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バトルオブフラワーズ⑦~調味料の声を聞け!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「目玉焼きには、この俺マヨネーズがあってしかるべきだろ!」
「ノンノン、コショウが最強!」
「いーや、そこは王道に醤油で攻めるべきだね!」
 調味料系怪人トリオは口々に言い合う。
 最強の調味料を決めたいわけではなく、ただ歌でもラップでもなく。
 独創性豊かに、変な調子を付けてオリジナルの歌を即興で織っているだけだ。
 怪人各々が持っている個性を最大限に活かして、会話のネタのような感覚で盛り込み、声に出しているだけというのが一番近いのだろう。
 たとえ内容に意味はなくても、万が一に最強が決められたら御の字程度の認識だ。
 それでも、それは『歌』と認識されステージ上で暴れまくる力となる。
 ステージでは歌が力を後押しするのだ。
 これを止められるのは、果たして誰か? キマイラたちでないならそれは誰が?
 ――そんなものは簡単だ。心に魂のビートを刻む者たちだ。

「……ちょっと運命すら感じちゃうのだけど」
 空裂・迦楼羅(焔鳳フライヤー・f00684)はやはり呆れるように笑った。
「ひとつ、新手の予知をしたの。聞いてくれるかしら?」
 迦楼羅が予知したのは『ザ・サウンドステージ』。歌いながら戦う音楽が響く場所だ。盛り上がりの一つとして、この場所も特殊ルールが敷かれているようだ。
「その名も、『コウハクウタガッセン』! 言葉だけで強そうよね!」
 猟兵もオブリビオンも歌を歌いながら戦うことを求められるらしい。
 それらをキチンと行うことで、戦闘力が上昇するような環境であり、ダメージを受けても倒れること無く戦い続ける事ができる。歌わなれば、いとも容易く負けてしまうような戦場ということだ。戦うだけでは意味がない。
「視聴率は力よ。行われてるのは歌合戦だもの」
 ステージの状況はテレビウム・ロックで救出したテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継される。投票するのはこの場に居ない誰かの一票ということだ。猟兵が助けたテレビウムの画面にも映っていることだろうが、『良いな』と思った方へ自動で採点される。
「きっとキマイラ達は猟兵を応援してくれるだろうけど、採点は自動なの。そこに慈悲はないわ」
 でも、逆に考えて。と迦楼羅は続ける。
「サウンドは果たして『歌だけ』かしら? 言い合いの応酬だって、それは魂から溢れたビート……サウンドみたいなものよ」
 戦わなくても意味がない。どちらも行ってこそなのだ。
「貴方は貴方のやれる方法で、サウンドを奏でるといいのよ。オブリビオンがやっているのだもの、言いたいことを友達に言いながらでもいいはずよね」
 チャンスと言わんばかりに、言いたいことを相手に伝える機会にしても良いかも知れない。……生中継されていることを気にしなければ、だが。
「貴方の奏でるサウンドが、勝利を齎しますように。それじゃあ、……いってらっしゃい!」


タテガミ
 こんにちは、タテガミです。
 調味料はめんつゆがすき。とても好き。

 特殊ルール『コウハクウタガッセン』については、『この依頼に関して』はOPに記載している感じで受け取って頂いて大丈夫です。
 怪人たちを殴り蹴散らすために歌い叫ぶ、ことが求められています。
 投票の結果で敗北した場合は、戦闘中に受けたダメージが一気に襲い掛かりそれまでの全員が戦闘不能になって敗北してしまいます。無敵モード解除って感じです。
 歌だけでは意味がなく、戦うだけでも意味を成しません。どちらも、です。

 著作権が絡むような版権は採用できません。
 魂の貴方の言いたい言葉をぶつけて下さい。
『この依頼では』その言葉は『謎の調子を取って歌ってる』感じになるはずです。

 いえーい、あなたのさうんどを、どうかきかせてくださぁい!
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第1章 集団戦 『食卓の友同盟』

POW   :    マヨネーズ怪人・ウェポン
【マヨネーズ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    コショウ怪人・ジェノサイド
【コショウ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    しょうゆ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【しょうゆ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・深香
あらあらぁ、喧嘩はダメよぉ?
ちなみに私は目玉焼きには塩派ね、残念♪

言葉はなんでもいいのよね
それなら私は、私自身の戦う意味を奏でるわ

女だからって嘗めてると痛い目見るわよ

敵の胡椒攻撃はオーラ防御や翼の羽ばたきによる風で防御
UCで遠距離から★MI/096(通常弾モード)の連射
銃声で声の搔き消しを狙いつつ
私は★加藍菜で声を届け続けるわ

私はあの子を護れなかった
心は仮面に隠されてしまった
あの子が嘘を望むなら
私もあの子の前では偽り続けるわ

もう私達に故郷は無い
本当の家族じゃなくても
思い出さえ失ったあの子を
私は愛し続けたい

美味しいだけの調味料さんに
負けるわけにはいかないの
護る為に

※大人びた外見に反し超ロリ声




「あらあらぁ、喧嘩はダメよぉ?」
 目玉焼きには何を選ぶか、という調味料系怪人トリオの剣幕はどことなくそんなニュアンスに思えた栗花落・深香(暴走おねーちゃん・f03474)。
 喧嘩ではないにしても、トリオを組んでるのに仲良くないのは実によくない。
「ちなみに私は目玉焼きには塩派なの、残念♪」
 微笑みながら、モデル受けの良い姿勢からのウインクをひとつ。ぱちり。
 そう応えると、怪人たちは目に見えて動揺した。
「三人もイケメンの調味料が居て、ここに居ない奴を選ぶとは……! マジガッデム」
「俺たちの味を覚えて帰って貰うしかねぇっすわぁ……! めっちゃ可愛い声してっしぃ……!」
「王道にトリプルアタック決めちゃうしかないね、満場一致で」
「いいや。ここは塩と同じく粒形調味料代表として、俺が立ち向かうしかないだろう。フレンズ、俺に力を!」
 カッ、とコショウ怪人が片手を上げてポーズをとるとマヨネーズとショウユがその動きをサポートするように一歩下がり、やれー! やっちまえーと遠巻きに応援を開始した。
 ――言葉ならなんでもいいのよね。それなら私は、私自身の戦う意味を奏でるわ。
「女だからって嘗めてると痛い目をみるわよ」
「女だから舐めるとかとんでもないね! むしろ俺のせいでくしゃみとか止まらなくなればいい!」
 意識が高いのか、調味料なのかわかりにくい言葉を返しながらコショウ怪人はコショウの大量に詰まったビンをぶんぶんと降りまくる。
 舞い上がる大量のコショウ! みているだけでも鼻がむずむずしてきたキマイラは絶対いるはずだ。大量のコショウは勢いよく深香を囲むように展開されていく。高速で振られるビンから勢いよくコショウの残量が減っていく。
「それこそ、甘いわねぇ。どうしてここには砂糖怪人が居ないのかしら!」
 深香はオーラを纏って翼を広げ、おもむろに羽ばたく。
 粉塵のように舞い上がっていたコショウはおもしろくらいあっさりと吹き飛んでいき、マヨネーズとショウユに降りかかる。
「お、おまえー!?」
「ぶえっくしょい!」
 ふふふ、と笑いながら耳の加藍菜を一つ撫でる。カチリ、と音がした。
「私はね、あの子を護れなかった。心は仮面に隠されてしまったの」
 怪人へはノーリアクションで、深香は思いを声に出して奏でる。
 ピアス型マイクの感度も良好、声はコレを見ている誰の耳にも届く。
「あの子が嘘を望むなら。私もあの子の前では、偽り続けるの」
 誰の話をしているか、それは深香だけが知っていること。
 怪人や中継先で見ているキマイラたちが真相を知る必要はない。
「もう私達に故郷はない」
 ――本当の家族じゃなくても。
 言葉を紡ぎながら、トリオからトントンと軽く跳ねるように離れMI/096の銃口を向ける。選ぶ撃ち方は、連射。
 考える隙を与えないよう、クイックドロウでトリガーを引けば、怪人の声は弾丸の音でかき消されていく。見事にそれらは刺さりに刺さる。声が完全にかき消えてはいないようだが、コショウの雨でそれどころではないようで、可愛さの欠片もないくしゃみばかりが返ってくる。好都合だ。
「思い出さえ失ったあの子を。私は愛し続けたい」
 最後のひと押しと思いの丈を言葉に込めて、熱線で確実に沈むだろう箇所を狙い撃つと、ぐぇえと三つ、もしくはそれ以上の情けない声がした。
 その声にニコリと微笑んで、花弁のスイッチをもう一度触る。カチリと音がした。
 ……これで近くにしかよく聞こえない。
「美味しいだけの調味料さんに、負ける訳にはいかないの。護る為にね」
「お、おれたちがおいしくりょうりされる……だと……」
「調味料だけでも美味しく出来ましたぁ、……なんてね♪」
 ガクリと膝を付き、サラサラと砂……いや、砂糖のように深香の前に崩れ去るトリオ。あっけない幕切れに、深香は胸をなでおろす気分だった。
 ――深香の抱える問題に比べれば、彼らは砂上の楼閣に過ぎなかったのだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

リカルド・マスケラス
目玉焼きっすかー。自分もそのお題でやってみるっすかね
無影分身術で3~4人位に増えて、掛け合いで歌う

目玉焼き、それだけじゃ寂しい、何添えよう?
カリカリベーコン!(いいね!いいね!)
プリプリソーセージ!(いいね!いいね!)
バランス考えレタスも添えよう(入れちゃうの?)
目玉焼き、何に乗せよう?(トーストどうかな)(他にはあるかな?)
ベーグルなんかは?(何だかおしゃれ)
いっそご飯に乗っけるか?(何それ?新種の)(TKG!?)
豪華な朝食(ごちそうさま!)
それでは元気に(いってきます!)

ノリに乗りまくったら、分身達と鎖鎌で怪人を拘束したり攻撃して倒しにかかる
ちなみに自分はベーコンエッグにして何もかけない派



 ●
「目玉焼きっすかー」
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)はへらへらと笑って会話に加わる。
「ほほう、君は俺たちの中なら誰を選ぶ?」
「やはり万能調味料たるコショウだよな!」
「いーや、そこは普通に醤油と応えるとこだろ。それを望むね」
 調味料系怪人トリオは好きな調味料に選ばれたいかのように、俺だ俺だと指差し主張する。なかなか彼らは自己主張が激しい。
「んじゃあ自分もその話題でやってみるっすかね」
 ――独りでは掛け合いにならないっすからね、ここは自分相手にやるっすよ。
「夢か現か幻か、とくとご覧あれっすよ!」
 煙が立ち上るようにリカルドの周りを囲むと、分身は色んな姿で現れた。
 色んなと言っても、リカルド本体が付属しているイケメンの服の色が多少異なる四人組となっただけだ。
「いえーい、目玉焼き、ソレだけじゃ寂しい何を添えよう?」
 本体がノリノリで分身体に語りかければ、仮面に番号が振られた分身が口々に答える。
「カリカリベーコン!」
 いいね、いいねと怪人たちも分身に混ざって面白がって相槌をうつ。
 彼らトリオはノリノリな人が好きなのだろうか。
「プリプリソーセージ!」
 ――いいね! いいね!
「バランス考えレタスも添えよう」
 ――入れちゃうの?
「おいおい、添えるくらいなら何かはかけようよ? なぁなぁなぁ!」
「かけると言わず、人体に影響出るまでぶち撒けようぜ!」
 コショウ怪人は痺れを切らしたのか、それとも一発芸なのかコショウを超高速に巻き散らかしはじめた。ブワァアと派手に舞い上がるコショウ! ビンの中で勢いよく減っていくコショウがカシャカシャと音を立てており、場の盛り上げに一躍を買う。
 リカルドたちは会話に応じず、コショウの飛び散る圏内から飛び出して掛け合いを続ける。
「目玉焼き、何を乗せよう?」
「トーストはどうかな、あとはついでに醤油も醤油だけにしょうしょう!」
 ――他にはあるかな? どうかなどうかな?
「ベーグルなんかは?」
「なんだかおしゃれ、そんな貴方にマヨネーズはいかが?」
 当たり障りなく掛け合いに割り込み、ひたすら自己アピールをねじ込む怪人。
 そんな事も何処いく風に、分身リカルドが更に言葉を紡ぐ。
「いっそご飯にのっけるか」
「なにそれ? 新種の」
「「TKG!?」」
 もうそれ目玉焼きじゃなくていいじゃないか、と衝撃的な掛け合いは最終局面を迎える。
「豪華な朝食」
 ――ごちそうさま!
「それでは元気に」
 ――いってきます!
 分身たちと連携し、鎖鎌の鎖分銅を投げつけて拘束を図れば、トリオは呆気なく捕らえられ四人組のリカルドから一斉に鎖鎌の刃が煌めき切り裂かれた。
「結局、おまえは調味料無し派だったのかい?」
「それを聞けなきゃ、消えるに消えられねぇよ……」
 ――あぁ、そんなことをきにしてたんだなぁ。
「冥土の土産にいうと、自分はベーコンエッグにして何もかけない派っすね」
 目玉焼き派でもないという衝撃は、トリオの心を圧倒的に挫く。
「卵料理は奥が深い……気分転換に、調味料を掛けてみても良いんだぞ。新しい世界が広がるからな」
 霧散しながらそんな言葉を怪人たちは、撒き散らかしたコショウだけを遺して消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリィ・ライジング
ビリー・ライジング(f05930)と共に行動。

よくあるよね。目玉焼きに何かけるとか、どの身を先に食べるとか。
お兄ちゃん、言わなくても分かるよね?

せーの(醤油を指差して)…やっぱりね。
別にあなた達がまずいって訳じゃないけどね。

二人で手拍子しながら、お兄ちゃんと交互に歌うよ

さしすせそ たちつて調味料×2

賭けてみようよ 無限の可能性

ケチャップMIX ピンクのオーロラソース

和洋折衷 バターしょう油

ミスマッチ? NONO ベストマッチ!

『何故なら目玉焼きは 何でも出来る名俳優!』

攻撃は五行手裏剣にスチームエンジンを付けて、投擲するよ。
避けれるなら避けてみなさい!

いいね、玉子サンド。辛子も混ぜてもいい?


ビリー・ライジング
ミリィ・ライジング(f05963)と共に行動。

あるよな。ゆで卵も半熟だ、固ゆでとかもあるからな。
ああ、お前だって分かってるだろ?

せーの(醤油を指差して)…だろうな。
けどよ、小さな事で争うのはくだらないだろ?

二人で手拍子をしつつ、ミリィと交互に歌う。

スーパースターも 混ざればオールスター

目玉焼きに何をかけるか

ニンニクMIX シャレオツアイオリソース

ソルトとフージョン 王道塩こしょう

それでも美味しい その理由

『何故なら目玉焼きは 何でも出来る名俳優!』

攻撃は属性攻撃も加えたウィザード・ミサイルで一掃だ!

やれやれ……玉子サンドが食べたくなってきた。

そうだな、サンドイッチに辛子はベストマッチだからな。




「なぁに何の話? あぁ、成程。よくあるよね。目玉焼きに何かけるとか、どの身を先に食べるとか」
 お兄ちゃん、言わなくても分かるよね? とミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は兄に問いかける。
「あるよな。ゆで卵も半熟だ、固ゆでとかもあるからな」
 ああ、お前だって分かってるだろ? と頷きながら妹へ頷くビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)。二人は兄妹の猟兵だ、自ずと考えていることがわかる。
 じゃあ一緒に指そう、とミリィが提案すれば、ビリーが勿論とすぐ同意を示した。
『せーの!』
 ――ふふ、やっぱりね。
 ――……だろうなぁ。
 二人が指さしたのは、しょうゆ怪人だ。思わずガッツポーズで喜ぶ。
「やったぁ! 漸く俺の存在を選ぶ人類に会えたよ! 今日は醤油記念日にしようじゃないかー!」
 マヨネーズとコショウの両名は凄まじく落ち込んだように膝を付き、ブツブツと何かを呟いている。
「王道、そうかぁ……王道はそりゃあいいよなぁ」
「コショウ、お前は良いだろ……俺なんて選ばれることも無かったんだぞ。皆もっと熱い心でマヨネーズを愛せよ……」
 調味料視点で言えば、選ばれないのはやはり悲しいらしい。
「あら、勘違いしてはだめよ。別にあなた達がまずいって訳じゃないけどね」
 ね、お兄ちゃん。と視線をミリィが送れば、ビリーがミリィの言葉に秘められた部分を追伸する。
「けどよ、小さな事で争うのはくだらないだろ?」
 それならば白黒つけたほうが、いっそ清々しいだろうという考えだ。
「それはそうだが……」
 マヨネーズは諦めずに食い下がるが、その言葉はしょうゆが手を翳して遮った。
 振り返りざまにサムズアップしてみせ、無言のアピール。
 ――結果はどうあれ、俺はお前の、お前たちのフレンズさ!
 しょうゆのアピールに感銘を受けたのか、思わずマヨネーズが泣き出した。
「おはなしは纏まった? じゃあ、お兄ちゃん」
「それじゃあ交互に。さぁはじめよう」
 丸く収まったなら戦闘開始だ、と二人は手拍子しながら交互に歌い出す。
「さしすせそ たちつて調味料×2」
「スーパースターも 混ざればオールスター」
「賭けてみようよ 無限の可能性」
「目玉焼きに何をかけるか」
 トリオも手拍子に混ざって、見ている誰もが手拍子で後押しを始めた。
「マヨネーズはいかが? 新しい世界が待ってるかも知れないぞ」
 ――ふふふ。
 頭でわかっていても諦められないのかマヨネーズはアピールをやめない。
 そんな姿をみてミリィは内心微笑んだ。
「ケチャップMIX ピンクのオーロラソース」
「ニンニクMIX シャレオツアイオリソース」
 ビリーは歌を返しなら、サラマンダーワンドを軽く振るい、炎の雨を降らせるようにトリオへと打ち放つ。
 ぽす、と突き刺さった矢がコショウをいい感じに焦がし、焼けたコショウにしてみせた。
「今なら焦がしコショウもセットでオススメだよ!」
 ――……マヨネーズとコショウをセットに? うーん。
 ないかな、とビリーが内心笑えば歌は更に紡がれる。
「和洋折衷 バターしょう油」
「ソルトとフージョン 王道塩こしょう」
 二人が手拍子に合わせてトトンとリズムに乗って、靴音を鳴らせば、ひゅー! とトリオは声を上げた。
 名前だけでも嬉しいらしい。好感度は高そうだ。
「ミスマッチ? NONO ベストマッチ!」
 ね? とミリィが目で合図をすると、ビリーもそれに応える。
「それでも美味しい その理由」
 大きく二人で息を吸って、びっ、と指差す!
『何故なら目玉焼きは 何でも出来る名俳優!』
 二人同時に歌締めくくると同時に、ミリィが五行手裏剣を思い切り投擲した。
 蒸気を放ちながら、それはしょうゆへ一直線に飛んでいく。
「それなら彩る俺は、超名俳優だ!」
 醤油の瓶を振るように、大胆に醤油を弧を書くようにぶち撒けると蒸気エンジンだけがピタリと止まった。
 力あるしょうゆの前に搭載されたエンジンだけがとまったのだ。
「おいお前、よく見ろよ!!」
「え?……あ」
 ドス、と五行手裏剣がしょうゆ怪人の横腹に突き立った。
 蒸気を相殺しても、武器自体の攻撃を止めることが頭になかったようである。
 バタリとしょうゆが倒れると、それを見て慌て始めたコショウとマヨネーズ。
 主人に返る為に回り続けていた手裏剣が彼らの横腹を掻っ捌いていく。油断だらけのトリオであった。
「やれやれ……。目玉焼きの話をしてたら、玉子サンドが食べたくなってきたぜ」
「いいね、玉子サンド。辛子も混ぜてもいい?」
「そうだな、サンドイッチに辛子はベストマッチだからな」
 楽しく歌って踊って、戦闘をした二人はこの後の食事を夢見る。
 二人だけの時間だ、楽しくないわけがないのであるが。



『コウハクウタガッセン』の結果は、此処までの結果として総じて齎される。
 ピピピピと集計されるような音がしたかと思えば、大きな画面に結果を表示するとのアナウンス。
「いま集計中です! 暫しお待ち下さい!……おっとぉ? 意外に早く集計が終わったようです」
「それでは張り切ってモニターを御覧ください!」
 今か今かとトリオが歓喜の声をあげようとしていたが、表示されたのは……。

 猟兵たちであった。

 ステージに上り、参加した猟兵たちが次々映し出される。盛大な拍手が巻き起こり、トリオたちは絶望と共にステージからその存在を霧散させていった。
 ――こうして、調味料がひたすら自己愛を叫ぶステージ上の目玉焼き戦争は、閉幕したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト