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バトルオブフラワーズ⑪〜荒れ狂う風は彼女と共に

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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●荒れ狂う風と踊る乙女
 キマイラフーチャーの命運を左右する戦争、『バトルオブフラワーズ』の戦局が動いた。
 システム・フラワーズの中枢へと延びる花畑。奥へと続く道を車輪剣を携え、純白のマントを纏う人物、スピード怪人『ウインドゼファー』が立ち塞がる。
「モンキーに続きバニーまでとは、驚きました」
 感嘆の籠った呟きは誰かに届くことはなく花びらが舞う空間に消えていく。
 彼女が剣を振るうと突如、暴風が吹き荒れた。一面の花畑を薙ぎ払わんとする暴風が宙へと花びらを舞い上がらせる。
「でも、私の役目は門番。ここから先へは行かせません」
 己の欲望を、かつての夢を掴み取るために、彼女は猟兵たちを迎え撃つ。
「『無限大の欲望』を手に入れるのは私達。誰にも邪魔はさせない!」
 この場を風の力で支配したウインドゼファー。彼女を倒さねばこの先へと進むことはできない。

●風を切り裂く者たち
「局面が動きました。幹部も最後の一人となります」
 明日葉・雅(咎喰らい・f07590)が口火を切る。
 システム・フラワーズの中枢へと続く道、最後の門番を務めるのは三幹部最後の一人、スピード怪人『ウインドゼファー』だ。彼女を倒せばシステム中枢へと切り込める。
「ウインドゼファーは今までのエイプモンキー、ラビットバニーと同様に強力な敵となります。ただ、彼女には特殊な能力は無いらしく、純粋に戦力を競う事となります」
 今までの二人との違いにより、純粋な戦力だけ押し勝てるわけでもない。幹部として存在している以上、強敵だ。
「彼女は風を操る能力を持っています。相手の先制をいかに防ぎ反撃へと繋げられるかが焦点となります。くれぐれも油断をなされないように」
 念押しとして、雅が猟兵たちの顔を見つめる。彼女を倒した先に首魁がおり、またそそのかしたであろう人物へと繋がっているからこそ、気が急いている者がいるかもしれない。
「このような時ですが、急がば回れ、という言葉もあります。皆さま、御武運をお祈りしております」
 無事に帰ってきてほしいという想いを乗せ、雅はグリモアを起動させる。
 戦場へ向かう猟兵たちへ頭をたれて見送るのだ。


紫雨
 お久しぶりです、紫雨です。
 今回は戦争シナリオとなります。最後の一人が女性だったことに驚きを隠せなかったのは私だけじゃないと思います。それはさておき、以下注意事項となります。
 ====================。
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
 戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
 ====================。
 ここを突破すれば大手。次へ繋げるためにも誠心誠意書かせていただきます!
 皆さんの素敵なリプレイをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ステラ・アルゲン
ウインドゼファー、道を守る門番か
ならばお前を倒して先に進むまでだ!

【太陽剣】のソルの【封印を解く】
力が開放されて刀身は赤く輝き黒炎を剣身に纏い出す
元々、こいつはこんな力を持っていなかった……【武器改造】されているんだよ

先制攻撃はソルを構えて【武器受け】する
【呪詛】と【生命力吸収】の力を持つ黒炎の【属性攻撃】で敵の技を防御しつつ力を奪っていく
代償で私の力もソルは奪って行くが【激痛耐性】で耐えてみせよう

そして敵の技を防御したら【影炎】を使う
敵の技を借用するが寿命を削るんだったか?
もうすでにこのソルに削られている
私もソルと同じ剣の身。寿命などあってないものだ
だから遠慮なく使うまでだ
(アドリブOK)



 色彩豊かな花畑へ転移してきたのは光の加減で色合いを変える青が映える純白の騎士服、輝く星を彷彿とさせる白銀の髪を靡かせて駆ける一人の騎士。
「ウインドゼファー、道を守る門番か。ならばお前を倒して先に進むまでだ!」
 彼の騎士、ステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)は自身の本体たる青く輝く剣、『流星剣』を構えていない。変わりに握っているのは漆黒の剣、『太陽剣』と呼ばれている。
「威勢の良い方だ。ですが、あなたに私たちを止められはしない」
 ステラの姿を視界に捕らえたウインドゼファーは全身のモーターをフル稼働。ステラがたどり着くまで待たない、彼女はすでに動いていた。この場で一番早いのはウインドゼファー、彼女だ。
 剣についている車輪も高速回転しており、子供の笑い声のような音を立てている。洗練された動きで竜巻を放つ。己の命を燃やし、鮮やかな花たちを巻き上げステラへと襲いかかった。
「封印を解く。ソル、奪い尽くせ」
 かつての主の同僚が振るった『太陽剣』ソルの見えない封印が解かれる。剣身は赤く輝き、黒炎を剣身に纏う。足元の花々から生命力を吸い上げ、更に黒炎は威力を増した。膨れ上がり、竜巻を飲み込もうとする姿は黒き太陽のよう。
 『太陽剣』と黒炎が竜巻を受け止める。
「私もソルと同じ剣の身。寿命などあってないものだ。だから遠慮なく使うまでだ」
 『太陽剣』から湧き出る【呪詛】によりステラ自身も命を蝕まれていくが、構わなかった。正義を為すために、護るために、憧れるかつての主のように、ここで立ち止まれない。
「この一撃にかけて……その力、奪わせてもらう! 影炎!」
 彼女の言葉と意思に黒炎が呼応する。ウインドゼファーのユーベルコードを複製し、黒炎が竜巻へと姿を変えた。花畑を焼きながら黒炎の竜巻はウインドゼファーへ迫る。
「っ……この程度で私は倒れません」
 車輪剣を振るい竜巻を切り裂き、威力を軽減するも竜巻は彼女を飲み込んだ。純白のマントを焼き落とし、身体にも黒く焦げている。だが、彼女は健在だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アサノ・ゲッフェンルーク
【診療所チーム】

「女性には優しく…でも、水鞠さんの方がやっぱり素敵かな、かな!!」
『泡沫ノ長杖』の気まぐれな水精霊『水鞠さん』に声をかけて
周りに合わせて連携をとれるように準備

初撃の対処は他のヒトに任せながら自分でも
風の流れを掴んだ戦闘知識や
空気の揺らぎからおこる残像
戦場での第六感を総動員して何が起きてもいいようにしておく

先制攻撃を流しきったらUCを発動
属性攻撃、スナイパー、全力魔法、高速詠唱で補助。
鎧無視攻撃と2回攻撃で手数を増やして攻撃に専念する。

相手の脆い部分が分かったらそこを重点的にスナイプするよ。
敵のカウンターがきそうなら、2回攻撃の2手目をカウンターの軽減に使用。

アドリブ、絡み、歓迎


芦屋・晴久
診療所チームと連携

初撃の対応です。相手は強者、容易く避けられはしないでしょう
仕方ありませんね、私は彼女の一撃を耐え抜く事に全力を尽くします
アサノ君と私はWIZ、飛ばしてくる風は受けきるしかありません
【医術】、即ち身体の構造を把握している故に如何に喰らえば被害が抑えられるかを計算し轟天の符にて自らに硬化術を掛けて致命傷を防ぎます
アリス君のSPDUCにて花の足場が崩れている、それはこちらも利用させて貰いましょう
五行相生、属性は炎で現象は嵐
ゼファーの風を巻き込み花を燃料とする
さぁこの炎の嵐の中心に居るのは貴女と私のみ
視界は防ぎました、アリス君、アサノ君、後は任せましたよ。

私に出来るのはここまでです


アリス・レヴェリー
【診療所チーム】
足場を吹き散らす程の暴風……装備している【刻命の懐中時計】の結界で足場を保持しつつ防いでも、結界は無限じゃないし……そのまま粘っても、車輪剣が控えてるものね
それならいっそ、初撃を結界で凌いだら足場の下に飛び降りるわ
その後に足場越しに襲ってくる風を引き続き結界を消費して凌いで、【友なる白鯨、悠然の調べ】でシロナガスクジラに似た幻獣、ムートを召喚して騎乗しましょう
あらゆる場所を泳げるこの子なら暴風や炎は怖くないし、風の刃もわたしの結界やムートの魔法結界で防いで接近できるはず。
隙を見てアサノさんを拾って、燃えさかる嵐に突入よ!
その嵐の目の中で、結界を纏ったムートの突撃を躱せるかしら!



 新たに転移してきた三人は個性豊かな面々。
「女性には優しく……でも、水鞠さんの方がやっぱり素敵かな、かな!!」
 白い外套に水属性の杖『泡沫ノ長杖』を大切に抱えているのはアサノ・ゲッフェンルーク(白耀の魔筆士・f00499)だ。愛しい水の精霊『水鞠さん』への愛を紡ぐ姿に気負いはない。
「変わらないですね。では、行きましょうか」
 いつもと変わらぬ『サングラス』に『ビジネススーツ』を身につけた芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)の声はリラックスしている。気心の知れた仲間と共に立ち向かうからこそともいえる。
「はい、頑張ります」
 『刻命の懐中時計』を握りしめアリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)はこの先を予想し、勇気を震わせる。頼もしい仲間と立ち向かうのだ。今この場に恐れは必要ない。
「新手ですか。ならば、道を分断するまで」
 手傷を負っていてもウインドゼファーはその命を燃料として全身のモーターを更に加速させた。また、彼女から放たれる風の質が変わる。
 何もかもを薙ぎ払わんとする暴風は足場となっている花畑を散り散りにしていくのだ。先に進ませたくないのなら、道を破壊すればいい。
「ここは私に任せてください」
 アサノとアリスの前に躍り出たのは晴久だ。敵の攻撃を受けきる盾として『轟天の符』に込めた硬化の術を自らにかける。【医術】に精通している彼は人体の構造を熟知しているからこそ、どう強化し、どう防げばいいのかよくわかる。
「サポートするよ!」
「わたしも頑張るよ」
 神経を研ぎ澄まし、暴風を見極めようとするアサノと懐中時計を両手で握り締めるアリスが続く。
 強敵であれ、ここで止まるわけにはいかない。この世界のために猟兵は進み続ける。
「わかりました。この状況を利用させてもらいましょう」
 足場を崩し、花も巻き上げて暴風は三人を切り刻もうと勢力を広げた。色鮮やかな暴風は流れを読みやすくなっただろう。
「其は五行を重ねて理を創生する軌跡也」
 ウインドゼファーとの距離を詰め、彼は『五行相性』を発動させる。彼が選んだのは炎と嵐。その嵐はウインドゼファーを襲わず、彼女と晴久の二人を取り囲む。
 彼女が放った暴風を取り込み、舞い上がった花々を燃料として火勢を強める。煌々と燃え盛る炎の嵐は飛び越えるのに困難な高さになっていた。
「さぁこの炎の嵐の中心に居るのは貴女と私のみ」
「デスマッチでしょうか。考えましたね」
 車輪剣を振り上げ晴久へ斬りかかる。彼女は思い違いをしていることに気づかない。彼の本当の狙いは彼女の視界を奪うこと。
(視界は防ぎました、アリス君、アサノ君、後は任せましたよ)

 晴久が炎の嵐で分断してくれたため、暴風の威力は落ちた。落ちたとはいえ致命傷になりかねないものではある。
「揺蕩う勇魚、優しき王よ、微睡み歌う、わたしの友よ!」
 アリスが呼ぶのは魔法を扱う純白の大鯨。悠然と泳ぐその姿は花畑と相まって幻想的に映るだろう。暴風を防ぐ結界を大鯨、『ムート』が展開する。
「アサノさん、一緒に」
「すごい、おっきい! うん、一緒に行こう!」
 二人は『ムート』の背に乗ると炎の嵐へと突き進む。どのような場所だろうと泳ぐことのできる『ムート』には暴風も炎の嵐も関係ない。
 風を物ともせず大鯨は悠然と荒れ狂う空を泳ぎ進む。その巨体を傷つけるものはいなかった。

「そろそろでしょうか」
 車輪剣を符を使い、攻撃をいなしている晴久は小さく呟く。その様子を訝しむもウインドゼファーは目の前の敵を倒すことに意識を向けている。
「何を待っているのか知りませんが、貴方はここで終わりです」
「いいえ、終わるのはあなたです。いって、ムート!」
 アリスと共に結界を纏ったまま『ムート』はウインドゼファーへと体当たりを敢行する。この場に現れるとは思わなかったその姿に彼女は声を出せずに動きが止まった。
 その隙を見逃す者はこの場にいない。
「水鞠さん、お好きに遊んでくださいな」
 アサノの杖が水泡の花弁へと姿を変える。『水鞠さん』が嬉しそうに宙を舞えば花弁たちはウインドゼファーへ刃を向けた。
「なっ、このような場所で」
「敵の裏を読む、これも大事なことです」
 晴久の声はウインドゼファーへ届くことはない。水泡の花弁に切り裂かれ、『ムート』の体当たりにより花畑、否、その下まで落ちて行った彼女には。
「わたしたちの勝利です。お疲れ様、ムート、二人も」
「やった! 二人ともありがとう!」
 あれほど荒れ狂っていた風が凪いでいく。ウインドゼファーを倒すことができたのだ。
 『ムート』の背から降りたアリスとアサノは晴久へ駆け寄る。彼も大怪我を負うことなくいなせていたようだ。目立った外傷は見当たらない。
「いえいえ、こちらこそありがとうございます」
 三人はこの場を後にする。次の戦場へ向かうのか、英気を養うのか、それは彼ら次第。
 バトルオブフラワーズも大詰め、最深部にいる敵の首魁は何者だろうか。すべての答えはこの先にある。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月22日


挿絵イラスト