っこの方にぽいーってして避難させるよ!


明智・珠稀
ふ、ふふ!
マジカルたまちゃん、引き続き闘わせていただきます♥️
(魔法少女姿で嬉しそうに変な決めポーズを)

■戦闘
「可愛こちゃんな敵ですが、敵である以上倒さねばなりません…!
いでよ!おっきなマジカルたまちゃん!」
UC【明智・ザ・ジャイアント】を発動し
やっぱり魔法少女な姿の大きい明智を召喚。
どちらも黒革の鞭を装備し
「さぁ、私の愛の籠った鞭さばきを愉しんでください、ふふ」
と鞭にて攻撃を。
敵UCにより現れた一般人には、大きな明智が盾になるように陣取り
「お守りいたしますご主人様…!」
敵に近づけないよう留意。

「大きな私に近づくと…パンチラが見えますよ、ふふ!」
見せたいド変態


※アドリブ&絡み、ネタ大歓迎♥️


真守・有栖
きらっと!
がぶっと!
わおーんと!

まじ狩る・ありす。り・すたーと!

決まったわ
さぁ、次なる敵は――

ぽんぽこ。
たぬきじゃないの。ぬいぐるみじゃないの!?

な……ッ!?
人質を取るなんて、卑怯よ!
何よ。もふもふぎゅっとしてもらって、あまつさえ頬ずりさえ!
たぬぐるみの癖に生意気よ愛くるしくて可愛いじゃないのっ!?
少女と人形。なんて破壊力……!

ならば!これなるは“もふ狼”、もっふもふで抱き心地ばつぐんの狼人形よ
ほら、この毛触りたるや!わぅう……たまらないわ。
気になる?えぇ、こっちに来て存分にもふるといいわ!

わふん!やーっぱり時代は狼よねっ

いくわよ月喰っ
まじ狩るにぴかっと刃を閃かせ
がぶっと!ずばっと!成敗……!


九之矢・透
うぇ、依り代ってあんな普通のヌイグルミだったのか。
……イヤ、なんか後ろから、何か……目、見えてない?

【POW】
『鵲』使用

ええぇ、何か人が出てきたよ!?
理屈は分からないが、勝手に操らせなきゃいいって事かな
ならその前に操ってやろう
「先制攻撃」「スナイパー」でヌイグルミを確実に狙い攻撃
更には一般人の手に渡る前に引き離すよ

アタシ達の「絶望」とやらが大きかったってんなら
今のアタシ達の「ヤル気」ってのも巨大って事だよな!
トンデモ呪いをかけてくれたお礼はキッチリ返してやるからな!



 きらっと、がぶっと、わおーんと!
 まじ狩る・ありす。
 り・すたーと!

 決まった、決まったわ。
 やっとの事で二度目のバンクシーンを完了した有栖は、まじ狩る・ありすたる魔法少女めいた和装をはためかせて、倉庫の奥へと駆け込み。
 さて、次なる敵。
 邪神の正体は――。
「……ぽんぽこ。えっ、たぬきじゃないの!? ぬいぐるみじゃないの!?」
「うぇ、依り代ってあんな普通のヌイグルミだったのか……」
 先程までの魔法生物とは一味違った、純粋に可愛いたぬきのぬいぐるみ。
 驚くありすの横で、透――魔法少女エメラルド・エメットは帽子を抑えて、眉を寄せ。
「……イヤ、なんか後ろから、何か……目、見えてない?」
「うぇー、あんなかぁいいのに邪神なのぉー? あ、でも、たしかに……、あんなにたーっくさん目があったら視力よさそーっ!」
「そういう問題かなぁ……」
 その小さな躰には不釣り合いな重斧を持った妖精。
 炎火――アッシュコール・フレイムファイアーがエメラルド・エメットの横で翅を羽ばたかせて、その紅瞳を揺らして首を左右に振った。
 どんなに、どんなに相手がかぁいくても。
「でも……、今のあーしは魔法少女やもん! どんな相手だろーと、可愛く華麗に大惨事よ!」
「ま、そうだね。アレがアタシ達の『絶望』で呼び出されたという事は――、今のアタシ達の『ヤル気』ってのも巨大って事だよな!」
「わおーんっ! そうよ、そうよ! まじ狩る・ありすは大惨事の準備はばっち……」
 同意に頷き、魔法少女達が心を一つにしたその刹那。
 気配に構えるありす。
 敵を中心に鬱々とした暗色が渦巻き歪み、敵たるぬいぐるみを護るようにその場に、『人』が現れた。
 どうみても、ただの一般人。
 それは戦闘能力があるようには思えぬ、パジャマ姿の少女だ。
「……なっ!?」
「……えっ!?」
 一般人の人質、という言葉が頭に過り。
 同時に驚きの声を漏らす、ありすとアッシュコール・フレイムファイアー。
 少女がそのぬいぐるみの手を取り、抱き上げようと――。
「何か人が出てきたけれど、――そうはさせないよ!」
 その動きに一番始めに反応したのは、エメラルド・エメットであった。
 理由は分からぬが、敵が一般人を召喚できるという事が理解ができれば十分だ。
 一般人がいるのならば、護る!
 エメラルド・エメットは帽子のうさぎ耳を揺らして翡翠色の瞳で敵を睨めつけて、鋭く人形へと向かって指差しをする。
 奔る風。そこに見えはせぬが、確かにそこには鳥が駆けている。
 少女が抱き上げようとしたその瞬間。
 見えぬ魔法の鳥の一撃に、ぬいぐるみは強かに弾き飛ばされ。
「ちょっと、ニャメいーらないっ!」
 少女を傷つける訳には行かない。
 この巨大な重斧では少女を傷つける可能性があると、アッシュコール・フレイムファイアーは重斧を軽く投げ飛ばし。
 鋭い矢の如く、翅を広げると彼女は勢いをつけて翔け飛んだ!

 ちなみに余談ではあるが、投げ飛ばされた真紅の巨大な斧――刻器“ニャメの重斧”は炎火の所属する『組織』『機関』……或いは、『結社』。――武器に選ばれし者の集う『結社』に伝わるとてもとても大切な武器である。
 その大切な武器は今倉庫の壁を突き破り、UDCアースの夜空をくるくると跳ね跳んで行く。
 星明りに照らされたそれは、どこか幻想的でもあり――。
 全てが終わってから炎火はめちゃめちゃ困る事になるのだが、今彼女はアッシュコール・フレイムファイアーなので気にしない。
 魔法少女は細かい事よりも、目の前の敵に対する対応が大切なのだ。

「ねえ、君! ここは危ないかんね、ちょっと寝ててね!」
 ――リリカルマジカルフロリック! 気を失う魔法!
 可愛いエフェクトと共に少女の額へと叩き込まれる、アッシュコール・フレイムファイアーの小さな指先。
 それは所謂、でこぴんだ。
 でこぴんなのだが――。
 とてもでこぴんとは思えぬ激しい音が響き、一瞬で意識を失ってその場で膝を突いた少女。
 大丈夫、死んでない。
 魔法少女の攻撃は優しい魔法だから大丈夫。
 たんこぶはできたかもしれない。

「ふ、ふふ……、可愛こちゃんのようですが悪いこちゃんはお仕置きです♥」
 その少女が倒れ込む瞬間。
 床を綺麗に滑って潜り込みながら、きゃるんと可愛いポーズを決めた――珠稀!
 いいや、あの可愛いケツは――マジカルたまちゃんだーーーーーッッ!!!
「いでよ! おっきなマジカルたまちゃん!」
 マジカルたまちゃんがきゅりんと立ち上がって、ヒールを鳴らせば禍々しくも美しいエフェクトが散り。
 彼の大きすぎる愛で召喚された、大きなマジカルたまちゃんが少女を抱きとめる。
 ……エッ、変態二人に増やしてどうするの?
「お守り致します、ご主人様♥」
 可愛くキメボイスを発した巨大たまちゃんと、通常サイズたまちゃんが同時に黒革の鞭を撓らせて床を叩いた。
「何よ、人質を取るなんて、卑怯じゃない!」
 意識を失った少女に、邪神入りのぬいぐるみの代わりに、もふもふ狼のぬいぐるみを抱かせてあげたありすは吠える。
 ぬいぐるみと少女なんて可愛いに決まっているが、人質にするなんてコトは許しは出来ない。
「いくわよっ! がぶっと、ずばっと! 成敗するわ……!」
「ええ、ええ! 私の愛の籠った鞭さばきを愉しんで頂きましょう!」
 月喰を構えて。敵を睨めつけたありすと、鞭を引き絞るたまちゃん。
「チカ、ヨルナ!」
 影を爆ぜさせて威嚇するぬいぐるみに、その暗影を斬り裂くように掛けるありすの銀の刃。
 併せて、見えぬ鳥が鋭く駈ける。
「わおーんっ!」
「トンデモ呪いをかけてくれたお礼はキッチリ返してやるよ!」
 あかんべをするエメラルド・エメットに、ぬいぐるみは視線を向けて。
 そのちぎれた影が捻れた瞬間、爆発的加速を見せて鋭く迫る影!
「どうせなら、それは私が頂きましょうか!」
 黒鞭が蛇の様に、鎌首を擡げて撓る。打ち下ろした鞭は影を爆ぜさせ――。
「それ以上は、近寄っちゃだぁーめやんねっ!」
 上から回り込むように滑空してきたアッシュコール・フレイムファイアーが、ぬいぐるみの額を人差し指で弾いた。
 それは、破砕音。
 でこぴんの勢いで高く跳ね跳んだぬいぐるみはたまちゃん(巨)の足元へと滑り行き――。
「ふ、ふふ……! 大きな私に近づくと……パンツが見えちゃうじゃないですか!」
 嬉しそうにたまちゃん(小)は身を捩った。
 快☆感。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ハーバニー・キーテセラ
魔法少女ならシリアス回というやつですねぇ~

相対する影は始まりの本
道に迷う子猫が兎に導かれ、様々な世界を冒険する
自身が外へと跳び出す契機となった絵本
そんなアナタが、何故、絶望に歩みを止めないのかと質問するのですか?

どんな世界の境界もぴょんと越え、誰をも彼をも導く兎
私はそんな兎に憧れて、数多の世界に憧れて
世界はまだ知らないことだらけで、案内人としては不出来も不出来
ならば、未知を既知に。案内人としてアナタへ追いつくため、足を止めてなんていられませんよ
それが答え

数多の擬獣は一つに集約され、スーパーな兎さんへ
ぴょんと跳び乗り、猛突進&零距離射撃
では、ごきげんよう。邪神さん

うふふ~。少し真面目さんでしたぁ


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

「邪神が召喚されちゃった!?ふふーん、でも大丈夫。ボクがきっちり倒してあげるよ!」
魔法少女は皆を笑顔してくれるんだからっと絶望なんかに負けない【勇気】を持って倉庫を奥に向かっていくね!

邪神の攻撃は【見切り】を使って回避していくよ!避けきれない攻撃は【オーラ防御】でバリアっぽいものを作って防ぐね♪
こっちからの攻撃はレイピアを構えて【妖精の一刺し】で体当たりするように突撃!
レイピアに風を纏わせた【属性攻撃】や全力全開での【捨て身の一撃】を組み合わせて強力な一撃を叩き込むよ☆

※問題なければ魔法少女に変身したままで!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



「邪神が召喚されちゃった!?」
 天使の羽根を広げて。
 魔法の妖精天使・フェアリエル・ティエルが、空色の瞳を瞬かせ。
「魔法少女アニメならば、シリアス回というやつですねぇ~」
 魔法案内人・ハーバニーは片頬を掌で覆って、クラウンの引っかかったうさぎの耳を揺らして。どこかのんびりと首を傾げた。
「ふふーん、でも大丈夫。ボクがきっちり倒してあげるよ!」
「そうですねぇ、――わるーい邪神さんはきちんと案内してあげなきゃですぅ~」
 人の大きさを一時的に得たティエルはぴかぴか笑顔、レイピアを構えて敵へと一気に駆けはじめ。
 ハーバニーは、死出の旅路への片道切符――小さな拳銃を片手に、慎重にヒールを響かせた。
 その刹那。
 飛び込んできたのは、影の呪詛。
 咄嗟にティエルの前へと飛び出したハーバニーは、目前に広がる本を視た。

 ぱらぱら、誰も触れずとも頁が進む。
 道に迷った子猫は、兎に導かれ。
 様々な世界に出会い、成長を重ね、冒険をする物語。
 ――それはハーバニーのはじまり。
 ハーバニーが『外』へと飛び出す契機となった絵本の幻影だ。

「ナゼ、オマエハ、アル、ク? ツカレタ、ダロウ?」
 どうして、絶望に歩みを止めぬのか。
 どうして、お前は未だに歩き続けるのか。
 幻影は、尋ねる。

 ――ああ、これは、幻影だ。
 理解はできた、本物であるわけはない。
 それでも、それでも。
 どんな世界の境界もぴょんと越えて。
 誰をも、彼をも、導く兎。
「……私はそんな兎に憧れて、――数多の世界に憧れて」
 世界はまだまだ知らない事だらけで。
 見た事も無い世界だって、これからも増え続けるであろう。
 そんな案内人としては、未だ未だ不出来も不出来のハーバニー。
 それでも、それでも。
 だからこそ。
「ならば、未知を既知に。案内人としてアナタへ追いつくため、足を止めてなんていられませんよ」
 ハーバニーは笑む。
 不出来な自らを嗜めるかのように、未来を見通したかのように。
 それが、答え。
 それは、時間にすれば一瞬の事。
 ばちん、と呪詛が弾き飛ばされ――。

「……っ! 大丈夫!?」
「ええ~、何ともありませんよぉ。……うふふ~。すこぅし、真面目さんしちゃいましたぁ」
 慌てたティエルが風を纏ってバリアを展開したが、ハーバニーは首を小さく振って。
 跳ね飛ばした呪詛を、払い除けるように腕を広げた。
「さぁ、さぁ、ティエルさん~、行きましょう~」
「……大丈夫なら――、うんっ! いっくよーっ!」
 同時に構えた二人の魔法少女。
 羽根に風をはらませて、ティエルは駈ける。
 ハーバニーが伸ばした腕に纏わりつく魔力が膨れ上がり。
「お願いしますねぇ~」
 生まれた巨大な兎にハーバニーが騎乗すると、獣の脚力で兎は一気に跳ねた。
「いっくぞーーー!!」
 ティエルが力強く踏み込めば、魔力の風がバチバチと光と化して散り。
 そこに逆方向より飛び込んできた兎が、ぬいぐるみの退路を絶つ。
「では、ごきげんよう~」「ボクの全力、受け止めてよねっ☆」
 頭に押し込まれた銃口。
 勢いの乗り切った突撃と共に突き出されたレイピア。
 二人の魔法少女の一撃は、ぬいぐるみへと飲み込まれ――!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花剣・耀子
ええ。
これでもあたしは組織に属する身なのよ。
それが仕事であるなら譲れない一線以外は呑むし、
それが最良であるならどんな手段だって採るわ。

いまは、この場の契約に従うのが最良なのでしょう。
呪詛へ抵抗するだけのリソースを、攻勢に回した方が効率が良い。
理不尽を呪う力を、殺意を、すべて刃に籠めましょう。

――という心境を口に出すと全部可愛くなりそうなので無言。
顔見知りともできるだけ目を合わせない。できるだけ。


一般人?
……嗚呼、おまえ、悪手を打ったわね。
此処に居るのが誰だと思っているの。

一般人を避けて一閃。

あたしは、あたしたちは、“魔法少女”よ。
夢と希望とハッピーエンド以外を赦すだなんて、思わないで頂戴。


星鏡・べりる
ハァ……ハァ……
この仕事、今までで一番キツいかもしれない。

でも、私は負けない!
だって魔法少女は、いつ……だっ……て!グゥゥ……(抵抗を諦めない)
元気いっぱいで勝つんだから☆(かわいいポーズ)

あなたが悪い子だってことはお見通し!
かわいい見た目には騙されないよ、邪神さん!

見せてあげる、私の《影鏡》!
さぁ、使ってきなさい!あなたの技を!
……どうしたの、ほら。使ってきてよ。

もしかしてお互いにカウンター技だからどうにもならないやつ?
えっ、これが私の技の弱点!?ぐええ!

でも、そっかぁ……じゃあ、えいっ!(ぬいぐるみを蹴り飛ばし)
ふんっっっ!(思いっっ切り殴打)
近頃の魔法少女は物理で戦うのだ、えへへ。



「ハァ……ハァ……」
 吐血を拭うべりる――こと、すたーあすとろぐらふ。
 この仕事、今までで一番キツいかもしれない。
 この吐血は別に攻撃によって負った傷という訳では無い。
 最悪の呪いに対して、無理に抵抗した結果めちゃくちゃでてきた血である。
「でも、私は負けない! だって魔法少女は、いつ……だっ、だっ……」
 動こうとしている方向と別の方向に力を籠めると、筋肉も骨も軋み。なんなら肉が千切れそうな痛みが走る。
 しかしすたーあすとろぐらふは諦めない。
 だって横に他人の筈の人……、耀子。いや、うぃんどてんぺすとがいるから。
 全然知り合いとかじゃないけど。
「元気いっぱいで勝つんだから☆」
 あーっ、また負けてしまいました。
 機械鏡を構えて、かわいいポーズ。
 この録画止めたいんだけどなァ。それすら止めさせてくれないなぁ~。
 きゅっきゅりーんって星を飛ばしてキメキメしたすたーあすとろぐらふは、うぃんどてんぺすとの様子を伺い見る。
 不動。
 彼女は何も口にはしない。
 うぃんどてんぺすとは悟ったのだ。
 喋ると可愛くされるなら、黙っておけば良い事を。

 ――うぃんどてんぺすとは組織に属する者である。
 組織の中に居る以上、自らに求められた役割というモノはあるものだ。
 そう、それが仕事であるのならば譲れない一線以外は呑むし、それが最良であるならどんな手段だって採る。
 それが、うぃんどてんぺすとの矜持である。
 だからこそ、彼女は黙る事を決意した。
 呪詛へ抵抗するだけのリソースを、攻勢に回した方が効率が良いと判断したのだ。
 すたーあすとろぐらふの視線を感じたって、無視をする。
 だって、まあ、顔見知りじゃないけれど、まあ。
 まあ、まあ。
 ……全く、最悪の呪詛だわ。

 二人の魔法少女が駆けて、倉庫の奥へと踏み込むと。
「あなたが悪い子だってことはこの鏡が全てお見通し! かわいい見た目には騙されないよ、邪神さん!」
 諦めない心を持ち合わせるすたーあすとろぐらふが鏡を纏い、びしっとポーズをキメた。
 その横でクールな様子で何も語らず、ただ刃を構えたうぃんどてんぺすと。
「さあ、見なさい私の《影鏡》を!」
 すたーあすとろぐらふが朗々と宣言し、鏡を構える。
 ぬいぐるみの影が蠢き、二人の新たな魔法少女へと沢山の視線を向け――。
「……えっ、どうしたの? なんで攻撃とか何か、こう、その……動かないの?」
 うごくぬいぐるみ君は電池切れかな? って顔で、すたーあすとろぐらふが首を傾げた、その刹那。
「……オマエノカガミハ、コウゲキ、シナイ」
 ぬいぐるみに宿った邪神の宣告により、鏡に宿る邪神の影。
「えっ、……あっ!?」
 あっ! これお互いにカウンター技だった奴だ!
 データ上でも良く見かける、指摘され実証されてしまうと技が封じられるというタイプの呪詛だろう。
 いやまあ、よくあるタイプでも思いっきりひっかかっちゃったんだけれど。
 すたーあすとろぐらふは頭をガリガリと掻いて、自らの浅はかさに歯噛みする。
 理由はそりゃあ、もう、この状況が全て悪い。
 だって魔法少女とかわけわかんないもん。
「はーー……、そっかぁ、そっか」
 一人納得した彼女の横を、うぃんどてんぺすとはすり抜け。
 敵へと一気に踏み込むと、旋転から白刃を引き絞り――。
「クル、ナ!」
 その瞬間。
 目の前に現れた少年。
 それは。
「……一般人?」
 瞳を鋭く細めたうぃんどてんぺすとが、低く、低く呟いた。
 引き絞った腕を、ぴくりと跳ねて。
「――ふんっっっ!!」
 そこに鏡を使う事を諦めて滑り込んできたすたーあすとろぐらふが、横より思いっきりぬいぐるみを蹴り飛ばし。一般人の前を超えて、うぃんどてんぺすとの目の前へと跳ねたぬいぐるみ。
「――……嗚呼、おまえ、悪手を打ったわね。此処に居るのが誰だと思っているの?」
 一瞬で刃を切り返したうぃんどてんぺすとは、逆袈裟にぬいぐるみを斬り上げ。
 両拳を重ねたすたーあすとろぐらふが、腕を思い切り振りかぶって地に叩き込む。
「……えへへ、勘違いしないでほしいな」
 はにかむ、すたーあすとろぐらふは一般人の少年をその背で庇う形で、ぬいぐるみを見下ろし――。
「あたしたちは魔法少女だよ?」
「――夢と希望とハッピーエンド以外を赦すだなんて、思わないで頂戴」
 かわいいエフェクトを飛ばした二人は、無意識にポーズをキメる。
 最近の魔法少女は、物理だって得意なのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

喜羽・紗羅
アドリブ連携歓迎

二人に分かれていた紗羅が一人に戻る

俺達が頑張り過ぎて呪いが成立したってか
とんだ罠だな……へッ、上等だよ
こうなりゃ奥の手使ってやるか

手にした太刀を鞘を合わせて薙刀に
フェイントを交えて地形を使い攻撃を躱しつつ
確実に一撃を当てられる間合いまで近付く

このユーベルコードは寿命を縮める
要するに『死ぬ確率が上がる』恐ろしい業だ
勇気を出してタイミングを見極めるぜ
実証なんかさせるか、直にブッ飛ばしてやらあ

間合いに入ったら一瞬で終らせる
巫覡載霊――可愛らしい魔法少女のコスチュームに
異形の鎧が重なって、あるいはコスチュームが進化して
神霊体となり振り回した薙刀から衝撃波を放ち
宿った邪悪を浄化してやる!


コーディリア・アレキサンダ
ここからは“魔法少女”じゃなくて“魔女”の出番なわけだ
……もしかしてまだ格好はそのままなのかな
まあ、別にそのままでも気にはしないけれど――さっきみたいな、魔法のアレンジは要らないよ? 振りではないからね? 本当だよ?

シンプルに行こう。バーゲスト、キミの出番だ
コレの欠点は単純明快――ボクが敵意を持てない相手には、まったく無意味なわけだ
けれど、それを実証はできないだろう?

さあバーゲスト。今宵の狩場はこの倉庫だ
縦横無尽に飛翔し、ボクの敵を喰い千切れ


絶望を糧にする割りには、思ったより安っぽい絶望を糧にするんだね

悪魔のほうがよっぽど邪だったよ……まあ
絶望に高いも安いもないという点には、同意できるけれどね



「俺達が頑張り過ぎて呪いが成立したってか」
 青いリボンの紗羅――ブレイド♠バサランが瞳を眇めて肩を跳ねて。
「とんだ罠だな……へッ、上等だよ、こうなりゃ奥の手使ってやるか」
「……きゃっ」
 ぐい、と紅い桐葉――ナパーム♦バサランを引き寄せたブレイド♠バサランは『一人へと戻った』。
「おい、もう少し俺にやらせろ」
 もう、良いけれど、と。心の中で紗羅が応える。
 赤と青のリボンを跳ねさせたバサランは、太刀を鞘に重ねれば薙刀と成して。
 彼女は細く、細く。
 息を吐き出した。
 異形の鎧が顕現し、その衣装を強化するが如く――。
「はは、……パワーアップコスチュームってところか?」
 く、と口端を擡げたバサランは、薙刀をぎゅっと握りしめた。

 対峙するはぬいぐるみ。
 彼女は白くてふわふわ。あまーい星屑を散らした魔法少女姿のまま。
「ふうん、ここからは“魔法少女”じゃなくて“魔女”の出番なわけだ」
 二股に分かれた大きな白い帽子のツバの下より、敵を睨めつけたコーディリア――、魔法少女サタニエル。
「絶望を糧にする割りには、思ったより安っぽい絶望を糧にするんだね。――邪神なんて言う割には、悪魔のほうがよっぽど邪だったよ?」
 絶望に高いも安いもありはしないのだろうけれど、と付け足したサタニエルは肩を竦めて。
 ところで悪魔といえば、ねえ。ベリアル。
 ――さっきみたいな、魔法のアレンジは要らないよ。ねえ、キミ、聞いているかい?
 自らの中のベリアルに語りかけるが、返事は無い。
「ま、いいよ。シンプルに行こう。バーゲスト、キミの出番だ」
 権能選択、限定状態での顕現――。
 サタニエルが語りかけると、翼を持った猟犬が彼女の横へとその姿を顕し。 
「オマエノ、ソレハ――」
 ぬいぐるみが歪な声音を上げるが、サタニエルはただ瞳を細めた。
「その呪詛は、さっき見たよ。バーゲストの欠点は単純明快だけれど――」
 『ボク』が今敵意を持っているかなんて、キミに実証ができるかい?
 その瞬間、翼で風を切ってバーゲストは駆け出した。
 あーやっぱりなんか、こう、翼みたいなのが散ってるのはキミの仕業かな?
 きいてる?
 ねえ、ベリアル?
 答えは無い。
 眉を少しだけ跳ねて、何事もなかったかのようにサタニエルは朗々と宣言する。
「さあバーゲスト。今宵の狩場はこの倉庫だ。――縦横無尽に飛翔し、ボクの敵を喰い千切れ!」
 猟犬が牙を剥くと同時に、バサランも踏み込んだ。
 横薙ぎに薙刀を振るい、飛び込んだバーゲストがぬいぐるみを喰らい擡げ。
 薙刀を切り替えしたバサランは、一気に袈裟斬りに穂先を叩き込む!
 弾けた衝撃波が流星を散らし。
「――直接ブチかまされりゃァ、実証させる呪詛なんて関係ねェだろ!」
 この技は、使えば使うほど寿命を削る。要するに『死ぬ確率が上がりつづけている』という訳だ。
 当たりさえしなければ、ただ自らの寿命が削り続けられるだけ。
 しかし既に叩き込まれている物理攻撃の弱点実証なんて、出来るだろうか?
 ――否、出来たとしても、させはしない!
 嵐のごとくラッシュをかけるバサラン、そこにバーゲストが追撃を重ね――。

「宿った邪悪を浄化してやる!」
「骸の海に還るが良い!」
 魔法少女達の声は、凛と響く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

亀甲・桐葉
ぬいぐるみ
本来なら子どもに夢を与える物
誰かに淡い希望をあげられる貌
――あんな呪いを定義する訳だ
目にはけじめを、刃には果てを
話には噺を、あげないと

変身して纏った手袋
勿体ないけど仕方ない
口で引っぱり行儀悪く脱いで

世の中ありとあらゆる御伽噺
たくさんのお話の中活躍する
玩具の兵隊さん達をあげるね
この刻印は、亡くしもの
呪を喚ぶ為の失くしもの
〝架空世界〟
手繰る縁は操り糸
照らす光は湖の蝶
掌も視線も届かせない
鉄砲持たせた兵隊人形
贋の軍隊、並べて前へ
次々撃って、隙間なく
弾幕張って、硝煙の帳

封じたってもう遅い
私の武器は心の容
銀の銃、破魔の魂
帳燻らす虚像と共に、骸の海で寝ておいで
おやすみ偶像、次はその可愛い顔で起きて


アウレリア・ウィスタリア
絶望ですか?
えぇ、よく知っています
ボクは絶望をよく知っている
投げつけられる悪意を刻まれる恐怖を
あの暗い地下牢での絶望を

邪神だか何だか知りませんけど、ボクの絶望はボクのものです
誰かに捧げるものではない
だからボクはあえてこれを捧げましょう
【今は届かぬ希望の光】
これはボクが故郷に掲げたい光
青空に輝く虹の光
いつか届かせてみせると誓った希望の光

その影ごと光の剣で貫いてみせましょう

魔法少女らしく?華麗に舞って七つの光剣と共に
一つの虹となって貫きましょう

ボクはこの光剣の欠点は知らない
長所も知らない
闇に飲まれようともそれを覆す輝きを放てば良い
絶望の涙の雨に濡れたとしても
その先に輝く希望の虹になればそれで良い



 ぬいぐるみは、本来ならば子どもに夢を与えるモノであるはずだ。
 その姿自体、誰かに『希望』を与えるモノ。
 しかし、その中身は――。
「ああ、――あんな呪いを定義する訳だ」
 青い蝶をその肩に留めた桐葉、――魔法少女ユリシス・ブルーはその瞳を一度掌で覆う。
 ああ。
 目にはけじめを、刃には果てを。
 ――話には噺を、あげなければならない。
 ユリシス・ブルーは手袋の端を噛んで一気に引き脱ぐと、薄青色をその白い指先に纏った。

 ありとあらゆるお伽噺たくさんのお話の中で活躍する、おもちゃの兵隊さん達。
 この刻印は、亡くしもの。――呪を喚ぶ為の失くしもの。
 ユリシス・ブルーの左手甲の紋が光を増し、謐かに輝る蝶がそこへと止まった。
「――こっちに、来て」
 きゅっと指先を握りしめると光の絲が掌の中で引き絞られる。
 それは縁を手繰る操り絲。
 ああ、掌も視線も届かせない、届かない。

 絶望ならば、よくよく知っている。
 投げ込まれる悪意を、刻まれる恐怖を、あの暗い暗い地下牢での、絶望を。
 それはアウレリア――魔法少女ウィステリア・アンバーの日常であったのだから。
 黒猫の仮面に指先を寄せたウィステリア・アンバーは、細く息を吐き出す。
 ボクの絶望は、ボクのものだ。
 ――絶望はアナタに捧げはしないけれど。
 琥珀と藤色の光を散らして、ウィステリア・アンバーは跳ねる。

「だからボクは、アナタにこれを捧げます」
 ウィステリア・アンバーの構える鞭剣に併せて、彼女の回りに幾つも生まれた七色の光に輝く剣。
 それはまるで、青空に輝く虹の光。
 その光は、故郷へと掲げたいと願う光。
 ――いつか届かせてみせると誓った希望の光だ。
「その影ごと、貫いてみせましょう!」
 跳躍したウィステリア・アンバーの回りを煌めく剣が駆け。
「お願い、兵隊さん!」
 ユリシス・ブルーの声掛けにずうらりならんだ兵隊さんたち、その数19人。
 鉄砲を構えて、贋の軍隊。
 次々に撃って、構えて。幾度も叩き込まれる安弾は煙幕の帳を生む。

 心の容を、指摘をして封じる事は出来ないであろう。
 そのかたちは、私だけが知っている容なのだから。

 上半身を捻って勢いをつけ。煙幕ごと斬り裂くように、叩き込むウィステリア・アンバーの鞭剣。
 それは重ねて一つの虹光と化して、ぬいぐるみへと、殺到する。
 影が漏れ自らを庇う様に掲げられるが、虹の光が噛み合い、カチ合い。
 ――ウィステリア・アンバーは、この刃の長所だって短所だって知りはしない。
 それでも、それでも。
 闇に飲まれようとも、それを覆す輝きを放てば良いと願うのだ。
 絶望の涙の雨に濡れたとしても、その先に輝く希望の虹になればそれで良いと、願うのだ。
 魔力の光が満ち満ちて、邪神の容れ物を照らし。

「おやすみ偶像、骸の海で寝ておいで」
「キミには、虹を捧げてあげるから!」

 今は届かなくとも、やがていつかは。
 次に起きるときは、その可愛い顔のままで。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リル・ルリ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

あれが邪神
櫻宵、そんなに魔法少女、が気に入ったんだね……
陰陽師の君も、可愛いと思うよ?
首、は家に飾ると言い出さないといいんだけれど…

櫻が僕を守ってくれるなら、僕は歌う
【歌唱】には【鼓舞】をこめて戦う皆を励まし力を高める『凱旋の歌』を高らかに
絶望だって跳ね返せるようにね
邪神の攻撃が皆を傷つける前に『魅惑の歌』に音色変えて歌い、動きをとめる
これでフレズの爆発の魔法も、ヴォルフガングや櫻宵の攻撃も当たりやすくなる、よね
今度は僕が守るから
邪神からの攻撃は水泡の【オーラ防御】で防ぐよ

魔法少女、は楽しかったよ
けれど絶望を呼ぶならお終いだ
フレズの声にくすり微笑み
そう、塗り替えよう


フレズローゼ・クォレクロニカ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

おっと!ボスの登場なんだ
よーし、皆でやっつけよ
諦めて首刈りごりr……お姉さん?に戻るんだね!

歌うリルくんにウィンクぱちり
頼りにしてるよ人魚くん!お姫様はキミを守りたいようだよ
ヴォルフガングくんが守ってくれるなんて!
君はナイトかな!
ボクは!
櫻宵が放った衝撃波にすかさず魔法石絵の具をのっけてたっぷり敵に浴びせてもらう
込めたのは全力魔法で色付いたところで
ばーーんと爆発させる破壊工作!
櫻宵とヴォルフガングくんの支援をするよ!
それから
dump dump Humpty Dumptyで押し潰しちゃう!

ふふん、いいね!
久しぶりにいくよ
全部綺麗に塗り替えて、
さぁ!首をはねておしまい!


誘名・櫻宵
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃ……最高だったわ
あたし、魔法少女×剣豪だったのかもしれない
フレズ、何言いかけたの?
こんなに麗しいのに!

邪神の首が欲しいわ!
無ければ他でもいいけれど

さ!仕上げよ!
ヴォルフ、いくわよ
リルの歌はいつだって力をくれる
さすがあたしの可憐な人魚
主にリルを庇うように前へ
刀に纏うは破魔
フレズの魔法石絵の具ごと、衝撃波起こして薙ぎ払う
たくさん絵の具塗れになっといて?
残像で惑わし2回攻撃
生命力吸収させて頂くわ

派手に爆発したなら
攻撃は見切りでかわしダッシュで懐まで駆け込んで絶華を放つ
フレズ、久しぶりにあれをお願い!
綺麗に斬らせて頂戴よ
王子様が首をお待ちなの!


ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD>Pow】

🌸🐟🐺🐰

首って何に使うのソレ、恋の呪術…!?
ちょっと興味出て来た、姫のリクエストには応えないとね、リル、フレズ!

今度は獲物を切り替え、体術を駆使しての前衛
こちらはフレズを庇う様に動いていこう
【調律・蒐集の魔律】を起動、風の【属性攻撃】【2回攻撃】【グラップル】を主体に攻め立てる
時に軽やかに舞い、時に地を踏み砕く震脚で体勢を崩し自身の間合いに持ち込もう
隙を見せれば魔爪の一撃か、その命刈り取る回し蹴りで首や急所を狙おう

まるで…いや、勝利の凱歌そのものだね、温かでいて力強い歌声だ
フレズのアートも頼りにしているよ、さあ誰も望まない絶望を塗り替えてやってくれ、オレも援護する!



「魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃ……最高だったわ……」
 あたしってば最初から魔法少女×剣豪だったのかもしれないわね、なんて。
 大股で通路を跳ね駆けながら、瞳を煌めかせる櫻宵こと魔法少女ちぇりー☆ぶろっさりぃ。
「ぶろっさりぃ……そんなに魔法少女、が気に入ったんだね……」
 その儚げな風貌からは想像できぬほどゴリラな活躍を見せていた彼に、尾を撓らせて自らを飾り付けるフリルを揺らしてリル――りるぴぃは、ほうと一言。
「あ! でも過去形って事は、魔法少女は諦めて首刈りゴ……お姉さん? に戻るんだね!」
「フレフレ。今、何を言いかけたのかしら? こーんなに麗しいというのに!」
 甘い薄紅を揺らして笑うフレズローゼ……、魔法少女フレフレにぶろっさりぃは首を傾ぎ。
「陰陽師の君も、可愛いと思うよ……?」
「あら、嬉しい! ……でもね、りるぴぃ。もちろんりるぴぃだってあたしに負けず劣らず可愛いわよ?」
「わ……、わ」
 ふふ、と綻ぶみたいに笑ったぶろっさりぃ。こんなに恥ずかしい格好だというのに、褒められてしまうとどうしても嬉しくなってしまうりるぴぃ。
 尾をぴるるるっと揺らした彼は、慌てながらも倉庫の最奥の前でその動きを止め。
「あれが邪神……」
 そしてぽつり、と呟いた。
 魔力の高ぶり、戦闘の気配。
 真ん中で駈ける、ぬいぐるみの姿。
 そのぬいぐるみよりは影が伸び、幾つもの眼球がギョロギョロと回りを見渡している。
「よーし、皆でやっつけよ!」
 ぱん、と掌を叩いて絵筆を構えたフレフレが、ぴょんと腰翼をはためかせて皆を元気づけるように言い。
「邪神の首が欲しいわ! 無ければ他のモノでもいいけれど!」
 まじかる屠桜を構えたぶろっさりぃは、すばやく駆け跳ねた。
「え……、何につかうのソレ? もしかして、恋の呪術……?」
 既に駆け込むぶろっさりぃの言葉に、ぎょっとするヴォルフガング――魔法少女☆ヴォルヴォル。
 しかし、いつまでこの服のままなんだろうか。
 全体的に倉庫の中身がみんなこんな調子なものだから、だんだん感覚が麻痺してきている気がする。
「でも……ちょっと興味出て来たよ。姫のリクエストには応えないとね、リル、フレズ!」
 はたと獣の耳を揺らし、唇に人差し指を当てて。
 へんなエフェクトの飛ぶウィンクもサマになってきてしまった齢100の人狼。
「さ! 仕上げよ。ヴォルフ、きなさい!」
「任せておいて、姫!」
 ぶろっさりぃの声掛けに、頷いてヴォルヴォルも敵へとむかって一直線。
「う、うん」
 りるぴぃはその歌声に鼓舞を籠めて。心を昂ぶらせる澄んだ歌声を、皆へと響かせ始める。
 絶望だって、跳ね返せる元気な歌。
 でも、それでも、それはそうとして少しだけ心配事。
 ぶろっさりぃ。……首、は家に飾ると言い出さないといいんだけれど――。
 りるぴぃのお家の中にぬいぐるみの首が飾られている様は想像すると、ちょっと不気味だ。
「頼りにしてるよ人魚くん! お姫様はキミを守りたいようだからね!」
 フレフレが微笑み、りるぴぃへとウィンク一つ。
 ぶろっさりぃが地面を這いそうな程低空の踏み込みから一気に解き放つ、衝撃波を伴った斬撃。
 ぬいぐるみが飛び跳ねてそれを交わすと。
 重ねる形でフレフレが魔力と魔法石絵の具をたっぷりと載せた絵筆を振り払い、ぬいぐるみの前で色を爆ぜさせた。
 響く歌声も高らかに。
「しかし。まるで……いや、勝利の凱歌そのものだね、温かでいて力強い歌声だ」
 敵も味方も飛び越えて、跳躍したヴォルヴォルは大きな尾を跳ねさせて囁いた。
「こりゃ頑張らなきゃあ、嘘だね!」
 ――情報体起動。指令『マナ蒐集』
 そして、体重も重力も全て載せて振り下ろした拳で、魔爪で掻き抱くように殴りつける!
 刹那、敵より爆ぜ伸びた影の腕。
 その影は、床を、棚を、壁を。
 そして魔法少女達を貫かんと襲いかかり――。
「……フレフレ!」
 ガードに腕を上げて、フレフレを背にヴォルヴォルは影の腕と彼女の間に割り込み庇い。
「りるぴぃ、大丈夫!?」
 ――ぶろっさりぃ!
 咄嗟にバックステップを踏んだぶろっさりぃが、殴りつけられながらもりるぴぃの元へとその身を晒し。
 歌を止める事無く、慌ててりるぴぃも水泡のガードを展開する。
 そして変転したりるぴぃの歌の曲調は、甘く甘く蕩けそのココロを魅了し、惹きつける歌だ。
 とまれ、とまれ、動きをとめて。
 僕の、大切な人達を傷つけないで。
 ――今度は、僕が守るんだ!
 邪神のその影の手が、祈るような歌声に緩み――。

 笑う、笑う。
 不吉を運ぶうさぎと、魔法少女の狼。
「ふふ、ヴォルヴォルくんが守ってくれるなんて! 君はナイトだったかな?」
「どうだったかな、忘れちゃった。でも、キミの力は頼りにしている、よ」
 首を傾いだヴォルヴォルに、うさぎは瞳を眇めて期待に応えようと頷いた。
「なら、思いっきり塗り替えてしまおうか!」
 彼らの背で、りるぴぃも唇を擡げて、笑む。
 そうだね、――魔法少女は楽しかったけれど。絶望を呼ぶならおしまいにしよう。
 さあ、みんな、塗り替えて!
 邪神を縛り付ける甘い歌声に、一層ココロを籠めて。
「うん! 誰も望まない絶望を塗り替えてしまおう!」
 再び振るわれた絵筆に併せて、マイクロミニを捩ったヴォルヴォルが旋転からの踏み込み。
 回しかける形でその踵をぬいぐるみへと叩き込み。
「――dump dump Humpty、キミの元へ落ちていく!」
 フレフレが甘く魔法を唱えれば。
 ぱかん! と落ちてきたたまご男がぬいぐるみを押しつぶすと、弾けて砕ける。
「ま! なかなかカラフルで可愛くなってきたじゃない。――ねえ、フレフレ。久しぶりにアレを見せて欲しいわ!」
 ぶろっさりぃが刃を構えたまま、動きを抑制された影をくぐり抜け駆け。
 近距離から叩き込まれる影を跳ね避けたヴォルヴォルが、重心をそのままゆらりとズラして強い踏み込んだ。
 そして捻り込むように距離を詰めれば、地を割らんばかり。加速した勢いをそのまま、爪先を脇腹へと刳りこみ。
「何何、オレも見たい見たい」
 ヴォルヴォルの声掛けと共に、蹴り上げられて跳ねるぬいぐるみ。
「ふふん、いいね! 久しぶりにいこうか!」
 兎のように、跳ねたフレフレはりるぴぃの歌声に乗せて、リズムを取って。
 女王陛下の気まぐれ裁判は、勿論有罪!
「――全部綺麗に塗り替えて、さぁ! 首をはねておしまい!」
 絵筆を敵へと突きつけた!
「ええ、ええ。女王陛下! 綺麗に斬らせて頂戴よ、王子様が首をお待ちなの!」
 フレフレと入れ替わり踏み込んだぶろっさりぃは、その桜色の一閃を――駆けさせる!

 あ、でも……首は、別に僕は、いらないかなぁ……。
 歌を響かせながら、りるぴぃは少しだけ困ったように眉を寄せた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ラティナ・ドラッケンリット
世を乱す魔物を討つのも魔法少女の務め
『どらごん♥らてぃな』である今はそれに応えよう
「いくぞ、たると」
マスコットドラゴンのたるとを槍型マジカルステッキに変身させ
バトントワリングの様に振るってから邪神へと構える
一般人を人質に取る非道は赦し難い
精密に急所を狙う槍術の連撃から
隙を見て一般人を柄の薙ぎ払いで邪神から引き離す
「これで本気が出せるな」
全力のダッシュと見切りで必中を期した捨て身の一撃の距離まで踏み込んで
槍の一撃を叩き込み
ドラゴニック・エンドを発動だ
槍型マジカルステッキから巨大なファンタズムドラゴンと化した
『たると』の竜の息吹プロミネンスブレイズで邪神を攻撃する
この街の平和は私が護る


香神乃・饗
やっと邪神を呼べたっす!
倒す意思が贄になっても、俺の中から消え去る事はないっす!
ぶっ倒して行くっす!焼肉食べ放題に!
今度こそすんごい感じでやるっす!……すんごい感じってどんな感じっすか?んー?悩んでいる時間は無いっす!

質問は今の心情に添う質問は答えるっす!解らないものは解らないっす!
答えを迷っているフェイントをかけて間合いを詰めるっす
ズバリ見抜いて香神写しで増やした武器の一撃を喰らわせるっす!
こんな所に俺の知り合いが居る訳無いっすから知り合いなら幻っす!
もし答えが正しくなくて一撃を喰らっても折れないっす
ピンチを乗り越えるたび強くなれるって聞いたことあるっす!


ヴィクトル・サリヴァン
こんなに魔法少女がいるなんて心強いなー。
うん、少女。僕も含め。
…流石に『俺』だとねー。僕っ娘、アリだと思わない?
グランパス・ブラック、行くよ!
(現実逃避しつつなんか決めポーズ)

狙い澄まし邪悪なアレに銛もといステッキを投擲、マジカルな感じに。
続いてUCで召喚した水鯱をぶつける!
操られて能力増してるだろうから牽制に水の魔法で床を濡らし、跳ねる音で軌道予測をやり易く。
投擲には雷の属性乗せて一瞬動きを止めてみたり。
一般人を盾にしようとしても鯱はそれを無視、避けて本命に喰らいつく。
ご馳走様でしたも忘れずに。ちびっ子の模範になるように?

※アドリブ絡み等お任せ
海の魔法少女だから嵐とか落雷も得意分野って設定。



 饗――、アストラル・ガロンが和装めいた前開きのスカートを揺らし。
「倒す意思が贄になっても、俺の中から消え去る事はないっす!」
 ハラミにカルビ、ロースにモモ! サーロイン! ざぶとん! ミノ! タン!
「そう、ぶっ倒して行くっす! ――焼肉食べ放題に!」
 ぐぐっと拳を握りしめて、アストラル・ガロンは強い決意に満ちた言葉を口に。
「こんなに魔法少女がいるなんて心強いなー」
 その横でヴィクトル――グランパス・ブラックはのんびりと、貝殻で装飾された銛……ステッキを肩に載せたままぐうるり回りを見渡した。
「ああ。――世を乱す魔物を討つのが、私達魔法少女の務めだろう?」
 ラティナことどらごん♥らてぃなは、代々家に受け継がれてきたマスコット竜――たるとをその手に取り。
「……行くぞ、ガロン、ブラック」
 きゅる、とハートが弾けて槍型のマジカルステッキと化したたるとを握りしめるて、一気に駆けたはじめた。
「ん、グランパス・ブラック、行くよ!」
「了解っす! 今度こそすんごい感じでやってやるっすよ!」
 頷き名乗るグランパス・ブラックに。
 すんごいってどんな感じかは解らないけれど、なんやかんやでアストラル・ガロンも構え――。
 そこで、彼は足を止めた。
 彼にだけ見える、幻影に捕らわれて。

「……! あれは」
 迫る魔法少女たちに、ぬいぐるみは腕を突き出して。
 どらごん♥らてぃなが槍を振り落とす瞬間に、『少年』を一人呼び出した。
 それは、ただの一般人。
 既に幾人も盾として呼び出された、明日も小学校のある幼気なる少年だ。
「ぐ!」
 一瞬動きを止めたどらごん♥らてぃなへと向かって、放たれた影。
 槍を垂直に構え直して、その柄でどらごん♥らてぃなは影を受け止めた。
「僕に任せて」
 駈ける水柱。
 波を伴ってステッキを投擲したグランパス・ブラックは、その水に乗せて魔力のシャチを放ち。
 少年を避ける形でシャチがぬいぐるみに喰らいつく。
 水のシャチは、そのまま少年から敵を引き剥がし――。
 それはそうと、ヴィクトルが一人称を僕にしているのは、魔法少女が俺なのはどうかとおもった上の配慮です。可愛いポーズでキメッ!

 ――こんなところに、『あるじ』が居るわけ無いだろう。
 あの亡骸を抱いた日の事を、忘れる訳も無いというのに。
「……本物な訳、ないじゃないっすか」
 何かを幻影に見て。
 何かを問いかけられたのであろう。
 募りつづけた想いを振り絞るように、アストラル・ガロンは敵を睨めつけて。
「マジ狩ル、すんごい感じっでやるっす!」
 構えた苦無を投擲すると見せかけて。

 真一文字に苦無を振るったアストラル・ガロンは、敵と少年の間に割り込んで。彼を抱きよせるとバックステップを踏んだ。
「――これで本気が出せるな!」
 吠えたどらごん♥らてぃなが、少年とアストラル・ガロンを追う影の突進を受け止めて。
 一気に振り放ったステッキの一撃は、竜――たるとの咆哮と重なり。大口を開いた竜がぬいぐるみを喰らいつき。
「デザートもどうぞ? ……ご馳走様でしたも、忘れずにね!」
 だって僕達は魔法少女なんだから、ちびっ子の模範にならなきゃね。
 重ねて、グランパス・ブラックの解き放った落雷が敵を貫いた!
 少年を他の魔法少女に託してから。苦無を構えて飛びついたアストラル・ガロンは、花弁の魔力をバチバチと爆ぜさせる。

 ――邪神、邪神。
「どうやら誤算があったみたいっすね。猟兵を……俺達を魔法少女にしたら、パワーアップするに決まってるっす!」
 ピンチを乗り越える度に、猟兵達――魔法少女たちは強くなるというのが相場なのだから!
 両手に構えた苦無が幾つも増え、ぷかりと空中に浮き。
「さあ、やってやるっす!」
 すんごい感じでね!
 空を駈ける苦無は、庇う者の居なくなったぬいぐるみへと鋭く殺到する!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

境・花世
由紀(f05760)と

ご好評にお応えしてのシーズン2
これが世界の意志……ってやつかな
真顔でこくりと頷き見上げる横顔に、
またぷるぷると肩を震わせ

きみの背を追うようにして、
早業ダッシュで出来る限り接敵
きらきらと世界を覆う花の馨で
相方が動きやすいよう敵の動きを止めてみせよう
封じられても諦めたりしない、
この脚が動く限りは! ステッキでなぐる!

激戦のさなか、ふいに交わる視線
きみの零す台詞は、ああ、
きっとシーズン3への伏線――

うん、きみがそう望むなら
一緒に魔法少女でいるよ、これからも

笑顔で花散るウインクを返せば、
大ダメージを受ける姿にゆすゆす肩揺すり
ぶ、ブルー! 死なないで! 約束したばっかりだよ!


鹿忍・由紀
花世(f11024) と

で、呪いはまだ解けないわけだ?
それともこれがシーズン2?
諦めたかのように淡々と話しつつ

親玉叩けば今度こそ元通りになるかな
…なってくれ

可愛い見た目に変えられたダガーも破魔の効果は変わってないはず
うわ、手袋のせいで握りにくい

呪いを絶ち切るべく用意してもらった隙を狙って飛び込む
猫のように軽やかにヒットアンドアウェイ
全部、消えてなくなれ

敵の幻影で現れるもう一人のフラワーピンク
思わず横にいる花世に視線を向ける間にヒット

問いには素直に答えるからダメージは無いはず…って、俺今何言った?
無意識に出た本心とは違う魔法少女的な台詞によりダメージ

なんて恐ろしい呪いなんだ…
揺すられながら遠い目



「……呪いがまだ解けないって事は、これがシーズン2って事かな」
 瞳の色は虚ろに揺れ。
 どこか諦めた様に嘆息した由紀――キャットブルーは花世……フラワーピンクをちらりと見た。
「そう、そう。ご好評にお応えしてのシーズン2だよ。……これが世界の意志、ってやつだね」
 フラワーピンクは真顔でこっくりと頷いて見せたが、その肩は未だこらえた笑い……否、武者震いに震えている。
「親玉を叩けば、今度こそ元通りになるかな」
 いいやなってくれないと困ると、キャットブルーは猫の尾を揺らして地を蹴り。
 その背をぴいたりと追うフラワーピンクは、ツインテールと花飾りを揺らす。
 そして右目に咲いた薄紅の八重牡丹に指先を這わせると、彼女はその身よりぱっと花弁を舞い散らした。
 きらきら世界を覆う、花の馨。
 信じているよ。
 キミの為なら、どんな敵の動きだって止めてみせよう!
「全部、全部、消えてなくなれ」
 猫の手はダガーを握りにくいが、猫の尾を模した形に変化した刃を握りしめ。
 キャットブルーは跳躍からの切り裂き。
 抉るように差し出された刃は、すでに綿の随分と漏れたぬいぐるみの脇腹を裂き開く。

「……!」
 その刹那。
 目の前に、キャットブルーの目の前に花世が現れた。
 それは、幻影。
 ――ねえ、僕と一緒に戦う事はイヤかい?
 幻影だと言う事は、一瞬で理解ができた。
 理解ができてはいたのだが――。
 思わず振り向いたキャットブルーの青瞳と、フラワーピンクの桃瞳が交わされる。

「そんな事、無い」

 ぽつり、呟く言葉。
 幻影は言葉を重ねる。
 そんな目に、合わされても?

「ああ。俺は――信を置いてくれる相手を裏切る事は無い!」
 え、今俺なんて言った?
 なんでこんなアッツイ魔法少女トークが漏れ出るの?
 言葉を紡いだキャットブルー自身が目を見開くと、ステッキを振り上げて敵を殴るフラワーピンクも目を見開いて。

 その言葉は、真実ではある。
 だからこそ、幻影は只解け消えた。
 真実ではあるのだが――。
 散る、花弁。
 花の馨が満ちる。
「――うん、きみがそう望むなら。……一緒に魔法少女でいるよ、これからも」
 頷いたフラワーピンクは笑み栄えつつ、その瞳を眇めて――。
 ああ、これはきっとシーズン3への伏線。

 その瞬間。
 呪いによって飛び出た魔法少女100%なアツイセリフに、精神的ダメージで胃を一瞬で痛めたキャットブルーが血を吐いた。
「えっ!? ぶ、ブルー!?!? し、死なないでーーっ!?」
 膝を付くキャットブルー、慌てて彼の躰を支えたフラワーピンクは彼の肩を揺さぶって。
「なんて恐ろしい呪いなんだ……」
 遠い目で吐血を服の裾で拭うキャットブルー。
「……こんなに危険な邪神。早く、消さないといけないな」
「……うん、そうだね、ブルー! シーズン3に向けて、ね!」
 フラワーピンクの相槌に、さらに瞳が濁るキャットブルー。
 いや、いや、気を取り直そう。
 猫のように靭やかに彼は跳ね――。
 大輪の花のように華やかに、彼女は彼を援護する。

 散る花弁を、猫の爪は切り裂いて。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

弦月・宵
レイブルおねーさん(f04529)と共闘

日常を捨ててでも特別になりたいって葛藤は、
魔法少女の宿命なのかな?
逆に「普通の女の子に戻りたい」とかね、どう思う?
フォトジェニッカー?

強い力は…邪悪なモノを呼ぶ、…ってこと…?
呪いを破るのに必要でも?…よく、分かんない。
分かんないけど、あるものは使わなきゃ戦えないよ

UC:ユルユラで遠距離攻撃。
好きなものを形にする能力がこのUCだよ!
護人さんにも助けられつつ、
ピンチにも堂々としてるおねーさんをチラリ。
おねーさんがいつもカッコいいのって、なんで?
悩みとか目標、あるのかな、って。

変わらないモノを持っているから、
揺らがずに立っていられるのかな…
オレには、難しいや


レイブル・クライツァ
宵(f05409)さんと

魔法はいつか解けるもの。それが永遠に終わらないなら確かに悪夢でしかない場合もあるわ。
そうねキュートスマイラー、普通の女の子になりたいっていう感覚は
…私が、人間の女性みたいになりたいと思うのに似た感覚かしら?

ピンチの時に駆けつけてくれる存在というのも、魔法モノにあるみたいだから
彷徨の螺旋で護人達を呼び出すわ。それっぽい感じでサポートして頂戴?
宵さんの視線が気になって、ぽつりと漏れた言葉には
こうして隣にいてくれて頼もしいし、頑張る姿はカッコいいわ。
私がそう見えたのは光栄だけれども、目標は今もずっと変わらないのよ

(護人達を見)…奪った命の分まで、生けるものを冒涜する敵を葬る事



「日常を捨ててでも特別になりたいって葛藤は、魔法少女の宿命なのかな」
 踏み込んだ宵……キュートスマイラーは囁くように。
「魔法はいつか解けるもの。それが永遠に終わらないなら確かに悪夢でしかない場合もあるわ」
 レイブル……フォトジェニッカーは瞳を伏せて、囁きに答えを灯す。
「そっか……、悪夢なら逆に「普通の女の子に戻りたい」とかもあるかもね」
 『世界に選ばれた』猟兵たるキュートスマイラーは、首を傾ぐ。
 白銀を跳ねて彼女を見やったフォトジェニッカーの視線は、前へと。
「そうねキュートスマイラー。普通の女の子になりたいっていう感覚は……私が、人間の女性みたいになりたいと思うのに似た感覚かしら?」
 戦闘人形たる彼女の、その継ぎ目は精巧に隠されているとは言え。
 その身の中に詰まっているものは、魔導蒸気文明の生み出した叡智。
 ――知性を有するとは言え、人を模したモノ、で在ることは違いがない。
「――護人よ、来て頂戴」
 敵へと金の視線を向けたまま、フォトジェニッカーの呼び出したのは夕焼色の死神と片眼鏡の剣聖だ。
「こういう魔法モノには、ピンチの時に駆けつけてくれる存在もいるものでしょう?」
 人を模したモノ。
 まるで人形のように滑らかにウィンクをしたフォトジェニッカーに、キュートスマイラーはその名の通り。花が綻ぶように笑った。
「うん! なら、背中はばっちりまかせちゃうよ!」
 でてきて、好きなもの!
 ゆるりら、ゆるりや。
 両腕を広げて、駆け出したキュートスマイラーはきらきらと光る鉱物の結晶を幾つも生み出して。
 花で装飾されたステッキを片手に、一気に跳ねた。
 一斉に鉱物を敵へと殺到させたその瞬間。
 交わす形で放たれた影。
「護人!」
 鋭い声音に、死神が影を食い止めて。
 同時に斬りかかった剣聖がぬいぐるみを圧倒する。
 死神に庇われて。
 なんとかバックステップを踏んだ瞬間に、腰から転んだキュートスマイラーがふるふると首を揺すって。
 はー、とフォトジェニッカーを見やり。
 いつだって、彼女はこうやって助けてくれるのだから。
「……おねーさんがいつもカッコいいのって、なんで?」
 悩みとか目標、あるのかな、って。
 思わずキュートスマイラーが呟いた言葉に、フォトジェニッカーは首を傾ぐ。
 二人の護人がぬいぐるみと得物を交わし――。
「キュートスマイラー。あなたがこうして隣にいてくれて頼もしいし、頑張る姿はカッコいいわよ?」
 キュートスマイラーは虚を疲れたように、瞬きを二度、三度。埃を叩いて、慌てて立ち上がる。
 カッコイイ、なんて言われてしまったら。
 もうカッコ悪いところは見せづらいもの!

 ――その金色を、揺れる事のない感情の深い色に染め。
 瞳をゆるく伏せたフォトジェニッカーは駆ける死神と、剣聖を見やる。
 彼らより受けた、戦闘教育。
「私が『カッコよく』みえたのは光栄だけれども、目標はずっと、今も変わらないの」
 小さく紡ぐ言葉には、深い覚悟の色。
 ――奪った命の分まで、生けるものを冒涜する敵を葬る事。
 ずっと、ずっと、変わらぬ、戦闘人形の祈りであり、目標である事。
 過去が、現在、未来を脅かすのならば、自らが壊れる事等怖くない。
「……」
 その視線に籠められた意味は、キュートスマイラーには解らないけれど。
 ――それは変わらないモノを持っているから、揺らがずに立っていられると言う事だろうか。
 ぴょん、と跳ねたキュートスマイラーは、ただ構える。
「オレには、難しいや」
 全てを一度は失った。
 その力は、確かに庇護するが為の力なのであろう。
 しかしその力の理由すら知らぬまま、キュートスマイラーは全てを失った過去がある。
 だからこそ、だからこそ。
 気づけば独りだったからこそ。
 変わらないモノを持っているなんて、思っていない。
 だから、だから。
 揺らがないなんてこと、出来ないけれど。
 先駆者たる彼女たちが一緒に居るのならば。
「でも、……なんとかするよ!」
 魔力が爆ぜ、花が散る。
 再び生まれた鉱物の結晶が、きらきらときらめいて――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

八津崎・くくり
【まじかるぶれいず】
焼肉かネモフィラかは悩むところだが、良いだろうまじかるすたーよ、とりあえずあれを喰ってから考えよう

星を見上げるが良い六つ目の影よ、私はその足元から食いついてくれる
地を這うような姿勢で前進、両手の武器で影の根元を狙う

突然一般人とか出てくるのかわからんが、くっ、人質を取られてはさすがに戦えない
防戦に回って様子を見よう
どんな猛攻を受けようが私が諦める事はない!
きっと逆転の時は訪れるはず、私は仲間を信じている――!

まじかるすたーが場を打開したら、魔弾に乗じて攻撃だ

希望の星よ、影を照らせ!
そして輝け私の魔法食器、クラウソラスの名のもとに、光の道を示すが良い!
それでは、いただきます!!


鴛海・エチカ
【まじかるぶれいず】
なんと禍々しいことか
我らの力を喰らおうとは不届き千万!
まじかるはーとよ、特にお主は喰らう方であるからのう

先ず我は上から往くゆえ、くくりは地から頼むぞ
ガジェットの箒に跨がり杖に魔力を集中させる
『二律排反』――レトリック・アンチノミー!
魔力の矢を流星のごとく降らせて影を穿つ

ふん、我が力に弱点があることくらい知っておる
外した場合は箒から飛び降りて六芒星の陣の上へ
其処から魔力を集中させて幾重もの魔弾を撃ち放ってやろう
我は負ける気などない
何せ、チカには……こうして頼れる仲間がいるからのう

まじかるすたーぱわー、全力全開じゃ!
悪しき影は我が照らす!
その先を切り拓くのはくくり、お主じゃ!



「……兎も角。焼肉かネモフィラかは悩むところだが、良いだろうまじかるすたーよ」
 巨大な食器を構えたくくり――まじかるはーとは、小競り合っていた内容をとりあえず一旦保留した。
「うむ。なんとも禍々しき力を感じるぞ。我らの力を喰らい顕現したか」
 頷くエチカ――まじかるすたー。
 なんたって、目前には元凶たる敵。
「我らの力を喰らうとは、不届き千万! ――特にお主は喰らう方であるからのう?」
「うむ、そうだな。とりあえずあれを喰ってから考えよう」
 まじかるはーとの後頭部より紳士の声音が同意を示し、頷いたまじかるすたーが箒に飛び跨る。
 煌めく流星が散り、駆け出すまじかるすたー!
「先ず我は上から往くゆえ、くくりは地から頼むぞ!」
「相承った。星を見上げるが良い、六つ目の影よ!」
 作戦を密やかに交わしあった二人は、同時に敵の目前へと姿を顕し。
 その影に怯むこと無く踏み込んだくくりは、地を這う程身を低く構えて飛び込んだ。
 そして瞳を見開いて一瞬の逡巡。体重を逆方向へと掛けて重心をスライドしてのバックステップ。
 突如彼女の目前に現れたのは、ぬいぐるみでも魔法生物でもない。
 ただの一般人の少女だったのだから。
 随分と薄汚れ、千切れて綿の漏れた躰を少女に抱かせて。
 ぬいぐるみより影が爆ぜ、食器を前に交わした紅色の魔法少女は息を呑む。
「――く、やりづらいな!」
 思わず娘の口が悪態を漏らし、攻めあぐねる彼女を影は執拗に狙い伸びる。
 ナイフで切って、フォークで刺して、喰らう影。
 しかし所詮それは影。
 一瞬でその姿を取り戻す、形ある幻影のようなもの。
 こうやって防戦一方でもキリがあるとは思えないが――。
 まじかるはーとは、信じていた。
 その時を、その一瞬を。
 逆転の時は必ず訪れる、と。
 ――まじかるはーとは、まじるすたーを信じている!
「まじかるすたー!」
 ちら、と視線を送るは、流星の影。
「うむ、任せるが良い! 二律排反――レトリック・アンチノミー!」
 空を駆ける流星の魔法少女は、その膨大な魔力を杖に宿し。
 煌めく力が星の矢と成る。
 爆ぜ伸びる影が、流星の矢に貫かれ一瞬繋ぎ止められるが――。
 少女に抱かれたそのぬいぐるみに、届く事は無い。
 届けられる訳もないのだ。
 少女が盾になっている限りは。
「ふん、――卑怯な輩め」
 敢えて外れた矢は六芒星の魔法陣と化し。
 箒より飛び降りたまじかるすたーへと、つらぬかれた矢より二股にわかれた影が帯のように伸び。
 魔法陣を蹴って、跳ねて、その加護を身に宿しながら、帽子を片手で抑えながら服裾をはためかせてまじかるすたーは、追い詰められながらも笑んだ。
「我は負ける気などさらさらないのじゃ、何せ、――チカには……こうして頼れる仲間がいるからのう!」
 まじかるはーとと、まじかるすたーは目線だけでその意志を交わしあい。
「まじかるすたーぱわー、全力全開じゃ!」
 ――悪しき影は、我が照らす、と。
 陣の加護に数倍にも高められた魔力が、魔弾の流星群と化す。
「その先を切り拓くのはくくり、お主じゃ!」
 魔弾を抑え込むべく、ぬいぐるみから伸びた影が広がり――。
「任せ給え、それに、そうだな――この子は私が預かっておく事としよう」
 響く紳士の声音。
 敵がまじかるすたーの攻撃の対応に追われた瞬間に。
 一気に距離を詰めたまじかるはーとはナイフの柄を噛んだまま、少女の腕よりぬいぐるみを思い切り引き抜いて大きく投げ飛ばし!
 そのまま少女を俵抱き。
 結構重たいが、いまは踏ん張りどころだ。

「さあ、皆、行くぞ!」
「はーい」「まかせなさいっ」
 まじかるはーとが少女を庇ってバックステップを踏んで、呼びかける声音。
 それ皮切りに、周りに集う魔法少女達は自然と横へと並び始める。
 ――それは、魔法少女達にとって当然の行動。
 最後のトドメは、みんなで、だ!
 各々の得物を掲げれば、光の帯が皆を包み込む。
 その切っ先は全て、地へと落ちた邪神の宿るぬいぐるみへと掲げられ。
「骸の海へと、お還りなさい!」
 40人以上の魔法少女たちの魔力が、一気に膨れ上がり。
 花を、星を、光を、羽根を。
 信頼できる仲間たち、そして煌めく素敵なモノが、彼女たちの力を更に高める。
 悪意の塊たる邪神なんて、夢と愛をたっぷり詰め込んだ魔法少女達の敵である訳はないのだ!

 きゅり、と魔法の力で涼やかな足音を立てて。
 紳士の声音で、朗々と吠えるまじかるはーと。
「希望の星よ、影を照らせ! 輝け私の魔法食器、クラウソラスの名のもとに!」
 光の道を示すが良い!
 
 ――フローラル・マジカル・スター!
 魔法少女達の全員の力を籠めた光に満ちた世界。
 暖かな閃光が邪神を貫き――。

 まじかるはーとの後頭部、UDCの口が大きく大きく口を開いた。
 ――それでは、いただきます。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『『瑠璃と濃藍と、満月と――』』

POW   :    藍の世界を逍遥する

SPD   :    ネモフィラを愛でる

WIZ   :    流星に願いを乗せる

イラスト:オオミズアオ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦い終えて
 まさしくそれは、魔法が解けたのであろう。
 魔法少女達の服が、武器が、ココロが。
 あるべき姿を取り戻し――。
 人質として召喚された少年少女達の記憶を、エージェント達がチョチョイとああしてから、無事お布団へと戻した後。

 ――満天の星空のもと咲き乱れるネモフィラの花畑で。
 あるいは、美味しい煙の溢れる焼き肉屋さんで。
 『元魔法少女』達は、思い思いの時を過ごしていた。
アウレリア・ウィスタリア
魔法少女、ボクの絶望は心の中に残っていたけど
あの瞬間は希望で満ちていたような、そんな気がします
誰かに希望を与える存在でいたい
そう心から願える素敵な夢でした

ネモフィラの花畑で歌いましょう
愛の歌を捧げましょう
仮面をはずして
ボクの中の絶望より深い場所に眠る希望の歌を奏でましょう

誰に向けるでもない
ボクが歌いたいから歌う
ただそれだけの歌

ボクはこの歌の真実を知りたい
この魂に眠るボクが知らないボクを知りたい
ねぇ、ネモフィラ
ボクはキミたちに包まれていると何故か安心するんです
ボクの中にはキミたちとの何か大切な思い出があるのかもしれませんね

いつかそれも思い出せたら良いのに

アドリブ歓迎



●アナタを許す
 青く揺れる花弁の海の中。
 青白い月明かりに照らされて、ロベリアの花が共に揺れていた。
 知らないけれど、見知った花。
 それは可憐で――。

 夢を見た。
 夢を見たのだ。

 アウレリアは瞳を細める。
 空を見上げる瞳は琥珀色。

 魔法少女なんて、夢を見たのだ。
 絶望はずっと心の中に残ってはいたけれど。
 あの瞬間だけは、キラキラと瞬く星を見た時のように希望に満ちていたような気がした。
 誰かに希望を与えられる存在でいたい、と。
 心から願える、素敵な夢を見たのだ。

 ふ、と。
 顔を覆う黒猫の仮面が、白い指先の中に収められ。
 清らかな声音が旋律を奏でた。
 知りもしないと言うのにひどく懐かしく、記憶の底を揺蕩う調べ。
 それは絶望よりも、ずっとずっと深い場所に眠る希望の歌。愛の歌。
 全てを愛して、全てを赦す、光。
 誰に向けるでも無い。
 アウレリアの心が歌を望んだから、彼女は青の海の中で歌う。

 ――ボクはこの歌の真実を知りたい。
 この魂に眠るボクが、知らないボクを知りたい。

「――ねぇ、ネモフィラ」
 ぽつり、と歌を止めて。
 まるで旧友に話しかけるような声色で彼女は言葉を紡ぐ。
「ボクはキミたちに包まれていると何故か安心するんです」
 青い花の返事は、月明かりに揺れるだけ。
 それで良い。
 それで良いのだ。
「……ボクの中にはキミたちとの何か大切な思い出があるのかもしれませんね」
 仮面を胸に。
 呟いたアウレリアの表情は、月明かりの逆光の中。

 揺れる花弁、青い花。
 再び、唇には歌を。
 ――友には歌を。

 いつの日にか『大切な思い出』を、思い出せたら良いのに、なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
(焼肉屋なう。)
あー、魔法少女なんてホントやるもんじゃねえぜ。
アマゾネス魔法少女なんてもう二度とやらねえ…。
(元アマゾネス系魔法少女は今回の愚痴を吐きつつ、酒が進む)
酒切らした…。カシスオレンジもう1杯…。


花菱・真紀
魔法少女からの解放!
ネモフィラ綺麗だとは思うんだが流石に男一人(有祈も含めたら二人だけど)で見るのはなぁ
って事で焼肉行くぜー。人の金で食う飯は美味いってね♪
あとなんかお酒飲もうかなぁ。梅チューハイとか好きだけど…強いわけじゃないから気をつけないとな。
焼肉に白ご飯最強。箸が止まらないぜー。
いろいろ大変だったけどこの焼肉でチャラに出来そう…

アドリブ連携歓迎です。


ソル・アーラ
ネモフィラの花畑か
滅茶苦茶綺麗そうだし、先輩を呼んで行けたら
ロマンティックなデートに先輩もきっと…!

でも…
でも今回ばかりは、涙を飲んで見送るぜっ
だって「何の依頼の打ち上げなの?」とか聞かれたり!
他の猟兵の会話から俺が魔法少女になってたなんて事が先輩に知られてしまったら…!(がくぶる)
くそー!
最高のデートスポットをこんなアホな理由で見送らなくちゃいけないなんてっ!

こうなったらもう肉だ肉だ肉だ肉だ肉だーー!!
ロースにカルビにハラミにとにかくじゃんじゃん持って来ーいっ!!
他にも同じような想いをした仲間がいたらそっとねぎらうぜ
お互い…大変だったよな…(遠い目)
今日はとことん食おうぜ!

アドリブ・絡み歓迎


ヴィクトル・サリヴァン
おや、魔法が解けたらいつもの姿。
いつもより何だか疲れた気がするし、ゆっくり打ち上げ?にでもいこうかな。

そんなわけで焼肉屋へごー。花よりお肉。
それにお花畑みたいなメルヘン?で魔法少女っぽいな場所に行くのもちょっとなー。
そういうのはその場所が似合ってる人が楽しめばいいと思うんだ。
とりあえず適当に誰かの所にお邪魔して…一人焼肉もありかー。
そこはまあ、流れ次第で。いすゞさん巻き込むのもありかな?
食べる時は豪快に。お酒もいけるしガンガン行こー。
とにかくワイワイ楽しむ感じで。
魔法少年少女っぽくはないけどそれはそれ。メリハリきっちりなのが多分吉。
…もうあんな邪教はない、よね?(疑問形)

※アドリブ絡み等お任せ



●白煙の向こうで
 綺麗なお花畑は、似合う者たちが楽しめば良いと。
 魔法少女っぽさはゼロでも、メリハリは大切だ。
 俺達には白ごはんとお肉。
 それに合う飲物なんてあれば、もう最高であろう。
「開放感って感じだよなー、箸が止まらないぜー♪」
 焼き上がった肉にタレをたっぷりと絡めて頬張り、追うように白ごはんを一口。
「焼き肉に白ごはんって最強だよな!」
 真紀は上機嫌で、育てた肉を皿の上に納め。
 その横で金色の瞳をギラギラと。一切アマゾネス要素の無い普段どおりの服装に身を包んだブリッツは、酒のグラスを煽る。
「あー……、しっかし。魔法少女なんてホントやるもんじゃねえぜ……」
 変な光を出しすぎたせいか、心持ち身体も重い。
 あと心もまあまあ重い。
 ミチミチの服に包まれていたせいか身体も痛い気がするし。
 あと心もまあまあ痛い。
 ついでにグラスから口を離すと自然に出てきたため息も、なかなかに重苦しい。
 プハアー。
「……アマゾネス魔法少女なんて、もう二度とやらねえからな……」
 魔法少女の際はまあまあノリノリに見えたが、あれは心の防衛反応だったのかもしれない。
 今彼の心を癒やしてくれるのは酒だけだ、と言わんばかりにあけられたグラス。
 彼の言葉にふかーく深く頷いたソルは、コーラを片手に。
「お互い……大変だったよな……」
 迎合を打って、眉を寄せた。
 そりゃあ今だって。
 憧れの先輩を、ネモフィラ畑のロマンティックデートに呼び出す事だって出来た。
 出来た筈なのだけれど。
 今回ばかりは、ソルも涙を呑んで見送る事にしたのだ。
 だって、だって。
 『何の打ち上げなの?』なんて、聞かれたりしたら。
 例えば、例えば。
 他の猟兵の会話から、ソルが魔法少女になってしまっていた事が知られてしまったりしたら。
 そんな、そんな事、――……イヤーーーー。
 無理。
 無理無理無理無理カタツムリ!
 と、そんな訳で。
 ソルは最高のデートスポットでの最高のロマンティックデートを蹴って、こんな男むさい焼肉を食べているであった。
 ぶるるとソルは背を震わせて、ぎゅっと箸を握りしめなおす。
「こうなったらもう、肉だ肉だ肉だ肉だ肉だーーッッ!! ロースにカルビにハラミにとにかくじゃんじゃん持って来ーいッッ!!」
 叫ぶソルの横、ソファ席の二人分を占拠する巨躯。
「え、さっき全部5人前づつ頼んでるよー」
 ヴィクトルはいつもの様子でのんびりと答えて、ビールジョッキをぐぐいっと煽る。
 それでもお酒もご飯も楽しいに限るし、沢山お肉があれば楽しいに違い無い。
「まあ食べられるだろうしもうちょっと頼んじゃう? すみませーん、お肉あと4人前づつお願いしまーす。あ、あと生ビールもジョッキで追加ー」
「えっ!? とことん食おうとは思ったけれどそんなに!?」
 えっえっ。
 ソルはきょときょと。
 もしかして俺はとんでもない事を言ってしまったのでは? 入り口に食べ残しは罰金って書いてあったよね? そんなに食べられるものなの? 合計9人前づつ来ない? えっ、えっ?
「……俺は、カシスオレンジもう一杯」
 ブリッツは肉の量もソルの様子も、気にかけた様子も無く酒の注文を重ね。
「平気平気、多分ねー」
 この人数なら多分、いけるいけるーなんてマイペースに、トングを片手に網に肉を並べるヴィクトル。
 実際UDCアース基準の量で、大きな体のキマイラが二人もいれば余裕なのかもしれないが――。
「うんうん、それに人の金で食う飯は美味いってね♪」
 アルコールが入って、ゆるーくなった返事。
 梅チューハイを片手に真紀がコクコク頷き。お酒にそんなに強い訳では無い彼は、お酒は嗜む程度。
 うっかり飲みすぎないように、チェイサーの水も一口。
「ええい……、分かった」
 もしかして俺のコールでとんでもない量の肉が来てしまうのでは? と思いつめた表情を浮かべていたソアラは顔を上げて。
「もう、腹がはちきれるまで食べるぜ!!!! ええい、肉もって来い肉ーッ!」
「え、もう少し追加オーダーしとく?」
「待って下さい!!!!!!」
 ヴィクトルが首を傾ぐとソルが、はわわって顔をした。
 同時に店員が訪れて、目の前に並べられる肉、肉、肉。
「ま、いろいろ大変だったけど、この焼き肉でチャラに出来そうだなぁ」
 真紀がへにゃっと笑って、焼けた肉を一枚攫い。
 そこに。はた、と。
「……それにしても、もうあんな邪教は、ない、……よね?」
「……」
「……」
「……」
 思わずヴィクトルが漏らした問いに、一瞬静かになってしまったテーブル。
 頭に過る、あまりに可愛い自分たち。
 あとアマゾネス。
 可愛いビームに、謎のエフェクト、可愛い花弁。
「……カシスオレンジ、もう一杯」
「俺ももう少しだけ飲もうかな……」
 一気にグラスを煽ったブリッツが肉を並べる店員へとオーダーを重ねて、真紀がドリンクメニューを片手に遠い目で呟く。
 ソルは白米をひたすらかきこんでいた。
 なんだかんだで、皆良く食べ、良く呑み。
 戦いの後の、平和な時間。
 楽しい時間を過ごせたのであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オセロ・コールブランド
【神ちゅん夜】で打ち上げの焼き肉ッス!お疲れっしたァ!
大丈夫大丈夫飲み物はメロンソーダっすからね!ズゾッ!

へへへ畜産と農業安定した世界サイコーッスね!(AW出身)あっ!俺俺俺お箸もばーっちり使えんスよ!
お米とハラミ!が!好き!おかわり!

ッカー!
それにしても写真撮り損ねたッス…おバズり間違いナシだったのに…
イケメン魔法少女トリオ。間違いないじゃんすか!
レディースの心ちゅんちゅんのはずだったんスよ。ねっ!

でも肉うめーからいいや!
またなんかカッケーカワイーして次こそモテるんス!
そんときもシクヨロで!!
ウェーイ!写真撮りまくるんでー!アゲてきましょーい!


鳳仙寺・夜昂
【神ちゅん夜】

焼肉屋で肉を焼く。
やっと元に戻った……もう疲れた……ちゅん……
飲み物はハイボールで。肉食う時は炭酸がいい。

(何を言われるまでもなく肉を焼き始める)
食う前にちゃんと火ぃ通ってるか確認しろよ。中っても知らねーぞ。
……んー、ここらへんはもういける。(二人の取り皿へ配る)

ぼーっと肉の焼き加減見てたり、
こいつらよく食うなと思ったり、
酒飲んだり、お代わり頼んだり、
二人ともちゃんと箸使えるんだなとか思ったり。

何でもねー。お前らがもりもり食ってるから焼き甲斐あるんだよ。
俺も時々食う。肉が美味い。

みらくるでもまじかるでもねえよ。やめろ。


※ひよこは窓際でうとうと
※アドリブはもうお好きなだけ


キラス・レスケール
神ちゅん夜

焼き肉を食べに行くぞ。酒も飲むぞ
喫煙が可能であれば二人に煙が行かないよう注意を、無理ならば諦めよう

しかし我が友であるよだかと戦場で出会えるとは思わなかったな
オセロとは初めての出会いであったが、共に魔法少女になった仲だ
これからは友としてよろしく頼むぞ
しかし二人ともよく似合っていたな。うむ。(満足気に頷く

ほう、オセロはモテたいのか。案ずるな、お前がお前らしくあればいずれよき出会いがあるだろう
ところでよだか、この肉はそろそろ焼けたのではないか?(そわそわ)

※夜昂はいい嫁になると思ってる
致命的にセンスが無いので自分では焼かない
神なので性別は些末なことだと思ってる
お肉もお酒も美味しいご機嫌の神



●であい
「お疲れっしたァ!」
「やっと元に戻った……もう疲れた……ちゅん……」
 メロンソーダのグラスを高らかに掲げたオセロの元気な声音が店内に響き。
 重ねて夜昂が、力なくハイボールのグラスを乾杯に差し上げる。
「しかし我が友であるよだかと戦場で出会えるとは思わなかったな」
 窓辺に陣取ったキラスは煙草を片手に、既に酒を傾けている。
 だってキラスは神なので、乾杯は俺様に対する感謝のしるしなので自分は行わなくてオッケー。
 窓外の風へと流れ揺れる紫煙。
「オセロとは初めての出会いであったが、共に魔法少女になった仲だ。これからは友としてよろしく頼むぞ」
 うむうむと頷いて、満足気なキラス。
「はいはいはいはーい!! 宜しく頼むっスよ!」
「ん」
 元気に返事をしたオセロを横目に、夜昂はトング片手に肉を焼き始め。
「しかし二人とも、魔法少女がよく似合っていたな。うむ」
 先程の出来事も、神的には別段恥ずかしい事は一つ何も無かった。
 だって俺様は神だから。
 服装だって些細な事だ。
 ア! と声を上げるオセロ。
「ッカー! でもでも写真撮り損ねたッス……、おバズり間違いナシだったのに……」
 箸を握りしめつつ彼は、悔やむように眉を寄せ。
 サラダを取り分けながら、夜昂の視線温度は一瞬で氷点下以下。
「撮らなくていい」
「エエーーーッ! イケメン魔法少女トリオ!! 間違いないじゃんスか! レディースの心ちゅんちゅんのはずだったんスよ。ねっ!」
「ほう、オセロはモテたいのか?」
「そりゃァー! レディースにおモテになりたくないボーイがいるっスか!?」
「案ずるな。お前がお前らしくあれば、いずれ良き出会いがあるだろう」
「んああ……、不思議と説得力があるような、無いような……。拝んどくっス」
 神のありがたき御神託だ。拝むオセロ。
 ついでに取り分けてもらったサラダも食べる。モサモサ。
 二人の会話をぼんやりと聞きながら、トングは装備したまま。
 こいつら意外と箸の使い方上手いなーとか夜昂は考えつつ、肉の世話を甲斐甲斐しく行い。
「ところでよだか、この肉はそろそろ焼けたのではないか?」
「そっちはまだ。ここらへんは……もういけるかな」
 キラスの問いに、取り分け用のトングに持ち替えた夜昂。そして二人の取り皿へと、手早く焼けた肉を取り分け。自分の皿にも少し重ねておく。
「あ。でも食う前にちゃんと火ぃ通ってるかもう一度確認しろよ。生焼けでも知らねーぞ」
 等と言いつつ、やっと箸を持った夜昂の確認した焼け具合は大体バッチリである。
 キラスも彼の嫁力を信じているので、確認もせず口に運び。
「うむ、うまい」
「へへへ、畜産と農業安定した世界サイコーッスね! レディースとの出会いは無かったっスけれど、肉うめーから今日はいいや!」
 肉を齧っては酒を啜るキラスに、オセロはパクパクとどんどん肉を口に運ぶ。
 アックス&ウィザーズ世界出身のオセロとしては、食べ放題でこんなに安定したご飯が食べられる世界はとてもとても贅沢に感じるのだ。
 とっとこ口に運ぶご飯。大好きなのは、お米とハラミ。
「……もう酒も肉も少ないな、……すみませーん」
 食物の減りに人一倍敏感な夜昂がささっと注文を重ねる様を見て、キラスが喉を鳴らして笑った。
「――よだか、お前は良い嫁になるだろうな」
「えっ、魔法少女じゃなくて、魔法嫁っスか? みらくるぶらいど? まじかるわいふ?」
 神にとって性別は些末な事。
 キラスの言葉にオセロはウェイウェイチュンチュン。
「みらくるでもまじかるでもねえよ。やめろ」
 心底疲れ切った表情で、夜昂は二人を睨めつける。
 しかしオセロはめげない、AKYのウェイウェイ系。
「でも、またなんかカッケーカワイーして次こそモテるんス! そんときもイケメン兄さん達はシクヨロで!!」
 箸の持ち方も綺麗に、オセロはぴしっとポーズを決めた。
「ウェーイ、写真撮りまくるんでー! アゲてきましょーい!」
「うむ、許そう」
「嫌だけど?」
「ウェーイ、ありちゅんっ!?」
 許可と拒否を同時に受けて、変な反応をするオセロ。
 焼けた肉を彼の皿にも置いてやりつつ、断った夜昂は肩を竦めて少しだけ笑った。
「……? 何かあったっスか?」
「何でもねー。お前らがもりもり食ってるから焼き甲斐あるんだよ」
「……」
 そんな二人のやり取りをみて、キラスも肩を竦めて、口端を擡げ。
 煙草の煙を肺いっぱいに吸い込んだ。
 肉も酒も、会話も美味ければ、今日が良い日と言わずとしていつが良い日だというのか。
 窓辺で鞄の上に寝転がったひよこはウトウト。
 三人のお食事は、もう少し続くのであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

喜羽・紗羅
アドリブ連携歓迎

そう、私は焼き肉を愛でるのよ

色気より食い気か、先が思いやられるわ

何よ、アンタだってこっちがいいって言ったじゃん!

言ったよ、後は酒が飲めりゃ言うこたぁ無えんだがな

ハァ? 止めてよね、私そういうので捕まりたくないから!

若さとは多少脂身がきつくても大丈夫という事
サシが煌くカルビを始め、ハラミ、ロースと好みの順に食していく
気が向いたら焼野菜も

同席する人がいれば焼くものを聞いてちょちょいと焼く
何か変な相手だったねぇ、とお喋りしたり

焼き手がいればバンバン注文する
恐れるものなど何も無い
ここにある肉を平らげるまでは


所で俺もお前も食ったら、戻った時ヤバいんじゃねえか?

何でよ

食べた量倍だぜ

…………


リリカ・ベルリオーズ
アドリブ大歓迎

久々に働いたから、腹減ったぁ〜
…って、何だ?焼肉?
良いねェ、戦いの後の肉ってのも。
しかも、可愛らしい魔法少女に反してな。
ワタシもご一緒させてくれ。
…ふふ、ワタシより腹のでけぇ奴はいるかな?

白飯は大盛り、ドリンクは烏龍茶でよろしく頼む。
…おっ、早速来たな!
じゃあ、一応建前は打ち上げって事だし…ふふ、これやるの、ちょっと憧れてたんだよなぁ…――乾杯!!!
そして、いただきます!
ああ、そうだ。誰か大食い勝負を受けてくれねぇか?
ルールは簡単、どれだけ肉を食べれるか、それだけだ。
――あ、金が心配か?なら安心してくれ、ワタシが勝負の分払ってやるからさ。
……ははっ明日の朝は食べられねぇかもなぁ


灰炭・炎火
「あぢぢ、あぢー……」

あーし、焼肉好きなの。
だからね、楽しみではあったの。
だけどね! 網があっついの!
ひっくり返すの大変なの!
それにカルビ一枚でお腹いっぱいなの! 頑張っても二枚なの!
うぇー、割にあわないよぅー、でもお肉食べたいー……。

あ、でもでも、魔法少女楽しかった! 憧れてたから、えへへ、満足!
皆も可愛かったしー! 色んなコスチュームあったねえ、すごかったねえ、素敵だったねえ、またやりたいな!
でも……なんか忘れてる気がするけど、なんやったっけなあ。
ま、きっと大したことじゃないよね! それよりお肉…………あづぃいいいいい……。


真守・有栖
わふー。お仕事終わりのしゅわしゅわ(炭酸じゅーす)は最高だわっ

えぇ、魔狼少女としての役目を終えたとあーらーばー?
おにくの時間ね!時間よ!時間だわ!!!
しかも……!焼いたおにくが食べ放題!食べ放題よ!?

おにくが食べ放題……なんっっって、しあわせな響きなのかしら!

おにくがわっふりな盛り合わせ。
いただきます、と。熱々の網にじゅぅう……とおにくを乗せて、ごくり。
そわそわ。わふわふ。尻尾をぱたり、と揺らし。
匂いと音に食欲をそそられながら、おにくが焼けるのをじぃっと待ち。
焼き立て熱々のおにくにたれを絡ませて、ぱくりと一口。

わぅう……とっっってもおいしいわ!

わぐわぐ。もぐもぐ。
心ゆくまでおにくを堪能するわっ


ハーバニー・キーテセラ
うふふ~。すこぅし、真面目さんでしたからねぇ
ネモフィラもいいですけれどぉ、脱シリアスしとかないとですよぉ

仕事着(バニースーツ)脱いで、いざオフモード

胸いっぱいに吸い込むのはお肉の焼ける匂い
甘タレ、味噌タレ、塩、レモン
4種のタレを使い分け、数多のお肉をガッツリと
ですが、時々野菜も食べますからね
お肉ばかりもいいですけれど、そればかりだとすぐお腹一杯になってしまいますから
違う食感、味を取り入れなければ
バランス。バランスは大事ですよ、なんであれ
……あ、店員さん。御飯もお願いしますね

物静かに、しかし、箸捌きは早業の如く
焼き加減を見切って、最高の状態をひたすらにもぐもぐと


九重・桜花
可愛い衣装になれて楽しかったし、魔法少女も悪くないって思ったけど...うーん、終わってみるとやっぱり恥ずかしかったかも(苦笑
ま、それはそれでこれはこれ。無事に解決できてよかったかな。

...え?近くに焼肉屋さんがあるって?
よーし、解決祝いにいっぱい食べようかな!
お肉もそうだけど、美味しいデザートも沢山あると良いな~
(※特徴:スイーツ好き)


八津崎・くくり
【まじかるぶれいず】
やはり仕事終わりには焼肉だろう
この一杯のために働いたと言っても過言ではない
美味いな、烏龍茶

まじかるすたーは疲れたと言って帰ってしまったが…仕方あるまい
彼女の分まで私が食べて帰ろうではないか
とりあえずメニューのここからここまで二人前ずつ持ってきてくれたまえ
あとはただひたすらに焼いて食う
小さい方の口でだ
食べながら喋れるのがこのUDCの数少ない利点だな

いすゞも見かけたら声かけ
転送ご苦労様
君も少しくらい食べていくと良い
…普通に労っているんだからそんな顔しないでくれたまえ
まだ食べるのかって?奴等と焼肉では入るところが違うのだよ
別腹と言うやつだ

ふむ、なるほど。良い味だ(UC発動)



●わくわくおにくたいむ
 焼き肉は好き。
 だから、とってもとっても、楽しみではあったの。
「あぢぢ、あぢー……」
 彼女の体にとっては大きなトングを持って、ロースターの上でホバリングをする妖精。
 焼ける網の上には、未だ生焼けの肉。
 世界の加護を受けた猟兵は、どこでも言葉が通じ。どんな姿でどんな世界に行こうとも、住民に違和感を与えはしない。
 違和感を与えはしないが――ここはUDCアース。
 普段から妖精サイズの生物が人類として闊歩している訳では無いこの世界では、妖精サイズの食器やトングが突如用意される事は無い。
 そういう訳で。
「うぇー……、熱いよぉー……」
 炎火は人間サイズのトングを抱きしめ、ロースターの熱と煙に煽られながら、焼き肉と格闘していたのであった。
 じりじりと体を焼き付ける遠赤外線。
 大体。彼女の体の大きさでは、食べられたとしてもカルビ一枚でお腹いっぱいだ。
 とってもとっても頑張っても二枚だ。
 それでも、それでも、お肉は食べたい! そのためには焼くしかない!
 そこにぱちん、と肉の脂が爆ぜ――。
「あぢっ!? あーーっ、 うぇー……割にあわないよぅー、でもお肉食べたいよぉー……」
「わっ、大丈夫?」
 その声に目を丸くして、足を止めたのは桃色の髪の少女――桜花であった。
「あ。そっか! 妖精さんだと焼くのも一苦労だよね? 手伝おうか?」
「えーっ、ええの?」
「良いよー、魔法少女仲間だもんね」
「わーっ、うれしい! うぇへへ、ありがとー! 熱くて大変だったんよねー」
 くすくすと笑い合った桜花と炎火は、改めてお肉と向き直り。
 更に響いた、無闇に元気な声音!
「わう! その話聞かせて貰ったわっ! おにくの時間ね、お肉の時間よ、時間だわ!」
「ふふ、ワタシより腹のでけぇ奴はいるかな?」
 わふっと尾を揺らした有栖と、リリカも参戦だ。
「うふふ~。ごちそうは皆さんで食べた方が美味しいですものねぇ」
 既にロースターの上に肉を並べているハーバニーは、バニースーツ――……仕事着を脱いでオフモード。口調は微妙に営業モード。
 いつのまにか、猟兵達が集うテーブルと化した一卓。
「じゃ、一応建前は打ち上げって事だし……」
 ――乾杯! そして、いただきます!
 リリカの音頭に併せて、グラスを掲げる猟兵達。
「ふふ、これやるの、ちょっと憧れてたんだよなぁ……」
 音頭を取った事にどこか満足気に烏龍茶のグラスを傾けるリリカは、金瞳を細めて。
「わふー。お仕事終わりのしゅわしゅわは最高だわっ!」
 しゅわしゅわの炭酸がぱちぱち弾け、有栖もご満悦だ。
「はー、色気より食い気か、先が思いやられるわ……」
「何よ、アンタだってこっちがいいって言ったじゃん!」
 呼び出したもうひとりの自分。
 『鬼婆娑羅』と言い合う紗羅も、烏龍茶を片手に。
「言ったよ、後は酒が飲めりゃ言うこたぁ無えんだがなぁ……」
 つまらんなぁ、と唇を尖らせ。
 頬杖をつく鬼婆娑羅が、烏龍茶のグラスを回すと氷がころころと音を立て。
「ハァ? 止めてよね、私そういうので捕まりたくないから!」
 もう、と紗羅が肩を竦めた。
「……おや」
 肉を焼きながらもそこに姿を表した狐の姿に目ざとく気が付いた、赤い髪の女。
 後頭部に生えた凶悪な牙を持つ口が開き、紳士の声音を漏らす。
「いすゞ。君も転送ご苦労様だったね」
 烏龍茶を片手に、くくりは掌をひらひらと振り。
 狐の女――いすゞは、ぽっくり下駄をコーン、と鳴らした。
「センッ、……セたち、もお揃いで、ホントにお疲れ様っスよォ」
 一瞬だけ目を開いたいすゞが、すぐに笑顔を取り繕い狐のように笑う。
「……普通に労っているんだからそんな顔しないでくれたまえよ」
「へぇ、へぇ、そんな風に見えたっスか?」
 以前の一件でいすゞは、少しだけくくりが苦手なのだ。
 くくりもそれに勘付きながら話しかけるものだから、肩を竦めて。
「それにしてもセンセはさっき、ご馳走を食べたばかりじゃァ無かったスか?」
「ふふん、まじかるすたーも疲れたと帰ってしまったからね。彼女の分まで私が食べねばならないのだ。それに……焼肉は別腹というやつだよ」
 『ご馳走』――UDC。
 いすゞの問いに、大量の肉を侍らせたくくりは、好戦的に笑って箸を構える。
 そう、仕事終わりには焼肉と決まっているのだ。
 話しながらも、焼き上がった肉を一口。
「――ふむ、なるほど。良い焼き加減、良い味だ」
 彼女の食べたものに対する感想は、共感した皆の戦闘力を増強する力を持っている。
 つまり、今。
 この辺りで焼肉を食べている人達は、突然無闇に戦闘力が増強されたと言う事だ。
 しかたあるまい。
 それが彼女の力なのだから。
 そこに。ふふ、と不敵に笑った、リリカはぐるりと皆を見渡して。
「ああ、そうだ。誰か大食い勝負を受けてくれねぇか? ルールは簡単、どれだけ肉を食べれるか、それだけだ」
「ふむ、面白い。ならば私が受けて立とう」
 トング片手に、くくりがリリカと視線を交わした。
 くくりはフードファイター。――お腹いっぱい食べるために戦う、いつでも腹ペコ女だ!
「ノリの良い奴は好きだぞ」
 リリカはフードファイターでは無い。しかし、彼女の今の人格はお腹が空くと顕れる横暴な人格だ。
「では――勝負開始だ!」
 猛烈に積み上げられだした、肉の皿。
 焼ける肉。焦げる野菜。
 あっ、白米とたまにはお野菜も忘れずに。
 斯くしてここに、リリカとくくりの大食い勝負の火蓋が切られたのであった!
「……元気っスねぇー」
 いすゞが狐のように瞳を細めて、喉を鳴らして笑う。
「うむ、うまい」
 重ねられたくくりの呟きに、また周りの皆の戦闘力が無駄に増強された。
 食べながら喋られる事は、彼女に寄生したUDCの数少ない利点だそうだ。

「わぅう……とっっってもおいしいわ!」
 わふわふ、ぱたぱた。
 尻尾を揺らして、全身でお肉の美味しさを表現した有栖は幸せで蕩けそうな表情。
「おにくが食べ放題……なんっっって、しあわせな響き! しあわせな時間なのかしら!」
 焼けたばかりのてかてかのお肉を前に、キラキラと瞳を輝かせる有栖。
 はー、しあわせ!
「おう、なかなかいけるよな」
「そうね、美味しいわ」
 紗羅達は、同じ顔を二人並べて次々に肉を平らげてゆく。
 若さとは多少脂身がきつくても大丈夫という事なのだ。
「しかし、なんか変な敵だったねぇ」
 ふ、と首を傾いで紗羅が瞬き。
 ついでに店員さん、お肉追加おねがいしまーす。
「でもでも、魔法少女楽しかったやんねぇ! あーし、魔法少女に憧れてたからねー、えへへ、満足!」
 皆も可愛かったしー! とぴかぴか笑顔でくるくると廻る炎火。
「可愛い衣装になれて楽しかったし、魔法少女も悪くないと思ったけど……、やっぱりちょっと恥ずかしかったけどねー」
「えぇ、えぇ、魔狼少女としてのお役目ばっちりこなしちゃったのよ!」
 お肉を突きながら苦笑をする桜花に、有栖はふふんと大きなお胸を張って。
「色んなコスチュームあったねえ、すごかったねえ、素敵だったねえ、またやりたいな!」
「うふふ~、そうですねぇ」
 頷いたハーバニーが、へんにゃりと笑って野菜を一口。
 お肉ばかりも良いけれど、そればかりだとすぐお腹一杯になってしまう。
 違う食感、味を取り入れる事で口の中を一度リセットする。
 バランス、バランスはなんであれ大事なのだ。
「あ、店員さん、ご飯おかわりお願いしますね」
 肉と向かい合う瞬間は声音すら変わる。
 最高の状態に焼けた肉を狙うハーバニーの端捌きはまるで早業の如く。
 甘タレ、味噌タレ、塩、レモン――、4種のタレを使い分け、ハーバニーはお肉を食べる、食べる。

「……所でよぉ、俺もお前も食ったら、戻った時ヤバいんじゃねえか?」
「へ? 何でよ」
 ご飯は皆で食べたほうが、楽しいに決まっているのに。変な事を言いだした鬼婆娑羅に、眉根を寄せる紗羅。
「食べた量、倍だぜ」
「……」
 二人は、二人で、一人。
 オルタナティブ・ダブルで現れたもうひとりの自分が食べたカロリーってどこに消えるんでしょうね。
「あっ、見て! 見て! お肉屋さんのアイスだって! わーっ、蜂蜜揚げパンを網で焼いてアイスと一緒に食べるの? 美味しそうーっ!」
「あ、あーしも、あーしも! デザートは別腹やんねぇ!」
「パフェもあるのね? どれにしようかしら!?」
 桜花と炎火と有栖が、きゃっきゃとメニューを覗き込んでスイーツに盛り上がる横。
 真顔で肉と見つめ合う紗羅。
「……」
 ――オルタナティブ・ダブルで現れたもうひとりの自分が食べたカロリーってどこに消えるんでしょうね?

「……はは、明日の飯は食べられねぇかもなあ……」
「ふむ、私はまだ食べられるぞ?」
「……まだまだ、勝負はこれからだ!」
 リリカの囁きに、人の口で肉を食べる手を止める事無く、くくりは後頭部の口で迎合を打つ。
「おかわり!」
 未だ大食い勝負を続けるリリカとくくりは、同時に肉の追加を店員に申し出るのであった。
 あれ。
 ……うーん、なにか。
 なにか。
「そういえば……なんか忘れてる気がするけど、なんやったっけなあ?」
 アイスのスプーンを片手に、はたと首を傾ぐ炎火。
 それって、もしかして貴方の――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

香神乃・饗
誉人f02030と焼肉食べ放題
ただいまっすお腹ぺこぺこっす
肉山盛りで鉄板に
いざ勝負っす!(肉と

育成中心
野菜含め食べ頃を誉人に寄せ
貰い物は全て美味しく食う

もー大変だったっす変身…って聞いてるっすか
又ほっぺぱんぱんしてるっす!飛ばしすぎじゃないっすか?(噴出し笑う
有難うっす!ちまちま食べてるっす美味いっす(タンぱく
はいカルビ焼けたっす

スパッツでヒラヒラしてたっすスカートは着物と変わらないっす
にっ…似合う訳ない似合ってたまるかっす!(顔真っ赤
ノリは楽しかったっすけど(ぼそ

ミノ食べ頃っす!
トウモロコシも焼けたっす

誉人も変身しないっすか
(焼きおにぎり育てて
呪いが解けたんっすから脱げるっす
又呪われるっすか


鳴北・誉人
おかえり饗(f00169、お疲れサン
俺も腹減った!肉焼こうぜ!
誰との勝負?

肉焼きながら上の空で相槌
焼けた肉から食ってく

ひいへうひいへう(ほっぺぱんぱん咀嚼嚥下
ンま…!
だって食わなきゃもったいねえ、お前も喋ってっけどォ食ってる?
あ、タンは?(答え聞かずに饗の取皿にポイ

そういや饗、どんな格好したのォ?
ひらひら…?(想像した(変っ(ぷくく
それって似合ってンの?似合ってねえの?でけえ男の女装ってアリなのォ?(笑いながら
(でも饗が楽しかったんならイイか
何でも食う
俺も焼いて饗の皿へ

はァ?正気ィ?俺が女装って、冗談ポイだわ
つーか、なんで着てねえの?そんななら見てみてェし
あー、いいや(納得
焼きおにぎり待ってる



●おつかれさま
「おかえり饗、お疲れサン」
「ただいまっすー、はー、もうお腹ぺこぺこっす!」
 網の上に並んだ肉。
 並んだ皿の上には、肉に野菜。焼きおにぎり。
 鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)と饗は手をあわせて――。
「いざ勝負っす!」
「……何の勝負?」
「そりゃ勿論、肉とっすよ!」
 いつもの調子の彼に、誉人は少しだけ笑った。
 白煙を上げ、焼き上がる肉、野菜。
「んで、んで!」
 饗はトングを握って、肉を育てては誉人の前へと寄せつつ一生懸命言葉を紡ぐ。
「もー、大変だったっすよー、変身したりキラキラしたり」
「ふんふん」
 そこに響くは生返事。
 タレに焼き上がったばかりの肉をくぐらせて、口へ。
 あ、ロースも焼けてる、こっちも。
「……誉人、聞いてるっすか?」
「ふん、ふん。ひいへう、ひいへう」
 一生懸命話す饗が焼き与える肉を、食べる事に誉人は夢中。
 ほっぺたをパンパンに膨らせて、咀嚼、咀嚼。
 ンまい。
「……又ほっぺぱんぱんしてるじゃないっすかー! もー、飛ばしすぎじゃないっすか?」
 そんなリスみたいな様子に、思わず饗は吹き出して笑い。
 誉人は咀嚼、咀嚼、嚥下。
「だって食わなきゃもったいねェ。それにお前も喋ってっけどォ、本当に食ってるゥ?」
「俺もちまちま食べてるっすよ!」
 なんていいつつ、すっかり空いてしまっている饗の取り皿。
「タン食えよ、タン」
「あっ、有難うっす! 美味いっすー」
 ひょいっとそこに誉人が肉を入れてやると、饗はピカピカ笑顔で応じて早速タンを口へと運ぶ。
「つーか、大変だったっていうけど饗、どんな格好したのォ?」
「はい、カルビ焼けたっすよ。ん? スパッツでヒラヒラしてたっすよ」
「ひらひら……?」
 焼けたカルビを口に運びながら、誉人より不思議そうな声音が漏れる。
「スカートは着物と変わらないっす」
 真顔で申告する饗に、誉人は思わず吹き出して笑ってしまう。
「ぷはっ……、ふふは、……それって似合ってンのォ? 似合ってねえの? そもそも、でけえ男の女装ってアリなのォ?」
「にっ……! 似合う訳ない、似合ってたまるかっす!」
 続けられた言葉に、饗は顔真っ赤にして否定を重ねて、トングを少しだけ雑に動かし。
「ノリは楽しかったっすけど……、もう、はい! ミノ食べ頃っすし、トウモロコシも焼けたっす!」
 誉人の前へと焼けた肉と野菜を寄せてやると。
 ま、でも饗が楽しかったんならイイかなんて、誉人は焼けた肉を饗の皿へと放り込む。
「むー……誉人は、変身しないっすか?」
「はァ? 正気ィ? 俺が女装って、冗談ポイだわ」
 饗の問いに肩を竦めた誉人は、悪戯げに瞳を細めて。
「つーかァ、なんでその変身した服、着てねえのォ? そんななら、見てみたかったンだけど?」
「そりゃ、呪いが解けたんっすから、脱げるに決まってるっすよ。……それともまた呪われるっすか?」
 唇を尖らせる饗に、小さく頷いた誉人。
「あー、いいや、納得した」
 焼きおにぎりが焼けるのを待ちながら、二人はじゃれ合うように会話を重ね――。
「ま、何にせよ、饗。お疲れサン」
「へへへっ、有難うっす、誉人!」
 誉人のねぎらいに、擽ったそうに饗は笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リゲル・ロータリオ
とろケモ
花畑に

危なかった…俺が女の子だったらお嫁にいけなくなるところだったっす
さっきの衣装も可愛かったっすけど
今のメルトちゃんもいつもの制服が似合っててバッチリJK可愛いっすよ!
ね?だめっすか?うーんなんとかご機嫌直してほしいっすけど…

あっほらほら! 星がすっげーきれいっすよ、宇宙船からいつも見てるっすけど、こういうところで見るのもまたオツってやつっすねー
花畑もきれいっすよね。こんだけあったら…ほら、メルトちゃんにプレゼントっすよ。よく似合ってるっす!

これで誤魔化せたっすかね…?
メルトちゃん怒らせるとやべーっすから…まぁメルトちゃんが可愛いのもお花が似合ってるのも本心っすけど!

※アドリブ大歓迎


メルト・プティング
とろケモ

むむむ。結局リゲルさんの魔法少女衣装を着る前に消えちゃいました。
リゲルさんばっかりズルいのです、これにはボクもおこなのですよ。

って、わぁ。すごいキレイな星空ですね!
宇宙船から観る星々とはまた違うというか。

……あ、言っておきますけど!そんな簡単に誤魔化されるほど、ボクはチョロくないですよ?!
チョロくないですけど。
まぁ、とってもキレイな星空に免じて、許してあげましょう!

そういえば、地上から流れ星を見上げる時は願い事を言う、なんてのがありましたっけ。
願い事、願い事。
みんなで楽しく過ごせますように。
ふふ、在り来たりかなと思いますが、やっぱりボクの一番の願いはコレなのですよ。

※アドリブ、絡み歓迎



●ネモフィラ畑の星空
「むむむー。結局、リゲルさんの魔法少女衣装を着る前に消えちゃいましたね……」
 いつもの女子高生風の制服に着替えたメルトは、拳をぎゅっと握りしめて。
「危なかった、危なかったっす……、……俺が女の子だったらお嫁にいけなくなるところだったっす」
 自らの体をぎゅっと抱きしめるように、リゲルは貞操を守る事を成功した事に小さく首を振った。
 その横で拳を握りしめたまま、すっくと立ち上がったメルトは液状の髪をゆらゆらと揺らし。
「リゲルさんばっかりズルいのです! これにはボクもおこ。おこおこメルトなのですよ!」
 もうこうなったら。
 ゆっくりとリゲルに向き直ったメルトに――。
「いやーー、いや! いや! いや! さっきの衣装も、可ーー愛かったっすけど!! 今のメルトちゃんもいつもの制服が似合っててバッチリJK可愛いっすよ!!」
 ねっ、ねっ? だめっすか? ねっ??
 ひゃっと獣の耳と尾を跳ねさせて。
 あわてて誤魔化すように、強調しながら言葉を重ねるリゲル。
 重ねて、重ねて、彼女のご機嫌が回復するような言葉、モノ……。
 きょときょと周りを見渡したリゲルは、はた、と金色の瞳を瞬かせて。
「あっほらほら! 見て欲しいっす、メルトちゃん!」
 リゲルの指差す先。
「何ですか、リゲルさん! ボクはいま――」
 それは、大きな丸い丸い月のぽっかり浮いた星空。
 言葉を途中で止めたメルとは、ゴーグルの下で瞳を大きく見開いた。
「ねっ、星がすっげーきれいっすよー! 宇宙船からいつも見てるっすけど、こういうところで見るのもまたオツってやつっすねー?」
「わぁ……、本当、すっごいキレイな星空ですね!」
 ほう、と言葉を零すメルトは、リゲルと並んで空を見上げて。
「確かに宇宙船から観る星々とはまた違うというか……。遠い分、近く感じるような……」
 柔らかな風が、青い花海原に甘い波を起こす。
「……あ、言っておきますけど! そんな簡単に誤魔化されるほど、ボクはチョロくないですよ?!」
 はっと思い出した様子で、重ねて怒りをアピールをするメルトに。
「花畑もきれいっすよね。こんだけあったら……ほら、メルトちゃんにプレゼントっすよ」
 風に攫われてしまったのだろう、茎から折れて落ちてしまっていた花を一輪。拾い捧げると、笑いかけたリゲル。
 空と花畑、そして彼女を見やって。
「まぁ。……まぁ、……チョロくないですけど。とってもキレイな星空に免じて、許してあげましょうか!」
 もともと本気で怒り続けていた訳でも、無いのだ。
 やれやれと肩を竦めてから。差し出された花を、髪に刺してメルトは笑った。
「よく似合ってるっすー!」
 ……これで誤魔化せただろうか? メルトを怒らせると、そりゃあもう、すげーやべーのだから。
 リゲルの尾が落ち着かない様子で、揺れる揺れる。
「……まぁ、メルトちゃんが可愛いのも。お花が似合ってるのも本心っすけど……!」
 ぼそりと小声で付け足したリゲルに、ふとメルトが振り返り。
 リゲルはぴゃっと肩を跳ね上げた。
「……そういえば、地上から流れ星を見上げる時は願い事を言う、なんてのがありましたっけ?」
 すっかり笑顔を取り戻した彼女の表情。ほうっと胸を撫で下ろして、彼は笑う。
「へえ、そんなのがあるっす? 見つけたら――、何を願おうっすかねえ?」
 宇宙にいれば、流れ星を見つける事なんてけっして難しい事では無い。
 しかし、いまこの時に流れ星を見つけるという事が大切なのだろう。
 願い事、願い事。
 リゲルがうーん、と顎に手を当てて、目を瞑って思案顔。
 その横にメルトは少ししゃがんで、空を見上げて口を開いた。
「――みんなで楽しく過ごせますように、なんて」
 こうすると小高く丘になっている花畑と星空が、一度に綺麗に観測できるのだ。
 ベストスポットというやつである。
「ふふ。在り来りかなと思いますが、やっぱりボクの一番の願いはコレなのですよー」
「……なら、なおさら流れ星を見つけなきゃいけないっすねえ」
 くすくすと笑い合う二人。
 それはもう、今は叶えられている願いなのかもしれないけれど。
 ずっと、ずっと、それが続くように、なんて。
 星に願ってしまうのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
WIZで判定

「魔法少女、大きくなるの楽しかったー♪ごはん、いっぱい食べたら大きくなれるかな♪」

今日一日の体験、初めての人間サイズ、世界が違って見えて興奮がさめやらない様子。
身体が大きいとあんなに早く走ることができるんだね!とネモフィラの花畑を飛び回って楽しそうに語ってる。

空を見あがれば満天の星空。
きらりと光った流れ星にお願い事していっちゃうよ☆

「好き嫌いしないから、早く大きくなれますように♪」

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


九之矢・透
いやー恐ろしい戦いだったな
あんな格好はもう良いや
……まあ、当分は

おおー!こいつはキレイだな
青い花びらが風になびくと
キラキラして見える
空も大地も星一杯だ!

あ!!アレが流れ星か!?
初めて見た!すげー!!
あ、願い事をするんだっけ?

思うのは面倒を見ている『チビ達』
アタシにとっての家族たちの事

アイツらが病気や事故に合いませんように
アタシが守ってやるのは当然の事だからな!

……んん、でも流れる前に三回言うのって難しいな??
えーと、縮めて……

チビチビチビ!!
ん、コレ意味通じるかな?

まあいいや
家に戻ったら今日の事、話してやろうっと



●星に願いを
 ひいらりひらり、月明かりの下。
 青い花々の上を舞い踊る、小さな小さな妖精の姿。
「ああ、魔法少女……、大きくなるの楽しかったー♪」
 きらきらと光を浴びて、翅いっぱいに風を受けて。
「ごはん、いーーっぱい食べたら、ボクも大きくなれるかなー♪」
 初めて、初めて、人間の大きさになった。
 身体が大きいと、あんなに早く走る事が出来るなんて。
 身体が大きいと、あんなに大きく動く事が出来るなんて。
 ほんとに、ほんとに、世界がぜーんぜん違うんだ!
「ふふふ、たーのしかったぁ!」
 くるくると回るティエルは、初めての体験に興奮冷めやらぬ様子で飛び回っていたが。
 ふ、と両頬を抑えてその場で動きを止め、空を見上げてホバリングする。
「あ」
 ぴかぴか輝くこぼれ落ちそうな夜空から、本当にこぼれ落ちた一筋の光。
「流れ星!」
 青空の色の瞳を大きく見開いて、ティエルは流れ星にお願いをひとつ。
「――好き嫌いしないから、早く大きくなれますように♪」
 妖精の姫が成長したからといって、人の大きさまで大きくなれるかどうかは置いておいて。
 ティエルは満足気に微笑んで、またくるくると踊り出す。
 咲き誇るネモフィラの上で、妖精の舞いは今しばらく続くのだ。

 きいらり輝く流れ星を見たのは、ティエルだけでは無い。
 ネモフィラ畑に足を踏み入れたばかりの透は、ぐうるり周りを見渡して。
 帽子を抑えて、ふ、と見上げた透の視界に飛び込んできた、空よりこぼれ落ちる星の筋。
「え、アレが流れ星か? 始めてみた! すげー!」
 願いごとをすれば良いんだっけか、と足を止めた彼女は手を重ねてお祈りポーズ。
 ……願う事は一つ。
 透が面倒を見ている『チビ達』。
 透にとって、大切な大切な家族の事だ。

 チビ達が病気や事故に合いませんように。
 チビ達が幸せに生きられますように。
 透が守る事は当然なのだから、透が守れない部分は星にでもお祈りするしかあるまい。
 んんっ、あっ、でもコレ。
 流れ星が流れ落ちる前に3回お願いしなきゃいけないんだっけ?
 えっ、いや、あっ。
 このままでは星が消えてしまう。

「――チビチビチビ!!」
 透は両手を合わせたまま、最大限に縮めた願いを流れ星に祈り。
「……ん? コレ意味通じるかな?」
 まあいいか、と肩を竦めた透は改めて周りを見渡した。
 青い花弁は海のように風に揺れ。
 空にも、地にも、星がいっぱい。
「……恐ろしい戦いだったけど、こいつは本当にキレイだなー」
 あんな格好は、まあ、……まあ当分は良いけれど。
 家に帰ったら、チビ達にも今日の事を話してやろう。

 くるくると踊る妖精の姿。
 立ち尽くす少女の姿。
 月明かりの下、少女達は一時の平和を噛みしめる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

亀甲・桐葉
七結さん/f00421と

満天の天河に一面の粉蝶花、
瑠璃の空にぽっかり浮かぶ月
いつか観た幻想とは違うけど
星の降る夜は堪らなく綺麗で

……たのしかったな
不謹慎だけど
変なのも、可哀想な子もいたけど
それでもあの『呪い』は
私にひとときの夢をくれた

吹く風が視界に届けてくれるは
蒼い花嵐にくっきり浮かぶあか
あの場でも見た、見知ったひと
――七結さん
呼んでみれば、揺らぐ鴇鼠の波
紫水晶を宿す佳人は、とびきり
蒼の中、うつくしいあかいろで

出張出演、お疲れ様でした
いつか共演したいです、なんて
まるで液晶の先の夢物語、幕引後のアンコール
けどたまにはいいよね
こんな嘘みたいな本当も

もし良かったら
この後一緒に、お茶でもどうですか


蘭・七結
キリハさん/f18587

ほどけてゆく魔法、花びらへと還るあか
出向いた先で、わるい子のおしおき
サクラの彼女を送り届けて、こうして戻ってきたの
あら、まあ。もうおしまい、なのね
ほんのひと時だけど、ステキな夢を見られたわ

揺れるあおいろの中で、繊細な色を見つける
雨に濡れる花の庭に咲いた、無垢なる白色
儚い肢体は、そよいだ風に攫われてしまいそうで

キリハさん。あなたもいらしていたのね
一番の見どころを、逃してしまったようだけれど
とても、ステキな思い出になったわ
ふふ。第二幕に期待をしてみましょう
美しい花を、咲かせてみせるわ

お茶のお誘いならば、喜んで
やすらぎの紅茶と、季節のお菓子を囲んで
アフタートークをしましょうか



●瑠璃色の空
 いつかみた幻想とは違うけれど。
 星の降る夜は、とてもとても美しく綺麗で。
 怖いほど美しい星空の下。
 まあるいまあるい、ぽっかりとした青白い月の光を浴びて、咲き誇る一面の可憐なネモフィラ。
「……たのしかったな」
 青い蝶を肩に留めて。瞳を細めた桐葉は小さく呟いた。
 それは恐ろしい、人を不幸にする『呪い』であった。
 だから、不謹慎かもしれないけれど。
 変なのも、可哀想な子だっていたけれど。
 それでも、それでも。
 あの『呪い』は桐葉にひとときの夢をくれたのだ。
 ざ、と音を立てて。
 ひときわ大きく風が吹いた。
 青の海が揺れ、その奥に、その奥に。
 鴇鼠に宿る、あかい牡丹一花。
「キリハさん、あなたもいらしていたのね」
「――七結さん」
 紫水晶の瞳と視線を交わして。
 挨拶をした七結のあかいろは、青い海の中にとびきり映えるあかいろ。
「出張出演、お疲れ様でした」
「一番の見どころを、逃してしまったようだけれど……。とても、ステキな思い出になったわ」
 桐葉の言葉に、小さく首を傾いで笑む七結。
 ほどけてゆく魔法は、花びらへと還るあかいろ。
 桜色の彼女と見た、ほんの一時の素敵な夢。 
「ええ。……いつか七結さんとも共演できたら嬉しいです」
 それは桐葉の憧れのような、淡い願い。
「ふふ。第二幕に期待をしてみましょうか」
 美しい花を、咲かせてみせるわ、なんて微笑む七結。
 ――ああ。
 まるで液晶の先の夢物語、幕引後のアンコールのようだ。
 胸の奥で揺れる感情に、桐葉はぱちぱちとまつ毛を揺らして。
 ――それでも、たまには良いのであろう。
 こんな、嘘みたいな本当も。
「あの、七結さん。……もし良かったら、この後一緒にお茶でもどうですか?」
 桐葉の問いに、七結は瞳を瞬かせて。
 それは目を離した瞬間に。そよぐ風に攫われてしまいそうだと思ってしまうほど、儚く無垢な白色であった。
「……ふふ」
 少女の願いに瞳の奥を蠱惑に歪めて、七結は頷く。
 ゆれる、あかいろ。
「もちろん、喜んで」
 七結の答えに、桐葉の瞳が喜色に揺れ。
 さあ、さあ。
 満天の星空の下、一面の青の花々。
 甘い花の薫りが煌めくやすらぎの紅茶と、季節のお菓子を用意して。
 楽しい時間のアフタートークと、しましょうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弦月・宵
レイブルおねーさん(f04529)と花畑を散歩!
お喋りしながらのんびりと歩いて、魔法少女の時間が溶けても、
おねーさんの掛けてくれた「カッコいいオレ」の魔法は溶けないって事、
忘れないように噛みしめたいな

すごい!すごい!!
地平線が無いみたい!
この花は、オレの故郷の言葉で瑠璃唐草っていうんだ
…おねーさん?
(触ってもいいかな?って手を握るよ)
産まれた場所で、ヒトの価値は変わると思う?
同じ言葉を話さない子とは仲良くなれない?
オレは、レイブルさんがヒトと同じじゃなきゃいけないとは思わないよ
レイブルさんが憧れるようなヒトだから、一緒に戦いたいし側に居たいんだ
うん。違うけど、同じだね!

花言葉?花言葉って??


レイブル・クライツァ
宵(f05409)さんと散歩

空と花畑が繋がっている様な錯覚だったり
花畑が海のようだと感じたり
この場所は、魔法が続いてるみたいに綺麗ね

瑠璃唐草って、色の名前と、模様の名前だったかしら(花をじっ、と見)
…血潮の通う色は、空気に触れなければこの花達の色の方が近いのよね。
(触ってもの問いに)ええと、だ、大丈夫よ?
急展開過ぎたから、こうしてゆっくり目を休めるのも良いと思うのはズレた感覚なのかも、って
(瞬きして)違う所があるからこそ、知ろうとする事は尊いと思うの。
私が人らしさに拘るのは、染み付いてしまっていたのね

…あの、ね
この花達の花言葉を、宵さんにと思ったのは大丈夫、かしら
(貴女の未来に幸あれと、祈る)



●瑠璃唐草
 地と空が溶けたかのように。
 瑠璃色の空と、一面の青い花弁が繋がっているかのように見える錯覚。
 優しく風に揺れる可憐な花びらは、集まるとまるで真っ青な海にも見えた。
「すごい、すごい! 地平線が無いみたい!」
「ええ、本当。この場所は、魔法が続いてるみたいに綺麗ね」
 普段の服に身を包んだ宵とレイブルは、二人並んで。
 金色の目をまんまるにして、瞳を輝かせていた宵はきゅっと息を呑んで歩き出す。
 『魔法』。
 おねーさんが掛けてくれた『カッコイイ宵』の魔法は、こうやって魔法少女の呪いが解けた今も解ける事は無い。
 そう、それは呪いでは無く、魔法なのだから。
 歩む道のりは、青と青の真ん中。
 整えられた道を踏みしめながら、宵はふと口を開いた。
「この花は、オレの故郷の言葉で瑠璃唐草っていうんだ」
「瑠璃唐草って、色の名前と、模様の名前だったかしら?」
「うん、そうだよ」
「……血潮の通う色は、空気に触れなければこの花達の色の方が近いのよね」
 花を見て小さくつぶやかれたそれは、レイブルのもう性分とも言える推察。
 彼女の言葉を視線で遮るように。
 宵はレイブルを小さく見上げて。
「……おねーさん、――触ってもいいかな?」
 突然の問に、レイブルは黒いヴェールを揺らして瞳をパチクリ。
「ええと、……だ、大丈夫よ?」
 その答えに、宵はレイブルの指先をきゅ、と握りしめた。
 グローブ越しにも感じる、ミレナリィドールの低い体温。
 一瞬息をのんでから。
 宵は再び口を開いた。
「産まれた場所で、ヒトの価値は変わると思う? ……同じ言葉を話さない子とは仲良くなれない?」
 それは、ネモフィラを瑠璃唐草と呼ぶかのように。
 価値観の違い、名前の違うモノへの問いだ。
「え、っと……、急展開過ぎたから、こうしてゆっくり目を休めるのも良いと思うのはズレた感覚なのかも、って思うけれど……?」
「……オレは、レイブルさんがヒトと同じじゃなきゃいけないとは、思わないよ」
 意図を推し量りきれず首を傾ぐレイブルに。
 宵は祈るかのように言葉を紡いで、再びレイブルを見上げて。
「レイブルさんが憧れるようなヒトだから、一緒に戦いたいし側に居たいんだ」
 握った指先に、知らず籠もる力。
 長い睫毛をふさふさと揺らして、レイブルは金の瞳を瞬かせた。
 それは、彼女と同じ色の瞳。
 ああ、彼女は。
 そうか、と。
「ねえ、宵さん。……違う所があるからこそ、知ろうとする事は尊いと思うの」
 交わされる、二人の金色の視線。
「私が人らしさに拘るのは、染み付いてしまっていたのね」
 レイブルは彼女の指先を、握り返す。
「この花の名前はネモフィラ、……でも、宵さんは瑠璃唐草と呼ぶわ。……でも、それは」
「うん。違うけど、――同じだね!」
 安心したかのように、宵がこっくりと頷いて微笑んだ。
 レイブルは、柔らかく、柔らかく瞳を瞑って。
「……あの、ね。……この花達の花言葉を、宵さんにと思ったのは大丈夫、かしら?」
「花言葉? 花言葉って??」
 手を繋いだまま。
 二人はゆっくりと、魔法みたいに美しい花畑の散歩道を二人歩む。
 その身体の作りは違えど。
 ――ああ、貴女の未来に幸あれと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天之涯・夕凪
漸く、戻ることができましたね
長かったような、短かったような…
「魔法少女」なんて、どうなる事かと思いましたが、まぁ、良い経験…だったのでしょうか?(物書きのネタ帳を開き)

やっぱり、そうでもないですかね(閉じ)

昼のネモフィラ畑は見た事がありますが、夜は初めて見ますね
昼は空のようですが、夜は海のよう
ああ、綺麗ですね
此方は執筆に活かせそうかな、と思いながら呟く言葉は、

…骸の海も、こんなに美しい場所なら良いのですが

小日向さんがいらしたらご挨拶を
予知は選べないとはいえ、結構な事件をお当てになられましたね
当たるも八卦、当たらぬも八卦と言いますが、貴女のはよく“当たりそう”です
何れ取材させて下さい、と笑い



●花の海
 ため息一つ、夕凪は一人花畑の真ん中に立っていた。
「……漸く、戻ることができましたね」
 長かったような、短かったような。
 『魔法少女』なんて存在、創作の中ではありふれた題材ではあるが。
 実際自分が魔法少女になってしまう経験なんて、めったに出来るモノでは無いだろう。
「――そう思えば、良い経験……だったのでしょうか……?」
 本業はしがない文筆家。
 文字を書いている、どんな経験が生きるか解らない事がままある。
 もしかすると、このトンチキな経験も何かに活きてくるかもしれない、と夕凪はネタ帳を開き。
「……」
 いや。
「やっぱり、そうでもないですかね……」
 は、とため息混じり。ネタ帳をやっぱり閉じてしまう。
 いやー、やっぱり魔法少女とかは無いですよ、無い。
 なんですかね、クロック・クロックって。
 ふ、と視線を前へと戻せば。行儀よく並んだ、数え切れないほどのネモフィラ。
 空のような色を照り映えさせる昼に比べ、夜はまるで深海のように静かに佇む花弁達。
「……ああ、綺麗ですね」
 此方は執筆に活かせそうかな、と思うと同時に心の奥に過った考え。
 倒した敵達の、還る場所。
 きっといつか、自らも還る場所。
 ――骸の海も、こんなに美しい場所なら良いのですが。
 いつものように、少しだけ困ったように笑う夕凪。

 そこへ、こーん、こん。軽やかに響くぽっくり下駄の音。
「……おや、小日向さん」
「まっ、センセ。恙が無くお過ごしのようで」
 大量の老若男女を魔法少女に誘っておきながらも、彼女はそんな様子一つも見せず。
 狐の耳をピンとたてて、いすゞは小さく会釈一つ。
「――予知は選べないとはいえ、結構な事件をお当てになられましたね」
「いやぁ、センセ達の結構なお点前を見せていただいたっスよォ、ホントにホントにお疲れ様っス」
 くくく、と狐めいた笑みで喉を鳴らして笑う彼女に、夕凪は肩を小さく竦めて。
「ま、ま、ま。予知で無くとも普段から筮は立てさせて貰っているっスから。当てる事はきっと得意なんスよ」
 尾を揺らして首を傾ぐいすゞ。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦と言いますが、貴女のはよく“当たりそう”ですね。……いずれ、機会があれば取材をさせて頂いても良いでしょうか?」
「――それこそ当たるも八卦、当たらぬも八卦、っスよ。……どこかでばったり会った時にでも、是非」
 花畑の真ん中で二人、密やかに二人は笑いあい。
 ゆるゆると吹く風は、青い花の海を揺らしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
★花畑にて
美しい藍の世界ですね…!
初めて訪れました、ネモフィラの花畑。
私、青色に惹かれますのでとても心地よい光景です、ふふ!

■行動
アイテム『たまちゃんお絵描きセット』を取り出し
スケッチブックに花畑の絵を描きながら
(それにしても魔法少女姿はとても楽しかったですね、ふふ!)
花畑の絵にマジカルたまちゃんを描き加える
(あぁ、もっと魔法少女を堪能したかったです、
 きっとこの後マジカルたまちゃんは更なる覚醒をし
 背中に白き翼が生え ※明智の真の姿→羽が生える
 衣装も更にヒップを強調した破廉恥な姿に…!)

美しい景色の中で、マジカルたまちゃんセカンドシーズンを夢見ながら
衣装案を考えるド変態

※アドリブ大歓迎♡



●未来を夢見て
「ああ、ああ、美しい藍の世界ですね……!」
 珠稀の背を震わせる程、美しい光景。
 初めて訪れるネモフィラの花畑は、星明りに青白く照らされて。
 花弁達は可憐に、まるで青い海のように揺れていた。
「――私、青色に惹かれますので……! とても心地よい光景です、ふふ!」
 いつものように変なポーズをキめつつ。
 珠稀は絵筆と絵の具を、愛らしいお道具箱からいそいそと取り出し、スケッチブックと向かい合う。
 夜のネモフィラ畑の見物客は、けして少なくは無く。
 絵を描いているものもちらほら見られ、けして彼の行動はおかしい事は一つも無かった。
 (――それにしても、魔法少女はとても新鮮で、あの衣装も可愛くて、とても楽しかったですね)
 ……ふふ。
 美しき青い花畑を写し取ったそのスケッチブックの中に、ヒラッヒラフワッフワの魔法少女姿の彼が描き加えられている事以外は。
 (――あぁ、……しかし、もっと魔法少女を堪能したかったです。きっとこの後、さらなる覚醒をしたマジカルたまちゃんは背中に白き翼が生え――)
 ネモフィラ畑に立つ、ヒラッヒラフワッフワの魔法少女姿の珠稀の背に白き翼が描き加えられ。
 (衣装も更にヒップを強調した破廉恥な姿に……!)
 形を取っただけだった、スケッチブックの中の彼のヒップがきゅっと強調され。
 まるでベルトで包み込むような際どいデザインに変更される。
 しかしそこは魔法少女、レースとフリルもふんだんにあしらわねばならない。
 いつのまにか熱が入りだした珠稀の、魔法少女デザインがより精密になって行き――。
 花畑はふわふわラフのまま。
 美しき景色の中、珠稀はマジカルたまちゃんセカンドシーズンを夢見ながら、自らのどうかとおもう魔法少女服のデザインを練るのであった。

「……センセ、それ何の絵っスか?」
 そこに通りかかった狐の少女が眉を寄せて。
 ネモフィラ畑……、では無いなこれは。
「……ふふ! マジカルたまちゃんセカンドシーズンですよ!」
 いつの間にか、オープニングカットのイラストになっていたスケッチブックを、珠稀はぴかぴか笑顔でいすゞに見せてくれる。
 だいぶキワキワデザインの魔法少女服を纏った珠稀が、カッコイイポーズを取っているイラスト。
 最早背景はネモフィラ畑ですら無くなっていた。
「……それはなんと、マー、上手っスねェ」
「そうでしょう?」

 そりゃあ、もう。
 センセ達は普段から魔法少女になりたいと思っているのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千桜・エリシャ
【花の涯】のお客様達と焼き肉へ

花より団子もたまにはいいかしら
仕事終わりの打ち上げですわね
いつもはおもてなしする側ですから
こうして皆さんとお食事というのも新鮮ですわね
とりあえずお肉!お肉ですわ!
せっかくですから全種類頼みましょう!
私お肉大好きですの
自分も食べつつ焼いては皆さんのお皿へひょいひょいと
ふふ、いっぱい食べてくださいまし?
そうですわね、魔法少女なんて次はいつなれるかわかりませんもの
あら、パームさんもとっても可愛かったですわ
記念撮影をしておけばよかったですわね…

そういえばカイトさん…焼き肉だけ食べに来ましたの?
…その口ぶり…もしかして
やっぱりグレイバードさんがカイトさんだったのではなくて?


奇鳥・カイト
【花の涯】
夢なんざ起きたら霧のように霧散するわ
過去の事、だから忘れ行くもんだ

焼肉屋に来たことがねぇし
こんなに肉を食べる機会もなかったから滅茶苦茶がっつく予定
素直ではないので、ぶっきらぼうに答えつつそれなりに褒めます

ま、旅館で飯食えるし、出掛ける必要ねーしな
俺もそんな経験はないし
ま、今日は──そんなに悪くねェ

別に俺の事知っても面白くねェと思うんだがな…
ほれ、肉食わねェと全部食うぞ

ヒラヒラしてて…
……へいへい、2人とも可愛かったっての
俺はもうゴメンだがな

…あれだよ、便所だ。途中まで行って腹壊したんだよ
誰だよグレイバードって、なんだその愉快な名前
俺が鳥好きだからってそりゃ安直すぎンだろ

アドリブ歓迎


パーム・アンテルシオ
【花の涯】
夢を見る時は、おしまい、だね。
起きて見る夢は…短いね。なんて。

行きつけの宿の女将さんと、
友達の奇鳥と。焼肉屋さんに行くよ。

皆で一緒に御飯。ふふふ。いいよね、こういうの。
思えば、こうして一緒にお出かけするなんて、初めてだなぁ。
灯台下暗し。近いと思ってる人ほど、知らなかったりする。って事かな。
ふふ。せっかくだし、二人のこと。色々見せて貰おうかな。

それにしても…あの衣装。ここだけの服だなんて、ちょっと勿体無いよね。
女将さんも、そう思わない?ふふふ。あの時の衣装、似合ってたよ。

ところで、奇鳥はどこにいたの?
ここに居るって事は、依頼に来てたんだよね?
それってもしかして…ふふふ。

【アドリブ歓迎】



●じゅうじゅうお肉
 「花より団子もたまにはいいかしら?」
 エリシャはエンパイアに存在する、旅館『花の涯』の女将である。
 今日の仕事中に見かけた、見知った顔。お客様。
 そういう訳で、仕事終わりの打ち上げを一緒にどうかと焼肉屋で合流したのであった。

「とりあえずお肉! お肉ですわ! 折角ですから、全種類頼みましょう!」
 いつもならば、女将としておもてなしする側のエリシャは、こうしてお客様の皆と食事というのも新鮮だ。
「私、お肉大好きですの!」
 こんな破天荒な注文も普段ならしないのだが、今日は打ち上げなのだから。
 沢山沢山食べてしまおう!
「ふふふ、いいね、楽しそう。ぜーんぶ、頼んじゃお」
 パームは口元を隠して、上品に笑ってから。脂避けのエプロンを身に着けて、小さく首を傾げた。
「思えば、こうして一緒にお出かけするなんて、初めてだなぁ」
 パームの呟く声音。
 そもそもお出かけどころか初めて焼肉屋に来るカイトは、運ばれてくる肉に興味津々。
 こんなに肉を食べる機会、食べて良い機会だってこれまで無かったのだ。
 エリシャが焼き始めた肉から視線を外さず、小さく頷いて。
「ま、旅館で飯食えるし、出掛ける必要ねーしな」
 カイトは、ぶっきらぼうに言い放つ。
 俺もそんな経験はないし、とタレを皿にだぶだぶに注いでいる。
 待ちきれない様子でキャベツをタレにつけて齧る。
 カイトはわくわくしてしまっている行動に、自分自身でも気づく事無く。
「灯台下暗し。近いと思ってる人ほど、知らなかったりする。って事かな?」
 エリシャに取り分けて貰ったサラダに手をつけながら、パームはぱちぱち、と瞳を瞬かせて。
「ふふ、なら今日はいっぱい食べていっぱいお話をして、知って行ってくださいまし?」
 良い焼き加減になった肉を、おもてなしをしなくとも良い日だと言うのに、いつもの女将テクで皆の取り皿の上にドンドン仕分けて行くエリシャ。
 もうこれは彼女に染み付いてしまった性分であろう。
「ふふ。じゃあせっかくだし、二人のこと。色々見せて貰おうかな」
 取り皿の上に乗せられたお肉に、いただきますとパームは改めて手を合わせる。
 まずは塩タン。
 レモンを絞って一口。
 しゃくしゃくとしたお肉の食感が心地よくも面白い。
 じゅわっと広がる美味しい味。
「……別に俺の事知っても面白くねェと思うんだがな……。ほれ、肉食わねェと全部食うぞ」
 ぶっきらぼうに言い放ち。
 塩タン、塩ハラミ、塩ロース。
 どんどん口へと、肉を運ぶカイト。
「もう。取り分けて貰ってるのに、そんなにガッつかなくても大丈夫だよ?」
「ふふふ、追加のお肉もすぐ来ますわ」
 そんな彼の照れ隠しに、二人は擽ったそうに笑って瞳を細め。
 骨付きカルビの骨を取り外しながら、ふ、とパームが顔を上げた。
「それにしても…あの衣装。ここだけの服だなんて、ちょっと勿体無いよね」
 『呪い』が解けて、解け消えてしまった魔法少女の衣装。
 呪いの象徴たる服ではあるが、愛らしくて可愛かったのだ。
 パームは自らの尾をふかふかと揺らしながら、横の皿へと骨を置いて。
「女将さんも、そう思わない?」
「そうですわね、魔法少女なんて次はいつなれるかわかりませんもの」
 綺麗な箸使いで口へロースを運んでいたエリシャが、唇を掌で隠してこっくりと頷いた。
「ふふふ。女将さんもあの時の衣装、似合ってたもんね」
「あら、パームさんもとっても可愛かったですわ。そう思いますと……記念撮影をしておけばよかったですわね……」
 もったいない事をした、と笑い合う二人。
 その会話を聞きながら、明らかに怪訝な表情を浮かべるカイト。
「あんなヒラヒラした服……」
「ヒラヒラしてるから、いいんだよ」
「そうですわ、普段は着ない可愛い服を着れる折角の機会だったのですもの」
「……へいへい、2人とも可愛かったっての」
 二人の剣幕に、眉を寄せたまま。
 小声で俺はもうゴメンだがな、と付け加えるカイト。
 はた、とパームとエリシャが顔を見合わせて。
「ところで、奇鳥はどこにいたの? ここに居るって事は、依頼に来てたんだよね……?」
「そういえばそうですわ。カイトさん……、焼き肉だけ食べに来ましたの?」
「………あれだよ、便所だ。途中まで行って腹壊したんだよ」
 肉を齧りながら、さっと二人の追求から目線を反らすカイト。
 きょとん、とエリシャとパームはカイトを見つめて。
 テーブルに訪れる一瞬の静寂。
 じりじり。
 周りの喧騒と肉の焼ける音だけがひどく耳に響き――。
「それって、もしかして……」
 その沈黙を破ったのは、トックスープを口にするパームの可愛らしい声音だった。
「……その口ぶり、……もしかして。やっぱりグレイバードさんがカイトさんだったのではなくて?」
 お肉をカイトの取り皿に入れながら。パームの言葉を次いで、エリシャが確信を付いた。
「……」
 カイトは、普段通りの表情を務め。平静に、冷静に。
 赤い瞳をできるだけ彼女達より反らさぬように。
 喉をお茶で潤してから、カイトはゆっくりと口を開いた。
「……誰だよ、グレイバードって。なんだその愉快な名前」
 焼き立ての肉を口に運ぶ。
 アッ、熱い。
 あち、と一度口につけた肉を離してから、ふう、ふうと吹き。
 やけどしたのか、すこし唇がヒリヒリする。
「俺が鳥好きだからってそりゃ安直すぎンだろ?」
 言い切る、言い切ったカイト。
 お茶をもう一口啜ってちょっと零した。
 無言で拭く。
「そう、……ふふふ」
「……まあ、まあ。そうですわよね、ふふ。グレイバードさんがカイトさんなんて事ありえませんわよね」
 彼女たちの声音がどこか優しくなったような気がしたが、きっと気の所為であろう。
 カイトは肉を食べる。
 肉を食べる。
「肉、もっと追加頼む」
「はいはい」
 エリシャが店員に手を上げて、更に追加注文を重ね。

 ――夢を見る時間はもう、終わり。
 起きたら忘れる夢なんて、過去の事なのだから。

 それでも、それでも。
 仲間たちと食事を囲む今日は、そんなに悪くはないのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

勾月・ククリ
【相席】のそばの席
知り合いを見つけて声をかけ近寄る
2人のそばの席に座ってキラキラ笑顔
2人ともおっつかれ~!!
わぁいお肉だお肉だ~~!!

あれ、どうしたの?2人ともそんな顔しちゃって
あっそうそうさっきの、事務所で見てたよ~!!
2人ともすごく可愛かった!!

ねぇねぇあんなセリフ、いつ考えてたの?
わたしにも教えてくれたらよかったのに~!!!
今度一緒に魔法少女ごっこする!?
どうかな、楽しそうだとおもわない!?

よ~しそれじゃあお肉お肉……
あれ、野菜しかないな、おかしいな……
焼肉ってもっとこう、わいわいシェアして食べるものじゃ……?

アッ熱っっ
べりるちゃんそれは人に押し付けるものじゃ 熱ッ!!


星鏡・べりる
【相席】
(必死で機械鏡を操作している)
(録画機能は組織からの監視機能なので持ち主であるべりるにも操作する権限がない)
…………はぁ~~~

どうしようもないことは、どうしようもないか
気持ちを切替て肉を食べよう、無言で黙々と肉をね

案内されたテーブルで眼鏡の持ってる知らない人と一緒になってしまった
目を合わせないようにしなきゃ、私達は他人だから

メニューの上から高いの10種類持ってきてください
なんだかレバーを差し入れられたけど、頂いておこうかな
他人から受けた親切は大事にしなきゃね

もしさっきの出来事に触れる奴がいたら、この熱々のトングを押し付ける事故が発生するかもしれない


蜂月・玻璃也
【相席】の傍の席

あの…ふたりともおつ、かれ…

さま、まで言う前に、重苦しい空気に黙殺される
先に席をとっておき、過酷な任務を成功させた部下たちを労う…
つもりだったんだが、当の部下はただならぬオーラを纏い近くのテーブルへ座った

当然、べりるの鏡から送られた映像は上司である俺にも届いている
俺は何も悪いことはしていないはずだが、一言でも発しようものなら間違いなく命はないだろう
テーブルの上のドリンクメニューを、用もないのに背中を丸めて見つめるている

あ、おいククリ!
やめなさいククリ!俺の肉食べていいから…ああ!
止められなかった…俺はなんて無力なんだ
あ…肉が焦げてる…
ハハ…おかしいな…真っ黒なのに味がしないや…


花剣・耀子
【相席】
焼肉よ。もう焼肉しかないわ。
焼肉を食べましょう。

焼肉食べ放題でテーブル席。
斜め端になるように着席。
目を合わせない。他人よ。

タレと油を頂戴。
ロースとカルビとハラミとホルモンと豚トロ、
あとチャンジャとキムチ盛り合わせとナムルとおこめ。
斜向かいのヒトは知らないヒトだけど出血が酷かったし、
レバーを山盛りにしたお皿を差し入れてあげるわ。
こちらのお客様からです。

他人なので各々焼いて自分で食べます。無言。

めちゃめちゃ親しげに話しかけてくる子がいるけれど知らない子ね……。
悪気がないのは判るのよ。ええ。
焦げた玉ねぎや添えてあるパセリと焼けたお肉を入れ替えるわ。
上司っぽいヒトはちゃんと監督しておいて頂戴。



●相席
 香ばしく肉の焼ける濃厚な匂い。
 白煙をあげるロースターの前で鏡とにらめっこするべりるは、翠玉の瞳に挑むような慍色を湛えていた。
「……はぁ~~……」
 本日何度目かも分からぬ嘆声を洩らして。彼女は柔らかな髪を跳ね毛を揺らしながら、左右に小さく首を振る。
 この機械鏡はべりるの思考とリンクして動作する、彼女の為の武器である。
 そして同時に『組織』が戦闘を監視する為のシステムでもあった。
 そのデータを削除する権限は、持ち主である彼女にも与えられていない。
 ――つまり本日の一連の出来事はバッチリ保存、及び……なんなら既に再生すら行われているかもしれないが、べりるにはそのデータをどうにかする権限が無いという事である。
「……どうしようも無い事は、どうしようもないかあ……」
 機械鏡を椅子の上を横に安置すると、艶かしく並ぶ肉達へと視線を戻す。
 その際にも、斜向かいへと視線を向けたりは決してしない。
 だってたまたま相席となったしまった、知らない人が座っているし。

 そう、べりるの斜向いに座る少女の前には。
 ロースにカルビ、ハラミとホルモン。豚とろに、キムチ盛り合わせにチャンジャ。
 ナムルに、こんもりと漫画のように注がれた白米。
 黙々とロースターで肉を焼いては、口へと運ぶ。
 冴え冴えと揺らぐ蒼い瞳が、けして斜向いには向けられる事は無い。
 だって知らない人だし、相席と成ってしまったとは言えあまりジロジロと見るものでも無いだろう。
 あ、でも、知らない人ですけれど。斜向かいの知らない人は出血が酷かったし、耀子は山盛りのレバーが乗った皿を無言で差し出した。

 あちらのお客様から、滑ってきたレバーを無言でキャッチ。
 まあ知らない人だけれど、貰えるものは貰っておこう。
 他人から受けた親切は大切にしておいたほうが良い。
 べりるも半分あけられた網の上に、レバーを含めて肉を並べだす。

 そう、彼女達は決して知り合いではないし、他人なので同じ網を共有していてもその陣地はしっかりと分かれていた。
 彼女たちがそれぞれ別々に注文した肉を、各々自分で焼いては無言で口へと運ぶ事でこの、どこか危うい空間は保たれている。
 ロースは濃厚な脂、柔らかな甘味が口の中で弾け。
 カルビはしっかりとした旨味に支えられた赤身に深いコク。脂もしっかりと乗ったバランスの良い味わい。
 彼女たちにはもう、今は焼肉しか無かった。
 焼肉を食べるほか、無かったのだ。

「――……あの、ふたりとも、おつ、か」
「……」「……」

 重苦しい空気の中。
 彼女達の横のテーブルにちょこんと座った、蜂月・玻璃也(Bubblegum・f14366)がやっとの事で言葉を絞り出そうとして、同時にべりると耀子から睨めつけられ。やっぱり言葉を噛み潰した。
 ぴゃっと視線を反らすとただただ香ばしい煙漂う店内の、壁と壁のぶつかる角の辺りを見つめるくらいしか無くなってしまった。
 ……べりるの機械鏡から送られてきた映像は、彼女たちの上司である玻璃也の元へともバッチリ届いていた。
 そう、だからこそ彼はこの店に現れたのだ。
 そもそも玻璃也がこの店へと現れた事自体、彼女たちの労いの為であったのに。
 過酷な任務を成功させた彼女たちの、労いの為に来た筈であったのに。

 肉の焼ける良い香り。
 注文をするタイミングを完全に失った彼の前の網には、何も置かれる事も無いまま。ただただ空焼きをされている。
 剣呑な雰囲気とはこういう雰囲気を指すのであろう。
 玻璃也自身何も悪いことはしていないのだが、言葉を何か発しようものならば彼女達が今にも襲いかかって来そうな雰囲気。
 剣山の上を、歩かされるかのような緊張感。
 玻璃也は藁にも縋るような気持ちで、未だ現れぬ同行すると言ってきかなかった部下が早くこの場に現れてくれる事だけを祈っていた。
 もしかしたら、もしかしたら。彼女ならばこの雰囲気をどうにかしてくれるかもしれない。
 背中を丸めて身体を小さく小さくして。玻璃也がもう何百回視線でなぞったかも分からぬドリンクメニューを再び見た。ああ、もはや上から順番に空で言えてしまいそうだ。
「「あっ、二人ともおっつかれ~!!」
 ――そこへ響いた、明るい声音。
 ぱっと振り向いた玻璃也の顔には、安堵が浮かぶ。
「わぁい、お肉、お肉だ~~! えーっ、しつちょー、お肉頼んでないの? もう、来るのが解ってるんだから頼んでおいてよ~~!」
「あ、ククリ……!」
 弾む玻璃也の声音。向こうより歩いてきた勾月・ククリ(Eclipse・f12821)へと手を振って。
「……あれ、どうしたの? 二人ともそんな顔しちゃって……あっ、そうそう! さっきの事務所で皆で見てたよ~!! 二人共すーーっごく可愛かった!」
「ばっ……」
 あっ、縋るモノを完全にミスった。人選ミスってやつだ。
 ぴっかぴかの笑顔で話しだしたククリに、手を振った体勢のまま固まった玻璃也の表情は一瞬で色を失う。
 いや、もともと白黒みたいな顔してますけれど。
「あっ……ククリ、やめ」「ねぇねぇあんなセリフ、いつ考えてたの? 考えるならわたしにも教えてくれたらよかったのに~!!!」
 玻璃也の制止の上からかぶせるように、ククリは言葉を紡ぎ続ける。
 能面みたいな顔を、べりると耀子はククリへと向けて。
「そうそう、今度一緒に魔法少女ごっこしない? 二人のセリフを聞いていたらわたしも考えてみるの楽しそうだなあって! あ、その焼けたお肉もらっていい? あーん」
 その瞬間手が滑ったべりるの握った熱々のトングが、ククリの頬へと押し当てられる。
「アッ熱っっ、エッ!? べりるちゃんそれは人に押し付けるものじゃ……熱ッ!! 苦ッ!?」
 知らない人がなんか親しげに話しかけて来たので、べりるはなんか怖かったので手が滑ってアツアツに焼けたトングを思わず押し付けたけれど、これは事故だったし何なら正当防衛だとべりるは思う事にしたし。
 知らない人がなんか親しげに話しかけて肉をねだって来たので、耀子はなんか怖いけれど焦げた玉ねぎにパセリを添えて口へと押し込んであげる事にした。
 パセリは解毒効果があるので、焦げた玉ねぎと食べる事は科学的に相応しいと思ったので、とても良い事をしたと耀子は思った。
 彼女が悪気のない事は、理解出来る。
 理解は出来るが、我慢できるかは別である。
「……誰だか知らないけれど、上司っぽいヒトはちゃんと監督しておいて頂戴」
「あ……あの、……えっと……すみません……」
 耀子に冷え切った青い視線で睨めつけられて、上司である玻璃也は思わず謝る。
 まだ彼はここに来て水以外のモノを口にしていない。
「????? なんで? べりるちゃん?????? よーこちゃん???????」
 お友達達の蛮行に、ククリは混乱するばかり。
 でも大丈夫。
 それでも、みんなずーっとわたしの友達だもんね!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎
服装が戻った!これで心置きなく焼き肉を楽しめ…フレズ、ぱんちらは忘れよ?ご飯食べるのに差し支えが出る光景だったでしょ?ね??(真剣極まりない顔)

気が付けばてきぱき並べて貰ったお肉と野菜に思わず拍手。流石は櫻宵、気配り力が高い…!あーんし合うなら空気を読んで自分とフレズの目を塞ぐから、大丈夫だよ?(ふふり)
お言葉に甘えて遠慮なく詰め込んでいくけど、肉は幸福成分いっぱい出るらしいからみんなもどんどん食べよ!
フレズは残念…いや、緻密な野菜の並べ焼き方が熟練で凄いけど!豚汁みたいな、肉の旨味が出てるモノとか、ああ、海鮮類もイイよね…り、リル。言わなきゃ気付かなかったのに…!


誘名・櫻宵
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

あーん!夢の時間もお終いよ!
楽しかったわ
戦い抜いたご褒美
打ち上げ焼肉パーティーよー!
あたしの奢りだから遠慮なく食べて頂戴ね!

あたしレディーだから、焼肉だーいすきなの!
カルビにロース、ハラミにタンに……どんどん焼いて、それぞれのお皿に取り分ける
ヴォルフ、ほらほらどんどんガンガンたべて!若いんだから!
リルは柔らかいのがいいかしら?霜降りの高級なやつをあげるわ
あとでアーンしてあげる!
フレズ!あらやだお野菜しか食べてな…あ、お肉食べられないのね
じゃ海鮮にしましょ!

うーん!美味しいわ!
大盛りな肉を平らげ幸せ笑顔
お肉追加よ!
皆の笑顔に美味しいご飯は幸せの味
やっぱりこうでなきゃ!


フレズローゼ・クォレクロニカ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

やっきにくー!
笑顔なのはいい事さ!ボクはそんな笑顔を描きたいんだ
ボクら魔法少女はいい仕事をしたよー!
……キミたちのパンチラと勇姿はけして忘れない!

焼けていくお肉とルンルンはしゃぐ櫻宵を見ながら少し唇を尖らせる
ボクはお肉は食べられない…
だからお野菜をたくさん食べるんだ!
玉ねぎ、キャベツ、トウモロコシ、椎茸
人参……エンドレス

ヴォルフガングくん
ナイト様はたくさん食べなきゃ!
さすが櫻宵、リルくんは特別なんだ!
……あーんするならボク、その光景描くから。はやくして
海鮮?イカも海老も好き!海鮮を食べるって手があった

美味しくて笑顔になる
楽しくて笑顔になる
これが
魔法少女の笑顔の魔法!


リル・ルリ
🌸🐟🐺🐰
アドリブ歓迎

おにく、お肉だ
皆でがんばったから、ご褒美だね
嬉しいな
尾鰭をはたはた、ジュウジュウ焼けるお肉にきらきら
櫻宵はお肉が大好きだもんね
生き生きしてる
焼ける肉より櫻宵を見る

ヴォルフガングもお肉、すき?
食べっぷりが気持ちいいね!たくさん、動いていたもんね
うん、僕は
柔らかいのがいい
しもふり、はいいお肉なの?じゃあ皆で食べようよ
……あーん、は。あと!は、はずかしいだろ……
フレズ、いかやエビ、は食べれる?僕、とってあげる
……僕は海鮮じゃないからね

魔法少女もいいけれど
たくさんたべて、にこにこしてる君の方がずっといいな、なんて
笑顔が1番の魔法だよ

あ、僕ももっと、たべる
櫻、柔らかいのとって



●まほう
「夢の時間もお終いよ!」
 胸の前できゅっと両拳を合わせて、櫻宵はどこか芝居がかった可愛いポーズ。
「でも、楽しかったわね! 戦い抜いたご褒美は焼肉打ち上げパーティーよ!」
 そのまま両腕を大きく広げてぴっかぴかに微笑んだ彼は、架空の1カメの辺りを意識して滑らかなウィンクを。
「ふふ、今日はあたしの奢りだから遠慮なく食べて頂戴ね!」
「やっきにくー!」「おにく、お肉だ!」
 彼の一連の可愛い動作が終わるまで待っていたフレズローゼとリルが同時に歓声を上げ、こちらもぴっかぴかの笑顔だ。
「がんばった、ご褒美だね。嬉しいな」
 リルがうきうきと櫻宵の横で微笑み、フレズローゼがぴしっと立ち上がる。
「うんうん、笑顔なのはいい事さ! ボクはそんな笑顔を描きたいんだ!」
 フレズローゼがお箸を鉛筆のように構える様は、まるでモチーフを測って蜂蜜色の瞳の奥に焼き付けるかの様。垂れた兎の耳を揺らして、彼女は大きく頷いた。
「ボクら魔法少女はいい仕事をしたよー! ……キミたちのパンチラと勇姿はけして忘れない!」
「………フレズ、ぱんちらは忘れよ?」
 一瞬で真顔になったヴォルフガングがふるふると首を振る。
 だってあれ、今からご飯を食べるにはあまりに差し支えのある光景だったでしょう? ねえ?
 お茶の間だって困っちゃう映像ですよ?
「しかしヴォルフガングくん、君はあの光景がすぐに忘れられるのかい?」
「うっ、そ、れは……」
 まんまるな瞳でフレズローゼに見つめられ、尋ねられればヴォルフガングは言葉に詰まり。
 そんな二人の会話をまるっと聞き流した櫻宵が、網の上へと手早く肉を並べてゆく。
「あたしってば、なんたってレディーだから。焼肉だーいすきなのよね!」
「櫻宵は本当に、お肉が大好きだもんね」
 行儀よく腰掛けた尾鰭の先がはたはたと揺れるリルは、香ばしい匂いを立ち上らせる肉……では無く、生き生きと輝く櫻宵を瞳を細めて見守る。
「リルは柔らかいのがいいかしら? 霜降りのいっとう高級なやつをあげるわね」
「うん、……しもふり、はいいお肉なの? じゃあ皆で食べようよ」
「まあ、なんて心優しい王子様なの? ご褒美にあとでアーンしてあげるわ!」
 櫻宵とリルがイチャイチャする横で、丁寧にお野菜を網に並べていたフレズローゼが顔を上げ。
「さすが櫻宵、リルくんは特別なんだ! それはそうと、あーんするならはやくして。ボク、その光景描くから。急いで」
「あ、あーんし合うなら空気を読んで自分とフレズの目を塞ぐから、大丈夫だよ?」
 ヴォルフガングが大きな尾をゆっさりと揺らして、まかせてって表情をした。
 それに慌てたのは人魚の王子様だ。
「……あーん、は。あと! は、はずかしいだろ……」
「ふふ、そうね。あとで、ね」
「してもらう事は、してもらうんだ?」
「あっ……」
 小さく笑ったヴォルフガングの指摘に、リルは頬を覆って、また尾鰭をぴるぴると揺らす。
 テキパキと
 そこではた、と気がつけば。
 取り皿の上にお肉を取り分けてくれた上で、更に網の上で綺麗にならんでいるお肉とお野菜達。
「ああ、でも、流石は櫻宵! 気配り力が高いね。フレズも緻密な野菜の並べ焼き方が熟練の業って感じだ」
 有る種の芸術を感じて、思わず小さな拍手を贈るヴォルフガング。
「まあお上手ね。でもヴォルフ、全然食べて無いじゃないの。ほらほらどんどんガンガンたべて! 若いんだから!」
「そうそう、ナイト様はたくさん食べなきゃね!」
 褒められた櫻宵とフレズローゼが照れ隠しなのか、それともお母さん力なのか。
 どんどん焼き上がった肉をヴォルフガングの取り皿の上に積み上げて行く。
 肉が積み上がる横で、どんどん網に補給してゆく様はやっぱり芸術かもしれない。
「あ、ありがと! ……でも、肉は幸福成分いっぱい出るらしいからみんなもどんどん食べよ?」
 積み上げられれば、食べねばならぬ。
 肉を口いっぱい頬張れば、狼男の口の中に広がる濃厚な旨味。
 うんうん、肉はやっぱり美味しい。でも別段ヴォルフガングは若くはない。
「ヴォルフガングもお肉、すき?」
 リルが首を傾ぎ、青い瞳を揺らがせて。こっくり頷いたヴォルフガング。
「豚汁みたいな、肉の旨味が出てるモノとかは好きだな。ああ、海鮮類もイイよねえ」
 へにゃ、と稚気に富んだ笑みを浮かべた彼に、リルも応えるように、柔い笑みを浮かべ。
「そう、だよね。食べっぷりが気持ちいいもんね! それにたくさん、動いていたもんね」
 下着を見せて沢山蹴りやジャンプをしていた彼を思い返すリル。
 同時に下着を沢山見せて蹴りをジャンプしていた事を思い出すヴォルフガング。
「……り、リル……。言わなきゃ忘れてたのに……!」
「……むー」
 なんだか皆が嬉しそうで、少しだけフレズローゼは唇を尖らせ、自らの前に積み上げた野菜にタレをつけて齧る。
 玉ねぎも、キャベツも、トウモロコシも、甘くてしゃくしゃく。
 椎茸は口の中でじゅわっと出汁が広がるし、人参はさくっとあまーい。
 美味しいけれど、美味しいけれど。
 一番最初に彼女の皿の中身に気が付いたのは、櫻宵であった。
「あらやだ、フレズ!お野菜しか食べてないじゃないの!」
「ボク、お肉は食べられないんだ……」
 櫻宵とヴォルフガングは顔を見合わせて、瞬きをひとつ、ふたつ。
「……あら、お肉が食べられなかったのね……」
「そうなんだ、それはちょっと残念だね」
 二人の言葉に頷いて。悔しまぎれか、まるでモザイクタイルのように丁寧に野菜を並べだすフレズローゼ。網の上だってボクのキャンパスなんだ!
「えっ、なにその技!?」
 ヴォルフガングが驚きの声を零す横で、リルがすっかり忘れられていた海鮮の皿からエビを持ち上げて。
「ねえ、フレズ。いかやエビ、は食べれる?」
 驚いたように口を押さえたフレズローゼが、瞳を瞬かせた。
「あっ、海鮮? イカも海老も好き! そっか! 海鮮を食べるって手があったね!」
「よかった、僕、とってあげるね」
「まあ! じゃ海鮮も、もっと頼んじゃいましょ!」
 甲斐甲斐しく網へと海鮮を並べだしたリルと、店員へと声をかける櫻宵。
「あ、でも……僕は海鮮じゃないから、ね?」
 少しだけ声を潜めたリルは、一応念を押すように注意深く皆に言い含めた。
 じゅうじゅう、焼けるお肉の音。
 楽しいお話。
 幸せな時間。

 美味しくて笑顔になる。
 楽しくて、笑顔になる。
 これも魔法少女の笑顔の魔法、なのかもしれない。

「櫻、柔らかいのもっととって?」
「ええ、リィ、はい、あーん」
「……、……あーん」

 あと、愛の力だって魔法、なのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●月明かり、花の海
 一面の青。
 空の星々と、地の青が丘の上で重なり合い。
 今にも零れ落ちそうなほど丸い月が二人を見下ろしている。
 宵の底で並び座る二人は、遠く空と地を臨み。
 柔らかに吹く夜風が、花世と由紀を撫でた。
 やわく拐われる紅色の髪。
 花世は膝を抱えたまま、憂いを帯びた桃瞳を華に揺らし。
「――……魔法がいずれ解けることなんて、最初からわかってた、けど」
 指先で撫でる青の花弁、俯けた視線は地に落ち。
 顔馳せにも淡く寂寥が滲む、その声音。
「もう暫くは逢えないんだね、キャットブ」「暫くどころか、もう会うことはないよ」
 花世に視線を向ける事も無く、景色に視線を向けたまま。
 食い気味に言葉を被せた由紀からは、キャットブルーという言葉を言い切らせぬ意志を感じる。
 完全にくたびれきった彼の表情は、割と前に死にたての魚みたいな目をしていた。
 掌を、ひらいて、とじて。ぐっ、ぱっ。
 もう、由紀はキャットブルーでは無い。
 呪いも無事解けて、元の自分に帰って来れたのだ。
 もうあんなモノになってたまるか。
「えっそんな……、わたしはまた逢いたいよ?」
 猛烈な勢い由紀の却下に、頬をぷうと膨らせた花世。
「だって、すごく楽しかったんだ。……確かに笑えたけど、それだけじゃなくて」
 頬の空気を抜いて、重ねる言葉。
 睫毛を伏せると、柔く揺れる。
「――きみが、わたしの隣にいてくれたから」
 滲むは、淡い寂寥。消え入りそうな程、小さな声。
「誘って正解だったと思うんだけどなあ……」
 喉を鳴らして息を呑んで。
「由紀がまた遊んでくれるなら、――ブルーじゃなくても、いいよ」
 零れ落ちた、ちいさなわがまま。
 そうして彼女は、そうと首を傾いで、由紀の様子を窺い。
 粛々と耳を傾けていた由紀は、碧落の視線を彼女へと向ける。
「――良いこと言ってる風だけど、知ってて呼んだ事実は変わらないからね」
 再び由紀の視線は、花の海へと向かう。
 揺れる花々、まあるい月。
 緘黙と噤んだ唇に、風の音だけが二人を包みこむ。
「……、――ブルーじゃないなら、考えなくもないよ」
 素っ気無い言葉に、花世はぱっと瞳に星を宿して。
 花蕾が綻ぶように、笑み栄える顔馳せ。

 ――覗き込んだ由紀の瞳の色は、ネモフィラの花の色。
 星の光を映した、碧落の色。

 空の色を飲み込んで、星の色を飲み込んで。
 揺れる、揺れる、青い花。
 今宵の狂乱などすべて、なあんにも無かったかのように。
 しずかに、しずかに。
 花々は揺れていた。
鹿忍・由紀
花世(f11024)と

くたびれたように腰を下ろして
元通りの自分を確かめるように
改めて掌をひらいて、とじて
気が抜けたように遠い目で景色を眺める

暫くどころか、もう会うことはないよ
花世を見ることもなくキャットブルーという言葉を
聞きたくもないと言わんばかりに食い気味に却下
思い出して濁る瞳

黙って話を聞きながら
隣にいてくれたから、と言う花世へ
ゆっくりと視線を向ける
彼女の表情をぼんやりと見て
――良いこと言ってる風だけど
知ってて呼んだ事実は変わらないからね
平坦な声、言ったあと視線は景色は戻して

静かな時間
少し間を置いて

ブルーじゃないなら、考えなくもないよ
視線は景色に向いたまま
濁りは消えて、澄み渡る景色を映す瞳


境・花世
由紀(f05760)と

並んで腰下ろす宵の底
揺れる花びらを指先で撫でながら、
膝を抱えてどこか切なげに呟く

魔法がいずれ解けることなんて
最初からわかってた、けど
もう暫くは逢えないんだね、キャットブルー……
えっそんな、また逢いたいよ
容赦ない却下に頬膨らませ

だってすごく楽しかったんだ
確かに笑えたけど、それだけじゃなくて
――きみが、わたしの隣にいてくれたから

誘って正解だったと思うんだけどなあ
そっと首を傾げて隣を窺い、
ほろりと零すのはちいさな我儘

由紀がまた遊んでくれるなら、
ブルーじゃなくても、いいよ

素っ気ない返事にぱっと笑って
ひそり見上げるきみの眼差しは
花とおんなじ、星の清かな光を映す青



●月明かり、花の海
 一面の青。
 空の星々と、地の青が丘の上で重なり合い。
 今にも零れ落ちそうなほど丸い月が二人を見下ろしている。
 宵の底で並び座る二人は、遠く空と地を臨み。
 柔らかに吹く夜風が、花世と由紀を撫でた。
 やわく拐われる紅色の髪。
 花世は膝を抱えたまま、憂いを帯びた桃瞳を華に揺らし。
「――……魔法がいずれ解けることなんて、最初からわかってた、けど」
 指先で撫でる青の花弁、俯けた視線は地に落ち。
 顔馳せにも淡く寂寥が滲む、その声音。
「もう暫くは逢えないんだね、キャットブ」「暫くどころか、もう会うことはないよ」
 花世に視線を向ける事も無く、景色に視線を向けたまま。
 食い気味に言葉を被せた由紀からは、キャットブルーという言葉を言い切らせぬ意志を感じる。
 完全にくたびれきった彼の表情は、割と前に死にたての魚みたいな目をしていた。
 掌を、ひらいて、とじて。ぐっ、ぱっ。
 もう、由紀はキャットブルーでは無い。
 呪いも無事解けて、元の自分に帰って来れたのだ。
 もうあんなモノになってたまるか。
「えっそんな……、わたしはまた逢いたいよ?」
 猛烈な勢い由紀の却下に、頬をぷうと膨らせた花世。
「だって、すごく楽しかったんだ。……確かに笑えたけど、それだけじゃなくて」
 頬の空気を抜いて、重ねる言葉。
 睫毛を伏せると、柔く揺れる。
「――きみが、わたしの隣にいてくれたから」
 滲むは、淡い寂寥。消え入りそうな程、小さな声。
「誘って正解だったと思うんだけどなあ……」
 喉を鳴らして息を呑んで。
「由紀がまた遊んでくれるなら、――ブルーじゃなくても、いいよ」
 零れ落ちた、ちいさなわがまま。
 そうして彼女は、そうと首を傾いで、由紀の様子を窺い。
 粛々と耳を傾けていた由紀は、碧落の視線を彼女へと向ける。
「――良いこと言ってる風だけど、知ってて呼んだ事実は変わらないからね」
 再び由紀の視線は、花の海へと向かう。
 揺れる花々、まあるい月。
 緘黙と噤んだ唇に、風の音だけが二人を包みこむ。
「……、――ブルーじゃないなら、考えなくもないよ」
 素っ気無い言葉に、花世はぱっと瞳に星を宿して。
 花蕾が綻ぶように、笑み栄える顔馳せ。

 ――覗き込んだ由紀の瞳の色は、ネモフィラの花の色。
 星の光を映した、碧落の色。

 空の色を飲み込んで、星の色を飲み込んで。
 揺れる、揺れる、青い花。
 今宵の狂乱など無かったかのように、しずかに、しずかに。
 花々は揺れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月27日


挿絵イラスト