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バトルオブフラワーズ⑬〜フリーダムファイター

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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●ドン・フリーダム降臨
「あらあら、もうみんなぶっ殺されたですわの?」
 システム・フラワーズの中枢に辿り着いた猟兵達の前にいよいよ姿を現した巨悪。
 オブリビオン・フォーミュラである『ドン・フリーダム』が余裕な表情(?)で駆けつけた者達に立ち塞がった。
「このわたくしが、かつてシステム・フラワーズを作り上げたちょうてんさい、『ドン・フリーダム』でございますわ」
 ほぼ全裸ともいえる肢体に上下逆さまの仮面をつけた女性。
 初見であればそうなのだろうがこの女性こそ、システム・フラワーズの生みの親にして「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」など幹部級の力を併せ持つというちょうてんさいドン・フリーダム本人なのだ。
(天才と天災のダブルネーミングだとかなんとか……)
 その見た目に騙されてはいけない、目の前にいるのは強敵の中の強敵。
 生半可な対処だけで戦うと敗北は必至なのは過去の戦争を見てもあきらかだ。
「でも、迷惑なんて失礼しちゃいますわ。わたくしはただ、システム・フラワーズを『修理』しているだけなのですのに」
 そう語るドン・フリーダムはコンコンコンの修理がもうすぐ完成すると公言している。
 本当のコンコンコンが齎す物がこの世界にどんな変化を齎すのかは不明だが、オブリビオンの野望を打ち砕くのが猟兵の使命であるならばやることはただ一つだ。
「オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!」
 そう語る彼女を放置するわけにはいかない。
『オブリビオン・フォーミュラ、ドン・フリーダムの撃破!』
 猟兵達がすべき事はとてもシンプルなことなのだ。


「いよいよ大詰め、ラスボスって奴の登場ですよ!」
 グリモア猟兵の村雨・ベルが眼鏡を光らせニッと怪しい笑顔を向ける。
「3幹部の能力を全部使うとかありえませんねー、いやーお見送りしか出来ないのが本当にごめんなさい!」
 とても怪しいが話は先へと進められる。
「今回はまず敵の先制攻撃ありきとなります。まずはこれをどう耐え凌ぐか……対策はきちんととってくださいね?」
 実力そのものが3幹部よりも上の為、考え付く限りの対策を講じるのがベターというものだろう。
「ドン・フリーダムは同時に一体しか現れませんが何度でも躯の海から蘇るのです。でも許容を超えるほどに撃破するのが勝利への第一歩となりますね」
 まずは一体一体を確実に倒していこうというわけだ。
 敵は強大だが幹部級の力を使うためなのか、ここまで倒された敵幹部の分はこれでも弱体化をしているようだと補足がはいった。
「これがこの戦争の最期の戦いになると信じて、皆さんの力でぜひ勝利をもぎ取ってきてくださいね!」
 グリモア猟兵の見送りを受けた猟兵達は戦場となるシステム・フワワーズの中枢部へとそれぞれの想いを胸に旅立っていくのだった。


轟天
●重要
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
 SPD:風で足場を崩してきます。
 WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イデアール・モラクス
そう、自由だ!
貴様を殺す私の自由を阻む事は出来ぬのだ!

・対先制
『高速詠唱』で【自身の全周囲に雷撃を放つ魔法】を繰り出し、魔導ビットの『一斉射撃』を全方位に放ち、魔剣ドミナンスの回転斬りで周囲を『なぎ払う』という三種の『範囲攻撃』による『武器受け』で死角を潰し先制を防御。

・反撃
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』で行使。
魔導防壁を纏いながら空を縦横無尽に飛翔し、両手から次々と『全力魔法』の力で威力を増した『属性攻撃』魔法【風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍、隆起する石の棘】を無詠唱連射、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して死角が無くなるほどの飽和攻撃で敵もマシンも『なぎ払う』。
「アーハッハッハ!」




 『システム・フラワーズ』中枢部にて惑星全域同時放送システムで高らかに宣言を行ったドン・フリーダム。
 いよいよキマイラ・フューチャーでの戦いは終幕への道を駆け始めたのだ。
 
「オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!」
「そう、自由だ!」
 ドン・フリーダムの言葉に重ねるかのように中枢部に降り立ったイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)が割り込むように言葉を紡ぎ構えをとった。
「貴様を殺す私の自由を阻む事は出来ぬのだ!」
 自由を謡うドン自身に、ドンを殺す事を是とする魔女の弁はまさに皮肉というしかない。
 対峙した二人の間に緊張が走る。
 相手に対しえ一方的な受けを要求するべく先に動いたのはドン・フリ-ダムのほうだった。
「わたくしを殺す自由、ご随意に行使するといいですわ……やれるものなら……ね?」
 ドン・フリーダムが踵を地面に三度コツコツコツと鳴らせば、イデアールの立つ地面が巨大なパックンフラワーのように噛み付き全身を飲み込もうとする。  
 だが初見殺しの死角からの攻撃に対してイデーアルはどこまでも冷静そのもの。
 周囲に満ちた雷撃に魔導ビットの全包囲射撃さらには魔剣ドミナンスの回転薙ぎ払いと多段重ねによる過剰なまでの防御がその威力を発揮していた。
 ぶつかりあう力と力、そして此度それは3重の守りを高速で用意することができたイデアールに軍配があがった。
 パックンフラワー型のマシンもこれには原型を留める事が出来ずあっさりと霧散し再形成には多少のタイムラグを発生してしまう。
 耐え凌ぐ事さえ出来れば今度はイデアールの番である。
「私の本気を見せてやる、光栄に思えよ?」
 魔導防壁を身に纏い空中へと飛び出したイデアールに大量の魔力が集約されていく。
 さらに属性を与える段に至ればドン・フリーダムに出来る事はといえば全力でその威力をガードすることのみ。
「アーハッハッハ!」
 イデアールの放つ風が火が氷などが次々と襲い掛かりその身を砕かんとするが、作り出したマシンの壁がそれらを防ぎに入る。
 だが周囲のありとあらゆる方向から放たれる攻撃にを前に次第にそのガードは緩んでいく。
 それらがドンの身体に幾つもの痣を作り始めるとイデアールは残った魔力をここで使い切るほどの凄烈さで力を振り絞り、これはまさに弾幕といえるほどの濃密さで目の前に大爆発を引き起こしたのだった。

「アハハハ、貴様の望み通り……死への前奏曲(prelude)を奏でてやったぞ」
 眼下の爆心地にいるドン・フリーダムへ暴虐の魔女は不敵に口元を歪めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
随分とオープンな変態が現れたものじゃのー
隠すものは何もないと言いたいのかのー

風の足場を崩されるなら、電脳魔術で最新戦闘機を召喚して、上に乗って風に乗る
暴風による攻撃は、障壁を生み出して【第六感】を駆使して、うまく風の流せる位置に張ることで対応していく

先制攻撃を凌ぎきったら「木を隠すなら森の中」でドン・フリーダムが乗っている花の台座を模倣作成
その足場を作り続け、足場としながら回避していく
痺れを切らして、台座を破壊してくれれば狙い通り
風で破壊されると、風の方向に向けて空気を切り裂く散弾が飛び散るトラップで【罠使い、破壊工作】も駆使

最後の駄賃代わりに、電脳ミサイルも叩き込む【誘導弾】


月宮・ユイ
連携アドリブ◎
まるで解放を謳う御仏の如き姿ですね
ですが制限なき自由はきっと他者を省みず、それをとても危いと感じます
故に私は貴方を阻む。それもまた自由でしょう?

[ステラ+ケイオス]槍剣:復元増殖
”催眠術”戦闘意識に変換:思考研ぎ澄ませ痛みを只の信号に
”第六感”含め知覚強化
常時”情報収集。学習力基に早業”で行動最適化
[コスモス+コメット]飛行付与外套+宇宙バイク:機動力確保
”念動力”纏い”オーラ防御”強化と行動補助”空中戦”足場へ対応
<合体兵装>構築まで”時間稼ぎ”
風穿ち届くだけの突破力持つブースターや装甲等を召喚合体
自身或いは味方も乗せ突撃
てんさい故の多才。接近後も油断せず”呪詛”纏う刃で喰らう




「あらあら、足元がお留守ですわ」
 ゴウン!
『システム・フラワーズ』中枢部に暴風が吹き荒れる。
 ドン・フリーダムの放つその凶悪な風は猟兵達が降り立った花畑そのものを穿ち砕いていく。
 舞い散る花弁の中にあって轟音が轟き現れたのは最新鋭戦闘機、そしてその背に乗るクリスタニアンこそがメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)なのだ。
 電脳魔術で召喚した戦闘機は揉みくちゃに暴風に流されながらもどうにか姿勢制御を取り戻す事が出来弧を描き空を駆けた。
「ずいぶん派手にやってくれるものじゃのー」
 間の抜けたマイペースぷりでメイスンが吹き荒れる暴風を振り返る。
 足場をあのようにされてしまい巻き込まれれば対策を打っていない者は二度と立ち上がれなくなっても不思議ではない。
 距離をとってみて始めてわかる、ドン・フリーダムを中心に吹き荒れた暴風が全ての足場を砕いてしまっている。 
 逃げれたのは自分一人かと思った瞬間、花舞う嵐の中から一人の人影が飛び出してくる。
「事前に聞いていたとはいえ規格外すぎですね」
 宇宙バイクに跨り複雑な機動を取りながら回避を続ける月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)はランダムに吹き荒れる風の流れを計算し、流れに乗るとどうにか第一波を脱した事を察する。
 感覚も思考も可能なかぎり底上げし痛みすらも信号として廃するほどに己を高めたユイでなければ耐え切れなかったかもしれない。
 次なる暴風がさらに襲い掛かるがこれはメイスンの作った障壁が上手く風の流れを変える位置に設置されていき追撃を封じる段に至りようやく反撃の目が見えることになる。
(木を隠すなら藪の中じゃのー)
 ドン・フリーダムが足場にしている『台座』を次々と複製し配置することで足場を作り出していくとそれが気に喰わなかったのか作り出すなり破壊してくるを幾度か繰り返していた。
 メイスンの辛辣な所は台座を破壊した瞬間、その方向へ向け散弾が何発も撃ちこまれ動きを阻害していくのだ。
 威力そのものは些細でも嫌がらせには最適だったらしい。
 その隙を見逃さずユイが次なる手を打ち宇宙バイクのさらなる機能を解放
すると液晶にシーケンスを伝える文字列が流暢に流れ始めた。
(共鳴接続機能正常稼働。対象選択・サイズ設定完了…保管庫の情報を基に指定対象を生成…召喚)
 宇宙バイクを中心に召喚されたパーツが組み合わさり終えると、分厚い装甲に突破力を持つブースターを持った『合体兵装』がその姿を現す。
 ユイがそのアクセルを吹かしまさに突撃開始の寸前に上空を通り過ぎた戦闘機からメイスンが飛び降りてきて合体兵装の上へと降り立つ。
「僕も一緒に行ってええかな?」
「ちょっと揺れるけどいいかしら」
 頷くメイスンを見ユイはフルスロトルで合体兵装を加速させ始めた。
 花を吹き散らす暴風に接触し弾き返そうとする風力とブースターの推進力が押し勝ち一気に先へと突き進んだ。
 装甲板がいくつもひしゃげ飛び散り暴風を突破した瞬間、二人は合体兵装を乗り捨て間合いへと飛び込んでいく。
「てんさい故の多才でも、合わさった力相手ならどうかしら!」
 ”呪詛”を纏った刃をオブリビオンの腹に突き立てユイがそのまま駆け抜ける。
 その場でよろめくドン・フリーダムの反対サイドから駆け抜けたメイスンが最後の駄賃代わりにと電脳ミサイルを叩き込む。
 ドンのいる足場から飛び降りた二人の遥か上空で紅蓮の爆発が巻き起こりその視界から消えていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スヴェトラーナ・リーフテル
【聖処女と狼】
私はヨグ=ソトースを召喚します。召喚すればかの邪神の力によって必ずや敵を打倒できるはずです。弱点は召喚までの時間と狂気を与えること。しかし、一つはあなた自身が欲望に狂っている故既に達成されました。ならば貴方が私に対して行う対策は私に時間を与えないこと。これは仲間に補ってもらいます。頼みましたよ。
「いあいあ!以下略!! 」
「ははははは、その過去集積体から身を護る対策を自らに施しているとしましょう。しかし、それは無駄です。何故なら私の目的は過去集積体を貴方の周囲にばら撒くことで世界にこのフォールド全域を骸の海に流してもよい過去であると認識させることなのですから!アディオス!!」


エルネスト・ポラリス
【聖処女と狼】
さて、肉体的に一番頑丈なのは私です。
積極的に前へ出ましょう。

仲間のUCは恐らく敵にも有効……が、発動するのに時間がかかります。
その為の時間を稼ぎます!
私のUCは光であるが故に速く、物体を透過するゆえに防げない。
ですが、光という性質がそのまま弱点になる。
死角から霧でも作られ、光を拡散されてしまえば、奴に届く前に私の攻撃は無力化です。

ならば、それを逆手に取る。
銃弾を光化させた後に、拡散された瞬間を見切りUCを解除、即席の散弾を喰らいなさい!

まあ、弾が小さくなる以上、距離を取られれば威力は激減。
けど、そこまで距離を取れば。
味方の雨が、『銃弾』に当たる……!


狛居坂・雷香
【聖処女と狼】
前線で時間を稼いでくれているエルネストさんを、サポートします。
この雨は、皆を癒す雨。局地的に、エルネストさんの周りにだけ降らします。
……まあ、当然、傘で天と地を別たれれば、それまで、ですね?
しかし、傘から流れ落ちる雨だれもまた、癒しの水です。
敵さんは、エルネストさんが対策した攻撃を、更にその上から迎撃してくるかもしれません。
けれど、エルネストさんが工夫して少しでも攻撃の距離を伸ばしてくれるなら、この癒しの雨だれが間に合います。
打ち砕かれた攻撃を、また威力ある攻撃へと“修復”できるでしょう。
それでも、とどめには至りませんが…。最後は、お願いします、ね?




『システム・フラワーズ』中枢部での戦いに一つの転換点が生まれる。
 十二分な打撃を与えたことで守りを固めようとするドン・フリーダムにさらなる追撃を与えようと数人の猟兵達がこの場に辿りつく。
 その目の前に慌てる事無く立つオブリビオンは一見したところまだダメージがどれだけ通っているのかわからりにくいのが正直な所だ。
「わたしくしとした事が不覚をとりましたわ」
 ゴホゴホと煤を払いドン・フリーダムが腰に手を当てポーズを取り直した。
(さて、肉体的に一番丈夫なのは私ですしね……)
 エルネスト・ポラリス(いつか満月の下で・f00066)は後ろに控える二人を守るように一番最前列へ歩を進めた。
 大型リボルバー『W&G E800』を慎重に構え撃鉄を上げジリジリと狙いを定める。
(仲間のユーベルコードは恐らくは敵にも有効……が、発動するまでの時間稼いで見せますよ)
 内心そう思いつつ後ろで召喚の準備に入っているだろう仲間へと視線を送らず気にかける。
 エルネストに守られるよう背後で詠唱の準備に入っているのはスヴェトラーナ・リーフテル(実装者・f03738)である。
 召喚に必要なものは時間と狂気、そのうち狂気は目の前にいるドン・フリーダムから十二分に感じる事ができた。
 ならば自分に出来る事はただ召喚を遂行するだけ、スヴェトラーナは心の奥底に刻まれたその呪われた言葉を呟き始める。
「いあ いあ んぐああ んがい・がい! いあ いあ んがいん・やあ・ん・やあ……っ」
 その声が響き始めるや否や周囲の空気が澱んだ、何か目に見えないサイズの細工をしているのかもしれない。
「ん……そろそろ来るかも……です」
 ふわふわと髪をはためかす少女が詠唱しているすぐ前あたりに浮遊してオブリビオンの動きに注意を払っている。
 狛居坂・雷香(能天気予報少女・f17947)にとっては風に乗って伝わる空気の感触に違和感を感じ、目の前にいるドン・フリークスが何やら仕掛けをしてきているのを肌身で見分けていたのだ。
  
「それでは参りましょう!」
 戦いは唐突に始まりを告げる。
 エルネストが横飛びに跳躍し容赦なくトリッカーを引いた。
 撃鉄が落とされ爆発と共に撃ち出される鉛弾、通常であればそのまま明後日の方向に逸れるであろう軌道が光弾へと変化を遂げると一斉にドン・フリーダムへと襲い掛かった。
 ユーベルコード『ラエティティアの証明を』で聖なる光へと変換された弾丸に通常であれば対応など間に合わなかっただろう。
 だが3人からは死角になる位置で用意されていたマシンによる霧が瞬時に展開され光弾を次々と霧散させてしまった。
 そのまま振り払われるよう襲い来る霧に飲み込まれた人狼の青年が耐え切れず膝をつきそうになる。
「驟雨はまもなく晴れるでしょう~」
 雷香の可愛い詠唱と共に降り注ぐ癒しの雨がエルネストを寸での所で支えきり次へと確かに繋げられることとなる。
 だがそれも即作り出されたマシンの傘で降り注ぐ事を阻止されてしまった。
 だが敵の対応はこれで見る事が出来た、一撃で倒されなかった事でもう一度チャンスは巡ってくる。
「……いあ いあ い・はあ い・にやあい・にやあ んがあ……っ!」
 詠唱を続けるスヴェトラーナの周囲で変容していく空気の質にドンの放つマシンが浄化の風となり瘴気を霧散させてくるのが恨めしい。
 だがもう一歩で完成する召喚をここでやめるわけにいかずさらなる集中を己に課していく。
 エルネストがリボルバーの空薬莢を捨てスピードローダーで急ぎ装填をする。
 足元に響く薬莢の金属音が途切れる前に飛び出すと今度は真正面へ銃口を向け全弾を容赦なく叩き込む。
 光弾と化した弾丸が光線のように次々とドン・フリーダムの目前で再び霧散する。
 だが今度は先ほどとは違う。
 光が拡散した瞬間ユーベルコードが解除されただの鉛球へと戻った弾丸が散弾と化して襲いかかったのだ。
 だがその威力は命中したとしても微々たる物、まともに当らなければダメージとしては不十分。
 しかしここにきて先ほどマシンの傘にて阻害されていた癒しの雨が役に立つ時が来た。
 エルネストの頭上で作られたマシンの傘の裾はちょうどドン・フリーダムの真上に位置し、癒しの雨はオブリビオンにも癒しの効果を与えてしまっていたのだがそれは有機物だけを癒すとは限らない。
 無機物……そう打ち砕かれ拡散してしまった弾丸もまた例外ではなく……砕かれる前の状態に”修復”されていた。
 数発の弾丸が撃ちこまれよろめくドン・フリーダム、それを見て雷香が後ろを振り返った。
「これでも、とどめには至りませんか…。最後は、お願いします、ね?」
 風使いの少女の視線の先ではようやく終盤に至った詠唱が最後の一節を迎える。
「いあ!いあ!よぐ・そとおす!おさだごわあ!狂気なくして覗けぬ生命のオルタナティブよ!■■より来たりし者よ!」
 唱え終わった瞬間スヴェトラーナの身体が後方へと吹き飛ばされた。
 姿を現した(?)太陽の如く輝く虹色の球体の集積体は人類が理解できる代物ではなかった。
 それこそ果ての無い存在と自己の<一にして全><全にして一>の状態に他ならない。
 ドン・フリーダムもまた何やら黒い仔山羊のような物を形成しその身を守るべくぶつかり合わせるのだがその衝撃で周囲にいる者は皆次々と薙ぎ倒されていってしまう。
 至近にいたエルネストとフォローに入った雷香も爆風に巻き込まれて視認できなくなってしまった。
 
「ははははは、その過去集積体から身を護る対策を自らに施しているとしましょう。しかし、それは無駄ですっ!」
 スヴェトラーナの言葉はさらに続くが大きな爆音にかき消され最後まで語る事はできなかった。


 静寂が訪れた花畑に倒れこむ3人は互いが無事であることを確認できほっとした表情で周囲を見渡した。
 周囲にドン・フリーダムの姿はない。
 トドメとはいわないがかなりの手傷を負わせたはず、そう確信し3人は後を他
の猟兵達に託すこととなるのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ソナタ・アーティライエ
わたしの歌で、貴女の欲望を一時でも忘れさせてあげます

「ありがとう、アマデウス」
一緒に居るアマデウスが、わたしの死角をフォローしてくれます
それと合わせて[第六感]と[聞き耳]でのとっさの回避と
身に纏う[オーラ防御]で足元からなどの攻撃にも対応し致命傷を避けます

「この身は音楽を奏でる機械ですから……」
歌の邪魔や音の遮断などの手段で無効化を狙ってくるなら
その身に直接、歌を聴かせてあげましょう
およそ接近戦とは縁遠い見た目を活かし不意をついて接近
音の精霊たるアマデウスを宿した手で触れる事で
そこから歌(振動)を送り込みます
感じてください、天上の調べを……これが【天臨聖歌『天の階』】、です

アドリブ、連携歓迎




 システム・フラワーズ中枢部に歌声がどこからか届いてきた。
 それはとても儚げでなぜか耳に残ってしまう……そんな歌だった。
(わたしの歌で、貴女の欲望を一時でも忘れさせてあげます)
 花畑にそっと降り立ったソナタ・アーティライエ(未完成オルゴール・f00340)は目の前に立つドン・フリーダムを見てなおそう思う心を止めることはできない。
 横でクゥンと鼻を鳴らす銀色の竜アマデウスに気付くと頭を撫でてやり”心配ないよ”と笑顔を向けた。
 小さな相棒に心配をかけてしまったことに少し気恥ずかしさを感じつつも慎重に立ち位置を変える事は忘れてはいない。
「歌いたければ自由に歌うとよいですわ。 わたくしが止めるのももちろん自由なのですが!」
「くっ!!」
 まるで花畑に擬態したかのようなマシンが足元から突如襲い掛かるのだがそれは間一髪銀竜がソナタを後ろに引っ張り事なきを得る事ができていた。
 あまりにもギリギリだけに胸元の生地が少し裂けてしまった。
「ありがとう、アマデウス」
 どう来るかが理解できれば後は集中するのみ、音を聞き分け足に伝わる反応をオーラで感知し次々とステップを踏み続けた。
 さらには雑音なども同時に行う事で歌すらも阻害するように立ち回るオブリビオンの攻撃に思わず感心してしまっていた。
 
 恐らくはソナタが歌い手だということは相手の知るところ、ならばそのギャップで不意をつくしかない。
 距離を取ると踏んでいたドン・フリーダムの虚を突き一気に駆け寄り間合いを詰めていく。
 何度も使える手ではないが初見相手ならばこれで十分。
 音の精霊たるアマデウスが利き腕に宿りその手がそっとオブリビオンの肌に触れた瞬間、周囲に高周波の如き旋律が響き渡ったのだ。
 歌とはこれすなわち振動、触れる事でその振動は相手の身体を伝いそしてその肉体そのものを楽器として響き渡る事となったのだ。
「感じてください、天上の調べを……これが天臨聖歌『天の階』、です!」
 邪念や欲望が露のようにかき消えその表情が恍惚に満ちたものへと変化するのをソナタは見逃さなかった。
 欲望という底力を大幅に減らされたドン・フリーダムが片膝をついたことで確信がもてる。
 畳み掛けて倒すなら今をおいてないであろうということを。

成功 🔵​🔵​🔴​

シルバップ・シノイトビクス
【チーム:賢人協会】
わたしには攻撃するための力はさして有りません
ならばこの場は、感情を揺さぶり隙を作るのが役割です!

互いに自由を体現するような姿、よく似たわたしたちなら、気にはなることでしょう。

UCにて状態異常力を強化した誘惑と挑発の舞いで視線をおびき寄せ、感情を動かさせる事でバリアを解除、その後も発生を防ぎ続けましょう!

同時に視線をこちらに向けることは、仲間(フラニィさん)の攻撃への視線を切ることにも繋がります。
味方に攻撃が向かないように引きつけることでかばいながら、

「――今です!」

相方の最高の一撃に、最大の鼓舞をこめて。


フランチェスカ・ヴァレンタイン
【チーム:賢人協会】

ここが正念場ですか、ね…ッ!

全ての先制攻撃を自身に惹き付け、勘と見切りを駆使した多彩なマニューバで躱しながら、スラスターの全力噴射で上空へ
残光を曳きながらの複雑な回避機動が生む光の軌跡で、空中に大輪の華を描きます

そのまま直上から急降下
自身に迫る砲撃をシルヴィさんの祈りを受けながらのマニューバですり抜けつつ、砲撃で撃ち抜いたり斧槍で打ち払って爆炎の花火群を生み
爆炎に紛れてパージした装甲類を視線が途切れた一瞬に攻性デコイとしてぶち当て
キャストオフめいた姿を踊らせながら懐に飛び込んで、土手っ腹に向けてUCの一撃を得物の損傷を厭わぬ最大出力で――

「どうぞ――召し、あが……れッ!!」




 動きに精彩を欠きかなりの消耗が続くドン・フリーダムにとってはこれ以上の消耗はさすがに許すわけにはいかない。
「わたくしの赤べこキャノンを味わせてあげますわ!」
 長髪と舞い散る花弁が要所要所を隠すだけで後はほぼ全裸のままラビットバニーよりもさらに強力な火力を次々と撃ち出し迎撃を始めた。
 絶対無敵バリアも展開済のため万が一の反撃を浴びたとしても耐え凌ぐ事ができるだろう。 
「ここが正念場ですか、ね……っ!!」
 フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が身に纏うアルタースキン・ヴァルキュリアと呼ばれる外郭強化機甲の動力炉とスラスターを全開で稼動させ天を舞っていた。
 凶悪なスラスター性能による方向変換が肉体に限界を超える負荷をかけ規格外サイズの乳房も大きく暴れるがようにぐにゃりと風圧などで変形し続けていた。
 そこに襲い掛かる幾本ものキャノン射線を全力噴射で振り切り残光を曳きながら光の軌跡が大きな大輪の華をシステム・フラワーズの上空に描いていた。
「あ……あれは、雲を曳いて……エっ、エモいですわ」
 なかなか類を見ない空中戦とその機動に思わず感嘆の声を漏らした

「さすがですフラニィさん、ならば賢人へと導くのがわたしの務めというものでしょう」
 遥か足元花畑にもう一人の猟兵がもうしわけ程度の布を纏ったほぼ全裸の姿で立っていた。
 シルバップ・シノイトビクス(誉れ全き・f00938)にとってはこれが正装にして決戦服。
 人造の神として生み出された彼女にとってこれこそが正規の状態。
(わたしには攻撃するための力はさして有りません、ならばこの場は!)
 豊かな肢体をくねらせ魅惑的なダンスを始めているのだ。
 先制の一撃をフランチェスカが全て引き付け空中へと向けたことでシルバップにはその余裕が作られていたのだ。
 それを無駄にするわけにいかず舞は激しく誘惑と挑発を繰り返す過激なものへと変化していった。
 どこからかBGMすら聞こえてくるかのような激しい舞に花弁もまた宙を舞いそして周囲に飛び散る。
 ドン・フリーダムに比べて何の遜色も無い見事な乳房や腰の曲線、そして臀部から大腿部への肉付きがそれを見つめるオブリビオンの心を打っていた。
 手元の布や髪でギリギリまで隠れたりしてはいるが桃色突起がチラリチラリと見えるその姿はまさに神々しく、淫らな目ではなく完成された美としての美しさにドンの目は奪われ……。
「エモすぎ……ですわ……っ」
 二人の可憐さに絶対無敵バリアーはその効力を失い解除されてしまった。
(視線をこちらに向けることは、上がお留守ということですよドン・フリーダム)
 全身に刻まれた不可視の聖痕から放たれる法力の前にもはや注意は完全にシルバップへと向けられてしまっていた。
「……今です!」
 視線を変えずそう叫ぶ真上から最高の相棒が一直線に急降下をを行っていた。
 シルヴィからの祈りを受けながら一気にスラスター全開で舞い降りる方向に向け赤べこキャノンが今になって一斉に向けられフルファイアを放つ。 
 ギリギリの動きで避けいくつかは斧槍で払い、そしていくつもの爆発に呑み込まれそれに巻き込まれるように爆炎へと姿を消した。 
 やられてしまったのか?
 否、爆発の中から装甲のほぼ全てを残った衣装の大半を失いつつも飛び出してくるフランチェスカ。
「セーフティ、解除―― 対反動スラスター、噴射待機―― 術式炸薬、フルチャージ…! たぁっぷり、召しあがれ? 痛撃、爆砕っ…!!」
 パージした装甲を先行して突撃させ攻性デコイのように敵の反撃と相殺しながら接近する。
 ドン・フリーダムもキャノンをそちらに向け二人が激突した瞬間、その場に大爆発が起こり二人が飲み込まれた。
「どうぞ――召し、あが……れッ!!」
 爆発の中からほぼ全ての装備と衣装を失いほぼ全裸になったフランチェスカが投げ出されゆっくりと降下してくるのをシルバップは急ぎ駆けつけどうにかキャッチに成功した。

「うぐ……ぐっ……中々やります……わ」
 爆炎の中でもよろけながら膝をつくドン・フリーダムの姿に戦いの終焉は目の前だと二人は確信するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神元・眞白
【SPD/割と自由に】
自由。必要なことだけど過ぎた自由は困るぐらい。
あの仮面の下、どうなってるのかちょっと気になる。
飛威、隙を見て剥がしてみて。……冗談だけど。

先んじて動いてくるって分かっているなら受けに備えるけど…
風の流れの音を聞き分けるのと足場の崩れ方で接近率を見切ってみよう。
間に合わない様なら私が受けを。飛威と符雨は攻撃手だから回避を。
受けるダメージが大きそうだし魅医はお願いね。私は簡単に。
終わったら2人の補佐を。私は多分、きっとそんなに動けなくなるから。

相手の2撃目は状況を見て時間差を。
ツーマンセルでの状況判断は飛威、纏め役は一旦渡すから指示を。




 グリモアにより転送されシステム・フラワーズ中枢部へ辿り着いた一人の令嬢、そしてそれを護衛するかのように油断なくガードする二人のメイド達。
 ナイフを構える黒髪メイドと拳銃を持つ金髪メイドが油断なく飛び出すタイミングを計っているようだった。
 静かに対峙するオブリビオンの首領を見つめる神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)の瞳には二人とは間逆の穏やかな色が佇んでいる。
「あの仮面の下、どうなってるのかちょっと気になる。飛威、隙を見て剥がしてみて。……冗談だけど」
「……」
 つれないメイド人形の反応にコホンと咳払いし眞白は少し赤面。
「ツーマンセルでの状況判断は飛威、纏め役は一旦渡すから指示を」
 主のオーダーに黒髪メイド人形である飛威が振り返らず会釈する。
「あらあら、可愛いメイドさん達ですわね。まずはわたくしの歓迎……味わってほしいですわ」
 乱入者のやり取りを聞いていたドン・フリーダムが静かに印を結ぶと、周囲の空気が澱み暴風が吹き荒れ始めた。
 ここまでは事前に聞いていた敵の能力そのもの、だがその威力はケタ違いで聞き分けようにも爆音に近い暴風の音は前後左右から聞こえてくる。
 すでに暴風圏に巻き込まれ始めた足場が次々と崩れ始め3人を囲むようにその範囲は狭まっていく。
「二人共避けてっ!」
 眞白の命に従い戦闘メイド達は左右に分かれ暴風の薄い部分から外へと脱出を図った。
 かまいたちの如き鋭利さで全身を切り刻まれつつもどうにか暴風圏の外へと転がり出たものの満身創痍に近い状況にこの嵐の荒々しさが改めて見せつけられてしまった。
 そして当の眞白も避けきれないとばかりに受けに集中するのだが暴風と崩れ去る足場に飲まれ瓦礫の下敷きになってしまっていた。
 これで決着がついたのか?
 ドン・フリーダムがそれを確認しようと歩を進めようとした所に銃声と共に弾丸が周囲を舞う花弁に弾かれた。
 満身創痍に近い金髪メイド人形「符雨」が残った腕で拳銃のトリッカーを引き続け銃声が次々と響き渡る。
 千切れた腕を捨て駆け始めるとオブリビオンの注意はそちらへと向けられた。
 その隙に眞白が人形-戦術器「魅医」に最低限の治療を施されるのだが参戦は難しそうだった。
(魅医、私は簡単に……二人の補佐お願い)
 魅医を前線へと送り出し眞白は意識を失った。


「ふう、やっと止まりましたわね」
 ドン・フリーダムは肩に突き刺されたナイフを引き抜くと足元に転がる黒髪の人形の前へと投げ捨てた。
 手足を砕かれようやく動きを止めた戦闘人形にやれやれといった仕草を見せる。
 少し離れた場所に戦術器「魅医」と「符雨」も半身を砕かれ転がっており眞白の人形達はこれで全てが活動を停止したことになる。
 一方的なオブリビオンの勝利と見えるかもしれない光景なのだ……だが周囲の花畑の荒れ具合、ドン・フリーダムの全身に刻まれた傷が戦いの激しさを物語っていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー
グラフィックホイ、明滅するLEDランプのついた専用の道具を振り回し残像効果で中空に絵を描くパフォーマンス。私はこれを超能力でアレンジして行うわ。
光属性攻撃の念動力で生み出した明滅する光の群。私のダンスに合わせて光も舞い、その光の軌跡がこの戦争のハイライトを描き出しては消えていく。これはかなりエモいのではないかしら?
あ、打ち出されたキャノンの弾は念動力で軌道を逸らし、盗み攻撃で運動エネルギーを奪い、ダンスのステップで回避よ。

フリーダムさんにフリーダムにキマシタワーするために情欲の炎をどーん☆
ちゅっちゅぺろぺろしながら盗み攻撃で活力とか精力とか諸々のエナジーを頂くわ♡

こんなテクが!?流石はドンね。




「ショータイムの始まりなのよ♪」
 システム・フラワーズ中枢部にLEDの輝きが尾を曳き残像が空中に絵を描き出していた。
 グリモアにより転送され花畑に到着したアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)によるこのパフォーマンスで光の群れが舞い踊る。
「嗚呼、あれもこれもキマイラフューチャーの楽しい映像ばかり、キラキラして儚げでそれでいて楽しくてわたくしエモくて仕方ないですわ!」
 頬を押さえ感動に震えるドン・フリーダムがクネクネと湯気を出しつつ楽しんでいた。
 ここまでの戦いで満身創痍に近いはずなのにまだこれほど楽しむ余裕があるとは正直恐ろしい実力がなければできないことなのだろう。
 その輝きを背に激しくダンスを魅せるアリスを前にして絶対無敵バリアはすでに無力化されてしまっていた。
 得意の赤べこキャノンもさすがに弱体していたのもあるだろうが、念動力で軌道を逸らされ運動エネルギーを奪うなどという想定外の防御で足元に転がるただの鉄くずと化していた。
 軽くステップを踏みダンスしているだけに見える動きで気付けばドン・フリーダムの目の前にまで近付くなど通常ではありえない。
(可愛いそのステップにエモさを感じ手が出し切れなかった可能性も否定できないのだが)
「んー♪ 仮面はともかく・美・味・し・そ・うかも♪」
「!?」
 首に手を回し抱きついたアリスが仮面ごしに接吻をし耳元で何か囁くのだが。
『(あまりもアレな妄言なため削除されました)』
 ちょっと聞き取る事はできなかった。
 むしろ聞こえなくて良かったかもしれない、高揚し激しい接吻を始める二人の間に情欲の炎が燃え上がった。
 気付けばアリスの服も脱がされ幼い肢体が丸見えになってしまうが気にしている様子もなく二人はさらに絡み合う。
 だがこれもアリスにとっては捕食と同じ事……。
(魂まで吸い付くしてあ・げ・る♪)
 二人の姿が花畑へと消えた。

「そこダメ あぁぁぁ♪」
 痙攣する手足がぐったりと力を失いアリスがドン・フリーダムに重なるように抱きつきながら倒れこんだ。
 すでに数時間続いた交わりで双方の活力も精力も限界寸前。
(こ……こんなテクが、流石は……ドンね……っ)
 アリスがさすがに音をあげかけた目の前で突如ドン・フリーダムの仮面に亀裂が走る。
 そしてそのまま全身の崩壊が始まったのだ、さすがの連戦続きに活力をじっくりと吸い取られ限界を超えてしまったらしい。
「あぁ……わたくしの自由が、欲望……が……あぁもっと味わっていたかった……」
 そう言い残しまるで幻だったかのようにその肉体が霧散するとようやくシステム・フラワーズの最奥に静かな刻が訪れた。
 こうして一つの戦いが終りを告げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月27日


挿絵イラスト