バトルオブフラワーズ⑪〜暴風の使徒
●暴風警戒発令
「ラビットバニーを撃破、戦局は今のところは順調……かぬ」
グリモア猟兵のブサイクな猫、ハンニバル・エルバッキー(キャプテン・ユニバース・f02423)が葉巻型の携行食を咥えながら猟兵達に向き直る。
「さて、早速だが次の障害なんぬ。敵の名前はウインドゼファー。風を操る能力を持っているようだぬ。我々はブサ猫さんチーム特攻野郎エースを維持し敵の消耗を狙っていくんぬ」
今回の敵についての情報を立体映像に映し出すブサ猫。
紅いヘルメット、車両の部品を身につけ全身には銃弾を巻いた怪人の姿。
「敵はこれまでと違い、特殊な戦術はない。真っ向勝負のガチバトルなんぬ。キャッツとしては多少の奇策を用いて来た方が裏をかけるので戦術アドバイスもやりやすいんだけどぬ」
ウインドゼファーはこれまでの敵と同様に先制攻撃をしてくるが、二つ名はそのものスピード怪人。特に電光石火の動き、回避性もおよそ高いと推定される。
飛翔能力を持つため空中戦で対策するのも手段。
「戦いでは敵より上に陣取るほうが有利だからぬ。接近戦の間合いでは届かないかもしれないぬ」
足場をバラバラにする暴風は脅威となるだろう。
「ラビットバニー戦ではバリアのみならず足場を動かされて苦戦を強いられたんぬ。この攻撃は無差別範囲攻撃、対策はしっかりぬ」
全身のタイヤを高速回転させて竜巻を生み出すため、この攻撃は攻防一体になるかもしれない。
「竜巻は振るう車輪剣から放たれるんぬ。縦巻きサイクロンとは限らないんぬ。吹き飛ばされないよう気をつけてぬ」
ひとしきりの説明を終え、ハンニバルは思う。変わった戦術を使わないだけに相当の強敵だ、と。
「これまでも厳しい戦いになっていたが、乗り越えたキミたちならきっと勝てる。逆風に負けず風を味方につけ、ウインドゼファーを撃破してくれ。健闘を祈るんぬ。戦場に着いたら後は流れで」
そう言ってハンニバルは猟兵達に手を振った。戦場は花の嵐が吹き荒ぶ暴風域だ。
JUNK.O
どうも、なるべくスピード執筆を心がけるほうのJUNK.Oです!
ラビットバニー戦は多数の参加ありがとうございました。
今回はまたボス戦を執筆させていただきます。変わったルールは無く、純粋な戦闘シナリオになります。
ウインドゼファーはボス敵。先制攻撃を行ってくるため、先制対策のプレイングはお忘れなく。
スピード怪人なので特に先制攻撃は強調していきたいと思います。
それではたくさんの素敵なプレイングをお待ちしておりますので、ヨロシクオネガイシマス!
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
芦屋・晴久
アドリブ歓迎
参りましょう、今回の相手は小細工を持ち出すだけでは恐らく勝てない
狙うべきは門番として担う故に下手にその場から離れすぎる事が出来ないこと
相手の先制攻撃、敢えて受けましょう
自身に硬化術式は張りますが恐らく直撃ダメージから最低限身を護る事が限界であります
ですがそれで良いのです、我が恋人との血の誓約、この傷と私が彼女へ抱く感情……愛と慈しみを媒体として力に変え耐え抜きカウンターを仕掛けます。
貴女が私を傷つけるだけ、奴への生命力吸収の陣は色濃く、鮮やかな紅となりて力を奪う事でしょう。
貴女の信念と私の愛、どちらが勝つのか勝負です
●信念か、誓いし愛か
「エイプモンキー、ラビットバニー……二人共、よく戦ってくれました」
ウインドゼファーは二振りの車輪剣を構え、復活叶わぬ同胞を偲んだ。
「ここは私が。ドン・フリーダム、時間は稼ぎます」
ユーベルコード【ソード・オブ・ダイアモード】、嗤う竜巻を放つウインドゼファー。数多の猟兵がその横薙ぎの竜巻に吹き飛ばされていく。
身を引き裂くほどのかまいたちに耐える猟兵が一人。陰陽師の医師、芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)だ。
陰陽術で身体を硬化しているが、直撃からの護身が精一杯。絶えぬ竜巻は晴久の身を引き裂いていく。
「耐えますか、猟兵。ですが、この竜巻。避ける事は不可能!」
ウインドゼファーが車輪剣を振るうと二本、縦の竜巻が巻き起こる。竜巻は両側から晴久を挟み込み、ついにその身を巻き上げる。
「ええ……避けるのは難しい。ですが、それで良いのです」
空中へと巻き上げられた晴久は口の端を上げて微笑んだ。そう、彼は敢えて負傷を負っている。
「……限定解放。十の戒めの下、血の誓約を此処に……」
晴久は全身を吸血鬼化の呪詛で身を覆う。ユーベルコード【限定解放・血の誓約】。侵食する呪詛の根源である吸血痕は、ダンピールである恋人との誓約。負った負傷と誓約の主である恋人への慈愛が力の源。、晴久は秘められた呪詛を解放した。
空中で姿勢を制御し、ウインドゼファーの目の前に降り立つ。敵は咄嗟に車輪剣を振るうも、腕を掴まれた。生命力が吸収されていくのを感じるウインドゼファー。
「くっ……エナジードレインか」
「貴女が私を傷付けただけ、生命力吸収は色濃く、鮮やかな紅となりて力を奪う」
「……我々には信念がある!私の役割はドン・フリーダムの計画までの時間稼ぎッ!相打ちまでも覚悟の上!」
「貴女の信念と私の愛、どちらが勝つのか勝負です」
生命力を吸われている。掴まれている間は不利だ。全身の車輪を高速回転を始める。
「その程度の信念ですか。私の誓い、その身をもって受けて頂きます」
猟兵は脚を花々の足場に突き立て、掴んだ敵の腕をねじり上げる。
「我が信念、負けてなるものか……!」
晴久のユーベルコードはウインドゼファーに向け若干の弱体化を果たす。乱れ撃つ全力の竜巻が晴久を襲い、晴久は後方へと退いた。
「ハァ……ハァ……時間さえ稼ぐことこそ私の狙い。しかし、貴方の行動は称賛に値する」
消耗させることには成功した。後の猟兵に託そう。晴久は後退し、打破へと繋がる攻撃が通った事を確信した。
「……コートを新調しなくてはいけませんね」
ところどころ切り裂かれた晴久のコート。彼は退いた先でタバコに火を付けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
マスケ・レーツェル
涼様(f16491)と共に出撃します
合体時の援護として【ウィザードロッド】の力と【属性攻撃】で涼様の【叡智の杖】の時属性攻撃を強化しましょう
涼様に力の使い方を頼まれたとあれば、応えないわけにはいきません!
未熟な私たちが敵に打ち勝つには一撃に全てを込めなければいけません。ゆえに
「どうでしょうか、そよ風の神
所詮は竜の羽ばたきに掻き消される程度ですか?」と【挑発】し、どちらの拳が先に相手を捉えられるか速さ勝負といきましょう
後は突っ込んでくる相手と真っ向勝負です!
狙うは敵の無風地帯
相手の体がバラバラになっていないのなら、その中心は台風の目と同じはず
軽減しようのない私たちの無限の力をその身に受けなさい!
鳴滝・涼
マスケ(f17887)と一緒に行動!
マスケの援護を受けながら【叡智の杖】の時空を歪める【呪詛】によって相手の時間を遅めて、その隙に俺がマスケを着るようにUCを合わせ、神と竜と戦士で合体
衝撃波で嗤う竜巻を吹き飛ばすぜ!
そして心が重なることで発生する超パワー、これは敵と心が重なることでも沸き上がるんだ
ウインドゼファーの速さへの欲望、それに俺達の心を重ねることでフルスロットル・ゼファーに対抗する
相手の欲望が無限だろうと俺達はそれにプラス2できる
単純な足算、起こるパワーはこっちの方が上だ!
速くなきゃ負けるんだ、俺達だけの欲望でも負ける気はないけどな!
俺の頭じゃここまでだ、マスケ!力の使い方は頼んだぜ!
●早さへの渇望、渇望に比例する力
鳴滝・涼(転生者は猟兵となって平和を作るそうです・f16491)は暴風、竜巻吹き荒れる中を『叡智の杖』を携えてウインドゼファーへと駆け抜ける。
「相手が早く動くならヤツの時間を遅く……!」
ウインドゼファーの体感時間がゆったりと流れる。いくら速度を重視した敵とはいえ、時間のコントロールには逆らえない。
ユーベルコード【神域超越】で神、竜と戦士を身に宿し合体を行う涼。更に身にまとうのはユーベルコード【スピリット・アーマーライズ】で飛竜を模した鎧に変形したヒーローマスク、マスケ・レーツェル(赤き英雄の背を目指して・f17887)。装着者に委ねる事で相手の全能力を強化する。
二人分の魔力がウインドゼファーの行動を遅くしていった。マスケが身を変えた竜の翼が羽ばたき、荒れ狂う暴風を相殺。
「どうでしょうか、そよ風の神。所詮は竜の羽ばたきにかき消される程度ですか?」
挑発を受け、敵の欲望は俄然高まる。ユーベルコード【フルスロットル・ゼファー】により欲望を戦闘力に変えるウインドゼファー。
「早さが……足りない!もっと、もっと!誰よりも早く!」
素早さを奪われたウインドゼファーは誰よりも早く動きたい、その渇望を力に変えた。遅く歪められた時間を取り戻すように自身の反射速度を高めるオブリビオン。
「無限の欲望を持っていても……俺たちは二人!ウインドゼファー!お前には負けない!」
敵との心が重なる事でも湧き上がるパワー。涼の神域超越の衝撃波がソード・オブ・ダイアモードにより放たれる竜巻をかき消す。
「涼様!ここからは真っ向勝負、敵の居場所は台風の目と同じ、無風地帯を狙ってください!」
「応!」
竜巻が途切れたのを狙い、ウインドゼファーに接敵する涼とマスケ。ウインドゼファーは追い風を味方に付け、二人の追随に対応する。
「風は私に味方する!」
涼の拳がウインドゼファーに向けられる!ウインドゼファーは二振りの車輪剣でこれを受け止めた。流石に門番、戦闘力を増強した猟兵の攻撃もいなしてしまう。
「その程度ですか!猟兵!」
二人は健闘したが、ウインドゼファーは受け止めた車輪剣で二人を一蹴した。涼は口端から流れた血を拭う。
「チッ、パワーでは互角……二人でやっと、か」
「私は門番、ドン・フリーダムの時間稼ぎ。ここから先に進める事は許されない!」
残念ながら決定打とはいかなかった。ウインドゼファーは覚悟を固め、猟兵達の足止めに専念した。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
マユラ・エリアル
敵の能力は随分とシンプルだな
シンプルであるが故に、ある意味やり辛い強敵という事なのだが…
まあいい、さて力量比べといこうか
●対策
まずは『フェイント』をかけつつ、少しでも直撃の可能性を減らそう
避けられるとは思っていないさ、少しでもズレてくれれば儲けものだ
「嗤う竜巻」対策として『オーラ防御』で全身をガードしつつ、右手の鉤爪とガントレットで2本の車輪剣を『武器受け』して耐えるぞ
耐えきったならば反撃だ
●攻撃
左手に持つエレメンタルロッド『Shadow of the Earth』を雪の結晶に変換
雪華の花びらで何度も奴を切り刻もう
攻撃を軽減されるのならば、その分数で勝負させて貰う
スタイリッシュにキメさせて貰う
黒夜・天
速くなりたいって?
イイね! まるで暴走族だ。
なあオイ。速く走りたいみたいな連中ってよ。
結局『不幸な事故』に遭うよな。
オレはバッチリ不幸オーラを纏ってエントリーだぜ
何もできずに負ける可能性があるからな。布を伸ばして糸のように周りに張って、災禍の腕で自分を守る。
さてここからだ。
オレはここから動かねえ。どんどん世界の幸福を喰って世界を不幸にするだけさ。そんで突っ込んできたところで、テメエに最大の不幸をぶつけてやるよ。時間稼ぎするなら別にそれでもいいけどよ。時間が経つほど不幸の総量は増えるぜ? オレとテメエと世界がどんどん不幸になるだけさ。
さあ、オレと一緒に不幸になろうぜ。
●不運と踊れ
「足りない……私はまだ疾くなれる!」
更に肥大していく速さへの欲望。ウインドゼファーは暴風を味方に、宙へと飛翔した。荒れ狂う風に飛ばされる猟兵もいる。
「こっちだ!」
マユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)が嗤う竜巻の目標を逸らすようにフェイントを交えて跳躍移動。全身はオーラで防御されている。直撃しなければ耐える事ができるはず。
不運を司る神、黒夜・天(有害無益の神・f18279)が意思で操ることができる『ボロボロの布』を糸状にし、花々の足場に絡ませる事で姿勢を維持。
ウインドゼファーは耐える天を見つけると、相手の飛翔は不可能と推定して上空より『嗤う竜巻』を放つ。避ける者より耐える者を攻撃したほうが手っ取り早い。天は背中から伸びた『災禍の腕』で切り裂く竜巻からの防御を取った。だが、四方を囲む縦巻きの竜巻が天を覆う。ついに花びら巻き上げる業風の中へと天は飲み込まれた。
一人撃破。確信したウインドゼファーはマユラの眼前に着地、車輪剣を振り下ろす。マユラは巨大な鉤爪の装備されたガントレット『in vitro world』で車輪剣を受け、鍔迫り合いに突入。ここで車輪剣の回転を許せばマユラも竜巻に飲まれてしまう。しかし、ウインドゼファーの考えとは裏腹に車輪が回転しない。
「なん……だと……?」
車輪に絡まっているのはボロボロの布。消滅する四本の竜巻、その中から陰湿な笑い声が聞こえる。
「なあオイ、速く走りたい、って連中はよぉ……結局『不幸な事故』に遭うよなぁ?テメエが稼いだ時間はツケになるぜ?」
四本の竜巻は重なって相殺。中心に立つ天はユーベルコード【幸災楽禍の悪神】でウインドゼファーから、もっと拡大すれば世界から幸運を奪っていた。それも、耐えている間ずっとだ。今もどこかで不幸な事故が頻発しているに違いない。
「さあ、オレと一緒に不幸になろうぜ」
敵の注意は天に向いている。好機。
「吹雪の刃よ、全てを切り刻め!」
マユラがユーベルコード【氷雪乱舞】を詠唱、エレメンタルロッドを雪の結晶の花びらに変えた。
「しかしッ!風は私に味方している!」
荒れ狂う暴風で全身を覆い、氷雪乱舞を弾き飛ばすのを狙うウインドゼファー。だが、ウインドゼファーを覆っている暴風は風向きを変え、より激しく氷の花びらを吹雪かせる。
「な……何故だッ!?」
「……天。お前が味方で良かった、強くそう思う」
天はギザギザの歯を剥き、ケッケッと笑う。直後、巻き起こる暴風に飲まれぬよう二人は退散した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
蘇芳・薊
協力・アドリブ歓迎
心情:早い早いと言って本当にここまで早い敵は初めてです。何をどうすればここまで早く……
ですが、同じ土俵で戦おうとは思いません。遅い私だって、何かが出来るのだと見せ付けてあげましょう!
行動:
音速を超える速さの敵をマトモな手段で射程圏内に捉えられるとは思いませんから、走って追う事は潔く諦めましょう。
味方と共に足場を破壊されない限り陣取り、
敵の攻撃を【第六感】や【戦闘知識】で【見切り】、暴風も含め攻撃を【武器で受ける】等してから【カウンター】を放ちます。
勿論味方の攻撃で敵が動きを止めれば【怪力】で攻撃を叩き込みます。
溜めや集中が必要な味方がいれば、そちらを優先的にかばいましょう!
秋月・信子
・POW
くっ…流石にスピード怪人を名乗るだけあって速いですね
ですが…その自慢の速さが命取りです
相対速度は知っています?
こちらが遅くともそちらが速ければ速い程、私が撃った弾は貴方の速度よりも速くなります
軌道を【見切り】、【第六感】頼りとなりますが…ショットガンで散弾の弾幕を【早業】で張って直撃を避けさせます!
ですが…相手もそれを承知の上で直撃させなくてもすれ違いの衝撃波を利用して攻撃に及ぶでしょう
もし、利き手がやられて銃を握れなくなれば相手は勝ち誇るでしょうが…それも計算の内です
もしそうなれば…姉さん、頼みますね?
『良いわよ、勝ち誇った時には既に敗北している。仮面の下の顔はどんな顔でしょうね?』
●墜落する使徒
不運に見舞われたウインドゼファーは全身に付着した氷を払い、再び時間稼ぎの攻撃を再開する。
マッハに達する速度で飛翔し、嗤う竜巻で戦場の猟兵を巻き上げて障害を排除していく。遠方では足場を崩されて落下していく猟兵もいる。
衝撃波を伴う飛翔体を見ながら、安全な足場で銃を構える女子高生。秋月・信子(魔弾の射手・f00732)はポンプアクションのショットガンを手に敵の接近を待っていた。
彼方から気付いたウインドゼファーは音速で空中を通過。信子はショットガンの弾幕でカウンターを取り、衝撃波からの影響を低減し且つ敵に攻撃を加えようと試みる。
相対速度。物体と物体がぶつかる時、速度が早い方が受ける衝撃が大きいのは読者の諸君も知っているはずだ。ショットガンの散弾はウインドゼファーにとっては痛烈な一撃となるはずだが、全身に纏った暴風が攻撃を逸らしてしまった。
代わりに音速の飛翔体が発する衝撃波が地上の信子を襲う――
「ふぅ……間に合いました」
悪魔か怪物を思わせる異形の者が、片腕を盾のように変化させ、信子をかばっていた。蘇芳・薊(悪食・f01370)はユーベルコード【化身変生】で異形にその身を変貌させることができるグールドライバーだ。
「あ、ありがとうございます、薊さん。風のバリアは計算外。利き手も負傷してしまいましたが……こっちは計算の内です。ねぇ。姉さん?」
ユーベルコード【Esの守護影】により、影からもう一人の信子が現れる。
『良いわよ、勝ち誇った時には既に敗北している。仮面の下の顔はどんな顔でしょうね?』
性格が正反対の二重身。ショットガンを携えて信子の隣に並び立つ。
薊に衝撃波を防がれたのを振り返って確認したウインドゼファーは、空中でターンを取ると再び三人に向かい飛来!
「では、私が!」
異形の薊は信子のもとから跳躍し、ウインドゼファーが接近しつつある花々の足場に向けて両腕をスマッシュ!怪力により宙を舞う花びら!
「……!?」
宙を舞う花びらはウインドゼファーの視界を覆った。音速を維持したまま姿勢を崩していく。顔にまとわりつく花びらを取り除き視界へ飛び込んでくるのは腕の先をフック状の鉤爪にした薊!
薊はすれ違いざまにウインドゼファーへと鉤爪を突き立てて地面に叩きつけるように振り下ろす。
「今です!」
二人の信子は相対速度による銃撃を再実行。体勢を崩したウインドゼファーは暴風を盾にすることも減速することもできず墜落していく。ショットガンより先の二倍の弾幕がウインドゼファーに直撃!
敵は全身に散弾を浴び、地面に転がり墜落していった。遠方で花が吹き飛んでいくのを眺める三人。
「あとは向こうの猟兵に任せましょう」
「そうね」
薊や信子たちは地に腰を降ろして休憩を取った。
大成功
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レクシア・ノーレッド
…お腹が空いたの。普通の敵を食べても、美味しくないの。
⋯でも、私の勘が言うんだ。きっと貴女はオイシイって。
【SPD】
門番だかなんだか知らないけど、要は向こうは時間を稼ぐつもりなんだよね。ならあまり追ってくる事はしないはず
ならひたすら《ダッシュ》で距離を取ろう。相手に先に回られたりするのは《野生の勘》で誤魔化し気味に
鎌鼬なら怖くない。液体の体を活かして、可能な限り《見切り》ながら分裂、合体を繰り返そう
足場は間違いなく崩されるけど、空中に居る時間さえあれば大丈夫。
黒喰銃を体内に召喚して、宇宙で鍛えた《空中戦》と自分の体を変形させてしっかり体制を整え、【虚弾「黒喰」】で狙い撃つよ!
アドリブ歓迎
●踊る粘液、喰らう弾丸
「くっ……追い詰められてますが、時間は稼げているはず」
ウインドゼファーは墜落した先で車輪剣を杖に立ち上がった。
「……お腹が空いたの。普通の敵を食べても、美味しくないの。…⋯でも、私の勘が言うんだ。きっと貴女はオイシイって」
目の前にはレクシア・ノーレッド(『捕食者』・f01101)。すべてのものを捕喰するブラックタールだ。
ウインドゼファーはかまいたちを伴う暴風を起こして、レクシアの立つ花の足場が崩れていく。攻撃を見切りながら、分裂、合体で切り刻む風を回避しながらも足場から足場へと飛び移る液体の体。
距離は離れていく。敵としては時間を稼げれば良い。なので、追ってくるという事もない。ただし暴風は止まらない。ついに進むより速く足場が吹き飛び、落下していくレクシア!
「空中にいる時間さえあれば……大丈夫。――穿ち、喰らえ」
自由落下するレクシアは身体を変化させ、体内に『黒喰銃』を召喚するとユーベルコード【虚弾「黒喰」】を放つ。ウインドゼファーの高速の動体視力と同じほどには素早い攻撃動作。
一矢報いるつもりか、そう感じたウインドゼファーは車輪剣でこれを受ける。しかし、虚弾は接触した場所を捕喰し、取り込んで消失させてしまう一撃だ。
「……ッ!?」
「うん、オイシイ」
受けた車輪剣を一振り失った。唖然としているウインドゼファーを尻目に、レクシアは吹き飛んでいく花から花へと、捕喰し取り込んでいくことで空中起動を行って落下を防いだ。それはまるで逆流する漆黒の滝のようにも見えた。
大成功
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メンカル・プルモーサ
…ラビットバニーは良いことを教えてくれた。この足下の花は制御出来る…
ハッキングで花を操作、「嗤う竜巻」に対する盾にすると同時に【リントブルム】に載り花の下へと移動…花の隙間を広げて飛んでいく…
…迷彩魔術で時間を稼ぎつつ…【夜飛び唄うは虎鶫】を多数召喚、バラバラに配置…
…ガジェットからのデータでゼファーの位置を捕捉して花の下から術式で攻撃を仕掛け、ガジェットも花の上のゼファーへと射撃を仕掛けていく…
…ある程度時間が経って移動のし方を読まれたら隙間だけ空けて自分は移動せず、不意打ちで氷結魔術をタイヤの中心に撃ってタイヤを止め、その後ガジェットによる一斉射を仕掛けるよ…
●冬用にしておくべきだったな
「一振りでも!嗤う竜巻は放たれるッ!」
左手に握る車輪剣を失ったウインドゼファー。右腕の車輪剣から猟兵へ竜巻を放つ。
遠目に眺める知的好奇心の強い研究者、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は先の戦いで学習した。ラビットバニーはユーベルコード【おはなハッキング】を用いて足場をコントロールした。ならば、こちらからハッキングを行うことで花々の足場を操作することも可能に違いない。
『封印解除術式【ルーナル】』で花の足場のパスコードを解析、腕に取り付けた『ハンドヘルドコンピュータ【マルチヴァク】』を操作して高いハッキング力を用いて花の足場を手中に収め、『飛行式箒【リントブルム】』で花の足場の下へと移動した。
「我が従僕よ、集え、出でよ。汝は軍勢、汝は猟団。魔女が望むは到来告げる七つ笛――」
ユーベルコード【夜飛び唄うは虎鶫】を用い、200体弱の通信・索敵機能のついたガジェットを召喚。花の足場の下に潜んだメンカルはガジェットの索敵を頼りにウインドゼファーへと接近。
当然、ウインドゼファーは小型のガジェットに気づきはする。一振りの嗤う竜巻が60体規模で一度にガジェットを消し飛ばす。だが、ガジェットに気を取られたのが命取り!花の下から不意打ちに放たれる氷結魔術!
凍結したタイヤの回転が止まる。花の足場の下から箒に跨るメンカルが飛び出し、ガジェット達に指示を下す。
「囮かッ……!」
「よし、斉射……」
ガジェットから放たれる射撃に凍結したタイヤが砕け散る!不意打ちによる凍結でウインドゼファーの行動力を削いだメンカルは総力を挙げて敵に攻撃を叩き込んだ!
「無念……しかし、時間は稼ぎました……私たちの志は……ドン・フリーダムが果たしてくれるでしょう……」
全身に攻撃を浴びたウインドゼファーはついに地に伏した。
●嵐のあとの静けさ
ウインドゼファーは一旦撃破した。しかし、相手は何度でも蘇る。それでも短時間で集中して撃破すれば復活はかなわないだろう。
メンカルは花の足場をハッキングすると、バラバラに散っていたそれらを道として再構成し、猟兵達を導いた。
「スロット・アンド・ラン。先を急ぎましょう」
大成功
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