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バトルオブフラワーズ⑩〜魂響のアフェクトゥス

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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 システム・フラワーズ第二の関門――其処へ立ち塞がるのは、カワイイ怪人『ラビットバニー』である。そのカワイイと言う言葉に、対抗心をむくむくと刺激された様子のレイン・ドロップ(みずたま・f14853)は、勢い込んで戦いについての詳細を説明した。
「システム・フラワーズ内部は、咲き乱れる花々が足場を形成していますの。でも現在の足場はラビットバニーの元に集中しており、彼女を倒さないと先に進めないのですわ!」
 ――オブリビオンである彼女は、倒されても何度でも蘇る。しかし短期間に一定数の撃破を重ねれば、復活は不可能になるのだと言う。そんな訳なので、ラビットバニーの撃破に力を貸して欲しいと、レインはうるんだ瞳でお願いした。
「でも、ラビットバニーは『絶対無敵バリア』に覆われていて、あらゆる攻撃が一切効きませんの。ずるいですわ」
 しかし、一見無敵のこの能力にも弱点が存在する――それは、彼女が「エモい」と思うものを目撃してしまうと、一時的にバリアが解除されてしまうことだ。
「しかも! エモいと感じる基準はかなりゆるーいみたいですの! SNSなんかで流行りそうなものなら、エモに直行しましてよ!」
 レイン曰く、今回対決するラビットバニーは『熱いバトルでの燃え&萌え』に、とてつもないエモさを感じるらしい。戦いの中で紡がれる絆、倒されてもなお立ち上がる不屈の魂、守りたい大切な存在――などなど、バトルに伴う、胸きゅんなシチュエーションを展開するのがバリア解除の鍵になるだろう。

『馬鹿、こんな所で死なせねぇよ。お前を倒すのはライバルである俺なんだからな』
 ――例えば強敵を前に、背中合わせで紡がれる友情。
『お主は妾を護ると誓ったではないか! ならばその誓いを、最後まで果たしてみせよ!』
 ――例えば絶望的な戦いを前に、従者へ投げかけられる主の一喝。
『このおいぼれにも、出来ることがある……それは未来ある若者たちに、道を拓いてやること。さあ、儂の屍を越えて進んでいけ!』
 ――或いは、未熟ながらも希望に溢れる若者たちの為に、己の生命を賭けると決めた老兵。
『……今は、これしか渡せないけど。戦いが終わったら君に似合う指輪を贈るから』
 ――はたまた最後の戦いを前に、水を吐くフグ(SNSで大人気)をプレゼントする恋人たち。

「などなど、ズキュゥゥンと胸に響く素敵なバトルを演出……怪人のバリアを無効化して、ぼこぼこにしちゃうのですわ!」
 ――水を吐くフグは贈り物に最適なのか、との疑問はあるだろうが、まあ流行りものに弱いラビットバニーならエモいと感じるであろうゆるさだ。しかしまあ、ネタは程々に、節度を保って取り入れるのが吉だ。
「さあさあ、向こうのテンションに負けず、アゲていくのですわー!」
 そう、気持ちは負けず、最終決戦に挑むような気概を見せて――荒ぶるレインは猟兵たちを激励しつつ、咲き乱れる花々の戦場へと送り出していったのだった。


柚烏
 柚烏と申します。こちらはカワイイ怪人『ラビットバニー』とのバトルになります。エモいと言う言葉、自分で使うことは余りなかったのですが、要は燃えとか萌えですよね! バトルに伴う熱い心情をぶつけて、無敵バリアを無効化してください。

●戦闘ルールにつきまして
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

●プレイング受付につきまして
 戦争シナリオと言う特性上、必要数のプレイングが揃った時点で受付を締め切る予定です。その際はマスターページやツイッターで告知致しますので、お手数ですが其方をご確認の上、プレイングをお願いします。
 参加人数にもよりますが、頂いた全てのプレイングを描写出来るかはタイミング次第となりますので、ご了承頂ければ幸いです。

 難易度は『難しい』となっておりますので、戦闘判定もそれなりのものになると思います。それではよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セリオス・アリス
エリシャ(女将)◆f02565と
マジで敵が何に反応するかわかんねえ
女将に任せるか!
とりあえず俺は強い信念かっこいいとかの方向で…

女将!?
ほっといてもゴリラ並みに強い完全に大丈夫だろと思っていた相手が攻撃をくらう姿に動揺
あーくそッ…!
【望みを叶える呪い歌】を歌い
敵に届かないまでそれ以上の接近を遠ざけるように斬撃を放つ
おいっ、だいじょうぶか!?
反応が鈍いのを気にして無事を確認
顎をもちクイクイと顔に傷がついてないかも確認
ぶつけ所が悪かったのか…?
まあ平気そうでよかった
顔も、その顔傷つくのはもったいねえしな
って起きて!?
おまっ、なん
くっっそ!『全力』の炎の『属性』を拳に込めて
解せなさと一緒に殴り付ける


千桜・エリシャ
セリオス(f09573)さんと

エモい…もののあはれと同じ意味だと聞き及んでおりますわ
ではお任せを

――きゃっ!
敵の攻撃を受けた振りをしてその場に倒れ込み
ふふ、これで騙されたセリオスさんが私を心配してそこにエモが――
って、誰がゴリラですって!?
そう思うも必死で我慢
私は大丈夫ですわ…と弱々しい演技を
…でも顔近いですし、怪我人を動かしすぎではなくて!?
ううっ…我慢…我慢
ちょっ、極めつけに何を恥ずかしいことを仰っているのかしら!?
もう!バリアが解ければけろりとした顔で立ち上がり
あら、結果的にはよかったでしょう?

攻撃は花時雨のオーラ防御で受け流して
散華繚乱に、2回攻撃
剣閃の雨を降らせ
首をいただきましょうか



 キマイラフューチャー中枢、システム・フラワーズ――咲き乱れる花々が足場を形成する其処はまるで、お伽噺の世界のよう。だとすれば、この空間に立ち塞がるカワイイ怪人『ラビットバニー』は、来訪者を惑わす邪悪な魔女と言うところか。
「エモい……もののあはれと、同じ意味だと聞き及んでおりますわ」
 そして此度足を踏み入れたのは、辺りの花々にも負けぬ程、凛然と咲き誇る桜の乙女――千桜・エリシャ(春宵・f02565)と。
「マジで敵が、何に反応するかわかんねえ……ここは女将に任せるか!」
 そんな彼女の側で、羽を休める美しき黒鳥――セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)のふたりだった。目の前に居るラビットバニーは、ウサギの被り物をした珍妙な姿をしているのだが――『絶対無敵バリア』なる、本当に全ての攻撃を無効化する障壁を展開すると言うのだから恐ろしい。
 ――しかし、それを破る秘策が『エモ』である。定義は色々あるのだが、とりあえず強い信念とか、かっこいいとかの方向で行こうとセリオスが考えていると。
「ではお任せを。――きゃっ!」
 いきなりエリシャがその場に倒れ込み、儚げな様子で身を震わせていた。「え、あーしまだ攻撃してないんですけど?」と、これにはラビットバニーも驚いている様子である。
「女将!?」
(「ふふ、敵の攻撃を受けた振りをして倒れる演技……ばっちりですわ」)
 そう、これはエリシャの『エモいシチュを作る』作戦であった。そうして騙されたセリオスが、自分を心配して駆け寄り、其処にエモ――もののあはれが生まれると言う訳だ。
 そして――血相を変えたセリオスは、呪歌で敵を牽制しつつエリシャを抱き起こすと、美しく震える声で絶望を囀るのだ。
「ああ……ほっといてもゴリラ並みに強いし、完全に大丈夫だろと思っていたのに……!」
(「って、誰がゴリラですって!?」)
 ――この、乙女を抱きしめておいて、何がゴリラか。それに、ゴリラって意外と繊細なのですわ――と反論したくなる気持ちを必死に我慢し、エリシャは弱々しく瞼を震わせた。
「おいっ、だいじょうぶか!?」
「わ、私は大丈夫ですわ……」
 と、何時もの強気な反応が返って来ないことに、不安を募らせたセリオスは、エリシャの無事を確認するべく顎を持ちくいくい――顔に傷は無いと知り、ほっとしたようだ。
「イケメンの顎クイ、超エモ来たっしょコレ――!」
 うわ、ヤバーいエモーいと、ラビットバニーが遠くでスマホのカメラをぱしゃぱしゃ起動している気配がしていたが、当のエリシャはそれどころではない。
(「……でも、これは顔近いですし……怪我人を動かしすぎではなくて!?」)
 ううっ、我慢我慢――しかし、そんなエリシャの努力を知らず、セリオスは本気で彼女を案じ、艶やかな髪を掻き分けて瘤が出来ていないかを探っている。
「ぶつけ所が悪かったのか……? しかし、特に怪我は無いようだし……まあ、平気そうでよかったかな」
 ――そして、極めつけのこの一言で、エモさは遂に臨界点を越えた。
「……顔も。その顔傷つくのは、もったいねえしな」
「ぐぅふぉぉぉぉううぅぅ!!!」
 ぶばっ、とラビットバニーの被り物から、何やらくぐもった音が聞こえ――鼻血でも吹いたのだろうか――直後、彼女の絶対無敵バリアが掻き消える。
(「……もう!」)
 無自覚なセリオスの行動に、何食わぬ顔で立ち上がったエリシャはそのまま、紅華散らす散華繚乱の太刀で以ってラビットバニーへと斬りかかった。
「って起きて!? おまっ、なん……くっっそ!」
 先程までの儚げな様子から一変し、嬉々として敵の首を落としに向かうエリシャの姿に、セリオスは混乱しつつも――解せない気持ちを込めた炎の拳の一撃を、ラビットバニーに向けてぶつけることにする。
「あら、結果的にはよかったでしょう?」
 けろりとした風で流し目を送るエリシャは、尚も剣閃の雨を降らせていって。訳が分からないと言う状態で、ぼこぼこにされていくラビットバニーの姿が、其処にあったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コロッサス・ロードス
●心情
平和に生きる者達の命を脅かすは鬼畜の所業
嘗てこの世界に大きな貢献したとしても、今の貴様は所詮オブリビオン
力無き民草に成り代わり、貴様の齎す悪しき終焉は我らが打ち砕く!

●エモ?
『武器受け、盾受け、オーラ防御、見切り』等の防御技能を活かす為
また連携仲間がいれば『かばう』事で被害を抑えるため敵に肉薄

「強いな、見事だ。なればこそ此方も命を賭す覚悟ができる。
 例え我が身砕けようとも勝利は譲らぬ……!」

如何なる状況でも瀕死となるまで戦い続け、必要ならば自傷してでも必ず【Colossus of Rhodes】発動、『捨て身の一撃』に全てを賭ける

「この世界に生きる者達の未来は、我ら猟兵の刃で切り開く!」


七篠・コガネ
『Heartless Left』を瞬時装着していつでも臨戦態勢です
避けようがないなら【激痛耐性】で凌ぎつつ…
(花で足元が滑って転倒)Σあ!僕のコレクションが!!
ビー玉おはじき、オシロイバナの種、たい焼きスクイーズ…
良かった。どれも無事…
ああー!うさちゃんガラス人形が!割れてるー!
酷いよ!バカ!バカーー!(無自覚のギャップ萌え狙いなるエモさ)
…埋葬するから破片集めを手伝ってもらいます…こっち来て下さい

…で一緒に破片集めを…ってこんな事してる場合じゃ!
でもラビットバニーが近くに、加えて僕の左手側にいればチャンスでしょうか
【ホークスビーク【早業】で攻撃してみます!一応これ、思惑通りって事にします



「……平和に生きる者達の命を脅かすは、鬼畜の所業」
 ――それは渓谷を吹き荒れる風が、静かな怒りを孕んでいるような、猛々しい響きを持った声だった。
「嘗てこの世界に大きな貢献をしたとしても、今の貴様は所詮オブリビオン――」
 轟く咆哮に大気がびりびりと震え――深紅の聖鎧に覆われた逞しい巨躯が、ぶわりと膨れ上がったかのように錯覚する。彼の存在は人を超越した雰囲気を纏い、気高き武を以って、目の前の強大な存在に立ち向かう――。
「力無き民草に成り代わり、貴様の齎す悪しき終焉は我らが打ち砕く!」
 神々しき武人、彼の名はコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)。巌のような相貌が見渡すのは、生死を賭けた苛烈な戦の場――きらきらのお花が咲き誇る、何だかメルヘンチックな場所であり。その、何だ、こんな感じだよね、キマイラフューチャーって。
「きゃあぁぁ! 何コレ、ギャップ萌えってヤツ? 渋いおじ様がお花バックにキメてるって、超エモっしょ! あーSNSでバズるわコレ!」
 ――一方で、大幹部のひとりであるカワイイ怪人『ラビットバニー』は、コロッサスの堂々たる口上にすっかりテンアゲ状態になっており「あー、動画にアップしたいー、もう一回よろ!」とか無茶なことをのたまっていた。
「いや、そうそう何度も出来るものじゃないですよね……一世一代の見せ場ですし」
 この様子には左腕のパイルバンカーを構え、臨戦態勢を取っていた、七篠・コガネ(そして最期は海の底・f01385)も控えめにツッコミを入れてみるが、当のコロッサスは大真面目に返答をする。
「……それが、エモとやらに繋がるのであれば」
「ええっ、やるんですかもう一回!」
 平和に生きる者達の――と、先程の口上を、一字一句正確に再現するコロッサスに、鬼気迫るものを感じたコガネ。そんな彼はあたふたとする中で、咲き乱れるお花に足を滑らせて、見事に転倒してしまう。
「あ……っと、痛みには耐性があるので問題ないです!」
 大人びたまなざしに、ちょっぴり腰の低さが見え隠れするのがエモい――と、ラビットバニーの注意がコガネに向いたその時。彼の懐からぽろぽろと、可愛らしい宝物が零れ落ちていった。
「あ! 僕のコレクションが!!」
 ビー玉おはじき、オシロイバナの種、たい焼きスクイーズ――その一つ一つを丁寧に拾い集め、どれも無事であることを確認したコガネであったが、最後のひとつを見てその瞳が凍り付く。
「ああー! うさちゃんガラス人形が! 割れてるー! 酷いよ! バカ! バカ――!」
「やばたん! 無自覚なギャップ萌えまた来ちゃったんですけど?! 狙い過ぎって分かってるのに、溢れるエモみが抑えられないぃッ!!」
 ――互いに絶叫を響かせるコガネとラビットバニーを見て、コロッサスは水面下で繰り広げられる心理戦を思い、ただ呻くことしか出来なかった。
「……強いな、見事だ。なればこそ、此方も命を賭す覚悟ができる」
「……えっと、うさちゃんを埋葬するから破片集めを手伝ってもらいます……こっち来て下さい」
 どうやらコガネは、粉々になったガラスの人形の片づけを、ラビットバニーにお願いすることにしたようで。溢れるエモの洪水に翻弄される彼女は、ただ黙って彼に従う他なかったのだ――。
「……で、一緒に破片集めを……ってこんな事してる場合じゃ!」
 と、其処で戦いの真っ最中であったことに気づいたコガネは、自分の近くに居るラビットバニー目掛けて咄嗟に左腕を突き出した。
「い、一応これは思惑通りと言うことで!」
 ――そういうことになったらしい。直後、高速で射出された杭が、バリアの解けたラビットバニーを貫いたが――彼女も直ぐに反撃へと移る。
「てか、あーしも赤べこキャノン撃つし!」
「否、例え我が身砕けようとも勝利は譲らぬ……!」
 コガネを狙い放たれた閃光――しかし、ラビットバニーに肉薄したコロッサスが、堅牢な装甲を盾にその一撃を庇った。彼は決意していたのだ。如何なる状況でも瀕死となるまで戦い続け、必要ならば自傷してでも捨て身の一撃に賭けることを。
「この世界に生きる者達の未来は、我ら猟兵の刃で切り開く!」
 ――瀕死となりし自身の、血と魂魄を以て。古き御力の一つ――ロードスの巨像が、今此処に召喚される。そして唸りをあげた巨像の拳は、ラビットバニーを花園の彼方へと一気に吹き飛ばしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

有栖川・夏介
……うさぎ。
うさぎは苦手なので、本気の力がだせるかどうか…。
正直対峙しているだけで堪える。
それに「エモい」とは? 
他の方の足を引っ張らないように気を付けなくてはいけません。

「処刑人の剣」を構えて【覚悟】
正直、バリアをどう突破したらいいのかわからない。エモい、とは?
敵の攻撃は【第六感、見切り、オーラ防御】などを使用して全力回避。

回避で転倒したと同時にぬいぐるみがぽとり。
「……こんなところで負けていたら、キミに合わせる顔がないですね。私は…俺は、前に進むと決めたのだから」
煤けたぬいぐるみを拾い立ち上がり、頭を優しく撫でる。

再び剣を構えて【殺気】
「……本気でいきます」
敵をにらみつけ【恐怖を与える】


鎹・たから
熱い戦い、たからもお見せしましょう

この身に悪鬼を宿します
代償は流れる血の涙
拭う必要などありません、これがたからの覚悟です

カンフーにオーラ防御で躱しながら対抗
そしてこの戦いへの想いをぶつけます

たからはこども達をすくう為に戦います
今でもこの世界のどこかで、
泣いているこどもが居るかもしれません

それがあなた達怪人のせいだというならば
たからは絶対にここで倒れません
この覚悟はあなたにも、誰にも折られません!

バリア解除で瞬時に接近
拳に想いを込め打撃を繰り出し
防御、または避けられた先で手裏剣による斬撃
そして全ての武器で、あなたをほろぼします

【鎧砕き、グラップル、暗殺、ダッシュ、2回攻撃、気絶攻撃、勇気、覚悟】



(「……うさぎ」)
 鮮血を思わせる、紅の瞳――有栖川・夏介(処刑人は白いうさぎの夢をみない・f06470)のまなざしが見据える先には、極彩色の花園に佇むラビットバニーの姿がある。
(「うさぎは苦手なので、本気の力がだせるかどうか……」)
『嫌い』と『好き』が交錯するこの想いを、説明することは難しい。正直、対峙しているだけで堪えるのだ――たとえそれが、うさぎの被り物をした謎の怪人であったとしても。
(「それに『エモい』とは?」)
 ――そして夏介は、ラビットバニーのバリアを無効化する感情についても、未だ理解が及ばずにいた。しかし今、自分はこうして決戦の場に立っているのだ。他の猟兵たちの足を引っ張らないように、せめて気を付けなくてはいけない――。
「……熱い戦い、たからもお見せしましょう」
 一方で、夏介と共に戦いに臨む、鎹・たから(雪氣硝・f01148)の方は、既に覚悟を決めたようだった。己の身に悪鬼を宿す外法――降魔化身法によって肉体を強化した代償に、彼女の頬を伝うのは血の涙。
「……拭う必要などありません、これがたからの覚悟です」
「ちょ、やば燃えるって、超エモぉぉい!!」
 靜かな雪の日を閉じこめたような、銀色の瞳からとめどなく流れる血をそのままに。たからはエモさに悶絶しているラビットバニー目掛けて、花の足場を蹴った。
「来たっ! えー、あーしもこのエモみに参加出来たり?」
 既に絶対無敵バリアは解除されていたが、ラビットバニー自身の戦闘能力も侮れない。兎面の目をぴかりと光らせることでカンフーモードへ突入した怪人は、爆発的に増大した速度で以って、たからの体術に対抗していく。
 ――強烈な衝撃と共に、打ち合わされる拳。そしてラビットバニーの足技を、オーラを纏いつつ躱していくたから。そんな中で彼女は、この戦いへの想いを拳に乗せてぶつけていった。
「たからは、こども達をすくう為に戦います」
 子は鎹、子は宝――己の名に込めたその想いの通り、未来あるこども達を守ることが、たからの信条だ。
「今でもこの世界のどこかで、泣いているこどもが居るかもしれません」
 それが、あなた達怪人のせいだというならば――超人的な反応速度で何度攻撃を防がれても、たからは拳を振り上げることを止めない。その愚直な迄の少女の姿に、夏介の心に広がる迷いの霧が、ゆっくりと晴れていくような気がした。
(「正直、バリアをどう突破したらいいのか、未だわからない。……エモい、とは?」)
 ――しかし、此処で立ち止まる訳にはいかないのだ。覚悟を決めて処刑人の剣を構えた夏介は、ラビットバニーの操る花の足場を見切って跳躍――しかし、回避に成功した所で転倒してしまう。
 其処でぽとりと落ちたのは――血で汚れた痕がある、小さなウサギのぬいぐるみだった。
「……こんなところで負けていたら、キミに合わせる顔がないですね」
 煤けたそのぬいぐるみを拾い、立ち上がった夏介は。人形を思わせる無機質な美貌に、ほんの微かな優しさの灯をともしたのだ。
「私は……俺は、前に進むと決めたのだから」
 そうして、ぬいぐるみの頭を優しく撫でた後、再び剣を構えて殺気を放つ――その一連の仕草に、ラビットバニーのエモみが決壊した。
「映画化待ったなしっしょ、コレは――!」
「……本気でいきます」
 ――怪人のふざけた言動にも、心惑わすことは無く。敵を睨みつける夏介は恐怖を呼び起こし、黄泉へと誘う紅の乙女が飛ばした大鎌が、ラビットバニーをその悲鳴ごと切り裂いていった。
「……たからは絶対にここで倒れません。この覚悟はあなたにも、誰にも折られません!」
 そして――接近したたからが手裏剣を放ち、ラビットバニーを更に追い詰めていく。何度防がれ、躱されようと、彼女の決意が折れることは無かったのだ。
「この拳で……全ての武器で、あなたをほろぼします!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クールナイフ・ギルクルス
【辛夷】
常に敬語

ダガーで突くも
届きませんね
攻撃を武器で流そうとするも武器を弾かれ
引き付けてる隙に得意の水魔法で水刃を飛ばすが
辺りを水浸しにするだけ
背中を合わせクスリ
外套があるので大丈夫ですよ

白に散る赤は鮮やかすぎて…
心臓に悪い冗談は言わないでください!
彼とは逆に真剣そのもの
彼の笑顔を守りたいと願うのに
何もできない自分が歯がゆくてギリッと噛みしめる
残された攻撃手段はこれしかない
首の鎖を引き切り指輪を握る
それは剣となり電流を散らす
私も主と認められてない諸刃の剣
痛みに声が漏れるが構わない
知ってました?水と雷って相性がいいんですよ
*属性攻撃で水濡れた地に咲く花散らし
叫びと共に刃を突き立てれば雷が落ちる


クラウン・メリー
【辛夷】

【常に皆をオーラ防御】

最初は俺の芸から!
火のついた棒をジャグリング、
口の中で火を消して棒を飲み込む。
どう?釘付けになった?【コミュ力】

その間にクール頼んだ!

バシャッ
俺って水も滴る良い男!(冗談)
クールに向かって
んーと、んーと「風邪ひかないでね?」
んん?これって“えもい”かな?

赤べこキャノンにはわざと当たり流血しながら「俺はまだ死ねない。使命があるから――」
わぁ、髪の毛のせいで血が映えるね?
血も滴るいい男の完成!(冗談2)

雷と共に、隙を見て火の輪で拘束。
大事な友達に怪我なんてさせない!

空を飛べば地面操られても
身動きとれるよ!
拘束したまま、黒剣で【傷口を抉る】様に切る。

痛いけど我慢してね?



 幾度となく、絶対無敵のバリアを破られた――もとい、自滅した感じもしなくもないラビットバニー。それでもカワイイ怪人の名に懸けて、彼女は再びバリアを展開して侵入者を迎え撃つ。
「さぁ、最初は俺の芸から!」
 色とりどりに咲き乱れる花の足場を、器用に渡っていく陽気なピエロは、クラウン・メリー(愉快なピエロ・f03642)。先ずはこれから、と火の点いた棒をジャグリングして、それを口の中にぱくり――火を消しつつ、棒を飲み込んで見せる。
「どう? 釘付けになった? ……その間に、クール頼んだ!」
 自慢の笑顔でにっこりポーズを決めると、クラウンが手招くクールナイフ・ギルクルス(手癖の悪い盗賊・f02662)が、花々の舞台へと躍り出た。
「はいはい、それでは……ここでひとつ」
 そう言った彼が、懐から取り出したのは諸刃のダガー。勢いよくその刃を、観客であるラビットバニーへ突き刺すも――無敵のバリアが切っ先を阻む。
「……届きませんね。おっと」
 更にダガーを繰り出すも、弾かれた得物は宙を舞って。ならば、と得意の水魔法で水の刃を飛ばそうとするが、それもクールナイフの周囲を水浸しにするだけに終わった。
「んー、俺って水も滴る良い男!」
 飛び散った水飛沫を浴びたクラウンが、冗談めかして白髪を無造作に拭い――「んーと」と少しの間考え込んでから、クールナイフの顔をそろそろと見上げる。
「んーと……『風邪ひかないでね?』」
「外套があるので大丈夫ですよ」
 ――そっと囁き、背中を合わせてくすりと笑うクールナイフとクラウン。そんなふたりの、とっておきのサーカスショウを堪能したラビットバニーは、惜しみない拍手を送った。
「わ、イケメン同士のショウ仕立てのエモ! 観客はあーしだけ! これって超ぜーたくじゃん!」
「んん? これって『えもい』かな?」
 無邪気な仕草で、小首を傾げるクラウンだったが――既に後が無いラビットバニーは、有無を言わせず赤べこキャノンをぶっ飛ばす。
「んじゃ、これがあーしからのプレゼント、ね……?」
 しかし、もうもうと立ち込める噴煙の中で、ゆらりとクラウンが立ち上がった。わざと当たった? まさか――ラビットバニーが固唾を呑んで、彼の様子を見つめていると。キャノンの直撃を受け流血をしたクラウンは、はっきりとした口調で己の意志を告げたのだ。
「俺はまだ死ねない。使命があるから――って、わぁ、髪の毛のせいで血が映えるね?」
 ――血も滴るいい男の完成! そう言って、あくまでも笑みを絶やさないクラウンの様子に、クールナイフは盛大な溜息を吐きつつ叱咤した。
「白に散る赤は、鮮やかすぎますよ……心臓に悪い冗談は言わないでください!」
 その表情は、クラウンとは逆に真剣そのものであり――ああ、彼の笑顔を守りたいと願うのに、何も出来ない自分が余りにも歯痒い。
(「……残された攻撃手段は、これしかない」)
 ぎりっと噛み締めた唇を、微かな朱が伝っていく中で、クールナイフは首の鎖を引きちぎると指輪を握りしめた。
(「私も、主と認められてない諸刃の剣――」)
 ――雷の女王が認める者以外が使用すると、彼女の逆鱗に触れる。そんな言い伝えのある指輪は忽ち剣へと変わり、電流を散らして荒れ狂う。
「……っ、うう……!」
 ――痛みに声が漏れるが、構うものか。冷静であれと自分に言い聞かせつつ、クールナイフは雷の力を制御しようと力を込めた。
「大事な友達に怪我なんてさせない!」
 そんな中――襲い掛かる花の足場を、ひらりと躱したクラウンが、火の輪を飛ばしてラビットバニーの動きを封じていく。先程のパフォーマンスのお陰で高まった身体能力は、拘束しようとする植物を次々に躱していき――その間に、剣の制御に成功したクールナイフが、女王の怒りを解き放った。
「……知ってました? 水と雷って相性がいいんですよ」
「え?」
 ――視線を落としたラビットバニーの足元には、先程の水魔法でびしょ濡れになった草花が咲いていて。
「痛いけど我慢してね?」
 にこやかに黒剣を構えたクラウンと共に、クールナイフもその刃を突き立てれば――地に咲く花を散らして、女王の怒りの雷がラビットバニーを貫いた。
「エモい、尊い……エモに包まれて逝けるなんて、超サイコーじゃぁぁん!!」

 ――それが、ラビットバニーの断末魔。エモに魅せられエモに倒された、カワイイ怪人の最期であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月17日


挿絵イラスト