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我が結構なお点前をくらえ!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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 カコン、と石を竹が打つ音が響く。涼やかな水音がしばし続き、再び竹が石を打つ。
 ししおどしが設置された庭、木製の縁側、畳敷きの部屋。それは一見して、サムライエンパイアのどこかであるようにも見えた。
 しかし、その畳の部屋にいるのは様々な動物が入り混じった人型のキマイラの子供たちと……やたらと体が大きい、額にハートマークを付けたリスであった。
「お菓子をどうぞ」
 リスは茶碗に入った湯と茶の粉をハンドミキサーで爆音とともにかき混ぜながら、お菓子の入ったお盆を子供たちの方に滑らせて渡した。
 お菓子の中身は和菓子の類ではなく、カラフルな飴やチョコ菓子である。本来お茶に合うものではないが、子供たちは大喜びであった。各々、好みの菓子を一つ掴んで手元の和紙に乗せる。
「よーし、まぁ、うん……こんなもんだろ多分」
 お客様に聞かれてはならなそうな呟きとともにハンドミキサーの音が止む。茶碗を人数分お盆に乗せたリスは順番にそれをキマイラたちに配っていく。
「それでは、写真を撮って拡散してください……」
 それはあくまでも茶道の一環であるかのような声色でリスが言うと、子供たちは一斉にスマートフォンを取り出し撮影を始めた。緑色の茶とカラフルな菓子が意外なコントラストをもたらし、写真としてはいいのかもしれない。
 撮り終えた彼らはとりあえず茶碗の中の一杯をごくり。その後すぐに茶碗を置き舌を出した。
「苦い!」
「まずい!」
「渋い!」
「文句を言うな! ……ゴホン。旧人類はこのように苦いものを飲むことで己の心を鍛えていたんですよ」
「なんかカッコいい!」
 鍛えるという言葉は魔力を秘めている。特にキマイラたちにとってはなかなか響くのだ。それがあんまりキツくないものならばなおさら。
「では、飲み終わったらご挨拶です。せーの」
「結構なお点前で!」
 子供たちの揃った声を聞き、リスは満足げに頷いた。

 グリモアベース。猟兵たちが集う狭く、不安定な世界には、今日も多くの猟兵がいた。
「皆! これを見て!」
 そこに、UDCアースの学生服姿の女子高生が現れる。白神・杏華(普通の女子高生・f02115)、れっきとしたグリモア猟兵だ。その手にはサイケデリックな色使いと変なレイアウトで文字が並んだ紙が握られている。
「これはキマイラフューチャーの新聞なんだけど。問題はこの端の広告でね」
 杏華が指差した部分を注視すると、それはどうやら茶道教室の案内のようだ。「君も和風のクールな文化を堪能しよう!」とある。
「予知によると、この茶道教室は怪人によるものらしいんだよね。どうやら怪人は旧人類の凄さをアピールしたくて、エセ茶道を広めてるみたい」
 猟兵たちは様々な世界から来ている。茶道の偽物と聞いて怒りを浮かべる者も、そもそも茶道とは何なのかよくわからないという者もいるだろう。
「皆にはこの怪人をやっつけてほしいの。でもただやっつけたんじゃ、旧人類のアピールっていう怪人の目的を防ぎきれない。だから、このエセ茶道に惹かれちゃってるキマイラたちの心を離れさせてから倒してもらうことになるかな」
 現場となる茶道教室は見た目は立派だが、中で行われている茶道はエセそのものだ。しかし何も知らないキマイラは結構喜んでしまっている。
 彼らは移り気であり、他に彼らを惹きつけるものを紹介すれば茶道から離れてくれるだろう。または、怪人の広める茶道の間違った点を指摘してやれば、この文化は偽物と気付き興味をなくすかもしれない。
 その他とにかくキマイラたちを「なんかすげぇ!」という気にさせてしまえばこちらのものだ。とにかく、まずは敵の人気を削ぐことから始めていくのが肝心である。
「本来の伝統文化のためにも、皆頑張ってください!」
 杏華は新聞を畳み、猟兵たちに頭を下げた。


玄野久三郎
 玄野久三郎と申します。オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 茶道経験者の方は一回くらいハンドミキサーを使いたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな事ない?
 第一章ではまずエセ茶道を破ることが目的です。対抗文化を出すにせよ間違いを指摘するにせよ、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『旧人類ソウル』

POW   :    怪人が広めたい伝統文化は無視無視、あなたが伝えたい伝統文化を熱く語ろう。

SPD   :    怒涛の持論を展開して、キマイラ達をその気にさせよう。スピード感と語感でだいたい何とかなる!

WIZ   :    怪人の広めた話のおかしい所を鋭く指摘しよう。キマイラ達に尊敬されること請け合い。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

常盤・はがね
■心情
滅べ旧人類
キマイラさん達に旧人類文化は不要
二度と蘇らないようバラバラにして墓の下に戻してあげます
まず人気をどん底まで下げることから

■行動
使用能力SPD
使用技能は情報収集とハッキングと破壊工作
ネガティブキャンペーン展開

情報収集で怪人の茶道を肯定する動画やコメントを探して叩き
ハッキングで各所に茶道の危険性を広めます
ノリで生きてるキマイラさん達を扇動

抹茶に含まれるカフェインの摂りすぎで毎年死者が!
あんなに苦いのは体に毒だから!緑って色が毒っぽい!
リスの毛が飲み物に入って不衛生!

邪悪な怪人がやることは陰湿で陰険です
皆さん正義の名の元にあの茶道教室に石を投げましょう

我々市民は危険な文化を許さない!



怪人の人気を奪うため、手始めに常盤・はがね(@生存中・f00829)はネット上でのネガティブキャンペーンを開始していた。
 たかがネットの書き込みと侮るなかれ、キマイラたちにとってネット上の評価は非常に重要であり、彼らは日夜高評価を集めるために様々な芸術活動を行っているのだ。
 そういった生態も、同じくキマイラフューチャー出身のはがねにはわかりきったものだった。旧人類への怒りを込めてタイピングが唸りを上げる。
「あなたの寿命を二十年縮める!? 抹茶に含まれるカフェインの有毒性とは!」
 キャッチーなタイトルとともにネット上に記事を作り上げた彼女はお茶への風評被害を広め始める。カフェインを取った蜘蛛は正常に巣を貼れなくなったりもする。動物っぽいキマイラたちには危険である! カフェインの摂り過ぎは寿命を縮め、中毒による死者が毎年出ている! 諸説あります、の注釈も忘れない。
 次に、ハッキング能力を駆使して記事を様々なサイトにリンクさせる。特に子供や、子持ちの親に目につくようなサイトを狙い、茶道教室のメイン顧客層に刺さるように工夫を凝らした。
「ネット上ではこんなもんだね。さぁ次は……!」
 はがねは舞台を現実に移し、茶道教室の前で更なるネガティブキャンペーンを開始する。「怪人撲滅」「NO MORE 茶道」と書かれたノボリを掲げ、拡声器を手に持ち教室に向かって叫ぶ。
「ここの先生はリスです! 茶碗に毛とかが入って不衛生! 茶道教室なんかやめるべきだ!」
 とりあえず大きな音に集まってきたキマイラたちがとりあえず同調する。
「不衛生なのは良くないぞ!」
「出て行け! よくわからんけど!」
「我々市民は危険な文化を許さない!」
 結果、茶道教室の前で、何やら過激な市民運動が始まってしまった。大半はよくわかっていないが。

成功 🔵​🔵​🔴​

三上・チモシー
【POW】白湯を持参してエセ茶道教室へ

こんにちわー!おじゃまします!
みんなー!白湯飲んでるー?

ただのお湯じゃないよ。白湯はすごいんだよ
寝る前に飲めばよく眠れるし、健康に良くってダイエットとかデトックスの効果がある、魔法の飲み物なんだよ
作り方は、水を10分くらい沸騰させてちょっと冷ますだけ!お手軽!
お家でも簡単に作れちゃう!

しかもね、白湯は5000年くらい前からある世界最古の健康法なんだって。超クール!
みんな、白湯を飲んで健康になろうよ!



「何やら外が騒がしいですね……あんまり気にしないように」
 茶道教室内部にて、大きなリスの怪人はお茶を習いに来ていた子どもたちにそう言い聞かせる。冷や汗によってか、その毛むくじゃらのモフモフの肉体は少し収縮していた。
 何やら攻撃を受けているようだが、肝心の客である子どもたちには届いていない。今のうちに旧人類の文化を彼らに根付かせてしまえば、あとは適当に名前を変えて別の街にでも行けば活動を続けられるだろう。怪人はほくそ笑んだ。
「こんにちはー! おじゃまします! みんなー! 白湯飲んでるー?」
「うわあああ、誰だお前は!?」
 リスは突然の乱入者である三上・チモシー(くっきーもんすたー・f07057)を見て毛皮を逆立てた。チモシーはそんな問い掛けを無視して手にしたコップを子どもたちに見せびらかす。
「見てこれ! 白湯だよ!」
「さゆって何ー?」
「ただのお湯じゃないのー?」
 子どもたちは各々耳を立てたり首を九十度曲げたりして疑問を表明する。それを見てチモシーはチッチッと舌を鳴らして指を振る。
「白湯はただのお湯じゃないんだよ。一回沸騰させてるから不純物がなくなってるんだ。寝る前に飲めばよく寝られるしダイエットにもデトックスにもなる、魔法の飲み物なんだよ」
 彼の語り口はまさに立て板に水。または立て板に白湯だった。子どものキマイラが興味を惹くようにすらすらと白湯の知識を披露していく。蜂蜜などで味をつけることもでき、五千年前から存在し、アーユルヴェーダという古代の医術に用いられていた、などなど……。
 いつの間にやら子どもたちは一旦お茶のことを忘れ、白湯の虜になりつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜神・静流
あの茶道もどきを見ていると頭痛がします。
子供達の教育の為にも、正しい茶道を教えなければ。
というわけで自前の茶道の道具一式を持参します。

礼儀作法の技能を使用。
「茶道は礼儀や、人をおもてなしする心を学び、また穏やかな心でお茶を楽しむ為の物です。決して辛くて苦しい修行などではないのですよ」
まずは作法うんぬん以前に、その誤解を解かなくては。まずは楽しい物だと、興味を持って貰いたいです。

そして可能なら実際にお茶を点てようと思います。
綺麗な正座で静かに、ゆっくりと。身に付けた綺麗な姿勢や所作を実際に見せるように。
そして子供でも飲みやすい苦味の少ないお茶を、和菓子と一緒にお出しします。


リリーナ・ロリポップ
WIZでいくよ!

あたしこれ知ってるよ、ジャパニーズワビサビでしょ?
ちょっとちょっとキマイラ達ー!
色々ちょっとずつ間違ってるよね。

きっとコンコンしたら、和菓子が出てくる場所もあるよね?
張り切って、写真映えしそうなやつを選んで持っていってあげてあげようっと。
キレイな色のお花の形の和菓子を配ってお茶菓子はこういうのだよって教えてあげるよ。
チョコとかに負けないくらい彩りがあるし、キマイラの子供達も喜んでくれるんじゃないかなぁ?

ふっふーん♪
もっと尊敬してくれてもいいんだよ?

(アドリブ歓迎です!)


御劔・姫子
【POW判定】
お茶かぁ~…うち、お茶はあんまり習ったことあらへんのやけど、お爺様やお父様が凝ってはったから、一通りは知っとるつもりやけど…

とりあえず、家にある茶道具を用意して…あ、これお父様の天目茶碗と……肩衝の茶入(双方共に重要文化財レベルの名物)やね。これやったらお茶するんにえぇと思うんやけど?

ほんなら、茶道具持って…僭越ながら、こっちの世界のお人に茶の湯をお教え致しまょうか~♪

お茶の道はわびさび、それと【礼儀作法】言いますから、それを伝えられたらえぇんやけどなぁ…

※古式ゆかしい作法を実演します、細部についてはお任せします。



「ええい! ここは茶道教室なんだぞ! 白湯教室じゃない! みんな! お茶をやるぞ!」
 苛立たしげにリスの先生はパンパンと手を叩いた。そういえばそうだった、と子どもたちはリスに向き直る。
「その通り、茶道教室です。であれば、正しい茶道を学んでいただかねばなりませんね?」
「何奴!」
 音が鳴らないよう静かに麩が開かれる。本来の茶道で行われるものと同じように、夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)が床に手を合わせ客人であるキマイラたちに頭を下げる。そして、その傍らでは茶道具を御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)がお盆に乗せて運んでくる。
 その内容は、宇宙を思わせる暗い青の飛沫のような模様の茶碗、角ばった形の茶入、茶筅、茶杓など、一通りの簡略的な抹茶を作れるものである。少なくともハンドミキサーは入っていない。
「な、何をする気だ!」
「そらもちろん、お茶に決まっとるやろ?」
 姫子は静流の補佐として、共にもてなしの心を持ってキマイラたちに礼をする。何やら一気に空気感が変わり緊張気味な子どもたちに対し、静流はくすりと笑みを浮かべた。
「茶道は礼儀や、人をおもてなしする心を学び、また穏やかな心でお茶を楽しむ為の物です。決して辛くて苦しい修行などではないのですよ」
「そうそう! 皆もっとリラックスしてね!」
 しれっと子どもたちの側に混ざりつつ、リリーナ・ロリポップ(バーチャルキャラクターのゴッドペインター・f01947)は彼らの緊張を解そうと試みた。だいたい同年代のリリーナからの言葉は功を奏し、キマイラたちはこれまで彼らが信じていたものとは違う茶道が始まるのをワクワクした表情で見始める。
 鉄瓶から茶碗に湯が注がれ、茶筅が緩やかにそれを混ぜる。一旦その湯を建水という器に捨て、今度は茶杓という小さな木の板で抹茶の粉を掬い、再び湯を入れてそれをかき混ぜる。
「な、なんだ……!? まるで本当の茶道のよう……!」
 子どもたちと同様、リスの怪人までも静流の動きに惹きつけられる。ピンと真っ直ぐに伸びた背筋と、緩急ある手の動きは素人が見ても『本物』であるとよくわかった。
「そろそろやなぁ。お菓子をどうぞ〜」
 お盆に乗せて畳の上を滑らせるような真似はせず、姫子が一人ひとりに干菓子を渡していく。ピンク色の花弁に黄色の柱頭を模した花のような砂糖菓子である。その鮮やかさに子どもたちは大喜びだ。
「ふっふーん♪ あたしが持ってきたんだよー。この近くで見つけてきたんだ」
「近くにあるの!?」
「あとで場所教えて!」
 写真映えしそうな見た目だけでなく、味も彼らにとっては珍しいものだった。単純に砂糖だけで作った味。しかし舌の上で少しずつ溶けていくような感覚は子どもたちには新鮮であったようだ。
「口の中が甘くなったやろ? ここでお茶を飲むんやで〜」
 続いて姫子がお茶を一人ひとりに渡していく。苦い茶に慣れた子どもは少し嫌そうな表情も見せたが、一口啜ってその違いに気づく。
「あんまり苦くない!」
 素直な反応に静流は笑みを浮かべる。そのカラクリは、事前に砂糖菓子を食べたからというのもあるが、大部分は泡の違いにあった。
 茶筅によって細かく立てられた泡は抹茶の苦味を覆い隠す。ハンドミキサーによるものと違い、静流が立てた茶は綺麗で細かい泡に包まれていた。
「ま、これが本物のお茶ってやつだよね。もっとあたしたちを尊敬してくれてもいいんだよ? あ、おかわりください!」
「リリーナちゃん、趣旨忘れてへんよねぇ……?」
 仮にも怪人と同じ部屋にいるというのに、そこには和やかな雰囲気が漂っていた。正しい茶道の成せる技だろうか。
 しかし完全に面目を潰された形のリスの怪人は、静かに怒りに身を震わせていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『立ちはだかる子供たち』

POW   :    力自慢を生かしてアピールし、子供を説得する

SPD   :    芸を見せることで子供の気を引き、猟兵への協力をお願いする

WIZ   :    言葉で話しかけて説得し、子供たちから情報を聞き出す

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かくして猟兵たちは、エセ茶道教室の先生の嘘を暴き、リス怪人「いいねリス」の面目を潰すことに成功した。
「ううう……ぐぐぐ……!」
 巨大リス先生は悔しげに呻いた後――誰もが予想できなかった手に出る!
「うわーーん! 猟兵たちが虐めるよー!」
 床に倒れ、その場でバタバタと暴れ始めたのである! 細かい毛などが畳に引っかかって色んな所に飛び散る。
 あまりに予想外の行動に猟兵たちの動きは一瞬止まる。そして、これが怪人であるとはっきり分かっている猟兵たちと違い、ちゃんとわかっていない子どもたちにとっては彼は見た目は可愛らしい大きなリスなのだ。
 加えて彼は「いいねリス」。いいね、つまり同意や同調を集める能力はずば抜けて高い。子どもたちにとってその姿は十分に同情に値するものに映るのだった。
「先生をいじめちゃダメだよ!」
「わからないなりに頑張ってるんだよ!」
「そーだそーだ、出てってよ!」
「出てけ! でもソレはソレとして後でサインとかちょうだい!」
 追い出す気があるのかないのか今ひとつわからない子どもたちによる出てけコール。怪人の奇策により、猟兵たちは一転してこの場において敵となってしまった。その様子を見て、後ろでいいねリスは邪悪な笑みを浮かべていた……。
リサ・ムーンリッド
チーム【芋煮】で参加。
●つまりファンを奪えば良いのだね?

パトロンを騙…いや協力者を得る話術も錬金術師のウデマエだ。
実に面白そうじゃないか!

●エア芋煮芸。
おや、芋が煮えたようだ。私のエア味付けは合わせMISOだからコンニャクもありがたい…。
何をしているかって?エア芋煮さ。
エア(空想)だから味付けも具も自由、シェアも自由、というオツな冬の催しだよ。
こうしていると美味しそうな味と香りが感じられ、体も温まってくるのさ。
古くはラクゴにも記されている旧人類のイキな冬の過ごし方だね。
おっダイコンも煮えたようだ。この味の染み具合…ハフハフ…

●その他
世界知識も活用してSPDでエア芸を補強。
アレンジアドリブ可


日和見・カナタ
即興で可能な芸…となると、パントマイムのようなものが良いですかね!
旧人類の文化と絡めたものなら注目間違いなしですよ!

ということで、チーム【芋煮】としてエア芋煮を実行します!
バサっとブルーシートを敷いて、その上でエア芋煮の完成を待ちわびる役割を担います!
リサさんからエア芋煮を頂いて、【SPD】で美味しそうに食べる迫真の演技をしつつ、エア芋煮の美点をまくしたてましょう!
興味を持った人も巻き込んでどんどん盛り上げていきましょうね!

「一口目にはヤマガタ風、二口目にはセンダイ風! 同じ皿でも変幻自在のこの味こそがエア芋煮の醍醐味ですよねー!」

アドリブ可



「ククク……案外何とかなるものよ……!」
 いいねリスは倒れ伏しながら暗い笑みを漏らす。状況的に子どもたちの敵となってしまった今、ともかく猟兵たちは子どもたちの誤解を解かなくてはならない。
 この年代の子どもたちを楽しませるにはどういった芸がいいか? 考えた末、日和見・カナタ(冒険少女・f01083)とリサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)はまったく新しい芸に取り掛かった。
 カナタはその場にブルーシートを敷いた。続いてリサは重そうにその場に鍋を置く……というパントマイムをする。そしてエアまな板の上でエア芋を刻み、鍋に放り込んでいく。
「……!?」
「フフフ……何をしているのかって顔だね」
「驚くなかれ! これはなんと。エア芋煮なんです!」
「……!?」
 キマイラの子どもたちが絶句気味に首を傾げる。説明を聞いても何が始まったのかわからない様子だ。
「エアだから味付けも具も自由、シェアも自由というオツな冬の催しだよ」
 エア味噌を投入しながらさらにリサが補足説明を入れる。キマイラにもほんの少しだけ状況が飲み込めはじめたようだ。
「でも食べられはしないんだよね?」
「うん。エアだからね」
「……!?」
 また一歩理解への道が遠ざかる中、ぐつぐつと煮込まれている気がするエア鍋から周囲に美味しそうな香りが漂い始める。それは謂わば集団幻覚のようなものであった。迫真の演技で芋を食べるカナタと、さも実際に鍋がそこにあるかのような鮮やかな調理を見せるリサによって、彼らは幻覚の鍋を見て、幻の匂いを嗅いだのだ。
「……!?」
 しかし悲しいことに、エア芋煮はキマイラの子どもたちにとってはあまりに前衛的すぎた。食べられないがそこにある……ような気がする鍋の芸。かえってそれは子どもたちを混乱の渦に叩き込んだ。
「一口目にはヤマガタ風、二口目にはセンダイ風!  同じ皿でも変幻自在のこの味こそがエア芋煮の醍醐味ですよねー!」
「……!?」
 今や子どもたちは皆、彼女らに畏怖の眼差しを向けていた。目前で繰り広げられる前代未聞のカオスに、彼らはただ押し黙ってその場に立ちすくむ他なかった……。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

常盤・はがね
周囲に集まった市民の様子を見てほくそ笑む
もう少しだ、あと一押し

【行動】
市民キマイラ達と茶道教室に雪崩れ込みます
怪人が暴れています!子供達が危ない!子供達を引き離す
【撮影】でいいねリスが暴れる姿をネットにアップ
抹茶で狂暴化するリス怪人とかなんとか

飛び散っている毛が不衛生とか
冷静に考えてあのサイズのリスは可愛い通りこして不気味とか
野生リスはペストを保菌してるとか何でも良いので叩きます

子供が反論してきたら事前に作成したネガティブな記事やコメントをタブレットで【情報収集】して見せ
危険な怪人でキミ達を害していた!と説得
子供から話を聞き出したらネガティブに解釈し翻訳
やっぱり怪人は危険だと周囲に広める



静かになった茶道教室に喧騒が近づいて来る。外で行われていた市民運動が波及し、ついにキマイラたちとともに常盤・はがね(@生存中・f00829)が部屋の中に踏み込んだ。
「怪人が暴れています! 子どもたちが危ない!」
「よくわからんが子どもたちを守れー!」
「なっ……何だお前たちは!? やめてください! ご近所迷惑でしょうが!」
「これを見てもそんなことが言えるかな!」
 はがねはいいねリスに対してスマホの映像をつきつける。そこには、先ほど駄々をこねて暴れた時のいいねリス本人が映っていた。
「これこそ抹茶によって凶暴化するリス怪人の証拠! 目を覚ますんだ子どもたち! 野生のリスはペスト菌とか持ってるし食品を扱う教室であの毛は不衛生だし、冷静に見たらあのサイズのリスは不気味で怖い!」
 あとひと押しで住人のキマイラたちをリスを追放する流れに持っていけるだろう。あとは勢い……その考えのもと、はがねはまくし立てた。
 だが、しかし! その背後にて、いいねリスは口角を吊り上げていた!
「フフフ……私も現人類対象のネガキャンには慣れている……だからこそわかる……」
 キマイラの子どもたちは、踏み込んできた大人とはがねの勢いに完全に負けていた。それはつまり、話を聞く体制とは程遠い状況ということだ。
「ネガキャンはもっと……! 弱火でじっくりと炙るように行われなければならない……!」
「あのリス急に冷静になってあんなこと言ってるけど!」
 いいねリスは顔を逸らして口笛を吹く。ひとまず子どもたちと怪人を引き離し、人質に取られるなどの心配はなくなった。しかし子どもたちは猟兵に一層疑念の目を向け、よくわからなくなったキマイラたちは解散して玄関から出て行ってしまった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

荒谷・つかさ
ここであたかも「今来ました」な感じで私参上。

とりあえず空気読まずにお邪魔します。
私は通りすがりの獣使い、この子たちの芸、是非ともご覧になっていってくださいな。
神威(白馬)、疾風(鷹)、瑞智(白大蛇)、出番よ。
(ヒヒーン!)(クェー!)(シャー!)
と、愉快な仲間たちを紹介した所で【百騎野攻・獣神突撃】を発動
三匹をまるでマジックショーのように分身させ、芸(ロデオパフォーマンス・編隊飛行ショー・大蛇文字クイズ等)やふれあいで子供たちを楽しませるわ
私も騎乗・誘惑・地形の利用スキルを活かして立ち回るわよ

いいねリスにも
「そちらで泣いてる方も、ご一緒にいかが?」
と声をかける
ここであちらが暴れ出せば立場逆転よ



良くも悪くも、子どもたちによる猟兵帰れコールは止んでいた。しかし、代わりにその空間の空気はひどく停滞していた。なんとか子どもたちを説得したい猟兵、同情を引くために再び泣き始めたいいねリス、曲がりなりにも先生であるリスを守ろうとするキマイラ。
「お邪魔するわよ」
 そこで空気を変えるべく、サッと荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)が室内に滑りこむ。
「私は通りすがりの獣使い。何やら辛そうな空気感を察してやってきたわ。神威、疾風、瑞智。出番よ!」
 彼女が庭の障子を開けると、そこには白馬が立っていた。その背から飛び出す鷹、そして鷹の翼から飛び出す蛇。
 さらにつかさが指を鳴らすと、それらの動物が瞬時に分身。庭を所狭しと駆け巡った。
「うわっ、すごい!」
 鷹の疾風は群れをなして揃った動きで空を飛ぶ。馬の神威たちは庭の障害物を飛び回り、つかさがその上を華麗に跳んだり、馬の上に立ったりしている。それらの芸の度、蛇の瑞智は演目の名前の形になるように自らの体をくねくねと動かす。
 サーカスがやってきたような芸に、子どもたちは手を叩いて喜んだ。つかさは馬上からいいねリスにも呼びかける。
「そちらで泣いてる方も、ご一緒にいかが?」
「私は今泣くので忙しいからいい!」
「先生、泣くので忙しいって何事……?」
「うるさーい!」
 子どもたちの好感度がつかさに向くのを察して、いいねリスは冷静さを失い始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒瀬・ナナ
茶 闘゛部の百華さん(f01482)と一緒に。

【WIZ】
うぅ、子供達からの出てけコールは心に刺さるけども……ここはしっかり事情をお話しして、子供達にも協力してもらえるように頑張るのよ。

百華さんが人形劇で注意を集めてくれるみたいなので、
わたしは人形達に声を当てる形で話しかけて説得するわね。
『あのリスは実は悪い怪人なんだよー』
『このままじゃ世界が危ない!みんなの力を貸してほしいんだよー』
『何かリス怪人の弱点とか、怪しい行動とか、心当たりはないかな?』
人形の動きに合わせて声色を変えて。
子供達に怪人の脅威を伝えつつ、協力してくれるよう説得したり、何か怪人の情報を聞き出せるように頑張るわね!


一之瀬・百華
◆ナナ様と連繋 【SPD】 (謎の和琴のBGMと共に現れる) 【錬成カミヤドリ】を使用した人形劇で、子供達の気を惹き付けてみましょう。 吹替はナナ様にお任せして、私は操作に集中を…。 茶道も良いものですが、時代は『茶 闘゛』。冒険活劇仕立ての劇で、子供達心を鷲掴みですわ。 ナナ様の吹替が大変?………頑張って下さいませ。これも、そこなリスから引き離す為に必要な事。ナナ様の手腕に全てが掛かっておりますわ。(という無茶振り&丸投げ) (アドリブ/絡み歓迎)



和琴の調べが響き始める。つかさによるショーの興奮も冷めやらぬ中、それを落ち着かせ、包み込むかのような優しげな旋律。
 そして、麩を開けて人形が数体とことこと入ってくる。その不思議な動きに彼らは魅了され、視線を吸い込まれた。
(茶道もいいものですが、時代は茶闘゛。子どもたちに知らしめてやりましょう。……さて、ナナ様。掴みはバッチリですから、あとは頑張ってくださいませ)
(う、うん……頑張るわ!)
 人形を操る一之瀬・百華(黒桜繚乱・f01482)は黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)に声を任せる。二人の息の揃った人形劇が幕を開けた。
「キマイラの皆、こんにちはー!」
「こんにちはー!」
 元気な挨拶が帰ってくる。子どもたちの心がこちらを向いていることを確認し、百華は劇の中身に入っていく。
「私たちは猟兵! 怪人を倒すために日々戦ってるの!」
「知ってるー! いつもお疲れ様ー!」
 キマイラたちは実に素直な反応を返し、人形劇に没頭しているようだ。
「それでね、あのリスの先生は実は悪い怪人なんだよー!」
「そうなのー!?」
「ホントに!?」
「薄々そんな気はしてたけど!」
 子どもたちの視線が一斉にいいねリスに突き刺さる。駄々っ子のように動き回っていたその動きがピタリと止む。
「このままじゃ世界が危ない!みんなの力を貸してほしいんだよー」
 子どもたちはうんうんと頷き、協力の姿勢を見せる。顔を手で覆いつつ、いいねリスはそれを恨ましげに睨みつけていた。
「みんなありがとう! 何かリス怪人の弱点とか、怪しい行動とか、心当たりはないかな?」
弱点と聞いた彼らは今ひとつ思い浮かばないのかうんうんと唸っていた。一方で、怪しい行動と聞くとそれは続々と出てきた。
「いつもスマホをいじってるよ。旧人類? とかいうのについての書き込みにいいねを付けまくってる」
「あと猟兵があんまり好きじゃないらしくて、この前ひたすら動画に低評価をつけ続けてたよ!」
 いかにもすぎる怪人の行動に、百華とナナは互いに顔を見合わせて苦笑した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クレイン・メニータイムズ
力は自慢じゃないですが、子どもを説得にきました。
すいません遅れました。
と言ってロボット状態でお部屋に入ります。入らなくても入ります。ぎっちぎちに壊さない程度に頑張ります。
あ、登りたい子どもがいたらどうぞ。登っても大丈夫ですよ。頑丈ですので
ロボット状態であればなんとなく目も合わせずに済むので楽でいいですね。
人間?の子どもは大きなインパクトというのに弱いですからこれで話を聞いてもらえるぐらいに興味は引けたと思います。
ごめんなさい。イジメようと思っていたわけじゃないんです。あのリスさんはみんなに間違っていることを教えようとしていました。なのでリスさん含めて皆に正しい事を知ってもらいたかったんです。


ニコ・ベルクシュタイン
遅参、失礼した。此れより作戦に加わろう。
…して、此の惨状はどういう事なのかな…?

【WIZ】
片膝をついて子供達と極力目線を合わせ、怖がらせないように
心掛けながら穏やかな口調で話しかける

いいかい、俺達はリス先生をいじめに来た訳ではない
君達だけでなくリス先生にも「正しい茶道」を分かって貰って
皆で本当の意味でお茶を楽しみたかっただけなのだ
間違いを指摘されて素直に受け入れる事がなかなか出来ないのは
猟兵もキマイラもリスも同じ、リス先生ももう少ししたら
きっと落ち着いてくれるさ

…ところで、此のリス先生は、君達に何か茶道の事以外で
何か話をしていたりしなかったかな?
具体的に言えば、悪巧みめいた内容の何かを



「すいません、遅れました」
 小さな声と共に、クレイン・メニータイムズ(無題・f08752)が庭から入ってくる。その姿はすでに無機物と合体してロボットのものになっており、キマイラの子どもたちは新たに現れたロボットめいた不思議な猟兵に喜んで飛びついていく。
「登ってもいいですよ。頑丈なので」
「ホントに!? すげー!」
 あちこちに登ったり写真を撮ったりとクレインをもみくちゃにするキマイラたち。十分に気を引けたと、彼女は一つ咳払いする。
「さて、皆さんいいですか? 私たちはリスさんをいじめようとしたわけではないんです。あのリスさんはみんなに間違っていることを教えようとしていました。なのでリスさん含めて皆に正しい事を知ってもらいたかったんです」
「そうだったんだね……」
「あぁ、そうだ……彼女の言う通り、俺たちはただ君達とお茶を楽しみに来たのさ。間違った形じゃなく、正しい茶道をね」
ニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)は片膝をついて、子どもたちと視線を合わすようにして語りかけた。その穏やかな気配は、自然と子どもたちも落ち着かせていく。
「間違いを指摘されて素直に受け入れる事がなかなか出来ないのは猟兵もキマイラもリスも同じ。リス先生ももう少ししたら
きっと落ち着いてくれるさ」
 だよな、とばかりにニコはいいねリスに鋭い視線を送った。毛皮が跳ねる。
「ええ、立派な茶道の先生であれば、例え取り乱してしまったとしても逆上などせず、最終的には己の間違いを認めてくれるでしょう」
 クレインがさらに追撃すると、再び毛皮が跳ねた。いいねリスは大きな尻尾で自らの体を隠すように丸まっていた。
「……ところで、このリス先生は君たちに何か茶道の事以外で話をしていたりしなかったかな? 具体的に言えば、悪巧みめいた内容の何かとかを……」
「えっとね、茶道以外にも和歌教室とかやれるかもって」
「よせーーーーッそれ以上猟兵たちにいろいろ教えるんじゃないッ!」
 いいねリスは毛を逆立て、叫んだ、

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『いいねリス』

POW   :    強いっていいね! いいね!ボム
【いいね! 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【いいね!ボム】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    足がはやいんだね! いいね!ビーム
レベル分の1秒で【いいね!ビーム 】を発射できる。
WIZ   :    いいね!って思ったらみんなあつまれー!
戦闘用の、自身と同じ強さの【共感者】と【いいねリスの分身】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:愛弥

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠青景・黒影です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「もうおしまいだ! 茶道なんかやってられるかってんでぃ!」
 いいねリスは牙を剥く。同時に、その手に鮮やかなハートマークが現出する。
「旧人類の凄さをアピールする計画が、お前たちのせいで台無しだ……かくなる上は、お前たちを全員ここでぶちのめして! 次の街で和歌教室とかやるしかない!」
 結局のところ、怪人は同情を引く素振りも静かな茶道の先生の姿もすべてをかなぐり捨てた。そこに立っているのは、完全にオブリビオンそのものである。
「猟兵を 叩き潰して 過去清算 リス先生は ビッグになるぜ!」
 子どもたちの避難は済んだ。猟兵たちは心置きなく、突然和歌を詠み始めるいいねリスと対峙する!
一之瀬・百華
◆ナナ様と連繋
【WIZ】
本性を現しましたわね…私達を倒した所で、精算等できよう筈も御座いませんのに。憐れな小動物です事。
――まぁ、私達を倒す事等不可能ですが。さぁ…ナナ様、兄様。茶の湯を愚弄する、あの愚か者を…足腰立たない程に打ちのめして差し上げましょう?(冷徹な無表情で見下しながら)

◆防御担当。【金剛八式 鏡龍】で攻撃を受け止め、それを『兄様』に模倣させ反撃。爆弾だろうと、光線だろうと、人海戦術だろうと…私の兄様に模倣出来ぬ武技は御座いません。あわよくば【早業】【フェイント】【2回攻撃】【鎧砕き】等も織り交ぜて模倣攻撃の強化もしてお返し致しましょう。

貴方に勝機は御座いません…さぁ、お覚悟を。


黒瀬・ナナ
※百華さん(f01482)と協力
【POW】

茶道も和歌も、先人達が残した素晴らしい文化だけれども。
あなたがビッグになる為だけに利用されるのは迷惑だわ。
土下座して謝っても許してあげないわよ、覚悟なさい!
……ところで。もしかして百華さん、かなり怒っていらっしゃる?(殺意高めに感じる発言にちょっぴり震えながら)

怪人に対抗して和歌を詠んだりして【時間稼ぎ】をしながら、
薙刀を振り回してたっぷり力を溜めて【羅刹旋風】で一気に畳み掛ける!
【なぎ払い】や【範囲攻撃】も加えて、いいねボムや百華さんの方にいった攻撃も撃ち落とせるようにしておくわね。
ふふーん、わたし達の連携も「結構なお点前」でしょ?


アリシア・マクリントック
本来の目的を見失った、言うなれば闇のいいねリスといったところでしょうか……己の未熟を受け入れず、力に訴えるなど許しません!
敵が闇のいいねリスならこちらは光のいいねリスを使います。彼が見失ってしまった本来の目的を肯定しましょう。
暴走を続けるのであれば残念ですが、闇のいいねリスは退治するしかありません。
いかに大きくてもリスはリス。マリアに牽制をさせて私は弱点を狙いましょう。
……弱点はどこでしょう?手にしたハートを狙ってみましょうか。目立ちますし。後から取り出したのを考えるに武器かもしれません。どちらにしても有効そうです。
茶 闘゛部の方々と連携ができると嬉しいですね。



「本性を表しましたわね」
 一之瀬・百華(黒桜繚乱・f01482)は冷たい視線をいいねリスに送る。その手に巻き付いた鎖が操るのは一体の和人形。それは元は猟兵であり、優れた技量を持つヤドリガミでもあった。
「さぁ……アリシア様、ナナ様、兄様。茶の湯を愚弄する、あの愚か者を……足腰立たない程に打ちのめして差し上げましょう?」
「ええ。彼は本来の目的を見失った闇のいいねリス……残念ですが、退治しましょう」
「そうね。土下座して謝っても許してあげないわよ、覚悟なさい! ……ところで。もしかして百華さん、かなり怒っていらっしゃる?」
 アリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)と黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)はそれぞれ構え、戦闘態勢に入る。百華の怒りに若干震えつつ。
 ナナは手にした薙刀を頭上に構え振り回す。一つ振り回す度、その周囲に力が集まっていく。薙刀が風を纏い、威力を研ぎ澄ましていく。その様子に萎縮したいいねリスは身を縮めてみせた。
「だがそうはいかん! そんなもの素直に食らうものか!」
 彼は手にしたハートマークをブチッとちぎり取る。手のひらに収まる大きさの別のハートマークとなったそれを、ナナに向かって投げつける。
「金剛八式……鏡龍!」
 それを遮ったのは百華である。飛んできたハートマークをその身で受け止めると、続いてどこからともなく機械的なハートマークが彼女を追尾するように飛んできた。
 が、その追撃を今度はナナが防いだ。振り回したままの薙刀でハートマークを弾き飛ばしたのだ。地面に落ちたそれはすぐさま爆発し、畳に火を放った。
「ありがとうございます、ナナ様。そして、その技は確かにこの身に刻みましたわ。その程度の武技、私の兄様でしたら……模倣するのは容易い事ですわ」
 その宣言通り、彼女の操る和人形『白』からハートマークがいいねリスに放たれる。
「あ! いいねだ!」
 それが攻撃であるとわかっていても、いいねを避けられないのは彼の悲しい性であった。ふらふらと引き寄せられるようにハートマークに当たり、直後に降ってきた爆弾すらもいいねリスは体で受け止めようとした。
「あっ! しまったーーーー!」
 理性が本能を引き止めてももはや遅い。彼は爆発の中心で、その毛皮を焼け焦がしていた。
「悲しいですね……あなたも本来は皆に好意を伝え、そしてその好意のお返しが欲しかっただけなのに……」
 アリシアはその手のひらにリスを生み出した。巨大化した怪人のいいねリスではなく、実際の動物サイズのリスだ。しかしそれも、その手にハートマークを携えている。小さなリスは大きなリスに対して、無垢な声で語りかける。
『皆にいいねして回ってるんだね! いいね!』
「何だお前は……!? よせ!」
『みんなを応援して、応援されての関係っていいね!』
「うわああああやめろおおおお! それ以上本来のいいねについて語るんじゃない! 私にとってはもう! このハートマークは評価の基準に過ぎないんだーーーー!」
「今です! 行って、マリア!」
 いいねリス(大)が大きく取り乱した隙を突き、彼女の相棒の狼マリアが突撃する。牽制程度の動きではあるが、その中で手にしたハートマークを守ろうとする彼の動きを察知することができた。
「ナナさん! 弱点はあの手のハートマークです!」
「ありがとアリシアさん、百華さん! お陰で準備万端だよ!」
 十二分に薙刀を振り回したナナはいいねリスに突撃する。暴風を纏ったその武器に対し、小手先のいいねボムなど無力であった。
「しまったぁーー!」
 そのまま横薙ぎに薙いだ一撃はいいねリスの手のハートマークを両断する。同時にその奥の、彼の肉体にも浅からぬダメージを与えた。
「ふふーん、わたし達の連携も『結構なお点前』でしょ?」
「うぐぐ……ならば次は私の番だ……今度は我が結構なお点前をくらえ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

常盤・はがね
【心情】
正体を現したな!邪悪な旧人類!
この世界から粛清する!

【行動】
【スカイステッパー】と【ジャンプ】を駆使して【先制攻撃】
【SPD】による機動戦をしかけよう
隙があれば【踏みつけ】でいいねリスを攻撃して
スカイステッパーの歩数制限をリセット
とにかく動き回って的を絞らせない様に戦おう
頭のハートはゲームなら弱点っぽいので踏めたら踏みに行くよ
他の猟兵もいるしサポートに回って大技を当てる手伝いとか出来ればいいな


御劔・姫子
【POW判定】うーん、人に誉められるんは気分がええけど、そのために迷惑かけたら本末転倒とちゃう?
ほな、人様の迷惑を考えへんリスはんには、きついやいと(お灸)を据えなあかんみたいやなっ!
そもそも、歌の作り方も滅茶苦茶なんとちゃう? もしかして、終わったらうちが教えなあかんのなぁ?

とりあえず戦闘では、【見切り】【第六感】でリスはんの【いいね!】を避けつつ、【ダッシュ】で間合いを詰めてからの【表奥義・蛟卸し】で一気に決めたるっ!

えっと、ここで一首
「うつせみの 人も世もとて 変はれども 在り来ものとて まためでたしや」
……なんてな♪



「正体を現したな、邪悪な旧人類! この世界から粛清する!」
「怖いいね! だがやれるものならやってみろ!」
 常盤・はがね(@生存中・f00829)は言われなくとも、と目にも止まらぬ速さで室内を駆け巡った。スカイステッパーによる空中でのジャンプを織り交ぜた多角的な動きはその的を絞らせない。そして度々、彼女はいいねリスの額のハートマークを踏みつけてスカイステッパーのジャンプ回数を復活させる。
「ええい、ちょろちょろと! アクションゲームじゃないんだぞ、時々踏みに来るのをやめなさい!」
 いいねリスはその片手に再びいいねマークを出現させる。破壊された後はひと呼吸置かなければ再生できないようだ。
「いいねビーム 出るなら出そう 速やかに その足壊し えーと……ビーム!」
 最後までちゃんと思いつかなかったらしい和歌とともに、ハートマークからビームがはがね目掛けて放たれた。
「おっと……! 危ないな!」
「ふはは、まだまだ出るぞ! 避けきれるかなぁ!」
「今の歌……歌の作り方滅茶苦茶なんとちゃう? もしかして、終わったらうちが教えなあかんのなぁ?」
「あぁん!? 先生は私だから教える人はいりません!」
 謙虚さの欠片もない物言いとともに、いいねリスは攻撃対象を御劔・姫子(はんなり剣客乙女・f06748)に変更する。和歌への挑発が功を奏したようだ。
「お前にもいいねをくれてやる! ただしこのいいねは! 炎上発言とかに送る批判的な意味を含んだいいねだ!」
 たかがハートマークにそこまでの意味を含ませられるかどうかは定かではないが、ともかくいいねリスはハートをちぎり姫子に投げつけた。
 しかし、この攻撃はすでに披露されたものだ。初撃を躱せば問題ない。彼女は身を横にずらして回避する。
「こっちのことも忘れてない?」
 はがねは再びスカイステッパーによる牽制を開始した。空中からの踏みつけがいいねリスの動きを妨げる。
「忘れていたかった! むうう鬱陶しい!」
その隙に姫子はダッシュで一気に距離を詰めた。腰に差した剛刀『巌太刀』を抜き、いいねリスの胴を斬りつける。
「これが御劔の技……奥義・蛟卸し。うつせみの 人も世もとて 変はれども 在り来ものとて まためでたしや……なんてな♪」
 その刀を鞘に戻すと同時に、斬撃がいいねリスを切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

唐草・魅華音
ずさんな指導と悪意で動くから台無しになるんだと思うけどな…まあ、反省してもたぶん無理かな?
目標、いいねリス。排除開始するね。

いいねリスに正しい伝統の重みをみせつけるために、今回は刀だけで戦うよ。
刀を正眼に静かに構え、静かに動いているだけに見えて【残像】を狙って当たらなくなるように誘いの動きを心がけて静かに、確実に相手に近づくよ。
相手に近づけたら、鋭い一振りの【剣刃一閃】。きちんと受け継がれた伝統にこそ、価値があるんだよ。

「本来の戦闘スタイルは銃と刀の併用なんだけど…見せてあげるよ。君みたいなエセじゃない、古来より受け継がれてきた、刀技の伝統を」



「本来の戦闘スタイルは銃と刀の併用なんだけど……見せてあげるよ。君みたいなエセじゃない、古来より受け継がれてきた、刀技の伝統を」
 反省の色を見せないいいねリスに呆れつつ、唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)は刀を抜いた。その目にはもう、目標となった怪人以外は映らない。
「ふん! 伝統がなんぼのもんだ! 私にとって伝統とは、旧人類の文化に輝かしい付加価値を添える言葉に過ぎない!」
 魅華音は言葉は不要と判断し、いいねリスによる妄言を無視した。剣先を相手に向けて、ゆっくりと歩いていく。
「そんなスロームーブでは! 私のいいねは躱せないぞ!」
 いいねリスはハートをちぎり投げつけた。それは確かに当たるはずであったが……魅華音は特殊な歩法によって、動きが遅いにもかかわらずその身に無数の残像を纏わせていた。そのブレによって、あたかもハートマークは彼女の体をすり抜けたかのように見えた。
「なっ……信じられん!」
 再びハートをちぎるいいねリス。だが投げつけようと顔を上げると、すでに剣先が眼前にまで迫っていた。
 魅華音は射程距離内まで入り、その場で歩みを止めた。いいねリスは手の中にいいねを仕込み、投げるタイミングを伺う。静寂を破ったのはリスの方だった。
「くらえっ! いいねボ――」
「剣刃一閃!」
 ハートを投げようとしたその瞬間、彼は袈裟斬りに斬りつけられた。刹那の攻防を制したのは、伝統の重みと魅華音の経験であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リサ・ムーンリッド
エア芋煮は自信があったのだが…どうやら私達の感覚は遥か未来にあるらしい…。
いずれ時代が追いつくことを願おう。

それはそうと、スネが傷だらけそうなリスだね。
自慢の和歌も掛詞や季語がないのが気になる。

●戦闘
逃げ足や見切りの技能を活用して防御行動を行いつつ、
【超小型の炭素荷電粒子砲】でチクチク追撃を差し込もう。
着地の瞬間などのやらしいタイミングは積極的に狙うよ。

そして、少々賭けだがユーベルコード【イデアの模倣】も使ってみよう。
何かしらトラウマを掘り起こして精神ダメージをあたえられると良いのだが。

●補足
『イデア』はイデア論にある概念で全ての知識がある世界らしい。

●その他
アレンジアドリブ可


日和見・カナタ
あのハート、生成できるものなんですね…。ちょっと可愛いかも…。
とはいえそれはそれ。子どもたちのためにも撃退してみせます!

私は【SPD】を活かして戦います!
いいねリスに接近し、【属性攻撃】で炎を付与した拳で殴りかかりますよー!
大きな隙があればゼロ距離【ロケットパンチ】も狙ってみましょうか!
その綺麗な体毛を吹っ飛ばしてやります!

接近時、こちらへの攻撃は出来るだけ避けますが当たりそうなものは機械部分で防ぎます!
可能なら他の方の攻撃に紛れて被弾を抑えたいですね!
接近後はいいねリスの周りをぐるぐる回りつつ照準を合わさせないよう努めましょう!
いいねを手にしたなら【盗み攻撃】で奪って逆にぶつけてみせますよ!



リサ・ムーンリッド(知の探求者・エルフの錬金術師・f09977)は戦いが終わりに近づくのを感じていた。エア芋煮の傷心を胸の奥に追いやり、超小型の炭素荷電粒子砲を取り出す。それは空気中の炭素を取り込み、魔法の力も込めて射出する砲撃である。
 とはいえ小型化とは低威力化とほぼイコール。距離を取りつつ何発か撃つも、いいねリス相手に有効なダメージは与えられていない。
「ふん! きかないな! チクチクするけどね! 本当のビームを見せてやろう!」
 いいねリスの手にしたハートマークが光る。リサは一か八か、【イデアの模倣】によって有効な武器が出ることを期待しつつそのユーベルコードを発動させた。イデア界より提示された、対象の記憶の召喚である。
 そして召喚されたのは、薄べったく大きな白色のハートマークであった。いいねリスの脳内には結局これくらいしかないのだろうか。ともあれ、リサはそれを盾として構えた。
「いいねビーーーーム!」
 その薄い盾にビームが命中する。反動は強く、またその盾の耐久力も大したものではない。二度目の攻撃で割れてしまうであろうことが彼女には察せられた。
 しかし、二撃目は来なかった。いいねリスはリサの方を見てわなわなと震えている。見ると、その白色のハートマークは赤色に染まっていた。
「これはいいねボタン……!? もう一回押したらいいねが消えてしまう……!」
 どうやらそういう事らしい。今がチャンス、と日和見・カナタ(冒険少女・f01083)は駆ける。いいねリスは可愛いが……それはそれ。今一気に撃退してしまわなければならない。
 彼の懐に飛び込んでいくカナタは、繰り出されるいいねビームを数発腕で受け止める。さらにそこにリサがいいねボタンの盾とともに割って入ると、敵の攻撃が中断された。
 カナタはリサの盾を飛び越え、空中から炎を纏った拳を相手に叩き込んだ。いいねリスの体が思わず揺れる。それでも握っていたハートマークを、カナタは無慈悲に盗み取り握り潰した。
「私のいいねがァーーーーッ!」
「今からじゃもう、再生まで間に合わないですよね! 蒸気充填、加圧完了!  その綺麗な体毛をふっ飛ばしてやります!」
 反撃手段をなくした怪人に、ゼロ距離でロケットパンチが突き刺さる。その拳はカナタの腕を離れ、いいねリスと共に上空に飛んでいく。
「うぐおおお、やーーらーーれーーたーー!」
 いいねリスはそんな悲鳴を上げながら上空彼方に消えて、星になった。猟兵たちは見事、エセ文化を広める邪悪な怪人を倒すことに成功したのだった。

「……いや、私の腕は?」
 いいねリスと一緒に飛んでいったカナタのガジェットアームは帰ってこなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月28日
宿敵 『いいねリス』 を撃破!


挿絵イラスト