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バトルオブフラワーズ⑩〜エモエモのエモ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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「みんな、お疲れ様! 戦争に動きがあったみたいだよ!」
 グリモアベース。現在そこは、キマイラフューチャーとこちらを行き来する猟兵たちでいつにない忙しさを見せていた。
 そんな中で、制服を着た女子高生、白神・杏華(普通の女子高生・f02115)は猟兵たちを労いつつ、新たな状況を告げる。
「ザ・ステージを越えたことで、敵怪人の幹部と直接戦える状態になったよ。今回みんなに戦ってもらいたいのは、カワイイ怪人『ラビットバニー』。顔は見たことあるかもしれないね」
 どこか空虚な目をしたギザギザの口のウサギの顔。その下の豊満な肉体はやけにアンバランスに映る。
「戦いの場所は花が地面代わりになってる不思議な場所でね。その足場はラビットバニーを中心に作られているから、彼女を倒さないと先には進めないの」
 だが、そのラビットバニーを倒すのはそう簡単な話ではない。
 何故なら、彼女が持つ能力はシンプルかつ最強クラスの代物。『絶対無敵バリア』というもので、文字通りにありとあらゆる攻撃を弾くバリアだ。
「すんごく強い能力だけど、一応弱点はあるよ。それは……『エモいもの』を彼女に見せること!」
 大真面目に放たれた杏華の言葉が空を切る。中にはそもそも『エモい』とは何か、と首を傾げる者もいただろう。
「エモいっていうと意味は色々あるんだけど……ラビットバニーにとっては、とりあえず男らしい熱いものとか、逆に女の子っぽいかわいいものとか、イケメンの壁ドンとか。SNSでバズりそうなものなら何でもエモさを感じるらしいよ」
 その基準は割と緩く、少々エモさを盛り込むことができればだいたいエモい認定を受けられるようだ。とはいえ、エモいものを見せてバリアを解除できても強敵は強敵。最後まで油断なく戦わなければ返り討ちにされてしまうだろう。
「多分、皆ならエモさを理解して正しく伝えられると思う。その後の戦いも含めて、頑張ってきてね!」
 杏華は頭を下げ、転送を開始した。


玄野久三郎
 玄野久三郎です。オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 戦争の幹部との戦いということでございまして、難易度は高いです。それ相応の判定をさせていただきますので、頑張ってくださいませ。
 以下は今回の戦闘ルールです。

 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 皆さんのエモいリプレイをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

荒谷・つかさ
また無茶な能力ね……エモさ、か。
やれるだけのことはやってみるわ。

まずは真っ直ぐ右腕で【螺旋鬼神拳】を叩き込みに行くわ。
当然、無敵バリアで阻まれてキャノンで反撃を喰らうでしょう。
この反撃、「勇気」を以て目を逸らさずに銃口の向きを「見切り」、左腕を武器であり盾でもあると見做して「武器受け・盾受け」技能で砲弾を防御。
加えて自身を「吹き飛ばし」て実ダメージを可能な限り抑えつつ、派手にダメージを受けたように見せかけるわ。
あとは「激痛耐性」と「気合い」で何度でも立ち上がり、届くまで何度やられても真っすぐに拳を叩き込みに行く。

私が見せるのは「不屈の闘志」と「折れない心」。
この拳……お前の心に届かせて見せる!



 荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)が降り立ったのは花畑のような空間だ。足元には白い花が大量に出現しており、それが彼女の体を支えている。
「いやー、この場所マジパないエモさっしょ! アガるわー」
 そこに響き渡る姦しい声。パシャパシャとスマートフォンで地面の花を撮影しているのは、カワイイ怪人『ラビットバニー』だ。
 そこにつかさが現れたことを悟ると、彼女は頭をぐるりとつかさに向ける。無機質なうさぎの面はピクリとも動かない。
「ラビットバニーね。その命、貰いに来たわ」
「猟兵ね! あーしの命、貰うとかムリっしょ! だって〜」
 体をくねらせているラビットバニーに対し、つかさは踏み込んだ。そして、その拳を叩き込む。岩を割り、滝を砕く螺旋鬼神拳を――
「あーしに触れるの、まずムリだから」
 ――ラビットバニーの周囲を囲むように現れた球状のバリアが受け止めた。薄い金色の光を放つそれは、予知にあった通りの絶対無敵バリアだ。
(本当に、ビクともしないわね)
 バリアの中でラビットバニーは赤べこキャノンを構え、至近距離で射出した。
(でも、私の戦いはここからよ!)
 撃ち出された弾丸から目を離さずに、つかさはそれを左腕で弾いて防いだ。弾丸が炸裂する。
「ぐっ……!」
 爆風が来ると同時に彼女は後ろに自ら飛んだ。衝撃を軽減するための策だが、それでもダメージを消しきれたとは言えない。
「まだ、まだァッ!」
「えー? マジー? 無駄無駄っしょ。わかんないかなー?」
 つかさは再び立ち上がると、右拳をラビットバニーのバリアに叩き付けた。無論、これもまた防がれ、その障壁に傷ひとつ入れることすら叶わない。
「駆けつけ一発!」
 そこに再び赤べこキャノンによる追撃が入る。彼女はこれを左腕で防ぐ。何度も何度も。防ぎ、吹き飛ばされ、つかさの左腕は煤と内出血で黒く染まっていた。
「何度やっても無駄なのに。死ぬまで続けてみるカンジー?」
「何を言おうが、私の心は折れないわ。必ずこの拳……お前の心に届かせてみせる!」
「トゥンク……なんてエモいセリフ……!」
 その瞬間、バリアが内側から弾け飛んだ。何度でも立ち上がる彼女のエモい瞬間を目撃したことで、ラビットバニーのバリアが消えたのだ。
「げっ」
「今度こそ……っ!」
「だが……無駄ァ!」
 ラビットバニーは迫り来るつかさに対し赤べこキャノンを横薙ぎに薙いだ。つかさの拳のリーチはおよそ30cm。1m近くある赤べこキャノンの砲身のほうがリーチが長い!
 つかさはこれを左腕で受けた。衝撃とともに砲身が止まる。だが、無視しがたい痛みが左腕から駆け巡る。
 これまで、何度も赤べこキャノンを左腕で受けてきた。キャノンの威力はいくらか殺しているとはいえ、そのダメージは蓄積されていく。
 それを折り込み済みで、ラビットバニーは砲身による攻撃を行った。つかさの体勢は崩れ、不安定な姿勢から右拳を放たざるを得なくなる。
「グフッ!」
 その拳は彼女の胸に突き刺さった。うさぎの面の奥から血のようなものが滴る。だが、期待していた威力とは言い難い。
 ラビットバニーの周辺に再び金の光が現れ始めるのを見て、つかさは飛び退いた。それは浅かったかもしれないが、確かに戦いの火蓋を切った最初の一撃だった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

荒谷・ひかる
(お姉ちゃん(f02032)の身に着けてた血まみれのさらしの一部を、鉢巻のように身に着ける)

あ、あなたがラビットバニーね!
お姉ちゃんにかわって、わたしがこらしめてあげるんだからっ!
(でも身体能力は一般人未満で弱いし、怖くて足がっくがく)
がんばれ、わたし……わたしだって、猟兵なんだからっ!
(お姉ちゃんのさらしを握り、自分自身を「鼓舞」し、【転身・精霊寵姫】を発動)

変身後、初手は光の精霊さんの力を束ねたレーザーで攻撃。
その後は飛行状態に移行、火と風の精霊さんの力で「炎の竜巻」を作り出して襲ってくる花の足場ごと攻撃するよ。
直接飛び掛かってくるなら魔法障壁を何重にも重ねて防御しつつ、出来るだけ逃げる!



 白い花の足場の中に混じるように、何かが落ちている。それを荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)が拾った。
 それは、彼女の姉であるつかさが身につけていたさらしの一部だ。激戦を物語るように、それは血に塗れている。
 決意を込めて、彼女はそれを強く握った。そして、その血を生んだオブリビオンに指先を向ける。
「あ、あなたがラビットバニーね! お姉ちゃんにかわって、わたしがこらしめてあげるんだからっ!」
「……へェ……?」
 ゆらり、とラビットバニーが動き出す。なんの感情も見えない兎の面の下より、グラデーションがかった緑の髪が不気味に揺れる。
「あーし、誰が相手でも容赦とかしないから。ロリもショタも、猟兵は皆殺しよ〜ん!」
 明るい声色と雰囲気に反し、ラビットバニーから放たれる冷たい殺気はひかるにも痛いほどに理解できた。
 彼女の中に恐怖心が渦巻き、足が震える――だが、つかさは手にした血塗れのさらしを鉢巻のように自らの額に巻いた。
「がんばれ、わたし……わたしだって、猟兵なんだからっ!」
 覚悟の瞳がラビットバニーにまっすぐ向けられる。すると、ラビットバニーはその場に膝をつき自らのバリアを弾き飛ばした。
「激エモ……! 姉の意志を継ぐ妹って感じ……! 無力な自分を変えるための装い……! あと鉢巻っていいよね……いい……」
 何事か感極まってラビットバニーはブツブツ呟いている。よくわからないが、ひかるはその隙に自らに精霊の力を纏わせ変身を行った。
 和服から魔法少女然とした格好に変わったひかるは、項垂れているラビットバニーに光のレーザー攻撃を放つ。
「おっと、でもそうはいかないよん」
 ラビットバニーはその瞬間に機敏に立ち上がり、そのレーザーを掌で受け止めた。その手は真っ黒に焦げる。
「アジィ!! やってくれんじゃん! けど最初に言った通り、あーし猟兵には容赦しないから!」
 ラビットバニーは両手の指先からビームを地面に放つ。それが花の足場に命中するやいなや、ひかるの足元の花が一斉に引いていった。
「奈落の底へ、一名様ご案内〜! ……って、アレアレ?」
 しかし、ひかるの体は変わらずにそこにある。足場が消えていても、その場に飛行して留まっているのだ。
「魔法少女は飛べるもの、だよっ!」
「たしかに」
 すかさず、ひかるは炎の竜巻を作り出しラビットバニーに向かわせた。ラビットバニーは花の足場を隆起させそれを受けようとするが、相性が悪い。
 花は尽く炎で焼かれ、風に飛ばされ……盾がなくなった先にあるのはラビットバニーの本体だ。
「ゲェーー!」
 その体が炎に包まれると、彼女はヒキガエルのような悲鳴を上げる。この強敵に与えた貴重なダメージは、姉妹二人で引き出したものだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハルカ・ラグランジュ
心を揺さぶる事こそがアートの力。
アーティストの端くれとして、負ける訳にはいかないわね。

ステージ全体が花で埋め尽くされているなら都合がいいわ。
花の美しさ、儚さを歌と踊りで表現しましょう(歌唱/ダンス/パフォーマンス)。
さらにUC「散るが故に」で花びらを舞わせて、散りゆく花の美しさを伝えるわ。

もちろんこれは、攻撃のためでもあるの。
ダンスと舞い踊る花びらに紛れてラビットバニーに接近。ユーベルコードの射程内に収めておけば、バリアが解除された瞬間攻撃を当てられるでしょう?

動きを封じ来たら、全力の風魔法で飛んで一気に距離を詰めるわね(全力魔法/属性攻撃)。

※アドリブ・連携歓迎



 ハルカ・ラグランジュ(人間のサウンドソルジャー・f17426)は咲き誇る花の足場に降り立つ。
 白い花弁が地面となり、一歩歩くごとに舞い上がる。その足場の中心には、金のオーラ球に包まれたラビットバニーの姿があった。
「美しい場所ね。オブリビオンがいなければ、だけど」
「ウフフ。あーしもそう思うわ。猟兵がいなければ、最高にエモい場所よね」
 無機質なウサギの目とハルカの視線がバチリとぶつかる。オブリビオンの殺気が膨らんでいく。
「そうでもないわ。心を揺さぶる事こそがアートの力。アーティストの端くれとして……敵であろうと、その心は揺らしてみせる」
 そして、勝利する。自信に満ちた言葉と共に、ハルカは透き通る声で歌い始めた。悲しげであり、アップテンポでもある歌を。やがて彼女の体が揺れ、踊りとなっていく。
「ほう……」
 そのハルカの踊りを盛り立てるように、白い花弁が彼女の周りを舞った。踊りと曲調は、花の発芽を示すように情熱的な熱を帯び始める。
「なかなかのエモ! 限りある生命の儚さが感じられるわ。エモポイント、プラス四万点」
 拍手するラビットバニーの周囲からバリアが消える。あと少しだ。あと少し近付けば、ハルカはユーベルコードの射程内に入る。踊りながら彼女は距離を詰めた。
「――でもねぇ、もうあーし知ってんのよ。今アンタ、自分の武器を花びらにしてこの中に混ぜたでしょう?」
 突如拍手が止み、ラビットバニーの声色は氷のような冷たさを帯びる。同時に、灼熱の如き殺意も。
「……っ!」
「確かにこの足場の中に花弁の武器を混ぜられたら厄介だわ〜。さすがのあーしといえど、これは見分けられない……どうしよっかな〜!」
 ラビットバニーが頭を抱える隙に、ハルカは駆け出した。同時にバニーの指先から光が迸り、ハルカの足が空を切る。
 彼女の視界には、青く広がるシステムフラワーズの空間の穴だけが見えていた。足場の花は、ラビットバニーが立つためのごく僅かな物以外、すべて端に寄せられていたのだ。
 やむを得ず、彼女は自らに風の魔法をぶつけて浮遊、そのまま敵に突撃した。武器となる花弁が渦を巻き、ドリルのように彼女の右手を包む。
「無駄ァ!」
 しかし、足場を奪われたその突撃は直線にならざるを得ない。バニーはハルカの花弁を首に受けつつも、これを皮一枚の出血で済ませ、反撃に彼女の首筋に手刀を叩き込んだ。
「がっ……!」
 途切れそうになる意識を必死に繋ぎ、ハルカは武器の花弁を素早く移動させ足場とした。何とか落下を免れた彼女は、自らの首筋から流れる血を無言で拭うラビットバニーの姿を見た。
「見て見て! あーしの姿エモくない? 血まみれうさちゃんじゃ〜ん!」
「く……」
 そのまま自撮りを始めた敵の姿を見やりながら、ハルカは一旦後退した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

宮前・紅
【Da capo al finЁ】で参加
●先制攻撃の対処
Tillie!大きくなって(武器改造+拠点防御)赤べこキャノンを防いで!
Elsie!蒼くんの元に!何かあったらよろしく(かばう)

●エモい?
蒼くんより俺が先行して行くよ
UCを使うと敵味方関係なく襲っちゃうからこれはあんまり使いたくないんだけど……これしかない、よね
案の定、蒼くんに当たって、味方を傷付けてしまうと思う

精々、利用しなよ──蒼くん

無駄にしないでよね

際限なく暴れまわってもきっとラビットバニーには、俺の攻撃は効かない
蒼くんが、攻撃の一手をラビットバニーにしてくれる、きっと

解除されたら、そのまま攻撃していくよ

相棒───俺のことよろしくね


戎崎・蒼
【Da capo al finЁ】で参加
さて、僕が使う技がSPDだから相手は反応速度が上昇する筈。紅が庇う感じではあるけど、POW攻撃なら僕も相殺する気概で銃で撃とうか。(クイックドロウ+スナイパー)

●エモい?
この作戦は、本当は僕も使用したしたくはない。それはあのUCを使う紅も同じだと思う。

大丈夫僕が制御してみせる。

相棒だからこその信頼関係ではあるけれど、なに分二人とも自分本位。決して譲歩しない。
……現に僕は彼を利用しようとしている。

さぁ、僕を殺せよ。──相棒。

そう。UCで制御出来なくなった彼の技を食らって斃死する。そして自分のUCを発動させる…これが目的だ。

君を利用させて貰うよ、紅。



 ゆらりと佇むラビットバニーに新たに相対したのは宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)と戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)だ。二人の姿を認めると、バニーは滴る血を振り払い、金色のバリアを展開した。
「絵になる二人組キターーーッ! でも殺すわね! さいなら!」
 高いテンションの奇声に反して彼女のバリアに揺らぎはない。赤べこキャノンを正確に構え、バリアの中から二人に発射した。
「Tillie! 大きくなって赤べこキャノンを防いで!」
 そう叫んだ紅の前に現れたのは人形だ。手で持てる大きさであったはずのそれは風船のようにみるみる膨らみ、巨大な盾となる。
「Elsie! 蒼くんの元に!」
 もう一つの人形Elsieは蒼の元へ向かい、その眼前で腕を広げた。
 蒼はそんなElsieの後ろから、放たれた二発の赤べこキャノンの弾頭を視認した。すかさず放たれた銃弾は、キャノンが人形に直撃する寸前で弾の信管を破壊した。
 爆発が起こる。人形たちの防御を吹き飛ばす程の威力の爆発により、辺りの花びらが激しく散る。あと数センチ――つまり、人形に直撃する形で爆発していたら、その後ろにいた彼らも並々ならぬダメージを負っていただろう。
「ナイス蒼くん! しかし、やっぱり……これしかないか」
「気にするな。大丈夫、僕が制御してみせる」
 最低限の言葉のやり取りだけで、紅は小さく頷く。そして、悍ましいユーベルコードを発動させた。
 彼の瞳に狂気が宿る。周囲の人形はどれも血に塗れた兎頭に変わっていく。
「0|0O0o0_0`0n0F0U0N0`0!!」
 そしてそれらは、猛然とラビットバニーに襲いかかった。三六○度、球状のバリアを包むように、人形と紅が攻撃を繰り返す。
 並のオブリビオンであれば一分と保たないであろう猛攻。……だが。
「んー、素晴らしい威力ね! 那由多の時をそれに専念すれば、あーしのバリアにヒビの一つでも入るかも♪」
 だが、ラビットバニーのバリアは絶対無敵。言葉通り、傷ひとつ入る様子がない。
「ガアァァッ!」
「無駄無駄無駄無駄! このバリアは、ダイヤだろうとゆるふわパンケーキに思えるくらいの強度なんだから。絶対に……破れることはない」
 そして、彼女は再び赤べこキャノンを構える。今度は至近距離で、庇う人形もいない。
「紅、危ない!」
 蒼はそんな紅に駆け寄る。正気を失った紅にはそれも敵に見えたのだろうか。彼は、鋭く変化した爪で蒼の胸元を切り裂いた。
「ぐ……!」
「ウヒョウ! まさかの展開じゃん!」
 ラビットバニーが赤べこキャノンを下げ、その顛末を見守る。蒼は大量の出血とともに体勢を崩された。
「さぁ、僕を殺せよ。──相棒」
 そう言い放った彼に、兎頭の人形が襲いかかる。出血した胸元に腕が突き刺された。
「うっ、あ……蒼?」
 紅は正気を取り戻し、瀕死状態の蒼を見た。言葉は失われ……ラビットバニーは、大きな拍手とともにバリアを弾き飛ばす。
「エモい……! 一緒に来た相棒を暴走して殺しちゃって、アンタは今何を思うのかしら!? 覚醒の予兆じゃん! 良い場面!」
 盛り上がるラビットバニーに対し、紅は幾分か冷静であった。確かに、ユーベルコードの暴走で相棒を殺したが――それはもとより、織り込み済みのこと。
 蒼の体から、ひとりでに大量の銃が空中にばらまかれる。それは環状に広がりながらラビットバニーを包囲した。
「は? ナニ!?」
「……放て」
 死に体の蒼が呟くと、それらの銃はバリアのなくなったラビットバニーに一斉に襲いかかった。
 バニーはウサギ面の目を光らせ、いくらかの弾丸を回避し掴み取るが、飽和攻撃に対抗する手段はない。
「ぐあぁぁッ……!」
 避けきれなかった弾丸の嵐の中から思わず飛び出し、ラビットバニーは大きく距離を取った。
 今ならば……。紅は死にかけている蒼を引き摺り、敵から一旦退避した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

華奈月・里恵と未亜
はじめてのお仕事で、とても強い敵、わたしだけじゃ敵わない…けど…!
それでも、みゃー「たち」ならきっと勝てるはずよ!

まず、敵の正面からはみゃーが突撃するわ!みゃーが【楽器演奏】をしながら【残像】が出るほどの速さで走って気を引いて、それで相手はみゃーだけ、と思わせるわ。

「…もちろん1人じゃ敵わないって分かってるわ。…だからみゃーは『信じてる』、嫌になる程ずっと一緒にいる『わたし』をね!」

未亜に意識が行った所で、別方向から近付いてたわたしの【だまし討ち】なのっ。

「わたし『達』は切れない絆で繋がってる…ハンパな思いじゃ、断ち切れないのっ!」

後は纏めて攻撃を喰らわないように2人で動きながら攻撃するのっ。



(はじめてのお仕事で、とても強い敵、わたしだけじゃ敵わない……けど……!)
 華奈月・里恵は胸に拳を当て、舞い散る花の中心にいるラビットバニーを見据えた。そして、声が響く。
(それでも、みゃー「たち」ならきっと勝てるはずよ!)
 華奈月・未亜。彼女に宿るもう一つの精神。華奈月・里恵と未亜(団体様1名・f02702)はユーベルコードにより密かに分離する。まず、未亜が飛び出した。
「こっちよ! オブリビオン!」
「ああん?」
 ラビットバニーが未亜に気付く。自身に意識が移ったのを見て、彼女はシンバルをホログラムで投影し、叩きつけた。
 ドジャンドジャンとけたたましい音が鳴り響き、ラビットバニーは面の上から頭を抱えた。
「うるせーーーッ! あーしシンバル嫌いなのよ! エモさの欠片もない音だわ!」
「ふん! これも立派な楽器よ!」
 ラビットバニーの無機質な目が青く光る。かと思えば……すでに彼女の体は、未亜の目の前にあった。
「なっ……」
「ファッキューシンバル奏者! そしてグッバイ!」
 薙ぎ蹴りが未亜を襲い、彼女は辛うじてこれをシンバルで防ぐ。ホログラムの盾は脆くも崩れ去り、受けた衝撃はほとんどが直接未亜に伝わった。
「ぐぅ!」
「無駄無駄! アンタじゃこのあーしには勝てようはずもないわ!」
 体幹を崩された未亜に、ラビットバニーは前蹴りで追撃を試みる。鍛えられたその一撃は弾丸とさして変わりない。受ければ未亜は……。
「……もちろん1人じゃ敵わないって分かってるわ。……だからみゃーは『信じてる』、嫌になる程ずっと一緒にいる『わたし』をね!」
「ん……?」
 そのラビットバニーの背後より、分かれていた里恵が急襲した。そのバリアめがけて銃を突き付け、

苦戦 🔵​🔴​🔴​


 引き金を引いた。ガンガンと、高く響く音が鳴る。
「わたし『達』は切れない絆で繋がってる……ハンパな思いじゃ、断ち切れないのっ!」
 多重人格。本来ならば一つの体に収まった二つの人格。互いを知るからこその連携がラビットバニーを襲った。――だが。
「んー……惜しい……いや、実にエモいのだけどね」
 バラリとバリアが解けるように砕け、それに止められていた弾丸が花の中に落ちる。
「一足遅かった……あるいは一足早かったわね。アンタらは、エモさのために奇襲の優位性を今! 失ったわ」
 二人の関係性、互いの信頼。それはラビットバニーの心を打ったが、同時に里恵の存在が露呈したことに他ならない。
 光る目を里恵に向けるラビットバニーに、未亜が懐から取り出した銃で射撃。
「おっと! まぁ二人って時点で厄介ではあるんだけどね〜!」
 その奇襲もまた、ギリギリで躱されてしまう。異様な反応速度と精度を誇る難敵を相手に、二人は攻めあぐねた。
 二人は同時に攻撃を喰らわぬよう距離を取りつつ、銃撃で少しずつラビットバニーの体力を削る。しかし、それはいずれも致命傷にはならず、同時に逃げる二人のスタミナを浪費させていく。
「あ〜あ、ウサちゃんカンフーも楽じゃないわね! 疲れてきちゃった〜」
 そう言いながら肩を回すラビットバニーの周囲に金色の薄膜が蘇り始めていた。
「未亜……」
「時間、切れね」
 バリアの復活は、ラビットバニーの無敵性の再現を意味していた。未亜は一度里恵の体の中に戻り、再び一人となった二人は一時撤退を選択した。
虻須・志郎
アドリブ連携歓迎

エモ――
よく分からんが、心理的動揺を誘うんだな

痛みは耐えて前進し
おい姉ちゃん、どうせバリアで効かねえんだろ
動くなよ、凄ぇ花火を見せてやる

喋りつつ催眠時計に判断を狂わせる波長を混ぜ
ミラーボール風の光の演出を

その裏で内蔵無限紡績兵装のロープワークで
綺麗な火柱が立つ火薬入りロープの罠を仕掛け

最後に光子魚雷をバニー目掛けて発射
弾頭に冒涜的な気配を混ぜたド派手な花火
花から始まり次々に火球が変わり
最後はウサギみたいな可愛らしい絵柄になる
これも心の鍵開け、破壊工作だ

花の足場も邪神の気配に侵されれば自在には出来まい
バリアが開いたら咄嗟に捨て身で殴って命を喰らうぜ
その瞬間の見極めに全てを賭けて!



 エモの解釈とは人それぞれ。誰かにとってもエモは誰かにとっての害であるかもしれない。
 虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)はその解釈を「心理的動揺を誘う」とした。その為に、彼は腕時計に内蔵された装置を動かす。
「おい姉ちゃん、どうせバリアで効かねえんだろ。ならその場から動くなよ、凄ぇ花火を見せてやる」
「ふーん、マジ? じゃあ見せてもらおうじゃん。つまんなかったらボッシュートすっからね」
 そう言ってラビットバニーは指先を光らせた。それが放たれれば足元の花は自在に動き、志郎をこの場から落とすことも可能だ。
 そうならないために、志郎は腕時計から光を放つ。ミラーボールのような七色の光が花の広場に放たれる。
「ほーう、なかなか綺麗じゃん。でもエモくはないわね」
「まぁ待ってろ。ここからが本番だ」
 光の裏で密かに火薬入りのロープを花の中に這わせていた志郎は、それらに着火。ラビットバニーを派手な火柱が取り囲む。
「特等席だ。しっかり見とけ!」
 そして、彼はさらに光子魚雷を発射した。それはラビットバニーのバリアに直撃するとその場で花の形の火を描き出す。
 次々に襲いかかる魚雷は、バリアにぶつかり花火として花開く。その最後に、ラビットバニーを思わせるウサギ型の花火が弾けた。
「……花火はこれで終わりだ。どうだ?」
 その答えを聞く前に、彼女のバリアが消える。
「ウム……良かったわ……そもそも花火ってエモいわよね……」
 手を叩くラビットバニー。その瞬間を観測し、志郎は駆けた。あとはとにかく、殴るのみだ。
 それを見越した彼女は指先からビームを放つ。彼の足を止めるためのものだが、しかし、そのビームが直撃しても花の足場は動かなかった。
「何……!?」
 その花はどこか変色し、あるいは変形し、冒涜的なものに成り果てていた。花火は本来、邪神の気配を宿したものだったのだ。
「オラァッ!」
「チッ……無駄ッ!」
 志郎の拳を辛うじてラビットバニーが弾く。ウサちゃんカンフーモードを起動する隙を志郎は与えなかった。結果、ラビットバニーは素の能力だけで彼と渡り合うこととなる。
 とはいえ、それは志郎も同様。彼の殴りはユーベルコードを使ったものではない。此処から先は奇跡も能力もなく、ただ鍛えた力で戦うだけだ。
 志郎の拳がうさぎの面に直撃する。即座にふらつきから立ち直ったラビットバニーが彼の心臓部に突きを放つ。
 彼は防御も回避もしなかった。それに浪費している体力すら惜しかった。ラビットバニーも同じく、一刻も早く目の前の猟兵を動けなくするべくひたすらに拳を振るう。
「ガハッ……!」
 辺りに小雨のような血が舞う中、先に限界を迎えたのは――ラビットバニーであった。膝をつき、倒れこむ。
 これまで猟兵たちが蓄積させたダメージが勝敗を分けた。志郎も体力を使い果たし、その場に座り込む。
「まだ……たとえ、あーしが倒れても、ウィンドゼファーが……必ず、ドンをお守り……」
 その言葉を最後に、ラビットバニーは消滅した。後には、風に流れる花びらたちが残されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月20日


挿絵イラスト