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怠惰の山路

#UDCアース

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#UDCアース


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 ベーベー羊さん、シープでスリープ。辛い浮世も忘れ、安寧の微睡みの中にございましょう。苦痛は柔らかな布団で和らいで、幸せ安眠街への片道切符。目覚めることのない安らぎの国。行動しなければ苦痛も生まれない。さあ眠りましょう、眠りましょう。

 グリモアベースの一角。仕事を求め訪れた猟兵達を平常通りしかめっ面のロカンタン・ウィットコップ(厭世者・f14997)が出迎える。ある程度人数が揃ったのを確認し、ロカンタンは話を始めた。
「今回はUDCアースで予知がされた。なんでも、ある邪神の復活儀式が行われるそうだ。邪神の名は睡魔、五月病と呼ばれることもある。権能として睡眠があり、周囲を眠りへと引きずり込むらしい……永遠に、な。
 さて、今回頼みたいことはその復活の儀の破壊、及び不完全体の邪神の討伐だ。儀式の場はN県にある山とされる。だが、邪神の力により山の形が変わり、UDCアースだとは考えられないくらい険しくなっているようだ。崩落や雪崩の危険性も考えられる。そこは君たちに頑張っていただきたい。また、途中で山小屋を見かけても罠だと思え。それらは一度入ると外に出るのが億劫になり出られなくなる。邪神の力に依るモノだ。誘惑に屈せず進むように。
 山の頂付近に儀式場はあると考えられる。そこへたどり着けば儀式を止める番だ。儀式場では件の山小屋で捕らえられた一般人に寄生したオブリビオンが防衛をしている。全て蹴散らして、儀式を失敗させてやれ。
 また、儀式を阻止しても邪神は復活すると予知されている。だが未完成な儀式により蘇った邪神は不完全だ。倒すことは可能だろう。ああ、睡魔は肉弾戦とは別方向に強い邪神だ、うっかり微睡んでそのまま死の国へ行かないよう気を付けろ。
 ……説明は以上となる。何か質問は?」
 一通り見渡し、誰もいないことを確認してロカンタンは「では」と話を切り上げる。
「では、準備を終えた者から来い。健闘を祈る」

 ●

 かの邪神復活を目論む祭儀場は、険しい山の天辺に在った。自然ならざる姿となった山は復活しかけている邪神の力により、微睡みを求める者には歓迎を、明日を求める者には排除と挫折を与えている。というのも邪神の与える眠りを求める者に対し山は穏やかなのに、邪神を害そうと考える者には雪崩崩落大豪雨などが迎えるからだ。
 山には中継地点として山小屋が点在している。だが、それも邪神に挑む者への誘惑にすぎない。山小屋の設備は行き届いており、例えるならば冬の炬燵のような存在なのだ。ほんの少しだけとの休憩と思い入ったが最後、延々と出られず、怠惰の沼へと自ら沈んでいってしまうだろう。
 ――抗えば抗う程苦痛となる山脈。心折れ、怠惰の道を通らぬように。


紡ぎ糸
 初めましてあるいはこんにちは、紡ぎ糸です。今回はUDCアースにて復活儀式阻止。見た目は可愛いけれど深く考えると恐ろしい邪神の討伐です。今回のシナリオは冒険、戦闘、戦闘となります。途中参加も歓迎です。
 第一章:険しい山を登ります。例示は参考として、それ以外でも山登りならばどうぞ。
 第二章:集団戦です。一般人の体を操り動く鎧です。生死は猟兵次第となるでしょう。
 第三章:ボス戦です。睡魔と抗いながら睡魔を倒しましょう。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『恐怖山脈を踏破せよ』

POW   :    急峻な壁をクライミングする。

SPD   :    暴風吹き荒れる尾根を縦走する。

WIZ   :    雪崩や落石が集中する谷から攻略する。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メーティオル・スター
※アドリブ歓迎です。

うへぇ、しんどい…
山登りなんて初めてなんだし、初心者向けコースとか用意してくれないかな…。

POWで判定。

クロー付きワイヤーを岸壁に食い込ませたり、
ウィップを器用に使って命綱にしたりしながら、
厳しい岸壁をクライミングしていくよ。

「宇宙船とかあったら、こんな山登りなんてしないでも
頂上までひとっ飛びできたのかな?
でも自分の宇宙船なんて買うお金もないし…ああ、楽して儲けたい…」
なんてぼやきながら登っていくよ。
(そして注意力散漫になって足を踏み外しても良いかもです)



 深く木々の茂る麓を抜け、凹凸の激しい岩場を通った後、目の前に聳え立つのは垂直な壁。岩肌のゴツゴツしたそれは横にも縦にも長く、先を目指すならばこれを避けては通ることはできない。
「うへぇ、しんどい……。山登りなんて初めてなんだし、初心者向けコースとか用意してくれないかな……」
 立ち止まり、呼吸を整えながらメーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は呟く。半分冗談で半分本気の呟きは、厳しい山中数少ない慰めだ。
「休憩所に寄れないとか、本当勘弁してほしい……。さて、行くっきゃないか」
 崖は高く長いが、所々に窪みや小さな足場、低木が伺える。メーティオルはサイバーアイを使いながらコースを考え、手始めにウィップの片端に石を縛り、グルグルと勢いを付けて木にぶん投げた。
「よっし、完璧!」
 狙い通りウィップは木に巻き付き、メーティオルが引っ張ってもしっかり耐える。自分側にある端は己を支えるために繋ぎ、ゆっくりと最初の窪みにメーティオルは足を乗せた。
 元々相性が良かったのか数々の冒険で鍛えられた体だからか、順調にメーティオルは崖を上っていた。クロー付きワイヤーを射出して一気に距離を稼ぎ、またウィップを木から回収して上の木に投げたらそれをつたって登る。どんどんどんどん、上へ上へ。
 ――最終到達点が見えてきた。
「……宇宙船とかあったら、こんな山登りなんてしないでも、頂上までひとっ飛びできたのかな? でも自分の宇宙船なんて買うお金もないし……ああ、楽して儲けたい…」
 腕や足の疲労を和らげるために口から出る言葉。ぼんやりと銀の瞳が空を見る。空は白く陰鬱だ。
「あ」
 注意が逸れた一瞬間、足がずるりと滑った。メーティオルの体は宙を飛んだ。だが上へいく浮力があるはずもなく、下へ下へと墜落し始める。
 ――ぐん! と体が静止する。命綱はきちんと体の支えになってくれたようだ。丁度良く横に生えた木が近くにある。一端そこで休んで、また昇るとしよう。
「あれ、これは……」
 木に何かが引っかかっている。慎重に手を伸ばし、確認すると、腕時計があった。バンド部分が切れている所を見るに誰かの落とし物だろう。本体部分は未だ動いており、堅牢に時を刻んでいる。
「放っておくのもあれだし、貰っちゃっていいよな?」
 このままここに在っても回収される可能性は低い。それならば持って帰って有効活用された方が物のためだろう。
 思わぬ拾い物に少し元気が出てきた。さあ、残りはもうすぐだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴェリノワール・ブランシュ
我を排除せんとする雪崩も落石も、
全ては只の大地の事象。

我を拒む絶壁も、空を渡れば意味など無かろう。

故に我は空を往く。

翼有る者を堕とす風の領域、

我には翼が有る。
故に通る理由など無かろう。


我は望む。怠惰の神を識ることを…。


<説明など>


急峻な壁や雪崩や落石を避けるため、
始めから飛行して山を登る。
頂上までは長い道のりなので、
疲れないようゆっくり進む。

一応周囲を警戒しておき、こちらまで飛んでくる落石を
事前に【逃げ足】で回避しておく。

道中、山小屋を見つけても一瞥するだけで通り過ぎる。

【第六感】を用いて事前に暴風の吹き荒れる場所を避け、
それが出来なくても、風が強くなってきたら迂回する。



 ――我を排除せんとする雪崩も落石も、全ては只の大地の事象。
 黒い岩が抉られたように裂けた谷。轟々と風が響き、岩の崩れる音がする。歩く道は細く狭く、進むのも困難だろう。
 ――我を拒む絶壁も、空を渡れば意味など無かろう。
 白い髪を風に遊ばせ、灰の片目を眼帯で隠す少女がそこにいた。豪奢なレースや頽廃的な装飾に彩られたドレスの彼女、ヴェリノワール・ブランシュ("純白"の者・"漆黒"の者・f18427)は、片翼が包帯に封じられた翼を広げる。
 ――故に我は空を往く。
 空はなだらかで、体力を消耗させるような地面も関係ない。ゆっくりと、疲れぬようにヴェリノワールは空を進む。周囲を警戒し、崩落しそうな岩があれば事前に離れることで回避。狭い道に立つ必要が無いため、逃げ場は多くある。
 ――翼有る者を堕とす風の領域、
 不快そうにヴェリノワールの顔が歪んだ。言葉では言い表せない何かが、この先に行くなと命じるのだ。轟々と風が響く。ここを飛ぶのは難しいだろう。迂回して通るのがいい。
 ――我には翼が有る。故に通る理由など無かろう。
 山小屋の中から宴会のように賑やかな声が聞こえる。それを一瞥し、興味なぞないとヴェリノワールは空を往った。
 吐く息が白くなる。外の気温も寒い。ちらちらと雪が見えてくる。
 ――我は望む。怠惰の神を識ることを…。
 白い雪が深く降り積もる上を、ただただヴェリノワールは目的地目指して飛んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

リステル・クローズエデン
【POW】どのルートを言っても地獄。といった所ですか。
どのように気象や地形を変え阻もうとも、
あきらめなければ、辿り着ける。
……という根性論だけではどうにもなりませんがね。

クライミング+怪力で苦無やロープを補助に
視力と暗視に失せ物探しでルートを見切り。
第六感と地形も利用して登っていきます。

山小屋の誘惑は呪詛耐性で防ぐ?

気温低下は氷結耐性+激痛耐性で軽減し
確実に登っていきましょう。

最悪、吹き飛ばされたり落下しそうな時のみ
ユーベルコードを使用。飛行というより短時間の浮遊で復帰する感じで。

脱落しそうな方がいる場合、
救助活動でサポートします。



 辺り一面の視界を覆うは雪嵐。視界を埋め尽くし距離感覚や方角が麻痺され、急斜面だけがそれを教えている。
 山小屋の灯りはその中では一際大きく煌めいて、温かく、誘惑するように照っていた。それを意識しないよう、少しずつ、確実にリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は歩を進めていた。
 防寒具に身を包み、痛覚や寒さへの耐性があっても甘受し難い外気。地獄の奥底、コキュートスもかくやと思えるほどの極寒が体に痛い。
(どのように気象や地形を変え阻もうとも、あきらめなければ、辿り着ける。……という根性論だけではどうにもなりませんがね)
 毛の深い防寒具に口を埋め、柔らかく沁み込んでくる山小屋を無視しながら歩く。
 リステルの思う通り、この歪められた山は目的地への思いだけでは到底切り抜けられない難関地だ。例えば、今目の前にそそり立つほぼ垂直の壁だとか。確かな技術が無ければ越えられない絶壁だろう。
「さて、そろそろ到着だといいですが」
 リステルは苦無をピッケル代わりに刺し、その壁面を登り始める。悪天候によって暗い視界も慣れたものだ。苦無で体を支え、上に投擲したロープを補助に登ってゆく。
「よっと」
 途中、落ちそうになれば光刃の翼で浮遊して体勢を持ち直す。道順に迷いはない。順調に最低限の体力消費で進行する。
「――あれ、でしょうか……?」
 壁を登り切った先、微かに灰色の建造物が見える。また、その周囲には陽が射し、緑が生えているようにも伺えた。
 目的地はもうすぐだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベッジ・トラッシュ
【WIZの谷の道を行く】
ごがつびょう、だと?
きゅうけいじょ、だと?!

そんなもの(ぜぇ)、この(はぁ)、ベッジさんには…
かんけぇ、なぁぁい!
(明らかな強がりだが一歩ずつ登る足は止めない)

裏路地を出た後の世界は山じゃなくても難所続きだったサ。
少し雪崩や落石が多いくらい、店の商品棚や押入れと同じだと甘くみたのはマチガイだったか。
(頭を庇い、ぐぬぬと独り言)

※対 自然災害
自然災害が起こる度、
「ぎゃー!」「どぉぉ?!」
と風に負けずうるさい。
飛ばされた反動などで腰のガラス瓶が割れれば、
UC:グラフィティスプラッシュの塗料が飛散し無意識に能力増強を発動。
赤い塗料を血と勘違いし、その勢いで頂上まで駆けあがる。



 緩急の激しい谷間。時々どこか遠くで崩れる音がし、その度に「ピギャッ?!」ととんがり帽子が飛び跳ねるように震える。
 大自然の雪崩は棚から溢れ出る崩落よりも大規模だった。ぜぇはぁと肩で息をしながら、ベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)はゆっくりと、疲労や恐怖で震える足を進める。
「ごがつびょう、だと? きゅうけいじょ、だと?! そんなもの……この、ベッジさんには……かんけぇ、なぁぁい!」
 力強く声を出して己を鼓舞し、もう一歩。ゴオォォォ――とどこかで何かが崩れる音。
「どぉぉ?!」
 風の音にも負けない声が谷間に響いた。キョロキョロと辺りを見回し、近くでないことを確認して再び歩む。
 風の音だけが不安を煽るように渦巻いていた。突然の轟音もなくなり、心も平穏で保たれる。
「――裏路地を出た後の世界は山じゃなくても難所続きだったサ。少し雪崩や落石が多いくらい、店の商品棚や押入れと同じだと甘くみたのはマチガイだったか」
 ベッジはその中、時々パラパラと降ってくる砂から頭を庇いながら、小声でそんなことを言っていた。
 一際強い風が吹いた。同時に、轟く雷に近い音が後ろから響く。
「ぎゃー!」
 平穏が続いていたために余計反応が強く出、ベッジは大きく取り乱し、ステンとこけた。ベッジの体の重みと衝撃で腰に下げたガラス瓶が割れ、赤い塗料が地面を染め上げる。
「うう、さすがに不意打ちはひどい……ん?」
 地面に広がる染料を黄色い双眼が捉える。ヒッと押し殺したような声が漏れた。無意識に発動されたユーベルコードによって軽くなった体は気付かない。反対に、気づいた、否勘違いしてしまったのは別のこと。
「血だー!」
 驚き、一気にベッジは走る。頂へ。一目散に。
 体の疲労も道中の障害も、別なナニカへの恐怖や強化された体の前では軽い障害程度だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アララギ・イチイ
【POW】

そうねぇ
飛行能力で空を飛んで登るのは簡単でいいのだけどぉ
それじゃ、面白くないわよねぇ

なので、本格的なロッククライミング道具(大きなリュック)を一式用意して、ザイルやピッケル、ハーケンなどを駆使して壁を登るわぁ
登りやすいルートを【情報収集】で観察して【見切り】、【怪力】を活かして登っていくわぁ
気温低下は【氷結耐性】+冬服を着込む事で対応ねぇ

山小屋があったなら、中に誰も居ないのを確認後、【焼死・火葬祭】で着火、焚き火の代用品としてきっちり燃やして暖を取りましょうかぁ
そもそも、設備の行き届いた山小屋ってのが面白みが無いわぁ、山小屋ってのは不便なくらいが良い感じなのよぉ



 黒岩に白雪が積もる中、パチパチと音を立てて山小屋が燃えていた。断熱材も基礎も木材も一様に燃え、赤々とかがり火のように辺りを照らす。それの作成者であるアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)は、それに当たりながら小休憩をしていた。
「そもそも、設備の行き届いた山小屋ってのが面白みが無いわぁ、山小屋ってのは不便なくらいが良い感じなのよぉ」
 雪で体が濡れぬようリュックを下にし、ブーツを脱いで足を温める。現在進行形で燃えている中からタオルを拝借し、軽く水気を拭いてから火へ投じた。
「……あとは、あれを越えればいいのかしらぁ」
 そう視線を向ける先には垂直の崖。己の飛行能力で往けばあの程度易々と切り抜けられるがそれではつまらない。折角クライミングができる機会なのだから、楽しめるように道具も用意したのだ。
「休憩終了ぉ」
 プスプスと燻る元山小屋を背に、アララギは立ち上がって伸びをする。十分に体をほぐして、遊園地のアトラクションに向かう子供のように崖へ向かった。
「――ふーん、なるほどねぇ。じゃあ、あそこをそうすればいいのかしらぁ」
 手始めにルート確認だ。ざっくりと視認できる範囲で道順を見、想定する。前で組んだ指がトントンと思考を刻む。
 アララギの口が笑みを浮かべた。
「よし、それじゃあいくわよぉ」
 腰に付けた固定器具にザイルを取り付け、自分より少し上にハーケンを刺す。ハーケンにザイルを結び、体面上の安全は獲得。ピッケルを刺して上に登り、コース先を見極めて進行方向を修正。
 確かな力で確実にアララギは上へ進み、そして、頂が見えた。
「さぁて、最終地点には何がいるのかしらぁ」
 疲労の色も見せず愉快な顔でアララギは道具を回収して向かう。体は十分に温まっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『六零六『デビルズナンバーへいし』』

POW   :    悪魔の長剣(デビルロングソード)
【ロングソードによる攻撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪魔の連携(デビルコンビネーション)
【一体目の「へいし」の攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【二体目の「へいし」の攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    悪魔の武器(デビルウェポン)
自身の装備武器に【悪魔の力】を搭載し、破壊力を増加する。

イラスト:森乃ゴリラ

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 山の天辺は青々と晴れていた。雪もなく体を蝕む寒さも存在しない。若い緑の草が生える中央には、石造りの祭壇が立っていた。
「ちっ、まさかあの山を乗り越えてくる者がいたとは」
 儀式を行っていた教団員が猟兵達に気付き、振り返る。
「だが残念だったな、こちらには最強の護衛軍団がいるんだ」
「お前たちの火力が行き過ぎると中にいる一般人までやられるだろうな!」
 ガシャン! と金属の擦れる音がした。並び立つのは茶褐色の鎧に身を包む騎士達。声も生気もないソレは、剣を構えて猟兵達に立ちふさがる。
 外周部の吹雪が轟々と鳴っていた。
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
ノイジー・ハムズ(サポート)
いいでしょういいでしょう!
可愛くて強い、ノイジーちゃんがお手伝いします☆

オブリビオンを褒めましょう!
オブリビオンの気持ちも肯定しましょう!
けれども! 共存はできないのです☆

それならば!
せめて、最後の時まで楽しく遊びましょう☆

○戦法
武器は剣と魔力です☆

攻撃を重要視しています!
命の掛け合いは花火のようにきれいなもの!
【空中戦】で飛び回りながら攻撃を仕掛けます☆
硬い敵には【鎧無視攻撃】!

決め打ちのときは、【全力魔法】や【属性攻撃】で属性魔法を武器にまとわせて、ユーベルコードで正面突破!
属性は気分で何でも使います☆

弱い敵の攻撃は、基本的に避けずに【オーラ防御】です☆
強い攻撃は【見切り】ます!


虚偽・うつろぎ(サポート)
UDCアースのみで活動中なので
UDCアース希望

連携等ご自由にどぞー

登場即自爆
ただこれを実行するのみ

台詞、作戦?そんなものは必要なし
速攻で自爆するだけだよ

何かいきなり自爆するただの自爆装置と思ってね

敵がいなくてもとりあえず自爆するよ
情報収集?自爆すればどうにかなるよ

技能:捨て身の一撃を用いてのオウサツモードによる広範囲自爆
対象は範囲内の敵全て
強化は攻撃力重視

オウサツモードの攻撃範囲内に1体でも敵がいれば速攻で自爆
敵の数は関係なし
自爆することに意味があるのだよ
なので敵がいなくても自爆するかもね!
一歩も動くことなく自爆さ

自爆は1回のみ
自爆後はボロボロになってその辺に転がってるね
消し炭になってるかも


伊坂・和良(サポート)
伊坂和良の主人格には戦闘能力が無いので主人格での戦闘は行わないのでござる。
アイテム【多種多様の面】を着ける事で別人格を呼び起こし戦闘できるのでござる。
使用ユーベルコードは着けている面に対応しているので秘密の設定に「○○面装着時に発動可能」と書いているのでお手数ですがユーベルコードのチェックをお願いするでござる。
口調は主人格(わし、お前さん、ござる、ござろう、〜でござろう?)
天狗面・豪快おやじ(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。



 猟兵達を脅すように警告を発すると、教団員たちは石造りの祭壇に登った。
 邪神『睡魔』の復活儀式をはじめようというのだろう。
 だが、それを妨害しようにも、猟兵達の目の前にはUDC達が立ちはだかっている。

「六零六『デビルズナンバーへいし』……でござるな」
 UDC組織の情報で見た敵の情報を、伊坂・和良は思い出す。
「……頑丈な甲冑を纏った兵士のようなUDC。だが、その本体は『鎧』の方であり、内部には動力源として囚われた人がいるでござる」
「だから、過剰な攻撃をすると中に囚われている人達を傷つける可能性があるってことですね!」
 小さな体のノイジー・ハムズは、先程邪教の神官たちが言っていたことも意味を理解し、可愛らしく眉を寄せた。
 オブリビオンが相手であれ、命を賭けた戦いは美しい。彼女の感性ではそう感じているが、望まず戦いに巻き込まれた人を傷つけ、命を奪うのは当然ながら本意ではない。
「うーん、足止め要員としてはすごい良いUDCかも知れません☆」
「感心している場合では無いでござるよ」
 隊列を組んだ兵士達は、剣を構えるとじりじりと猟兵達へ近付いてくる。
 全力の攻撃で、彼らを粉砕するのは猟兵達にとって不可能なことではない。
 戦いに時間をかけ、邪神が完全に復活してしまうことになれば、多くの人々に被害が及ぶかも知れない。
 だからといって、目の前でUDCの虜囚となっている人を自分達の手で殺めるわけにもいかない……。
「慎重に戦うしかありませんかね?」
「厄介でござるなぁ」
 和良は嘆きつつも、天狗の面を取り出し顔に装着する。たちまち風が渦巻き、猟兵達を包み込んだ。

 が、そのような事情は、虚偽・うつろぎには一切関知するところではなかった。
 この状況で、己が何をどうするべきか。
 その思考は、一ミリ秒のうちに結論へと至る。
『そうだ、自爆しよう』
「え、ちょっと!?」
 ノイジーが慌てたように声を上げる。
『自爆することに意味があるのだよ。自爆すれば何とかなる。だから自爆自爆自爆自爆自爆!!』
「離れるのじゃ!!」
 うつろぎの体が、興奮するようにその表す文字を移ろわせるのを見て取って、人格を切り替えた和良は即座にノイジーを掴んだ。そのまま超高速でその場を離脱する和良達の様子を見て、兵士達も慌てたように距離を取ろうとする。
 だが、遅い。

『鏖殺領域展開 一爆鏖殺執行』

 うつろぎの黒い粘液のごとき肉体が、その内部から爆発した。
 生じた爆発は山肌を震わせ、兵士達を吹き飛ばし地面に叩きつける。
 爆発の衝撃は、空中に逃れた和良とノイジーをも翻弄し、ついでに祭壇の上にいた教団員達も儀式を中断せざるをえない。
「おお!! 派手に爆発したのう!!」
「鎧の中の人達、生きてるといいですね☆」
 離れた位置から呆れ交じりに豪快に笑う和良、冷や汗で呟くノイジー。
 何が起きたか完全に把握できない教団員たちも、猟兵が何かとんでもない攻撃をやらかしたことを理解して叫び声を上げる。
「バ、バカな……。貴様ら、何を考えている!?」
『自爆する ただそれだけに 意味がある』
 爆発の中心部で、うつろぎの体は消し炭のようにプスプスと煙を上げるうつろぎの体が5・7・5調で文字を作ったかと思うと、ぐんにょりと折れ曲がり動かなくなる。
「りょ、猟兵とは一体……」
 動揺する教団員と兵士達の隙を、猟兵達は見逃さない。

「今のうちに、片付けていくとするかのう!!」
 瞬時に舞い戻って来た和良は、よろよろと起き上がろうとした兵士へと凄まじい速度で接近し、踏みつけた。爆発と体当たりの衝撃で緩んだ鎧を引き剥がし、中に囚われていた人を助け出す。
「ふぅ……息はあるようじゃな。ヒヤヒヤしたのう」
 うつろぎが調整したのだろうか、と一瞬考え、和良はただちにそれを否定した。絶対に違う。

「大食らいの力よ、かの果実を刈り取れ!」
 ノイジーが空中から振るったフェアリーズソードは、離れた兵士達へも斬撃を届け、その関節部を切断、動けなくしていく。
 動けなくなった兵士達には和良がすぐさま近寄り鎧を剥がすと、その速度を活かして助けた人達を戦いに巻き込まれない場所へと避難させていく。
「こっちは可愛くて強い、ノイジーちゃんにお任せです☆ 助けるのはお願いしますね!」
「心得た!」
 爆発によって大きなダメージを受けながらも、兵士達は教団員の命令のまま、猟兵を邪魔しようと近付いて来る。オーラを纏って兵士達を翻弄しながら、ノイジーはさらに剣を振るっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ロジャー・バレット
「いやいや、人を操る鎧たぁまた趣味の悪い。中の人には悪いけど少し眠って貰おう。」

『五円玉』を指の間に挟んで即席のナックルダスターを作り、UC≪我流喧嘩殺法・其之壱≫を発動
口に自家製の煙草『Astronomy Domine』を咥えてリラックスした状態を保ち、素早い動きでまだ動いている鎧を相手に立ち回る
極力中の一般人を傷つけないよう気を付けながら【気絶攻撃】を仕掛ける
気絶した一般人の救助は味方に任せる
敵の攻撃は素早さと【第六感】を活かした【見切り】で可能な限り回避

「うんうん、できれば荒事は避けたいんだけどね。今はそんなこと言ってる訳にもいかないし、ガンガンやっちゃうよ。」



「いやいや、人を操る鎧たぁまた趣味の悪い」
 ぎこちなく動く鎧兵士たちが接近してくるのを、ロジャー・バレットは五円玉を指の間に握り込んだ。即席のナックルダスターを造り上げると、彼はゆっくりと息を吐く。
「中の人には悪いけど、少し眠って貰おう」
 ロジャーの口には自家製の煙草『Astronomy Domine』。
 その香気を吸い込み、彼はゆっくりと吐き出す。
 山頂に吹く風が、煙をたちまち散らしていく。
「さあさあ、楽しい殴り合いだ。気楽にやろうぜ、気楽にな」
 リラックスした様子で、ロジャーは兵士を招くように言った。同時、鎧兵士は剣を腰だめに構えると、まっすぐに突っ込んで来る。
(真っ向から来る兵士が相討ち狙い……と見せかけて後方から2人目。1人目の攻撃をかわしても、すぐに2人目が切り込んで来る構え。連携もお手の物ってわけか)
 ロジャーの目は、すぐ後ろから迫る2人目の兵士の姿を捉えていた。
 言葉を発している様子もなく連携を取るのは、このUDCの性質か。
「よ……っと」
 瞬間的に、ロジャーの姿がかすんだ。揺れる柳を思わせる、流れるような動きで身を低くすると、剣をくぐるようにしながら前進。1人目の兵士の左側へと回り込む。
 瞬間、金属の悲鳴が響く。
 五円玉を握り込んだだけのロジャーの拳が、1人目の兵士の手甲を打ち砕いたのだ。その手から零れ落ちる剣を、掬い上げるようにしてロジャーは蹴り飛ばした。
 そちらにいるのは、突っ込んで来た2人目の兵士だ。
 ロジャーへ剣を斬り付けようとしていた2人目の兵士は、振らんとしていた剣を飛来する剣の迎撃に向けざるを得ない。
「ナイスガード!」
 思わず兵士が動きを止めた瞬間、ロジャーは駆けた。
 兵士2人の間をすり抜けるようにして前進、その間に繰り出された拳撃の連打が金属の重奏を響かせる。
 ロジャーが振り返ると同時、腰部の関節を砕かれた鎧兵士達はバタバタと倒れ伏した。
「二丁あがりっと。うんうん、できれば荒事は避けたいんだけどね。今はそんなこと言ってる訳にもいかないし、ガンガンやっちゃうよ」
 軽薄な顔にやる気を乗せて言うと、ロジャーは再び地を蹴った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
こ、こんにちは。ぼ、ボクは、ルクといいます

戦いは怖いですけど…ボク達がやらなかったら、他の誰かが傷ついてしまうから…だから、ボク、戦います…!

絵筆を振り抜き塗料を飛ばす事で中〜遠距離から攻撃します
塗料に属性や誘導弾などの性質を宿す事もあります
攻撃は躱すよりオーラ防御や武器で受けて軽減したり、激痛耐性で耐えたりする方が得意です

あとは、えっと…魔法学園で迷宮探索について学んでいるので、罠や魔力の探知はそれなりにできる、つもり、です…
探知の際は現場や探知できた魔力などを絵に描く事で分析、整理する事ができます

日常では、人々や風景を描きながらのんびりと過ごしたいです

よ、よろしく…お願いします(ぺこり)



 まだ動いているUDCの鎧兵士達の数は、着実に減少して来ている。
 それでも教団員たちの命令を受けた鎧たちは、猟兵を狙い剣を振るって来ていた。
『オオオオオ……!!』
『デビルズナンバー』の名を示すように、兵士達が持つ剣が邪悪な気配を帯びる。
 恐怖心を煽り立てるように、悪魔を思わせるような呻き声が響き渡った。
「ヒッ……!」
 ルク・フッシーは、思わず背に冷たいものが走るのを感じた。
 だが、それでもしっかりと彼の武器たる特大の絵筆を握りしめる。

「戦いは、怖いですけど……!」
 猟兵である自分達が戦わなければ、オブリビオンによって他の誰かが傷ついてしまう。そして、まず真っ先に自分達が救わねばならないのは、
「……この、鎧型UDCに囚われている人達……!!」
 ルクは決然と敵を見据えると、その絵筆を大きく振るった。
 ルクへと迫ろうとしていた兵士の足に、絵筆の先端から飛んだ絵具が命中する。
 粘着性を帯びた絵具は、鎧の足を動かなくさせた。
「うまくいった……次、やります!!」

 ルクは空中に絵を描くかのように、さらに絵筆を振るっていく。
 飛んで来る絵具を避ける兵士もいるが、絵具が落ちた地面を踏んだ瞬間、まるで底なし沼に踏み入ったかのように、兵士達の体がそこへずぶずぶと沈み込んでいく。
 慌てて飛び出す兵士へと、すかさずルクの絵具が飛んだ。
「とにかく、傷つけないように……」
 中の人を傷つけないよう、鎧型UDCを無力化する。そのためにルクが施した材質塗装(マテリアル・ペイント)は、その力を発揮した。
 次々にUDCを無力化したルクは、邪神召喚の儀式が続く祭壇へと一直線に塗料を飛ばし、進みやすいよう材質を整える。
「……祭壇までの道は、開けました……急ぎましょう!」
 他の猟兵達へと声を向けるルク。祭壇で行われる儀式が、その魔力を増しつつあることを彼は肌で感じる。
 ルクに導かれ、ユーベルコードによって生まれた一直線の道を、猟兵達は祭壇へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『睡魔』

POW   :    貴方も段々眠くなる
【なんだか眠くなる波動 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    羊が一匹、羊が二匹
【極僅かでも、興味】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【レベル×10の匹数の、モフモフの羊達】から、高命中力の【強い眠気を催す波動】を飛ばす。
WIZ   :    あと5分
予め【起きるまでの時間を申告し起床を引き延ばす】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:笹にゃ うらら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 N県の山頂部。邪神を蘇らせようとする邪教の祭壇へ、猟兵達は辿り着いた。
 UDCの護衛達が突破されたことを受け、石造りの祭壇の上で邪神復活の儀式を執り行っていた教団員たちは、決断を下したようだった。

「神よ!! 我らが魂を糧として、ここに蘇られよ!」
「そして世界を、汝がもたらす安寧に包みたまえ!」

 芝居がかった口調で叫んだ教団員たちの体が奇妙な光に包まれ、祭壇にバタバタと倒れ伏していく。
「眠っている……?」
 猟兵達は、教団員たちの口から寝息が漏れていることに気が付いた。だが、彼らが蘇らせようとしていた神の性質を考えれば、おそらくそれは目覚めることのない永遠の眠りなのだろうと察しがつく。

『ベェ~』

 気の抜けるような鳴き声が、空から響いた。
 虚空から祭壇に降り立ったのは眠る羊獣人を乗せた巨大な羊と見える存在だ。
 一見して和やかにも見える姿。だが、邪神が全身から波動を放つと、拘束されていた鎧型UDCは次々と動きを止めていく。
 機能を『眠らされた』のだ。
 猟兵達もまた、全身の力が抜けていくのを隠せない。
 不完全ながら復活を果たした邪神『睡魔』。
 猟兵達は眠気をこらえながら、この存在を滅ぼすべく戦いを挑む!
火土金水・明
「今回の邪神の姿は、眠る羊獣人を乗せた巨大な羊ですか。」「羊の方は、もふもふのやりがいがありそうなのですが、今日は仕方がないですね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、他の方に合わせて【援護射撃】にして【高速詠唱】した【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『睡魔』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「さあ、オブリビオン達は『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


リステル・クローズエデン
阻止は、叶いませんでしたか。
ならば、次善の策ですね。

妨害主体で動きましょう。

呪詛耐性で眠りに抗いつつ、
早業+呪詛でユーベルコードを起動します。
「まーぼーどうふはじめましたーーーー!」

その後は、
投擲+範囲攻撃+クイックドロウ+一斉発射で苦無を投擲し
モフモフの羊を攻撃したり。

魔装の腕輪による、誘導弾+スナイパー+マヒ攻撃で狙い撃ったりします。
「させませんよ。」

また、メカニック+武器改造でサプライズボムの殺傷力を落し、
音のみを高めたものを用意。
爆音によって睡眠を邪魔します。
「あさですよー。おきなさいよー。」

切り札
全力魔法+破魔+呪殺弾+精神攻撃
魔装の腕輪に紫傷石を組み込み砲撃する
「最後の一手です。」



「復活の阻止は、叶いませんでしたか。不完全な復活のようですが……」
 邪神『睡魔』を見上げたリステル・クローズエデンは、自らを捧げた眠る教団員たちの姿に眉を寄せた。
 リステルは、『睡魔』による眠りの波動が刻一刻と広がりつつあることを、その呪詛への耐性を帯びた体で感じていた。
 邪神は周囲にいる猟兵達を眠らせにかかっている。
「いえ、こちらのことは気にしてすらいないのかも知れませんね」
「時間をかけ、この波動が広がっていけば、凄まじい被害となるのでしょうね」
 火土金水・明は、いかにも眠たげにあくび混じりの鳴き声を上げる巨大な羊の姿を見ながら、そう考える。
 出発前にグリモア猟兵が語っていた通り、ある意味で恐ろしい存在と言えるだろう。

『むにゃむにゃむにゃ……あと5分……』

 羊の背で眠る羊獣人が寝言のようにそう呟く。
 未知の言語でありながら、その言葉の意味は猟兵達の心に伝わって来た。
『睡魔』が自らさらなる眠りに就くと、その身を覆う眠りの波動が、さらに強まり始めたのを猟兵達は感じ取る。
「眠りの時間に応じて、より強くなる。それが、この邪神の性質ですか……」
「でしたら、眠気を覚ましてあげましょうか」
 素早く躍り出ると、リステルは眠気覚ましとばかり、ユーベルコードを発動させる。
「まーぼーどうふはじめましたーーーー!」
「ええ……?」
 突然の謎の詠唱に驚く明の前で、羊のさらに上、山頂の空から白と赤の物体が降って来る。
 その正体は唐辛子や油、ひき肉と絡み合ったアツアツの餡と豆腐……。
「え、本当に麻婆豆腐なんです?」
「なぜ、違うと」
 地獄のように熱く、赤々と煮えたぎる麻婆豆腐は、睡魔の頭部に滝のように降り注いだ。降り注ぐ麻婆豆腐が目と口を鼻を刺激し、辛さを通り越した痛みすら与えて邪神の眠りを邪魔していく。

『メ”、メ”ェガ~!?』

「ああ、羊の頭が麻婆豆腐で真っ赤に……」
「さあ、あさですよー。おきなさいよー」
 リステルはさらに、音量を強化した爆弾や苦無を次々と投げ始めた。次々と周囲で鳴り響く爆発音が、邪神の安眠を妨害していく。
「もふもふのし甲斐がありそうな姿だったのですが……惜しいですね」
 明は苦笑しながら呟いた。
 白くふんわりとした羊毛は、気持ちよさそうではあったが、流石に麻婆豆腐まみれになってしまった今、抱き着こうとも思えない。
『睡魔』の羊毛に抱き着けば、あの背中にいる羊獣人のように、ぐっすりと眠りにつくことも出来るだろう。
「まあ、人間にとっては永遠の眠りになりかねませんね」
 明はアツアツの麻婆豆腐を嫌がって身をよじっている『睡魔』へと、その手にした七色の杖を向けた。
「熱そうですね。では、冷やしてあげましょう……我、求めるは、冷たき力!」
 明の振るった杖の先端から飛び出すのは、氷の属性を帯びた魔法の矢だ。
『睡魔』の羊毛はその勢いを眠らせようとするが、魔法の矢は突き刺さる前に弾けて効果範囲を広げる。
 背中で寝ている羊獣人型の部分が、寒さを嫌がるように羊毛の奥へと潜ろうとしていた。明は攻撃が通じたのを見て取ると、立て続けに魔法を放つ。
「本当に眠気が戦闘力に直結しているんですね」
 リステルはその腕につけた魔装の腕輪に、紫傷石をはめ込んだ。
 多量の魔力を貯蔵した魔石から、腕輪に力が流れ込む。
「では、この一手でどうですか!」
『メ”ェ~!?』
 全力を籠めて放たれた魔力の砲撃は、邪神を守る波動を打ち破ると、その精神を蝕んでいく。眠る羊と羊獣人、その表情が悪夢でも見ているかのように歪み──そこへ麻婆豆腐の第二波が降り注いだ。
『メ”ェ~!?』
「あ、5分ごとに降ります」
「スヌーズ機能……!?」
 執拗な目覚まし麻婆豆腐に戦慄を覚えながらも、明はさらなる魔法を邪神へ向け放つ。
「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい!」
 氷の魔力は、麻婆豆腐を冷凍食品にしながら『睡魔』の羊毛を凍り付かせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロジャー・バレット
「全く、何が出てくるかと思えばただのひつ…ふぁ…眠…ハッ!?いかんいかん、こいつぁ馬鹿にできないな」

顔をパンパンと叩いて目を覚ますと短くなった煙草を新しいものに変え、両手に『エスクワイヤー』『テレキャスター』の双銃を持ちUC≪Jugband Blues≫を発動

「眠気覚ましにちょっと喧しく行くよ!銃声の奏でる死の音楽だ、存分に楽しんでくれ給え!」

マグナムとサブマシンガンによる【一斉発射】で【乱れ撃ち】、ありったけの銃弾を叩き込む

「さあ、眠りたいのならグッスリ眠らせてあげよう。二度と起きることのないようキッチリとね!」

敵が隙を見せた場合は『エスクワイヤー』に【呪殺弾】を装填、【零距離射撃】を試みる



 ロジャー・バレットは、祭壇に現れた存在を見て肩をすくめた。
「全く、何が出て来るかと思えば、ただのひつ……」
 だが、歩きながら言葉を発しかけた瞬間、彼は不意の眠気に襲われる。バランスを崩して転倒しそうになり、あやういところで目を覚ましたロジャーは、自分の頬をパンパンと叩いた。
「……いかんいかん、こいつぁ馬鹿にできないな」
 眠りを司る邪神。その力の大きさを感じながら、彼は新たな煙草に火をつけた。
 猟兵達の戦う音、邪神の悲鳴を聞きながら一つ息を吸うと、両手に銃を構える。
 拳銃エクスワイヤーと、短機関銃テレキャスター。
 ロジャーは双銃を邪神へと向ける。
「さぁて、眠気覚ましにちょっと喧しくいくよ!! 銃声が奏でる死の音楽だ、遠慮しないで楽しんでいくといい!」
 瞬間、銃口から無数の弾丸が溢れ出すように放たれた。銃弾は腹に響く銃声を伴って山頂に響きを起こしていく。銃弾の嵐を浴び、羊毛がズタズタに引き裂かれていった。
『メェ!!』
「さあ、眠りたいのならグッスリと眠らせてあげよう。二度と起きることのないよう、キッチリとね!」
 装填した銃弾はたちまちに尽きる。山麓に跳ね返った響きが収まるまでの間にロジャーは新たな銃弾を再装填すると、再び邪神へ銃口を向けた。
 それに応じるように、邪神が鳴き声をあげる。
『ンメェ~~~!!』
 山々に轟く邪神の声に呼び寄せられるようにして虚空から現れたのは、邪神を小さくしたような無数の羊の群れだ。
 その羊の一体一体が強い眠りの波動を纏っているのを見て取って、ロジャーは思わずくわえていた煙草を取り落しかけた。
「……っと。こいつはちょいとマズいかな」
 こちらへと近付いてくる先頭の羊にロジャーは的確に銃弾を撃ち込む。だが、動きをとめた羊を踏みながら、新たな羊が鳴き声をあげて次々に近付いてくる。
「いいさ、眠れる羊たち! まとめて銃弾ライブにご招待だ!!」
 無数の羊が響かせる眠りの声の重奏を、ロジャーの銃弾が奏でる死の音楽は貫き、消し去っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロイド・テスタメント
【暗殺】

心情:
3人そろっての依頼は初めてですね
頑張りましょうか

戦闘:
「寝ているとはなんと呑気なものだ」
【目立たない】【暗殺】を駆使して咎人の双剣を【投擲】する
「動きをよく見れば……問題ないだろう? 父さん」
【第六感】で攻撃を予測して【戦闘知識】で攻撃の軌道を読みとる。
鉄の処女で【武器受け】したり、その中に閉じ込めてみましょう
「燃やせ! ロン!」
ロンのUCが発動したらこちらもUCを発動させます
「殺戮衝動は、こう時でしか……満たされないな」
『Τισιφόνη』で【生命力吸収】【傷口をえぐる】【呪詛】を込めて【2回攻撃】
「全てを、無へ……」
ロンの補助メインに父親にも

※戦闘中だけ口調が荒荒しくなります


ロン・テスタメント
【暗殺】

心情:
わーい♪ロイドさんとヒッツェさんと一緒です!

戦闘:
「えっと、攻撃は……」
狼(ロウ)『敵のユーベルコード使ったら、迷宮に閉じ込めてしまう作戦だろう?』
【目立たない】ように行動しつつ、攻撃されたら【オーラ防御】で防いで
【だまし討ち】で反撃します、もちろん『王龍』から『疾風』を放って捕縛も視野に
「は、はい!」
『七ノ堕龍』で炎の【属性攻撃】をして燃やしてからUCを発動させます
「寝ているのに倒すのは忍びないですが……ごめんなさい!」
『そういう、UDCだったて話だろう? ほら、頑張れよ!』
『王龍』の風の【属性攻撃】で殴ります!
頑張って二人の援護をします!

※心の中で他の人格と話してます


ヒッツェシュライア・テスタメント
【暗殺】

心情:
あぁ、3人は初めてであるな
ロン、怪我をしないようにな

戦闘:
「最初から全力でいかせてもらおう」
UC使用、オブリビオンに対しては研究対象であり殺戮衝動を掻き立てられる相手だ
「惰眠を貪るのも良いが、オレはお前を喰らうのが楽しみで仕方がないのだよ」
【戦闘知識】を活かして、大鎌のオーブに魔力を込めて【呪詛】を込めた【なぎ払い】で攻撃
「全てを無に帰す前に……喰らうてやる」
攻撃は【オーラ防御】で防ぎ、攻撃力が高まっていようが正面から攻撃をする
どうせ、ロイドとロンが援護してくれるのは知っているからな
「喰らえ、喰らえ、オレの狗どもよ。骨も残さずにな!」
珍しいヤツだが、きっと持って帰れないだろうな…



「うわぁ、大きい羊!!」
 ロン・テスタメントが、邪神の姿に目を丸くする。
 ロンとロイド、それにヒッツェシュライア。テスタメントの姓を持つ3人は、猟兵達と交戦する邪神『睡魔』の姿を観察する。
 無数の羊を召喚したかと思うと、邪神『睡魔』は再びの眠りに就こうとしていた。
「戦闘中に寝るとは、なんとも呑気な……」
「ああして惰眠を貪ることによって戦闘力を増していくというのだから、なんとも珍しい存在であるな」
 ロイドの感想に、ヒッツェシュライアが興味深そうに言う。
「リスキーではあるが、神とは利害で推し量れるものでもないのだろう」
 できれば持ち帰りたいのだが、と内心で思うヒッツェシュライアだが、それが難しそうなことも理解していた。
「では、始めるとしよう。ロンは怪我をせぬようにな」
「こうして3人で共に戦いに挑むのは初めてですね。首尾よくいきましょう」
「はいっ!」
 年長者たるヒッツェシュライアの指示に従い、ロイドとロンが地を蹴った。たちまち気配を薄れさせながら祭壇を目指す2人の目を敵から引き付けるようにして、ヒッツェシュライアは己の殺戮衝動を解放する。
「飢えし狗どもよ、我が衝動を糧とし、我の代わりに殺戮せよ」
 ヒッツェシュライアの前に現れるのは、無数の狗神たちだった。ヒッツェシュライアは、邪神を見据える。
「惰眠を貪るのも良いが、オレはお前を喰らうのが楽しみで仕方がないのだよ。喰らえ、喰らえ、オレの狗どもよ。骨も残さずにな!」
 狗神たちが、一斉に跳んだ。
 往く手を阻む羊の群れを噛み破り、引き裂きながら、狗神の群れは邪神へと迫る。

 その間にロイドとロンは羊と狗神の戦いの場を迂回して、邪神が乗っている祭壇へと近付いていた。
 石造りの祭壇の上、邪神は呼び出した羊たちがやられていることなど気にも留めない様子で眠りに就いている。
 猟兵達の攻撃でその身を覆う眠りの波動は薄れているが、再び目覚めた時、邪神の力は眠る前を大きく上回っているだろう。
「えっと、攻撃は……」
『迷宮に閉じ込めてしまう作戦だろう?』
「大丈夫ですか?」
 心の中で、別の人格と語り合うロンの様子に、ロイドは案じるように声を掛ける。
「は、はい!」
「ならばよし。……仕掛けるぞ」
 普段の穏やかな口調から一変させたロイドは、一気に加速するとロンと共に祭壇へと踏み込んだ。
 咎人の双剣を具現化させ、ロイドはすぐさまそれを投げつける。投じられたサイキックエナジーでできた紅い双剣が、羊毛を貫通した。それを追うようにして、ロンは跳ぶ。
「燃やせ、ロン!」
「はい!」
 ロイドの指示に、咄嗟に身に纏うオーラを強めて眠りの波動を耐え切ったロンは、『七ノ堕龍』を振り抜いた。
 炎を帯びた鉄の棒が、羊の邪神の毛を燃やし始める。
「凍れ、凍れ。この氷の迷宮は、全てを受け入れ、全てを出すのを拒む」
「惑え、この領域に踏み込めばこそは、深淵に隠された蜃気楼という名の……トラップ、だ」
 着地したロンとロイドは、相次いでユーベルコードを発動させる。
 無数の羊たちと邪神たちとを遮断するように、氷の迷路が出現した。すぐさまロイドが放った鋼糸が邪神の動きを拘束、その場に釘付けにする。
「首尾よくいったようだな」
 そう声を掛けたのは、羊たちを狗神に任せ、群れを突破したヒッツェシュライアだ。なお眠っている邪神の様子に、ロンは思わず気の毒そうな顔をした。
「寝ているのに倒すのは忍びないですが……ごめんなさい!」
『そういう、UDCだって話だろう? ほら、頑張れよ!』
 心の中の『狼』に急かされるように、ロンは鉄扇を構えた。

「殺戮衝動は、こういう時でしか……満たされないな」
 ロイドはナイフを振り抜くと、その鋭い切っ先を邪神へと突き刺した。それを皮切りに、3人のテスタメントは、邪神の肉体を切り刻んでいく。ロイドとロンが身を護る羊毛を散らすと、ヒッツェシュライアの大鎌がそこに痛撃を与えるという形で、3人の攻撃は邪神を弱らせていく。
『ベェ……メェ……!!』
「ようやくお目覚めか」
 ロイドは、氷と鋼糸による拘束がしっかりとしていることを確認し、ロンとヒッツェシュライアへと頷いて見せた。強化されているようだが、しばらく外れはしない。
「これで最後だ。全てを無に帰す前に……喰ろうてやる」
 ヒッツェシュライアは、魔力をその手にした大鎌へと籠めると、渾身の力を籠めて薙ぎ払うように振るった。存分に魔力を注がれた大鎌は邪神の肉体を大きく断ち割り、崩壊へと導いていく。
「やはり肉は残らないか……」
「まあ、神様みたいですし……」
 残念そうなヒッツェシュライアを慰めるロン。

 やがて、ロンが氷の迷路を消した時には、祭壇といまだ眠り続ける教団員たちだけを残して邪神の痕跡は消えていた。
 あれだけ荒れ狂っていた山の天候も、既に落ち着いている。
 UDC組織に連絡を取ると、やがて職員たちを乗せ、迎えのヘリが訪れる。降りて来た証拠隠滅要員たちと入れ替わるようにヘリ乗り込んだ猟兵達は、教団から救出した人々を連れ、神去りし山を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月08日


挿絵イラスト