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【南瓜2023】心響のキャンディ・ナイト

セロ・アルコイリス　10月4日23時

●ハロウィンの準備をしよう
「とりっくおあとりーと！　なの！」
「いや、早ぇでしょ」
　両手を揃えて差し出す憩・イリヤ（キミガタメ・f12339）に思わずと言った｜体《てい》でセロ・アルコイリス
（花盗人・f06061）はツッコんだ。
　だがいつまでも幼女の姿のバーチャルキャラクターは「わくわくなの！」と、全く堪えた様子がない。
「まあ、準備は大切だね。衣装とか。……あ、ハロウィンって、収穫祭のことだよ。そっちの世界では」
「ああ、収穫祭」
　衣装図を眺めていたトスカ・ベリル（自鳴琴の子守唄・f20443）が隣の少年に言えば、リコ・ノーシェ（幸福至上・f39030）はようやく得心したとこっくり肯く。
「準備ねぇ……」
　そんな一切の纏まりのないいつもの面々を眺めて、そうだとセロは顔を上げた。

「んじゃ、準備だけしましょうか」


●心響のキャンディ・ナイト
　アルダワ魔法学園、……の、海を航った『精霊の森』。
　天空樹を取り囲む大森林の一部にて、魔法の夜は開かれる。
　それは仮装をしたひとだけに掛かる魔法。
　笑顔の繰り抜かれたカボチャランプが左右にずらりと並ぶ入口を進んだなら、そこはいくつもの路が入り組む自然の迷路──にちょっぴり精霊の魔法も籠められて。
「そこでは、みんなにキャンディを探してもらいます。きらっきらの、宝石みたいなキャンディを」
「わぁっ、素敵なの！」
「……食べてもいいの？」
　素直に手を合わせる電子幼女と、色気より食い気な疑似生物。セロはいつも通り過ぎるふたりに小さく笑った。
「もちろん、食べられますよ。キャンディは木の実として生ってたり、宝箱ん中に入って道端に落ちてたり、いきなり現れる噴水でざらっざら噴き上げてたり、雨みたいに降って来たり、……幻想のモンスターを倒していただいたり」
「わぁわぁ、じゃあイリいーっぱい集めちゃうの！」
「ええ、大丈夫です。どーせ無限に湧き出てきますから」
「ん、と。……キャンディをいっぱい食べられる、のが、……魔法？」
　リコの問いに、よくぞ訊いてくれましたとセロは笑った。左頬のハートのペイントが歪む。
「そのキャンディを、天空樹に捧げたら──、それに応じた場所に行けます」
　つーか、精霊が魔法で周囲をまるっと変化させてくれます。蒸気駆動の人形は言い直す。
　その説明を受けてなお、リコは左右色違いの双眸を瞬いた。
「？　えっと、……好きなとこに行って、好きなように遊ぶ、魔法？」
「いいえ」

　いつもと違う自分なら言える。

「つまり、仮装をして『いつもと違う自分』になって……、キャンディ探しで『｜場所《シチュエーション》を準備』して。そんで『誰かになにかを言うため』の魔法です」
　もちろんそれは猟兵同士じゃなくてもいい。例えば既に亡きひとに伝えたい言葉でもいい。あるいはこれからの決意表明なんかでも良いだろう。
　イリヤはぱっと表情を明るませ、傍に居たデュラハン──フィアクラ・ディアミッド（いつか聞いた足音・f34123）の手を取った。
「じゃあおじさま、一緒に行きましょ！　おじさまの好きな色のキャンディ、イリたっくさん探してあげるの！」
「星が見たい、とか、なら。青、とか、白、とか、そういう色を選べば、いい？」
「いいえ？　赤い星に願うことがあんなら赤でもいいですし。別になんだっていいです。『これは準備だ』ってココロがそこにありゃあ、なんでも」
「わたし、キャンディだけでいいけど」
「それもアリだと思いますよ、おれは」
　そう言ってセロは首肯する。

　すべてがせんぶ、ココロ次第。
　なにを想って──どんな準備をするか。
　ただ、それだけの。

「そんなんが好きなひとは、良けりゃどーぞ、ですよ」



■□■

　【ハロウィンノベル2023】企画です。
　良ければ【ノベルについて（ https://tw6.jp/club/thread?thread_id=122386 ）】もご参照ください。
　大したこと書いてないので読んでなくても大丈夫です。

※注意：この依頼では、プレイングに『行動』を書いちゃダメ（準備除く）。
　『キャラの口調で』、『森に行くまでの心情』＋『行きたい場所』＋『言いたいこと』のみをお書き下さい。
　それをマスタリングし、朱凪が「らしい」と思う行動を取らせます。
　ＮＧな行動は明記していただけるとありがたいです。
Ex.絶対に触れ合わない。フラれた場合は描写なしで。etc...

　「～しようと思って」や「～したいわ」の記述はＯＫ。結果は『なぜそれをしたいと思うか』の心情記述次第です。

　『森までの心情』『準備』『言いたいこと』以外を書かれた場合は採用できません。
Ex.『森や行きたい場所に到着してからの感想』などはアウトです。
　『綺麗なんだろうなあとわくわくしている』はＯＫ。

　複数人参加の場合は『相手への気持ち』や『現在の相手との関係』『今後どういう関係になりたいか』とかを書くと良いかもです。
　今回の誘い合わせは『３人まで』で。すり合わせなぞないのも楽しい。
　行きたい場所が全員ばらばらでも構いません。混ざるだけです。

　仮装に関して、SDの有無は問いません。
　ただ、SDがあっても『なんの仮装か』は教えてください。判らないときがあります。

　リクエストの冒頭に【飴】と書いていただければ話が早いです。
　世界は『アルダワ魔法学園』固定です。

　描写の比率はリクエスト文に応じて変えますが、例えば『飴探しよりも行きたい場所での描写を多くして欲しい！』という場合は『飴＜望』と書いてもらえたら調整します。
　『飴＞望』は飴探し多め、『飴＝望』は同じくらいの比率を目指します。

　募集期間は『｜１１月３０日（木）《ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ》』までです。ご注意ください。

　朱凪のグリモア猟兵（自覚ない奴含む）は、名指しで呼んでもらえればお邪魔します。




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