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バトルオブフラワーズ⑨~進化の果てに至る世界

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●花の道
 キマイラフューチャーの中心、システム・フラワーズ。そこには色とりどりの花々が咲き乱れていた。いや、この表現は正確ではない。咲き乱れる花々、それこそがシステム・フラワーズなのだ。見渡す限り花、花、花。足元を見ればその足場は花々の集合体だと分かる。
 そんな場所を一つの影が飛び跳ねている。小さかったその姿は段々と大きくなっていき、その正体を露わにする。ロボットのような体躯に猿の顔を持つ怪人幹部、エイプモンキーだ!
「猟兵め、ここは通さないウッキー!大首領の邪魔はさせないウッキー!」

●中枢へと至る道
「みんな、戦いお疲れ様。悪いけどゆっくりしてる時間は無いわよ!」
 グリモアベースに戻ってきた猟兵達。休憩もそこそこに、グリモア猟兵のイデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)は彼らへと切り出した。
「みんなのおかげでシステム・フラワーズへの道が開かれたね。早速突入するよ!」
 六つのザ・ステージは現在猟兵達が制圧しているが、怪人達の反撃は未だ続いている。開かれた道もすぐに閉じてしまうかもしれない。この機を逃さず、マニアック怪人『エイプモンキー』を突破する必要があるのだ。
「相手は怪人三幹部の一人。分かってると思うけど強敵よ」

 マニアック怪人『エイプモンキー』。その能力は、相手のユーベルコードへの対抗策をその場で創造すること。
 無敵のユーベルコードなど存在しない。敵はその弱点を的確に見抜いて突いてくる。
 だが、自分のユーベルコードについては自分が一番良く知っている筈だ。己の弱点を克服してカウンターを決められれば猟兵の勝利となる。

「さぁ行くよ、準備はいいかな?」
 開かれたゲートの先は星の中心、システム・フラワーズ。待ち受けるは怪人幹部。
 キマイラフューチャーの未来は猟兵達にかかっている。


渡来あん
 初めまして、あるいはお久しぶりです、渡来あんです。
 本シナリオはルールが特殊です。以下を必ずお読みください。

●特殊ルール
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

●説明
 本シナリオは高難度です。判定はかなり厳しく行います。

 使用できるユーベルコードは一つだけです。
 プレイングでは『ユーベルコードの弱点』と『対策』を記載してください。
 弱点とは言えないような弱点だったり、対策がデタラメの場合、失敗となります。
 対策が無難である場合も苦戦となる可能性がありますのでご注意ください。

 チーム参加で互いに対策し合うのは有りです。が、全員の対策が出来ていないと連鎖的に崩壊する危険がありますので、よくご相談されておくことを推奨します。

 それでは、ご参加をお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アノルルイ・ブラエニオン
私のユーベルコードはサウンドウエポンが無ければ使えない
確かに弱点だ

しかし、サウンドウェポンとは何だ?
楽器か?いや違う
その本質は『音』!
音がウェポンなのだ
なぜならつまるところ楽器とは音が出る道具だから
つまり音が出せればサウンドウェポンが使える

リュートやバイオリンが無くても、声が出せる、タップができる、自分の体を人間打楽器にできる

耳を塞げば聞こえないと思ったか?
音は空気を伝わる波だ
耳を閉じてもその肉体に音は伝わるぞ!
つまり耳以外で聞こえる!

真空状態にすれば音は遮断できるな
そうなったらお前の体に触れる!
この鼓動が聞こえるだろう!

私というサウンドウェポンが放つ美しき音色を聞け!



「行けっ、『サウンドテイカー』!奴の楽器を奪ってやるッキー!」
 エイプモンキーが放った不可思議なマシンが、アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)の持つ楽器を次々と奪っていく。リュートを、ヴァイオリンを、角笛を、ついでとばかりに弓さえも。
 あっという間に無手となったアノルルイ。起点となるサウンドウェポンが無ければ、彼のユーベルコードは力を発揮しない。

「……サウンドウェポンとは何だ?」
 だが、彼はこの状況でも己の曲を響かせる答えを得ていた。
「楽器か?いや違う。その本質は『音』!音が出せればそれがウェポンなのだ」
 そこにあるのは最も原始的な楽器の一つ。命のリズムに乗せて奏でられるメロディ。
「私というサウンドウェポンが放つ美しき音色を聞け!」

『ッパー♪ッパー♪ッパー♪』
 整った口から放たれるパーカッション。

『パチン♪パチン♪パチパチパチ♪』
 惜しげも無く鳴らされる繊細な指。

『タッタンタタン♪タッタタタン♪』
 踏み抜く足は軽快に、しかし力強く。

 一人何役もの並列演奏。その調和に乱れは無く、それは正にアノルルイ・ブラエニオンという一個の楽器であった。

 耳を塞ぐことも忘れ、エイプモンキーは思わず聞き惚れる。一歩、二歩と無意識に後ずさっているのはその音色に気圧されたが故。
 そして演奏がクライマックスを超えると共に、怪人はとうとう足を踏み外し花の空間を落下していった。
 後に残るは素晴らしき余韻のみである。

成功 🔵​🔵​🔴​

桑原・こがね
なんだか手強そうね!
あたしの最速の技、雷光閃で戦うわ!

弱点はあんまり考えたこと無いけど、「一撃を避けられると隙だらけになってしまう」ってところかしら。かなりの速さだから避けられたことってあんまり無いけど、避けられると無防備になっちゃうわね。きっと向こうもそれを狙って後の先で攻めてくるはず。

あたしの対策は2刀による連続攻撃から追加の一撃!
右の剣で横薙ぎの一撃。これは避けられることは織り込み済み。
そこで一瞬遅れて左の剣で二撃目。一撃目と軌道を変えることで、倒せなくても対応を余儀なくさせる。
そして、体ごと一回転してもう一度右の一撃!これが間に合うか否か!速さの競い合いよ!



 桑原・こがね(銀雷・f03679)の得意技、雷光閃。全てを込めた一撃は正に雷光。回避された事など数える程しかない、彼女が持つ中でも最速の技だ。
 だが短所もある。全てを込めるが故に速く、そして全てを込めるが故に――
「避けられると隙だらけになる。一度だけダメージを無効化するこの『身代わり君』がある限り、お前は無力ウッキー」
「それはどうだろう――ねっ!」

 突撃。全身に纏った銀雷が軌跡を描く。接敵までの僅かな間に、こがねは勝利へのビジョンを描いた。右と左、二刀を持つ手に力が入る。
 初撃は囮。装置はここで消費させる。そのまま第二撃を繰り出し斬り裂く。付け焼刃だろうと成し遂げる自信はある。ほら、今、右からの横薙ぎが――

 空を斬った。
「――な」
「遅い。『身代わり君』を使うまでもないウッキー」
(避けられた?なぜ?遅い?確かに普段より?どうして?)
 混乱しつつも左からの追撃を繰り出すこがね。
「短所を埋めて長所を削る。猿知恵ウッキー」
 第二撃をガジェットで無効化した怪人が、少女を小馬鹿にしながら右腕を振り下ろす。その声を聞き全てを理解したこがねに去来した感情、それは怒りだった。
 継戦能力の代償に速さを失った自分への。その程度かと見切りをつけた怪人への。

 ふざけるな。まだ自分は本当の速さを見せていない。

「間に合ええええええっ!!」
 後の事はもう考えない、今度こそ全身全霊の第三撃。右腕に全ての雷が集まり眩い光を放つ。
 その瞬間、その刃は確かに最速だった。その証拠は今も怪人の右腕に刻まれている。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

別府・トモエ
「テニスプレイヤー……別府・トモエ!お猿さん、今日はいい試合にしよう!」
凄く強くて凄いお猿さん?
これは是非ともテニスの相手をしてもらわないとね!
「私の【星河一天の極み】は、どんなモノでも打てるよ!……さぁ!かかってこーい!」
だから、打てなかったら何の意味も無いのが「弱点」
多分、煙幕とかで視界を塞ぐか、不可視の物体を飛ばして攻撃してくるとみた

もし煙幕なら『煙幕』を
それ以外なら眼前の『空間』そのものを『打つ』

どちらにせよその時点でお猿は見えてる
たとえスイングした時点で狙えなくても
この究極の【ショット誘導弾】は軌道を変えてお猿を襲う
でもまあ、勝っても負けても楽しいよ
「ふふん、だって、テニスだし!」



 迫りくる怪人を待ち受ける一人の女子高生。ラケット片手に佇むその姿に、エイプモンキーは只ならぬオーラを感じ取っていた。
「ウキ。お前、名前は何だウキー」
「テニスプレイヤー……別府・トモエ!お猿さん、今日はいい試合にしよう!」
 彼女こそは高校全日本テニスの覇者。哺乳瓶より先にラケットを握った女、別府・トモエ(人間のテニスプレイヤー・f16217)である。
「私の【星河一天の極み】はどんなモノでも打てるよ!……さぁ!かかってこーい!」
 何が来ようと打ち返せる、そう高らかに宣言して構えるトモエ。

 創造されたマシンがモクモクと煙を吐き出す。それはたちまち辺りに立ち込めていき、トモエの周囲は一寸先も見通せない暗黒空間と化してしまう。
 見えなければ打ちようがない、そう確信し飛び掛かっていくエイプモンキー。

 だがその時、トモエは既に必殺ショットを打ち始めていた。
 何千何万と繰り返したフォーム。視覚が封じられようと、骨の髄までしみ込んだ記憶は裏切らない。いつも通りの正確無比な軌道でラケットが『ボール』を捉える。

 時間の流れが遅くなる錯覚。

 煙幕が引いていく。ラケットの中心に集まっていく。凝縮され切った煙は球体となり、ラケットに押し出されて動き出す。

 ラケットを振り切る。ボールはトモエの意図するままに、突き刺さるかのように怪人へと向かっていった。

 あの時は楽しかった、後に彼女はそう語る。負けていたとしても同じだったはずとも。なぜと問われれば、返す言葉は決まっている。
「ふふん、だって、テニスだし!」

成功 🔵​🔵​🔴​

出水宮・カガリ
【壁槍】まると

空間に入ると同時にオーラ防御と盾受け体勢
【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】で盾と念力を強化しておく
使うのは【錬成カミヤドリ】
発動だけなら弱点らしい弱点は無いが
発動すらさせずに初手で瞬間移動してくるなら、オーラ防御と盾受けで受ける
更にこの瞬間に、まるに「UCを回避する装置」を破壊してもらう
まるの方を狙うなら、念動力で盾を飛ばし守る
装置が見つかりにくいなら、そのまま敵を攻撃して貰おう
初撃をやりすごせたら、複製した盾を敵にぶつける、と見せかけて進路の妨害と誘導を
まるの攻撃に対して装置が出現したら、【籠絡の鉄柵】を長く変形させて絡めたり、念動力で叩き落したりして、まるが攻撃する一瞬の隙を作る


マレーク・グランシャール
【壁槍】カガリ(f04556)と

【流星蒼槍】は初撃を外せば次撃も当たらず、三撃目以降も180秒無効だ
発動するなら入念に欺く必要がある

俺はカガリの元に敵が到達するのを待ち、【魔槍雷帝】で槍の一撃を
狙いはカガリに対応した装置だ
続く攻撃は【金月藤門】のフェイク+残像で【流星蒼槍】を使用すると見せかける
俺対策の装置を出したらカガリが装置の破壊を試みる手筈だ
カガリが装置を壊すか、180秒を通常攻撃で耐え抜いたその時に【流星蒼槍】を発動
【碧血竜槍】を投げて敵を穿ち、もう一本で追撃を
これまでの装置狙いも別槍使用も全て先入観を与えるフェイクだ

友を囮にしたとしても決して砕かせるものか
捨て身の一撃で必ず仕留める



「お前の弱点はこれだウッキー、『サイキックジャマー』!」
 宙に浮いていた多数の盾が、糸が切れたかのように一斉に落下した。それらの主へと急接近した怪人はしかし攻撃を中止、盾の一つを拾い上げ放り投げる。
 投げられた先には槍。妨害装置へと突きこまれていたその槍は、闖入者との衝突で弾き飛ばされ地に落ちる。
「そっちの弱点は初撃に割り込まれること、証明はごらんの通り。『デコイドローン』が起動した以上詰みだウッキー!」
 出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)とマレーク・グランシャール(黒曜飢竜・f09171)のコンビは、今正に窮地に立たされていた。

 この戦場には三つの誤算があった。
 一つ目は、エイプモンキーの想像力がカガリの想像以上だったこと。本人さえ気づかなかった弱点を突かれ、ユーベルコードの要を封じられてしまった。本体と合わせて四十の盾は、念力無しで扱いきれる数ではない。
 二つ目は、装置破壊の困難さがマレークの想像以上だったこと。相手の行動に合わせたカウンターこそがこの怪人の真骨頂。ユーベルコードでなければ通るという見通しは甘すぎた。
 そして……三つ目の誤算こそがこの戦場の結末を決定付ける。

「盾をほぼ封じられて、その装置を壊す目は無し、か。良くない状況だ……カガリ」
「まる、みなまで言うな。この身は盾、その時まで守り切ってみせよう」
 マレークへと駆け寄る怪人の前にカガリが立ち塞がる。拾い上げた複製の盾を掲げ、衝撃に備える。
 轟音。エイプモンキーの鉄腕が盾を弾き飛ばす。カガリの目には、複製がいとも容易く壊される様が映っていた。本体で受ければ決して無事では済まないだろう。
 散らばっている複製を拾っては使い捨てていくカガリ。マレークはそんな彼の後ろで攻撃の機会を伺っている、ように見える。

 欺瞞だ、エイプモンキーはそう思った。
『仲間の手前、まだ諦めていない振りをしているだけ。今槍を拾ったのもポーズ』
『こちらの装置が時間切れになるより盾が無くなる方が早い』
『そら、槍使いが自棄になった。投げればドローンを抜けられるかも、か。間抜けめ』
 エイプモンキーは冷静だった。
 冷静に、二人を見下していた。
 だから。
 放たれた槍が己に届いた時、その思考は完全に停止した。

 ――それは、戦場前の一幕。作戦の大半が不発となってなお果たされる約束。
「カガリが囮になる。一瞬でも隙を作るから、まるが」
「任せろ、必ず仕留める。決してお前を砕かせるものか」

 最後にして最大の誤算。それは、二人の覚悟がエイプモンキーの想像以上だったこと。実力を封じられてなお囮に徹する覚悟。実力を封じられた友を囮にする覚悟。
 マレークの流星蒼槍を封じたと、怪人がそう誤解していることは分かっていた。
 だから、カガリは盾を拾い続けた。巧妙に立ち位置を変え続け、マレークがあの槍を拾えるようする為に。
 だから、マレークは機を伺い続けた。絶対に外せない一撃を確実に当てる為に。
 全ては、この一瞬の為に。

「な、んで――証明、したのにイイイイィ!!」
「カガリとまるの、人の心を想像できなかった。だからこうなる」
「証明失敗だ。残念だったな。さぁ穿て、双頭竜」
 猿の絶叫をかき消して、竜の咆哮が響き渡った。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

黒城・魅夜
時を止める技は、確かに必中。
ですが、「当てること」に特化し、「当たった後の威力」については効果に含まれません。
いくら確実に攻撃を当てても、相手の防御が硬ければ無意味。

その弱点を突き、完全防御態勢に入ったあなたの判断は正しいでしょう。
ですが、この技は時を操るもの。
停止させるのではなく、あえて加速のみとし、超加速での鎖の雨を降らせましょう。
速度は即ち破壊力。超加速は超破壊力を生み出します。

……なるほど、それでもあなたの防御は抜けないのですね。
ですが、鎖での破壊自体が目的ではありません。

お気づきですか、108本の鎖で与えた「衝撃」――
そう、それがあなたの防御の固有振動を共振させ、崩壊に導いたのです。



「時よ脈打つ血を流せ、汝は無敵無傷にあらぬもの」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が時を支配下に置くのを見て、エイプモンキーは鎧を作り出した。
「この『ムテキアーマー』は無敵城塞と同じ効果を持つウッキー。ウッキッキ!」
 魅夜は相手の時を止めることで必中の攻撃を繰り出すことが出来る。エイプモンキーはそれを見抜き、完全防御態勢を築くことにしたのだ。動けないという代償は、この場合はリスクにならない。

 しかし、それは魅夜の想定の内。
「その判断は正しいでしょう。私があなたの時を止めるなら、ですが」
 彼女の選択は敵の停止ではなく己の加速。一瞬で接敵し、無数の鎖が間断なく打ち付けられていく。
 速度は威力に直結する。停止時の特性が必中なら、加速時の特性は超破壊力。代わりに回避される可能性が生まれるが、それは怪人が自らの手で捨てている。何の憂いも無く、攻撃に専念することが出来る。

「け、けどこの防御は抜けないウッキー!いい加減諦めるウッキー!……ウキ?」
 実に108本の鎖が凄まじい速度で襲い続ける。それはもはや豪雨と表現するのが相応しいだろう。轟音の中で、ピシリ、エイプモンキーが捉えた音は破滅への一歩。
 振動し続ける物質は徐々に脆くなっていく。絶え間なく何重にも振動するなら尚更だ。鎖が与えた衝撃は鎧を急激に劣化させ、その守りを打ち砕いたのである。
「無敵の物など存在しません。時さえ血を流すのですから」
 雨は未だ止まない。

成功 🔵​🔵​🔴​

明石・真多子
【芋煮艇】の皆の力でカウンターなんて乗り越えてみせるよ!

でも弱点かぁ…アタシの【軟体忍法人間砲弾の術】は凄く速くて強いけど、初動と地形から軌道を予想されちゃうとどんなに頑張っても避けられちゃうんだよね…。

でも今回はアタシ一人じゃないからね!
とりあえずあやちゃんを抱えて全力[ジャンプ]のUC発動!
もちろん予測して避けられちゃうけど作戦通り!
相手の上を飛んでたカナタちゃんのロケットパンチをあやちゃんと一緒に蹴ってさらに[ジャンプ]だ!
二人の重力落下と跳躍力、四人の気持ちがこもったダブルパンチを喰らえー!!


天道・あや
【芋煮艇】の皆と!
よし!到着!あんたが今回の事件の黒幕の一人?何でこんな事したか知らないし興味ないけど…キマフュの、皆の未来の為に退いてよね!というか退かす!

あたしのUC 【想いの乗った重い一撃!】の弱点、それは脚を封じられると何も出来ないって事!
だからきっと脚を封じられる!…だけどその弱点は皆と協力することで克服出来る!
才堂さんが相手を拘束したらあたしは明石さんに抱えられて日和見さんのUCで跳躍する明石さんと一緒に跳躍!
そして明石さんと高く飛んで、そっから明石さんに離して貰って…【想いの乗った重い一撃!】【鎧砕き、属性攻撃(炎)を明石さんとの攻撃に合わせてダブルパンチ!


日和見・カナタ
【芋煮艇】で参加します!

私の【ロケットパンチ】の弱点は攻撃が読みやすいことです!
溜め時間もありますし、その時間で軌道を予測する装置を作るくらい簡単なんじゃないかと思います。

ですので、ロケットパンチ自体を当てるのは諦めます!
紅葉先輩が拘束中のエイプモンキーに【ロケットパンチ】を撃ちますが、それは真多子さんとあやさんの足場のため!
攻撃のためではなく、次の一手のために使いましょう!

相手の攻撃については、撒いた【機械蜂】で初動を観察して回避を試みますね!
得られた情報は皆さんとも共有して、回避がしやすくなるように補助します!

【アドリブ歓迎】


才堂・紅葉
【芋煮艇】にて
私のUCの弱点は、最後の締めにフェイスロックで密着する事です。
電気や高熱等の仕掛けで技の仕上げをカウンターされれば回避できないでhしょう。
ですが策はあります。

アルダワ特殊鋼の六尺棒にて白兵戦。
紙一重に捌き、足を払ってUCを狙う。
【見切り、野生の勘、カウンター】

ステップオーバートーホルド。
ここまでは相手も承知の上。
そして仕上げのフェイスロック
ここで六尺棒を三節棍に分解し締め上げます。特殊鋼製で電気や高熱、酸に高い耐性があります。
紋章の封印を解き、渾身の怪力と超重力で締め上げましょう。
【怪力、属性攻撃、封印を解く】

「今です!!」

機を見て 【暗号作成】で味方に合図します。



●決戦エイプモンキー
 明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)。
 天道・あや(駆け出し猟兵・f12190)。
 日和見・カナタ(冒険少女・f01083)。
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)。
 怪人幹部との決戦に今、四人の少女達が集まっていた。相対するのはマニアック怪人、エイプモンキー。システム・フラワーズの中心へ向け歩を進められるか否かはこの一戦にかかっている。
「ウッキッキ。多ければいいって物じゃないウッキー。すぐに後悔させてやるウキよ」
 ここまで、己と猟兵との戦いは一進一退を繰り返してきた。侮れない局面もあったが、つけ入る隙も多々あった。数が多いという事は隙も多いという事、一人崩せばどうとでもなる。そんな心中のエイプモンキーである。
「カウンターなんて皆の力で乗り越えてみせるよ!」
「キマフュの、皆の未来の為に退いてよね!というか退かす!」
「この世界にはまだ見ぬ出会いがたくさんあるんです!」
「それを滅ぼそうなんて、率直に言ってクソダサイですね」
 対する少女達も戦意は十分。お互いの弱点を補い合う作戦を皆で考えてきたのだ、必ず勝利をもぎ取ってやる。想いを一つに戦いへと臨む。

「まずはお前からウキ!『レッグバインド』!」
 屈み込んだあやが跳躍するより早く、エイプモンキーのカウンターが炸裂する。ロープ状の機械が彼女の足を一瞬できつく縛り上げた。これではジャンプはおろか、ろくに移動することも出来ない。
「おっと!大丈夫?」
「ありがと、真多子。このまま行っちゃって!」
「オッケー、任せて!」
 だがそれは想定済み。倒れかけたあやを抱えた真多子はそのまま、四本の触手をバネに高く跳躍する。軟体忍法人間砲弾の術、砲弾は真多子、プラスあや。

「何かと思えばただ落ちてくるだけウキか。そんな物はこの『レーダーメット』で簡単に回避できるウッキー」
 そんな二人の落下軌道を予測すべく、新たなマシンで演算を行うエイプモンキー。その隙に、カナタはユーベルコードの準備を行っていた。
(蒸気充填、加圧完了!)
 彼女の四肢は蒸気機関だ。様々な機能を内蔵したそれらは数々の冒険で役立ってきた。もちろん今回も重要な役割を担っている。
「行っけえっ!」
 勢いよく射出される一対のロケットパンチ。当然、むざむざと食らう怪人ではない。横から迫るそれを寸での所で回避する。
「おっと、危ない危ない――ウキャ!?」
 だがそれは囮、背後から忍び寄った紅葉の足払いこそ本命だ。仰向けとなったエイプモンキーをひっくり返し、その背に圧し掛かると共に足を極める紅葉。プロレス技の一つ、ステップオーバー・トーホールドだ。本来はここから、ウィズ・フェイスロックといって顔面を締め上げるのだが。
「まさかミーが先制されるとはウキ。しかしここで『エレキマスク』!触れたら感電するウッキー!」
 即座に対抗される、しかしそれも想定済み。紅葉は絶縁性の三節棍を腕の代わりにして締め上げる。紋章による超重力のおまけ付きだ。
「捕らえました、今です!」

 一方その頃、囮の役目を終えたロケットパンチはもう一つの役目を果たすべく、方向転換して上空へと向かっていた。
 その先には先ほど跳躍していた二人。失速し始めていた真多子はカナタのアームを踏み台に、あやと共に更なる高みへ。
 そして天に至る。見下ろせば怪人も仲間も点にしか見えないほどの高度。離れた真多子とあや、二人はそのまま急降下を開始した。
 ユーベルコードが発動する。世界法則を凌駕して、終端速度を突破し音速を超える。
「四人の想いが乗った!」
「ダブルパンチを喰らえー!」

●それぞれの想い
 カナタは安堵していた。経過は順調、後は最後まで見守るだけだと。
 そう、順調だ。ここまで全て作戦通りに進んでいる。
「あ、あああああっ!?」
 だからこそ、致命的な事態に陥っていると気付いた時には愕然とした。

 真多子とあやは頭から水を浴びたようだった。
「何あれ!?アタシ聞いてないよ!?」
「紅葉、あなた……!?」
 拘束した怪人に上から超威力で攻撃する、それが作戦。段々と姿が見えてきたエイプモンキーは確かに拘束されている――『上に乗った』紅葉によって。
 このままではどうなるかなど、火を見るより明らか。

 エイプモンキーは落ち着いていた。
 確かに拘束されはしたが問題ない。上から落ちてくる二人はレーダーが把握している。拘束が解けた瞬間に回避行動へと移ればギリギリ耐えられる。そうしたら、今度は自分の番だ。
 そんな事を口にするエイプモンキーにとって。
「何を勘違いしているのです。解きませんよ」
 告げられた言葉は想像の埒外だった。

 紅葉は最初から覚悟していた。
 敵のカウンターを掻い潜って拘束するにはこれしかなく、最後の瞬間まで解くわけにはいかないと。その結果どうなるかも。
 だから仲間には秘密にしておいた。拘束は任せて、とだけ話しておいた。
「正気か!?お前も道連れだぞ!?」
 語尾を忘れるほど取り乱す怪人に紅葉は答える。
「こっちは四人、そっちは一人……痛み分けなら私達の勝ちよ!!」
 だから、怖くない。

「させるかぁー!!」
「四人で帰るんだよー!!」
「犠牲になるなんて絶対に駄目です!!」
 あやと真多子が着弾する。直撃を避けて、衝撃波のみが当たるように。それでも威力は凄まじく、紅葉も怪人もずたずたとなって吹き飛ばされる。
 生死を分けたのは両者の違い。怪人が落下の衝撃で砕け散ったのに対し、紅葉は上から戻ってきたカナタのアームに優しく受け止められた。息をしている仲間の姿にホッとした三人。

 さあ、皆で帰ろう。

 マニアック怪人『エイプモンキー』――撃破。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト