バトルオブフラワーズ⑨〜花咲く先に
●システム・フラワーズ
システム・フラワーズ内部。
そこは花々が咲き乱れる不思議な空間。
浮かび上がる足場の一つ一つが花の塊で出来ていた。
数多の花束が繋がる道は一つ。
その場に立ちはだかるは、マニアック怪人『エイプモンキー』
今、猟兵達の前には新たなる壁が立ちはだかっていた。
●グリモアベースにて
「皆様、ついに怪人軍団の幹部がやってまいりました」
険しい顔で猟兵達を見つめるのは、セバスティアン・ヴァンホーン(真なるお嬢様を探して・f14042)だ。
セバスティアンによれば、猟兵達の進軍はついにシステム・フラワーズ内部へと進み、敵幹部の一人である、マニアック怪人『エイプモンキー』の下まで辿り着いたという。
「敵幹部は厄介な能力を持ち合わせているようで御座います」
エイプモンキーは『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持つという。
この強力な能力を用い、猟兵達のユーベルコードを無効化し、一方的な攻撃を行なってくるだろう。
つまり猟兵達は、相手のカウンターに対するカウンターまでも準備せねばならないのだ。
相手は強大なオブリビオン。
この対策無しに力押しをしても、十中八九敗北を喫することが想像される。
この戦いに勝利出来るか否かは、『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持つエイプモンキーの想像力を上回るような、マニアックなカウンター対策が準備出来るかが重要だ。
最後にセバスティアンは、深く頭を下げる。
「皆様、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
きみはる
お世話になります、きみはるです。
本依頼は難易度が高いものとなります。
下記注意事項を十分にご理解頂いた上で、ご参加下さい。
エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
以上、宜しくお願い致します。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す
だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし、無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も
UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読みとり攻撃
●
大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は、エイプモンキーに静かに相対していた。
端から見れば両者には動きが無いが、二人の戦いの火蓋は既に切って落とされているのだ。
「第六感の……その、先へ!」
零児が放ったのは気功を習得したものだけが到達出来る領域、精神修行の果てに習得した技――無双の意識。
零児から放たれた意識はプレッシャーとしてエイプモンキーを威圧する。
そしてその威圧が殺意に変わったとき、意識は幻影として可視化され、エイプモンキーの行動を阻害するのだ。
「キキキッ!所謂精神攻撃ウキね。それならコレウキ。脳内ハッキング装置~」
エイプモンキーが生み出したのは、脳内ハッキング装置。
相手の脳内へと攻撃を仕掛けることであらゆる者の精神を荒立たせ、精神集中を必要とする技や精神攻撃を妨害する装置だ。
「ふっ、俺の意識に触れたな?」
その対応に対し、零児は自信満々に言葉を返す。
「お前が俺の心を覗いている時、同時に覗かれていると知れっ!」
零児はあえてエイプモンキーが生み出した装置による精神攻撃を受ける。
そしてその攻撃を受ける瞬間、カウンターのように己が精神攻撃をねじ込むのだ。
周囲へと放たれていた意識はエイプモンキーと繋がった勢いのままになだれ込む。
その不可視の争いは、まるで電子の海におけるハッキング合戦。
互いが互いの精神を蹂躙する。
「ごふっ」
零児静かに咳き込むと、たらりと血が流れる。
互いの精神を犯す戦いはついに肉体へとダメージを与えるに至った。
「ウッキッキ!この戦いは俺の勝……ぶはぁっ!」
勝利を確信したその瞬間に、大きく血を吐き膝を着くエイプモンキー。
ダメージは互いに同等。
しかしその膝をついたか否かの差は――最初からそのダメージを是とし、肉を切らせて骨を断つという確固たる意志であった。
成功
🔵🔵🔴
カナ・リーアス
【心情】うーん…ロボに乗ったお猿っぽいのになんか手ごわそうな相手なんだよー。でも、負ける訳にはいかないんだよー!
【作戦】仲間と協力。私はヒップドロップで勝負なんだよー!これに対抗するのはなんだろなー。ヒップドロップを防ぐ壁とか作りそうなんだよー。だったら、ヒップドロップをする時に武器(バトルアックス)を持って下に向けておいて、ヒップドロップを当てる寸前に地面に刺さって寸止めする形で一旦止めるんだよー!そして困惑しているお猿相手にその防ぐものをスルーしてぶつけるんだよー!(要はヒップドロップした時長い武器を持って地面に武器を刺す事でヒップドロップを敵に当てないように一旦止まる)
●
「いっくよー!」
膝を着いたエイプモンキーのはるか高みから声がする。
声の主は――人間離れした身体能力で跳躍したカナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)
カナは空中で体勢を整えると、体をVの字に折り畳みそのまま落下をしてきたでは無いか。
彼女の狙いは一目瞭然――俗に言うヒップアタックだ。
「ウキキ、良い尻だウキ」
尻を見上げ、猿らしく鼻の下を伸ばすエイプモンキー。
しかし腐っても怪人軍団の幹部……さすがにわざと顔面で尻を受け止めることはしなかった。
「直接攻撃にはカウンターだウキッ!落ちてくるだけなら余裕ウキッ!」
エイプモンキーが生み出したのはスーパービックリパンチ――巨大なグローブに重厚なバネ、それを支える頑丈な箱を兼ね備えたマシーンだ。
絶対に普通に殴った方が速いといういかにもマニアックな装置だ。
「サヨナラウッキッキー!」
エイプモンキーが分かりやすい朱色のスイッチを押せば、大きな機械音を響かせながらパンチが放たれる。
その速度は突風を引き起こし、当たれば全身の骨が砕けてしまうのではと思われるほどだ。
「そんな行動、お見通しなんだよーっ!」
カナは空中でバトルアックスを振るいグローブを突き破ると、その勢いをもって体勢を整え攻撃を避ける。
見事にカウンターを避けたカナの美しき臀部は、唖然とするエイプモンキーのヘルメットを直撃した。
「お尻でドーン!なんだよー!」
カウンターを避け、勢いにのったヒップアタックはエイプモンキーの上半身を地面へと叩きつける。
大地が揺れ、地面が割れる。
臀部と地面に挟み込まれたヘルメットには、大きなヒビが入っていた。
「あいたたー、お尻が痛いんだよー」
成功
🔵🔵🔴
落浜・語
【ヤド箱】出水宮さんと
なんだろうな、あの猿は凄くぶん殴りたい。
ま、ちゃきちゃき片づけていこう
『口上触』を使う。回避されるのはともかく、相手のコードを受けないとどうにもならないからなぁ。
まぁ、失敗したならしたで大人しく痛い思いしますかね。
見つからないように出水宮さんの影に隠れておく。
出水宮さんがUCを誘発。あちらがUCによる攻撃をすると同時に飛び出し『口上触』を発動し、その攻撃を受ける。
「集うは一騎当千の猟兵方!この程度に挫けることなく、クソ猿に立ち向かい、それを制する勇敢な方々でございます!」
自分含め周囲を鼓舞強化したうえで、奏剣で【フェイント】かけつつ【捨て身の一撃】
骸の海へとっとと帰れ…!
出水宮・カガリ
【ヤド箱】かたりと
まにあっくな、想像と、創造
キマイラフューチャーの特徴が、人型を取ったようなものだな
いや、猿型か、キマイラ型か…まあいい
初手で【駕砲城壁】を
これの弱点は、発動中は動けないこと、発動しない限りは無敵になれないこと
実証としては、発動前にカガリを拘束、麻痺させるか、攻撃するような装置が有効だろう
この装置の攻撃を、かたりに受けてもらう
かたりの強化を受けた後、【鉄血の明星】で攻撃を(鎧砕き・なぎ払い・気絶攻撃・怪力)
かたりが攻撃に加わるなら、【鉄門扉の盾】でかばいつつ、【化生の魔眼】で見つめたり、【籠絡の鉄柵】で絡めて少しでも動きを止め隙を作る(呪詛)
扇子が、徒に身を捨てるな!
●
猟兵達からの攻撃から、立ち上がろうとするエイプモンキー。
それに対し、追撃をせんと駆け寄る者がいた。
「反撃せよ。砲を撃て。我が外の脅威を駆逐せよ」
その影の正体は出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)
カガリが放つは『駕砲城壁』
あらゆる攻撃を反射する、まさに無敵城塞へと己が身を作り替えるユーベルコードだ。
「ウキキ、動けないんじゃ無敵でも意味ないウキ!」
駆け寄りながらも突如止まったカガリの様子からエイプモンキーが推察した通り、彼のユーベルコードはあらゆる攻撃に対して無敵となる強力な技だが、身動きが取れなくなるという弱点があった。
「無敵なら、直接攻撃しなければ良いウキッ!パイルバンカァー!」
エイプモンキーが生み出したのはパイルバンカー。
武器としてメジャーな剣でも斧でも槌でも無く、穴を掘るにしてもドリルでは無く、そうパイルバンカー。
マニアック怪人らしいマニアックなチョイスだ。
エイプモンキーの腕に嵌められたパイルバンカーが蒸気を吹き出し、カガリの足元へと鉄杭が打ち込まれる。
無敵であっても動けないのであれば、足元を崩し埋めてしまえば良いという算段だ。
しかし、その対応を阻止すべく、カガリの影から現れた者がいた。
「さぁさぁ!ここに集うは一騎当千の猟兵方!この程度に挫けることなく、クソ猿に立ち向かい、それを制する勇敢な方々でございます!」
カガリに対するカウンターに対応すべくその身を潜ませていたのは落浜・語(ヤドリガミのアマチュア噺家・f03558)
彼が『口上触』を述べながらパイルバンカーへと身を投げ出せば、まるで糸を解くかのようにパイルバンカーはその身を消していった。
「キキッ!邪魔なやつウキ!」
一度その技を使えばあとは無防備。
二度目は無いとばかりに、エイプモンキーは鋼の拳を振るう。
しかしその攻撃は、巨大な城門に阻まれた。
「扇子が、徒に身を捨てるな!」
鋼の拳が城門を叩き、弾ける金属音と衝撃が周囲を振るわせる。
その衝撃に膝をつきながら悪態をつくカガリだが、その口元には笑みが浮かんでいた。
頑強な城門のヤドリガミたる己と違い、扇子のヤドリガミたる語に守られた。
そう、今まさに振るわれている拳よりもはるかに凶悪な一撃をだ。
仲間の勇気ある行動に鼓舞され、カガリは重い一撃をその身に受け止める。
「面倒な奴らウッキー!」
一人一人ではエイプモンキーが生み出す強大な後出し攻撃に対応するのは難しい。
しかし各々が互いを守り、さらなる後出しとして後の先に集中することにより、二人はエイプモンキーの能力に対応したのだ。
カガリがその身で振るうのは城の一部。
鉄門扉が、柵が、エイプモンキーの動きを阻害する。
そしてその隙に身を投げ出すように捨て身の一撃を叩きこむのは、腰だめに短剣を構えた語だ。
「骸の海へとっとと帰れっ!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
煌天宮・サリエス
「……対ユーベルコードにおいて最強というわけですか」
黒騎士の能力で大量の黒剣(『呪いの剣袋』)を取り込み変化させた異形の翼……羽の一枚一枚が黒剣に置き換わった翼で空襲をかける
攻撃方法は【誘導弾】のように敵を追尾する羽を複数飛ばすことによる【範囲攻撃】、または翼で敵を切り裂く攻撃
ユーベルコードは『生命力吸収』の技能を獲得するものであり攻撃自体はユーベルコードの有無は関係ない……生命力吸収を対策するならそもそも生命力吸収なんてしないで殴るのです。
相手の攻撃は、翼と装備武器を利用した【武器受け】と『時天使の奇蹟』を利用した【盾受け】、【オーラ防御】を合わせて防ぎます。
●
「……対ユーベルコードにおいて最強というわけですか」
煌天宮・サリエス(救済がための供物・f00836)が纏うは異形の翼。
羽一本一本が剣から成るその翼は、相手を喰らう『黒剣の翼、吸命の羽』
サリエスが宙を舞えばその剣の羽は周囲を漂い、次の瞬間――豪雨のように降り注いだ。
「ウキキ、その禍々しい雰囲気は生命力を吸収する予感。くらうウキ、生命力吸収妨害装置!」
エイプモンキーが取り出したのはハンドルやら歯車やらが複雑に組み込まれた謎の装置。
どういう原理か分からないが、生命力吸収能力を妨害する毒電波を発生するらしい。
しかしその対応はサリエスの予想通りだ。
「その程度の対応、私には読めていました……あくまで貴方が封じたのは吸命の力、それだけでは私の羽は止められません」
黒き羽は勢い止まらず、エイプモンキーへと降り注ぐ。
その黒剣は一本一本が不規則に動きを変え、そして死角を狙うように飛来した。
「邪魔くさいウッキー!」
エイプモンキーは小さく屈むと、土煙を上げながら突進した。
その一歩一歩は重く、そして素早かった。
圧倒的質量による突撃を、サリエスは武器を盾を己が異能を以って受け止める。
バキバキと金属音を響かせ、全ての剣をへし折りながら進むエイプモンキー。
その突撃は苛烈なれど、エイプモンキーがエリアスの前に辿り着くときには勢いは失われていた。
エイプモンキーが纏う鎧は全身が傷に覆われ、鋼と鋼のぶつかり合いの凄惨さを物語っているた。
サリエスが勝利を確認した瞬間、エイプモンキーは嗤う。
「能力がゼロになったら後は純粋な力のぶつかり合いウッキー!ミーは殴り合いは得意ウッキー!」
舞い上がる土煙。
飛び散る鋼の欠片。
大地を汚す血潮。
力と力がぶつかり合った結果、最後に立っていたのは鋼の鎧だった。
苦戦
🔵🔴🔴
高柳・源三郎
まず【銘酒・狸酔】を名残惜しそうに飲んだ後投げ捨て「この後24時間禁酒して【たぬき人形たろう】の封印を解きお前を倒す!」と高らかに宣言する。酒を飲むと【たろう】が再封印されると誤認させる為だ。上手くいけばきっとわしに酒を飲ませにくるだろう。実際は禁酒と言うより自分の意思に反して酒が飲めない様になり条件反射的に酒を避ける体質になるのだ。この作戦だと敵の攻撃を避けれるだろう。避けながらも攻撃できればいいが。
●
猟兵達との闘いを重ね、傷だらけの鎧を纏ったエイプモンキーの下に現れた者。
その名は高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)――酔っ払いである。
「何だか凄いのが来たウッキー」
これまで戦ってきた猟兵とは一風変わった出で立ちの源三郎の風貌に警戒するエイプモンキー。
しかし警戒を強めるエイプモンキーの視線に我関せず、源三郎は瓢箪から酒を飲み続ける。
ぐびぐびと大きな音を立てながら酒を飲み干す源三郎。
飲み終えた彼の目は悲しみに暮れ、一滴の雫も垂らさない瓢箪を切なげに見つめる。
空となった瓢箪を名残惜し気に投げ捨てる源三郎。
その後の表情は先ほどと打って変わり、真剣なものであった。
「わしはこの後24時間禁酒して『たぬき人形たろう』の封印を解きお前を倒す!」
源三郎の宣言を聞き遂げたとばかりに、内臓兵器を展開するたろう。
その内臓兵器の凶悪さたるや、様々な兵器を生み出するエイプモンキーすらドン引きものである。
「禁酒が条件であるなら、酒を飲ませてやるウッキ!」
エイプモンキーが生み出したのは光速酒造装置――光の速さで酒を生み出す装置だ。
装置のノズルを開け、激しい勢いで酒を放出するエイプモンキー。
彼の唯一の勘違いは一つ……禁酒が“条件”では無く、“代償”であること。
源三郎は既に、その代償をもってしてユーベルコードを発動した。
つまり、彼は酒を飲まないのでは無い、“飲めない”のだ。
撒き散らされる酒を素早い動きで、アクロバットな体勢で避ける源三郎。
その動きは常軌を逸しており、命中せざるを得ない酒飛沫の中でも彼は避け切っていた。
「ウキッ!その異常な動きは……貴様、まさか因果を弄っているウキね!」
驚愕のあまり動きを止めるエイプモンキー。
彼が身に纏う鉄鎧ごと、たろうは内臓兵器を以ってしてその身を喰らった。
くぐもった悲鳴と騒音の後、その場には血まみれの狸だけが残った。
成功
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