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バトルオブフラワーズ⑪~潔くかっこよく!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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●唐突ですが
 深護・刹那(花誘う蝶・f03199)が話し出す。
「あれは確か、商人の子供のところにいた時だったかと思うのですが」
 それは人形の頃の思い出。子供たちが遊んでいる風景。
「こんなカードゲームでしたの。赤と青と緑の」
 そう言って刹那がテーブルの上に並べているのは、赤・青・緑の1から12の数字が書かれたカードたち。
 曰く、これらを分配して、1枚ずつ場に出して勝負を競う。基本的には数字が大きい方が勝ちだ。しかし、色に意味がある。
「赤はパワーを、青はスピードを、緑はテクニックを示していまして」
 それぞれ強弱関係がある。赤は青に弱く、青は緑に弱く、緑は赤に弱い。弱点を突かれると数字が2倍以上無いと勝てない。つまり、赤で青の5に勝つためには、10以上が必要ということになる。
「なぜこんな話をしたかと言いますと……実は今から皆さんに、青――『風』を攻略していただきたく」
 そう言って刹那は青のカードを手に取って、猟兵に向けてかざす。
「システム・フラワーズ中枢攻略戦、第三幕の開演ですわ!」

●三幕のボス
「今回のシステム・フラワーズの門番は『スピード怪人『ウインドゼファー』』。風を操るユーベルコードを得意とする女性ですわ」
 例によって、システム・フラワーズの中枢へ向かう通路は『咲き乱れる花々の足場』で構成されている。この場に降り立つと、花の足場が形成され、次に進めるのだが、今はどこに降り立ってもウインドゼファーの元に繋がっている状態だ。
 そしてウインドゼファーもまた強大なオブリビオンであるため、何度でも骸の海から蘇る。それを阻止するには、短期間のうちに許容限度を超えるほどに撃破を続けるしかない。
「わたくしが予知で発見したのも、そうやって復活してきたウインドゼファーですわ」
 刹那の予知にしたがって移動すれば、問題なくウインドゼファーを強襲できる。

「ウインドゼファーは、エイプモンキーやラビットバニーのような不思議な能力は持ち合わせていませんの」
 彼女が操るユーベルコードは『風を操る』もの。暴風や竜巻といった現象を操るものの、純粋に風を操作する能力だと言っていい。
「ただ、唯一注意するならば。疾風のごときスピードで『必ず先制攻撃を仕掛けてきます』わ」
 そのため、ウインドゼファーと相対した瞬間に攻撃が飛んでくると思っていていいだろう。
「先制攻撃は必ず行われます。ですので……」
 そこで刹那は赤のカードを手に取る。
「赤――単純にユーベルコードや攻撃を仕掛けるようと考えていると、先制攻撃からの連続攻撃で一方的にやられてしまいますわ」
 赤では青を攻略するのに、相手の2倍以上の力がいる。とするならば、だ。刹那が次に手に取ったカードはもちろん、緑。
「つまり、皆さんが取るべき行動は緑――アイディアやテクニックで、ウインドゼファーの先制攻撃を回避、相殺、あるいは耐え、そしてその後に攻撃を仕掛けるという手が勝利の近道ですわ」
 青のスピードを緑のテクニックで翻弄する。これが今回の勝利の鍵だ。
「ちなみに、2倍のパワーがあればごり押しできるんじゃ? とか思った方がいると大変なので補足しますと」
 このカードゲームで例えるなら、ウインドゼファーの手持ちカードは青単色の12から24。対して猟兵たちは3色あるものの、数字は1から12という状態だ。2倍を取るのが難しいからこそのテクニックという選択肢、と思っていただきたい。

●対策会議
 そんなわけで、ウインドゼファーの先制攻撃に対してどうするか、である。
「ウインドゼファーの先制攻撃は、素早くかつ正確であるものの、それ以上に特殊な能力を備えていませんわ」
 つまり、純粋に出足の速いユーベルコードだと言える。
「であるなら。例えば、わたくしなら『オペラツィオン・マカブル』で攻撃をしのいだ後、『からくり仕掛けのセツナ』で仕掛ける、といった手が使えますわね」
 技能やユーベルコードで先制攻撃をどうにかした後、カウンターを叩き込む。オーソドックスな戦い方になる。
 次は。
「先も言いましたが、ウインドゼファーの先制攻撃は言ってみれば『速い』だけ。ゆえに、それを上回る速度……例えば、音速、光速といった速さを持つ攻撃なら……」
 ウインドゼファーの先制攻撃が放たれた後に動き出したとしても、先制攻撃がこちらに当たる前に機先を制することができる。『後の先』というやつだ。
 他にもペアを組んで、1人が無敵城塞で攻撃の盾になり、もう1人がその後ろから狙撃するという手も使える。
「対策そのものが十全に通じるか否かはその内容次第ですが、対策を打てば少なくとも一方的にやられることは防げますわ」
 先制攻撃さえどうにかすれば、後は純粋な力のぶつかり合いだ。全力を叩き込んでウインドゼファーを撃退するのみ。
「ここを乗り越えたら、システム・フラワーズの中枢まではあと少し。皆さんのお力でぜひ突破してくださいませ!」
 そう言って刹那は猟兵たちをシステム・フラワーズへと送り出した。


るちる
 はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
 ウインドゼファーもいっちゃうよー! ってことでオープニングリリースです。この戦いは純戦に近い感じになりそうですよー?

 そんなわけで注意事項です。
 ====================)
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
 ====================)

 このため、プレイングには『先制攻撃に対する対策・対抗する方法』と『先制攻撃をかいくぐった後の戦闘』の2つが必要です。ペアやグループを組む場合は、その団体でひとつないしはふたつ程度対策があれば、先制攻撃は防げたものとします。ただし、その後の戦闘においては別なので、先制攻撃防げたけどブッ飛ばされた、という展開もあり得ます。ご注意くださいね。

 それでは、クールなプレイング、お待ちしていまーす。
144




第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリューラ・センティファ
純粋に強い、というのが一番対処しにくい敵ですね。
私の能力で対抗出来るかどうか。全力を尽くしてみましょう。

集中しておき、敵を視認したら即座にUC【偏向障壁】展開。攻撃前の暴風を纏う一拍の瞬間に割り込みます。
広範囲の領域内の動く物質全てのベクトルを任意に操る能力。
相手が超高速で飛翔して来たなら、移動方向を真下に変更させその速度のまま地面に叩き付けます。
攻撃してきたなら、その攻撃の向きを逆向きに変更。敵自身に攻撃を跳ね返しダメージを与えます。
敵に見切られ攻撃中断等何らかの対策され始めたら一旦解除。多弾頭ミサイルで【範囲攻撃】【誘導弾】。敵を全周から包み込む様な立体攻撃で、逃げ場の無い弾幕を張ります。




 システム・フラワーズ、花の空間。その通路を花の足場に運ばれながら、クリューラ・センティファ(ブラックタールの鎧装騎兵・f12129)は思考を巡らす。
(純粋に強い、というのが一番対処しにくい敵ですね)
 しかし敵の行動パターンはグリモア猟兵からの情報でわかっている。
「私の能力で対抗出来るかどうか。全力を尽くしてみましょう」
 そう呟いて。クリューラは精神を研ぎ澄ます。

 花の足場が到着を告げる。眼前には『スピード怪人『ウインドゼファー』』がいる。
「来ましたか。邪魔は、させないッ!」
 言うが早いか、ウインドゼファーが荒れ狂う暴風を纏い、超速で飛翔してくる。しかし。
「障壁展開」
 クリューラもまた即座にユーベルコード『偏向障壁』を展開。周囲の広範囲な空間を自身の領域として変化させ、その中のベクトルを掌握する。
「何っ!?」
 飛翔してきたがゆえの仇。クリューラの障壁展開時に、その領域内へ突入していたウインドゼファーは『ありえない角度で』地面に叩き付けられる。
「間に合いましたか」
 クリューラの言葉が示す通り、その『操作』は彼女のユーベルコードによるもの。直進のベクトルを、真下へ変化させたのだ。
 クリューラの目論んでいた、ウインドゼファーのユーベルコード発動前に割り込むのは上手く行かなかったが、結果オーライだ。障壁内にウインドゼファーを巻き込み、その力を制御することに成功した。
「ぐっ……」
 叩きつけられた衝撃に身を捩る。再び飛ぼうとするも飛び上がる力がうまく一定方向へ定まらない。
「おのれっ!」
 地面に這いつくばったまま、苦し紛れに『レボリューション・ストーム』を放つウインドゼファー。花の足場をバラバラにする暴風が解き放たれる。
「……!」
 クリューラが咄嗟に後ろへ下がる。間一髪、暴風の攻撃を避けるクリューラ。
「やられました。特定の範囲内に荒れ狂う暴風とは……」
 ウインドゼファーが放ったのは『自分を中心にした特定の範囲内を攻撃する暴風』。しかしそれは指向性を持たず、範囲内を埋め尽くし、ウインドゼファー自身をも傷つける。そこにベクトル操作の優位性は乏しい。
 クリューラが戸惑っている間に、ウインドゼファーが立ち上がる。その程度なら力をコントロールできる程度には、この障壁の特徴を把握したようだ。
「逃がしませんよ」
 クリューラが多弾頭ミサイルランチャーを構え、斉射する。無線式による誘導で、全方位から囲むような立体攻撃で、逃げ場の無い弾幕を張るクリューラ。
「おのれぇぇぇぇ!」
 もう一度決死の覚悟で『レボリューション・ストーム』を放つウインドゼファー。
「くっ!」
 暴風がミサイルを打ち、空中で連鎖爆発を起こす。激しい爆発に思わず顔を覆うクリューラ。
 爆風が晴れた後、そこにはウインドゼファーの姿は無く。しかし、そこに残された血の跡がウインドゼファーに確実なダメージを与えていることを証明していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

涼風・ユエル
ふぅん、誰よりも早い、か。
ボクに対する挑戦状かな?
いいよ、不利だとわかっても真っ向勝負させてもらおうじゃない。
「行くよ![起動]ッ!」

先制攻撃は足場を破壊するってわかってるんだ。
『念動力』で『空中戦』に持ち込み、余波は『オーラ防御』と『気合い』『激痛耐性』で耐える。
それに何より。
「風を操るのはキミだけじゃない。風はボクの味方でもある!」
【インフィニティ・エア】で風を纏い、超高速モードに移るよ。
「さぁ、速さ比べだ!」

競うだけじゃダメだからね。
ユベコ発動に対する先制攻撃で足を止めたところに【ゴッドウィンドファントム】をぶつけるよ!
その先制攻撃は一度視たんだ!『戦闘知識』で着弾点を先読みして避ける!




 グリモア猟兵に転送された先は、空中。『自分が知ってる空』より自由じゃない空間を涼風・ユエル(高校生月と太陽のエアライダー・f16061)は『エアライド』して。とん、と着地した箇所に花の足場が出来上がる。

 視界にはおらずとも感じる気配。それはきっとウインドゼファーのものだろう。
(ふぅん、誰よりも早い、か)
 気配の方角を見つめ、ユエルはふぅ、とひと息吐く。
「ボクに対する挑戦状かな?」
 ウインドゼファーの存在、それは『エアライダー』という空を駆ける能力者のユエルにとって、そう映るのかもしれない。なら、やることは。
「いいよ、不利だとわかっても真っ向勝負させてもらおうじゃない」
 口端にわずかに笑みを浮かべ、ユエルは気配の方へ進む。


 花の足場がウインドゼファーへ繋がる。ウインドゼファーがユエルの視界に入った瞬間、彼女が取った行動は懐から1枚のカードを取り出すこと。
「行くよ! [起動]ッ!」
 イグニッション、と。ユエルの言葉をトリガーに、カードに封じておいた能力が、武装が解放される。

 ユエルの存在に気付いたウインドゼファーもまた行動へ移る。
「邪魔な者は、排除するッ!」
 ウインドゼファーの声と共に放たれる暴風。それは花の足場を破壊するほどの局地的な暴風。しかし。
(先制攻撃は足場を破壊するってわかってるんだ)
 それは既にユエルの中で作戦に織り込み済み。暴風をかわすようにして、空へ飛びあがり。念動力で作った即席足場を補助に、空を駆けるユエル。空中戦、それは彼女が得意とするところだ。それに何より。
「風を操るのはキミだけじゃない。風はボクの味方でもある!」
 言葉とともに指を鳴らすユエル。直後、疾風がユエルを包み込む。『インフィニティ・エア』、疾風を纏い、超高速モードに移った彼女は威風堂々と宣言する。
「さぁ、速さ比べだ!」
「いいでしょう!」
 受けて立つ、とウインドゼファーも荒れ狂う暴風を纏い、フルスロットルモードに。

 ユエルに少しだけ誤算があったとすれば。
(競うだけじゃダメだからね)
 と備えていた攻撃に対して。ユエルの予想通りならば、ユーベルコードの発動に対して何らかの攻撃が仕掛けられるはずだった。
 しかし実際は『インフィニティ・エア』を発動させても、ウインドゼファーは自分の間合い、自分のタイミングを計っている。
(これは……?)
 これまでの強敵との戦いと同様なら、と先読みしたはずが予想を覆された。その、ごくわずかな隙。暴風を纏ったウインドゼファーにとっては充分な隙だった。
「そこです!」
 ウインドゼファーが超速飛翔でユエルに向かって突っ込んでくる。
「……っ!」
 咄嗟にオーラ防御を展開するユエル。二本のナイフを交差させ、突撃を受け止めるがそれだけで防ぎ切れる威力では無く。その衝撃に纏っている疾風が霧散しそうになる。しかし。
「くぅっ……こっの!!」
 気合で激痛に、衝撃に耐え、ウインドゼファーの攻撃を無理やり逸らす。
「何ッ?!」
 それはウインドゼファーにとっても想定外。そして態勢を崩させるには充分な反撃だった。
「捉えたよ……!」
 ユエルがウインドゼファーの腕を掴む。この間合い、ユエルにとって必殺の間合い!
「この一撃、受け切れるものなら受けてみろっ!!」
 ユエルが暴風を纏い、捨て身の攻撃を仕掛ける。『ゴッドウィンドファントム奥義』がウインドゼファーに炸裂する。
「がっ!?」
 外したが最後、自爆するほどの捨て身の一撃を至近距離から放たれて防げるはずも無く。2つの暴風がぶつかり合い、反発する。そして吹っ飛ぶウインドゼファー。

「はぁっ、はぁっ、やった……!」
 暴風の反動ゆえに、視界から消えるほどの速度で吹っ飛ばされたウインドゼファーを見てユエルが呟く。この場の風を制したのは、ユエルであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーファ・レイウォール
▼WIZ
◆先制攻撃対策
【全力魔法】でUCを発動
敵の攻撃を【見切り】
2本の車輪剣には、20本ずつ召喚した双戟で【武器受け】

▼攻撃
正面で相対しつつ、敵の動きを見てタイミングを【見切り】
10本を残して、双戟を【誘導弾】で嗾ける
【鎧砕き】して防御を崩すわ
砕けないなら【鎧無視攻撃】で『全タイヤ高速回転モード』すら無視して
【串刺し】にしてあげるわ
【スナイパー】で一点集中の波状攻撃

双戟の特性を活かせば、風を切り裂いて穿ち貫ける。絶対にね

残した10本は、敵を囲むように地面に穿ちます
そこへ雷【属性攻撃】の通常魔法を放って『誘雷』
【生命力吸収】を乗せ、ダメージ与えつつ敵の足下を崩すわ




 態勢を立て直そうとしていたウインドゼファー。そこに現れたのはリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)。
「面倒ですね!」
 ウインドゼファーが全タイヤ高速回転モードに変身しながら、2本の車輪剣を振るう。
「天切り裂き顕現なさい、雷轟の方天戟たち。そして、存分に猛威を振るいなさい」
 対してリーファはユーベルコード『乾坤一擲〔雷天双戟〕』を解き放つ。リーファの周囲に190本もの雷を纏った双戟が出現する。
「いきなさい」
 そのうちから20本2セットの双戟が放たれる。それはウインドゼファーの攻撃を受け止めるための双戟。がっちりと左右から挟み込むように展開された双戟が車輪剣を受け止めた。
「では……こうです!」
 強引に車輪剣を引き抜き、距離を取るウインドゼファー。大きく車輪剣を左右に振り、『嗤う竜巻』を放ってきた。
「そうくるのね?」
 正面から相対していたリーファはそれを見切ってかわし。お返しとばかりに双戟をけしかける。それはリーファの誘導を以て、意思ある動きを行う。
 自分に向かってくる双戟に対して、再度車輪剣から『嗤う竜巻』を放って迎撃するウインドゼファー。双戟の波が竜巻と相殺してかき消される。面と面でのぶつかり合いではウインドゼファーの風を突破することは難しいらしい。ならば。
「串刺しにしてあげるわ」
 先ほどの双戟が包囲網なら、今度の双戟は狙撃。1本ずつを立て続けにウインドゼファーの一点を集中して狙い撃って放つリーファ。
「ちっ!」
 車輪剣を振るい、『嗤う竜巻』を生み出し、さらには剣そのもので双戟を叩き落としていくウインドゼファー。しかし、それが一点を狙って、立て続けに絶えることなく押し寄せるとなれば。いかにウインドゼファーが速くとも限界がある。
「双戟の特性を活かせば、風を切り裂いて穿ち貫ける。絶対にね」
 リーファの言葉とともに放たれた双戟が、風を貫き、ウインドゼファーを捉える。手を休めず、連続で双戟を叩き込むリーファ。

「はぁ、はぁ……」
 何発も食らいながらもまだ倒れるまでのダメージには遠く。ウインドゼファーはいまだ健在。しかし。
「これでどうかしら?」
 リーファが残しておいた最後の10本。それをウインドゼファーの周囲へ、囲むように突き立てるリーファ。
「誘雷」
 そこへ雷属性の魔法を放つリーファ。その雷はウインドゼファーの生命力を吸収する力も加えられていて。雷で作り上げた籠の中にウインドゼファーという鳥を捕え、蝕む。
「舐めるなぁッ!」
「きゃぁっ!」
 リーファの追撃に大ダメージを負いながらもウインドゼファーが叫ぶ。そして自身を中心にして花の足場を崩す暴風を解き放った。自身もダメージを負う暴風圏にリーファを捉え、そして雷も周囲の双戟も吹き飛ばす。

「逃がした、か」
 暴風が収まった後、リーファが傷を負った体を抱きつつ、呟く。大きなダメージを与えたものの、トドメには至らず。だが、この場はリーファの勝利である。

成功 🔵​🔵​🔴​

サリー・オーガスティン
【SPD】
疾風、かぁ
スピードを信条、とする敵に、これで対抗するボクもボクだけど負けてられないよ

※基本の先方
(ゴッドスピードライド発動)
ヒット アンド アウェイでいくよ

具体的には、先ずは逃げの一手でレボリューション・ストームの範囲が及ばない(可能なら、そのギリギリの地点)まで逃げる。
(追跡、武器改造、騎乗、操縦のせ)

そこから一気に加速させて、ウィンドゼファーに肉薄だ!
といってもただの一発が限界だろうから、スナイパー、誘導弾、2回攻撃、零距離射撃のせて、アームドフォートの一撃で叩く!

スピードに魅せられたボクに、スピード自慢の相手は、追い抜く対象なんだよね
(にやり)

※連携・アドリブ共に歓迎




「くっ、猟兵の攻勢がここまで優勢とは」
 これまでの戦闘でウインドゼファーのダメージもかなり蓄積されている。しかし、戦闘を継続するにはまだ十分な力を残している中。
 ウインドゼファーの前に立ったのは、サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)である。

(疾風、かぁ)
 愛車である宇宙バイクのジェイクに跨りながらサリーは思考を巡らせる。
「スピードを信条、とする敵に、これで対抗するボクもボクだけど……負けてられないよ」
 そしてサリーはジェイクのアクセルをふかす。
「さあて、行くよ! ジェイク!」

 サリーがジェイクを駆るのと同時にウインドゼファーがユーベルコードを解き放つ。花の足場を破壊する暴風がサリーたちを巻き込まんとその暴風圏を拡大するが。
「ヒット アンド アウェイでいくよ!」
 『ゴッドスピードライド』発動。その場でジェイクを旋回させ、ウインドゼファーとは反対方向へ走らせるサリー。迫りくる暴風から逃げる形で疾走する。
(暴風が及ばないギリギリの地点で……)
 背後からの暴風の気配を感じ取りつつ、再度旋回。タイヤがこすれて焦げ付くような音を出しながら、アクセルターンを決めたサリーは再びジェイクをフルスロットル!
「一気に加速して、ウィンドゼファーに肉薄だ!」
 今度はウインドゼファーに向かって突撃するサリー。ただ、この戦法で作れるチャンスは一度きりとみた方がいいだろう。もし、ジェイクを使っての突撃だけであるなら、ウインドゼファーに大きなダメージを与えられないかもしれない。
(だったら)
 ジェイクにマウントしておいたアームドフォートへ手を伸ばすサリー。
「こいつも全部使って、一撃で叩く!」
 ジェイクと一体になりながら、ウインドゼファーとの距離を詰めるサリー。宣言通り肉薄し、零距離からの。
「いっけぇぇぇぇ!!」
 アームドフォートからの砲撃。それはサリーに誘導され、先に仲間の猟兵が貫いた傷跡を的確に狙い撃ち、さらには2回、同じ攻撃を叩き付ける。
「ぐ、ぁぁ……」
 重い一撃に思わず苦悶の声を漏らすウインドゼファー。
「スピードに魅せられたボクに、スピード自慢の相手は、追い抜く対象なんだよね」
 そう言ってサリーはにやりと笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラリー・マーレイ
僕の力で対抗出来るかな……。いや、やってみせる!

先制攻撃は【見切り】【第六感】で発動の瞬間を察知し、剣と盾での【武器受け】【盾受け】で受け止める。 敵の纏った暴風の勢いに逆らわず、自ら吹き飛ばされる様に回避
敵の方が速いけど、初撃は基本的に真正面から来てる。速度が圧倒的だから回り込む必要が無いんだ
格下の僕相手に今更小細工は しないと読む。【勇気】を振り絞って目をそらさない。

初撃を凌いだら敵を睨み付けてUC【誓約の剣】。
「動くな!」と叫んでルールを科す。「動いたら、斬る」
動いた瞬間に一瞬で間合いを詰めて剣で切り裂く。
どれだけ速くても「動いたら斬られる」。それが誓約だ。
ルールからは逃げられない。




 ラリー・マーレイ(少年冒険者・f15107)がシステム・フラワーズの空間へ降り立つ。花の足場が形成され、運ばれる先には……ウインドゼファーがいる。
(僕の力で対抗出来るかな……)
 故郷を飛び出して以降、続いた失敗の日々で。少し消極的になっているラリーは心の内に不安を呟く。しかし、夢見ることを諦めたわけではない。だから。
「いや、やってみせる!」
 強く前を見据え、ラリーはルーンを刻んだショートソードと円型盾を握り締めた。


「これ以上は、やらせませんッ!」
 ラリーと相対するなり、自身をフルスロットルするウインドゼファー。荒れ狂う暴風を纏い、超々高速の飛翔で以てラリーに突撃してくる。
「……っ」
 その勢いにわずかばかり気圧されながら、しかし。ラリーはウインドゼファーが動いた瞬間を第六感で察知し、その動きを見切ろうとする。
(速いけど……真正面から来てる。速度が圧倒的だから回り込む必要が無いんだ)
 それはウインドゼファーの性格なのか、あるいはラリーを格下とみなした行為か。いずれにせよ、ウインドゼファーの動きは反則的なまでに早く、しかしブレることなく直線的だ。
 そこまで『読む』ことができたなら。ラリーは自身の体で支えるように盾を構え、その添え木としてショートソードを交差させる。襲ってくる衝撃はウインドゼファーが突撃してきた証拠。
「くぅっ!」
 直後、後方へ吹き飛ばされるラリー。
「……これは」
 次に声をあげたのはウインドゼファー。その声は『思っていたより手応えが無い』ことに対する疑問。そしてウインドゼファーが見たのは、新しくできた花の足場に着地するラリー。

 勇気を振り絞って目を逸らさず。暴風の勢いに逆らわず、自ら吹き飛ばされるように。

 ラリーが行ったのはそういうことだ。盾と剣で威力を受け流しながら、自身もタイミングを合わせて後方へ飛んだことにより、攻撃をかなり相殺できた。その様子に、ウインドゼファーもまた自分の先制攻撃が必殺でなかったことを知る。次の行動へ移ろうとした瞬間。

「動くな!」

 ラリーの声が響く。その声とラリーの気合を込めた視線に睨みつけられたウインドゼファーはに思わず足を止める。
「動いたら、斬る」
 ユーベルコード『誓約の剣』。それはラリーの宣誓でもあり、今、この場で示す覚悟でもある。
 言葉の重さ、視線に込められた気合、そしてラリーの態度。それらを以てウインドゼファーもまたそれがハッタリの類ではないことを知る。
「……動かなかったとて、私には利点しか、ありませんよ?」
「……!」
 その言葉にラリーもハッと気づく。その声音は問い詰めるものではなく、この状況を改めて『共有』しようとするもの。
「貴方がたが先に進むには、私を倒すしかない」
 そう、ウインドゼファーの目的はドン・フリーダムがシステム・フラワーズを掌握するまでの時間稼ぎ。ならば、このままラリーと相対していても目的は成される。むしろ、ウインドゼファーを倒さなければならないのは猟兵たちなのだ。
「なら、私が動いても動かなくても、貴方は私に斬りかかるしかない」
 それこそがこの場にラリーが来た理由なのだから。
「……いいでしょう。貴方の一撃、凌いで、私はなおこの場に立ちましょう」
 それはウインドゼファーの覚悟。この場における彼女の存在意義。
「我が暴風、越えられるものなら……!」
 車輪剣を構え、暴風で以てラリーを薙ぎ払おうとウインドゼファーが構えた瞬間。

 ザンッ。

「がっ?!」
 一陣の風が暴風を斬り裂く。それは一瞬で間合いを詰めたラリーの一撃。『どれだけ速くても『動いたら斬られる』』……。
「それが誓約だ。ルールからは逃げられない」
 それこそが『誓約の剣』なのだから。
「……なるほど。最後に、とても、厄介な猟兵に会った……ものです」
 油断していたわけではない、それでも読み切れなかったその一撃に。ウインドゼファーがゆっくりと崩れ落ちる。最早風を操る力も無く、身に纏うタイヤも回転すらしない。
「負けました、か」
 それは『この場のウインドゼファー』の話。同時には1体しか現れないウインドゼファーではあるが、復活を阻止し、このエリアを突破するにはあとどれだけ倒さなければいけないのかはこの場では確信できない。
 それでも。
「先に進ませてもらうよ」
「……それが、勝者の権利ならば」
 倒れたウインドゼファーの横を通りすぎる、ラリーの言葉をウインドゼファーが肯定する。


 この場における暴風を収めた猟兵たち。しかし、まだ、キマイラフューチャーでの戦いは収束したわけではない。
 次の戦場へ、猟兵たちは再び歩を進める。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月25日


挿絵イラスト