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バトルオブフラワーズ⑨〜マニアックチキンレース

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●猿は花と舞う
 マニアックとはどこまで突き抜けていけるかが重要なポイントとなって来る。
 つまりはそれは想像力の限界に挑戦することに他ならず、それでいて他のものに引かれるでなく、どこか尊敬を受ける、いわゆる凄みも必要だった。
 マニアックは1日にしてならずなのである。
「つまり、生まれてこのかたマニアックな俺には誰も叶わないのだウッキー!!」
 可憐に花弁の舞う世界で、マニアック怪人、エイプモンキーもまたその姿を舞わす。
 それはとても、上級者向けな光景であった。

●マニアックの限界まで
「まずは第一関門突破、と言ったところじゃのう」
 各ステージの状況を確認しながらウルフシャ・オーゲツ(f00046)は呟く。
 さまざまな法則を完全に超越し、真っ二つとなったキマイラフューチャー。
 その元凶となった、数多の怪人を束ねる幹部への道が開いたのである。
「今回の相手は猿モンキー……じゃなくて、エイプモンキー、マニアック怪人を名乗る強敵じゃ」
 いかにおちゃらけた連中が跋扈するこの世界でも、油断することはできない。
 何せその能力は数多のサブカルチャーでも大人気の空想具現化能力である。弱いわけがなかった。
「まともに正面からぶつかり合っても、こちらの攻撃は防がれてしまうことは簡単に想像できる、もしあの相手に弱点があるとするなら、それは知略に他ならぬじゃろう」
 かといっても計略を用いて相手を倒せというわけではない。
 簡単に言うならば、マニアック相手にはより、ついていけないレベルのマニアックな力で対抗することが必要、ということだ。
 ウルフシャは胸の前でぐっと拳を握り、猟兵たちを送り出した。
「あんまりにもマニアックすぎると色々と大切なものを失ってしまうかもしれんが、そこは各々限界ぎりぎりまで、いや、限界を超えたその先に勝利があると信じておる、皆の無事を祈っておる、よろしく頼むのじゃ!」


しべりあ
●はじめに
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

『この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません』
 大切なことなので二回言いました。
 どうも、しょしんしゃのしべりあです。

 戦争シナリオの難易度が難しい、ということもあり、いつも以上にしっかりと判定できればと思います。
 が、それでも世界とウッキーの性質上ネタ寄りになる可能性が高いことはあらかじめご了承ください。
 それでは、皆様のマニアックな力をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

相馬・雷光
必ず無効化してくる、か……厄介な相手ね

私の攻撃は雷撃弾……電気によるもの
ユーベルコードであっても電気という性質はそのままだから、絶縁体やらアースやらで防がれちゃうわね

初手に全力魔法で【帝釈天降魔砲】をぶっ放す!
封じられるのは分かってるから、その後も通常の雷撃弾(属性攻撃)で弾幕を張る(2回攻撃)わ!
ダッシュやスライディング、ジャンプで攻撃を避けながら、撃ち続ける!
結局は雷撃だから全部防がれる……けど、電気が流れれば電熱が発生するわ!
精密機械なら熱には弱いはずよ!
撃って撃って撃ちまって、装置をショートさせてやる!

封印が解けたらもう一回【帝釈天降魔砲】!
いっけええええ!



●古来の神秘と未来の科学
「人は古来より雷を恐れ、神の御業と恐れてきた……しかし、やがて、それを制し、活用することで文明を築くことに成功したウッキー……」
 相馬・雷光(f14459)によって放たれた雷の塊に、巨大な猿、マニアック怪人エイプモンキーは無駄に壮大そうな言葉を呟きながらにやりと笑みを浮かべる。
「利便性が高いということはそれだけ制御する方法も確立されていることと知るのだウッキー!」
 花弁と共に雷撃の弾丸による嵐が吹き荒れる中、彼は堂々と仁王立ちしていた。
 その周りに設置されていたのは背の高い機械の群。
 それらは避雷針となりながら雷撃を受け止め、その身に受けた雷撃をエネルギーへと変換して力をためていたのだ。
「必ず無効化してくる、か……厄介な相手ね」
 初手全力での一撃を防がれるも、雷光は花の舞散るフィールド上を駆け巡り構わず同じ雷撃での攻撃を重ね続ける。
 相手がこちらへの対策を行っていることは分かっていた。
 しかし、だからこそ同じことを続ける。
「何度やっても無駄な事を、自らの力で吹き飛ばされるといいのだウッキー!」
 機械の山から供給されたエネルギーをその体に巡らせ、お山の大将はその腕を構える。
 彼が異常に気が付き始めたのはその時だった。
「……な、なんだウッキー」
「電気を利用するのが機械でも、その弱点もまた電気。雷が落ちれば電化製品なんて一発でおしゃかよ」
「ミーのマシンをその辺の電化製品と同じとでもいうのかウッキー!?」
「動力が同じなら大差ないわね。そして電気のエネルギー変換には切って離せないもう一つの要素があるじゃない」
 過電流による変電機能のオーバーフロー。
 それにより発生した異常は力は、『数多の電熱』を発生させることにもなり、その力を束ねていたエイプモンキーへも影響を与えつつあった。
「暑い、熱い、集めすぎとでもいうのかウッキー!」
「自慢の機械もそろそろダメみたいね」
 その身に集った熱を抑えきれずにいる猿に向け、雷光は再度全力を込めた雷撃を創り出していた。
「そんなもの、そんなものおおおおおウッキー!」
「いっけええええ!」
 雷光の声と共に放たれた巨大な雷撃を機械たちが受け止める。
 しかし短期間で度重なる酷使により発生した熱は彼らの身はすでに限界であった。
 受け止めきれずに崩壊していく機械を見つつ、だがまだこの力は残っているとエイプモンキーはかき集めたエネルギーをその腕に集中させ渾身の一撃を振るう。
 ぶつかり合う力と力。
 エイプモンキーのそれは変換することにより減衰しているとはいえ、数多の雷撃を変換し続けたものであり。雷光の放つ雷撃とほぼ拮抗する程の力を持っていた。
 だがそれも長くは続かない。熱はやがて、エイプモンキーへと襲い掛かり始めたのだ。
 そして、それにより生じた隙を逃すほど、雷光の雷撃はゆっくりと待つことはない。
「ウッキイイイイイイ!?」
 エイプモンキーが雷光に対する最後の保険の意味を込めて自らに施していた絶縁体による守り。
 だが絶縁体であるはずの空気を通じて雷が落ちるように、その守りを上回る電圧による絶縁破壊を巻き起こすことで、猿の体は雷撃に貫かれたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘクター・ラファーガ
目の前でワイヤー以外の持っている武器を全て猿にぶん投げる。
剣、小銃、刺剣、猟銃、大剣、短杖……コイツらを全部“気合い”全力で“ロープワーク”で操作して、猿を囲むように空中で薙いだり発砲したりと翻弄させる。
取られたって構わない。何故ならこの武器を猿に近づけることが俺の目的だからだ。

グーを出したらパー出されるんだ。だったらじゃんけんを言うタイミングで攻撃してやる。
猿が俺の武器を掴むか、上手く囲めた瞬間を狙って『吹き荒れる一つ脚』を発動。武器から魔力を爆発させる!



●風と共に猿
「す、少し焦げただけだウッキー」
 身に纏った鎧をバチバチと音を立てさせながらも、エイプモンキーは立ち上がる。
 ヘクター・ラファーガ(f10966)は、そんなエイプモンキーの怯んだ隙にここぞとばかりにある物の投擲を始めていた。
「アブねぇ!? ミーに刺さったらどうするつもりだウッキー?」
「そのまま海に還ればいいんじゃないか」
 猿の言葉をあしらいながらヘクターが投げ続けているのは、剣、小銃、刺剣、猟銃、大剣、短杖といった数多の武器であった。
「猟兵は辛辣だウッキー!?」
 流石にそのまま体で受け止めるのはまずいと判断したエイプモンキー。
 彼が今の状況を鑑みて用意したのは金属製のバットを二刀流に構えたロボットである。
「その名もミヤモト・ゴジロウ。あんな危ないものは全部打ち返してやるのだウッキー!」
「やれるものならな」
 そこから始まったのはヘクターとエイプモンキーとの激しいキャッチボールのような何かだ。ちょっと油断すると大けがをするぐらいでなにもおかしなところはない。
 エイプモンキーが機械を操り武器をホームランしようとすれば、ヘクターの操るロープが再度武器を掴み、投げ返す。
 幾度となく繰り返していく応酬は決着が見えず、千日手となりつつあった。
 その状態にしびれを切らせたのはエイプモンキーだ。
 均衡を崩すための一石を投じようと周辺を見回していた時、目に入ったのは戦いの最中で地に落ちたままとなっていたヘクターの放った大剣だった。
 エイプモンキーはにやりと笑い、利用してしまおうと歩み寄る。
 それこそがヘクターの目的であったとも知らぬままに。
「ウッキイイイイイイ!?」
 至近距離まで近づき、手を伸ばした瞬間、突如に武器から巻き起こされた爆発的な暴風に、エイプモンキーは花と共に可憐に吹き飛ばされる。
 力が科学技術によるものならばエイプモンキーも事前に察することが出来たかもしれない。
 しかし、武器を通して放たれる魔力を察することは、猿にはできなかったのであった。
「常に後出しで、負けるわけがないはずなのになぜだウッキー!」
「グーを出したらパー出されるんだ。だったら、じゃんけんを言うタイミングでやってしまえばいいってことだよな」
 傷を負いつつも立ち上がったエイプモンキーはそんなむちゃくちゃなと唖然としていたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

シュガー・ラビット
【目的】
UCを誤認させて隙を作り、真のUCを発揮して敵を脱力化&弱体化させるよ!

【行動】
私はUCを【にくきゅうぱんち!】だと思わせるべく「キャロット☆ストライカー」(吹き飛ばし)(捨て身の一撃)(鎧砕き)で急接近&突撃を試みようとするよ。
その際に敵に「接近されると不味い」と思わせて対策UCを発動させれば成功!
私は足止めされちゃうけど、ここで真のUC【もふもふワンダーランド】を発動!
あたりの無機物は全てもふもふした白い生き物に変身させてお猿さんを覆うよ!この時に、敵の装甲ももふもふ化で剥せるといいね。

例え、真のUCの力を見抜かれたとしても
ストライカーの攻撃で大ダメージ喰らわせられる算段です!!



●兎猿合戦
 雷で煤け、風で吹き飛ばされることで鎧に深刻なダメージを得たエイプモンキーだったが、まだまだ中身は元気で健在である。
 そんな猿へと向けて一人の兎、シュガー・ラビット(f02321)がまっすぐに駆けだしていた。
「次はまた可愛いお嬢さんだウッキー! しかし人気者はつらい、ミーは息つく暇もない……というわけでお前ら、歓迎してやるのだウッキー!」
 いかに華奢に見える姿でも、シュガーは猟兵である。防御を捨て去った渾身の突撃を受けてしまえば、ただですまないのは明らかだった。
 オブリビオンにとって猟兵は何を起こしてくるかわからないブラックボックス集団なのだ。
 だからこそエイプモンキーは警戒した。こちらへ近寄らせてはならぬと数多の猿型機械を放ち始めた。
 猿型機械は駆けるシュガーへと向かい、ある者は高々と舞い上がりながら、またある者は背後に回り込みながら襲い掛かっていく。
「いかな猟兵でもこれだけの数、ひとたまりもないのだウッキー……ウッキー!?」
 盛大に余裕をかましていたエイプモンキーは目の前の光景に唖然とする。
 機械だったはずの猿型マシンがなぜか白い毛を纏っていたのである。やがて白い毛につつまれた謎の生物は思い思いに歩き去って行く。
「機械って、無機物なんだよ?」
 そう、シュガーが最初から狙っていたのは相手に攻撃を叩き込むことではなく、相手の守りを崩すことだった。
 無機物を操ることで、白い謎生物を量産しながらシュガーは走る。
 最後の仕上げ、エイプモンキーの鎧もシュガーの目標だった。
 鎧が完全だったときはその能力も及ばなかったかもしれない。
 しかし、猟兵たちの攻撃による痛んでいた鎧は、シュガーの力を受け入れてしまった。
「ミーの鎧が!? 一張羅が!? いやん見ないでウッキー!?」
 白いもこもこに覆われた後、とても悲惨な状況になりつつあったエイプモンキー。
 もちろん、容赦はされることはない。
「これはおまけだよ、とっておいて!」
 隙だらけとなった猿は、白い兎の痛烈な突撃を見事すぎるほどにその身に受ける。
 かろうじて、大切なところだけは謎の花弁でガードしつつ、きりもみしながら吹き飛ばされていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

イヴ・シュプリーム
心情:想像力を力に……根源は私の『魔法』と同じね……
だとしたら……『魔導士』として負けるわけにはいかないわね……!

戦術:選択UCの弱点は『無機物が必要』という点。故に敵は無機物を周辺から除去すると予想。
対抗手段として、<魔法:エネルギー操作>での【範囲攻撃、属性攻撃】で周辺の気温を低下させる。
温度低下により、空気中の水分が凝結し結露や霜として表れたものを【念動力】で1gほど集積。
無機物である水に対して再度UCを行使。得た魔力を炸裂<魔導弾>に変換し即起爆。

「この1g……侮れないわよ……?」

大規模な爆発に備え、【全力魔法】での【オーラ防御】と<日傘>による【盾受け】で自爆を防ぎます。

※アドリブ可



●疾き風よ、光と共に解放されよ

「大丈夫……俺にはスーパー有機アーマーがある……」
 鎧をはじめとし、色々と大切なものを失ってしまったエイプモンキー。
 彼は下半身の大切なところをかろうじて葉っぱで隠しながらも猟兵と対峙することを止めることはなかった。
 イヴ・シュプリーム(f13592)からすればセクハラもいいところだが、そもそも相手は猿なのでそんなことを言っても仕方がないだろう。
「想像力を力に……根源は私の『魔法』と同じね……」

 イヴはあくまでも真剣にエイプモンキーと対峙する。
「ウッキー! ミーの力は世界中の人々が求めてやまないものなのだウッキー! まさに奇跡、まさに魔法! そんじゃそこらの奴には負けないウッキー!」

「こっちだって……『魔導士』として……『魔導士』として負けるわけにはいかないわね……!」

「平気で魔法や奇跡を使ってくる奴等なんかにマニアックの髄を極めて身に着けたこの力を越えることなどかなうものかウッキー!」
 エイプモンキーはニヤリと笑う。
 偶然でもあるが、エイプモンキーの周辺には無機物がない状態となっていた。
 つい今しがた、白いもこもことなってどこかに走り去っていったのだから。
 無機物を操るイヴとしてはやりにくい状態ではあったが、なにも無機物はいま目に見えている物だけでは、無い。
 イヴが力を込めると周辺の温度が凍り付くほどに下がり始める。今まで空気中を漂っていた水分が結露していくほどに。
 目に見ることのできない無機物というのは身近に、そう、至極身近に存在しているのだ。
「そこまでしてそんなわずかな水を創り出すとは、いったい何を……」
「わずか……そう、わずかね……でも、この1g……侮れないわよ……?」
「質量……ウキ!? その魔法、まさか、まさか、アレまで再現できる!? ええい、こんなところでそんなふざけたものを使うなど」

 古来より伝わる魔法系統の一つに、核熱系と称されるものが存在する。
 簡単に言えば魔術で行う核爆発。
 たとえ1グラムの物質だとしても、それを利用することで引き出されるエネルギーというのは莫大な物、この一帯を更地にすることが悠々とできてしまうほどに。
無論イヴの用いる魔法はあくまでもそれに近しいエネルギー総量をもちいるもの、というだけで別物だろう。
 だが、それの巻き起こす破壊の力という事に関していえば勝るとも劣らない。
 全力の守りで身を固めたイヴは、躊躇することなくそれを発動する。
「や、やめ……!?」
 そうして巻き起こった音すら鳴り響かないほどの激しい爆発は、花弁を巻き上げながらわずかな守りを無残に吹き飛ばしながら猿を包み込むのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・ハシュマール
相変わらず厄介な相手だ、ならその猿知恵砕かせてもらうよ。

大鮫轟炎崩縛拳は掴んでから派生することをメインにしたもの。距離があっても地獄の炎で出来た腕だから伸ばして捕縛できるし、地獄の炎は消火する方法などないから、必然的に何らからの方法で掴む事そのものを出来なくしてくるだろうね。

摩擦を打ち消すとするならば殴り飛ばしてあげるよ。言ってなかったっけ?本当はこのユーベルコード掴む必要がないんだよ。掴んでから攻撃する方が見映えがプロレス的に良いからやってるだけでね。芯を捉えて殴り飛ばす!
ダメージなら【激痛耐性】で堪えながら掴んでやる。くらう負傷は【生命力吸収】で補う。垂直落下型DDTでジャックポットだ。



●悲愴の猿を突き立てる
 何もかもを吹き飛ばすほどの爆発をもってしても、花弁も猿もまだ健在であった。
 いや、この猿の状態を健在といっていいのだろうか。
 あちこちが焼け焦げ、もはや体の大切なところ隠すのは花弁のみとなっている怪しい、不審を通り越してヤバイ猿がそこに居た。
 少なくとも健全とは言い難い。
「プロレス技など、捕まれさえしなければどうということはないのだウッキー!」
 そう、エイプモンキーはもはや……やけだった。
 彼は毛を捨てたのだ。
 激しい爆発をその身に受け、焼け焦げた毛がもはや限界だったというのもある。
 まるで全身脱毛を行ったかのような姿となったエイプモンキー、その姿はもう、悲愴としか言いようがなかった。
 しかし、その状態を少しでも生かそうとその全身を保護するために現れたのは保護ローション発生装置。
 それにより、猿はまさにつかみどころのない状態となっていた。
「何らかの方法で掴むことそのものをできなくしてくるかも……とは思っていたけど」
 全身がぬるぬるぬめぬめした、ほぼ全裸の猿が――普通の猿は全裸かもしれないが――さぁ来てみろと構えをとる。
 とてもお近づきになりたくないことおびただしいほどの存在であるが、放置するわけにもいかなかった。
「ははは、どうした、来ないのか、ならばこちらから、全身で、抱きしめてやろうじゃないかウッキー!」
「……いいことを教えてあげるよ」
「ウキ?」
 惚けた顔をした猿に叩き込まれたのは、地獄のように燃える拳。いや、その実地獄の炎を纏った拳であった。
 そのみずみずしいローションの力で傷は最小限にとどめながらも、エイプモンキーは困惑した顔でステラを睨む。
「な、なぜだ、なぜ掴まないままにその拳を振るえるのだウッキー!?」
「言ってなかったっけ? ボクのこの技、掴む必要はないんだよ」
 プロレスに大切な事とは何か。
 それは見栄え、つまりはパフォーマンスであろう。
 いかに激しく戦ったうえで、見るものを楽しませるかが重要なのだ。
 しかし、しかしである。今の相手はこの見栄えも何もない悲愴な猿なのである。
 こんな試合は早々に終わらせてしまうのが世の情け。
 信じられないという顔を浮かべる猿へと向かい、腰を落とし、全身を使ってまっすぐに、相手の芯を見据えたうえで、しっかりと上空へ殴り飛ばす。
 腕から伸びる地獄の炎は空を舞う猿のローションをカピカピに乾燥させ、その悲愴感をますます加速させていった。
 もはやどこでもつかめてしまう状態になった、呆然と正気を失いつつある猿。
「そんなにぼーっとしてるなら、その猿知恵ごと頭を砕かせてもらうよ!」
 ステラは跳躍し滞空していた猿の頭を小脇に抱えると、とどめとばかりに地面へと突き立てたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月宮・ユイ
花畑に舞う鎧を身に付けたお猿さん
あぁ、幹部もやはりキマイラフューチャーね……(遠い目)
これで能力は強力なのが厄介な所ね

”学習力”で常時行動最適化、加え”第六感”含め感覚強化。
各世界で”情報収集した知識”基に<人型変異>九尾の狐に
UCで能力付与された尾を鞭とし”早業”の様に振るい逃げ場のない”範囲攻撃”を。

変異の原型には調伏された過去もある以上そこを付かれると苦しい。
けれど倒されて封じられてなお他を害する力を残す逸話もある
それらの力に”生命力吸収・吸血・マヒ/気絶攻撃”の力も上乗せ”呪詛”として纏め込めた[ステラ]製の杭を複数創生、
”念動力で誘導弾とし一斉斉射。だまし討ち”の追撃を

アドリブも歓迎



●置いているだけで呪いを振りまく迷惑で有名なあの石
 地面に突き刺さった全裸の全身脱毛した猿がいた。
 もうその時点で何が何だかわからなかった。
「……これで能力は強力なのが厄介なところね……」
 月宮・ユイ(f02933)が転送されてきた瞬間に目撃したひどい光景に、思わず遥か彼方の時空を見つめるような遠い瞳をしながらもなんとか気を取り直す。
 あれはもう終わってるんじゃないだろうか。
 ……などという淡い希望を抱いてみたものの、願い虚しく、エイプモンキーはピクリと体を動かしたのちに、地面から自らの頭を掘り起こして立ち上がる。
「……なにか、ミーはすっきりした気分だよウッキー」
 そしてなんということだ、頭を強く打ったことにより、一週回って精神が正常な値にまで回復したのである。
 こうなってしまえば引導を早々に渡してしまうのが情けというものだ。
 ユイは今までの仲間たちの戦闘データをもとにエイプモンキーへの行動を最適化しながらも、自らの身を異形へと変貌させる。
 だがその姿は名状しがたき怪物などではない。
 傾国のいわれを持つ九尾の狐。現代に至るまで人を魅了して止まない存在である。
「あらゆるサブカルチャーに登場し重要ポジを総なめしていく九尾だとぉ……」
 焦りの声をあげつつも、エイプモンキーはにやりと笑う。
「だがそれほどの存在ならばもはやマニアックとは言えぬ、メジャーな存在だウッキー」
 現れたのは陰陽師、日本で有名な某陰陽師をモチーフとしたデザイン……のように思えるマシンが現れ、陰陽札を両手に構えながら踊り狂い始める。
「こいつらの力で貴様の力を押さえ込ませてもらウッキー!」
 冗談のような行動だが、それが謎の音波によるものか儀式によるものかは不明だが、恐ろしいことにユイの力は本当に押さえ込まれていた。
 しかし、それは狙った通りの事だ。
 九尾の狐が討伐されたことにより発生する呪いの石。その伝承の顕現はここまですることにより真の力を発揮させることができる。
「……な、なんだ、息苦し……体が、重い……まさか……殺生石!?」
 姿を元に戻し、禍々しい気を放つ石をその手にしたユイは満面の笑みで膝をついた猿を見下ろす。 
「伝承は弱点にもなれば更なる武器にもなるのものよ。著名なものなら余計にね」
 ユイの言葉に気をとられ、見上げる猿は気づかない。背後から迫るその杭を。
「殺生石ってね、あちこちに散らばって存在するものなの」
 呪いの石を秘めた杭は、猿を背から貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神薙・焔
対戦車猟兵戦術の大火力を支えるのはスマートガトリングガン、ガトリングってのは人名なのよね、それは知ってた? でも蒸気ガトリングガンはアルダワ魔法学園のアイテム、つまりアルダワにもガトリングさんがいたのダワ!(なんだってー!

そして、これは「アルダワのガトリングさん」が書いた魔導技術書から設計を起こし改良を重ねたガジェット、UDCアースのものとは技術系統的に似て異なるもの、弾には祈りが刻まれ、銃身の回転による祈祷車効果によって増幅される。

その性能諸元は連射力1デカ・メイジン(1デカ・メイジン=10メイジン、ガジェッティアの使う単位系では1メイジンは16発/秒を表す)! 「それ」では防げないわね!



●時空を超えるガトリングさん
 全身脱毛済みの花びらで覆われた全裸の呪われた猿。
 なぜそのような存在が生まれてしまったかは今となっては不明だが、それでもエイプモンキーの瞳に闘志は残っていた。
「そう、こういったピンチこそ主人公に必要なことだウッキー! 呪われるとか主人公そのものだウッキー!」
 言葉こそ元気そうだがその実、ものすごく顔色が悪い。
 つまりやるなら今だ、と言わんばかりに向けられたのは素敵に蒸気を吹き出しているガトリングガン。
 燃えるように赤い少女、神薙・焔(f01122)はしっかりと狙いを定め不敵に笑う。
「ねぇ、知ってる? この銃の名前」
「バカにするなウッキー! どこからどうみてもガトリングだウッキー!」
「そう、ガトリング……このガトリングって人名なの、知ってた?」
「……なん、だって……!? ええい、そんなマニアックな知識があってもなくてもこのカスタードウォールを抜けることなどできないのだウッキー!」
 カスタードウォール。
 それは、ダイラタント流体を利用した防護壁をその身に受けた液体機械である。
 単純に撃たれてもむっちゃ受け止める系存在の機械壁と思えば間違いない。
 名前の通りカスタードクリームを使用しているわけではない。
「使った後には美味しく食べられる、とってもエコな壁だウッキー!」
 ……ただ、カスタードクリームを使っても作ることは可能である。
「キマイラフューチャーでもガトリングって名前が通るっていうことは、この世界にもガトリングさんがいたってことかしらね……」
 もしかすると過去の世界からの刺客の一人にいつかガトリング怪人として現れるかもしれない。
「しかし、私の持つガトリングはまた別の世界のガトリングよ! 蒸気吹き荒れるアルダワ魔法学園の誇る蒸気ガトリング!」
 焔はダン、と大きく踏み込み大地を揺らし、寒い空気を感じさせないほど熱く、堂々と言い切った。
「つまり、アルダワにもガトリングさんがいたのダワ!」
「な、なんだってー!?」
 猿にはアルダワがわからぬ。
 しかし、世界をまたいでガトリングを生み出したガトリングさんが存在していたという事実には驚愕を覚えていた。
 まさかガトリングさんというのは世界移動存在で、オブリビオンを倒すために各世界にガトリングを生み出していたとでもいうのだろうか。
「これは『アルダワのガトリングさん』の残した魔道技術書から設計を起こし、改良を重ねたガジェットよ、あなたの知るものとは形こそ重なれど技術系統は似て異なる物よ」
 唸りを上げるガトリングは激しく蒸気を吹き上げながら、銃弾を激しくカスタードウォールへと叩きつける。
「さぁ、祈りの詰まった超連射力の弾丸、『それ』で防げるものなら防いで見なさい!」
 その連射力、仕様書によると1デカ・メイジン。
 なんだよ、その単位と思った時点で、マニアックバトルで猿は負けていた。
 液状壁は度重なる圧力の前に固まり、砕け、やがて雨のような弾丸が貫き、猿の意識を奪ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼汁権現・ごずなり様
オカマバーごずなりシルハシラレルコミカルフィールド店。おにぃはそこのママである。そんなおにぃは誉め殺しに弱い。秘蔵の高級酒を無償で提供してしまう程に弱い。二十歳の誕生日に封切りすべく保管してある誕生年のブランドワインが残されているか非常に不安である。
しかし、まぁ、これは弱点ではあるがスイッチでもあるのだ。褒めすぎてロックオンされたらママとして培った軽妙なトークで気持ちよく酔い潰させられて、お持ち帰りされてしまうだろう。



●ちょっとした時空のいたずら
 からんからん。
 ここはどこだろう。と猿は思った。
 ミーは銃弾に撃ち抜かれた後どうなった……?
 ある猟兵と対峙した。それは覚えている。
 それで、ミーはどうして。
 カウンターには無駄にしなやかな動きの男性。
 女性以上に女性らしい動作を誇る彼は彼女であり、他の客からはママと呼ばれていた。
 もしかして、オカマバー。
「何難しいことをかんがえているのかな?」
 戸惑うエイプモンキーの手を取ったのは蒼汁権現・ごずなり様(f17211)。
「ミーはなぜここに……?」
「簡単じゃないか、お酒を飲みに来たのだ」
 ああそうか、バーに来たのだからそれは当然の話だ、と彼は思う。
 心に余裕ができたこともあり、辺りを見回す。
 広々としているが落ち着いた店内はジャズが流れ、整然と壁に取り付けられた棚に並べられた酒瓶は、詳しくないものでもわかるほどの高級銘柄から広く人々に親しまれる銘柄まで幅広く網羅されていた。
「いい、店だな」
 カウンターに座り、店の主人……ママをやっているごずなり様の兄、混沌権化の方のごずなり様……に声をかける。
 色々あって疲れはてたエイプモンキーにとっては、とても安らげる空間だった。
 あら、わかる? と嬉しそうに笑うママは、そっとグラスを差し出す。サービスのようだ。猿はサンキューと呟くように礼を言うと、そっと飲み下す。
 疲れた体に、その酒は沁み渡った。
「ママは綺麗だし、酒はうまいし、やっぱり、いい店だウッキー」
 自然に賛辞が口から出る。無意識に作り出した機械からも賛同が上がり、バーの中に広がるのはママさんわっしょいの掛け声。
 あらあらとママのほうもまんざらでもない様子で、次々と酒を注ぎ足していた。
「わかってるんだよ、ミーはもう終わってるんだウッキー……」
 飲んで飲まれた猿の独白は、店の空気に静かに溶け、そんな寂しいこと言わないで、と彼を慰めるかのように伸ばされた、手。
 猿とママはそのまま店の奥へと消えていく。
 誰もいなくなったカウンターには、僅かにしか残っていないブランドワインの瓶が静かに佇んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
シルハシラレル、これは弱点以前の問題である。認識不能なボクの本名を理解してもらう必要があるのだ、即ち使えねぇ。
ただし、相手が危険に対処する実力がありかつ”  ”の知識が有れば理解出来てしまうだろう。この場合の対処は三通り、該当の関連知識を消去するか、リミッターをかけて実力を抑えるか、あえて向こう側に行き実力で排除するか、だ。知識の消去はマニアック知識も連鎖で消えるだろう、リミッターをかけるなど愚の骨頂、ならば実力で排除を選ぶ可能性が高い。
で、向こう側に行った瞬間にシリアスブレイカーで向こう側をごずなり様のオカマバーに変質だ☆きっとマニアック談義で盛り上がり前後不覚になるまで泥酔させられるだろう



●目覚める前の事は思い出せません
「ここ、は」
 記憶がはっきりとしなかった。
 体全体が倦怠感で重く、なぜかひりひりとするお尻をさする。
 ふらふらとする意識の中でかぶりを振り、エイプモンキーは起き上がる。
 そうだ、なぜかバーにいて、酒を飲んで、そのあと……。
 いやまて、なぜそもそもバーに……そうだ、たしかあの直前に対峙していたのは……ッ!
「ごにゃーぽ☆ どうだい、楽しんでいるかい?」
 頭の中で理解すると同時に、いや、理解したことにより目の前にひらひらと姿を現した一人の妖精。
 それは、あのバーへと誘われる前に見た存在。
 もしかすると、あのバーへの案内人だったのだろうか。
 妖精とはそういった導き手たる存在だということは数多の伝承で語られている。
 意外と大勢いるのだ、一人ぐらいはオカマバーへ誘う宿命を背負った妖精がいても不思議ではない。
 理解には苦しむが。
 たしか、名前は……名前は……。そう、たしかに知ったはず、対抗するためには必要だったから、名前を認識するための機械に表示させた。
 そこに合った文字は蒼汁之人・ごにゃーぽさん(f10447)だった。
 だった、はず……はて、本当に、そうだったか?
 思考を止める、これは、考えてはいけないことだと脳内が警告する。
「直接『 』に触れさえしなければ、……そう、例えば機械を間に挟めば正気でいられる……とか思ったのかな? 無駄に優秀な機械が仇になったみたいだね」
 目の前の妖精が何を話しているのか、エイプモンキーのふらつく頭でははっきりとわからない。
「理解する事こそが罠だったのさ。認識しようとしてはいけないものに触れようとしたからこそ、キミはここに来たんだから」
「それがユーの奇跡の力っていうヤツだったのかウッキー……」
 それでも、同じ技は喰らわないとエイプモンキーは目の前の妖精へと手を伸ばし、つかみかかる。
 こにゃーぽさんは焦りを見せることなく、にやりとした笑みを浮かべたままだった。
「どうやら思い違いをしているみたいだね」
 エイプモンキーが掴んだと、思ったごにゃーぽさんは宙に溶ける。次にその声が響いてきたのは背後であった。
「まだ、キミはお店の中、つまりは攻撃を受けたままなのさ。さぁ、二日酔いには向かい酒、そろそろママも買い出しから戻ってくるしね」
 口内に冷たいアルコールが流し込まれる。たしかに、気分が良くなり、ふらついて痛んでいた頭もすっきりとしてきた。
「今度はボクもご一緒するよ☆」
 妖精は手にした酒瓶を揺らしながら微笑む。
 夜は、終わらない。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルカ・ウェンズ
UCを180秒封じるのね、なるほど、なるほど、逃げるわよ!

【行動】ダメもとで一人?サルだから一匹?の時を狙って【戦闘知識や忍び足】を使って、においを消したり、音を立てないようにしてUCでの【暗殺】を試してみるわ。弱点を指摘されて実際に実証される前にたくさん殴るわ♪

暗殺が失敗して、速く動く物を沢山だされら【範囲攻撃】味方を敵と思わせる装置などは危険だから攻め込む前にグリモア猟兵や味方にUCを使ったら、理性を失うことを連絡して、UCを封じられたらまたUCを使うために、対オブリビオン用スタングレネードで【1恐怖を与える2怪力】で攻撃【3残像が見えるくらいダッシュ】で逃げる。これが私の一撃離脱戦法よ!



●あの動きはむっちゃつかれる
 猿は目覚めた。
 何かとても優しく、とても恐ろしい世界にいた気がする。
 だが、なぜか悟りを開いたかのように力があふれていた。
 その力を全身にみなぎらせると、失われていたはずの毛が蘇り、その体躯も一回り大きくなり、荒々しさを増したものになっているように思えた。
 思えただけだった。
 その実、体力も気力も消耗し尽くしてすでにボロボロである。
 それどころか酔っているかのようにふらふらとしている。いや、実際酔っていた、自分の状態を正しく認識できないほどに。
「なるほど、なるほど……」
 目の前の猿が酒を飲んで強くなる憲法のような動きで徐々に近づいてくる異様な光景を眺めて、ルカ・ウェンズ(f03582)は頷いていた。
 花弁で大切なものを隠した全裸スタイルはそのままに、歩く。
 とろんと目をカッと開きルカを凝視すると、なるほどと口元を緩ませた。
「お前の力は……ヒック……ブリビオンを殲滅するためのものなのだウッキー! ……ヒック」
 この酔いどれ猿は凝視しただけでルカの能力を悟ったとでも言うのだろうか。
 おぼつかない足取りで、しゃっくりをしながらニタリと猿が笑う。
「ミーの操る機械は……オブリビオンではない、そして、素早い動きで狙いで攪乱させれば、満足に戦えまい……ヒック。 お得意の隠れんぼも……道が決まってさえいれば、おそるるに足らないウッキー……ヒック!」
 そうして召喚されたのは、なぜかカバディカバディと呟きながらおそろしい速度で反復横跳びを繰り返しながら迫り来る機械の群れである。
 いくつかは猿と同じように酔っぱらった動きをしている物もあった。
 だが、その異様な外見に騙されてはならない。
 機械たちはその無駄のない無駄な動きにより移動可能なルートを絞り込ませることで、ルカの移動が可能なルートを制限し、暗殺の難易度を格段に上昇させていたのである。
 どこから来るかわかっている暗殺者など、あとは罠にかけられて捕まるだけというのは古典ニンジャ時代からの逃れられぬ定めなのである。
 ルカはそもそも忍者ではないのだが。
「なるほど、なるほど、逃げるわよ!」
「……ウッキー!?」
 意外、それは逃走。
 そう、ルカは迷わなかった。
 あのような速度での反復横跳びなど、カバディなど長続きするわけなどないのだ。
 別にこの戦いにそんな差し迫った時間制限があるわけでもない。ならば、多少相手の酔いがさめても時間を稼ぐことが勝利への道だと悟ったのである。
「ヒック……逃がすわけないのだ、ウッキー!」
 機械たちは反復横跳びを維持しながら激しく追いかける。
 花舞う空間で数多の機械が反復横跳びを行いながら可憐な少女を追いかけるその様はとても絵に……なるわけもなく、ただただ異様な光景だった。
 そして、深追いをしようとするとどうしても隙ができるものだということを、酩酊したエイプモンキーは気が付かない。
 物凄い勢いで風を切り飛んできた物体が顔面に直撃し、破裂するその時まで。
 スタングレネード。
 ルカの持つ対オブリビオンへと特化されたそれは、見事にエイプモンキーの意識を一瞬だが吹き飛ばす。しかし、その一瞬は機械を操作している現状では致命的だった。
 猿が意識を取り戻した時に目にしたのは、倒れ伏したカバディマシンと、目の前に立ちふさがるルカの姿。
 前もっての呼びかけもあり、周りに仲間の猟兵の姿も一時的に見えない、おあつらえ向きの環境。
「これで、動くものはあなたぐらいね」
 彼女の姿が変わる、それはただ、オブリビオンを、今は目の前の猿を倒すためだけに特化した姿。しかしその顔に浮かぶのは、笑顔。
 猿は戦慄を覚える。だからといって何の救いも得ることはできない。
「ウッキイイイイイイ!?」
 思い切り振り下ろされたルカの拳は、猿の叫び声とともに轟音を周囲に響き渡らせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フォーサイス
マニアック知識に自信がある怪人か。それだけ聞くと怪人らしい色モノっぽいけど、実際に戦うとなるとやっかいだね。

ファデエフ・ポポフゴーストを使って、量子の世界で勝負だ。
キマイラフューチャーの世界でどこまで量子理論が進んだのかは知らないけど、ぼくが独自に編み出した理論は知り得ないはずだ。

量子は、シュレティンガーの猫のように、箱さえ開けられなければ、観測されなければ、決して、捕まえることはできない。

ぼくが独自の理論で編み出した、非干渉理論で、観測されないよう、量子を動かすよ。

この状態で全力魔法をはなって、一方的に攻撃だ。



●シュレーディンガーが物理学者という事実は例の猫より知名度が低い
 人間、しこたまぶん殴られれば……正しくは命の危機が差し迫れば、ある程度意識が覚醒してくる。猿でもそれは変わらなかった。
 これもう駄目なんじゃ……というほどのぼろ雑巾となったエイプモンキーは、裏路地に打ち捨てられた酔っ払いが如く酷いことになっていた。
 唯一花弁だけが、彼の大切な場所を隠そうと必死に頑張っている。
「知識っていうのは、経験を除けば、世間内で公表されている事実しか知りえないんだよ」
 そんな様子を眺めながら、アリス・フォーサイス(f01022)は語り掛ける。いつからそこに居たのだろうか、いや、今もそこに居るのだろうか。
 アリスの存在がひどく不確かなものに感じながら、猿は視線を向ける。
「今ぼくはキミに観測されることでここにいる事が確定されている。量子的な考えなら、こうして観測されるまではあくまで確率的な存在になるんだ」
 きつかった。
 猿の意識こそ覚醒したが起きぬけに量子的なお話をされて頭が追い付いていなかった。
「キマイラフューチャーの世界でどこまで量子理論が進んだのかは知らないけど、実際に量子を扱う、ぼくの知識に勝てるかな」
「……えーっと量子重力理論が確立されたとかって話は聞いた……と、あの、お嬢さん? いまちょっとまだ頭がはっきりしないからもっとゆっくり……」
 はたして、その猿の声はアリスに届いたのだろうか。
 猿は瞬時に目の前から消えた少女の姿を探して周囲を見渡すも、影も形もない。
 たしか量子といっていたはず。ならば、その観測を行うことでその姿を見つけることが出来る。
 だが、量子の観測というのは一番の難題である。
 アリスが言ったように量子とは観測されるまでは確率的な存在である。
 そして、観測することにより挙動が変わる存在でもある。
 見る前はあんな動きしてたのにじっと見てたらこんな動きしているという不可思議な存在なのだ。
 それを観測するための機械を用意するのはさすがのエイプモンキーも困難だった。
 なにしろ某素粒子観測施設を建造するような必要があるのだから。
「く、しかし、キマイラフューチャーの科学は更なる道を進んで……」
 進んでいたとしてもただでさえボロボロの猿に追いつくことはできない。
 四苦八苦している猿は気が付く。周囲、四方八方から迫りくる魔力の奔流に。
 量子は様々な状態が重なり合っている。
 つまり体を量子化したアリスは、猿の周囲に同時に存在している状態となりながらその力を振るったのである。
 量子テレポーテーションを利用した波状攻撃とでも言うべきだろうか。
「観測問題が解決できないいいイイイイ!?」
 猿の敗因は、ついマニアックな思考に沈んでしまい、量子の観測の事に思考を没頭してしまったことだろう。
「ぼくはそこにいるけど、そこにいないんだよ。シュレティンガーの猫のように、箱さえ開けられなければ、決して、捕まえることはできない……キミにその箱は開けられなかったみたいだね?」
 そうして、猿は大いなる魔力の激流に身を任せ、吹き飛ばされたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
ルナティックパーティーの弱点、それは私の性癖の逆打ちをされること。
私の性癖から外れたモノを想造されてしまえは目からツラミが出てしまう。
しかし、しかし、だ。それこそが罠。そう、想像されることが目的なのだ。なぜならば、幅広い私の性癖から外れたモノなどもはやSAN値直接レベルの邪神を越えた汚物だろう、そんなモノをその豊かな想像力でイメージしてしまったならば……ただでは済むまい。
念動力による腐属性攻撃の催眠術でより鮮明にイメージ出来るようアシストするわ☆催眠術での盗み攻撃で他の選択肢を選ぶという思考も奪ってしまうわ。

さぁ、自らの想像力で自らを蝕むがいいわ♪



●描写することすら憚られる存在というものがこの世にはあるのだと知った日
 血の涙を流し、吐血をしながらアリス・セカンドカラー(f05202)それでも笑っていた。
「まさか、それほどのものを呼び出すなんて……」
 アリスは守備範囲外のものでも無理矢理に脳内補完を行うことで受け入れる事が可能である。
 だが、それに伴う負荷は恐ろしいものだ。
「おぇえええ……」
 そして、それほどの汚物を生み出す反動は、エイプモンキーの体と精神を容赦なく抉り取っていた。
 もとから猿は限界だった。
 しかし酩酊が残った脳内が、せめてこちらのアリスには一矢を報いようと妙に気合を入れてしまい、恐ろしい領域の向こう側に飛んで行ってしまったのだ。
 想像力というのは優秀な武器だが、下手を打つとこのように自らを刺し貫く刃となる。
 事細かく描写してしまえばR18Gとなりそうな『それ』はとても素敵な笑みを浮かべながらその場にそびえ立つ。
 オーラでなんかもう無理だったエイプモンキーは、自らの想像の中にこのような怪物が存在していたことに後悔し、恐怖した。
 マニアックな存在が想像しうる最悪の存在。
 通常ならばそのようなものを生み出すことはなかった。しかし、そうなってしまった原因がある。
 他でもないアリスだ。
 彼女はよりしっかりと想像し、創造できるようにとエイプモンキーを手助けしていたのである。
 本来ならば、せいぜい筋肉むきむきのどこかのダークセイヴァーにいそうな吸血鬼的な存在が生み出される程度で済んだのかもしれない。
 だが未来は歪められた。
 猿は動けない。しかし、アリスも余波を食らっていた。
 そもそもエイプモンキーが狙っていたのがアリスの性癖から外れた何かなのである。
 脳内補完にも限界が近かった。
「……なかなか、やるじゃないの……!」
「あれを直視しても喋れるとは……ユーも……クールじゃないか……!」
 やがて、怪物がその姿を消した時には、血の涙を始めとして色々と画面に見せられないものを流したまま、お互いに倒れ伏しながらも健闘を讃える猿と少女の姿があったという。
 幸いだったのはこの場に他の者がいなかったことだろう。もしいれば、ほぼ確実に不定の狂気に苛まれたのだから。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

大神・零児
俺が2回も苦戦とは

その情報処理能力認めよう

が、旅団仲間を泣かしたお前は殺す

UCキーワード:敵の対策行動
【】1つ目:意識範囲拡大を封じる
【】2つ目:自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【】3つ目:敵意を隠す

だが
敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も



UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読み回避と攻撃



●それは無の境地
「……」
 大神・零児(f01283)は無言であった。
 目の前で血の涙を流し、口から何か泡のようなものを拭きながらもかろうじて意識を保っている猿を無言で眺めていた。
 その猿は強敵だった。幾度も戦い、苦戦を強いられてきた相手だ。
 そんな相手でもさすがにこのまま殴れば終わるんじゃないかと思っていた零児であったが、血の跡ののこったままの顔で大きく目を見開きながら猿は凝視し、語り掛けてきた。
「意識に触れると言うのは……どういうことだと思ウッキー……」
 ネジがいくつか飛んでしまったのか、その内容はいろいろと一歩進んでしまっている物だ。
「そも機械に意識はあるのか」
 猿の瞳は遠くを見ていた、零児を見ているようで、その更に向こうの何かを見ているのだ。
「しかして、ミーの心に今あるのは無の心」
 猿は意識を拡大していた零児の意識にあえて触れないことを選択した。
「全てを集約し、全てを自らの元へと誘う、これぞ猿の境地」
 いったいこの猿は何を言っているんだろう。
 それは分からなかったが、しかし何がしたいかは起こっている現象により理解した。
 猿の意識が、読めない。
 いや、意識は確かにそこにあるのだろう、しかしそれは完全なる無。
 まるで本人自身が物言わぬ機械となったかのような、いや、静かな水面となったかのような状態だった。
「この世の全てに意識が宿っているとするのならば。触れてみせよウッキー!」
 いつの間にか立ち上がり、こぶしを構えた猿。よく見ると猿の頭には明らかに洗脳装置的な何かがかぶされていた。
 どうやら、自らの意識を装置により無とすることで武術の達人となりながらも明鏡止水的な境地にたどり着いたのだろう。
「ここまでくるとわけがわからんな……!」
 しかし、相手が無を選ぶなら、こちらは全で挑むのみ。
 周囲の感覚がすべて自分へと教えてくれる。相手の動き、呼吸、そして、……未来。
「なん……だと……!?」
 切り裂かれたことに猿は驚愕し、膝をつく。
 確かに万全の状態ならばいい戦いが出来たかもしれない。しかし、エイプモンキーはもう、身体的にも限界だったのだ。
 いかに武術の達人となれど万全でなければ、打ち倒すことは容易であった。
「さらばだ、お前は……確かに強かった」
 零児の剣は、猿の体を刺し貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月17日


挿絵イラスト