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バトルオブフラワーズ⑪〜風は止まず

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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●風は止まず
 エイプモンキー。ラビットバニー。
 ザ・ステージの先、システム・フラワーズで待ち構えていた二体の幹部は、猟兵達の知恵とエモと猛攻により撃破が叶った。だが、システム・フラワーズを占領しているオブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』に至るには、最後の幹部を倒さなければならない。
「もう知ってる人もいるかな。ウインドゼファーっていうスピード怪人。女のひと」
 リオネル・エコーズ(燦歌・f04185)は少し驚いた様子を見せた後、それでさ、と話を続ける。
 ウインドゼファーは先の幹部と同じく何度でも骸の海から蘇るが、短期間に許容値を超える回数まで倒せば復活は不可能だ。エイプモンキー、ラビットバニーのような特殊能力もない。
「ウインドゼファーの能力は『風を操る』、それだけ。こっちのユーベルコード無効化したり、絶対無敵バリアとかいうのは一切ナシ……なんだけどね。それってつまり、純粋に『戦闘能力』だけであっちと戦うことになるワケ」
 しかも、ウインドゼファーは必ず先制攻撃をしてくるという。
 幹部という地位を考えれば実力者なのは明白。暴風を纏った高速飛翔、花の足場を断つほどの暴風による無差別攻撃、『嗤う竜巻』を放つ車輪剣――無策で挑めば、これらをまともに喰らう事となり、無事では済まない。
 それでもさ。
 リオネルは猟兵達を見てニコリと笑った。
「みんながここまでガバッと開けてきたんだし、奥に引っ込んでる大ボス引っ張り出したいよね。……俺はみんなを運ぶ係だけどさ、気持ちは一緒のつもり」
 それじゃ、行こう。
 転移の先はシステム・フラワーズ――風吹く場所へ。


東間
 とうとう最後の幹部がお出ましですね。
 どちらの風が止むかは皆様次第。

 プレイング受付はシナリオ公開時から。
 プレイング締切のタイミングについては、個人ページ冒頭及びツイッター(azu_ma_tw)でお知らせしますので、送信前にご確認いただけると助かります。

●特殊ルール
 敵は必ず先制攻撃します。
 敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。

●お願い
 同行者様がいる方は迷子防止の為にお相手の名前(ニックネーム可)とIDを。
 団体参加(4名まで)の場合はグループ名の明記をお願い致します。
 失効日がバラバラですと、納品に間に合わず一度流さざるをえない可能性がある為、プレイング送信日は統一していただけると助かります。

 以上です。
 皆様のご参加、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レガルタ・シャトーモーグ
【保護者同伴】

風を操る怪人か…
真正面からの力比べに付き合う気は無い
絡め手でいかせて貰う

先制攻撃には【オーラ防御】で攻撃を受け止めるより受け流す事を心がけ凌ぐ
竜巻はジグザグに飛びながら避け【迷彩】で周囲の花に紛れて注意を反らせる
…飛ぶ速さなら俺にだって分があるはずだ
高速で周囲を飛びながら敵の動きを観察し、敵がフォムや九十九に攻撃しようとする時は邪魔する様に飛針を投げる
此方へ飛び込んで来たら攻撃を受けた、と見せかけ【残像】と入れ替わり
【鎧無視攻撃】で背後から「背面強襲」

これ程の使い手が相手なら手段を選んでいられないんでな…
悪く思うなよ


フォートナム・メイソン
【保護者同伴】
※アドリブ悪乗り大歓迎

とっても速いの?すごーい!
追いかけっこしたいなー!……遊びじゃないの?
良く分かんないけど、ボクだって負けないよー!

先制はツクモが受けてくれるらしいから、ツクモが動きやすいような位置取りをするね!
相手の攻撃とツクモのユベコの使用が終わったら【スターフィッシュバレット】で回復するよ!

後は、ツクモとレー君と協力しながら相手の自由を奪う形で戦闘するよ!
レー君とかツクモがピンチそうだったらまた回復させていくね!
なんか回復役は大事って聞いたから、ボクはあんまり深追いせずに頑張るよ!

※獣の勘が働いたら、本能に従い行動する


九重・九十九
【保護者同伴】
※アドリブ、他の人との連携等歓迎

●心情
絶対先制か、面白いのう
うむ、わしは真正面から行かせてもらおうかね

●行動
先制攻撃を受けた際、味方の盾となるように動く
攻撃は見切り、オーラ防御、戦闘知識による受け流しやカウンターで凌いでいく
先制を凌ぎ切ったら捲土重来を使用し、反撃に出るぞい……やられた分はやり返さなければな

相手を自由にすると速さに翻弄されそうじゃし、至近距離を維持しながら食らいついていこうかの
ダメージレースであるならば、生命力吸収と回復がある此方が有利じゃろう
相手の自由を奪う形で攻撃を加えつつ、遠距離から攻撃する仲間が入れば射線を考慮しながら立ち回ろう



 全てを呑み全てを吹き飛ばす風の暴君の前に、ただ立つだけの者がいたとしたら、立っていた者は一瞬で天空に飛ばされ、そして世界の底に堕とされ潰れるのだろう。
 ――ただしそれは、何もしなければの話だ。

「来ましたか」
 つるりとした真紅の頭部から聞こえた声は女のもの。
 直接右腕に繋がっている一本と、左手に一本。二本の車輪剣を携え堂々と立つ、白のロングコートを着た怪人。あれが、風を操るユーベルコードのみでエイプモンキー、ラビットバニーと肩を並べていたスピード怪人・ウインドゼファー。
(「面白いのう」)
 九重・九十九(老狐・f04781)はじっくりとその姿を眺めた。絶対先制攻撃されるという話だが。
 うむ、と口に笑みを浮かべるその周りを、フォートナム・メイソン(ロケットわんこ・f06179)が落ち着きなく跳ね回る。
「とっても速いの? すごーい! 追いかけっこしたいなー!」
「遊びじゃないんだぞ」
「……遊びじゃないの? 良く分かんないけど、ボクだって負けないよー!」
 九十九の後ろにさがったフォートナムとは対照的に、レガルタ・シャトーモーグ(屍魂の亡影・f04534)は落ち着き払っている。自分の前へ向かう九十九越しにウインドゼファーを視界に入れ、外さない。
 ウインドゼファーは何をするでもなく三人を見ていたが、ふいに呟いた。
「――成る程。『それだけ』で耐えられるとでも?」
 ウインドゼファーの足元で花が爆ぜた。踵のタイヤが花を灼く勢いで回転し、マフラーが激しく震え煙を噴く。
 そこから突風が生まれたかのように花びらが大きく舞い、落ちていく刹那。たった一呼吸の間に、車輪剣を構えたウインドゼファーは目の前に。竜巻が、嗤い声が、生まれていく。
 まともに受ければ一溜まりもない。瞬間的にそう理解した九十九だが、敢えてそれを真正面から受け止めた。だが無策ではない。
「っ、ぐぅ……!!」
 後ろの二人を背に、守りを纏った盾として、決して目は閉じず、見える全てを捉えようと意識を集中する。見出した最適へと動きを寄せ、一瞬を突いてウインドゼファーを蹴り飛ばした。
「反撃に出るぞい……やられた分はやり返さなければな」
「待ってて、今回復するよ!」
 フォートナムは九十九に癒しの弾丸を用意し――ようとして、全身駆け抜けた悪寒に目を向けた。
 そこ目がけ、ウインドゼファーが『跳んだ』。そう理解したのは、最初の一撃が繰り出されてすぐ飛んでいた一人。
 煌めいて翔た何かがウインドゼファーの足元を、進行先を貫き邪魔をする。高速のまま軌道を変えたゼファーが煌めきの元へ顔を向ければ、漆黒の翼広げた幼い少年が、一人。
「死ぬのが僅かに遅くなるだけですが」
「貴様の考えなぞ知るか」
 バッサリ。レガルタの指がリングから離れた瞬間、ウインドゼファーの狙いがレガルタに変わる。高速回転する全タイヤの音が疾風のように迫り――。
「!!」
「何じゃ、つれないのう」
「なぜ、動けるのです」
 嗤う竜巻が放たれる直前に飛び込んだ影、九十九にウインドゼファーが疑問を向ける。
 決して軽くはない一撃を与えた筈、と。そう言いたげな空気に、近くまで食らい付いた九十九は幼い見目に似合わぬ笑みを浮かべた。
 『氣』で覆われたこの身は、あの一撃で受けた分だけ戦闘力と生命吸収力が上昇しているのだが――それを教えてやる必要もない。常より遥かに上昇した能力をフルに使い、攻撃を加え続ける。
 戦う二人の為、フォートナムも幾度となく高速治療をもたらす弾丸を放った。二人がウインドゼファーを抑えているからこそ、その癒しは何ものにも邪魔されずに済んでいる。
 しかしウインドゼファーも実力者。僅か一瞬の隙を突いて軌道を大きく変えてみせ、間合いに捉えたレガルタへと車輪剣を振り払う。そう見えた動きが、僅かに一瞬止まってすぐ、後ろに放たれた。
(「残像は見抜かれたか」)
 レガルタ本人は僅かに目を瞠る。しかし竜巻は、ジグザグに飛んでは花に身を紛れさせ、と動き回っていたレガルタを完璧には捉えていなかった。竜巻が呑んだのは半身まで。
「ならばもう一撃――、ッ!?」
「ふ、やられた分はやり返すと言ったじゃろう?」
 ウインドゼファーに九十九が迫り、生まれた隙をナイフが突く。
「これ程の使い手が相手なら手段を選んでいられないんでな……悪く思うなよ」
 そも、暴風の化身ともいえる相手に真正面からの力比べをする気はない。
 ガキン、と聞こえた音は望むほどには至らなかったという印。だが刃は確かに届いていた。ウインドゼファーが風と共に大きく跳躍し、距離を取る。
「手段を選ばない、ですか。それはこちらも同じです。私達は、全てを手に入れるのですから!!」
 再び風が吹き荒れる。
 止む気配は、まだ、ない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

マリア・テミルカーノヴァ
たけし(f12919)さんと共に戦います。

夢に出てくる謎の武器に操られてしまった女性を思い出してしまうではありませんか。
過ぎたる欲は身を滅ぼす、という言葉を忠告しておきますね。

フルスロットル・ゼファーに対しては【見切り】で動きを見定めてそのルートにぬるぽを投げていくことやあらかじめ積んでおくことで対処します。
プログラムのバグですから、実行時に判定されるはずです。

今回は、ぬるぽだけではなく、ついでにジャガイモも投げつけてみますね。
それは、夢に出てきた女性が好きだったのがジャガイモでしたから。

ついでにたけしさんの攻撃の時も、ぬるぽを投げて援護します。
思い出してくださいね、昔の思いを。

アドリブOK。


梯・剛士
マリア(f00043)と共に行動

今度は小細工なしの真っ向勝負ってわけか!分かりやすくていいじゃんな。
いっちょやってみっか、マリア!

レボリューション・ストームはバトルキャラクターズで巨大な狼獣人・ヴァリウードを召喚して自分とマリアの盾にする
ヴァリウード「主の為ならばこの身体、千々に千切れようとも構わぬ所存です!」
足場を崩された場合は別のゲームキャラクターに抱えさせて安定した足場に運んでもらう

攻撃の際は残っているゲームキャラクター全員を合体させて突撃させる
「これが俺達の、今ぶつけられる全力だ!」
マリアの攻撃の際にはゲームキャラクターで援護
「あ、なんとなくジャガイモ持って来たけど食う?」

アドリブ歓迎



 浮遊感。それから、全身を撫でる風と舞う花びら。
 降り立った梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)とマリア・テミルカーノヴァ(電子の海を彷徨う光・f00043)を出迎えたのは、システム・フラワーズという名の通り、花満ちるそこに佇むウインドゼファーただ一人。
「次の猟兵はあなた方ですか」
「この世界の未来がかかってるからな、相手してもらうぜ!」
「ええ。それに、過ぎたる欲は身を滅ぼす、という言葉をご存知ですか?」
 マリアの脳裏に夢で見た一人の女性が浮かぶ。しかし、今この場にいるのはオブリビオン。スピード怪人・ウインドゼファーだ。
「それが何か。オブリビオンとして蘇った私達なら、滅びる事はありません。無限大の欲望も、喰らい尽くせるはず」
 ウインドゼファーの全身から溢れ出した風とプレッシャーに、剛士は笑みを浮かべた。恐れはない。今から始まるのは小細工なしの真っ向勝負。分かりやすくていい。
「来るぞ! いっちょやってみっか、マリア!」
「ええ」
 身構えた剛士にマリアは微笑みながら答え、ぐ、と身を低くしたウインドゼファーを両目で捉えた。向こうも同じように標的を捉えたのだろう。そして。
「私は速くなる! 誰よりも!! 何よりも!!!」
「っ――!」
 爆発的勢いで周り全てを押し退け、花びらを方々に撒き散らし飛翔するウインドゼファー。暴風そのものを前にマリアはユーベルコードを発動させ、そこへ剛士のゲームキャラクターが援護に向かう。
 ついでにとマリアは『ある物』も投げつけていたが。
 それらはウインドゼファーに触れた瞬間、彼女の纏う暴風によってバラバラに斬り裂かれた。それを認識したと同時、マリアは巨岩がぶつかったような衝撃に襲われる。
 容赦なく花々の地面に叩き付けられたマリアを、剛士は急いで助け起こした。ウインドゼファーは。豪速で飛翔していった姿を探せば、何メートルも向こうで悠然と立っていた。
「なんとなく持ってきたジャガイモが……! 大丈夫かマリア?」
「な、何、とか……」
 プログラムのバグという闇の魔術――一部の業者が悲鳴を上げそうなそれを、フルスロットル・ゼファーがパワーで上回ったのだろう。マリアは花々の上に落ちている幾つもの欠片に目をやってから、ウインドゼファーを見る。特に、変化は見られない。
「ここはシステム・フラワーズであって、ザ・フードステージではないのですが」
「夢に出てきた女性が好きだったのが、ジャガイモでしたから」
「……あなた方が私に何を見ているのか知りませんが、ジャガイモで私を止められると思ったのですか? 妙な真似をしようと、私のスピードの前には無意味と知りなさい」
「そいつはどうだろうな」
「――では試してみますか?」
 ふわ、と。ウインドゼファーの前、花がかすかに浮いた。
 次の瞬間、そこから迸った暴風が周囲を呑み込んだ。花々を巻き上げ、砕き、壊していく。
「ヴァリウード!!」
 剛士の声が響いた瞬間、花々の上に立った巨大な狼獣人が二人をバッと抱き込んだ。大きな体越しに暴風が過ぎ――だが、足元がぼろりと砕かれ視界が大きく下がる。しかし、互いの腕や足を掴んだ24ものゲームキャラクター達が、落ちていく二人をしっかりと掴んで離さない。
 まだ残る花々の上へ二人をぽーんっ、と投げたキャラクターが一斉に集まっていく。全キャラクターがひとつになれば、それは個々であった時よりも強い。
「これが俺達の、今ぶつけられる全力だ!」
「無駄なことを――!!」
「たけしさん、援護します」
 マリアによるプログラムのバグという恐ろしい魔術も寄り添って――一人の怪人に、二人の力が激突する。
 空気が、花びらが爆ぜたような衝撃の後。そこに二本の足で立っていたのは、ウインドゼファーだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

コノハ・ライゼ
とりま耐えるっきゃナイのが辛いケド
それも美味しくいただく為なら、ってネ

暴風を『オーラ防御』で防ぎ敵の軌道を『見切り』にて予測
斬られても削がれても、反撃するだけの手足と命が残ればイイ
『激痛耐性』も少しは足しにナンでしょ
流れる血は「柘榴」で拭い
引き寄せつつ攻撃を受け流す事で敵との距離を詰め
柘榴を敵の肩車輪狙い刺しこンどくヨ

敵が態勢立て直す前に『高速詠唱』で「氷泪」から雷の牙奔らせ
喰らい付き傷を与える――回りくどいケド、ココまでが下準備

続く反撃も同様に凌ぎ『カウンター』狙って仕込んだ柘榴へ【紅牙】発動
『傷口をえぐる』ように内側から牙で喰らい
『2回攻撃』で『生命力吸収』し追撃
存分に、喰らわれて頂戴な



 両足で立つウインドゼファー。それが、コノハ・ライゼ(空々・f03130)の目に映る『今』のウインドゼファーだった。だが、その身には自分より先に挑んだ猟兵達によるものと見られる傷が複数。
 確かに見えるそれを刻むのにかけた熱量は、どれほどだったのだろう。そして、己の場合は。
(「とりま耐えるっきゃナイのが辛いケド。それも美味しくいただく為なら、ってネ」)
 それに、美味いものは耐えた分だけ美味くなる。
 紫雲の髪を風に揺らしてレンズの奥で瞳細めれば、傷跡残す真紅の頭部から声がした。
「次はあなたですか」
「そーいうコト。門番なんだし、相手、してくれるンでしょ?」
「勿論です」
 ふわ、と風が踊って。花びらが数回翻るその間に、風が爆発する。
 圧倒的パワーに満ちた風がウインドゼファーを包み込み、花を撒き散らす強さとは真逆の緩やかさで、その体を浮かせていく。
「ドン・フリーダムがシステム・フラワーズを取り戻すまで――何人たりとも、私の向こうには行かせない!!」
 ごう、と音が響いた時、ウインドゼファーはすぐそこまで来ていた。
 速い。
 目で認識した全てをコノハは体全体に伝え、身に纏った守りと目、感覚だけで次の行動に移る。頬や腕、足に鋭い痛みが走ったが繋がってンならヨシと――一瞬見えた、ハケで塗ったばかりのように真っ赤なそこは笑って見ないフリ。
 コッチおいでと語る笑みで上空のウインドゼファーを誘えば、高空から獲物をかっさらうトンビのように急降下。地面スレスレで飛んできたウインドゼファーの攻撃を、今度は受け流す。
 全て流すとは行かずとも距離を詰めるには十分。手にした刃も肩車輪へ遠慮無く差し込んで。違和感に気付いた手が伸ばされる前に、今度は右目と深く繋がったシルシから奔らせた雷の牙で、がぶり。
「ちまちまと……その程度で私が止まるとでも?」
「そーねェ」
 腹に抱えた悪巧みは掴み所のない笑みの下。種明かしは一瞬。肩車輪に『刺しあげた』刃、『柘榴』の封印が解かれ、鮮血色の牙がウインドゼファーの内側へと喰らいつく。
「っ、ぐぁ――!?」
 更に深く喰らわせて、コノハは笑む。
 さあ。
「存分に、喰らわれて頂戴な」

成功 🔵​🔵​🔴​

泉宮・瑠碧
無差別攻撃という事は
ピンポイントに狙ってはいないのか…

暴風に対しては
第六感で威力の低い位置を見切り
風向きだけは先に把握
当たる寸前で威力軽減の為に風向き方向へ添って
威力の低い位置へ自ら軽く跳ぶ
削ぎ切れない分を風の精霊の守りによるオーラ防御で防ごう

風への呼び掛けは先に行って高速詠唱の備えをしておき
宙に放り出されたら落下中に風鳥飛行
騎乗すれば以降は足場は気にしないで良いな

騎乗と同時に一回転する様に立て直し
再度暴風を放たれる前に
ゼファーの近くまで体当たり気味に一気に突っ込もう
近付けば勢いそのままに風鳥の爪か嘴で怪人を掴み
至近距離から弓で射る

欲で滅び、同じ事を繰り返すなら
蘇ったとて先は無いから…すまない



 ウインドゼファーが、飛ぶ。跳ぶ。
 どれだけ傷を負わされようと、速さを、全てを手に入れようとする意志に揺らぎはないのだと感じ、泉宮・瑠碧(月白・f04280)は風に遊ばれる髪を押さえた。
 花の足場をバラバラにする暴風。あれは確か、特定範囲内を無差別に攻撃するものだった筈。ならば。
(「ピンポイントに狙ってはいないのか……」)
 静かな思考は、荒れ始めた風の音と向き合った瞬間にぴたりと止む。
 ウインドゼファーからその周り全てへ。暴力的な圧に満ちた風が一気に広がっていく。
 そこに己も囚われている――それを瞬間的に感じ取った瑠碧は感覚に導かれるまま、静かに、舞うように身を動かした。
 風に抗うのではなく、風に翼添わせて飛ぶ鳥のように。
 とん、と花の地面を蹴れば直前までいたそこが割れ砕かれる。削ぎきれなかった暴風の刃は風精霊の守りが幾らか和らげてくれたが、風の音と共に花びらが噴き上がった。
 淡色に染まる視界。浮遊感。
 瑠碧の体は宙高く舞い上げられていた。しかし。
「風よ」
「何……!?」
 備えあれば憂いなし。願い乗せた一言が風鳥を喚び、瑠碧の体を受け止める。
 空舞う鳥に騎乗すれば、足元壊す暴風を恐れる事はない。
 瑠碧を乗せた風鳥が大きく一回転。翼を広げ向かった先は、花の地面ではない。速く、鋭く。翔るその先――風を操るスピード怪人・ウインドゼファーへと。
「いいでしょう、来なさい」
(「お願い」)
 また、あの暴風を放たれる前に。
 瑠碧の想いへ応えるように風鳥がそのスピードを増し、風と風がぶつかる――その直前。体当たりするのかと思うほどのスピードで突っ込んだ風鳥が、ばさりと翼を広げて。
 バランスを崩した?
 そう感じたウインドゼファーはそれが誤りだったとすぐに知る。
 目の前で一気に開いた鋭いそれは鳥の爪。
 ガキリと掴まれたウインドゼファーを次に狙うのは、至近距離で弓矢を構えていた瑠碧。僅か一瞬の間。水の矢がウインドゼファーを射る。
「欲で滅び、同じ事を繰り返すなら、蘇ったとて先は無いから……」
 すまない。
 哀しげな声が風に乗り、花と舞う。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャハル・アルムリフ
風は何にも捕らえられぬもの…であるが
中身があるなら裂くことはできよう

先手を打てぬ一撃であるのなら
喰らわばなんとやら、だ

来い、自信があるのだろう?
黒剣を構え、捨て身の一撃にて真っ向から斬りかかる振りを
ウインドゼファーの攻撃と、それにおける油断を誘う
仕掛けるは【忌仔】
暴風による攻撃をまともに受け止め
ただ身の防御と、激痛耐性ひとつにて耐える
反撃のときまで生き延びてさえいられれば構わない

遠慮なくやってくれたならば、それで良い
敵が体勢を再び整える前に
喚び出された竜へと即座に命じ、同じ黒剣を形作らせ
さあ、食い荒らせ
負傷した分、生命力も吸収してゆく

……は、鉄の味がする風など初めてだが
無様な報告など出来ぬ故な



 風の姿を目にできるのは、風が何かに触れている時だけだ。
 巻き上げられる砂。降り注ぐ雨や雪。さわさわと鳴る梢。流れるように揺れる草原。
 風は何にも捕らえられぬもの。
(「……だが」)
 ジャハル・アルムリフ(凶星・f00995)の双眸が、水の矢に射られたウインドゼファーを映す。あれが。あのオブリビオンが、システム・フラワーズに吹き荒れる風。
(「中身があるのなら、裂くことはできよう」)
 スピードを欲し、求め続けたかの怪人から先手は奪えぬらしい。
 で、あるならば。
「来い、自信があるのだろう?」
「……いいでしょう。真っ向から来るというのなら、存分に味わいなさい」
 黒剣を構え駆け出したジャハルに、ウインドゼファーが暴風を纏い、応える。

 ――誰よりも速く!
 ――何よりも速く!!

 底のない欲望がウインドゼファーを暴風そのものへ変えていく。
 爪先が浮き上がり――ウインドゼファーという暴風がジャハルに激突した瞬間、置いていかれた風の音が轟いて。至近距離で炸裂した暴風が、衝撃が、肉を裂いて骨を砕いた。
 まともに喰らったのだ、当然の結果といえよう。だが、肉体が持つ防御と激しい痛みへの耐性。そして、『反撃の時まで生き延びてさえいられれば構わない』という清々しいほどの考えが、ジャハルの求めるものへと繋がっていく。
 バシャリと花を濡らした血が粘り気を帯びた。
 血が、変わる。流れ落ちたそれが、黒き竜を喚ぶ入り口になる。
 空中へと猛スピードのまま飛翔したウインドゼファーも感じ取ったのだろう。まさかと驚愕零した視界、喚ばれた黒き竜は命ぜられて即、ジャハルの揮うものと同じ黒剣を作り上げていた。
「まさか、敢えて受けたのですか!?」
「――さあ、食い荒らせ」
 捕らえられぬ筈の『風』を。
 肉を裂き、骨を砕く暴風の主を。
 膨れ上がった風と黒き竜が激突した瞬間、周囲に広がった衝撃が花の大波を起こした。ざあ、とうねって広がるそれにジャハルは手を翳し、花の波が過ぎていく。
 ひらひら舞い踊る向こう、衝撃の中心部。暴風が消えたそこに、ウインドゼファーはいた。
 花の地面に伏した体に力は残っていない。伸ばされた手、震える指先がその証。
「……わた、しは……わたし、達は、すべ、てを……ッ」
 何かを掴もうと手が伸ばれるが、指の間を花びらがすり抜けるばかり。
 喰らい返した分を感じ取り、ジャハルは短く息を吐く。
「鉄の味がする風など初めてだが、無様な報告など出来ぬ故な」
 帰路へ向かうその背後、ウインドゼファーの体は、舞う花びらの中に散っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月21日


挿絵イラスト