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桶狭間で義元公を討ち取るお話

#サムライエンパイア

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●おけはざまやま
「ほっほ。まさか麿がこの地を攻める一番槍の誉を信長公より賜ろうとはの」
 まるで公家のような狩衣に烏帽子を身に着けた雅な武者が、配下の軍勢を差し置いて、1人砦へと歩を進めていく。
 そこは、桶狭間古戦場に築かれた砦。
 かつて織田信長が天下にその名をとどろかせた有名な合戦の舞台となった場所。
 そう、そこで織田信長に打ち取られた武将こそ……。
「麿こそは、今川・義元なり。
 誰ぞ、麿の首を取らんとする者はおらぬかや?」

●グリモアベースにて
「サムライエンパイアにおけるオブリビオンフォーミュラが、かの織田信長公だと目されているのはご存じですよね?」
 集まった猟兵達を前に、グリモア猟兵の黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)は語り始めた。
「そんな織田信長の軍勢と思わしきオブリビオン集団が動き始めました。
 今回の予知で見えたのは、尾張の国にある古戦場、桶狭間の戦いで有名な桶狭間山に築かれた砦を攻め落とそうとする軍勢です」
 その砦には、幕府のサムライが詰めているため、多少の敵であれば跳ね返せるのだが……。
「このまま放置してしまえば、軍勢の一番槍として現れる強力なオブリビオンの前に、砦は陥落してしまうでしょう」
 りんごは厳しい表情のまま、そう断言する。
 なのでまずは猟兵が先行して一番槍の武将を倒す必要がある。
 そしてその後は、砦のサムライとも協力して敵軍勢を押し返し、最終的には軍勢の総指揮官を猟兵達の手で討ち取ることになる、と、りんごは説明を続けた。
「ところで皆さんは、桶狭間の戦いはご存じですか?
 かの織田信長が、この地にて今川義元を討って天下に名を轟かせた戦いです。
 そして今回、この場所を攻めてくる一番槍が、その今川義元なのですよね。
 これもまた因縁というものでしょうか。
 今回もまた、この地で義元公の首を落してくださいませ」


雅瑠璃
 こんにちは。またはこんばんは。
 雅です。

 久々のサムライエンパイアでの依頼になります。
 今回は信長軍と戦う新しいシナリオフレームが出たので、さっそくそれを使ってみました。

 りんごの説明にもありましたが、舞台は桶狭間山に築かれた幕府の砦。
 まず第1章では、そこに攻めてきた一番槍の今川義元とのボス戦になります。

 義元を討ちとったあとは、信長軍の指揮官が砦に軍勢を差し向けてきますので、
 2章では砦のサムライたちと協力しての集団戦になります。
 彼等ひとりひとりは集団敵よりも弱いですが、うまく指揮すればそれなりに戦ってくれます。相手はただ突撃してくるので、策略なども有効かもしれません。
 砦については、標高50~60メートル程度の小高い丘に築かれた、簡素な木製の砦になります。

 そして3章では指揮官とのボス戦になります。
 この段階では砦のサムライたちは戦力になりませんので、皆さんだけで戦ってください。

 とまぁ、状況としてはこんな感じですが、シナリオ全体のイメージとしては、いわゆる戦国で無双したりバサラしたりするイメージです。
 存分にチャンチャンバラバラ楽しんでいただければなと思います。

 それではプレイングお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『今川・義元』

POW   :    火燕弓
【飛行する弓ユニットから火矢】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    黄泉津返し
戦闘用の、自身と同じ強さの【屍人槍兵】と【屍人弓兵】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    鬼神楽斬舞
【特殊な神楽舞】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【斬撃】で攻撃する。

イラスト:童夢

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は政木・朱鞠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●おけはざまやま
「ほっほ。まさか麿がこの地を攻める一番槍の誉を信長公より賜ろうとはの」
 まるで公家のような狩衣に烏帽子を身に着けた雅な武者が、配下の軍勢を差し置いて、1人砦へと歩を進めていく。
 そこは、桶狭間古戦場に築かれた砦。
 かつて織田信長が天下にその名をとどろかせた有名な合戦の舞台となった場所。
 そう、そこで織田信長に打ち取られた武将こそ……。
「麿こそは、今川・義元なり。
 誰ぞ、麿の首を取らんとする者はおらぬかや?」
火土金水・明
「ふむ、『今川・義元』の登場ですか。サムライエンパイアの世界は歴史を知っている人にとっては、色々と考えさせられそうですね。」
【WIZ】で攻撃です。
【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【サンダーボルト】で『今川・義元』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。
「しかし、織田信長の配下としての今川義元ですか?。本人としてはそれでよかったのでしょうか?。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


カーリー・エルミール
「桶狭間…学校の授業で聞いたことある!たしか…敵は、本能寺にあり!」
と自信満々に言う。(歴史の授業では熟睡だった)
「ボクは、カーリーエルミール。そこの人!ボクと勝負だよ!」
といい終わる瞬間にフォーマイを使用し突撃して間合いをつめるよ。
フォーマイを使いつつみんなで攻撃にあたるよ。
ドカーン!と派手にいこうじゃない!


御剣・刀也
はっはっは。かつての名将と刃を交えるとはこれ以上ない幸運だ
今川義元、てめぇの首は俺が貰いにいく
いざ、尋常に勝負!!

火燕弓で狙われたら火矢を斬り捨てながら義元の所に突っ込んでいって逃げられる前に斬る
黄泉津返しで屍人を召喚されたら妨害されてるわけでないのなら無視して突っ込んで攻撃してさっさと退場してもらう
鬼神楽斬舞で斬撃が飛んで来たら日本刀で受け止めるか弾くかして突っ込んで舞っている最中に攻撃する
「天下の名将、今川義元と剣を交えるこの幸運。嬉しすぎてたまらねぇな。いざ、押して参る!!」


アララギ・イチイ
その首を貰っても見た目は美味しくなさそうなのよねぇ
抜き取った骸骨に金箔処理して酒杯にでもしようかしらぁ?

中途半端の距離だと敵UCの射程に入ってしまいそうだから、改造ブーツのホバー機能で【ダッシュ】移動、遠距離を維持するわぁ

遠距離を確保出来たなら射撃武装(浮遊砲台システム1・2)を取り出して【射術・全力射撃(攻撃力重視)】、速射砲と機関砲の【2回攻撃】、垂直発射装置から【誘導弾】を上空に【一斉発射】、水平方向と垂直方向の立体的な【範囲攻撃】を仕掛けるわぁ

ただ至近距離に潜りこまれる場合もあるから、その状況では【早業】で大型ハンドアックス(隠し武器)を取り出して迎撃を狙うわぁ


愛久山・清綱
『海道一の弓取り』、今川治部大輔義元公。
稀代の名将たる其方と戦えるとは、光栄にござる。

拙者、愛久山・清綱……『矢の如き太刀』、お見せ致そう。

■闘
予め居合の構えを取って戦闘へ入る。

相手の弓矢は【野生の勘】で軌道を【見切り】、
鞘に納めたままの刀で【武器受け】し、流す。
当たってしまいそうなら、【オーラ防御】で耐える。

好機が来たら宣言通り『矢の如き太刀』……そう、遠方の敵を断つ
居合の奥義・【空薙】で切り伏せてやろう。

放つ際は【早業】を用いた素早い抜刀で発動時間を短縮、攻撃が
【鎧無視攻撃】になるよう『無防備な部分』を指定して放つ。

※アドリブ・連携歓迎です


鍋島・小百合子
SPD重視

今川義元公…織田信長に討たれ天下への踏み台にされたかつての大名がなぜ信長に味方しておるのじゃ…?

「海道一の弓取りと相見えるこれ以上とない機会じゃ。存分に戦うてやろうぞ」
長弓を持ち一定の距離を保ちつつ視力・スナイパーを併用して義元を狙い撃つ
他の猟兵との連携も視野に入れ義元に攻撃が届くように援護射撃
召喚された屍人槍兵と屍人弓兵はできるだけ相手にせず本体である義元を狙撃するようにする
敵に矢が届かない場合は矢を束ねての範囲攻撃で屍人諸共撃ち抜く
頃合いを見てUC「心火焔硝矢」発動
勇気の発現にて生み出した火矢で敵を焼き払う(属性攻撃、範囲攻撃併用)

「どちらが弓の使い手かわからせてやろうかの!」


青葉・まどか
オブリビオン・フォーミュラと目される信長公の軍勢が堂々と幕府の要所に攻め入るなんて、色々と状況に変化が起きているみたいだね。
まあ、そんな状況を黙って見ている訳いかないしね、砦を守ってみせるよ。

それにしても桶狭間で義元公と戦闘……エモい。
……失礼しました。歴史好きの心の声が駄々洩れしただけです。
それはそれとして、真面目に戦いますよ。

仲間との連携・フォローを心掛けます。
フック付きワイヤーを駆使してワイヤーアクションでのヒット&ウェイが基本戦術。
『神速軽妙』発動。【早業】で【2回攻撃】

敵の攻撃は【視力】で【見切り】で回避。

『黄泉津返し』を使用されたら攻撃は義元公に集中。

「義元公、首級頂戴します」


テラ・ウィンディア
……良い刀に立ち方だ

おれはテラ・ウィンディア

これよりあんたの首を狙う者だ

【戦闘知識】で静かに見据えその一挙一動と周辺の動きを観察
【属性攻撃】で太刀と剣に炎付与

【見切り・第六感・残像】で攻撃を回避しながらの【早業】を踏まえての斬撃の猛攻

【空中戦】も使用して可能な限り義元の飛行ユニットの迎撃も行う

対鬼神楽斬舞
上記技能を利用と二刀をもっての捌きに掛かり何としても致命だけは避け切る

その上で耐え抜けば

ああ、良い斬撃だ

だから……返させて貰うぞ

消えざる過去の痛み発動

義元の斬撃猛攻に己と他の猟兵らも含めて斬撃を再現しての蹂躙

血と斬撃の華を義元の身を以て咲かせよう

せめてもの慈悲だ

その雅のまま…美しく散れ(踵返し


加賀・琴
桶狭間の合戦。私でも知っている有名な戦ですね
しかし、これは皮肉どころではないですね
織田信長の配下として此処桶狭間に今川義元とは
ところで13代目の当主で義元の曾孫にあたる今川直房殿が今幕府に仕えてるはずなのですが、今川義元がオブリビオンとなって出てきたのは問題にならなければいいのですが

海道一の弓取りと呼ばれた今川義元ですか、単騎で出てくるとはらしくないように思えますが
討ち取る機会には違いありませんね。此処で討たれても己の迂闊を悔いてください
……それとも信長配下の現状が嫌で、わざと討たれにきましたか?
ともあれ、隙を見て【破魔清浄の矢】を放ちます
幾らかの今川義元でも皆さんと戦えば隙が出来るはずです



●邂逅
「桶狭間、学校の授業で聞いたことある!
 たしか……敵は、本能寺にあり!」
「別のと混ざってますよ。
 それはそうと、『今川・義元』の登場ですか。サムライエンパイアの世界は歴史を知っている人にとっては、色々と考えさせられそうですね」
 義元公の声に応えて猟兵達が現れる。
 まず口を開いたのは、歴史の授業では熟睡していた故に知識がいろいろ中途半端に混ざってしまっている……にもかかわらず自信満々だったカーリー・エルミール(元気歌姫・f04630)と、ちゃんと歴史を学んでいたが故にカーリーにツッコミは入れつつも義元公を見て感慨深そうな火土金水・明(人間のウィザード・f01561)だ。
「『海道一の弓取り』、今川治部大輔義元公。
 稀代の名将たる其方と戦えるとは、光栄にござる」
「はっはっは。かつての名将と刃を交えるとはこれ以上ない幸運だ。
 今川義元、てめぇの首は俺が貰いにいく」
 続けて、意気揚々と愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)と御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)の2人も現れる。
 カーリーのように歴史の授業を熟睡していたものはともかくとして、明はもちろん、清綱や刀也のように今川義元の事を良く知る者もいる。いや、もちろんこの2人だけではないだろう。それほど、今川義元というのは、歴史を学んだ者にとってはあまりにもよく聞く名前だからだ。
「ほっほ。どうやら其方らは、麿の事も十分知っておるようじゃの。
 よいよい。なればこそ、麿と刃を交える栄誉をくれてやろうぞ」
「うーん。その首を貰っても見た目は美味しくなさそうなのよねぇ。
 抜き取った骸骨に金箔処理して酒杯にでもしようかしらぁ?」
 そんなことを言いながら現れたのは、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)だ。ちなみに骸骨を金箔処理して盃にされたのは今川義元ではない。
「ほほほ。なかなか愉快なことを言う。
 確かに信長公にそうされたものもおったようじゃがのぅ」
「そこが不思議じゃな。今川義元公……織田信長に討たれ天下への踏み台にされたかつての大名がなぜ信長に味方しておるのじゃ……?」
「これは皮肉どころではないですね。織田信長の配下として此処桶狭間に今川義元とは」
 中には、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)や加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)のように、今川義元が織田信長配下になっていることを訝しむ者もいる。
 いや、当然といえば当然だろう。信長に滅ぼされた大名の代表格が義元なのだから。
「ほっほ。そんなに不思議かえ?
 より強きものが上に立つのは至極当然のこと。
 麿を討ち破る強者なればこそ、麿もその下につく甲斐もあろうて」
 義元はそう言って小百合子や琴の疑問を受け流す。本心なのか、それとも建前なのかまではわからないが。
「なるほど。そしてその信長公の軍勢が堂々と幕府の要所に攻め入るか……。
 色々と状況に変化が起きているみたいだね」
 自分たちの背後にある山砦をちらりと振り返り、青葉・まどか(玄鳥・f06729)はこの状況を黙って見ていられないと気合を入れる。
「それにしても桶狭間で義元公と戦闘……エモい」
 ……ただ、歴史好きとしての素直な感想も口から出てしまうのだが。
「ほっほ。エモかはわからぬが、麿もこの地で再び戦えるのは楽しみぞ。
 それではそろそろ、戦うとするかの?」
 猟兵達との会話を楽しんでいたような義元だが、頃合いだと刀を構えた。
「ああ、さすが、良い刀に立ち方だ。
 それじゃ行こうか、今川義元。
 おれはテラ・ウィンディア。これよりあんたの首を狙う者だ」
 義元が構えたのに合わせるように名乗りを上げるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。彼女の宣言が、戦闘開始の嚆矢となった。

●黄泉津返し
「ほほ。なかなか吠え寄るわ。
 よいぞよいぞ。麿を楽しませてくれ?
 むろん、麿に近づけたならばの話じゃがの?」
 義元は一斉に動き出した猟兵達を見て笑うと、黄泉津返しを使って屍人槍兵と屍人弓兵を自らを守る壁のように多数召喚する。
 義元を何重にも囲むように次々と現れる髑髏の兵たち。
 槍兵たちがわらわらと猟兵たちを囲むように迫れば、弓兵たちは散発的に矢の雨を降らせようとする。
「おっと、そうはいきませんよ?」
 そうはさせじと真っ先に動き出したのは明だ。
 屍人たちの攻撃に先駆けての先制攻撃。高速詠唱からの全力魔法。
「受けよ、天からの贈り物!」
 明の狙い通りに天から放たれた【サンダーボルト】による雷撃の奔流が、次々と屍人の兵たちを飲み込んでいく。
「ボクも行くよ! そこの人たち、ボクと勝負!」
 明の雷で統制を失った屍人たちに向けて、4人のカーリーが間合いを詰めていく。
 そう、4人。間違いではない。【フォーマイ】によって現れたカーリーの分身たちが、屍人兵の中に飛び込んでいって、手にした大鎌『ブラッド・ロード・ヴァンパイア』を振るい、次々と屍人を狩っていく。
「速く、軽やかに……!」
 屍人を狩っていくのはカーリーと分身たちだけではない。まどかもまた愛用のフック付きワイヤーを駆使し、【神速軽妙】を発動しての高速でのヒットアンドアウェイの早業で次々と屍人を屠る。
「おっとと、危ないっ」
 突き出される屍人の槍を紙一重で見切ると、代わりにワイヤーを絡めて引き倒し、ダガーで切り裂いていった。
「海道一の弓取りと相見えるこれ以上とない機会じゃ。存分に戦うてやろうぞ」
 さらには小百合子が、火矢を束ねて番えて弓を引き搾る。
「我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……貫け!」
 小百合子が解き放った【心火焔硝矢】による複数の火矢は、屍人たちと次々と貫き燃やしていった。
「よし、屍人の軍勢もこれで総崩れじゃな」
「おうよ! このまま義元まで一直線だぜ!
 いざ、押して参る!!」
 猟兵達の攻撃で屍人が次々と屠られていく中、小百合子の弓の援護などを受け、刀也は屍人の合間を縫うように、屍人を無視して一直線に義元の元へと駆けていった。
「うらああああ!!!」
 そして、屍人を操る代わりに動けない義元に一太刀浴びせかける。
「ほほ、なかなかやるものよの。
 屍人の群れが足止め程度にもならぬとは、これは面白い」
 斬りつけられダメージを受けたことで、ユーベルコードで生まれていた屍人の兵団は掻き消えていく。
 だがそれでも、義元はまだまだ余裕の笑みを浮かべたままだった。
「それなら、次はこれでどうじゃ?」
 そういうと義元の周りに数多の弓が浮かび上がり、一斉に猟兵たちに向けて火矢を放ち始める。

●火燕弓
「うぉっと……あぶねぇ……!」
 義元の【火燕弓】の攻撃を何とか斬りおとしていく刀也だが、その間に再び義元には距離を取られてしまった。
 だが、いったん離れた義元めがけて、2方向から矢と銃弾が降り注いでいく。
「遠つ御祖の神、御照覧ましませ……!」
 破魔の光を湛えた琴の【破魔清浄の矢】が左方から。
「乱れ撃つぜぇー!」
 アララギの【射術・全力射撃】によって放たれる、速射砲と機関砲の弾幕が右方から。
 ともに正確に義元を狙った射撃が次々と叩き込まれていった。
「おおおお……これをこのままくろうては、さすがに麿もひとたまりもないのう。
 ほれ、ならばその射手を射抜くのみぞ」
 狩衣が破け、ダメージを受けながらも、その2人の射撃から逃れる義元は、代わりに展開している弓から2人に向けて火矢を放っていく。
「おっと、そうはさせねぇよ」
 だが、そうして矢を放っていく弓にむけて、宙を飛んで近付いてきた姿があった。
 テラだ。テラが炎を纏った達を構え、弓矢の発射間隔を見切って宙を舞っての空中戦で宙に舞う弓を切り落としていく。
「義元公よ。そちらが火矢の雨ならば、拙者、愛久山・清綱は、『矢の如き太刀』をお見せ致そう」
 さらに清綱が、鞘に納めたままの刀で飛来する火矢を受け流しつつそう言って、間合いを測っていた。
「ほ? 矢の如き太刀とな?」
「見よ、遠方の者をも断つ居合の奥義、空薙を」
 そして居合の構えからの素早い抜刀術を放つ。【空薙】による空を断つ抜刀術は、離れた位置にあった弓を切り裂き、そして見えない刃はそのまま義元へと届いていった。
 狩衣が割かれ、鮮血が舞う。
「おお……なるほど見事よの。矢の間合いから麿に刃を届けよったか」
 義元は大きくダメージを受け、またテラや琴やアララギの活躍により、宙を舞っていた弓もことごとくが消え去っていた。
「ほほ……なるほど、どうやら麿も、この身の本気を出さねばならぬようじゃな?」
 召喚した配下の屍人が敗れ、宙を舞う砲台としての弓をも失い、ついに義元は自らの手にした刃を振るい始める。

●鬼神楽斬舞
「ほほ。麿が直接刃を振るうのじゃ。先ほどまでと同じと思うてはならぬぞ?」
「はっはー。そう来なくっちゃな。
 天下の名将、今川義元と剣を交えるこの幸運。嬉しすぎてたまらねぇ」
 まるで神楽を舞うような優雅な動きで放たれる義元の斬撃を、刀也は自らの日本刀で受け止め、そして逆に【雲耀の太刀】で上段から斬りつける。
 切り裂かれながらも致命傷は避けた義元と、再び刀を合わせ、そのまましばしの鍔迫り合い。
 だがもちろん、義元の首を狙うのは刀也だけではない。鍔迫り合いで動きを止めている今がチャンスとばかりに、カーリーのフォーマイの分身たちが、あるいはまどかのワイヤーアクションが、義元を狙って仕掛けてきた。
「ドカーン!と派手にいこうじゃない!」
「義元公、首級頂戴します」
 まどかのワイヤーが義元の腕に絡みつき、カーリーの分身たちが一斉に大鎌で切り刻んでいく。
 しかし、鮮血を吹きながらも、義元はまだまだ笑みを絶やさない。
「ほっほ。甘い甘い。麿には見えているぞ?
 そして、見えていれば斬れるという事ぞ?」
 義元は慌てることなく、ふと脱力して刀也をいなすと、そのまま近くのカーリーやまどかも含めて、鬼神楽からの瞬く間の三連撃で切り捨てていく。
「ぐはっ?!」
「うそっ?!」
「そんなっ?!」
 3人をいなした義元だが、まだまだ猟兵達の波状攻撃は終わらない。続けて、アララギが放った弾幕が義元を襲う。
 が、義元は突き刺さってくるアララギの弾幕をも避けて、一気にアララギの懐へと飛び込んでいった。
「ほほ、まだまだよな?」
「早っ?! くっ、このっ!」
 懐に入られたアララギは、慌てて隠し武器のハンドアックスを早業で取り出すと、迎撃のカウンターを狙った。
 アックスが義元の胴をえぐると同時に、アララギもまた義元の斬撃を受けて吹き飛ばされる。
「きゃあああっ?!」
 その直後、アララギと入れ替わるように、居合の構えのまま清綱が飛び込んできた。
「その傷跡、狙わせてもらうっ!」
 そしてアララギのハンドアックスが抉った胴体の傷を狙って、清綱の居合、空薙が華他去る。再び大きく舞う鮮血。さすがの義元も、これには大きく顔をしかめるのだった。
「ぐっ……ほほ……、これはかなりやられてしまったの。
 でも、この今川義元、まだまだこれくらいではこの首渡すわけにはいかぬぞ?」
 顔を歪め、血を流しながらも、まだまだ戦闘意欲を失わない義元である。
 そのまま太刀を構えていたテラの元へと向かうと、鬼神楽からの斬撃を連続でテラに浴びせかけていく。
「くっ……ああ、こんなになってもまだ良い斬撃だな」
「ほっほ。それでも其方に全て受けられる程でしかないようじゃがの?」
 テラはそれを、太刀と、そしてもう1刀取り出した剣との二刀で捌いてなんとか致命傷だけは避けていた。
「一瞬でも隙ができれば……」
 テラが剣戟で何とか受けている間に、明は術の準備をして隙を伺っていた。
 やがて、義元の剣を受け損ねて大きく体勢を崩したテラが弾き飛ばされ距離が開いたことで、待っていた隙ができたと、明は天の雷撃を義元に落とす。
「そこっ!」
「ががががっっっ……天の雷じゃ、と……?」
 そして稲妻の直撃を受けた義元に対し、テラは【悔恨「消えざる過去の痛み」】を発動させる。
「ああ、本当に良い斬撃だった。だから……返させて貰うぞ!」
 先ほどまでテラに向けて放たれていた義元自身の斬撃。そして刀也や清綱ら仲間たちが放ち空間に刻まれた斬撃が全て義元へと返っていった。
「血と斬撃の華を咲かせよう。
 せめてもの慈悲だ。その雅のまま……美しく散れ」
「ま、まだ……よ。海道一の弓取りと呼ばれたこの麿が、このくらいで……」
 鮮血の花を咲かせ、大量の血を噴出した義元だが、それでもまだ倒れずに踏ん張っている。
 が……そんな義元に向けて小百合子と琴が弓を構えていた。
「海道一の弓取りが弓を使わずに戦うか。
 ならば、どちらが真の弓の使い手かわからせてやろうかの」
「海道一の弓取りと呼ばれた今川義元が、単騎でこれほどまで。
 そもそも単騎で出てくること自体らしくないように思えますが、此処で討たれても己の迂闊を悔いてください」
 そして2人は同時に、勇気の炎の矢を、破魔の光の矢を放った。
「かはっ……弓使い、か……見事よの……?」
 2人の矢に胸を射抜かれ、ついに義元は崩れ落ちて、地面に大の字となって倒れるのだった。

「どうやら決着のようですね。
 しかし、織田信長の配下としての今川義元で終わってよかったのですか?」
 倒れた義元に向かって、明がそう静かに語り掛ける。
「……それとも信長配下の現状が嫌で、わざと討たれにきましたか?」
 それに続けて琴も。
 やはり誰にとっても、信長配下の義元というのは引っかかりを覚えるようで。
「ほっほ……先も言うたであろう?
 麿を討ち倒した信長公なればこそ、蘇った麿が使えるには相応しいと。
 あくまでも、この麿は、じゃがな」
 だが、義元の答えは変わらず、それを笑うのだった。
 そう言って血を吐いた義元は、最後に猟兵達に向けて笑みを浮かべた。
「そなたらとの戦も、実に楽しかったぞ。
 しかし、やはり今川義元は桶狭間に落ちるか……ほっほ。これもさだめよのぉ……」
 その言葉を最後に義元は事切れて、骸の海へと還っていくのだった……。

●戦いはまだ終わらない
「なんでぇ、なんでぇ!
 あァ、義元公ともあろうものが、こうもあっさりやられちまうたぁ!」
 義元との激戦を終えた直後、控えていた信長軍の中から、大音声の芝居がかった声が響いてきた。
 軍勢の中で姿は見えないが、どうやらこれがこの軍の総指揮官のようだ。

 そう、今川義元はあくまでも先鋒の一番槍。
 桶狭間山の砦を攻める信長軍との戦いは、まだまだこれからが本番なのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『浪人』

POW   :    侍の意地
【攻撃をわざと受け、返り血と共に反撃の一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    怨念の返り血
【自身の返り血や血飛沫また意図的に放った血】が命中した対象を燃やす。放たれた【返り血や血飛沫、燃える血による】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    斬られ慣れ
対象のユーベルコードに対し【被弾したら回転し仰け反り倒れるアクション】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:箱ノ山かすむ

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●信長軍の総攻撃
「おうおうおう!
 おめぇら、義元公をやっちまうたぁ、あ、てぇした連中じゃねぇか!」

 信長軍の指揮官らしき大音声が響く。
 その姿は、辺りを埋め尽くす大軍勢の中に埋もれて見えないが、声だけは誰でも聞こえるほどに響いていた。

「こぉ~~なれば、あとは兵どもを動かすしか、ねぇぇぇなあぁ!
 信長軍の力、あァ、存分に味わってもらおうじゃああねぇか!
 おめぇら、やっちまいなァ!!」
「「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」」

 芝居がかった指揮官の号令に負けじと大音声の鬨の声をあげた信長軍を構成する浪人たちが、一斉に山砦を攻め落とそうと襲い掛かってきた。

 敵の数は数百を超える。
 背後の砦の中にいる侍たちも、猟兵が指揮してやればある程度は援護等もできるだろう。
 とにかく、まずはこの大軍勢を相手にしなければいけない。
 指揮官の正体も気になるが、今はまず集団との戦いが先決だ。
 自分たちだけで戦うか。砦の侍をうまく使うか。
 まっすぐ闇雲に突っ込んでくる浪人たちを前に、猟兵の新たな戦いが始まる。
鍋島・小百合子
SPD重視

義元公ですら自分から軍門に下ったと豪語する程に手玉にとるとは信長の軍勢とは噂以上にかくも恐ろしいものよ…

「砦の兵達にも少々手伝ってもらうといたそう」
UC「群制御動陣」発動
召喚した女鉄砲兵と砦の侍達を戦闘知識活用にて指揮
召喚兵38人のうち18人は鉄砲・弓を装備した侍達と共に見晴台や物見櫓にて待機、残り20人は砦周辺にて伏兵として待機するよう指示
準備でき次第敵前で挑発の意を込め一舞披露(ダンス・パフォーマンス・誘惑併用)敵を惹きつける
砦前まで敵を誘き寄せたら兵達に一斉射撃の号令を出す
一斉射撃後は兵達に援護を指示し薙刀を手に討ち漏らしを確実に仕留めていく(なぎ払い・鎧砕き・火炎耐性併用)


姫鶴・小夜
今川義元の面を拝みそこねたのはもったいなかったがまあよい
信長軍と名乗る不逞の輩共を蹴散らせば、その溜飲もいくらか下がろうて

『鼓舞』の技能を使って砦の侍達をもり立てるか
「砦に控えし徳川の侍達よ。幕府による安寧の世を脅かさんと敵が攻め寄せてきた。とはいえ所詮数を頼みの烏合の衆ぞ。主らの力の見せ所じゃ!存分に蹴散らしてやれい!わしら猟兵も援護する!」

さて、そんじゃまあ行くとするかの

ザコ相手にわし自身を抜く必要もなかろう。長船の薙刀で十分じゃ
敵の攻撃は『第六感』『見切り』などで躱し、『錬成カミヤドリ』で作った分け身を使って複数の敵を攻撃しようか
遠間の敵は『衝撃波』、近間の敵は『なぎ払い』で攻撃じゃ


カーリー・エルミール
「銃とかあるのかな?突撃してくるならあの火縄銃を連携して撃てるんじゃないかな?あの何だっけ?武田チンゲンサイだったかな?倒した奴!」
ない場合は、【シンフォニック・キュア】で味方を援護しつつ協力して倒そう!
サムライさんたちには、ツーマンセルを組んで絶対一人で突っ込まないようにお願いしよう。
あった場合は、指揮して味方が射線上に入らないように注意を促し一緒に戦おう。


加賀・琴
数百を超える軍勢、ですか
人数自体は軍勢としては小規模と言い切って構わないでしょうが、問題は全員がオブリビオンだということですね
その所為で砦の侍達が矢面に立てませんし、援護程度が関の山ですね

まぁなんにせよ、数を減らさなければどうにもなりませんね
先手を取って【破魔幻想の矢】を放ちます、百を超える破魔の矢です。流石に一矢一殺とはいかないでしょうが機先を制すには十分でしょう
そのまま素早く次の矢を番えて二射目の【破魔幻想の矢】で浪人達の軍勢を射貫きます、これで幾らか数を削れればいいですが
私の二百を越える矢で攻撃した一帯を砦からもだめ押しの矢を降らせてもらいましょう
その後は皆さんの援護の矢を放っていきます



●徳川幕府の三段撃ち
「今川義元の面を拝みそこねたのはもったいなかったがまあよい。
 信長軍と名乗る不逞の輩共を蹴散らせば、その溜飲もいくらか下がろうて」
 他の猟兵たちから遅れてこの場に転移してきた姫鶴・小夜(麗刀姫鶴・f11358)は、そう言って、攻め寄せてくる信長軍の浪人衆を眺めていた。
 彼女を含む猟兵たちは、今川義元を打ち取った後、桶狭間山砦にいったん後退し、砦の侍たちと状況を確認している。もちろんそこにいるのは小夜ばかりではない。
「義元公ですら自分から軍門に下ったと豪語する程に手玉にとるとは、信長とは噂以上にかくも恐ろしいものよな」
「信長軍……数百を超える軍勢、ですか。人数自体は軍勢としては小規模と言い切って構わないでしょうが、問題は全員がオブリビオンだということですね」
 実際に義元公を討った2人、鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)と加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)は、迫りくる信長軍の力を図っていた。
 軍としては小勢であっても、数としては砦の侍たちを超えている。数でも勝る上に兵の質という面でも力量差は明らかだ。
「砦の兵たちを矢面には立たせられませんね」
「ならさ、銃とかあるのかな?」
 琴のつぶやきを受けて、カーリー・エルミール(元気歌姫・f04630)は、砦の侍たちにそう尋ねてみた。
「は、はぁ、多少はありますが……」
「相手は突撃してくるんだから、火縄銃を連携して撃てるんじゃないかな?
 あの何だっけ? 武田チンゲンサイだったかを倒した奴!」
「それを言うのなら、武田勝頼じゃな。長篠の戦の。そもそも武田信玄ですらないの」
 カーリーのボケ……というか歴史の授業は熟睡な彼女的にはおそらく本気……に、小百合子は軽く突っ込みを入れたのち、砦の侍たちへと声をかける。
「火縄銃はあるのじゃな?
 ならば、そなたらにも少々手伝ってもらうといたそう」
「わ、わかりました」
 侍たちが了承するのを確認した小百合子は、自らも配下を召喚する。
「我は呼ぶ武を誇らんと勇む戦女達……よし、あとはおぬしら、彼女らとともに銃でも弓でも撃つが良い」
「私も砦に残って弓で援護します。皆さんへの合図も私がしますね」
 呼び出された女鉄砲兵たちの約半数を砦の兵たちの指揮にと琴に託し、残り半数を連れて、小百合子は小夜やカーリーら他の猟兵とともに砦から出ていく。
「一緒に戦える人たちはボクらと来て! あ、でも絶対に1人で戦っちゃダメだよ。最低でも2人1組で、突出しないように!」
 カーリーの呼びかけにも何人かの兵が応え、ともに砦を出る。他の猟兵の指示もあり、砦を出ていく侍は刀ではなく槍を持っていた。
 そして砦に残る兵、出る兵どちらにも聞こえるように、小夜は全員を鼓舞するべく振り返り、大きく号令をかけるのだった。
「砦に控えし徳川の侍達よ。幕府による安寧の世を脅かさんと敵が攻め寄せてきた。
 とはいえ所詮数を頼みの烏合の衆ぞ。主らの力の見せ所じゃ!
 存分に蹴散らしてやれい! わしら猟兵も援護する!!」
「「おおおおおおおおおおお!!!!」」
 高々と薙刀を突き上げる小夜の鼓舞に、砦の侍たちは大きな鬨の声を上げるのだった。
「わしでなく、実際に義元を討った人が鼓舞したほうがよかったかの?」
「いや、よい演説じゃったぞ」
 小夜と小百合子はそう言って笑いあう。それを合図に、砦から出た者たちはそれぞれ配置につくのだった。

「おうおうおうおう! 威勢がいいじゃあ、ねぇぇか!!
 おめぇら! 黙らせちまいなあ!!」
 いまだ姿を見せない指揮官の大音声の号令とともに、浪人衆は刀を振りかぶって駆けてくる。
 迎え撃つは、小百合子、小夜、カーリーをはじめとする猟兵たちと、槍を構える侍たち。小百合子の召喚した女鉄砲兵は、伏兵として砦の周りの茂みへと潜んでいる。
「さて、まずはこちらに引き付けるかの」
 そういうと小百合子は1人で前へと出て、優雅に舞いを始めた。
「な、なんだぁ?!
 砦から出てきたかと思えば、何とち狂っていやがる?!
 おめぇら、その女からやっちまええええ!!」
 小百合子の人を引き付ける舞に誘惑されたか、あるいは挑発されたか、指揮官の号令のもと、浪人衆の先頭集団が小百合子めがけて殺到してきた。

「まずは数を減らさなければいけませんね。
 皆さんも準備はいいですか?」
 砦の上から小百合子の舞とそれに引き寄せられる浪人衆を見ていた琴は、自らも弓を引き絞りながら、女鉄砲兵たちを通じて砦の侍たちに合図を送る。
「遠つ御祖の神、御照覧ましませ!」
 弓から放たれると同時に百を超える数へと分裂する琴の【破魔幻想の矢】が、小百合子に向かってきた浪人衆の頭上より降り注いだ。
 そしてそれを合図に、砦の侍たちによる火縄銃の一斉砲撃が次々と浪人衆に突き刺さっていく。
「まずはこれで機先を制しました! 私たちはこのまま援護射撃を続けます!」
「「はい!!」」

 琴の指揮の下、火縄銃と弓での援護射撃が飛ぶ中、砦の外にいる猟兵たちも動き出した。
 琴の弓から逃れ襲いかかってくる浪人衆めがけ、小百合子、小夜、カーリーらが駆け出していく。
「みんな、射線上に入らないように気を付けてね!」
 砦の侍たちにそう注意を促しつつ、カーリーは大鎌を構えて浪人衆へと向かっていった。カーリーが大鎌を一振りするごとに、浪人の体が輪切りになり骸へと還っていく。
 さらに戦いながらカーリーは歌いだす。【シンフォニック・キュア】の歌声は、砦の侍たちを癒し鼓舞していくのだった。

「雑魚相手にわし自身を抜く必要もなかろう。長船の薙刀で十分じゃ」
 ヤドリガミである小夜だが、自分自身であるたちは使わず、薙刀を構えて浪人たちを迎え撃っていく。
 死角から切りかかってくる浪人の刀さて第六感で見切り、そのまま刃を合わせることすらなく薙ぎ払って胴を両断していく小夜。さらには取り囲んでくる敵に対しては【錬成カミヤドリ】で作った自らの分け身である太刀を使ってまとめて斬りつけていった。

「将ならともかく、兵はこの程度か」
 小百合子もまた、弓や銃から逃れた撃ち漏らしを、薙刀で切り払っていた。薙刀がひと薙ぎするたびに浪人は切り裂かれていく。
 数に物を言わせて小百合子を囲もうとする浪人もいたが、それは茂みからの伏兵……小百合子が配置した女鉄砲兵の銃弾に出鼻をくじかれ、そして小百合子の薙刀の餌食となっていく。

 浪人衆と猟兵たちとの力量差は明らかだ。
 カーリーも小夜も小百合子も、その刃を一振りするごとに、1人の浪人が骸に還っている。
 だが、たかが数百、されど数百。
 そして猟兵たちとともに外で戦う侍たちでは、砦からの援護を受けつつ数人がかりでなんとか渡り合っているような状況だ。
「……私たちにとってはそれほど強敵ではありませんが、それでもこの数は、厳しい戦いになりそうですね。
 彼が動くまでにどれだけ数を減らせるか……」
 砦の上から弓で援護しつつ、遠目に見える指揮官らしき男を見て、琴はそうつぶやくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

御剣・刀也
ふぅ。折角強い奴と闘っていい気分だったのに、水差すなよ
ま、この後にまた大将が控えてるんだ
その前の箸休めと思えば、何とかなるか

侍の意地で反撃を狙っていたら、反撃などさせないよう一撃で相手の命を絶つ斬撃を打ち込む
怨念の返り血で返り血を浴びない様に、斬撃による血飛沫などの位置を予想しつつ、食らわないように立ち回る
斬られ慣れで回転したり、仰け反り倒れて此方の攻撃を相殺しようとしたら蹴倒して地面に身体を押し付けて、そういう行動が出来なくなってから日本刀を突き刺して止めを刺す
「お前らじゃ俺は満足せん。とっとと大将を出しな」


アララギ・イチイ
数百かぁ……数千とか数万とかの方が面白そうなんだけどぉ
喰わず嫌いは駄目よねぇ、美味しく頂ましょうかぁ

【病名・感染性~】を使用よぉ
この炎は視線を伝わり感染していく病、見た者は燃え上がり、それを見たものを炎上する、広域【範囲攻撃】だわぁ
味方が炎上すると面倒だから、延焼対象は敵だけよぉ

後方の侍達は燃えている敵を槍などで複数人で攻撃すれば安全かしらねぇ?

ついでに浮遊砲台システム2の垂直発射装置から、【毒使い】で製造していた【マヒ攻撃・気絶攻撃】の毒ガス【誘導弾】を【2回攻撃・一斉発射】、上空から敵の真ん中に落下させて毒ガスの【範囲攻撃】よぉ(味方に影響が無い位置に

接近時の対応は前回と同じよぉ


火土金水・明
「それでは魔法使いらしく、空の上から相手の動きを見定めましょうか?。」「ただ、飛び道具には気を付けますね。」
移動用の魔法の箒に【騎乗】して【空中戦】をしながら地上に居るみなさんに敵の動きを連絡します。
【WIZ】で攻撃です。攻撃は【フェイント】を掛けつつ【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『浪人』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「さて、相手の戦力は減らせる時に徹底的に減らしておきましょうか。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


テラ・ウィンディア
【属性攻撃】を武器全身に付与

【戦闘知識】にて敵の陣形の把握

己の突撃とユベコの射程範囲外の弓や銃による射撃による迎撃を要請

それじゃ…いくぞっ!
【空中戦】で一気に飛び接敵
【第六感・見切り・残像】を駆使して回避と槍で【串刺し】
【早業】で武器を切り替えて剣と太刀での切り捨て
常に動き続け返り血も可能な限り回避する

闘いながらも密集陣形を見つけたり射程範囲に多くの敵を修めたら
グラビティブラストで一気に殲滅に入る

更に周囲の観察は忘れ若しも砦に迫る敵を捕捉すれば飛びながら距離を詰めて襲い掛かる
必要時は砦の武者たちの援護射撃を要請!

誰かと戦うのは慣れてるけど…指示しながらってのも難しいもんだなっ…!


愛久山・清綱
総大将はこの号令から想像すると、まさかな……
いや、流石に思い違いか?

さて、次は浪人衆との闘いか。
俺の【戦闘知識】がどれだけ役に立つか。

■闘
突撃してくる相手には、槍衾が効果的だな。
先ず槍を持ったサムライ達を率いて砦付近に横一列で立つ。
して、俺は【空中戦】を用いて高さ3mの位置で低空浮揚だ。

敵が来ない間は低空から【空薙】を放ち、敵が密集している場所に
【範囲攻撃】を仕掛けつつ【恐怖を与え】、進軍を阻止。

敵が此方に近づいてきたら此方に到着するタイミングを【見切り】つつ、サムライ達に槍を下すよう指示し、槍衾を展開して突撃阻止。
阻止されている間に【空中戦】で背後に潜り込み、斬り伏せる。

※アドリブ・連携歓迎



●戦の行方
 砦をめぐる信長軍の浪人衆と、猟兵プラス侍たちの戦いは激しさを増していた。
 浪人衆は猟兵にとっては浪人衆はさほど強敵ではない。が、それでもその数はやはりまだ脅威なのだった。
「まぁだまだ、こんなもんじゃあァ、ねえぜぇ!
 おめぇら、ひるむんじゃねぇ! 数で押し流せぇええ!」
 浪人衆の指揮官の大音声が戦場に響いていた。

「それでは魔法使いらしく、空の上から相手の動きを見定めましょうか?」
 地上での乱戦を尻目に、火土金水・明(人間のウィザード・f01561)は魔法の箒に乗って上空にて戦況を見つめていた。
 上空から見ると浪人の軍勢は大きく3か所にて足止めを喰らい乱戦になっているようだ。先陣を切って切り結んだ猟兵達の乱戦エリアと、清綱や刀也と侍たちが押さえているエリアと、そこを避けようとした浪人衆をテラやアララギが迎え撃っているあたりとの、大きく分けて3か所だ。
 状況を見定めた明は、それを次々と猟兵達に伝えていく。

「さて、数では向こうの方が多い。となれば後は俺の戦闘知識がどれだけ役に立つか……」
 砦の侍たちに槍を使うよう指示していた愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、そのまま槍を構えた侍たちを率いて信長軍の浪人衆を迎え撃っていた。
「突撃してくる相手には、槍衾が効果的だ。
 お前たち、槍を構えて横一列に!」
「はい!」
 槍を持った侍たちは、砦近くの平地に横一列に並ぶと、突撃してくる浪人衆に槍をつきたてていく。浪人衆に槍が刺さり、浪人衆の刀が槍を切る。一進一退の攻防になっていた。
「よし、いいぞ。そのまま無理をせず押しとどめるんだ」
 清綱はその間に自らの翼で低空浮遊をすると、侍たちの槍衾によって押しとどめられ密集している浪人衆めがけて、空中で居合の構えをとる。【空薙】による空間を断ち切る居合の技が、上から浪人衆を次々と切り裂いていくのだった。

「ふぅ。折角強い奴と闘っていい気分だったのに、水差すなよ。
 ま、この後にまた大将が控えてるんだ。その前の箸休めと思えば、何とかなるか」
 そんなことを呟きながら、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)もまた、愛刀の『獅子吼』を振るい【剣刃一閃】にて浪人衆を斬り捨てていく。浪人衆は一撃を喰らっても【侍の意地】で反撃を仕掛けようとするのだが、反撃など許さないとばかりに刀也の刀は一撃で浪人を切り裂き骸へと返していった。
 斬っては捨て、斬っては捨てと次々と浪人衆の中を斬りこんでいく刀也。刀也の斬撃を【斬られ慣れ】で仰け反り倒れることでダメージを相殺する者も中にはいたが、刀也はそういう輩には、倒れたところを上から押さえつけて刀を刺していく。
「そう簡単には逃がさんよ。これではまだまだ満足には程遠いしな」

 こうして槍衾によって抑えられている浪人衆は、清綱や刀也によって次々と斬られている。
 そして、侍たちの槍衾を避けて砦に向かおうとする浪人衆には、横から火縄銃の鉛弾が突き刺さっていった。
「よし、いいぞっ!」
 伏兵や砦の侍たちに射撃指示を送ったのは、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)だ。
 彼女もまた刀也同様に自らは浪人衆の中へと飛び込み、浪人衆を槍で串刺しにすると、素早く早業で武器を持ち換え、太刀で手近な浪人たちを斬り捨てていっている。常に動き回ることで、浪人たちの怨念の返り血も浴びずにうまく立ち回っていた。
 そして自らが戦線を切開きながらも、浪人たちの陣形は把握し、時折射撃の合図を送っているのだ。
「誰かと戦うのは慣れてるけど、指示しながらってのも難しいもんだなっ……!」
 そうは言いながらも、彼女はしっかりと状況が見えていた。槍衾にとどめられている集団から外れ、別ルートで砦に向かおうとする浪人衆がいれば、そこを的確に支援射撃を要請し、自らも一気に飛んでいってとどめを刺していく。
「逃がさないよ!」
 残像が見えるほどの素早い動きで浪人衆を翻弄し、太刀で切り捨てながら追い込んでいくのだった。

「数百かぁ……数千とか数万とかの方が面白そうなんだけどぉ。
 喰わず嫌いは駄目よねぇ、美味しく頂ましょうかぁ」
 そんな感じでまだまだ余裕なのは、アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)だ。
 彼女もまた、テラと同じく別方向から砦を攻めようとしている浪人衆に向けて攻撃を行っていた。
「燃~えろよ、燃えろ~よ、炎よ燃えろぉ~♪」
 少々暢気な歌声を詠唱として、アララギの視界にとらえられた浪人衆が燃え出す。
 アララギのユーベルコード、視線を介して広がる病、【病名・感染性自然発火症】によるものだ。
 ついでに自身の浮遊砲台からマヒ毒を含んだ誘導弾も放っていった。
「後ろの侍さんたち、巻き込まれると面倒だから、私の視界に入っちゃだめよぉ」
「は、はいっ」
 振り向かずにそう言うと、手で後方の侍たちに合図を送った。侍たちはそれに従い、身体が燃えてマヒしていく浪人衆を槍で刺し貫いていく。
「燃えてもなお向かってくるのもいるわねぇ。それなら、直接~」
 土器の危機が悪いのか、火に包まれながらもアララギめがけて刀を振るってくる浪人には、隠し武器のアックスで直接屠って行くのだった。
 
 こうして、猟兵達を中心とした反撃により、浪人衆はだんだんと数を減らし押し返されていた。
「だんだん押し返してきて、大きな塊になりつつある、かな?
 それなら、相手の戦力は減らせる時に徹底的に減らしておきましょうか」
 上空でその様子を見ていた明は、そのまま地上にいる皆にもう少し押し返して敵を纏めるように伝えると、自らは大魔法の準備を始めた。
「我、求めるは、冷たき力!」
 そうして集まってきた浪人衆の中心めがけて【コキュートス・ブリザード】の氷の矢の雨が降り注いでいく。それも高速詠唱からの2連射で。
 槍に押されているもの、猟兵の刃に斬られているもの、あるいはアララギの魔法で炎に包まれているものにも等しく平等に氷の矢は突き刺さっていった。
「大地の力……存在の維持を司る力……星の力……我が手に集いて我が敵を滅せよ……!!」
 さらに地上では、明の放った氷の雨に合わせるように、テラもまた魔法の詠唱を行う。テラの両手から放たれた【グラビティ・ブラスト】の重力波が、氷の矢に貫かれた浪人たちを次々となぎ倒していった。
 そしてそれから逃れた浪人たちは、刀也と清綱の刀やアララギのアックス、他の猟兵達の薙刀や大鎌などで次々と切り裂かれていく。

「お前らじゃ俺は満足せん。とっとと大将を出しな!」
 そんな刀也の咆哮を聞いて、清綱はふと考え込んだ。
「総大将はこの号令から想像すると、まさかな……いや、流石に思い違いか?」
 先ほどまでの芝居がかった大音声から、いろいろと人物像を想像しているらしい。
 そして上空の明は、その声の主を探して視線を走らせていた。
「ええっと……声の方向からすると、あ、あれかな?」
 明の視線の先には、着物をはだけた髭面の大男の姿が見えた。
 どうやらそれが声の主、今回の信長軍の指揮官らしい。
 彼もまた、上空から自分を見ている明に気付いたのだろう。射貫くような視線を向けて声を張り上げる。
「おうおうおうおう!
 なるほどな! なぁぁるほどなあああ!
 どぉやら、おめぇらには、この俺様が直接出向かなきゃいけねぇようだぜぇ!」
 そういうと、自身の周りにいた浪人衆をかき分け、大男が地上の猟兵達の前にもその姿を現した。
「なら、こっからは、あァ、この俺様と!
 直接やりあって決着を付けようじゃぁぁねぇか!
 この! 石川五右衛門様とよぉ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『天下御免の大泥棒『石川五右衛門』』

POW   :    煙管の一撃
【手にした煙管】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    煙遁の術
対象のユーベルコードを防御すると、それを【手にした煙管に煙として封入】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    天上天下の叛逆
戦闘力のない【貧しき民の霊】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【彼らの応援と天下転覆の気運】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:やまひつじ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠銀山・昭平です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●天下御免の大泥棒
「なら、こっからは、あァ、この俺様と!
 直接やりあって決着を付けようじゃぁぁねぇか!
 この! 石川五右衛門様とよぉ!!」

 大音声で名乗りを上げた髭面の大男、石川五右衛門。
 その名は、天下に名高い義賊といわれていた大泥棒の名だ。
 幕府が開かれる数年前に釜茹でに処刑されたと伝えられているが……。

「あァ、どぉせ義元公の時みたいに言われるんだろうから、先に言っておくぜぇ。
 俺様がなんで信長公のもとにいるかなんざ、ァ、簡単なことよぉ!」

 まるで歌舞伎のように見栄をきり、大袈裟なほどに声を張り上げて言う五右衛門。
 さすがに歌舞伎のように顔に隈取などはしていないが、その芝居がかった言い回しは、それを意識しているのだろうか。それとも地なのか。

「俺様は天下の大泥棒。
 ならば! 徳川の天下を盗もうとする信長公と組んだって、おかしくはねぇぇだろうが!」

 五右衛門はそういうと、義賊とは名ばかりの残忍な笑顔を猟兵達に向けた。

 すでに大きく数を減らした浪人衆は、あとは砦の侍たちでも十分抑えることができるだろう。
 ここで総大将である石川五右衛門を討てば、この戦いも終わる。

 かくして最後の戦いの火ぶたが切って落とされたのだった。
御剣・刀也
ふん。天下盗りか
まぁ大層な夢を持ってるな。が、お前に転嫁は盗れねぇよ
此処で俺達にやられるんだからな

煙管の一撃は日本刀で見切って受け流してカウンターで相手の防御が整う前に斬り捨てる
煙遁の術で防御されそうになったら捨て身の一撃でその防御事相手を押し切って斬り捨てる
貧しき民の霊で応援されて力が増したら、それを真向から受け止めて押し返そうとする。武器と防具がパワーアップしたら、自分の相棒を信じて、折れる物なら折ってみろ。と力を籠める
「天下御免の大泥棒だろうが盗人は盗人。未遂だろうが何だろうが、裁きを受けてもらうぜ!!」


姫鶴・小夜
「くかかかか!!!最後は天下の大泥棒が相手か。愉快愉快!
なるほど、道理でこの軍の動きに指揮もへったくれもなかった訳じゃ。合点がいったわ。
そして主が信長と組む理由もまさに道理よ。じゃが、それはさせんよ。姫鶴一文字の名にかけて、な」

他の猟兵と連携して当たるか。
よかろう。天下の大泥棒相手に手抜きは失礼というものじゃ。長船と共にこの姫鶴自身も振るおうぞ
純白の武者鎧を纏った真の姿。左手に長船、右手に姫鶴を持って相手をしようぞ

敵の攻撃は「見切り」「盾受け」を使用して凌ぐ
懐に入ったら長船で「なぎ払い」つつ、「2回攻撃」を使用して返す刀でこの姫鶴をもってUC『一刀流・瞬線散華』を使用し切り裂いてくれよう


愛久山・清綱
歌舞伎や浄瑠璃で知られる盗賊、石川五右衛門。
辞世の詠「石川や 浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ」は
此の世の理を突いた見事な詠だ。

後は、伊賀流と聞いたこともあるが……違ったか。

■闘
とはいえ、織田の指揮官である以上腕は立ちそうだな。
油断は禁物。

敵の攻撃を【野生の勘】で軌道を読みながら【武器受け】し、
【カウンター】の太刀を浴びせる。

好機が来たら後方へ【ダッシュ】し一旦敵と距離を取り、
【山蛛】を放つ態勢を取る。
初撃に中距離から【マヒ攻撃】を絡めた【衝撃波】を放ち、
二撃目に【鎧無視攻撃】の効果を持つ霊力の刃を放つ。
初撃を確実に当てられるよう、敵の動きを注視しよう。

※アドリブ・連携歓迎です


アララギ・イチイ
叛逆者ってのは何時だって厄介者なのよねぇ
そして、その最後は悲劇的な最後って相場は決まっているわぁ

【召喚・飛蝗~】を使用よぉ
召喚した蟲達の群れを二手に分けて、片方を五右衛門に、もう片方を敵のUCで召喚した貧しき民の霊に向かわせるわぁ

蟲達を纏めて最高速度で【一斉発射】、弾幕攻撃の様な【範囲攻撃】で敵(貧しき民の霊も含めて)を貫くわぁ
攻撃時には【毒使い】で強化された腐食毒も併用、貧しき民も霊は蟲達に餌にでもしようかしらぁ?(同じ霊同士なので食べられそうだし

まぁ、叛逆者の最後はこんなものよねぇ(上記の成功時の感想

接近時の対応は、今度は改造ブーツのドリルパイル、【踏みつけ&串刺し】の一撃で対応するわぁ


火土金水・明
「絶景かな、絶景かな。信長と手を組むとは、小せえ、小せえ。この五右衛門からは、値零両、残念よう……ですか。」生前の五右衛門が言った言葉を一部変えて挑発してみます。
【WIZ】で攻撃です。他の方の攻撃に【援護射撃】をする形で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『天下御免の大泥棒『石川五右衛門』』がどこに移動しても巻き込めるように【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「私は、私が今できることを全力でするだけです。」「逃がしませんよ。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


テラ・ウィンディア
……おれ知ってるぞ!ちょこっとだけ勉強したからな!
お前が本当に盗みたいのは徳川の天下じゃないだろう!
それが叶わないから代わりに徳川の天下を盗もうとしてるんだろ!
妥協してる奴なんかに負けないからなっ!(ある意味理不尽!

【属性攻撃】で炎を剣槍太刀脚に付与!
焼き尽くしてやる!
槍で【串刺し】攻撃
感情的に見せながらも常に冷徹に【戦闘知識】も利用して観察し立ち回りと動きの把握に努め
【見切り・第六感・残像・空中戦】で回避しながらも空も飛び回り炎を纏って猛攻

上空を取ったら補足して隙を見出し

メテオブラスト!

【踏み付け・属性攻撃】でまさに火の玉となって焼き尽くし粉砕だ!

お前もきっとオブビリオンにならなきゃな…


加賀・琴
今川義元公が一番槍で石川五右衛門が総大将ですか
普通、逆ではないですかね?
少なくとも軍勢の指揮に関しては貴方より義元公の方が専門家のはずですが
まぁ指揮らしい指揮もしてなかった名ばかり総大将で私達は助かりましたが、これが義元公が本気で采配を取っていたら厳しかったでしょうし
ともあれ、浪人衆の抑えは侍達にお任せして砦から出て総大将を討ちにいきます

総大将とはいえ、個人の武勇は特に聞いたことがないですし将としては論外ですよね?
無名ではないのは確かですが、天下を盗むというのには見合った実力があるようには……
ですが、まぁ義賊とは思えぬその欲に濡れた穢れを断ちます
あえて遠矢ではなく近距離の【斬魔一閃】で斬ります


鍋島・小百合子
POW重視

天下布武の治世の下で暗躍し民衆の味方となっていた者が今や信長の犬となったオブリビオンか…

「権力に屈しなかった信念を呆気なく捨て去るとは哀れな者じゃ」
UC「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を纏い勇気に比例した戦闘力を得たら薙刀を手に大立ち回り
残像・ダッシュを組み合わせて敵を翻弄しながら鎧砕きの一撃を確実に加えていく
隙あらば矢劇薬を刀身に塗り込んだ(毒使い・マヒ攻撃併用)咄嗟の一撃を食らわせる
敵の命中重視の攻撃には薙刀での武器受けにて防御、攻撃力・攻撃回数重視の場合は残像と飛翔能力を活用しての回避
敵の体力次第で飛翔能力で限界まで高く飛び薙刀による急降下攻撃を食らわせる
「必殺!飛翔竜爪刺!!」



●石川五右衛門
「くかかかか!!! 最後は天下の大泥棒が相手か。愉快愉快!」
 五右衛門の口上を聞いて、姫鶴・小夜(麗刀姫鶴・f11358)は本当に愉快そうに笑い返す。出遅れて今川義元とは戦えなかった彼女だ。代わりにまた高名な強者と戦えるとならば、嬉しくなるのも当然か。
「おうおう! さすがに俺様のこたぁ、ァ、知ってるみてぇだな?」
 笑い出し、啖呵を切る小夜に、五右衛門は機嫌よく反応する。
「そりゃあな。歌舞伎や浄瑠璃で知られる盗賊、石川五右衛門か」
「おれ知ってるぞ! ちょこっとだけ勉強したからな!」
「ええ、知っています。絶景かな、絶景かな……ですよね」
 もちろん、小夜だけではない。五右衛門の名はそれほどに高名だ。愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)もテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)も火土金水・明(人間のウィザード・f01561)も、歌舞伎の石川五右衛門を思い出していた。
「はっはァ。さすが俺様!
 有名なのも、ァ、困っちまうなぁ!」
 呵々と笑い出す五右衛門に対し、小夜は納得したように言葉を続けた。
「そして主が信長と組む理由もまさに道理よな。確かに泥棒なら盗むのが目的よな」
「……とはいえ、個人の武勇は特に聞いたことがないですし。無名ではないのは確かですが、天下を盗むというのには見合った実力があるようには……?」
 砦の防衛を残った侍衆に任せて外に出てきた加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)は、小夜の言葉に続けるように、不思議そうにそう言った。
「あン?」
 琴の言葉に、それまでご機嫌だった五右衛門が眉をしかめる。彼女の言う通り、あくまでもその高名も泥棒としてのもの。武勇の話はあまり聞いたこともなく、ましてや……。
「それに、将としては論外ですよね?」
「じゃな。道理でこの軍の動きに指揮もへったくれもなかった訳じゃ。そこもまた合点がいったわ」
 琴に言われ、小夜もそう言って頷いた。
「ああんっ?! おめぇら、俺様をずいぶんと侮ってくれるじゃあ、ねぇか!」
「と、言われましても。今川義元公が一番槍で石川五右衛門が総大将。普通、逆ではないですかね?
 少なくとも軍勢の指揮に関しては貴方より義元公の方が専門家のはずですが」
 琴の疑問ももっともだろう。
 今川義元が本気の采配を振るって、自分たち猟兵はおろか砦の侍たちよりも数の多いオブリビオンの軍勢を率いていたとなれば、先の戦いよりもはるかに苦戦していただろうことは想像に難くない。が、五右衛門はそんな琴の言葉を笑い飛ばす。
「はン。なぁにを言っていやがる!
 この地でボロ負けしたヤツを、また総大将に据えるヤツが、ァ、いるわけがねぇぇだろうが!」
 確かにここは義元の鬼門の地ではあるが……。
「それに、指揮だってぇ?
 それについたぁ、おめぇらに謝っておくぜ。
 おめぇらを舐めてかかてったってぇわけよ。数で押せば簡単に倒せる雑魚ばかりだってなぁ!」
 猟兵達を小馬鹿にするように五右衛門は笑い出した。
 もちろん、そんな言葉を聞いた猟兵達はカチンと来ていた。
「ふん。天下盗りとは、まぁ大層な夢を語っていたな。
 が、相手を侮って油断するようなヤツに天下は盗れねぇよ」
 五右衛門になめられたことがよほど腹に据えかねたか、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)はそう吐き捨てる。
「じゃな。そもそも天下布武の治世の下で暗躍し民衆の味方となっていた者が、今や信長の犬となった。……権力に屈しなかった信念を呆気なく捨て去るとは、哀れな者じゃ」
「信長と手を組むとは、小せえ、小せえ。この五右衛門からは、値零両、残念よう……ですかね?」
 鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)の憤りを引き継ぐように、明は五右衛門の有名な台詞をもじって挑発的に煽ってみせた。
「けっ。言いやがれ。
 だがな、なぁにを勘違いしていやがる!
 今の権力側は、てめぇら徳川だろうがああ!
 ァ、俺様は、いつだって、権力に反抗する者だぜえええ!」
「言われてみれば確かにそうねぇ。つまりそっちは反逆者ってわけねぇ?
 反逆者ってのは何時だって厄介者なのよねぇ。
 そして、その最後は悲劇的な最後って相場は決まっているわぁ」
 アララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は静かにそう言い返す。
「うむ。以前は釜茹でにされたのだったな。
 その時の辞世の詠、『石川や 浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ』は、此の世の理を突いた見事な詠だった。
 もう一度此処で詠ってもらおうか?」
 その清綱の言葉が、戦いの開始の合図となった。 

●大泥棒の大捕物
「辞世の句ねぇ。おめぇら、自分で何言うかちゃんと用意していやがれよ!」
 そう言うと、五右衛門はその巨体に見合わぬ素早さで瞬時に間合いを詰めると、手にした煙管で清綱を殴りつける。最初に清綱を狙ったのは、辞世の句を口にしたからだろうか。
「くっ……!」
 最初の一撃こそ喰らってしまったが、それに続く追撃は何とか己の刀で受け止める事のできた清綱は、納得がいったように頷いた。
「なんて素早さだ……そういえば、伊賀流と聞いたこともあるが……」
「ほほぉ! なかなかぁ、詳しいじゃあねぇぇか!
 百地のジジイから忍びの技も、ァ、盗んでやったのよぉ!」
 わざわざ大袈裟にそう言うと、一度受け止められたからか、あるいは清綱のカウンターを避けるためか、すぐさま離れていく。カウンターにふるった清綱の太刀はそのまま空を切った。
「我は纏う勇に相応しき極みの鎧……輝け!」
「なんだァ?! 眩しいじゃあねぇか?!」
 そこに黄金の輝きを纏って薙刀を突き刺しに来たのが小百合子だ。彼女は【黄金勇霊装】を纏い、それにより強化された力で、清綱から離れた瞬間を狙って斬りつけてきたのだ。だが。
「うぉっとぉ、あぶねぇ。女のくせになかなかつええ力じゃねぇかよ」
 その一撃を五右衛門は煙管で受け止める。
「一撃で届かぬなら、何度でも切るまでじゃ!」
「然り! 天下の大泥棒相手に手抜きは失礼というものじゃ!」
 薙刀を振るう小百合子にかぶさるように脇からそんな声と共に小夜が右手に持つ太刀で斬りつけてきた。
「出し惜しみはなしじゃ。長船と共にこの姫鶴自身も振るおうぞ!」
 小夜は左手には先程から使っていた薙刀……長船を持ちながら、右手にはいつの間に抜いたのか壮麗な太刀を手にしている。姫鶴……ヤドリガミである小夜自身だ。
「はっはぁ! いいぜ、何人でもまとめて相手してやらぁ!」
 小百合子の薙刀と小夜の薙刀と太刀の二刀流を煙管1本で受け流しながら、五右衛門はバックダッシュして2人からいったん距離を取る。
「こんどはこっちだ! 焼き尽くしてやる!」
 五右衛門が逃れた所には、炎を纏わせた槍を構えていたテラの姿があった。
 炎の槍で五右衛門を串刺しにしようと突き出すテラの攻撃を、まるでアクロバットのような軽業でかわしていく五右衛門。
「おっとと、あぶねぇぇなぁ!」
「逃がしませんよ」
 さらにそこを狙ったのは明だ。明は、跳ねまわってテラの槍撃から逃れていく五右衛門の、その移動先がどこになろうとも巻き込めるように、広範囲に全力で【コキュートス・ブリザード】の氷の矢を解き放った。
 だが、それを待っていたとばかりに、五右衛門は落ち着いて煙管でその氷の矢を受け止める。
「はっはぁ! その術、ァ、俺様が、いただいたぁ!」
「えっ?!」
 明の放った氷の矢は、五右衛門の煙管の中にまるで煙のように吸い込まれていく。
 相手のユーベルコードを取り込み借用する煙遁の術だ。
「ほぉら、返すぜぇぇ!!」
 そしてその煙管を振るうと、明の放ったものと寸分たがわぬ氷の矢が、まるで吹雪のように明やテラたちへと降り注いでいく。
「くっ……さすがに自分の術でやられるわけにはっ」
 何とかオーラ防御で耐える明は、再び、2回攻撃の2回目となる同じ攻撃を解き放った。
「私は、私が今できることを全力でするだけです!」
 まったく同じ氷の矢同士が拮抗する。
「やるじゃねぇか、連発できるたぁなぁ!」
「くうぅぅ……!」
 その均衡を、捨て身で飛び込んできた刀也の剣が崩した。
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!」
 刀を振りかぶったまま、氷の矢の吹雪の中に飛び込んできた刀也は、吹雪とそれを放っている煙管ごと押し返すかのように【雲耀の太刀】を振るう。
「なんだとぉぉぉ?!」
 煙管ごと押し返したこれが、五右衛門に対する初めてのクリーンヒットとなった。
 そして、均衡が崩れたことで、明のはなっていた氷の矢もまた、五右衛門に突き刺さっていく。
「くっ、しくじっちまったぜ……なら、俺様のシンパを呼ぶとするかぁ!!」

●大泥棒の天上天下
 五右衛門は、かつて生前に義賊であったころ、それを応援していた貧民たちの霊を呼び出した。
 その霊たちの応援によって、一回り筋肉が大きくなる五右衛門。
「はっはっはぁ! まだまだ勝負はこれからだぜぇ!」
「そういえばかつては義賊だったのでしたね。
 でも、今の貴方は欲に濡れて、義賊の面影はありません。
 ゆえにその欲に濡れた穢れを断ちます」
「やれるものなら、ァ、やってみせろやぁ!!」
 五右衛門はそのまま、静かに御神刀を抜いていた琴に向かって煙管を振るう。
「きゃっ?!」
「なんだぁ?!」
 だがそこに、唐突に飛来した蟲の群れが五右衛門に、そして召喚された貧民の霊たちに次々と襲い掛かっていった。
「蟲だと……エエイ、鬱陶しいわぁぁあ!」
 まるで肉を食むように五右衛門に襲いかかる蟲の群れ……アララギが【召喚・飛蝗パンデミック】によって召喚した蟲の霊が、次々と召喚された貧民霊たちを喰らって無に帰していき、さらに五右衛門にも襲い掛かった。
「蟲を操ってるのは、ァ、てめぇかあああ!」
 アララギの存在に気付いた五右衛門は、忍術仕込みの素早い動きで一気に彼女の元へと駆けより、その身体めがけて煙管を振り下ろす。
「うぐっ、でも……おかえしよぉ」
 その一撃は喰らってしまうアララギだが、反撃に五右衛門の身体を踏むように足を伸ばした。その足に履いているのは改造ブーツ。靴底には、ドリルが内蔵されている。パイルバンカーの勢いで靴から放たれたドリルは、アララギが足を乗せた五右衛門の太ももを刺し貫くのだった。
「ぐあああああっ?! いてぇえええじゃねぇええか!!」
「刺されれば、痛くて当たり前です。義賊であることを忘れたら、痛みも忘れてしまったのですか?」
「何を……!」
 刺された痛みにのたうつ五右衛門に、すっと近づてきた琴は、そう言い放つと御神刀を一閃する。【斬魔一閃】による禍つを断つ破邪の刃が五右衛門を切り裂いていく。
 そしてここから猟兵達の反撃のターンとなった。

●大泥棒の最期
「捕らえた。これで、最期……だ」
 足の止まった五右衛門に対し、離れた位置から空槓を切り裂く霊力の刃が襲い掛かる。清綱の【山蛛】による攻撃だ。
「うぐああっっ?!」
 足に受けたダメージのため、自慢の動きも陰りを見せている五右衛門は、まともにされを喰らって悶絶する。
 さらに畳みかけるように刀也が再び斬りかかってくる。
「天下御免の大泥棒だろうが盗人は盗人。未遂だろうが何だろうが、裁きを受けてもらうぜ!!」
「黙れやああ! 俺様を裁く奴なんかもういねえぇぇえぇ!!!」
 刀也の刀を煙管で受け止めて見せる五右衛門だったが、刀也は添えれを押し返すかのようにさらに刀に力を込める。まるで折れるものなら折ってみろと言わんばかりに。
「ぐ、ぐぐぐぐ……」
 その鍔迫り合いの拮抗状態を打ち破ったのは、上空から降ってきた炎だった。
「やい、大泥棒! そもそもお前が本当に盗みたいのは徳川の天下じゃないだろう!」
「何……?!」
 いつの間にか宙に舞い上がっていたテラが、炎を纏わせた脚を真っ直ぐに五右衛門に向けて落とす。炎と共に超重力を纏った踵落とし……【メテオ・ブラスト】が、煙管を振りかざしていた肩を打ち砕いた。
「があああっ?!」
「本当に盗みたいものが叶わないから、代わりに徳川の天下を盗もうとしてるんだろ?
 そんな妥協してる奴なんかに、おれたちは負けない!」
「俺様の、盗みたいもの……」
 テラに肩を打ち砕かれ、それにより刀也の一撃を支えられなくなった五右衛門は、刀也の雲耀の太刀に斬られていく。
「ま、まだだ、俺様はまだ何も盗んじゃいねぇぇ……このままじゃ終われねぇええじゃねぇぇか!」
 大きなダメージを受けながらも、それでも逃れようとする五右衛門の、向かおうとした先に、明の放った氷の矢が降り注いだ。
「逃がしませんよ」
 先ほどと同じ言葉をあえて使い足止めする明。
 そしてそこに再び上空からの攻撃が舞い降りる。
「必殺! 飛翔竜爪刺!!」
 黄金の甲冑の力で限界まで上空に舞い上がった小百合子が、そのまま一気に急降下する勢いで薙刀を振るう。それは狙い違わず五右衛門の身体を切り裂いていた。
「が、はっっ……」
「どうやらこれで終いのようじゃな。
 主が捉えうるはただ瞬きの光のみ。起きたる事の理解も出来ぬままに血の華を咲かせ散るがよい!」
 そして最後にその前に立つのは小夜だ。
 己の本体たる姫鶴を構え、【一刀流・瞬閃散華】による斬撃を放つ。
 高速での連続斬撃が、瞬く間に五右衛門の身体のあらゆるところを切り裂いていき、五右衛門はそのまま大きな血の華を噴出して、倒れるのだった。
「俺様……の、盗みたい、ものは……」
 言葉が最後まで紡がれることはなく、そのまま石川五右衛門は骸の海へと返っていった。

 五右衛門が倒れた後は、もはや戦いにはならなかった。
 ほどなくして浪人衆も全滅し、かくして桶狭間の戦いは終焉を迎えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年06月15日
宿敵 『今川・義元』 を撃破!


挿絵イラスト