バトルオブフラワーズ⑪〜舞風一陣
●二つの壁を抜けた先
『エイプモンキー』、『ラビットバニー』なる怪人幹部二人を打ち倒し、新たな路が拓けた。
猛進を続ける猟兵に前に立ちふさがるは、新たな怪人『ウインドゼファー』なる風の申し子。
此処を乗り越えれば、大首領『ドン・フリーダム』の姿を瞳に映す事も叶うだろう。
「まずは、お疲れ様ー。破竹の勢いってやつだね」
口調はのんびりながらも、セツナ・トゥイーディア(燐光スターダスト・f02091)の表情はとても真剣だ。
「この勢いに乗って、ってわけじゃないけど。次の敵について分かったよー」
スピード怪人『ウインドゼファー』。風を操る能力を持つ彼女は、冠する名の通りスピードに特化している。
「どんなに頑張っても、ウインドゼファーよりも早く行動は出来ないんだー」
だからこそ、対策が必要だとセツナは告げる。
ウインドゼファーの攻撃をどのように受け止めるか。その上で、次にどう繋げるか―。
相手は単体とはいえ、技の威力は強大。直撃すれば、猟兵とて、ただでは済まない。
例え、うまく対処出来ても無傷では済まないだろう。
「前の二人みたいに、何か能力に穴があるわけじゃないんだよねー」
ウインドゼファーの能力に弱点は無い。それは、純粋なる彼女の力。猟兵は持てる限りの力全てを掛けて、真っ向勝負で挑まなければならない。
「すごく大変なお願いだってわかってる。でも、此処が正念場」
肉を切らせて骨を断つ。まさしくその言葉がふさわしい戦場になるだろう。
絶対に、戻ってきてね。
小さく呟くと、無理やりに笑顔を作り、セツナは猟兵たちを送り出すのだった。
幽灯
●
幽灯(ゆうひ)と申します。
今回は、戦争シナリオをお届けさせていただきます。
なるべく早めにお返し出来たらと思います。
●以下、特殊ルールです
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
出来る限りの描写はさせていただきますが、場合によってはプレイングをお返しする事もあるかと思います。
その点についてはご了承いただければ幸いです。
それでは、良き冒険になりますよう。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リーファ・レイウォール
▼WIZ
◆先制攻撃対策
敵の攻撃と動きを動体【視力】で【見切り】つつ
【高速詠唱】と【全力魔法】のUCで双戟召喚
2本の車輪剣には、20本ずつ召喚した双戟で【武器受け】
▼攻撃
正面で相対しつつ、敵の動きを見てタイミングを【見切り】
10本を残して、双戟を【誘導弾】で嗾ける
【鎧砕き】して防御を崩すわ
砕けないなら【鎧無視攻撃】で『全タイヤ高速回転モード』すら無視
【串刺し】にしてあげる
【スナイパー】で一点集中の波状攻撃
双戟の特性を活かせば、風を切り裂いて穿ち貫ける。絶対にね
残した10本は、敵を囲むように地面に穿つわ
そこへ雷【属性攻撃】の通常魔法を放ち『誘雷』
【生命力吸収】を乗せ、ダメージ与え敵の足下を崩すわ
色の違う双眸がウインドゼファーを見据える。
攻撃を顕現するモードへと切り替わった彼女の手には、けたたましく嗤う2本の剣。
車輪剣を交差するよう構えると、リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)へと一気に肉迫する。
ウインドゼファーの動きを見逃すまいと、彼女の一挙一動に注視していたリーファだが、ウインドゼファーのスピードは予想を上回っていた。
辛うじて攻撃を見切るも、完全に避ける事は敵わず。其の腕には浅くない裂傷が刻まれていた。
再び、車輪剣を振り上げるウインドゼファーに対し、持てる力の全てを込めた双戟を高速で展開する。
展開した双戟でウインドゼファーの攻撃を受け止める。揮われる剣の軌道を阻止せんとリーファは双戟を誘導し、攻撃の行く手を阻む。
けれど、彼女の纏う鎧を砕こうと双戟を誘導するも、其れは全てウインドゼファーに防がれる。
「…なら!」
剣戟を繰り広げる、双戟の1本を手元へ引き寄せ、リーファはただ一点のみを狙う。
傍らの双戟がしゃらりと小さく音を放った。ウインドゼファーが双戟を振り払ったその瞬間―。
胴を狙って放たれた双戟は、ウインドゼファーの胴を貫く。けれど、直前。双戟を叩き落そうと、車輪剣が掠ったせいか。
勢いは殺され、ウインドゼファーの鎧にヒビを入れるに留まった。
「本命は、こっちよ!」
刹那、ウインドゼファーを囲むように、地へと穿たれた双戟が紫電を放つ。
凄まじい雷撃が、ウインドゼファーを襲った。
衝撃と共に、彼女の足元が鈍く崩れる。ばきり、とヒビの入った鎧が、砕ける音が響いた。
成功
🔵🔵🔴
ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】
お笑いな敵ばかりだと思ったら骨のある相手が出て来たじゃあないか
良いね君、オレ好みだ
【戦闘知識】と【メカニック】で持参品の「ヘルメス」を高速駆動させ、戦闘環境と放たれる暴風の軌道を分析
予め用意したルーン魔術を刻んだ護符の力を開放・対抗しよう
欠乏のニイド、或いは火のカノでの気流や魔力の流れを乱す事を主軸に他ルーンの組み合わせも視野に
圧倒しようとは思わない、相殺出来れば満点、威力を削れれば及第点
いずれも【調律・機神の偏祝】で強化し使用
隙が出来れば再度【全力魔法】
死と再生を司るユルで君がイメージする死の苦痛を叩き込もう
接近された場合は爪を主体に【武器受け】【グラップル】で攻撃を受け流そうか
ぱらぱらと、砕けた鎧が足元に散る。されど、其れはウインドゼファーに取って意味のない事。
むしろ、鎧と言う枷が無くなった事で、更にスピードが上がるのかもしれないのだから。
静かに佇むウインドゼファーを、ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)は鋭く睨む。
先のゲームとは違い、生死を掛けた本気の戦い。ぺろり、と赤い舌が下唇をなぞる。
ウインドゼファーが無差別に暴風を放つのと、ヴォルフガングが魔術道具たるヘルメスを起動させるのは、ほぼ同時であった。
襲い掛かる暴風が、頬を、腕を、足を切り裂き、鮮血が舞う。
一枚、また一枚と、足場の花弁が散りゆく。
「なるほど、ね」
ぽつり呟き一つ。尚もまだ、暴風は吹き荒れる。ふわり藍色の尾を揺らし、ヴォルフガングは機神の偏祝をその身に宿す。
ぼたぼたと足元に赤が咲き誇る。痛みを仕舞い込む程に集中しているのか。はたまた感じていないのか。
一枚の護符を掲げると、暴風の元たるウインドゼファーへと向ける。
暴風を止めるのは難しい。けれど、其の素を取り去ってしまえば―。
ルーンの一つ『欠乏』を込めた護符を暴風へと向ける。風を発生させるエネルギー、熱を奪ってしまえばいい。
吹き荒れていた暴風が弱まる。鋭い刃は、傷付ける力を失い、頬を撫でるに留まり、やがて止む。
ウインドゼファーが車輪剣を構え、ヴォルフガングが術を展開する。其の速度は、僅かにヴォルフガングが勝った。
「君がイメージする死の苦痛を叩き込もう」
死と再生のルーンがウインドゼファーへと襲い掛かる。
彼女が見たのは、オブリビオンへと成り下がる前の、遠い、遠いー。
車輪剣の一つ。中心たる車輪が、鈍い音を立てて砕け落ちた。
成功
🔵🔵🔴
樫倉・巽
誰よりも速くなりたい
なるほど、その望み分からなくもない
誰よりも強くありたい、そう心に決めているからな
ならば、俺も命のすべてを賭ける覚悟で臨むとしよう
【三日月二連】を使い、地の一撃で風を払い、天の一撃で頭蓋を割る
しっかりと風に負けぬように立つ
鞘の裏側にいくつも羽根を付けておき、相手の風を裂くように、相手の暴風に合わせて機を見計らい鞘を投げつける要領で鞘ごと刀を振い鞘を飛ばして風よけにする
飛ばした鞘にすべてを賭け、命懸けで立ち続けようとする
立っているのなら、意識がかけらでもあるのなら、命の全てを込めてウインドゼファーの頭蓋に刀を振り下ろす
「俺はただの蜥蜴だ、だがここは譲れぬ。どちらの望みが強いか」
最早使い物にならなくなった一本の車輪剣を、ウインドゼファーが投げ捨てる。
『私は、あなた方を侮っていたようですね』
静かに、凛と通る声でウインドゼファーがぽつりと呟いた。途端、纏う空気が更に鋭いものへと変じる。
ウインドゼファーに譲れぬものがあるように、樫倉・巽(雪下の志・f04347)にも求めるものがある。
「ならば、俺も命のすべてを賭ける覚悟で臨むとしよう」
幾度、死線を潜り抜けても。未だ強さが何たるかは分からない。けれど、此の戦の中で、何か掴めれば、と。
だから、巽は剣を揮う。答えを見つける為に―。
吹き荒れる暴風が、ウインドゼファーの身を覆う。彼女を中心に、周囲の大気が揺れる。
巽の藍色の着流しが、ばたばたと激しくはためく。
先に動いたのは、ウインドゼファー。暴風を身に纏い、神速へと至る彼女の動きは、もはや目では追えず。
咄嗟に剣を構えたのは、剣豪たる勘か。重い衝撃と金属音が周囲へと響く。冷や汗が一筋、米神を伝う。
相手の速さは、此方の予想を大きく上回っている。腕の1本、くれてやる気概がなければ、きっと勝つ事は難しい。
「ならば、くれてやろう」
にやりと巽の口角が上がる。覚悟など、疾うの昔の出来ている!
ウインドゼファーが無差別に暴風を放つ。此のままでは近付く事すら困難。帯に差していた抜き去り、納刀する。
仕込みを施した鞘ごと刀を全力で揮えば、目論見通り風は軌道を変えた。
藍色の着流しが、自身の血で黒く染まる。巽には、ただ一点しか見えていない。
風の軌道を読み取り、一気に距離を詰める。下から掬うように刀を揮えば、ウインドゼファーの胸を僅かに掠めた。
相手が一歩下がったその瞬間。渾身の力を込め、巽は剣を振り下ろした。
「俺はただの蜥蜴だ、だがここは譲れぬ。どちらの望みが強いか」
頭蓋を狙った一撃は、されど神速の域に達しているウインドゼファーには届かず。
―けれど、肩に大きな傷を刻むのだった。
成功
🔵🔵🔴
アウル・トールフォレスト
目的の場所まであと一人…もうひと踏ん張りだね
頑張るよ!
先制攻撃…必ず取られちゃうんだったら、守るしかないよね
全身を丸めて、苔植物達にも覆って貰って、花の足場からも力を分けて貰いながら精一杯守るよ…痛いのは、我慢できるから…(オーラ防御、地形の利用、生命力吸収)
竜巻を放ってくるって事は、苔とかの植物も、風に巻き上げられて周囲に広がるはずだよね?
全身のタイヤ?が回っているなら、小さな破片でも巻き込んじゃったりするかもしれないよね?
それを狙ってから、【魅了・蠱惑坩堝】を発動
散らばった植物から蜜を放って、動きを鈍らせるよ
動きが止まったのなら思いっきり反撃!全力でお返しをするよ!
鎧は砕け、剣は欠け、無数の傷を作りながらも、ウインドゼファーは変わらず其処に在った。
彼女は門番で、先に守らなければならないものがある。嘗て、叶えられなかった欲望を今度こそは、と。
されど、そんな理想はアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は知らない。知る由もない。
「目的の場所まであと一人。…もうひと踏ん張りだね」
森の色を宿した瞳が、ウインドゼファーを見据える。アウルが構えるよりも早く、ウインドゼファーが其の姿を変える。
高速で車輪が回る音が木霊する。剣の一つは既に無い。
―ならば、耐えられるはずだと。アウルは身体を丸める。体表を這う苔に助力を願えば、其れは森の怪物を護るベールと成った。
身を固くして攻撃に備えれば、重い衝撃がアウルを襲う。ぶちぶちと苔が剥がれる感覚。
剥がされる先から、苔が増殖する。アウルが纏ったオーラが、苔の成長を助長させているのか。
やがて、車輪の駆動音が小さく消える。
うずくまった体勢から、そろりとアウルが目線を上げれば、肩で息をするウインドゼファーの姿。
今ならば、と散らばった苔の残骸に意識を向ける。ふわり漂う甘い香りに気が付いたウインドゼファーが再度剣を振りかぶる。
しかし、切り刻んだ苔の残骸が車輪剣の駆動を妨げる。甘い香りは留まる事無く、とろりと剣から琥珀の蜜を滴らせた。
刹那、ぐらりとウインドゼファーの身体が傾く。けれど、それも一瞬。頭を軽く降り、邪念を払わんとする。
其処を見逃すアウルではない。大きく左腕を振りかぶる。
「全力でお返しをするよ!」
埋め込まれた刻印が、赤く、赤く輝く。
その光に気が付いたウインドゼファーであったが、力の抜けた体躯では直ぐに動く事敵わず。
渾身の力を込めて振り下ろされた拳は、ウインドゼファーの胸を打ち抜く。
『…くっ!』
小さな呻き聲が、ウインドゼファーへ確実にダメージを与えている事を示すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リーデ・クインタール
成程…強いですわね…とても良いです。目的のために戦う者ならば、邪魔をすれば全力で戦ってくれるでしょうから…さぁ闘争を謳歌しましょう?
…【温もりを捨てて】…(性格等が切り替わります)
さて、良いか?
・戦闘方針/POW
キャノンで狙撃(スナイパー)、フレイムで目眩ましに薄く広く炎を張る(属性攻撃)。此処までを囮にし、本命の作戦に移行。脳以外完全に機械且つ損傷しても自己修復可能なため、自身の身体の一部を破壊させると同時に捕らえ(怪力・念動力)移動を潰し、零距離からキャノン、スラッシャーウェポンアーム・レフト&ライト、プラズマ、フレイムで波状攻撃を仕掛けて削り殺す
白い外套は、度重なる激戦を物語るよう薄汚れていた。
怪我を癒す術の無いウインドゼファーに、退くという文字は存在していなかった。
其れは、門番としての彼女の矜持が許さない。その在り方にリーデ・クインタール(戦闘狂+改造狂・f14086)は小さく感嘆の息を吐いた。
戦いこそがリーデの存在意義。強さこそが、全て―。
だからこそ、ウインドゼファーには全力で挑んでもらわなければならない。
ならば、どうすべきか。…そう、目的の邪魔をすればいい。
「…さぁ闘争を謳歌しましょう?」
纏っていた雰囲気が一変。鋭く冷たいものへと転じた。其れは、口調すらも。
「さて、良いか?」
ウインドゼファーは、答えない。ただ、静かに車輪剣を構えるのみ。
刹那、今までの比ではない暴風がウインドゼファーの足元より吹き荒れる。砕けた鎧がぴしぴしと音を立てて完全に崩れ去った。
もはや、護りなど必要ないと。攻めるのみだと言わんばかりに。
瞬きひとつ。僅かな暗転の後、ウインドゼファーの姿が掻き消えた。
実際に消えた訳ではない。彼女のスピードがそのように錯覚させただけー。
リーデが周囲に炎を展開すると同時、硬質な音が周囲に響き渡る。
高速回転する車輪剣が、リーデの腕を切り落とした。ごとりと重い音を立てる自身の右腕に目をやる事なく、残った左腕でウインドゼファーの足へと意識を向ける。
最初にウインドゼファーが感じたのは、小さな違和感。其れは次第に圧と也、鈍い音を立てては彼女の足は砕かれた。
咄嗟に、車輪剣を横薙ぎに胴を払うも、赤い血潮は流れない。強さを求め続けたリーデは、肉体の損傷という概念を、弱点を投げ捨てた。
小さく電気の弾ける音。ウインドゼファーが切り裂いた胴は、鋼鉄を裂き、幾つかの配線を捻じ切った。
「…これで、終わりだ」
気付けば、リーデの左腕のガジェットが形態を変え、ウインドゼファーの腹を打ち抜いた。
開いた風穴に、白い光が翻る。プラズマが、腹の傷を焼く。
ウインドゼファーが一歩、踏鞴を踏めば後方に広がっていた炎が舞い上がり、その身を焦がした。
『…そん、な…』
零れた言葉は、驚愕に満ちていた。
―消える。意識が、落ちる。
死して尚、蘇り、猟兵の前へと立ち塞がりつつけた、白い機兵の姿は掻き消えた。
そして、猟兵たちは最後の戦いへと向かう。
彼女の見たかった絶望は、決して叶える事は出来ないけれど。
キマイラフューチャーの未来を掛けた最終決戦が今、始まろうとしていた。
成功
🔵🔵🔴