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バトルオブフラワーズ⑪〜西風に攫われて〜

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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「皆さん、いよいよ『バトルオブフラワーズ』も中盤戦です!」
 ルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)の号令にエイプモンキー、ラビットバニーを蹴散らした猟兵達が大声で叫び応える。
「次の相手は第三の幹部『ウインドゼファー』です! これまでの幹部と違い、バリアは張っては来ませんが、その代わりにとてつもない暴風を身にまとって皆さんを翻弄してくる強敵です!」
 全身につけている機械は稼働させることで自身の動きを増す風を起こすだけでなく、相手の攻撃の威力を軽減させる、という攻防一体の代物だという。
 またその風は自分自身の能力を高めるだけでなく、周りの地形をいともたやすく削り取れる威力を持っているらしい。
 何の対策も無しに突っ込めば、その猟兵の体は暴風によって一瞬で容赦なく切り刻まれることだろう。
「また、皆さんはもうご存知でしょうがシステムフラワーズは一本道かつ相手に掌握されている状況で、動きは相手に筒抜けです。確実にあちらから皆さんをお迎えに出てくるでしょう」
 しかも現在出揃っている情報からはウインドゼファーの弱点らしい弱点は一切確認されていない。
 ……つまり今までとは違い搦め手は全く使えない、実力勝負のガチンコ決戦である。
「ここを乗り越えれば、あとはオブリビオン・フォーミュラとそれを唆した犯人だけです。スピード怪人は名前の通りスピーディに去っていただきましょう」
 そう真剣な表情でルウはキマイラフューチャーの市内のホログラムに表示されているウインドゼファーの幻影を睨みつけた。


平岡祐樹
 初の幹部戦、気合い、入れて、いきます! 平岡です。

 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 以上のことを念頭に入れた素晴らしいプレイングをお願いします。
 システム・フラワーズ奪還戦史上初の特殊条件・おふざけ・冗談抜きの本気勝負です、いざ出陣!
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「モンキーに続きバニーまでとは、驚きました」
 花びらが舞う通路でウィンドゼファーは息を吐きながら、ゆっくりと立ち上がっていた。
「でも、私の役目は門番。ドン・フリーダムがシステム・フラワーズを取り戻すまでの時間稼ぎならば、私の『風を操るユーベルコード』でも、決してあの2人にひけは取りません」
 そう語る彼女のヘルメットの内部には、こちらへと侵攻してくる猟兵達の姿を映した映像がしっかりと映されていた。
「かつて、ドン・フリーダムが開放した『無限大の欲望』は、人類を怪人化させ、滅亡へと導いた……。だけど今なら、オブリビオンとして蘇った私達なら、無限大の欲望も喰らい尽くせるはず」
 タイヤを模した丸ノコが回り、マフラーが動き出し、ウインドゼファーの体を凄まじい暴風が包みこむ。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
 その言葉と同時に、彼女の姿は風の中に消えた。
アーサー・ツヴァイク
※何でも歓迎、🔵過多なら不採用可

開幕からライドランに【騎乗】して【フルスピード・スカイドライブ】の発動準備。向こうのフルスロットル・ゼファーが先、スタートダッシュは譲ることになるが……最高速度なら俺だって負けていない! マッハの世界で真っ向勝負だ!

先制攻撃の暴風を防ぐ手立てとして【オーラ防御】を張りつつ、【激痛耐性】と【気合い】で耐える。一発目を食らったらUCで相手の反対方向に全力移動して態勢を整えるぜ。

向こうが第二撃に合わせてこっちも攻撃。正面から激突するタイミングでライドランをバイクから槍に変形させて、激突時の威力を高める! 槍状態でも【騎乗】できる事は猿相手に実証済みだ!



 突然空中に現れたウインドゼファーが武器を構える姿を把握する前から、赤い全身鎧に身を包んだアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は覚悟を決めていた。
「はあっ!」
 ウインドゼファーが放った風の刃がアーサーの鎧を切り刻む。あまりの威力に鎧は容易く削られ、顔の一部が露わになるがそこから見える目から戦意は全く損なわれていなかった。
「スタートダッシュは譲ったが……最高速度なら俺だって負けていない! マッハの世界で真っ向勝負だ!」
【Select……FLYING ACTION!!】
『行くぜ、ライドラン! 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ!!』
 ようやくライドオンのエンジンがかかり、アーサーはとてつもない速さでウインドゼファーとは反対の方向へ一気に距離を取った。
「行かせはしません!」
 その動きに、強行突破をかけてきた、と判断したウインドゼファーはすぐにアーサーの後を追う。
 その動きをミラー越しに確認したアーサーは、十分に距離を取ったところで不意に方向を反転させ、走りこんでくるウインドゼファーに突進をかけた。
「悪いな、逃げるのは性分に合わねーんだ!」
 素早く動いている鋼鉄の物体に最高速度に達する鋼鉄の塊が真正面からぶつかれば相手も乗っている自分もただでは済まない。
 それでも回復能力を持たないウインドゼファーに傷を与えさえすれば、自分の後にくる猟兵達が事を優位に進めてくれるだろう。それが致命傷となれば尚更だ。
 アーサーはさらに殺傷能力を高めるべく、ライドオンの形態を槍状に変えた。
「残念ですが、その攻撃はもう視聴済みです!」
 そう叫んだウインドゼファーは接触する前に跳び上がると槍の穂先を踏み台にし、槍の柄の上でサーフボードのように乗っていたアーサーの頭に踵を落とした。
「がっ……!」
 あまりの速さに避けることも出来ず、強烈な一撃を食らったアーサーはライドオンから落ち、自分の武器が生んでいた風圧によって派手に吹き飛ばされ、地面を転がった。
「……槍に変形する時に微妙に速度が落ちた分、間に合いましたね」
 常人ならぬ常オブリビオンなら判別が出来ないであろう、超次元の感覚の中でアーサーに一撃を食らわせたウインドゼファーの左足は大きく抉れていた。
 しかし怪人となった影響なのかそこから血やオイルの類は全く出ず、全く痛みを感じさせない足取りでウインドゼファーは次の侵入者へ走り出した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

琥珀川・れに


「かかっておいで」と一言
少しでも反応速度を上げられるよう構えて精神統一

居合抜きだと思うだろう?
否、僕のスピードはあまり自慢できるものじゃないからね

でもどれだけ素早くても対象が僕なら攻撃の瞬間は間合いだ

【第六感】【見切り】で寸前で気づけたらいいけど難しそうだ【激痛耐性】で気絶はしないぞ

UC【ブラッドガイスト】君が攻撃した場所を捕食態にして動きを止めるとともに
剣で【カウンター】

味方がいれば
「今だ!」とチャンスを作ってあげられるかもしれない

可能ならば捕食態でその武器を折ってあげよう

※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。


トレーズ・ヘマタイト
※アドリブ自由

正面から戦えるほど、強くはないのでな

サンクとシスを装着した魔導鎧ヌフをドゥーズと共に装備して戦場に移動
敵を確認次第、閃光手榴弾で視界を潰しサンクの盾で守りつつ、射撃後数十秒で分解される弾頭に常温で気化する液体燃料を詰めた弾頭をばらまく散弾をシスで休みなく撃ち続ける
ドゥーズに射撃を任せている間に自分は素早く地面に退避して爆弾を置きつつ敵の初撃を避ける

その後UC起動、刻印で反応速度等を強化し敵に突撃する
武器での攻撃を囮に触手での絡み付きを狙い、直接霧をぶつける

時間になれば装備を回収し手榴弾投げて撤退

緋晶と気化燃料が充満した空間に火種が有れば派手に爆発しそうだが、どこまで有効かだな

以上



「かかっておいで」
 琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)はそう言って柄に手をかけて構えた。
「……居合斬りですか」
 その構えをウインドゼファーは遠目で確認し、高速で背後に回る。
 そして花びらを蹴散らしながら一気に詰め寄っていった。
 わずかな空気の乱れを感じ、れにはすぐに体ごと振り返る。しかしその時にはウインドゼファーはすぐ目の前にまで達していた。
「遅いです!」
 右手に握られていた車輪剣がれにの胴部を斬り払い、続いて頭を斬り裂こうと左手の車輪剣が音を鳴らす。
 強力な一撃に一瞬意識が飛びかけたが、れにはギリギリ耐えてその一撃を剣で食い止めた。
 車輪と剣を斬り裂こうとして、凄まじい火花が散る。一瞬でも気を抜けば真っ二つにされそうな威力と勢いにれには顔を歪ませた。
「そんな華奢な剣、どこまで耐えれますかね!」
「……今だ!」
 苦しみながら発せられたれにの声に、花びらの隙間から覗いていた赤い目が動き、辺りが眩しい光に包まれた。
「閃光弾……⁉︎」
 直前に視界の隅に入った爆弾の存在をウインドゼファーが呟く中、黒い魔導鎧とガイノイド・ドゥーズを身につけたトレーズ・ヘマタイト(骸喰らい・f05071)が2人に向かって突撃する。
 魔導鎧が遠距離から散弾を休みなく撃ち続ける中、トレーズはドゥーズから飛び降りてウインドゼファーに向かって触手を伸ばす。
「この程度で、止められると思うな!」
『無差別攻撃になるが、手段を選ぶ余裕はないな、緋色の霧に蝕まれ、悉く灰と化せ』
 【緋晶炎霧】により速度と威力を増しながら触手が次々と分身しながら、散弾を風でなぎ払ったばかりのウインドゼファーに迫る。
 すると放っておけば散弾が次々に体に当たるにも関わらず、ウインドゼファーは全く迷うことなく車輪剣を触手に向かって振るった。
「触手は敵の動きを縛る物、この程度の弾幕よりも脅威だ!」
 その風圧に霧の残像は消し飛び、本体の触手は斬り飛ばされる。
 ウインドゼファーの体に弾がめり込み、その周りに大量の触手の残骸が落ちた所でトレーズはボソリと呟いた。
「そろそろ時間か」
 トレーズは触手を引っ込まし、代わりに手榴弾を投じる。
 れにと相対していた時と違い、相手がいない状態のウインドゼファーはすぐに着地点に駆け寄ると、手榴弾が爆発する前に導火線を切り裂いた。
 その間にドゥーズに搭乗し、魔導鎧と一緒にはるか遠くへ避難したトレーズは目を細めた。
「緋晶と気化燃料が充満した空間に火種が有れば派手に爆発しそうだが、どこまで有効かだな」
 斬り飛ばされた触手の残骸の下に隠されていた爆弾のタイマーが0を迎える。
 その一発は非常に小さな物だったが、斬られた弾頭の中に込められていた常温で気化する液体燃料と緋水晶の煙霧がその爆発に反応し、とんでもない被害を生み出した。
「粉塵爆発……こしゃくな真似を……!」
「何か、忘れていないかい?」
 黒い煙から飛び出したウインドゼファーの後ろから声がかけられる。
 ウインドゼファーは右手の車輪剣を回しながら振り返り、その一撃を受け止めた。
「……全く逆の構図になりましたね」
 咄嗟の行動だったためか、ウインドゼファーは車輪剣の刃ではなく柄でその攻撃を受け止めざるをえなかった。
「しかし、黙っていれば良かったものを……。余裕を見せる暇が、あなたにありまして?」
「……これで、いいんだよ」
 目が赤く光り、不気味ささえ感じさせるオーラを纏いながられには笑う。
 その瞬間、血で赤く汚れた剣が歪み、車輪剣の柄を包み込んだ。
 ウインドゼファーが息を飲む中、剣が当たっていた車輪剣が高い音をたてて折れた。
 車輪が花びらの上を跳ねて転がっていく中、血が流れ過ぎて体勢を崩したれにを魔導鎧が凄まじい勢いで2人の間に入り掻っ攫っていく。
 その後ろ姿を、ウインドゼファーは忌々しげに見送っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

大神・零児
事前準備
黒鞘に「納刀時に溢れない程度」の量の血を入れておく

転送後すぐに抜刀しUC発動(早業・咄嗟の一撃・なぎ払い・衝撃波・吹き飛ばし・範囲攻撃)
魂喰に付着している血を飛散させる
UCの攻撃対象に『車輪剣』『嗤う竜巻』も追加

竜巻は「世界知識」「戦闘知識」「見切り」「第六感」「野生の勘」「地形の利用」を使い回避か、さらに転送後に使用している技能全て加えて消滅か、竜巻の性質を利用し『魂喰から飛散させた血をさらに広範囲にばら撒く』

飛散した血に、触れる、踏む、または浴びたり目に見えない僅かな一滴でも付着する度に呪いによる「呪詛」とダメージを与える(だまし討ち・2回攻撃)

「猿やウサギのほうが楽だったな。」



 大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)が転送されると同時に、ウインドゼファーが空中で一本の車輪剣を両手で持ち、振りかぶっていた。
 大神は突然の攻撃に目をひん剥きながらも、すぐに差していた妖刀を引き抜いた。
 しかしその一閃だけでは竜巻を消滅させることは出来ず、凄まじい暴風が大神の体を切り刻む。
 大神は竜巻に完全に飲み込まれてしまう前にそばにあった花びらの隙間に飛び込み、下の通路へ逃げた。
「自分や敵の血で鞘と刃の摩擦抵抗を下げ、居合の速度を上げる剣豪がいると聞いたことはありますが……その真似でしょうか?」
 先ほどまでは足場だった、バラバラになった花びらが大神の周りに舞い落ちる中、ウインドゼファーは風を自分の身にまとわせることでゆっくりと着地した。
「残念ですが、私の風はその剣豪の猿真似程度では突破出来ませんよ。あなたはエイプモンキーと違って猿ではなく、犬のようですが」
 何も言い返してこない大神をウインドゼファーは鼻で笑った。
「……『触れちまったか』」
「何……?」
 そんな中発せられた大神の言葉にウインドゼファーは訝しむ。
 その瞬間、足元にあった小さな赤いシミが一気に広がり始めた。
 刃を抜いた時に花びらに落ちた血が、斬撃で飛び散った血が、竜巻によって衣服や下の通路にまで飛び散った血が、どんどん広がり、交わり、ウインドゼファーを取り囲む。
「怨嗟、血閃」
 そして広がった赤い血はウインドゼファーを取り囲み、巻き込みながら花びらの中に沈んだ。
 大神の持つ妖刀が飛散させた血には、触れた・踏んだ・浴びた者に呪詛とダメージを与える特殊な空間に送り込む力が宿っている。
 それが例え、「目に見えない僅かな一滴」だったとしてもだ。
「俺は犬ではなく狼だ。……あとは、奴が消耗するのを待つのみだな」
「誰が、消耗、すると?」
 大神が息を吐いた瞬間、ウインドゼファーの声が響き、血が沸騰したかのように泡立ち爆散する。
 そして服を脱ぎ、その下に隠れていたタイヤを余すことなく見せつけているウインドゼファーの姿がシステム・フラワーズの中に再び現れた。
「何っ⁉︎」
 予想よりもはるかに早い脱出に焦りつつも向かい撃とうとした大神の横を凄まじい速さでウインドゼファーが駆け抜ける。
 そして全身で回っていたタイヤが動きを止めると大神の上半身から大量の血が吹き出し、その場に倒れ伏した。
 ウインドゼファーはどこからともなく白い服を取り出すとそれを着直し、振り返ることも戻ることもなく吐き捨てるように呟いた。
「これくらいの呪詛、私はこの身になる前からずっと、何度も経験してきました。この程度で倒せるなどと思わないでください。……今更言ってももう遅いでしょうが」
 大神は歩き去っていくウインドゼファーをうつ伏せに倒れたまま、唇を噛んでいた。
「……猿やウサギのほうが楽だったな」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ベルカ・スノードロップ
【凸凹TW】

敵の攻撃を【見切り】行動

今回、使う"オートカウンター"は、攻撃された際に『受けるはずのダメージを攻撃者に転嫁する』
要するに、敵の攻撃によって生じたダメージを全て敵に押し付けるものです

この効果は、不意にダメージが来ることで最大効果を発揮しますから
【だまし討ち】が必要ですね
『聖十字』で【武器受け】しつつも、受ける全てのダメージをウィンドゼファーに押し付けます。
「この世の理を覆すのがユーベルコードですよ」
今回は、先制攻撃対策こそが、最大の攻撃です

その後
リーファさんの仕込んだ双戟へ【全力魔法】【属性攻撃】(雷属性通常魔法)で
『誘雷』による【気絶攻撃】です
「そのまま墜ちてください」


リーファ・レイウォール
【凸凹TW】

敵の攻撃を【見切り】つつ
【高速詠唱】と【全力魔法】のUCで双戟を召喚
2本の車輪剣には、190本のうち、召喚した双戟30本ずつで【武器受け】

ベルカの方の2本の車輪剣にも、同様に10本ずつで威力を削るわ
【だまし討ち】の仕込みとしてね

▼攻撃
正面で相対、敵の動きを見てタイミングを【見切り】
10本を残し【誘導弾】で嗾ける
【鎧無視攻撃】で『全タイヤ高速回転モード』を無視
【鎧砕き】で砕いて【串刺し】にする
【スナイパー】で一点集中の波状攻撃

残した10本は、敵を囲むように地面に穿ちベルカへ合図
雷を帯びた双戟に、雷が引き寄せられる『誘雷』を発生させて
機械のショートによるダメージを与え敵の足下を崩すわ



「ほらほらほら、避けるだけでは私を倒すことは出来ませんよ!」
 そう言って車輪剣を振り回すウインドゼファーをベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)とリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)は飛んでくる竜巻を必死に見極め、辛うじて避けていた。
『天切り裂き顕現なさい、雷轟の方天戟たち。そして、存分に猛威を振るいなさい』
 なかなか体勢を整えられない中で、リーファが放った大量の雷製の双戟がウインドゼファーに襲いかかる。しかしウインドゼファーは車輪剣では防ごうとせず、全身で回るタイヤのアーマーでそれを受け止めた。
「知っていますか? ゴムって電撃を通さないんですよ?」
「ええ、知ってますよ」
 リーファに向けての挑発になぜかベルカが答える。そこからリーファの行った行為がベルカの発案だと、ウインドゼファーは判断した。
「……絶縁破壊狙いですか。ならば超えられる前に消えていただきます!」
 ウインドゼファーはマフラーを唸らせてその場で何十回も回転し、ハンマー投げの要領で先ほどよりもはるかに勢力の強い竜巻をベルカに向けて放つ。
『すべて、しのぎきってませます』
 予想外の風圧に気づかぬうちに動揺してしまったのか、噛んでしまったことに赤面しながらも、ベルカは受け止めようと聖十字を自身の前に構えた。
「その程度の壁で私の全力の竜巻をいなすことなど出来ませんよ!」
 ベルカの体を竜巻が飲み込んだ。しかし次の瞬間、全身を切り刻まれていたのはウインドゼファーの方だった。
「は……?」
「この世の理を覆すのがユーベルコードですよ」
 竜巻が消え、無傷のベルカがしたり顔をして現れる。
 ベルカが使ったユーベルコード【オートカウンター】は、『受けるはずのダメージを丸ごと攻撃者に転嫁する』物。
 与えたはずのダメージが丸ごと自分に来ることで効果を発揮する技であり、それが不意かつ強力な物であればあるほどその威力は絶大な物になる。
「ま、まだまだ倒れられません!」
 しかし見た目こそボロボロになりつつもウインドゼファーの足元はまだまだしっかりとしていた。
 それでも、一瞬動揺するだけでもリーファにとっては十分だった。
 ウインドゼファーがよく見える位置から双戟を容赦なく振りかぶり放つ。
 その雷はタイヤを撃ち抜くと容赦なく、ウインドゼファーの体をショートさせた。
「な、計算ではまだ、余裕が……⁉︎」
「私の力を舐めすぎたんじゃない?」
 リーファが防御無視の効果を双戟にかけていたことを予測していなかったウインドゼファーの周りに何本か双戟が突き刺さる。
「ベルカ、あとはお願いね」
「かしこまりました」
 礼儀正しくお辞儀をしたベルカが指を鳴らすとリーファの双戟とその中心にいたウインドゼファー目掛けて特大の雷が落ちた。
 焦げた花びらと一緒に階下へ落ちていくウインドゼファーを見下ろしつつ、ベルカはポツリと呟いた。
「そのまま墜ちてください」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フィン・スターニス
この世界に生きる人達の為にも、
貴女達の行いは妨害をさせて頂きます。

敵の放つ暴風に対し、無理に抵抗はせず、その風を利用して自身を吹き飛ばし、距離を取ります。
その際、オーラ防御で全身を守ると同時に、空中戦で態勢を維持。
宙に飛ばされながらも視力で情報収集をし、無事な足場を探します。
足場を見つけたら、流星魔鎚を投擲して、自身と足場を固定して態勢を整えます。

その足場も長くもたないでしょうから、
僅かな機会を逃さす、攻撃に転じます。
一瞬の停滞の間に敵を視界に納め、
高速詠唱を使って第三災禍・黄の拒絶を発動。
転移で背後に回り込み、暗殺を試みます。
脇差で急所を狙い、串刺し、鎧無視攻撃を行います。



 ベルカ達のいた通路からはるか下に墜落し、強力な雷撃を受けていてもなお、ウインドゼファーはフラフラと立ち上がった。
「私は、私達は全て手に入れるまで、死ねない、のです。誰にも、邪魔は」
「残念ですが……この世界に生きる人達の為にも、貴女達の行いは妨害をさせて頂きます」
 固執するように呟くウインドゼファーに、無慈悲にフィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)ははっきりと告げる。
 その言葉にウインドゼファーのひび割れた赤いアイシールドに怒りの炎が上がったように見えた。
「ふざ……けるな。私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
 その言葉に合わせるようにウインドゼファーの全身から暴風が吹き荒れ、フィンは足場ごと宙に吹き飛ばされた。
 しかしフィンは動じない。
 オーラによる防御で自分を切り刻む風の刃を弱めつつ、その場で一回転して体勢を整える。
 そして目隠し越しに風の影響に耐えている足場を探し、そこへ流星魔鎚を投げた。
 物に吸着する性質を持つ魔石が足場に貼り付き、引っ張られてフィンは降り立つ。そこに向けてウインドゼファーは凄まじい音を立て、足場を蹴散らしながら早くも近づいていた。
『封印解除。黄色の魔力を糧とし、第三の災い、此処に発現せよ!』
「もらっ……⁉︎」
 ウインドゼファーの渾身の一撃は虚しく空振った。消える直前、フィンが早口で何かを呟いたことに辛うじて聞き取っていたウインドゼファーはすぐに辺りを見回そうとした。
「ここですよ」
 しかしその前にズッ、と何かが突き刺さる音が響く。
 ウインドゼファーは体を捻り、背後に突き刺さった何かに車輪剣を当てようとしたが、フィンは脇差しをさらに奥へ、力を込めて入れた。
 その一撃で、ウインドゼファーの動きは止まり、フィンは息を吐く間も無くそれを引き抜いた。
「血がない体になっても、心臓は心臓のままでしたか」
 何も付いてない脇差しを強く振った瞬間、ウインドゼファーは膝から崩れ落ち煤塵となりながら消えていった。
 その様を見送ることなく、ボロボロになりつつも辛うじて残っていた花びらの通路を歩いていくフィンの姿はグリモアの力によって音もなく消えた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト