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バトルオブフラワーズ⑦〜繰ル苦ル狂イ咲ク

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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 ――其は別れた悲劇……。
 永遠に会えぬ二人の手を。今宵、取り合い。
 嗚呼、その唇に想いの詩を乗せて。
 君に届くよう、赤き調べを奏で。美しき指先、なぞる毒の杯。
 我が嘆き、我が愛。
 神に引き裂かれようとも、抗い、穿て。
 はらり、はらりと。
 此処に薔薇の契り、千年の約束を――。
 繰ル苦ルト狂イ咲ク――ソノ歌デ。

●倒錯の歌
 キマイラフューチャーが割れた、この悲劇の最中、行われる愉快な――否、決して愉快では無いのだが、そうも見える戦争。
 これはその戦端のひとつ。
 ひとつなのだが――。
「こちらはザ・サウンドステージ、唱いながら戦ってくださいませ」
 そうでなければ攻撃は通ることはございません。
 アム・ニュイロワ(鉄線花の剣・f07827)は淡々と言った。見事な抑制、感情など壱ミリも挟まない徹底ぶりだ。
 このステージは『パッショネイトソング』で自らを奮い立たせ、秘めた想いを吐露することでより強化されるというもの。
「立ち塞がるのは、暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』なる敵でございます。倒錯の歌で魅了なされば、攻撃が通じるとのことでございますれば……」
 本体はダークヒーローマスク「ロード・リップ」――猫耳のイケメンキマイラが好き、という本人の嗜好もあるのだが、今回は関係ない。兎に角、独自の世界展開があれば圧倒できる――アムは瞑目し、こう付け足す。
「皆様が吐露せねばらないのは情熱。自ら隠した……或いは常に吐露している『ぽえむ力』であると、わたくしの第六感が囁いているのでございます」
 妙に自信満々に言い切って、有無を言わさず――猟兵達をステージへと転送しようとするのであった。


黒塚婁
 どうも、作詞の才能は無いな、と中二で悟った黒塚です。
 ネタ依頼です。
 冒頭は私も深く考えていません。

 バトルよりも皆様の歌が肝要であります。
 素晴らしい世界観を叩き込んでやれば彼女は自ずとK.O.されます。
 演出力よりは言葉の力で殴ってくださいまし。
 4人まで、心が赴く儘に奏でた者に送りませう――。

 つまり響き渡ればいいのさ。
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第1章 ボス戦 『暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』』

POW   :    魂を蝕む触手の群れ
【暗黒面 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【蠢く蒼の触手のかたまり】から、高命中力の【魂を蝕む触手の一撃】を飛ばす。
SPD   :    シンクロ・ザ・ネメシス
【暗黒面の感情で塗潰す事により支配した 】【一般人のイケメンな猫耳キマイラ男子の体に】【斬裂の支配者 ロード・リッパーの身体能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    次はどんな子にしようかなぁ?猫耳は外せないよね。
対象のユーベルコードに対し【支配していたイケメンな猫耳キマイラ 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:夜月蓮華

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はティアー・ロードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ショコラッタ・ハロー
産み堕とされた荒野の情景は
今も月無き夜毎に脳裏に浮かぶ
其れが僕<おれ>の運命だと
其れが僕<おれ>の未来だと
貌も知らぬ聖母は囁いて


嗚呼
閃く刃が求めるものは
熱き血 腐った臓腑<なかみ> 君のココロ
どうぞ涙を見せて chat noir

僕<おれ>たちは今
紅色の海をゆく 荒野に背を睨まれたまま
幾星霜の刻を揺蕩う 哀れな受難者<スケープゴート>
嗤え
貌も知らぬ聖母を切り裂いて
いま再び産まれ変わろう

※リピート

僕<おれ>たちは今
紅色の空をゆく 鉄路に身を横たえたまま
迫り来る刻を嘆く 孤独の救済者<ユーサネイジア>
謳え
貌も知らぬ仔猫を切り裂いて
いま再び産まれ変わろう

(と、歌いながらロックに暴れまわっている)


ユエ・イブリス
※歌はうたいませんがぽえむ力を駆使
※ユーベルコードは背景または演出に使用

いと高き蒼穹の乙女よ
その類稀なる美をなんと讃えよう

ヴェールに煌めかせるは明け星の瞬き
世の眠りをさます暁の光
ひと刷けの雲を薄紅に染め上げる
其の様は永久に留め置きたき少女のごとき

高く澄みわたる青きその姿
春の慈愛
夏の苛烈
秋の豊饒
冬の峻烈
我が心をとらえ離さぬ気まぐれよ

宵の星髪に飾り
眠りの神すら従え千夜も一夜の夢
我は君の虜 我が心君に捧げん

意訳:
明け方の空は可憐な少女のようだ
四季折々の昼の空は気まぐれな乙女
満天の星空は最高の美女と思わないか?


……これくらいならば朝飯前だが
何か言いたいことはあるかい?(微笑)



●chat noir

 産み堕とされた荒野の情景は
 今も月無き夜毎に脳裏に浮かぶ
 其れが僕<おれ>の運命だと
 其れが僕<おれ>の未来だと
 貌も知らぬ聖母は囁いて


 灰の双眸、ショコラッタ・ハローの眼差しは、真っ直ぐ斬裂の支配者ロード・リッパー――否、哀れなる犠牲者に貼り付いた面へ注がれた。
 儘、彼女の色の薄い唇から紡がれる、静かな旋律。
 其の詩――彼女の背後に暗闇と乾いた荒野が幻視する。
 寂寥を描いたような赤土の大地に、ひとり立つ孤独な少女が鮮烈に叫んだ。


 嗚呼
 閃く刃が求めるものは
 熱き血 腐った臓腑<なかみ> 君のココロ
 どうぞ涙を見せて chat noir

 僕<おれ>たちは今
 紅色の海をゆく 荒野に背を睨まれたまま
 幾星霜の刻を揺蕩う 哀れな受難者<スケープゴート>
 嗤え
 貌も知らぬ聖母を切り裂いて
 いま再び産まれ変わろう


 謳いながら――正面に掲げられた実直な二振りの短剣が、現実に煌めく。
 聖なるものへの供物となるように、深く沈み込んだ体勢。繊細な少女の身体がひらり、舞う。
 捨て猫が、気丈に毛を逆立て、爪を立てるように。
 身を守ろうとも、反撃しようとも、幻は掴めない。
 彼女は激しい旋律に詞を乗せて躍動する。伸ばした腕の先、短剣が風を切る。舞踏が如く優雅に――かたや自暴自棄が如く、荒々しく。
 虚構の殺陣などではない、本物の荒れ狂う嵐。
 そして、繰り返される、魂の叫び。
 嗚呼、と。熱を帯び、掠れた声が本格的にシャウトする。


 嗚呼
 閃く刃が求めるものは
 熱き血 腐った臓腑<なかみ> 君のココロ
 どうぞ涙を見せて chat noir


 純白のドレスを翻し、拳を突き上げ、自由に振るわれる手足は、ダンスよりも優美。
 血を浴びて美しく彼女は輝く。
 仮面の向こう、滂沱と血の泪が伝う。
 さながら荒野を切り拓いていく美しき獣。
 その命を奪い去りたいと微笑み、光る刃を滑り込ませる。

●Ciel etoile
 一切の暗闇の世界。
 スポットライトが、ユエ・イブリスの姿だけを浮き上がらせる。
 否、それは炎。背で緩やかに揺れる炎の風。
 ふわり浮かび上がる薄翅が煌めく。
 幻想の炎を背に、彼は朗々と歌いあげる。

『――いと高き蒼穹の乙女よ
 その類稀なる美をなんと讃えよう

 ヴェールに煌めかせるは明け星の瞬き
 世の眠りをさます暁の光
 ひと刷けの雲を薄紅に染め上げる
 其の様は永久に留め置きたき少女のごとき』

 ユエがすっと、息を吐く。
 彼の小さな呼気は微かなものだ。
 然し、其れを合図に炎が消えた。
 須臾の静寂。
 気配すら感じさせぬ暗黒の世界に、斬裂の支配者ロード・リッパーだけが取り残された。
 喉の奥を締め付けるような沈黙――眩耀と、雷が弾ける。

『――高く澄みわたる青きその姿
 春の慈愛
 夏の苛烈
 秋の豊饒
 冬の峻烈
 我が心をとらえ離さぬ気まぐれよ

 宵の星髪に飾り
 眠りの神すら従え千夜も一夜の夢
 我は君の虜 我が心君に捧げん』

 白い睫が瞬いて、掌を前へと差し出し、捧げる穏やかなる詩。
 旋律は無い。堂々たる詩人は己の声で場を圧倒する。
 褒め称えるは星昊を。
 乙女と見立てて堂と吟じ、氷を瞬かせる穏やかな風で作り上げた銀河の下で彼は優雅に一礼すると、端麗なる微笑みを浮かべて其れをただじっと見つめる。
 その有り様が幽玄ならば、詩もまた幽玄。
 なれば恥じることなどあろうか――その瞳は濡れた宝石のように耀いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

烏丸・千景
ほぉん、歌、ねぇ
通じなければ戦えない、となれば、ま、歌うのが筋か

(ネクタイを緩めつつ歌い出し、手を差し出し歌い

去りし日々に 悠久の闇に こぼれる雫
君を抱きしめたいのに 届かぬ想い
(ここで絶望の福音を使用)(意味はない

この身は裂かれ《血の花が咲き》千に刻まれ《穢れて》
届け意思よ《薔薇の天使》いばらの道に《尽き果てても》

(ここで聖痕を握りしめつつ眼鏡を外し)

偽りの幻想に《君を求め》至純の想いで《穢れた胸に》
死滅の闇に《身を焦がしても》君を求める《血の契りを》

(身を抱きしめつつ歌い

て、さぁてどうだろうねぇ?
うんうん、たまぁに解き放つのも良いかもってことで
さぁて、あとは鎖で繋いであげよう


アレンジ歓迎



●Ange de la rose
 零れた吐息は、周囲の様子を探るように。
 されどこの空気は嫌いではないと――烏丸・千景がネクタイを緩め、何処かへと手を差し伸べる。
 眼鏡の奥、彼の眼差しは憂いを帯び、艶めいていた。


 去りし日々に 悠久の闇に こぼれる雫
 君を抱きしめたいのに 届かぬ想い


 突如、何か予感を得たように――、彼は顔を上げると、数歩分の距離をとった。
 足元に脈絡もなく刺さる敵のナイフ。
 その予感の名は――絶望の福音。
 胸に鎖を抱いて、彼は首を振った。ゆっくりと。まるで深く苦悩するように。
 ああ――けれどその様子すら、一枚の画のように。淀みなく彼は歌い続ける。


 この身は裂かれ《血の花が咲き》千に刻まれ《穢れて》
 届け意思よ《薔薇の天使》いばらの道に《尽き果てても》


 伸び上がる声。旋律は緊張を帯び、ひとりで唱っているのにもかかわらず、何処か重複して響く。
 鮮血の如き真っ赤な薔薇が、いくつも背後に浮かび上がり――無惨に花弁を散らしていく幻視があった。
 重ね奏でる詩に合わせ、千景は聖痕を握りしめると、眼鏡を外した。
 いよいよその視線が切なげに――何かを訴えるように、こちらを貫く。


 偽りの幻想に《君を求め》至純の想いで《穢れた胸に》
 死滅の闇に《身を焦がしても》君を求める《血の契りを》


 手を伸ばし、引き戻し。
 そして、自身を掻き抱く――暗闇に、ひらひらと黒い羽が落ちてくるような光景が見えるようだ。
 じゃらり、と鎖の音がした。
 彼に戯れるように巻き付いていた――巻き付けていたそれが、瞬時に解き放たれると、意志を持つように前へと伸びる。


 偽りの幻想に《君を求め》至純の想いで《穢れた胸に》
 死滅の闇に《身を焦がしても》君を求める《血の契りを》


 再度繰り返す。求めるのは、血だと。歌う通りに銀の鎖が戦場を縦断する。
 宝石が煌めき、相手の頚元へ。
 しゃらり、しゃらりとその時を待ち侘びて、揺れて歌った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロータス・プンダリーカ

遥か彼方より 帰還の時は来た
荒れ狂いし海神(わだつみ)の声と共に
生まれ出ずる水源(みなもと)へと

陰より紅き宝玉
陽より白き命水
二つが巡り逢った時
小さな灯火が流れに浮かぶ

母なる海よ 受け止めて
か弱き火は大海原に何を求める
神が定めた道筋に 逆らうことすら知らぬまま
子供は大人になるがため 旅立ちの時を迎える

やがてその身に銀色の光を宿し
彼らは故郷(ここ)に戻る
刻まれし宿命(さだめ)は道標
命を賭して命を繋ぐ その為だけに

看取られることもなく
悼まれることもなく
骸は流れの中に消えゆく
ただ本能という運命に弄ばれて――


無駄に壮大にボクの好きなモノについて詠ってみたにゃ。
(※好きなもの=しゃけ。)



●Chanson de Mite

 遥か彼方より 帰還の時は来た
 荒れ狂いし海神(わだつみ)の声と共に
 生まれ出ずる水源(みなもと)へと


 毛並みを艶やと靡かせ、尻尾を立てて。
 濡れた赤茶の鼻をくんと動かすと、ロータス・プンダリーカは荘厳に歌い出す。
 金色の瞳は妙にきらきらと輝き、自信に満ちている。


 陰より紅き宝玉
 陽より白き命水
 二つが巡り逢った時
 小さな灯火が流れに浮かぶ


 赤と白のビームが走る。
 ロータスの手に収まる愛銃が、凄まじい早さで光線を放つ。
 明滅するような光の束が、彼の横顔を浮き上がらせた。
 彼が歌うは生命。彼が夢想するは銀鱗の美しき雄志。


 母なる海よ 受け止めて
 か弱き火は大海原に何を求める
 神が定めた道筋に 逆らうことすら知らぬまま
 子供は大人になるがため 旅立ちの時を迎える

 やがてその身に銀色の光を宿し
 彼らは故郷(ここ)に戻る
 刻まれし宿命(さだめ)は道標
 命を賭して命を繋ぐ その為だけに


 今、まさしく。
 銀色の肌が水面に跳ねてきらりと耀く幻が、彼の頭上で躍動した。
 大きく広げた腕。海原を示すような身体の揺らぎ。
 そして、ロータスは何処か恍惚とした表情で、天に両手を突き上げ、その宿命を讃える。
 荘厳と、強く生きる彼らを歌う。
 だがふと、その旋律が転調する。憂いを帯びた琥珀の視線が、斬裂の支配者ロード・リッパーを貫く。


 看取られることもなく
 悼まれることもなく
 骸は流れの中に消えゆく
 ただ本能という運命に弄ばれて――


 切ない声音。差し出した肉球に、吐息を零す。
 苦悩に首を振りながら、銃口を向ける。きらり、と光った瞬間に。
 大海原を思わせる青い光線が走る。
 銀の光がその表面で煌めいている――泳ぎ跳ねる、鮭の群れの如く。
 壮大と語られたその生涯で彼らの胸を撃ち抜くのだ。

●Fin
 猟兵達の歌った世界。
 孤独な黒猫、美しき星空、茨の天使、そして鮭――。
 彼らの紡いだ詩の力は、力ある、ことばの奔流。
 共に刻まれた攻撃が仮面を少しずつ打ち砕いていき、支配されていた哀れなる傀儡は――仮面に魅入られる理由となった端麗な顔に、一筋の泪を流しながら、感謝の言葉を音も無く告げ、灰燼と消えていく。
 余韻と残る旋律は其れを骸の海へと送る葬送曲――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月18日


挿絵イラスト