バトルオブフラワーズ⑧~漆黒に染まる街を取り返せ~
●闇のような場所へ向かう道
「キマイラフューチャーが真っ二つに割れちまったな、おかげで世界は大混乱だ」
梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)が明らかに困惑の表情を浮かべながらその手の内にグリモアを浮かべていた。
曰く、キマイラフューチャーの基幹システムである「システム・フラワーズ」にオブリビオンが侵入、そのシステムのメンテナンスを実施するルートを作るため、キマイラフューチャーの惑星自体が真っ二つに割れてしまったのだという。
既にシステム・フラワーズの内部に侵入するメンテナンスルートは開かれているが、敵は随時追加されている。ルート確保のため、『ザ・ステージ』の攻略も継続しないといけない。
「『ザ・ステージ』に出現する敵は留まるところを知りません。メンテナンスを確実なものとするためには、皆様の働きが必要なのです」
狼獣人モンスター、ヴァリウードが真剣な面持ちで腕を組んだ。
今回の戦場の制定されたルールは「ヌリツブシバトル」。
転送される先は高層ビル群の間を街路が走る、キマイラフューチャーの街並みを模した戦闘ステージだが、このステージは建物の壁や地面の一切合切が闇のような黒色に塗り固められている。
この黒色によって猟兵のユーベルコードはオブリビオンに損害を与えることが出来なくなっており、放置していると一方的に攻撃を受け続けてしまうのだ。
「この真っ黒いのは、皆の攻撃やユーベルコードで攻撃することで、黒以外のいろんな色に塗り替えることが出来る。自分の思った通りの色にな。
そうしてどんどんステージを塗り替えていって、一定以上の範囲を塗りつぶせると、一度……一度だけ、ユーベルコード本来の効果でオブリビオンを攻撃できるんだ」
剛士の説明の後を継ぐように、ヴァリウードが片手をすっと横に動かした。
「この攻撃のチャンスにおいて、オブリビオンへの攻撃よりも、より広範囲を一気に塗りつぶすことを優先することも可能でございます。
先程、主が一定以上の範囲と申しましたが、これをさらに広げ、ステージの3分の2以上を皆様で塗りつぶすことに成功した暁には、皆様のユーベルコードの攻撃回数に制限がなくなります。普段通りに戦うことが出来るようになるわけでございますね」
一定範囲を塗りつぶしながら攻撃を重ねていくか、先んじて広範囲を塗りつぶし、思う存分攻撃を加えるか。
どちらの方法を取るかについては、猟兵次第だ。
そして今回猟兵たちの対戦相手となる、オブリビオン。『斬裂の支配者ロード・リッパー』という名の、全身を暗い衣服に身を包んだヒーローマスクだった男だ。
「やつは衣服が真っ黒だ。今回の戦場である、真っ黒に塗りつぶされた街ってのは奴にとって都合がいい……身を隠す意味もあって、黒いとこばっかり移動するみてーだな」
ロード・リッパーは黒く塗りつぶされた場所を飛び回るように移動しては、召喚した触手による攻撃や、手に握ったナイフを用いたヒットアンドアウェイを駆使してくる。
猟兵たちが戦場を色鮮やかに塗り替えていければ、ロード・リッパーの行動範囲を狭めていくことにも繋がるだろう。
また、ロード・リッパーは一般人のキマイラの幻影を召喚して操ってくることもある。
一時的に召喚される幻影のため、支配された一般人の行方や生死を猟兵が気にする必要はない。あくまでもそれは幻影なのだから。
そこまで説明したところで、剛士がこくりと一つ頷く。その彼の横で開かれる、キマイラフューチャーへとつながるポータル。
「ここで勝てれば本筋の攻略の助けになるはずだ。頼りにしてるぜ、お前ら!」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
キマイラフューチャーの戦争はまだまだ続きそうです。
頑張りましょう、皆さん。
●目標
・暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』×1体の撃破。
●ヌリツブシバトル
このシナリオでは、『ヌリツブシバトル』という特殊戦闘ルールが適用されます。
戦場ステージは、キマイラフューチャーの街並みを模して作成されていますが、壁や床は『闇のような黒色』に塗り固められています。
この『闇のような黒色』により、猟兵のユーベルコードはオブリビオンに直接ダメージを与える事が出来ず、一方的に攻撃を受けてしまいます。
その代わり、ユーベルコード或いは直接武器で床や壁を攻撃すると、ピンク、青、緑、紫など(猟兵の任意)の色で、周囲を塗りつぶす事が出来ます。
一定以上の範囲を塗りつぶす事に成功すると、一度だけ、本来のユーベルコードでオブリビオンを攻撃する事が可能になります。
オブリビオンを攻撃せずに、より広範囲を一気に塗りつぶすスーパー塗りつぶし攻撃を行う事も出来ます。
マップの3分の2以上が猟兵によって塗りつぶされた場合、本来のユーベルコードの攻撃を無制限に行えるようになるので、一気に決着を付ける事が出来るでしょう。
●戦場・場面
(第1章)
キマイラフューチャーの街並みを模した戦場ステージです。
街のどこかにロード・リッパーは潜んでおり、ステージを飛び回りながら攻撃を加えてきます。
それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』』
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POW : 魂を蝕む触手の群れ
【暗黒面 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【蠢く蒼の触手のかたまり】から、高命中力の【魂を蝕む触手の一撃】を飛ばす。
SPD : シンクロ・ザ・ネメシス
【暗黒面の感情で塗潰す事により支配した 】【一般人のイケメンな猫耳キマイラ男子の体に】【斬裂の支配者 ロード・リッパーの身体能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 次はどんな子にしようかなぁ?猫耳は外せないよね。
対象のユーベルコードに対し【支配していたイケメンな猫耳キマイラ 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:夜月蓮華
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ティアー・ロード」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バロン・ゴウト
【色:青紫】
キマイラフューチャーの楽しい街並みも、黒一色だとこんなに楽しそうじゃなくなるのにゃ……。
よーし、皆で街をカラフルにして、ついでにオブリビオンもやっつけちゃうのにゃ!
【アイリスの嵐】を使いながら【ダッシュ】して、辺りをアイリスの花と同じきれいな青紫に塗るのにゃ!
基本的に塗りつぶしに専念して、自慢の【視力】で敵が接近してこないか注意し、近づいてきたら【逃げ足】を駆使して敵から離れるのにゃ。
マップの3分の2以上が塗りつぶされたら敵に向かって【ダッシュ】、そのまま【アイリスの嵐】で攻撃にゃ!
他の人との連携、アドリブ大歓迎にゃ。
●呂色
黒い。
色鮮やかに煌くはずの地面も。
様々なネオンやイルミネーションに彩られるはずの建物も。
燦々と太陽が照り付けるはずの空も。
全てが暗く、黒く、どんよりと濁った光を放っていた。
バトルステージに転移してきたバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)は、その黒い毛並みに覆われた身体をぶるりと震わせつつ、金の瞳を悲し気に潤ませた。
「キマイラフューチャーの楽しい街並みも、黒一色だとこんなに楽しそうじゃなくなるのにゃ……」
そう、この街並みは楽しくない。
いつもの面白おかしく楽しいキマイラフューチャーとは似ても似つかない。
姿の見えないオブリビオンは、きっとこの街のどこかでつまらなくなった街を見てほくそ笑んでいるのだろう。
ならば。
「よーし、皆で街をカラフルにして、ついでにオブリビオンもやっつけちゃうのにゃ!」
そう朗らかに声を張って、バロンは駆けた。
その足元から、指の先から、鮮やかな青紫色をしたアイリスの花弁が散っては地面や建物の壁へと吸い込まれていく。
そして花弁の落ちたところからふわりと広がるように、花弁と同じ青紫色に塗られていく地面、壁。
それはまるで、アイリスの花畑が見る間に広がっていくようであった。
「くはっ、何してくれちゃってんのかなぁ?」
どこからともなく、乾いた笑い声が聞こえてくる。
その声にバロンが足を止めるや、すぐさまに上を睨みつけた。ビルの上からこちらを見下ろす人影が見えたからだ。
オブリビオン、斬裂の支配者ロード・リッパー。
「お前がオブリビオンだにゃ!?」
「そうだよぉ、忌々しい猟兵ども。このステージを折角苦労して真っ黒に塗りつぶしたと思ったら、どんどん上から塗りつぶしてくれちゃって。
これはちょっとおしおきが必要かなぁ?」
ロード・リッパーの傍らに小柄な猫耳の少年の姿が浮かび上がると、その少年が一挙にビルの屋上を蹴って飛び降りてくる。
すぐさまに青紫色の地面を蹴り、後方に下がるバロン。飛び降りたそのままにバロンに蹴りをくわえる算段のようだったらしい猫耳キマイラ少年の幻影が、青紫色の地面に吸い込まれるようにぶつかって消えていった。
「こうしちゃいられないにゃー!」
「あっ……!」
攻撃を避けられたことを確認したバロンが、即座に踵を返す。ロード・リッパーが追いかけるよりも早く、彼は華麗に戦場を離脱していった。
成功
🔵🔵🔴
高柳・零
WIZ
一方的に攻撃されるのは癪ですが、こういう時こそ自分の出番ですね。
自分はスーパー塗り潰し攻撃に専念します。手足の指合わせて20本を出来るだけ広げ、広範囲に一気に光を落とします。
「イケメンキマイラ?自分の邪魔をするなら容赦しません!」
UCを撃つ体勢を維持したまま、友人の真似をして気を撃ち(範囲攻撃)で吹き飛ばします。
「リア充は爆発…おや、言動まで似てしまいました」
壁が取り払われたら指10本全てロードに向け、全力で光を落とします。
「隠れんぼはもう終わりですよ!」
アドリブ歓迎です。
●濡羽色
未だ黒色の濃い、彩りの無いステージ。
しかし高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)は、なればこそと奮い立ってその両足で地面を強く蹴った。
「一方的に攻撃されるのは癪ですが、こういう時こそ自分の出番ですね……天よ邪なる力を封じたまえ!」
ジャンプした状態で両腕を広げ、両手を広げ、両足も大きく開き、全ての指をそれぞれ広げた零の指先が、しっかと黒い壁や黒い地面を指し示す。
途端に、曇天を切り裂いて差し込んでくる光芒が20本。
差し込んできた光が地面を、壁を、黒く暗い色から明るい黄色へと塗り替えていく。それはまるで、零の顔のテレビ画面のような色で。
こうして一気に広範囲を明るく塗りたくることに成功した零。当然、ロード・リッパーが黙って見ているはずはない。
「こっちもこっちで何してくれちゃってんのかなぁ!?」
零の指先が向く方に、召喚したイケメン猫耳キマイラの青年を突っ込ませつつ、ナイフを構えたロード・リッパーが零めがけて突っ込んできた。
しかしその程度の奇襲で動じるほど、零は場慣れしていない猟兵ではない。
「イケメンキマイラ?自分の邪魔をするなら容赦しません!」
ジャッジメント・クルセイド改を放つ体勢はそのままに、全身から気を放つ零。その気の勢いを以て、ロード・リッパーの身体とイケメンキマイラ青年の幻影をよろめかせにかかる。
気の勢いに身体を押されてよろめくロード・リッパー。イケメンキマイラ青年は役目を果たせないままにその姿を消していった。
「リア充は爆発…おや、言動まで似てしまいました」
友人のキメ台詞が移ってしまい、画面の表情を恥ずかし気なものに変える零を、ロード・リッパーは苦々しそうに見やりながら、ビルとビルの隙間へと撤退していった。
成功
🔵🔵🔴
ガルムゼノン・フェンリル
【息子のゼル(f00372)と一緒だ】
【一応POW行動】
うむ、見事に真っ黒けだな…
私は空色に塗っていこうとしよう。ゼル、行こうか!
アサルトライフルの特殊弾としてペイント弾を装填、乱射してみよう。
なんかこうやって銃で色塗りしてるとゲームをやってるみたいだなぁ
●戦闘
ある程度塗れたら戦闘だね。
おっと、悪いけどその攻撃に当たる訳にはいかないな?
ゼルが武器落としに失敗してたらハンドガンのクイックドロウで武器落とし。
拳に纏った波導…氷の属性攻撃を衝撃波として放ってみようか。
攻撃はフェイント、見切り、戦闘知識でカバーしながらカウンター狙い。
最後にゼルと一緒に【崩月・蒼牙爆迅衝】だ!!
アドリブ歓迎だ♪
デュオゼルガ・フェンリル
【父さん(f01970)と一緒だ!】
【一応POW行動】
うわぁ、見事に真っ黒けっけだなー…
俺達の手でカラフルに染め上げちゃおうぜ!行こう、父さん♪
さて、と!
俺は藍色に塗り替えちゃうぜ!
真っ黒なとこをひたすらにぶん殴って色を変えていくんだぜー
爆迅衝の衝撃波で広い範囲を塗れたりしないかな?
●戦闘
基本は塗りつぶしメインで行動。
攻撃が飛んできたら第六感、見切りで回避してフェイント、カウンター、2回攻撃だ!
ナイフで毛皮を斬られるのも嫌だし、ガントレットで武器受けして手首に掌底を撃ち込んで武器落とし…さらにナイフを吹き飛ばしてやるぜっ
仕上げに父さんと一緒に【崩月・狼牙爆迅衝】をキメるぜ!
アドリブ歓迎だぜー♪
●黒橡
猟兵たちの活躍によって、徐々に黒々とした部分は塗り替えられて行って、彩り鮮やかな領域が増えていっていた。
そんな中、ガルムゼノン・フェンリル(砕月の咆哮・f01970)とデュオゼルガ・フェンリル(月下の人狼・f00372)のフェンリル親子はバトルステージに颯爽と降り立った。
「うむ、見事に真っ黒けだな……」
「俺達の手でカラフルに染め上げちゃおうぜ!行こう、父さん♪」
「よしゼル、行こうか!」
そう、お互いに顔を見合わせながら頷いて、二人は同時に鮮やかな色と黒とが入り混じる地を蹴った。
ガルムゼノンは空色、デュオゼルガは藍色。
アサルトライフルからペイント弾を放って色を塗り替えていくガルムゼノンに対し、デュオゼルガはその拳で黒く染まった地面や壁を次々に殴って色を変えていく。
二人の連携の取れた行動は、見る間に黒く染まったバトルステージを青く碧く染め上げていく。
そうして数分もしない内にステージの半分ほどが染まる頃合いになって。
嬉々として地面を殴ったデュオゼルガが、手近なところにあるビルの黒い壁を殴ろうとしたその時。そのビルと隣のビルとの合間から、飛び出さんとするものがあった。
「ゼル、下がれ!」
「わっ!?」
ガルムゼノンの声かけに気が付いて、慌てて身を引いたデュオゼルガのいた場所を穿つように通り過ぎていくのは、太い触手だった。こちらもまた色が黒々としている。
ビルの隙間からゆらり転び出るのはロード・リッパー。その表情は杳として知れないものの、纏う空気は明らかに怒りの色を帯びている。
「ふふふ……随分とやってくれたじゃあないか。あれだけ苦労して塗り上げたステージが、もうこんなに見苦しい色に染まって……」
「ふん、オブリビオンとして蘇って世界を覆い尽くそうとするお前の方が、よっぽど見苦しいんだぜ!」
「全くだ、さっさと骸の海に還るがいいさ」
デュオゼルガとガルムゼノンがきっぱりと言ってのけるや、ロード・リッパーの背後からぞろりと湧き出てくる触手の群れ。それはうぞうぞと蠢きながら、二人に狙いを定めている。
「言ってくれるね……二人まとめて餌食にしてやるよ!」
その言葉が放たれた瞬間、フェンリル親子二人に向かって高速で触手が迫っていった。
見切りと第六感で攻撃を躱すデュオゼルガ、フェイントを交えつつ触手の攻撃をいなすガルムゼノン。
二人の回避は、立ち回りは、一見無秩序なようでいて、互いに位置取りを確認し合い、互いが互いの邪魔をしないよう計算された動きをしていた。
そうしてどんどんと触手の猛攻をしのいでいくガルムゼノンとデュオゼルガが、二人揃ってロード・リッパーの正面に並び立つ。
触手の攻撃を全て防がれたロード・リッパーの動きはまさしく停止していた。触手を引き戻すのに必要な、その数秒にも満たない攻撃が止む瞬間。
二人は矢のように飛び出した。
ナイフを構えてガードするロード・リッパーの腕を突き破るように、押し込むように、二人同時にまっすぐ、拳を突き出していく。
「「崩月……」」
「っっ!」
ロード・リッパーが一瞬だけ、息を飲んだその刹那。
「蒼牙爆迅衝!!」
「狼牙爆迅衝!!」
狙いすました一撃、ただ一度のチャンスを無駄にしないための一撃。
その、この一撃に賭けるための二人の拳が、同時にロード・リッパーの右腕に突き刺さる。
ばきり、と骨が砕ける音が鳴り響いた。
成功
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ブリッツ・エレクトロダンス
いやしかし、見事に割れたもんだ。
レリック探しでメンテナンスルートのごく浅い場所(行き止まりだったが)に潜った事はあったがこういうメンテナンスルートなんてすげぇな。
さて、塗りつぶしてやるか。
ステージのルールの影響でユーベルコードでダメージを与えられなくても支援に関しちゃ規制なんざねぇ。
だからよ、流すぜ…テンション上がるヌリツブシバトル用BGMをな!
デジ・スピーカー展開、楽曲ロード。
DJ.Blitzのプレイタイムだ!チェクチェク!
(演奏しながら自身の周囲を緑色に変えていく。塗りと支援専念スタンス)
草野・千秋
ふむ、黒の世界に塗り替えられては
キマイラフューチャーも楽しくはないでしょう
この世界は彩りに満ちてこそ美しい
自分なりに塗ってぺたぺた……?
いいえ、もっと僕なりの方法があるはずです!
歌と言う彩りで敵を攻撃すること!
行くぞ、『ヒーローズ・リサイタル』!
UCで敵のまっくろくろを攻撃
歌唱、範囲攻撃などを強化して
歌を歌う
♪まっくろくろな世界は嫌だよ
♪君の瞳のような青空が見たいな
♪Sing for the future!
♪この世界には愉快な仲間でいっぱい
♪遠い未来を心配しても仕方ない
♪今を楽しもう
手持ちのギターで演奏したりもして
演出しますね
機械の喉の声でもきっと届くと信じて!
アドリブ絡み大歓迎!
●相済茶
オブリビオンの骨が砕ける音がする頃。
ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)はビルの屋上に立ちながら遠くを見る様に手を翳した。
「いやしかし、見事に割れたもんだ。
レリック探しでメンテナンスルートのごく浅い場所に潜った事はあったがこういうメンテナンスルートなんてすげぇな」
「潜ったことがあるんですか?」
「行き止まりだったけどな」
草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)が目を見開くも、肩をすくめるブリッツ。どうやらこの惑星の最奥まで、先んじて踏み込んだことがあるわけではないらしい。
その物言いに小さくため息をつきながら、千秋はブリッツの視線の先に広がる真っ黒に染まった街並みを見やった。
「黒の世界に塗り替えられてはキマイラフューチャーも楽しくはないでしょう。
この世界は彩りに満ちてこそ美しい」
「違いない。ところでお前、音楽的センスはある方か?」
「シンフォニアですし、歌い手としての活動もしておりますが……それが?」
「ハッ、ならちょうどいいや。BGMで後押ししてやるよ。攻撃は任せた」
そう言って笑うブリッツの周囲に展開されるデジ・スピーカー。そこから流れ出すのはゴキゲンなヌリツブシバトル用BGM。
そう、この場面、ブリッツは千秋の支援に徹することにしたのだ。攻撃にあたってユーベルコードの制限を受けても、味方の支援については障害がない。
音圧に乗せて広がっていく、緑色と音色。その音色に身体を押されるようにして、千秋は力強く屋上の床を蹴った。
「自分なりに塗ってぺたぺた……いいえ、もっと僕なりの方法があるはずです!」
そう口の中で呟いた千秋の視界の中に、確かに立っているロード・リッパー。腕を押さえる彼から少し離れたところに降り立って、千秋は声を張り上げた。
「僕の歌は罪人を許さない!行くぞ!」
歌い出した途端に、千秋の周囲の空気が文字通り変わった。
ヒーローズ・リサイタルによって底上げされた彼の歌唱技能が、文字通り世界を塗り替えていく。銀色に染め上げていく。
そしてその空気はしっかりと、ロード・リッパーまでも届いていた。
「ちょっ、厄介なことをしてくれるなぁ!」
ブリッツのBGMに千秋の歌、見る間に染め上げられていく黒の世界。このままでは3分の2を容易に超えられてしまう。
何とか歌だけでも阻止しようと千秋に向かって行くロード・リッパーだったが。
千秋に拳が届く前に、彼の歌声が文字通りその身体を打った。
取り出したギターもかき鳴らして歌う千秋の歌声が、どんどん世界の黒を取り払っていく。
「♪まっくろくろな世界は嫌だよ 君の瞳のような青空が見たいな
♪Sing for the future!
♪この世界には愉快な仲間でいっぱい 遠い未来を心配しても仕方ない
♪今を楽しもう」
「ぐ、く、くそぉぉぉ……!」
折れた腕で顔を庇うようにしたロード・リッパーの身体が、大きく後方へと弾き飛ばされた。
その勢いのまま、銀色に染まったビルの壁へと激突、もうもうと煙が上がる。
そのビルの下、街路の上で力なく横たわるロード・リッパーの身体が、空気に溶けるように消えていく。
そこから一挙に、残りの黒く染まった部分が色とりどりの鮮やかな色に染まっていった。本来のキマイラフューチャーの街並みとは少し違うかもしれないが、鮮やかな世界が戻ってくる。
ブリッツのEDMと千秋の歌声が、まるで街頭のディスプレイから流れる音楽のように、街中にどんどん広がっていく。
色を取り戻した世界を見て、猟兵たちは満面の笑みを浮かべるのだった。
成功
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