世界設定
過去が未来を喰らう、残酷なまでに美しき世界

第六猟兵の舞台は、「骸の海」と呼ばれる無限量の液体の中に浮かぶ、全部で36存在するという世界ワールドです。現代地球もそのひとつで、他にもファンタジー世界や宇宙世界など、様々な世界が存在します。
 世界の外に存在する骸の海は、世界から排出された「過去」の集積体です。実は、時間とは「質量を持つ物質」であり、それを誰かが消費する事で、時は前に進んでいます。つまり私達は皆「時間を消費して生きている」のです。

36世界のひとつ「スペースシップワールド」

失われた過去の化身、オブリビオン

 消費された過去は、見えざる自然現象によって、世界の外に排出されます。過去を排出し続けなければ、新たな未来が生産できず、時間が停止してしまうからです。
 ところが稀に、骸の海から「過去」が染み出す場合があります。滲出した過去は、受肉して「オブリビオン」と呼ばれる怪物になります。失われた過去の化身であり、かつてその世界に存在した者の姿を持ち、世界を滅亡に導く―即ち、世界を「過去」で埋め尽くす―ように活動します。

 オブリビオンは明確な「世界の敵」であり、倒さなければ、世界はいずれ必ず滅びます。故に世界は、自然現象として、自らの世界に現れたオブリビオンと戦う者達を、世界の住人の中から選び出します。


挿絵:ゲンジロウ・ヨハンソンの宿敵

世界を救うもの、猟兵イェーガー

 オブリビオンと戦う為に選ばれしもの、それが君達猟兵イェーガーです。元より超人であったり、類稀な才能を秘めている等の「生命体の埒外にあるもの」が、世界によって猟兵に選ばれます。
 猟兵は昔から自然発生的に現れ、同じく自然発生するオブリビオンと戦って、世界を守り続けてきました。しかし近年、新たな世界グリモアベースと、そこから生じるエネルギー体「グリモア」が発見されてから、猟兵達は自分の世界だけでなく、「他の世界に渡れる」ようになりました。

 また猟兵は、世界の加護により「全ての世界で言葉が通じ、どんな外見でも住民に違和感を与えない」という、地味だが有益な特性を持っています(現代日本に異形の猟兵が居ても気にされない、等)。


挿絵:キリエ・ニール

ユーベルコード、大いなる力

 全ての猟兵、オブリビオン、そして一部の住民は、超常能力「ユーベルコード」を修得しています。自然現象を操作する、剣で切断するといったものから、摩擦係数を無くす、管狐を召喚するものまで極めて多彩なうえ、自身で新しいユーベルコードを編みだすこともできます。
 殆どのユーベルコードは、魔力や気力といった一切のリソースを消費することなく、無限に使用できます(稀に、寿命を削るような代償が必要なものも存在します)。


挿絵:小日向・いすゞ