#アルダワ魔法学園
タグの編集
現在は作者のみ編集可能です。
🔒公式タグは編集できません。
|
●キューブメイズ
夏、目前。アルダワ魔法学園においてこの季節は油断ならないものとなる。なぜならば、4月に入学した新入生がそろそろ迷宮探索にも慣れて気の抜けはじめる時期だからだ――例年、5月の終わりから夏休み前まで、保健室は怪我人の応対で追われる。それもまたこの学園ならではの風物詩といえば風物詩なのだが。
「未帰還者多数の迷宮として、遠からずその迷宮は封印されるわ――もちろん、原因はオブリビオンね」
そういった学園の風物詩を説明しつつ、ニコラが示すのは予知にひっかかったとある迷宮だ。その攻略難易度と内部に潜むオブリビオンの2つを理由として多数の未帰還者が発生することとなる危険な迷宮を、そういった事態が生じる前に攻略してほしい、というのが今回の依頼らしい。
「幸いなことに、件の迷宮はまだ学生向けに開かれてはいないわ。だから、今の内ってことね」
なぜその迷宮に挑まねばならないかについてざっくりと説明を終え、ニコラは予知で得られた迷宮の情報へと話題を切り替える。
「まず、この迷宮はテーマを持っているわ……箱、というね」
どういうことだ、と首をかしげる猟兵も少なくない。テーマのある迷宮、といえば時折「罠だらけの迷宮」や「絶対女性におすすめできない迷宮ランキング」といった形で耳にすることもあるが――そのテーマが「箱」というのはどういうことか。
「まず第1に。この迷宮はすべての部屋、通路が大小さまざまな立方体で形成されているわ。その上、それらの部屋や通路は何らかの機構によって位置が組み替えられているの」
迷宮の組み換えが発生する条件はただ1つ……該当する立方体や互いの接続部に何らかの生命体も存在しないこと。迷宮の機構が認識可能なある程度のサイズを持つ何者かが部屋の中や継ぎ目にいる限り、組み換えは生じない――しかし、一歩でも踏み出したが最後、振り返った先に同じ部屋や通路が残っているかどうかは保証できないそうだ。
「そして第2の理由……その立方体の部屋の中には、必ずより小さなスケールの箱が存在するわ」
例えば宝箱。例えばゴミ箱。箱、と呼べるものであればそのサイズや詳細な形状を問うことなく、必ず1部屋に1つ以上の箱が存在するという。
「――ついでに言えば、そういう箱の中にはオブリビオンであるモンスターが潜んでいるものも含まれるわ」
グリモアを操作し、ニコラが投影するのは腹の上に宝箱を備えた大蜘蛛だ。いわゆるミミックの変種のようで、この迷宮が学生に開かれた際に多数の死傷者を出す原因となるオブリビオンでもある。
「とまぁ、とにもかくにも箱だらけの迷宮、というわけよ」
ふん、と鼻息を漏らすニコラ。ドラゴニアンである彼女は、かのオブリビオン・スパイダーに宝の溜め込み方などモノ申したい部分があるのだろう。
「それと、迷宮の深部にはより強大なオブリビオンが存在するわ。予知で迷宮の中を見たときに見えたのはありとあらゆる光を吸い込む謎の球体だけ……もしもそういうモノと遭遇すれば、形状や性質からすぐ判ると思うわ。油断せずに倒してきてちょうだい」
迷宮の主でもあるというそのオブリビオンを撃破すれば、多数の学生が未帰還となる件の予知は完全に回避される。その言葉を最後に加えると、ニコラは現地入りする猟兵を募るのだった。
Reyo
はじめましての方ははじめまして。そうでない方はいつもありがとうございます。今回は新歓時期も終わったアルダワ魔法学園で発見された迷宮へとご案内します。
件の迷宮は無数の立方体の組み合わせで構成されており、そのルートを刻々と変化させます。それだけでも厄介だというのに、内部には宝箱に擬態したオブリビオンや、光を吸い込む謎の性能を備えたオブリビオンの影……攻略の手ごたえは抜群でしょう。
では、各章の注意点について。
●第1章:巨大ブロックの動く立体迷宮
部屋そのもの、通路それ自体が向きや接続先を変えていくタイプのアクティブな迷宮です。この迷宮の主であるオブリビオンを倒すまで、その機構は戦闘中であろうと常に作動しつづけます。自分が存在する部屋が動くことはありませんが、第2章、第3章でも油断するとこの機構により敵の姿を見失う可能性もありますのでご注意ください。
●第2章:ミミックスパイダー(集団戦)
様々な「箱」に擬態したオブリビオンとの戦いとなります。宝箱に限らない様々な箱から正体を現すオブリビオンを撃破しつつ迷宮を攻略することとなります。敵の情報についてはフラグメントをご覧ください。
●第3章:???(ボス戦)
迷宮の主であるオブリビオンとの戦いとなります。ありとあらゆる光を吸い込む謎の球体以外、関連する情報はありません。開示される敵情報に基づいて撃破をお願いします。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
第1章 冒険
『巨大ブロックの動く立体迷宮』
|
POW : しらみつぶしに行ける場所へ進む
SPD : 速さに任せて開いている場所を進む
WIZ : 行けそうな場所を推測しつつ進む
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
上垣・重
四角い部屋に四角いナニカが転がる迷宮。そういった形の武器を所持している身としては中々に興味が沸く所ですね
生物が居ると動かないなら、生物以外を置いておいても大丈夫という事、でしょうか?
迷子防止やどういった風に迷宮が動いているのかの【情報収集】のために訪れた部屋に発振器の類を置いていきます。部屋にある大きめの箱とかは無視です、無視。怖いので。
発振器の動きを纏めながら迷宮の構造を解析しつつ、動いていない部屋を探します
多分、そこにオブリビオンなり猟兵の方が居ると推測
それと部屋に手の平に乗るような小さな箱があったりしたら、手の平の上で転がしてみたり。多分きっと罠や悪戯なんてあったりしないでしょうから。
@
百鬼・甲一
迷宮探索は初めてです。しかも特殊な機構付き…油断せずに万全の準備を
【POW】@
私は足で稼がせて貰いましょう。一部屋ずつ、しらみ潰しにしていきますよ。
調べ終えた部屋には硬貨…は勿体ないので、チョーク等で印を着けて行きます…罠の有無等も、お仲間にも分かりやすいようにね。
生命体の居る部屋は動かないと言う事は、通った経路を覚えておけばある程度の自分の位置は把握可能でしょうか…一応、メモっておきましょう。
内部の箱に対しては、【第六感】と【罠使い】の経験で罠を警戒しつつ、可能な限り調べていきたいですね…当然、ミミックは見敵必殺です。罠と気付けたならUCで先制を仕掛けます
「宝か化物か…どちらでも歓迎です!」
●キューブメイジwithマーセナリー
ゴォオ、と遠くの部屋が動く音が低く響く。蒸気機関と魔法を併用したと思われるその機構は、上垣・重(虚飾の魔人・f00260)がセットした発信器の情報によると単なる回転やスライドではなくアトランダムな位置同士の部屋が転移し入れ替わることによるものも含んでいるようだった。
「やれやれ、これは確かに、魔法学園の生徒が持つ装備では迷子になるのも分かりますよ」
ため息を吐きながら重はキューブ状の魔術書をいくつか連結させ、発信器の情報を元にこれまでの足跡の変化を記録しなおす。
「そちらはどうですか?」
「マーキング、終わりましたよ。発信器もあなたの指定通り、なるべく部屋や通路の中央になる場所にセットしました」
重が尋ねるのは、迷宮攻略に際して行き会った1人の猟兵――百鬼・甲一(不死傭兵・f16959)の方向だ。現在の部屋を中心として隣接する部屋や通路に発信器を置き、ついでとばかりに後続の者に分かりやすいマークを残してきた甲一が頭を掻きながら重に合流する。
「助かりましたよ、重さん。足で稼ぐつもりでいましたが、それをやっているとどれだけ時間があっても足りそうになかったですから」
「それはこちらこそ、ですよ。こういった解析は得意ですが、どうにも罠への対処といった荒事は苦手ですから……」
たはは、と苦笑しながら返す重。
「これでも傭兵ですからね、誰かの指示の元、いろいろとやるのは慣れてます。あまり気にしないでください」
そう言いながら隣接する「箱」から基点の箱に甲一が戻った瞬間、また部屋の動く音が響いた……今度は、近い。音を聞いて重がキューブグリモワールを展開すると、すぐ近くの発信器が移動しているとの表示。
「おっと――そこの部屋が下方向へ動いたようですね」
「……前後左右だけならまだしも、上下まで動くとは、ねぇ」
つい先ほどまで甲一が探索していた部屋が動いたのだ。重の発信器によれば、垂直方向。ついさっきまで隣接する部屋との出入口になっていた部分は、箱の壁に当たる部分で一時的に塞がれ――しばらくすると、またどこからか移動してきた部屋と繋がって新しい探索場所を提供した。
「ちょうどいい、発信器もセットしてないことですし、向こうの部屋に行きますか?」
「了解しました、魔術師殿……罠の類はお任せください」
重の提案に応える甲一の声はほんの少し悪戯っぽく。芝居がかったその声に重もくすくすと笑いつつ、新たに表れた箱へと2人の猟兵は足を進めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
雪華・グレイシア
【WIZ】
さて、ダンジョン攻略へ洒落込むとしようか
怪盗衣装に着替えて、意識を切り替えて行こう
なんらかの機構を基に入れ替えが起きているのなら、そこには法則性や制限があるはず
迷宮の攻略はまずはそこのルールを知ることから、ってね
部屋には入ったらまずは別々の数字を刻んだ【予告状】を目印として残していくよ
雪姫も召喚して手分けして、迷宮を進んでいこう
五感を共有した彼女からの情報、予告状の目印
あとは最後にボクの【第六感】
これらを元に【学習力】を活かし、迷宮の動きを推測しながら進んでいくよ
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
●予告状は雪華と共に
夜闇に紺碧を宿したようなマントを翻し、その怪盗猟兵は「迷宮のギミックが自分の予測通り」なことに満足し鼻を鳴らした。今いる部屋の中には、別の猟兵が残した発信器やチョークの書き込み。そして怪盗――雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)が目線を向ける「これから行こうとしている部屋」には、いくつかの数字が刻まれたグレイシアの予告状――これまでに通過した部屋の1つがグレイシアの進路上に現れたのだ。
「たとえ魔法を使用していても、蒸気機関がメインな以上なんらかの法則はある――ボクの読みが当たったね」
そうやってグレイシアが語り掛けるのは、迷宮突入時に呼び出していた金髪の女性――雪姫の名を冠する者。召喚主のグレイシアですら少しでも気を逸らすとその姿を見失いそうになるほどの隠密性は、迷宮の機構を作動させて「移動する部屋の中」を探索するのに最適だった。そこから得た情報を統合した結果が――グレイシアの迷宮ギミック解明だ。
「さてと、それじゃあ雪姫。これをお願い――この部屋のマークから考えて、先行してる猟兵はそう遠くにはいない筈だ」
グレイシアは新たな予告状に連絡事項を念写し、それを雪姫に手渡す。頷いた雪姫は即座に迷宮の機構に引っかからない程度まで隠密性を高め、迷宮の奥へと消えた。
「さて――ここにあるといいのだけれど」
雪姫を見送ったグレイシアがぽつりと呟く。ずっと前に迷宮の中へと忘れてしまった大切なもの。それがこの迷宮にあれば、と。
大成功
🔵🔵🔵
三神・恭夜
迷宮か…私みたいな剣客の力が通用するのか、試すのも悪くはないね。
◉攻略
【剣神覚醒】の力を使おう、超強化された『第六感』と『追跡』を用いた【心眼】で【悪しき気配】を探り、ただひたすらにそれを目指して進んでいく。
「目指すは斬るべき敵、ただそこへ向かうのみだ」
箱は私の心眼で中身の推測が可能だろうと判断、安全そうなら開けて確かめ、危険な気配を感じるなら『怪力』を込めた『早業』で刀を一閃し箱ごと切り捨てよう。
「どんな罠であれ、私の剣で斬ってみせよう」
◉アドリブ歓迎
●箱斬り一刀
――斬
立方体に拘ったこの迷宮では、トラップから飛び出してくる弾丸相当のものも箱型をしていた。勢いよく飛んだそれは、空気抵抗など考えてもいない形状。それをキルゾーンに届けるための勢いともあれば言わずもがな。見てからではとても反応できるものではない。
……しかし、現実を振り返れば床に落ちるのは切り払われて鋭利な断面を見せる箱型の弾丸だ。切り払った主は三神・恭夜(永遠神剣・f15676)。弾の方を一瞥すらせず切り払って見せたその技は、恭夜の体――刀に染み付いた積年の研鑽がなせるものだ。
「やれやれ、私のような剣客の力が通用するかどうか試すつもりだったが――」
トン、と空いた手で額を叩く。脳裏にちりちりと焦げるようにひりつく「悪意」を追って迷宮に入って暫く。事前に説明を受けていたとはいえ、組み替わる迷宮構造は予想以上に忍耐を強いた。さらに言えば、悪意を追った恭夜の選ぶ道行にはやたらと罠が多い。剣神覚醒――最盛期の己を十全以上に引き出すそのユーベルコードも相俟って、被弾や怪我こそないものの疲労までは無視できない。
「……しかし、ここまで潜った甲斐がある。後続の者も罠に苦労していなければいいのだが」
そこへきて、恭夜が見つけたのは先行した猟兵が残したと思われるいくつかのマーキングだ。これまでの部屋でそのようなマークを見かけなかったことを考えれば、これまで恭夜が罠を潰しながら踏破した部屋は全て未探索だったということ。未探索の部屋が減れば、その分後続は楽が出来る。前向きに思考を切り替え、恭夜は目を閉じて意識を集中する。
「――目指すは斬るべき敵。ただそれのみ」
悪意――つまりはオブリビオンの気配を探って探索を続ければ、どこかで必ず仲間と合流できる。その信念を元に恭夜は迷宮のさらなる深部へと足を踏み出した。
成功
🔵🔵🔴
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「この迷宮、勝手に動くんだ!わっ、すごーい!どうなってるんだろう☆」
勝手にどんどん変形する迷宮にも怯えず、逆に楽しそうに探検を続けるよ!
まずは【ライオンライド】で呼び出したライオンくんと一緒に手当たり次第に進んでいくよ☆
他の猟兵が残したマーキングがあればそっちに向かってみるね♪
ルートが複数あれば【第六感】を使って適当に進んじゃうよ!
部屋の中にある箱はレイピアでつんつん突いてみて、安全そうなら好奇心を押させられずに開けちゃうかも♪
@
レイ・キャスケット
【POW】@
まずは迷いの箱の迷宮をあてもなく彷徨ってみて実際どういうものなのかを自分の感覚で【情報収集】
大体把握出来たら実験開始だよ
背中に背負った籠いっぱいに入ってるのは有精卵
これに≪ヤドリギ・ジ・エンド≫のふわふわを宿らせて等身大のひまわりを移動しながら各部屋に設置していくよ
一応植物だって「生命体」だよね?大きさとしてはボクと同じくらいだから反応するかどうか
固定が出来そうなら成長・解除を駆使して、探索
「生命体」扱いされずに稼働しちゃっても≪魔導受容体≫で動くひまわりの魔力を追いながら頭の中で情報を整理して自分の位置を把握しながら踏破するよ
●ライオンとヒマワリ
特に当てもなく放浪する――マーキングを残す手段さえあれば、それはこの迷宮を攻略するのにそう悪くない方法である。そして、それを選んだ猟兵は2人。そのどちらもがふらふらと部屋の間を行き来しているうちに出会ったのは偶然であった。
「わ、ヒマワリだ! ……だよね?」
「猫――じゃなくて、ライオン?」
猫というには凛々しすぎる造形をした小型ライオンに跨ったティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)と、鶏のような形をしたヒマワリ(顔の部分がヒマワリになっている鶏とも言う)を従えるレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)のファーストコンタクトである。猟兵であることを互いに感じつつ自己紹介を済ませれば、ティエルが好奇心を我慢しきれず目を輝かせながらレイに近寄った。
「すごいね、そのヒマワリ! もしかしてこの迷宮のモンスターなのかな?」
「ああ、違うの。これはボクのユーベルコードでね……」
興味津々といった表情で尋ねてくるティエルに、レイは苦笑しながら己のユーベルコードを説明する。レイが持ち込んだ有精卵にユーベルコード……ヤドリギ・ジ・エンドの綿毛を宿らせたところ、ヒマワリと鶏のあいの子のようなものが生まれてしまったのだ。
「へぇ……不思議なこともあるんだね」
「でも、おかげでこうやって引き連れて歩くこともできるし――疲れたら背中に乗ったりもできるんだよ」
コッ、コッ、と声を上げるヒマ鶏の首を撫でながらレイははにかむ。持ち込んだ有精卵にちょこちょこユーベルコードを掛けて迷宮内に放ちつつ、そのサイズから移動用にも使えるだろうと連れ歩いているのがこの1頭だ。迷宮内に放った他の個体は、レイの思惑通りに迷宮が組み替わる機構を止める役に立っている……たまにふらふらと部屋から出てしまうヒマ鶏もいるようだが、その行く先も魔力検知で把握済みだ。
「そういえば、ティエルさん。他の猟兵とは?」
「ううん、会ってないよ。ライオンくんに任せていろんな部屋を探検してたから」
ふわふわー、と言いながらヒマ鶏の胴体にダイブするティエル。お座り&待てをされたティエルのライオンくんは主の様子にヒマ鶏に対抗心を燃やしている様子でナァーゴと咆える。
「あ、でもねー、レイピアで箱をつんつんしてみたよ! だいたいは外れだったんだけど――」
ヒマ鶏の羽毛から顔を出して、ティエルがひとつの箱を取り出す――フェアリーでも持ち歩くことのできそうなソレは、とても小さくてレイやほかの猟兵では見逃してしまうサイズのものだった。
「ボクには使い方が判らなかったんだけど、レイはどうかな?」
「んー?」
ティエルに差し出された数センチ立方の箱を受け取り、レイはそれを検める。くるくると指先で弄んでいると――箱の面が不意に光を放った。
「――数字が2つと、文字が1つ?」
箱の面に映し出されたのはレイの言う組み合わせのもの。くるくると回転させてみると、どうやら互いに向かい合った面が同じ数字、もしくは文字を映しているようだ。
「うん、ボクが突いた時にもそういう風に光って文字を映したんだ……あれ?」
ヒマ鶏を堪能し終えたティエルがふわふわとレイの手元へ。渡した箱の面をじぃっと見る。
「……ボクが見たときと、映ってる字が違う」
「――まさか」
ティエルの言葉に閃きを覚えたレイは、ティエルにその場にいるよう言い含め、箱を持ったまま隣の部屋へと移る――レイの予想通り、箱に表示されている数字が1つ変わった。
「現在地マーカー……」
ティエルの元に戻れば、数字は元のものに。その変化でレイは己の閃きに確信を持った。
「――もしかして、結構いいもの拾ったのかな?」
「うん、お手柄だよ、ティエル!」
きゃいきゃいと歓声を上げつつ、サイズの違いに注意して慎重にハイタッチを交わす2人。
「ボクが放ったヒマ鶏と合わせれば、迷宮の中で迷うことはほとんどなくなると思う」
だから、良ければ一緒に探索しないか。その言葉をレイが出すよりも早く、ティエルはレイに笑顔を向けていた。
「じゃあ、今度はそれの使い方を調べながら探検だね!」
どうやらティエルの中ではレイと一緒に迷宮に潜ることが確定事項になっているようだ。
「――オッケー! よろしくね、ティエル!」
2人と2匹の臨時パーティーは、迷宮ナビとでも言うべき箱を手に探索を進めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ミミックスパイダー』
|
POW : 擬態
全身を【周囲の壁や床に擬態した姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 飛び掛り
【岩のように硬質な牙と脚】による素早い一撃を放つ。また、【擬態を解き、宝箱や岩石化した肌を剥がす】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 第二の口
【宝箱に擬態した第二の口】から【粘着性の高い糸】を放ち、【周囲の地形ごと体を縛り付けること】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:墨柴
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●箱だらけ罠だらけ
猟兵たちがそれぞれの方法で迷宮を攻略し――その道行はある場所で交差した。
そこは、これまでの部屋とは比べ物にならないほど大きな部屋。
上下にも迷宮が動いていることを把握している猟兵たちからすれば、その部屋がおよそ5階層分の高さを持っていることが判るだろう。
この迷宮の機構を看破した猟兵は、この部屋がおおよその「終着点」であることを悟った。
運よく現在地マーカーを手に入れた猟兵たちは、ここにたどり着いたことでマーカーの基点が入り口ではなく終点であるこの部屋であることを知った。
しかし、迷宮の悪意を辿っていた猟兵がこの場に感じるのは小さな幾つもの悪意。迷宮の主が放つ強い気配にはまだたどり着いていないという確信。
梯子や回廊で細かく区切られた部屋の中にあるのはいくつもの箱、箱、箱。赤や金といった華美な装飾の施された宝箱も珍しいとは言えない程に置かれている。
が――
それらの中身を検めるには、久々の来客に興奮した様子を隠せないミミックスパイダーたちを倒さなければならないだろう。猟兵たちの気配に痺れを切らした幾体ものオブリビオンが、カリカリと爪を鳴らしながら迫りつつあるのだから。
※プレイングの送信は日曜日(6/9)までお待ちいただけると助かります※
三神・恭夜
ここは…まだだ、まだ一番強い気配の持ち主はいない。
この先は……考える前に掃除といこう。
◉戦術
「ここは本当に箱ばかりだ…けど、箱に秘めた悪意までは隠せていないね!」
『暗視』と『見切り』の併用で擬態した箱オブリビオンの正体を看破、擬態解除からの素早い攻撃を落ち着いて『早業』の斬り払いで『武器受け』する事で防ぐ。
「数が多いね、一掃させてもらうよ」
『ダッシュ』で距離をとり、敵の数と位置を『見切り』目にも止まらぬ『早業』で【絶一閃】を放ち敵を撫で斬りにする。
「一刀、両断!」
◉アドリブ歓迎
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「歴戦の猟兵が居りますし、擬態と奇襲さえ防げれば良さそうですね」
【POW】UC:達人の智慧ベース
●戦闘(敵 UC弱点指摘)
「示温インクを宝箱の周囲に散布しましょう」
UCを用いて【メカニック】として自作した示温インク:温度によって色が変わるインクを宝箱の周りに散布します。
「生物である以上、目なり口なりから熱を発するはず」
宝箱と岩石化した肌を除いた、露出せざるおえない部位から熱を発し示温インクの色が変わるはず。
「居場所さえ分かれば、擬態にも奇襲にも楽に対応出来そうですね」
居場所がバレて動くようならマシンガン・パイルバンカーで掃討、動かないなら敵の足元に地雷をセットします。
雪華・グレイシア
おや、コイツはお宝の大判振る舞いだ
実に盗み甲斐があるよ……なんてね。キミたちのやり方はもう十分にしってるさ
ボクが呼びだすのは氷嵐を従えし冬将軍
キミたちの攻撃は確かに素早いけど、所詮はそこ止まり
何か超常的な力が絡んでいるわけでもない、身体能力の産物
この嵐の中で思うように飛び掛るのは酷だろう?
体を凍らせてしまえば、その重い荷物だってそう簡単には剥がせやしないさ
これでも氷の【属性攻撃】は得意でね
【予告状】の【投擲】と【ワイヤーガン】で牽制しながら、攻撃を【見切り】、回避していくよ
氷像が出来上がるまで逃げ切ればボクの勝ちって寸法だよ
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
百鬼・甲一
ここが終着点…しかし、ここの主とは、彼らを始末してからの御対面、という訳ですか
焔が一瞬全身を覆い、真の姿を顕す「此れが私の、罪(シン)の姿………征きます」
硬い殻に擬態能力…数も多い、擬態している個体に奇襲されるのも面倒です。先ずは、戦場をよく見て【情報収集】、【第六感】と【視力】を活かした【見切り】にて擬態している個体を見つけられるか試みます。判別出来たならお仲間達にも伝え警戒を促しましょう。
擬態を解いて襲いかかってくるなら、【早業】の【カウンター】狙い、UCを叩き込みます。…隠れ鬼より、此方の方が得意です。
用があるのは、貴方達ではない…疾く消えるがいい…!
アドリブ連携歓迎
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「ゴールにとうちゃーーーーーく!!わー、すっごく広いね♪」
現在地マーカーに導かれるようにして無事「終着点」に到着。
ミミックは全部やっつけて宝箱を漁っちゃうよと【ライオンライド】で呼び出したライオンくんに乗って戦闘開始!
ミミックスパイダーの間を縦横無尽に駆け巡るよ!どんなアクロバティックな動きでも【騎乗】や【動物使い】、【動物と話す】技能のおかげでへっちゃらだもん♪
敵が擬態を解いたら逆に攻撃が通りやすくなってチャンスだよ!ライオンくんの爪とボクのレイピアでやっつけてやる☆
@
上垣・重
いやー、いかにも何かありそうという感じの大部屋ですね
何だか歓迎されているようなそうではないような音も聞こえますし…此処は一つ、掃除といきましょう
長居していたら僕の武器も敵だと間違えられてしまいそうですからね…!
自分の周りに屑鉄の魔導書を展開しながら【Code:Pride】を発動します。
【変装】や【迷彩】といった擬態に属するものなら僕も負けてはいませんので、そういった知識や感覚で周りの様子を伺いつつ、こちらへ襲ってくるミミックスパイダーには屑鉄の魔導書からの【オーラ防御】で防ぎながら、殴りつけます
他の猟兵の方々の邪魔にならないように、一先ず天井方向へ吹っ飛ばせれば良いかなと
@
●チェストトラップ・ブレイカー
「ここは……まだだ」
抜いたままの刀、その切っ先をゆらりと閃かせ、恭夜はそう断言する。キシキシ、カシカシ、と音をたてながら猟兵たちを包囲しようとするミミックスパイダーを一瞥した恭夜の一言に、終点の部屋にたどり着いたとはしゃいでいたティエルが首をかしげた。
「まだ……?」
「迷宮の主はこいつらではない、ということだよ、妖精のお嬢さん」
「そうなんだ! なら、宝箱を調べるにも早く倒しちゃわないとね!」
恭夜の言葉に元気よく相槌を打ち、ティエルは再びライオンくんに跨る。ミミックスパイダーたちと比べればずいぶんと小さなライオン騎士だが――その実力は十分。真っ先に突っ込みミミックスパイダーたちを翻弄するティエルを追うようにして援護弾幕が飛んだ。
「――弾着確認。皆さん、色の変化に注意してください!」
その弾幕を形成したのはクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)――ミミックスパイダーの隠形を破るべく自作し持ち込んだ特製インク弾は彼の想定通りに効果を発揮しつつあった。
「あの赤いのがソレってことですよね!」
火の太刀――絶え間なき連続攻撃を周囲のミミックスパイダーに叩き込みつつ甲一が確認する。放たれ、弾着の瞬間までは無色透明であったクネウスの特殊インクは、今ではミミックスパイダーの体温という至適温度を得て鮮やかな赤へと色を変えていた。インク弾によって「姿形以外で場所を確認される」ことはオブリビオンたちにとって想定外。居場所を暴かれ、ある個体は擬態の強度を上げ、またある個体は擬態を諦めて猟兵包囲網へと加わるが――その判断をするには少し時間がかかり過ぎていた。ティエルの突撃により崩れた包囲網へと猟兵たちが次々と楔を打ち込むようにして進撃。あっというまに戦局が傾きを変える。
「あまり長居をすると、僕の武器までオブリビオンと間違われかねませんからね! ――手早く掃除させてもらいましょう!」
ティエルがライオンと共に攪乱した前線へ飛び込むのは重。幾つもの金属製立方体――屑鉄の魔導書を展開し防御術式を組み立てつつ、挑むのは接近戦だ。
「Code:Pride――Drive!」
ユーベルコードの中枢を為すキューブ・オブ。グリモワールから纏うは純度の高く濃密な魔力フィールド。その魔力を元に防御フィールドを纏った屑鉄の魔導書。魔力の塊とでもいうべき存在になった重が、防御フィールド付きの屑鉄の魔導書を鈍器に見立てて振り回せば、重へと飛び掛かったミミックスパイダーが面白いように吹き飛んでいく。上下ひっくり返った形でべちゃりと床に落下したミミックスパイダーに至っては、背中の宝箱が邪魔をしてうまく起き上がれない様子である。
「どこを見ても宝箱――大盤振る舞いで盗み甲斐がある……というには、ボクはキミたちのやり方を知りすぎていてね」
凍えて、というグレイシアの囁きに応じて彼の背後にゆらりと武人の召喚体が姿を顕す。冬将軍――そう名付けられた召喚体が放つのは絶対零度の氷嵐。仲間である猟兵たちを避け、クネウスのインク弾でマーキングされたミミックスパイダーだけを狙う小規模な凍風がいくつも生み出される。
「キミたちの能力に超常的なものはない……であれば、凍らせてしまえばおしまいさ。そうでなくても、この氷の嵐に抗って動くのはつらいだろう?」
冬将軍への指示も兼ねて予告状を投擲しつつ、グレイシアはニヤリと笑う。彼の言う通り、ミミックスパイダーはあくまでも身体能力と擬態能力がウリのオブリビオン。そういった長所を咎めることのできる極低温という手段を行使できるグレイシアは、いわばミミックスパイダーの天敵である。その上、グレイシアのユーベルコードによってミミックスパイダーたちが氷の彫像として仕上がるのを待つまでもなく、動きが鈍ったとなれば他の猟兵がすぐさま殲滅することもできる。短期決戦、長期戦、そのどちらをも織り込んだグレイシアの戦術は彼の予想以上に戦局を猟兵側へと傾けていた。
「インク弾は、まだ動けるオブリビオンにだけ反応します――少しでも色の違うところがあれば、遠慮せず叩いてください!」
グレイシアの攻撃で凍り付いていくミミックスパイダーたち。動けるうちは赤く染まるクネウスのインク弾も、完全に凍ってしまえば元の無色透明に戻る――仲間の攻撃と組み合わさることによって予想以上に敵オブリビオンの探索が容易になったことを喜びつつ、クネウスはそれを仲間たちへと伝える。言葉を投げつつ第六式雷電攻艦杭でミミックスパイダーを串刺しにしていく姿は、クネウスもまた歴戦の猟兵であることを雄弁に物語っていた。
「悪意だけでは分かりにくい部分も、クネウスのおかげで丸わかりだ。姿隠して悪意隠せず――それが姿すら隠せなくなったのならば、断てぬ道理などない!」
「隠れ鬼をやらされると思っていましたが、いやはや――奇襲もできぬオブリビオン、用があるのは貴方達ではない、疾く消えてもらいましょう……私の『シン』の姿は、冥途の土産です!」
そして、串刺しにされ、あるいは氷の彫像となったオブリビオンたちを2人の猟兵……恭夜と甲一がまとめて撫で斬りにする。片や無尽を一瞬にして切り伏せる一閃、片や無尽を数えながら斬り続ける乱閃。振るわれる刀の姿こそ違えど、あとに残るのは切り捨てられたオブリビオンのみ。特に焔を纏って一時的に全力を開放した甲一――髑髏の仮面を付けた彼の背後には、もはや何体分か数えるのすら難しい程に細断されたオブリビオンの身体が積みあがっている。
「――よし、これで全部だね!」
ミミックスパイダーの攪乱がてら、部屋中の宝箱を調べ終えたティエルが猟兵たちの元へ戻りそう一声。猟兵たちの連携で一掃されたミミックスパイダーを含め、中身のある宝箱は1つもなかったと告げるティエルは残念そうな表情をしているが、宝探しはあくまで副次的なもの。また別の迷宮に潜れば宝物が見つかることもあるさ、と誰となく慰撫の声が上がった。
終点、偽りの宝物庫――そこに巣食うオブリビオンを一掃した猟兵たち。残るは迷宮の主であるオブリビオン、光を喰らう謎の球体のみと目的を新たにし、彼らは往路とは異なる様相を呈した復路へと乗り出すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『影を這いずる捕食者』
|
POW : 食らった光を消化
全身を【一瞬淡い光】で覆い、自身が敵から受けた【提灯部分から吸収した光、熱量】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 影から現れる大口
【隙を食らいつく為、影に潜み野生の勘で】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : その姿は闇そのもの
【提灯部分から光源や熱を吸収し、闇を作る】事で【地面にある影だけでなく空間にまで潜む影】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:猫背
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「フィーナ・ステラガーデン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●光を喰らう影
立方迷宮、復路。
往路とはまた違う様子の部屋を辿りつつ、しかし現在地マーカーのおかげで猟兵たちは自分のいる座標を見失わずにいた。これまでの探索結果と合わせてまだ到達していない部屋に迷宮の主が居るのではないかと踏んだ猟兵たちは、お互いの姿が見えるよう、そして迷宮の組み換えが起こらないように注意しながらじわじわと迷宮探索を進めていく。
そうするうちに彼らの目の前に現れたのが、その部屋である。
漆黒の闇。
そうとしか形容できない、黒一色の部屋。視野の一部が欠損したと錯覚しかねないその闇に幾人かの猟兵が目を擦る。
ふと。
亡、と。
闇の中に光が瞬く。ブラックコーヒーに1滴だけミルクを垂らした時のように闇に飲み込まれる光。一瞬とはいえ、見えたその光は球状……この迷宮において本来あり得ない形。
グリモア猟兵の言葉にあった通りの特徴を目前にし、猟兵たちは悟る。
その闇の中に潜む存在こそが、この迷宮を統べるオブリビオンであると。
三神・恭夜
…いるね、邪悪な存在…悪意の大元、強大なオブリビオンが。
ここが終点、ニコラから頼まれた仕事を果たすとしよう。
◉戦術
『暗視』『第六感』『見切り』を駆使して闇に潜む存在を見極め、その位置を掴む。
「心眼…研鑽の果てに得た技の一つだが、何かと役に立つものだね」
敵が【視えた】ら私の勝ちだ、『ダッシュ』で距離を詰め回避不能の奥義【十六夜】を放ち、敵を微塵に斬り刻む。
「私が抜刀した以上、誰もこの剣閃を躱す事など出来ないよ」
反撃、迎撃に対しては『早業』で斬り払う事で『武器受け』し攻撃を防ぐよ。
「どこにいたって悪意までは消せやしない…私は全て見ているよ」
◉アドリブ歓迎
雪華・グレイシア
あれが聞いていた謎の球体とやらかな?
こうやって見ていると人魂のようにも見えるけれど……
なんだろうと関係ないさ、キミを倒してこの迷宮を攻略させてもらおうか
次に呼ぶのは霜の巨人
こうも視界が悪いと暗闇の中からばくん、とされてしまいそうだし、呼びだした彼の肩に乗りながら周囲を警戒するとしよう
先程のように光が灯ったらそこを殴りつけて、すかさず攻撃
この暗闇の中を自由に動かれるのは厄介そうだ
攻撃に成功したらすかざす咆哮
凍らせて動きを鈍らせるとしよう
氷の彼なら吸収できる熱量も生命力もないはずだけれど、どうかな?
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
百鬼・甲一
闇に潜むモノ…こういう存在もいるのですか。そのまま闇に沈むか、白日の元に晒し吊るされるか…選ぶと良いでしょう
@
光や炎熱を食らうのですか…つまり喰っているその時は、そこに在る、と考えて良いでしょう。一先ずそこを狙って見ましょう。あわよくば捕食器を破壊できるかもしれません。一瞬であろうと、UCで撃ち抜いて見せます…!
視覚の効かない闇の中では 奇襲を受けるのは覚悟の上、感覚を研ぎ澄ましカウンターを狙っていくくらいのつもりで戦います。大口で此方を呑もうとしてきたら、代わりに爆薬でも呑ませてやりましょうか。
迷宮探索もこれで御仕舞い…弾も刃も全て喰らって行きなさい…オブリビオン!
ティエル・ティエリエル
SPDで判定
「わわっ、真っ暗!この中に迷宮のボスがいるんだね!」
たとえ真っ暗闇でも怖がらずに突撃するよ!
闇の中に見えた光を目指して背中の翅で羽ばたいて突撃!
暗闇からの攻撃も【第六感】で察知して【見切り】で回避、回避が間に合わなければ【オーラ防御】でダメージを抑えるよ!
再び光の球状が見えたら全力で突撃!
風を纏った【属性攻撃】による【妖精の一刺し】、【捨て身の一撃】で防御を顧みないことでさらに加速して敵が予測しても回避できない速度で突っ込むよ!
@
上垣・重
あれが、グリモア猟兵の方が言っていた光球ですか…?
あの球体が光を吸い込む事で本体へなにかしらの意味を持っているなら、あれを吹き飛ばしたり封じてしまえば戦況が良くなりそうな気がしますね
電脳モノクルを【暗視】状態にして敵影を捉えようと試みます
【Code:Pride】の状態を維持しつつ、敵の光球に向けて周囲に展開している屑鉄の魔導書の半数から触れた対象を徐々に凍らせていく氷の霧を放射状の【範囲攻撃】を行い、様々な角度から射撃です
残ってる屑鉄の魔導書は自分への【オーラ防御】と光球あるいは本体へと近づいていく猟兵の方々への【援護射撃】用として自分の周囲に待機。光が出ないよう氷の【属性攻撃】で援護です。
@
●邪悪な闇
間違いない、と恭夜の声。姿こそ見えなくとも、闇の中から放たれるその「圧」は確かに恭夜の肌へと突き刺さっていた。
「――頼まれた仕事を果たすとしよう。皆、良いかい?」
背後に囁きつつ、恭夜が一歩闇の中へと歩みを進める。恭夜の姿が部屋の境を超え闇の領域へと踏み込んだ瞬間――恭夜を含む全員の視界から、彼の姿が消える。外から見ても完全な闇、その内側にいる恭夜ですら、己の手先を見ることすら叶わない。
「恭夜さん?」
モノクルを暗視状態に切り替えても、仲間の姿が見えない。猟兵たちの中でやや後方に位置していた重も、その状況を報告して警戒度を引き上げる――暗視機能は多くの場合、僅かな光を増幅することにより視界を確保するが、そもそもあのオブリビオンの周囲には光が完全に存在しないのだと。
「真っ暗だけど、その中に迷宮のボスが居るんでしょ! ――迷ってなんて、いられないよ!」
つい先ほど、一瞬だけ浮かんだ光の球……その位置を思い出しながら、ティエルが恭夜の後を追いかけるようにして闇の中へと突入した。ワァ、と鬨の声を上げながらの突撃。その声は猟兵たちにとって仲間の位置を知らせるものであり――同時に光喰らうオブリビオンを引き寄せるもの。
「――ティエルさんが行くのなら。一瞬、そう、一瞬あれば……!」
ティエルがそういった行動をとったのは、この迷宮探索中に培った信頼と連携が根拠。そしてその突撃の意図を察した甲一が、即座に居合の構えを取る――そう、ティエルにオブリビオンが引き寄せられるのならば、その瞬間を狙えばいいのだから。
「なるほどね! なら――霜よ、砕け突き立て! ヨトゥンヘイム!」
ユーベルコードの変形詠唱。己の足元に直接呼び出した霜の巨人、その肩に乗りながらグレイシアはじわりと冷気の空間を展開していく。グレイシアの動きに則って巨人が投擲するのは氷で生成された極薄の板……冷気空間を広げるための布石として投ぜられる氷の予告状が闇の中へ次々と吸い込まれていく。
そうすると――グレイシアの投げた氷板、そして広がる冷気の空間を嫌がったのか。闇の中へと乗り込んだ恭夜やティエルを無視してオブリビオンがグレイシアの足元へと迫った。影と同化する全身はグレイシアに接近を悟らせず、一瞬の光を放ちその姿を顕したころには闇を孕んだ大口が霜の巨人の片脚を喰いちぎっていた。
●闇砕きの狩人
「そんな!? 今の一瞬で……!?」
バリボリ、と氷を噛み砕く音が闇から響く。がくりと霜の巨人が片膝をついた。
「予測はずれましたが――!」
グレイシアの悲痛な声……しかし、オブリビオンの一方的な攻勢を甲一は許さなかった。
3秒――グレイシアの巨人が膝をついてからそれだけの時間が経った瞬間、爆裂音が闇の中でこだました。そして、ちろちろと弧状に漏れる炎……霜の巨人の脚が喰われる時に開かれたオブリビオンの大口に、甲一の投げた爆薬が放り込まれていたのだ。腹の中で爆発を引き起こされ、光や熱を吸い込む余裕を失ったのか。オブリビオンの姿が闇の中で浮き彫りになる。
「――あった! それが先ほどの光球ですね!」
グレイシアの被弾と甲一の機転――それを無駄にはできぬと、屑鉄の魔導書に霧氷を纏わせた重の攻撃が飛ぶ。狙いは、闇を生み出す大元と思しきオブリビオン頭部の提灯――グレイシアが展開していた氷板によるサポートもあり、本来の数倍の速度を以てオブリビオンの体が凍り付いた。
「心眼がありながら私の後ろへとオブリビオンを通してしまった不覚――ここで償わせてもらおう!」
そして、僅かでもオブリビオンの動きが鈍れば恭夜の攻撃が間に合う。闇の中から取って返した彼の一刀が、一瞬のうちに刻むのは16の剣閃。
「この刃、躱す事など出来ないよ――私が抜刀している以上!」
オブリビオンの提灯を十字に切り裂き、そこから先はその巨体を下ろすようにして剣の舞が刻まれる。特に凍結していた部分は脆くなっていたが故に、恭夜の連続攻撃により粉微塵に砕け散った――そして残るはオブリビオンの本体のみ。
「ヨトゥンヘイム! 霜の咆哮を、ここに!」
膝を付かせた状態で腹に力を込めて。グレイシアの動きをトレースする霜の巨人がスゥ、と息を吸い込み――轟、と放つのは絶対零度を孕んだ氷のブレス。先のお返しとでも云うように放たれたその吐息が、影へ潜み体力を回復しようとしていたオブリビオンの体を完全に氷漬けにした。
「――お待たせ! これがボクの、全力! 全っ開っ!」
闇の中から戻るはティエル。十分な助翔を得た彼女は、己自身を1つの弾丸として凍り付いたオブリビオンへと突っ込んだ。仲間たちの援護があると防御も回避もかなぐり捨てて、一直線に飛翔して突き立てるは愛用のレイピア。飛翔の後に引き連れるは風鳴りの音色。
――凍り付いたオブリビオンの砕ける音は、薄い硝子が砕ける際のソレによく似ていた。
「――さ、寒いぃ!」
かき氷のように粉砕されたオブリビオン。最後の一刺しを行ったティエルは氷の中に埋もれる形となってしまい、そこから飛び出した第一声がそれ。
ティエルの声に思わず微笑みを漏らす猟兵たち――季節には合わないけれど、迷宮から戻ったら何か温かいものでも食べようか。そんなことを話題に上げつつ、彼らは帰り道を急ぐこととするのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵