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バトルオブフラワーズ⑧〜水かけ三人衆を見つけ出せ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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 バトルオブフラワーズ――ペイントステージの説明を噛み砕いて理解し、八剣・花蓮(古流殺法八剣派奥伝・f13987)は改めて猟兵達と向き直った。
「今回、皆さんにお頼みしたいのは、バトルオブフラワーズのとあるペイントステージなのですが……」
 このステージは、キマイラフューチャーの住宅街を模したステージとなっている。この戦場ではただ相手と戦えば良いのではなく、クロヌリスレイヤーという特殊ルールが採用されている。
「ここでは水かけ三人衆という、コーヒーポット怪人とジョウロ怪人、やかん怪人のトリオが相手の集団戦なのですが――」
 今回はこの水かけ三人衆が出すのは、闇のような黒色の水やお湯、コーヒーとなる……一部、そのまんまな気がするが気にしてはいけない。
 クロヌリスレイヤーでは、街並みが全て塗りつぶされると敗北となる。そのため、街のどこに敵がいるのか塗られた場所を見つけたり、移動場所を予想して先回りしたり、塗られる前に倒していかなくてはならない。
「向こうも戦いとなれば、みなさんとの戦闘に集中します。その間は黒く塗れないので、積極的に見つけて撃破する事が推奨されます」
 最後に勝てないと察して少しでも塗り潰そう、と思う敵も出るだろうが、倒せれば被害は軽微ですむ。いかに発見し、いかに効率よく倒すか? その戦法が重要になる。
「相手も馬鹿ではありません。ただ、水かけ三人衆の戦闘能力は高くないので、個々の戦力としては脅威ではありません。そこが救いですね」
 花蓮はそこまで言うと、眼鏡を押し上げながら言った。
「コツコツと、一つ一つの戦場で勝っていく事が重要です。どうか、よろしくお願いします」


波多野志郎
速度の攻撃力、このバランスが重要ですな。どうも、波多野志郎です。
今回は、戦争バトルオブフラワーズで戦っていただきます。

特殊戦闘ルールクロヌリスレイヤーで重要なのは、いかに敵を見つけ、いかに撃破するのか? その方法――プレイングとなっております。皆様のプレイングを、お待ち致しております。

それでは、コーヒーの香りがするステージでボクと握手!
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第1章 集団戦 『水かけ三人衆』

POW   :    コーヒーポット怪人・ウェポン
【コーヒーポット兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ジョウロ怪人・ジェノサイド
【ジョウロ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    やかん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【やかん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒鋼・ひらり
黒は嫌いじゃないけど、それが悪の仕業なら話は別
…ぶっ潰してやろうじゃない

索敵は…こうなったら『足で稼ぐ』ってやつよね
靴のギミックを生かし磁力反発でのダッシュやジャンプ…壁走り、それから鎖でのロープワーク等を駆使し屋根や天井、障害物踏破しつつ片っ端から虱潰しに探索
…我ながら力技もいい所よね…高所や壁を乗越え、飛出して奇襲できたら御の字なんだけど
一応高所に上った時にそこからまだ塗潰されてない区画を確認くらいはするわよ

勿論見付け次第ぶっ潰すわよ
市街戦なら金属には事欠かない(地形の利用)…周囲の金属を磁力で操って牽制…何なら自前の斧槍を射出
勿論トドメは鎖鉄球の一撃…跳躍から思い切り怪力で叩きつけたげる


仇死原・アンナ
いたる所が黒く塗られている…
街が黒く染まる前にさっさと敵を倒さないと…何だか香ばしい匂いもするし


他の同行者と共闘

[目立たない、忍び足]を使って周囲を探索、[情報収集]して敵の跡を追う。
敵を発見したら[早業、ロープワーク、マヒ攻撃]で敵を捕縛し妖刀で攻撃
攻撃されたら[見切り、武器受け]で回避
逃げだしたモノがいたら後を追い[地形の利用]で敵を袋小路に[おびき寄せ]る

「その黒い水を撒き散らされては困るんだ……消えてもらうぞ…」
鉄塊剣を振るい[力溜め、属性攻撃、範囲攻撃]による【火車八つ裂きの刑】で敵を攻撃、敵も黒い水も地獄の炎で蒸発させよう


アドリブ絡みOK


リンタロウ・ホネハミ
これまた特殊な戦闘になりそうっすねぇ
ま、それでもオレっちの戦い方の範疇からは出ないっすけど
傭兵としての経験豊富さ、見せてやるっすよ!

ジョウロにやかん、コーヒーポッド……どれも放射するタイプっすね
つまり弓みてぇな射撃武器と同じと解釈すれば
効率的に攻撃、すなわち広範囲を塗りつぶす為にヤツらは高所を取るはずっす!

つーわけで豹の骨を食って【〇八三番之韋駄天】を発動!
高所にいる敵を不意打つため、ワイヤーを使って外壁をすばやく登るっす!(クライミング・ロープワーク)

先に攻撃しちまえばこっちのもの(暗殺・先制攻撃)
超高速連続攻撃?さっと避けて後は撫で斬りにするだけでさぁ!

アドリブ・絡み大歓迎


カメリア・クラウゼヴィッツ
さっきはぬいぐるみを相手にしてたような気がするんだけど
今度はヤカンにポットにジョウロ…?何でもアリね、いっそ面白いぐらい

とりあえず状況把握には俯瞰がいいわよね
高い所から見て、直接敵を見つけられればいいんだけど…箒に乗るのはどうなのかしらね
見つからなければ黒い箇所がどう増えていくかで予測を立てて動きたいわね
敵が一生懸命塗りつぶしをしてる後ろから先制で一発入れられたら上々だと思うわ

複数相手なら…銃兵なんてどう?
お兄ちゃん《Apostel》、しっかり仕留めて
私は衝撃波や属性攻撃で応戦するわ
街を塗る手を止めるのに撹乱しながら戦えるかしら…

真っ黒な街だなんて、陰気臭いのはうんざりよ

連携/アドリブ歓迎です



●クロヌリスレイヤー
 バトルオブフラワーズ、ペイントステージ。そこに再現されたのは、キマイラフューチャーの住宅街だった。二階建ての奇抜なデザインや色合いの家が立ち並ぶ、別世界から見ると異色で、キマイラフューチャーから見るとよくある住宅街で仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)が気配と足音を殺して進んでいた。
「いたる所が黒く塗られている……街が黒く染まる前にさっさと敵を倒さないと…何だか香ばしい匂いもするし」
 その香ばしさには憶えがある、コーヒーだ。アンナは小さくうなずくと、視線を上に上げた。その視線の先にいたのは、箒に乗って住宅街を見下ろすカメリア・クラウゼヴィッツ(林檎椿・f17005)だ。
「とりあえず状況把握には俯瞰がいいわよね」
 カメリアの言うように俯瞰的に見ればよく出来たジオラマのようだが、そのところどころが黒い染みで汚されたようになっている。それは、まさに日常に潜む悪意という名の染みに見えた。
「黒は嫌いじゃないけど、それが悪の仕業なら話は別……ぶっ潰してやろうじゃない」
 ショッピングピンクやエメラルドグリーンの家々よりかはマシな気がするけれど、黒鋼・ひらり(強化人間のダークヒーロー・f18062)は羽織ったコートをひるがえして家の屋根を疾走する。強く蹴った瞬間、バチン! とひらりが高く跳躍、ギミックシューズ【ゲッコウ】の磁力反発による跳躍だ。
「これまた特殊な戦闘になりそうっすねぇ――ま、それでもオレっちの戦い方の範疇からは出ないっすけど。傭兵としての経験豊富さ、見せてやるっすよ!」
 ガリっと咥えていた骨を噛んで、リンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)が言い放つ。〇八三番之韋駄天(ナンバーエイティスリー・パンサーボーン)――豹の骨を食って得た跳躍力で、住宅街を駆けていく。

 この街を塗り潰そうとするなら、まず上から確かめる。それは、一つの正解だろう。だが、それだけでは足りない……足りなかった。過去形だ、その足りない部分――実際の現場での情報を、アンナが埋めたからこそ活きてくる。
 ほどなくして、猟兵達はまず最初の水かけ三人衆を発見する事となった。
「さっきはぬいぐるみを相手にしてたような気がするんだけど今度はヤカンにポットにジョウロ……? 何でもアリね、いっそ面白いぐらい」
 ヤカンにポット、ジョウロの頭をしたたくさんの水かけ三人衆が一軒の家を黒く染めようとしていたその上を、カメリアが取った。
『――!?』
 水かけ三人衆達は、一箇所に拘ない。振り切って別の場所から塗っていけばいいのだ、彼等はこのクロヌリスレイヤーというシステムを熟知していた――だからこそ全速力で散開、その場から逃げ出したのだ。
「複数相手なら……銃兵なんてどう? お兄ちゃん《Apostel》、しっかり仕留めて」
 カメリアの呼びかけに姿を現した古代の戦士――銃兵が、衝撃波を伴う銃弾を撃ち放つ。バキンバキンバキン! と衝撃波に吹き飛ばされ、砕け散る。それでも、バラバラに逃げられたために効果は薄い――だが、水かけ三人衆達は知らない。
「逃さないっすよ」
「行くぞ」
 リンタロウが跳び、アンナが住宅街の影に身を潜める――この追いかけっ子の状態に持ち込まれた、その意味を水かけ三人衆達は思い知る事となる。

●闇よりも漆黒な――
 ジャラン! と右腕に巻付けられた何処までも伸びる漆黒の鎖を電柱に巻き付け、ひらりは宙を舞った。
「逃さないわよ!」
 一瞬の浮遊感、バチン! と黒鎖【プラズマテイル】の上を磁力反発を利用して滑っていく。ヤカンが振り返り様に放つ黒い水を、ひらりはガードレールを引き剥がし盾にして受け止めた。
「磁力はね、こういう真似もできるのよ」
 ギュル! とガードレールを止めていたボルト達が回転。ボルトが外れた瞬間、ひらりはボルトを弾丸のように磁力加速で撃ち込んだ。ガガガガガガガガガガガガ! とアスファルトを砕き、水かけ三人衆の足元が爆ぜる。
 直後、ひらりはハルバード【ミーティア】を磁力射出した。ドン! とその名がごとき流星のように降り注いだ斧槍がやかんを貫いた。
『!?』
 そして、黒鎖【プラズマテイル】を掴んだひらりが巨大鉄球【グレートコメット】を投擲する! 轟音を鳴り響かせ、ポットとジョウロも後を追うように漆黒の大鉄球に押し潰された。
「次ね」
 ダークネスクロークが、翼のように広がる。闇よりも漆黒な疾風となって、ひらりは次の対象を探して加速した。

●俯瞰せし銃兵
 低く箒で飛びながら、カメリアはコーヒーを放つポッドの一撃を衝撃波で払った。
「あまり、飲みたいとは思わないわね」
 カメリアのもっともな感想と共に、銃兵が銃弾を射撃。やかんが黒い液体を壁のように操って相殺しようとするも、銃弾は止まらなかった。カメリアが、上から視線を通しているからだ。銃兵はカメリアの視線を通して、正確にやかんを撃ち抜いた。

『――!!!』

 ジョウロが、高速で黒い液体を射出する。それは鋭い針のような雨となって、カメリアを狙った。それをカメリアは箒を急上昇させて、掻い潜る。
「させるとでも思った?」
 そして、真上を取って急降下――カメリアは銃兵の射撃によって、ジョウロとポッドを正確無比に撃ち砕いた。
 それを見届け、カメリアは地面すれすれでL字に加速。住宅地の一本道を飛翔した。

●獲物を狙う豹がごとく
「ジョウロにやかん、コーヒーポッド……どれも放射するタイプっすね。つまり弓みてぇな射撃武器と同じと解釈すれば、効率的に攻撃、すなわち広範囲を塗りつぶす為にヤツらは高所を取るはずっす!」
 ロックスリングを投擲、とある家の煙突へとリンタロウは跳んだ。〇八三番之韋駄天(ナンバーエイティスリー・パンサーボーン)で得た、豹がごとき瞬発力と巧みなロープ裁きは、軽々と家々の屋根を乗り越えていく。
 目指した先は、住宅街にあるマンションだ。壁へ着地、その凹凸に指を駆けるとロッククライムのように身軽にリンタロウは昇っていった。
「いたっすね!」
『!!?』
 今からぶちまけてやろうと身構えていた三人衆が、驚いたように振り返る。リンタロウは、Bones Circusを引き抜くとぶつかる勢いで襲いかかった。
「先に攻撃しちまえばこっちのものっす!」
 横一線、リンタロウは水かけ三人衆の小さな胴体を一気に両断する! そのまま屋上から身を踊らせると、そのままロックスリングを操り次の建物を目指して跳んでいった。

●地獄の炎が、黒を燃やす
 ジュワ!! と住宅街に、その聞き慣れない音が響き渡る。それは、大量の水が一気に蒸発する音だ。

「その黒い水を撒き散らされては困るんだ……消えてもらうぞ……」

 周囲を囲んでからの一斉攻撃――それで取った、水かけ三人衆達はそう確信した、はずだった。だが、その確信をアンナが否定する――錆色の乙女を飲み込むように燃え上がらせた、その地獄の炎でだ。
「地獄の炎は焼くだけでなく、お前の身体を切り刻む……!」
 ブンブンブン……! と錆色の乙女を振り回す度に、地獄の炎は勢いを増していく。その地獄の炎が渦巻いて、炎の渦を生み出した。
『――!!』
 それを見て、一組の水かけ三人衆が前に出る。囮役を買って出たのだ。他の水かけ三人衆が、その意を組んで逃走――構わず、アンナは火車八つ裂きの刑(カシャヤツザキノケイ)を叩きつけた。
 ゴォ! と火柱が、殿を務めた水かけ三人衆を焼き尽くす。残る水かけ三人衆達の動きを見て、アンナは呟いた。
「よし、向こうは――」
 アンナは、焦らない。落ち着いて、逃げた水かけ三人衆達を追った。

●そして、猟兵は集う

 ――これは、罠だ。

 水かけ三人衆達がそう気付いた時には、遅かった。猟兵達に追われるまま逃げ込んだ先が、袋小路だったのだ。

「地形は、利用させてもらった」

 水かけ三人衆達が、その声に振り返る。そこに潜んでいたのはアンナであり、抜き打ちのように放たれた鎖の鞭が、水かけ三人衆達を拘束していった。
『……ッ!?』
「今更気付いても、遅いわよ」
 そして、上からのカメリアが放つ衝撃波と銃兵の狙撃が、水かけ三人衆達を砕いていく。鎖の拘束からかろうじて逃れた三人衆達も、その退路をリンタロウが断っていた。
 だが、ただで敗れるつもりはない。リンタロウへと、ジョウロ達は高速で黒い液体を射出。それに、リンタロウは笑ってみせた。
「超高速連続攻撃? さっと避けて後は撫で斬りにするだけでさぁ!」
 ダダダダダダダダダダダダダダダダン! と壁を穿ち黒く染めるその高速連続攻撃を掻い潜り、リンタロウはBones Circusで薙ぎ払っていく。そして、鴉のように舞い降りたひらりが、巨大鉄球【グレートコメット】を振りかぶった。

「これで、終わりよ」

 渾身の悪を打ち砕くひらりのグラウンドクラッシャーが、残った水かけ三人衆達を文字通り粉砕した。

 機動力と地理を活かし、見つけた敵を追い込み一網打尽にする――猟兵達は、被害を最小限に抑えて、水かけ三人衆達を駆逐するのに成功した。
 既に、バトルオブフラワーズも後半戦。この一つ一つの勝利こそが重要なのだと、猟兵達は知っている。まさに、次へと繋げる快勝であった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月20日


挿絵イラスト