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バトルオブフラワーズ⑨〜想像を創造する力を超える想像~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●満ちる花々、想像力の化身
「ウッキー!!」
 花々が咲き乱れる空間、システム・フラワーズ内に1人の怪人の笑い声が響く。
「ミーがいる限り、ここは通さないウッキー!!」
 エイプモンキー。怪人幹部の1人であり、『マニアック怪人』と呼ばれる怪人だ。
 花々によって作られた足場に立ち、猟兵たちを待ち構える。
「どこからでもかかってこいウッキー!!」

●想像を超える想像
「とうとうマニアック怪人『エイプモンキー』との戦いが来たよ!」
 グリモアベースにて、アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が予知を語る。
「どこからどう見てもお猿さんだけど……油断しちゃいけないからね。相手はユーベルコードを無効化する装置や武器を『想像力』で作り出してカウンターしてくる。ただユーベルコードで攻撃するだけじゃ、一方的にやられちゃうよ」
 マニアック怪人『エイプモンキー』は、自身のマニアックな知識から猟兵のユーベルコードの弱点を看破し、それを無効化する装置や武器を創り出す。しかも、どんな攻撃にも先制を打たれてしまうのだ。
「対処する方法は唯一つ、エイプモンキーの想像力を上回る想像力やアイデアを駆使してカウンターにカウンターすること。……とっても難しいけどね」
 猟兵のユーベルコードに対してカウンターを行うエイプモンキーに対して、カウンターを行うのだ。これほど難しいことはない。
「敵は強大、だけどここを突破しなくちゃ花で出来たシステム・フラワーズの道は奥へと続かないんだ」
 だから、とアインは続ける。
「みんなの力が必要なんだ。厳しい戦いになると思うけど、頼んだよ!」
 転移が始まったグリモアベース。猟兵たちの視界は光に包まれていった。


夕陽
 こんにちは、初めまして、夕陽です。
 ついに来ました、強敵、怪人幹部エイプモンキーとの戦いです。
 このシナリオは戦争シナリオのため、1フラグメントで完結し、一つ一つがバトルオブフラワーズの戦況に影響します。
 判定は厳しめ、シナリオ難度は『むずかしい』です。エイプモンキーを凌駕する想像力とアイデアで、カウンターしてください。
 皆様の自由な発想、想像力、そしてアイデアに満ちたプレイングお待ちしております。

 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
【POW】
カウンターにカウンターって難易度高っ!?
…まぁ、やってみるか…

【戦闘】
んー…どうすっかねぇ…
相手はこっちの攻撃の弱点を突くんだろ?
……マシン作られる前に攻撃って出来ねぇの?
それか、相手自身を盾にすりゃイケるんじゃ…?

んじゃ、【付与術・天災式】発動!
残像が見える速度で最接近するぜ!
弱点を指摘された?そんなの関係ねぇ!なにせ、指摘される前に近づくのが目的だからな!
ユーベルコードで付与したもんは封じられても、ユーベルコードじゃない腐敗の呪詛や身体強化の魔法は消えてねぇからな!

両手の武器で零距離射撃やら二回攻撃やらすりゃちったぁ削れるだろ!

アドリブ、共闘大歓迎



●魔術カウンター
 花々の溢れる道の一つに猟兵が転移してくる。
「ウッキー!!最初は麗しいレディの…猟兵ウッキー?あれ?」
「…随分とお気楽な怪人みたいだが…油断はしねぇぜ!」
 アトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)の全身から立ち昇る魔力。3つの天災の力によって強化されたアトシュは力強く地を蹴り、残像を残しながらエイプモンキーに肉薄する。
「会話する時間もないウッキー!?」
「弱点を指摘される暇なんて―――!!」
「弱点は『魔力と魔法』ウキ。力全部それに依存してるッキー」
 素早い言葉だった。エイプモンキーはにやりと笑う。
「モンキー印の霊符鋼糸、カモーン!!」
「なん……!?」
 恐るべき速さでエイプモンキーへ銃口と刃を向けようとしたアトシュが、張り巡らされた霊符付きの半透明の鋼糸によって絡め取られる。
「名付けて『吸魔鋼糸・吸い取るクン』ウッキー!!ボーイの魔力と魔法、ミーの糧にするッキー!!」
 じわり、とアトシュから強化の魔力と魔法が漏出、エイプモンキーへと吸い取られていく。
 力の源が吸い取られたアトシュがぐたりと地に伏した。
「舐めてもらっちゃ困るウキー!ミーはユーのユーベルコードをどんな攻撃よりも早く解析してるウキ!!」
 エイプモンキーの言う通り、彼は猟兵たちのユーベルコードよりも先に自身のユーベルコードを行使する。『弱点を指摘される前に近づく』ことは、実質不可能と言えるだろう。
「……ウキ?」
 と、エイプモンキーは自身の足が黒く変色しているのに気付く。アトシュから溢れだした腐敗の呪詛が、僅かながらもエイプモンキーに届いたのだ。
「猟兵……やはり油断ならないッキー」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

我妻・惇
マニアックってなァ、熱中するとかそういう意味だよなァ…

先制での攻撃ッてンなら、とりあえずは回避しねェとなァ。
実体のある攻撃であれば可能な限り槍でブチ抜いて防ぐ。
材質やタイミング的に無理なら縮地で敵近くの足場を狙って避ける。

攻撃に転じる時は、まず話しかける。
「まッすぐだ。止めてみろや」
思考にベクトルを与えて防がせるようにしてみて、防御するようならそのまま縮地で突ッ込む。
俺ァバカなンでなァ、一つ覚えみたいにブチ抜くことしか考えねェ。
だからなァ、なンだッてブチ抜いてやらァ、こちとらそのためだけにクソ熱心に鍛えてンだァ!

バカの一念は岩でも徹すンだよ



●特攻カウンター
「マニアックってなァ、熱中するとかそういう意味だよなァ…」
「ウキ?ユーも何かに熱中してるッキ?」
 我妻・惇(紅穿獣・f04976)がにやにやと笑うエイプモンキーに舌打ちする。キマイラフューチャーに現れる怪人たちは、どいつもこいつもこんなやつばっかりか、と。
「まあそんなことはどうでもいいウキ。ユーのユーベルコードは解析済みウッキー!!これをプレゼントするッキ!」
 エイプモンキーの前に現れたのは、彼自身がデフォルメされたような小型のぬいぐるみだ。
「んだよそりゃァ、こっちから行くぜ!まッすぐだ。止めてみろや!」
 自分への対抗策がぬいぐるみ?馬鹿馬鹿しいと惇は吐き捨てる。低く構えた体勢、エイプモンキーの眼前に到達するのに、1秒も必要ない。
 グッ、と足に力を込めた惇が、エイプモンキーへと【縮地】を発動しようとして―――。
「!!?な、んだこりゃァ…!」
 惇は気づかなかった。いつの間にか、自分の呼吸がおかしくなっている。息が苦しい。酸素を取り込もうと呼吸は早くなる。
 【縮地】に必要な『呼吸』が乱れたことにより、惇はユーベルコードを発動できない!
「ユーは、『過呼吸症候群』って知ってるウキ?」
 エイプモンキーの問い。睨み返そうとした惇に、エイプモンキーの鋭いパンチが襲いかかった。構えた槍でなんとかその攻撃をいなしたが、あまりの反動に惇が宙へと浮く。
 過呼吸症候群、または過換気症候群。精神的不安やストレスなどで血液が正常よりもアルカリ性となることで、体内の酸素が十分であるにも拘わらず体が酸素を求めてしまう症状の総称だ。
「見ただけで敵の精神を歪ませるぬいぐるみ、名付けて『精神負荷ぬいぐるみ・モンキーXXクン』ウキ!!お前の精神、かき乱してやったウキー!!」
 エイプモンキーの笑い声を聞きながら、惇はグリモアベースへと帰還していく。
「小せェが…一撃は…与えてやったぜ、エテ公よォ…」
 消え去る猟兵が最後に言い放った一言に、エイプモンキーが顔をしかめる。見れば、エイプモンキーの胴体に僅かな損傷が残っていた。槍の刺突痕だ。
「ッキー!!どいつもこいつも油断ならないウキー!!」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ローズ・ベルシュタイン
【真実の翼】メンバーで参加

WIZ判定の行動

■心情
ユーベルコードを封じる装置ですか、何とも厄介ですわね。
しかし、私は更に上を行く作戦を目指しますわ。

■先制攻撃対策
死角からの攻撃が来るならば
死角を作らなければ良いわけですわ。
私は、周囲の障害物をどんどん破壊して行って、
死角となる様な場所や障害物を排除していきますわね。
更に、背中の気配などは、第六感や野生の勘や聞き耳で察知しておきますわね。

仲間が攻撃されそうなときは、かばうの技能を使い、更に盾受けで防御。

■攻撃
攻撃のチャンスが来れば、スチームエンジンで武器を強化し、
マヒ攻撃、気絶攻撃、鎧無視攻撃を使って攻撃。


燈夜・偽葉
【真実の翼】メンバーで参加

敵の幹部で、どんなに強いとしても
こんな変なお猿さんなんかには負けませんとも、ええ!

私のUCの弱点は近接斬撃武器で攻撃しなければいけない事ですから
刀を私から取り上げる位はしてきそうですね
問題ありません、徒手空拳で挑んであげましょう
怪力、グラップル、鎧無視攻撃を生かして挑みかかります

敵の攻撃は見切り、第六感、戦闘知識で感知
学習力で覚えて、対応力を上げていきます

挑発、存在感で自分に注意を惹かせ
その間に目立たないよう念動力で奪われた刀を操作、死角に配置

180秒経過後、念動力操作した刀で暗殺する剣刃一閃
刀9本あるので剣刃九閃ですね
近接斬撃武器を複数遠隔で当ててもいいそうなので?


郁芽・瑞莉
【真実の翼】 の皆さんと一緒に!
死角を出来るだけ無くすように皆さんで位置取りと声掛けのフォローを。

「巫覡載霊 薙ノ舞」は薙刀「禍ノ生七祇」を用いた神降ろしの技。
神霊体を降ろさない様に武器を奪い去って、一撃を入れてくるはず。
ならば薙刀には事前に符を張っておいて。
奪われた際に符を高速詠唱で「迷」の文字を浮かばせて発動。
花柄の地形を利用した迷彩で隠しつつ。
相手の死角からの攻撃は第六感で見切って、
刀と霊力を全開にして受け流しつつ。
早業で薙刀をクイックドロウし、だまし討ちともいえるカウンターで、
一回目で相手の鎧を砕き、二回目の攻撃で力を溜めた突き刺しで
壊した鎧部分を狙い、衝撃波のおまけもつけますよ!


刑部・理寿乃
【真実の翼】
皆さん気合いれていきましょう!と一声。

対策されるのは衝撃波かな? 剣かそれを振るう腕だとやばいですね。 
ならば、剣を創ればいい。腕が振るえないなら足を使えばいい。
勇気を奮い立たせる歌を口ずさみながら、私の生命力を賢碧の血結晶と壊れたコアに吸収させ、そのエネルギーを武器改造と属性攻撃で青白い雷光の刃に変えます。
そして、ユーベルコード発動。怪力を持って二つの刃を同時に蹴り飛ばします。
(なお蹴飛ばした二つの刃は電極となり、その二つの間に強力な放電を起こす。それによりイオン化した空気の圧力は周囲の空間の一点に収束。その時の衝撃の範囲を敵に指定する)



●集団戦カウンター
 突如として響き渡るのは、連続した伐採音だ。
「ウ、ウキ?一体なんの音ッキー?」
 周囲を見渡したエイプモンキーはその原因を垣間見た。花々が咲き誇るシステム・フラワーズ内、その中で縦方向に伸びる大きな花々が斬り裂かれているのだ。
「ユーベルコードを封じる装置ですか、なんとも厄介ですわね」
 ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)、花々が咲き乱れるシステム・フラワーズ内に可憐に立つ彼女は、自信に溢れた所作で眼前の敵を見据える。
「皆さん、陣形を!できるだけ死角を作らない位置取りをお願いします!」
 郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)の言葉に、現れた4人の猟兵が陣形を組む。それはエイプモンキーのユーベルコードに対処する陣形―――とある策謀家が考案したとされる陣形『鶴翼の陣』の形に似た布陣だ。
「敵の幹部でどんなに強いとしても、こんな変なお猿さんなんかには負けませんとも、ええ!」
「皆さん気合いれていきましょう!」
 燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)と刑部・理寿乃(暴竜の血脈・f05426)の言葉に、集った猟兵たちが頷き合った。
「ウッキー!ミーに集団で挑むというわけッキー!でも無駄ウキー!ミーはユーたちの弱点をすでに見通してるッキー!!」
 そう言って、エイプモンキーは一つの装置を現実に具現化する。ロボの手の先に現れたのは、球体の機械。
 にやり、とエイプモンキーが笑う。
「名付けて『死角転移・暗殺爆弾』ウキー!!」
 言い放った直後、その球体の機械が『消えた』。
「無駄ですわ!!」
「ッキー?」
 陣の一番後ろに立っていたローズが、振り向きざまに『夕の憩い』の一閃を放つ。そこに存在していたのは、先程エイプモンキーが持っていた『暗殺爆弾』だ。とてつもない切れ味で斬り裂かれた爆弾は不発のまま地面にごとりと落ちる。
「死角が一つしかないなら、そこから攻撃されることは分かっていますわ!」
「ぐ……ウキー!!だったらこれはどうウキー!!」
 次いで現れた装置に、4人の猟兵が首を傾げた。出てきたのは、深く覆面を被った小人のような機械だ。
 その小人たちがまた『消え去る』。
「ユーたちのユーベルコードの弱点、それは『武器が必要』だってことウキー!!お前たちの武器、ミーが創り出した『武器奪取・刀狩りクン』で奪い取ってやるッキー!!」
「なっ!!」
「い、いつの間に!!」
 4人の猟兵の懐にあった武器が全て失くなっている。エイプモンキーの近くに再び現れた小人の機械たちが、彼らの武器を回収していた。
「ウッキッキ、これでお前たちはなぁんにも―――」
「……なんて驚くと思ってました?」
「ウキ?」
 高笑いで目の前の猟兵たちから顔を逸していたエイプモンキーの目の前に近接したのは偽葉だ。驚愕の表情を浮かべるエイプモンキーの胴体を掴み、恐るべき怪力で殴りつけた。
「ッキー!!け、剣がなくても戦えるウキー!?」
 飛んでくるパンチを避け、偽葉は目の前の敵の癖を理解していく。猟兵のユーベルコードを封じることだけを考えていたエイプモンキーは焦り、大振りの攻撃しかしてこない。
「で、でも武器はまだこっちのものウキー!このまま捻り潰して―――」
 と、武器を回収している小人たちに目をやったエイプモンキーが、はてと首を傾げる。
「あれ?お前たち、武器が少ないウキー?」
 小人たちが回収してきた偽葉と瑞莉の武器が『ない』。エイプモンキーの言葉に、ふるふると首を横にふる機械の小人。
 その狼狽えた様子をチャンスとばかりに駆け出したのは瑞莉だ。
「いいえ、そこにちゃんとありますよ!!」
 小人たちの1人、虚空にある『何か』を掴んだ瑞莉は、エイプモンキーにそれを向ける。花弁が散るように露わになったのは彼女の『禍ノ生七祇(マガノイクナギ)』だ。
「あらかじめ薙刀に符を貼っておいて正解でした!武器がなくなっていると思って油断しましたね!!」
 袈裟斬りに薙ぎ払われた薙刀が、エイプモンキーの胴体を捉える。ロボの胴体が斬り裂かれたエイプモンキーがゆらりと蹌踉めいた。
「ッキ、ウキー!!ユ、ユーたちの思い通りになんかさせないウキー!!」
 反撃。風を切り裂く強烈なパンチが瑞莉を襲う。
「それはこっちの台詞ですわ!」
 介入した1人の猟兵。武器を奪われてしまったとしても、『盾』は奪われていない。
 『薔薇のラウンドシールド』によって攻撃を阻まれたエイプモンキーがぐぎぎ、と唇を噛みしめる。
「まだまだ終わりじゃないですよ!」
「う、ウキ?」
 武器を持たずそのまま立ち尽くしていた1人の猟兵の言葉、そちらを振り向いたエイプモンキーが驚愕の表情を浮かべた。
 戦場を響く美麗な歌。理寿乃の口から溢れ出す勇気の歌と共に、『賢碧の血結晶』と『壊れたコア』に生命力が集中していく。
 眩く咲いたのは、雷光の双刃。理寿乃の眼前に浮遊する雷の刃に、エイプモンキーがわなわなと震えだした。
「ぶ、武器を創り出すなんてそんなのありッキー!?」
「想像を創造するユーベルコードを持つあなたに、言われたく―――」
 ぐっ、と足を振り上げ。
「ありませんよっ!!」
 雷光の双刃の柄が圧倒的な脚力で蹴り飛ばされる。
「あ、甘いッキー!!その間をくぐり抜ければ…」
 その言葉に、にこりと微笑む理寿乃。
「知ってます?電極って」
「う、ウキ?舐めるなウキー!ミーのマニアック知識をバカにされちゃ困るウキー!」
「それもそうですね。では、そもそも雷の力が込めてある電極が互いに隣り合ってるとどういう事が起こります?」
「決まってるウキー!!放電が―――あ」
 気付いた時にはもう遅かった。飛んできた雷の双刃の間へ回避したエイプモンキーの周囲の空気がイオン化、圧力が空間の一点に収束する。
 刹那、響き渡ったのは場を劈くような爆音。衝撃波が迸り、その中心にいたエイプモンキーは真上にふっ飛ばされる。
「ギ、ッキー…!!」
「さて、180秒経ちましたか」
 それは、死の宣告にも似て。
 偽葉が念動力によって動かされる9本の刀。【剣刃一閃】なんて生ぬるいものではない。
「刀が9本あるので剣刃九閃、ですね!」
 空中にふっ飛ばされて落下中のエイプモンキーに向けて、9つの刃が襲いかかる。
 システム・フラワーズ内に咲き乱れる花々が風に揺れ。
 その直後、エイプモンキーの悲鳴が響き渡ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

結城・蓮
やぁ、お猿さん。
面白い手品を使うんだね。
ボクとトリック勝負しようじゃないか。
話は簡単だよ、ボクの攻撃を避け切ったら勝ちさ。
ご自慢の装置で、ボクの1890枚のトランプを避け切ってごらんよ!

《虚実の山札》で35組のトランプデッキを召喚して、それを全部一気に放つよ!
「さぁ、紙吹雪ならぬトランプ吹雪だ!どう対応するかな!」

まぁ、言ってしまえば、これは全て念動力で飛ばしているカードだ。
だから、ボクの念動力が切れたら止まっちゃうし、強風にもあまり強くはない。

普通に飛ばせばだけどね。
勿論カードは全て囮。
言ったよね。「攻撃を避け切ったら」って。
生身で仕込み杖で斬り込むよ!
「卑怯?トリックと言ってほしいな!」



●念動力カウンター
「やぁ、お猿さん。面白い手品を使うんだね」
「ミーのユーベルコードは手品じゃないッキー!!想像力を現実にするウルトラミラクルな力ウキー!」
 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)の言葉に、ボロボロの体をなんとか奮い立たせながらエイプモンキーが激昂する。
「まあいいじゃないか。だから、ボクとトリック勝負しよう。話は簡単だよ、ボクの攻撃を避けきったら勝ちさ」
「ッキー!!その減らず口、二度と効けなくしてやるウキー!!」
 にこり、と再度微笑んだ蓮。
「ご自慢の装置で、ボクの1890枚のトランプを避け切ってごらんよ!」
 ばっ、と投げ出されたのは35組のトランプデッキだ。それがふわり、と浮遊しエイプモンキーへと襲いかかった。
「さぁ、紙吹雪ならぬトランプ吹雪だ!どう対応するかな!」
 眼前を埋め尽くすトランプ。しかし、エイプモンキーは揺らがない。
「簡単なことウキ!!全部『念動力』で動かしていることが弱点ウキー!!」
 エイプモンキーの前に現れたのは、アンテナのような歪な装置だ。
「名付けて、『念動力妨害波・ジャミングクン』ウキー!!」
 アンテナの先から迸った怪電波がトランプへと命中すると、次々と地面に落ちていく。念動力を妨害し無効化する電波を放つ装置なのだろう。
「ッキ?」
 と、エイプモンキーが首をかしげる。眼前を埋め尽くしていたトランプが地面へと落ちたその先に、蓮の姿がない。
「残念、カードが全て囮だよ」
「ッキ!?」
 後ろから声がした。勢いよく振り向いた先にいたのは、厭らしい笑みを浮かべる蓮の姿。
「言ったよね。攻撃を避けきったらって」
「ぐっ…卑怯だッキー!!」
「卑怯?トリックと言ってほしいな!」
 振りかざされた仕込み杖、その刃がエイプモンキーの胴体へと突き刺さる―――
「そうウキね。卑怯なんて言葉は無粋だウキ」
 はずだった。
 にやり、とエイプモンキーが口元を歪ませた。直後、蓮の肩に走った激痛。見れば、肩にトランプが突き刺さっている。
「残念だっキー!この装置は念動力をジャミングするだけじゃないウキ!念動力ジャックもできる万能電波だウキー!」
「…これは…やら、れたね…」
 連の念動力で操作されたトランプをジャックし、自分で操作することができる万能電波。
 エイプモンキーの高笑いを聞きながら、連の意識は暗闇へと閉じていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

虎熊・月霞
【POW】
僕の弱点って言うと――遠距離攻撃手段が無い事かなぁ?
距離を取って弾幕張られたりとかされると打つ手が無くなっちゃうんだよねぇ

マニアック、拘りって言うのは大抵は偏ってるものだよ
だから、無限に撃ち続けるなんて拘りの無い武器は使うはずは無い
再装填は必ずする
その隙を狙うしかないねぇ

致命傷と動きに支障がでる怪我は避けて身を削りながら耐えて隙を狙うよ
【第六感】【野生の勘】を全力で働かせて【地形の利用】しながら【見切り】、【武器受け】しつつ【覚悟】を決めて【カウンター】を狙うよぉ

泥臭い傭兵戦法で、糸を通す針の穴の様な小さな隙をねらう
面倒臭いけど、そう感じる事は大体が大切な事だからねぇ

アレンジ、共闘可



●近接カウンター
 次いで現れた猟兵に、息も絶え絶えになりながらエイプモンキーが軽口を叩く。
「猟兵はレディかメンか分かりにくいウキー」
 とはいえ、目の前の猟兵は正真正銘の女性のようだ。
 虎熊・月霞(電紫幻霧・f00285)の周囲を奔る紫電。ぼんやりとした表情ながら、その身に纏う雷は明らかな脅威だ。
「さっそくだけど、行くね」
 戦闘開始の言葉、刀を真っ直ぐに掲げる動作をした瞬間、エイプモンキーはその弱点を的確に見抜く。
「遠距離攻撃手段がないユーベルコード相手にはこういうものが一番の脅威ウキ!」
 エイプモンキーの前に現れたのは無数の機関銃。眼前に現れた敵対者を迎え撃つ。
「名付けて『弾幕設置・モンキー印の機関銃』ウキ!!強烈な弾幕で、ミーに一歩も近づけさせないウキー!!」
 瞬間、撃ち出される銃弾の嵐。驟雨にも似た殺傷圏内。月霞は恐るべき身体能力で銃弾の雨を回避する。しかし、その身体能力をもってしても、エイプモンキーが展開する弾幕を突破できない。
 でも、と月霞は飛び交う銃弾を童子切・鬼血で防御しながら、そのチャンスを待ちわびていた。
 銃撃の音。反響する連弾。そしてそのチャンスは到来した。
 一瞬の間だ。エイプモンキーが創造するのはマニアック知識から。つまり、『機関銃の弾切れ』もまた存在する。
 弾幕が沈静化した一瞬を見計らい。
「―――今」
 紫電閃刃。雷速の一撃にて、敵へと肉薄する迅雷の一撃。
 エイプモンキーを目視し、駆け抜ける―――!
「無駄ウキ」
 だが、それすらもエイプモンキーは読んでいた。配置された機関銃の後ろからせり上がる、『機関銃』。
「―――!!」
 その銃撃が、月霞の腹部を撃ち抜いた。
 地面に倒れ伏した月霞に、エイプモンキーがしてやったりと笑う。
「装填の隙間を狙ってミーを攻撃しようとしたのは素晴らしい考えウキ!でも、ミーは武器や装置だけじゃない、戦術も創造するッキー。ユーは『三段撃ち』って知ってるウキ?」
 薄れゆく意識の中、エイプモンキーの言葉にハッとする。
 三段撃ち。とある武将が連射できない銃を活用するために敷いた戦法の名だ。弾薬が尽きた一列目を交代させ、二列目の隊が銃を撃つ。終わったら三列目。薬莢を込める時間を考え、隙のない銃撃を可能にした奇策である。
 意識を手放す直前、撃ち放った雷撃がエイプモンキーの頬を掠める。グリモアベースへと帰還していく猟兵を見送りながら、エイプモンキーは深く息を吐いたのだった。
(そろそろ…まずいかもウキ…)

苦戦 🔵​🔴​🔴​

マリアンネ・アーベントロート
『想像した全てを創造する能力』かぁ。
私の『催眠・夢境の誘惑』は相手を眠らせるユーベルコード。
そのまま使っても目覚ましとかで対応されちゃいそうだね。
でも、慣用句で使わない・使っていない状態を眠るって言うよね。
倉庫に眠るとか眠った才能とか。
つまり生き物以外、物や概念も眠るってこと。
そして眠る以上、私の【催眠術】で眠らせて使ってない状態にすることができるよね!
敵のカウンターの産物自体をカウンターで眠らせて使えなくしちゃえば、相手のカウンターは失敗して、私の催眠が届くんじゃないかなっ。
『催眠・夢境の誘惑』の発射速度なら、相手のカウンターを失敗させたタイミングで本命の二射目を敵に向かって撃てるはずっ。



●催眠カウンター
「想像した全てを創造する能力かぁ」
「ミーのユーベルコードは完全無欠、逃れることはできないウキー!!」
「それなら、試してみちゃうからねっ!!」
 マリアンネ・アーベントロート(ゼーブスタスの催眠術師・f00623)の指先がエイプモンキーに向けられる。その瞬間、エイプモンキーは敵対する猟兵のユーベルコードを正確に読み取った。
「相手を眠りに落とすユーベルコードなら、こんな装置で対処ッキー!!」
 ボフン、と現れたのは目覚まし時計だ。高い音を立てて鳴り響く目覚まし時計の音、その音が収まる気配はない。
「音を聞いたものの眠りを妨げる目覚まし時計、名付けて『覚醒音波・目覚めるクン』ウキー!!お前のユーベルコードなんて効かないウキー!!」
 飛来する催眠光線がエイプモンキーに直撃するが、目覚まし時計の音によって催眠が妨げられた。
 強烈なパンチを浴びせようとエイプモンキーは右腕を掲げる。
「ねえ、お猿さん、慣用句で使わない・使ってない状態を眠るっていうよね?倉庫に眠る、とか、眠った才能、とか」
「ウキ?確かにそうだッキー」
 妙な説明を語りだしたマリアンネ。エイプモンキーは警戒し距離を取る。
「つまりね」
「……ウキ!?」
 エイプモンキーの横に置かれた目覚まし時計。そこに催眠光線が放たれた。沈静化していく目覚まし時計の音にエイプモンキーが目を剥いた。
「生き物以外、物や概念も『眠る』ってこと!」
 マリアンネのユーベルコード、【催眠・夢境の誘惑】は対象を深い眠りに陥れる催眠光線を放つユーベルコードだ。その指定に『生物のみ』などありえない。
 文字通り、目覚まし時計は『眠り』に落ちた。エイプモンキーが創り出した目覚まし時計は、生物を対象にして効力を発揮する装置だ。無機物に対する『眠り』の概念を妨害する力はない。
「ッキ!!そんなバカなッキー!!」
「じゃあ、眠ってね!お猿さん!」
 次いで放たれる三撃目の催眠光線。エイプモンキーに直撃した光線が対象を眠りへと陥れた。
 深い眠りの中で、エイプモンキーは悪夢に苛まれる。自分のユーベルコードが発動せず、猟兵たちに蹂躙される、最悪の悪夢を。
 精神的負荷を与えられたエイプモンキーは、眠りから叫び声をあげて飛び起きる。体に刻まれた傷跡と精神的負荷により、その終わりは近いだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

我妻・惇
黒風鎧装を併用してもう一遍だ。バカはなァ、しつけェぞ。

漆黒の旋風で自分の視界を阻害し、さっきの攻撃なら防ぐ。視界がユーベルコードの使用条件なンで、足元や動く影は見えるように調整して、目隠しにしているのを認識されないようにしっかり動きを追う。喋るのは好きらしいから、話しかけ続けて状態の把握の補助にする。
「さっきのと同じ技で行くけどよォ、さっきと同じ人形で返すのか?」
「過呼吸症候群ってあれァ何だ?バカにも分かるように説明してくれや」

後は踏切を潰しに来るパターンもあるよな…足元にも注意を払って、何か仕掛けて来るようなら跳んで避ける。最悪しくじって動けそうになかったら、槍投げに縮地応用だ。



 暗黒の旋風が周囲を覆う。突如巻き起こった嵐の如き疾風に、エイプモンキーは目を凝らす。周囲の花々から花弁が舞い上がり、花弁の旋風が彼を打ち据えた。
「キッ……ウッキッキ……またユーかウキー?」
 旋風の中心に立つのは我妻・惇(紅穿獣・f04976)だ。
「バカはなァ、しつけェぞ?」
「ユーは精神負荷ぬいぐるみに対抗するためにこんな真似をしてるウキ?笑止ウキ!!ミーはお前らのユーベルコードに対応した装置を作るウキ!これだって例外じゃないッキー!」
 ボフン、と現れたのは巨大扇風機だ。重い音を立てながら回り始める。
「【対嵐生成・台風の目クン】ッキー!!その嵐とは逆方向のベクトルを持つ嵐をぶつけて相殺するウキー!!」
 扇風機から巻き起こる旋風が黒風鎧装とは逆方向の嵐を生成し、その発生を打ち消した。
 歯噛みする惇に、エイプモンキーが哄笑を浮かべる。
「ああ、そンならそれでも良い……さっきのと同じ技で行くけどよォ、同じ人形で返すのか?」
「そんな訳ないッキー!!ミーのマニアック知識に誓って、二度も同じ手は使わないッキー!!これを喰らうウキー!」
 ばっ、と何かが宙を舞う。きらり、と鈍色に光るそれは……まきびしだ。
「ユーのユーベルコードに必要な『特殊な歩法』を封じる『全方位拡散・まきびしクン』ウキー!鋼をも貫通する特別性ウキー!!」
「へェ、そうかい…」
 体勢を低くする惇。その行動に、エイプモンキーの眉がぴくりと動く。
「そういや、さっきの過呼吸症候群ってあれァ何だ?バカにも分かるように説明してくれや」
「何をいまさらッキー!ユーはまたミーに敗れる―――」
「お前こそ得意気になってンじゃねぇ、俺の縮地はな……『見えれば穿てンだよ』」
 はっ、とエイプモンキーが一歩引いた。惇がまきびしの敷かれる地面をぐっと蹴り。
 足元から鮮血が噴き出すが、それでも惇に気にする様子はない。
 神速の速さで飛来する『千枚徹』。多大なダメージを受けているのも理由の一つだが、自分の撒いたまきびしによって、エイプモンキーもそこから動くことが出来ない!
 投擲された千枚徹はエイプモンキーの心臓に吸い込まれるように突き刺さる。ごぼっ、と鮮血を口から吐いたオブリビオンを見て、惇はにやり、と笑った。
「バカにはバカなりのやり方ってェのがあるんだよ、エテ公よォ」
 砂のように薄れていくエイプモンキーの死体。マニアック知識と想像を創造する力を持つ怪人幹部は、飛来した必殺の槍の投擲によって骸の海へと還っていったのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月10日


挿絵イラスト