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バトルオブフラワーズ⑨〜想像力を超えていけ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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●咲き乱れる花々の空間
「こっから先は通さないウッキー!」
 マニアック怪人『エイプモンキー』は、咲き乱れる花々の空間を転々としながらウッキーと笑う。
 システム・フラワーズ第一の関門は、怪人幹部のひとり、マニアック怪人『エイプモンキー』が守護していた。
 ここは咲き乱れる花々の空間。足場は花々が集まってできていた。
 エイプモンキーが存在する限りは、全ての「花の足場」がエイプモンキーに繋がっている。
 しかも、その先に進む道は出現しない。
 あらゆるユーベルコードの弱点を見つけ、カウンターするような装置を創造する敵の能力は絶大だ。
「ウッキー!」
 咲き乱れる花々の空間に、敵のウッキー声が響いていた。

●想像力を超えていけ
「そんなわけで、いよいよマニアック怪人『エイプモンキー』との戦いだよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、猟兵たちに呼びかけた。エイプモンキーは倒しても倒しても何度でも骸の海から蘇る。とは言え、短期間に許容値を超える回数倒されれば、復活は不可能になると言うのだ。
「次にエイプモンキーが現れる場所を予知したから、そこに皆を転移させるね」
 咲き乱れる花々の空間を転々とするエイプモンキーを見つけて戦闘を挑む。それが、今、猟兵に出来ることだ。ルビナが予知した場所へ転移させるので、そこでエイプモンキーを倒してほしい。
「気を付けて欲しいのは、敵は『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持っていると言うことだよ」
 この能力を利用し、エイプモンキーは『猟兵のユーベルコードを無効化して、一方的に攻撃するような戦闘』を行ってくる。これに対抗する方法を考えて戦いに挑んでほしいとルビナは言った。『敵のカウンター能力をさらにカウンターするような方法』を考えて欲しいとのこと。敵よりもさらに上を行くマニアックな理論やアイデアで対抗すればいいようだ。
「自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力、か。確かに凄く強そうだよね。でも! 何とかして対抗の手段を考えて欲しいの。エイプモンキーを倒せるよう頑張って!」
 そう言って、ルビナは皆に頭を下げた。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。
 リアイベ『バトルオブフラワーズ』のシナリオ、システム・フラワーズ内部の戦場になります。いよいよエイプモンキーとの戦いですね。

●敵の先制攻撃について
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

春日・釉乃
【WIZ】アドリブ・連携OK

猟兵のUCを先手で封じてくるエイプモンキー…けど、ここは通して貰うよ!

【マニアックマシン】は『敵の死角から”反撃”するマシン』なんだよね…
それなら、あたしの【求道の聖刻】は躰に刻まれた刺青に、敵のUC攻撃が触れればそれを封印することができる!
だから、あたしは自分のUCを使う前に[一斉発射][早業][盾受け]の『シールドスレイヴ』を自分の周囲に放って刺青に攻撃が当たるように仕向けるの

あとはUCを封じれば、[ダッシュ]で間合いを詰めて…[鎧無視攻撃]の[カウンター]攻撃で刀で一閃してやるんだから!



●求道の聖刻
「こっから先は通さないウッキー!」
 花の足場に降り立ったエイプモンキーは、そう言って不敵に笑った。
 この目の前の敵を倒さない限り先に進むことはできない。転移を終えた猟兵たちは、さっそく戦いへと駆けて行った。
 まず先陣を切ったのは春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)だ。
 遠隔操作兵装であるシールドスレイヴを放ちながら、踏み込んでいく。
「我はこの世界の理から逸脱をする者なり!」
 発動するのはユーベルコード・求道の聖刻。
 躰に刻まれたタトゥーが発光し、浮上してくる。
 その姿を見て、エイプモンキーが嗤った。
「ウッキー! お前の攻撃は、所詮命中しなければ意味のないお粗末なもの。ミーが、そのユーベルコードを崩してやるウッキー!」
 そう言いながら、いくつもの細長いコードを創造し腕につなげて自在に操る。
「見るがいいッキー! お前の死角をついて、このコードが一斉攻撃を仕掛けるウッキー! 見えないところからの攻撃に、タトゥーを命中させるなど不可能ッキー! お前の攻撃を無効化して、負かしてやるッキー!」
 敵の掛け声とともに、細いコードが一斉に釉乃へと攻め込んできた。
 死角を狙うと言う言葉よろしく、あらゆる角度から伸びてくるコード。
 エイプモンキーは勝利を確信し口元に笑みを浮かべ続ける。
「本当にそれで上手くいくとでも思ったの?」
 一方、釉乃も余裕の表情を浮かべ小首を傾げた。
 周辺に放っておいたシールドスレイヴが一斉に反応し、素早く動いて敵の攻撃を受けたのだ。伸びてきたコードが釉乃の周辺で反射したように急激に角度を変える。次々に盾に軌道を変えられたコードは、揃って躯に刻まれたタトゥーに向かった。
 自分のコードが無理矢理曲げられたことに気づき敵が声を上げる。
「なななっ……ウッキー?!」
「あたしの躰に刻まれた刺青に、あなたのコードが触れれば封印することができる! 死角から反撃してくるなんて、お見通しだよ」
 シールドスレイヴを使い、盾受けの要領で刺青に攻撃が当たるように仕向けたのだ。
 結果、エイプモンキーの操るコードが釉乃のタトゥーに次々に触れる。求道の聖刻により、敵の攻撃が封じられた。
「こちらの攻撃を先手で封じてくるエイプモンキー……けど、ここは通して貰うよ!」
 敵の攻撃を封じた瞬間、釉乃がダッシュで敵の懐に飛び込んだ。
 そこで刀を一閃。
 鎧を無視するような攻撃で、敵の体に斬り付けた。
「ウ、ウッキー?! ミーのカウンターをさらにカウンターするような方法を考えるなんて……ウッキー」
 悔しそうに顔をゆがめ、エイプモンキーはよろよろとよろめいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイ・アイオライト
想像を創造する能力……たしかに厄介ね。
【百雷束ネシ陰翳ノ楔】で影の刃と雷撃波を放出する。雷を防いで影の刃も防ぐ装置ってなると、強靭な壁でも作り出してくるかしら。
ええ、問題ないわ。その装置のある一点のみに雷撃を集中させるわ。そうするとどうなるか分かる?

『絶縁破壊』が起こるのよ。
強烈な電圧を伴った電気は絶縁体そのものを破壊する。装置の役割を絶縁破壊で無効化してやるわ。

全てを灼く雷撃、その身に受けなさい!
その後隙があるようだったら、『だまし討ち』『暗殺』で背後から『魔刀・篠突ク雨』で『クイックドロウ』よ。
暗殺者の本領を見せないとね。



●百雷束ネシ陰翳ノ楔
 いきなり猟兵から手痛い反撃を食らったエイプモンキーだったが、まだまだその力は健在のようだ。
 レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は敵の目の前に立った。
「想像を創造する能力……たしかに厄介ね」
「ウッキー! お前もミーに向かってくるッキー? ウッキッキー! 無謀、あまりにも無謀ッキー」
 エイプモンキーが可笑しそうに笑う。
 レイの周辺の影が黒の鋼糸となって絡まり合い始めた。
「覆い尽くす影に灼かれて消えなさい!」
 ユーベルコード・百雷束ネシ陰翳ノ楔を発動させ、更に一歩踏み込む。
 敵はレイのユーベルコードを見て、大きく胸を反らした。
「くっくっく。どうせその影の刃や雷などで攻撃をするウッキー? 無駄無駄ッキー! 回避不能とか考えているのがそもそも甘いッキー! 回避不能なら受け止めれば良いウッキー!」
 朗々と語り自分の周辺に巨大な鋼の壁を作り出す。
 自分を守るように全方向に壁を配置し、ご丁寧にすべての壁を金具で繋げた。
「見るが良いッキー! この壁はお前の攻撃を全て受け止めるッキー! ウッキー! この壁を貫ける攻撃など考えられないウッキー! お前の攻撃に耐えてから、じっくり殴ってやるウッキー!」
 高笑いをするエイプモンキー。
 しかしレイは小さく頷いた。
「ええ、問題ないわ」
「ウッキー?」
「その装置のある一点のみに雷撃を集中させるわ。そうするとどうなるか分かる?」
 そう宣言し、雷撃波を一点に集中させる。
 敵は攻撃を回避することをはなから放棄しているのだ。鋼糸から迸る雷撃が当然のように命中した。
「そんな攻撃が何になると言うッキー!」
「『絶縁破壊』が起こるのよ」
 レイは静かに言葉を紡ぐ。
「強烈な電圧を伴った電気は絶縁体そのものを破壊する。装置の役割を絶縁破壊で無効化できるわ」
「な、ななな?!」
 驚愕するエイプモンキー。
 敵を守っていたはずの鋼の壁が、形を保てなくなり崩れ落ちて行く。
「あ、あれ……? ウッキー?」
 守りを失い、敵がきょろきょろと周辺を見た。
 その隙にレイが敵の背後に回り込む。
「ここで暗殺者の本領を見せないとね」
「ウッキー! いつの間に!」
 エイプモンキーが振り向くが、それよりも先に魔刀・篠突ク雨を突き立てた。
 見事なだまし討ちに、敵の体が抉られる。
「そんな、方法が、あったなんてッキー!」
 敵の悔しそうな声を聞きながら、レイは敵との距離を取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

エミリィ・ジゼル
『範囲攻撃』技能を使い、インクを全力でぶちまけて目くらましをします

《グラフィティスプラッシュ》は塗料で敵を攻撃しつつ、
地形を塗り塗りしてパワーアップするUCです

弱点はそもそも当たらなければダメージがないこと
塗り替えられると効果を失うこと
そのあたりでしょう

しかしそれはこちらも想定しています。

最初の攻撃はUCではありません
インクシューターを使った通常攻撃です

そして本命は次撃
敵攻撃の被害を『見切り』『第六勘』で最小限に抑え
目くらましで稼いだわずかな時間と敵の動揺をついて接敵
『だまし討ち』『捨て身の一撃』『零距離射撃』『毒使い』で渾身の毒入りインク弾をお見舞いします。

「くらえ!硫酸インクショット!」



●策略の行方
「次はわたくしが相手です」
 そう言って、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)はインクシューターを構えた。
「ふんふん。次はお前ッキー?」
 エイプモンキーが首を傾げる。
「わたくしのグラフィティスプラッシュは、塗料で敵を攻撃しつつ、地形を塗り塗りしてパワーアップする攻撃です」
「なるほど、分かるッキー! そんなインク、当たらなければ意味がないウッキー! 更に、ミーが違う色に塗り潰せば、それでおしまいウッキッキー!」
 そう言って、敵は巨大なマーカーを作り出した。両手で抱えて使うような、かなり大きな代物だ。
「このマーカーは、どこでも塗りつぶせる強力なインクを使用しているウッキー! お前がいくら塗りつぶそうとも、すぐに塗り返してやるウッキー! しかも、計量化仕様だッキー! お前の攻撃など、ミーは軽々避けることができるウッキー!」
 上機嫌でマーカーを振り回し、威嚇するようにエミリィへペン先を向けてきた。
 エミリィは気にせず走り出し、敵に向かってインクをぶちまけた。
 広範囲に飛び散るインク。
 敵は自分のマーカーを抱え、器用にインクを避けて行く。
 得意げな敵を見て、エミリィは言った。
「当たらなければダメですか? 塗り替えられると効果を失うと? しかしそれはこちらも想定しています」
「それはどうかな、ウッキッキー!」
「最初の攻撃はグラフィティスプラッシュではありません」
 エミリィは、あえて初撃は通常の攻撃を行った。これで目くらましでもできていれば、敵に隙ができるだろう。
「キッキッキー! 通常攻撃など、普通に回避可能だッキー!」
 あらゆるユーベルコードに対抗できる能力。ならば、ユーベルコードを使わなければ良いのでは? 着眼点は非常に面白かった。だが、あと一つ。あと一押し、敵に届かなかった。
「ですが、この本命の一撃ならば」
 それでも、エミリィは捨て身覚悟で敵に接近する。
 毒を使い渾身の毒入りインクを装填して零距離射撃を試みた。
「くらえ! 硫酸インクショット!」
「くっくっく。良い攻撃だウッキー!」
 弾丸は敵の頬を掠め、遠くへ抜けていく。
 エイプモンキーがにやりと笑い、マーカーの持ち手でエミリィを殴りつけた。
「あと、一押しでしたか」
 地面に叩きつけられたエミリィが、ぽつりと呟いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

釘塚・機人
ユーベルコードによる物量攻撃、これだけならまあ幹部名乗ってる敵に届くことは無理だろうが…

「近辺」ってのは、今回においては「キマイラフューチャー全土」ってことにしてもらうぜ! …ってことで、ビルドステージのタカラ、欲張って戦争中作られたモン含めてぜーんぶ、俺の武器だ!!

それだけじゃねぇ、相殺したタカラはあえて粉々になるまでバラけるよう仕様調整しちまえば…

花びら舞い散るこの空間の【地形の利用】、大量の花びらに付着したタカラ粒子の磁場で、こっちの攻撃の威力はどうなるか、わからねぇ訳ねぇよな?


長期戦【覚悟】で、一瞬でも隙ができた所を、特大特別製の塊で【鎧砕き】して、【吹き飛ばし】てやるぜ


アドリブ連携可



●花びら舞う空間で
 次にエイプモンキーの前に立ったのは釘塚・機人(ジャンク愛好メカニック・f02071)だ。
「この場に眠ったままのタカラ達……俺が有効活用してやるぜ!」
 そう言って即席特殊廃材弾を発動させた。
 近辺の廃材をかき集めて塊を生成し、発射して攻撃するのだ。
「お前のユーベルコードは、言わばただの物量攻撃ッキー! そんなものが、ミーに効くはずないウッキー!」
 敵は腰に手を当てて余裕の構え。
 確かに、と、機人は頷く。ユーベルコードによる物量攻撃だけならば、幹部を名乗っている敵に届くことは無いかもしれない。
 だが――。
「『近辺』ってのは、今回においては『キマイラフューチャー全土』ってことにしてもらうぜ!」
 機人は言う。
「ビルドステージのタカラ、欲張って戦争中作られたモン含めてぜーんぶ、俺の武器だ!!」
「ウッキー! ミーがこれまで作ったモノも集めるつもりだなウッキー! だが、そうはさせないッキー!」
 そう言うと、エイプモンキーが巨大な掃除機を作り出した。
「ミーは対抗措置として、今までに散らばった部品を全て吸い込ませてもらうッキー!」
 言うが早いか掃除機のスイッチをオンにして、周辺に散らばった部品を吸い込み始めた。斬り刻まれたコードも、鋼の壁の欠片も、不要となったマーカー、果てはステージのゴミまでも、次々と吸い上げられていく。エイプモンキー印の掃除機の吸引力は、さすがと言うところだ。
 対する機人も廃材をかき集めようとするが、敵が廃材を吸い上げる速度に対抗する手段がない。
「ウッキッキー! 使う廃材が無ければ意味ないウッキー!」
 周辺の廃材を吸い込み終わった掃除機のノズルを振り上げ、敵が機人のタカラの塊を狙ってきた。
 伸びるノズルが、強引に塊を粉砕する。
「そのまま沈んでいるウッキー!」
 二撃目を機人に向けて放つエイプモンキー。
 だが、その攻撃を機人は辛うじて避けた。
「大量の花びらに付着したタカラ粒子の磁場に救われたな」
「どういう事ッキー?」
 期待した手ごたえを感じられず、敵が眉を顰める。
「タカラはあえて粉々になるまでバラけるよう仕様調整したからな」
 機人が周辺の花びらを見た。花びらが舞い散る空間を利用し、粉々に散らばったタカラから特殊な磁場を発生させているのだ。これにより、自身の戦闘力を高めていると言うわけである。
「ならば、後は力の勝負だウッキー!」
「長期戦の覚悟なら、できてるぜ」
 互いに睨み合い、ぶつかり合う。とは言え、決定力不足は否めない。
 両者痛み分けのような形で、いったん距離を置いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

フィロメーラ・アステール
「これは厳しい戦いになりそうだぜ!」
でも戦わなければ未来はつかめない!

使うのは【星界式瞬間加速法】だ!
空中ジャンプの応用で瞬間加速や転進を行う技!
単純な技で弱点は少ないが……!

敵がジェットと付く回避装置を作るなら、考えられるのは?
超高速による離脱!
回数制限つきジャンプより、断続的な噴射の方が安定して加速できるから、離されれば追撃不可!

そこで【残像】を放つ【気合い】の【スライディング】で予想外の加速を行い、スリップストリームに突入!
移動物体の後の空気抵抗が弱まる現象だぞ!
高速であるほど効果は高く!
前の物が大きいほど、入り込みやすい!

距離を詰めて【破魔】の【全力魔法】を込めた【踏みつけ】キックだ!



●星界式瞬間加速法
「これは厳しい戦いになりそうだぜ!」
 ステージに飛び込んできたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は表情を引き締めた。
「キッキッキー! まーた無謀な挑戦者ッキー!」
 エイプモンキーの笑い声がステージに響き渡る。
(「でも戦わなければ未来はつかめない!」)
 フィロメーラはそう思って、ユーベルコード・星界式瞬間加速法を発動させた。
「世界の果てまでかっ飛ばすぞー!」
 そう言って地面を蹴り空中をジャンプして進む。
 これは空中ジャンプの応用で瞬間加速や転進を行う技だ。単純な技ゆえに弱点も少ない。
「ウッキー! その程度の速度で得意になられては困るッキー! ミーならもっと速く飛ぶことも可能ウッキー!」
 迫るフィロメーラに対し、敵が作り上げたのはジェット噴射装置だった。
「所詮ジャンプしただけの速度など、ジェット噴射にはかなわないウッキー! くくく、ミーはこれでお前の攻撃を回避し反撃してやるウッキー!」
 ご機嫌な口調で語ったエイプモンキーは、さっそく背中にジェット噴射装置を背負い、その場から飛び立つ。
「あたしの回数制限つきジャンプより、噴射の方が安定して加速できるってことだよな」
 空中をジャンプしながらフィロメーラが言った。
 確かに、空中を蹴ってジャンプするだけでは、敵の超高速離脱に追いつけない。
 二人の距離はあっという間に離れた。
「くーくっくっくー! お前のユーベルコードなど、ミーの速度に追いつけるわけないウッキー!」
 ちらりと敵が背後を見る。
 距離を離されたフィロメーラは、空中で最後の一蹴りを行った。
 敵の言う通り、このままでは距離を離されて終わりだ。
 だが。
「そこでスライディングだぜ!」
「な――」
 気合を込めたスライディングを行い、エイプモンキーの後ろに滑り込んだ。予想外の加速に、敵が驚きの声を上げる。それはスリップストリーム。
「移動物体の後の空気抵抗が弱まる現象だぞ!」
 フィロメーラの体が、一気に敵に近づいた。
 対象の移動が高速であるほど効果は高く、大きさが大きいほど入り込みやすい。
 超高速で移動するエイプモンキーに対しては、絶大な効果を発揮した。しかも、敵は巨大な噴射機を背負っている。フィロメーラは敵の背後に回り込み、絶好のポジションを取った。
「さあ、喰らえ! 全力魔法を込めたキックだ!」
 その勢いのままフィロメーラは敵の背後から渾身のキックを喰らわせる。
「ウッキー?!」
 エイプモンキーは悲鳴を上げて吹き飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルス・クロウディス
さて、今回はちと趣向を変えた攻撃です。
まぁ前提として当てなきゃいかん攻撃があるんだけどー……これ、避雷針的な物作られたりするかな?
もしくは雷自体の発生妨害。

もしそうならすまん、これ厳密には雷じゃないんだ。
頭のいい旧友曰く、引力<属性>らしい。しかも物理じゃなくて概念。
要するに、あらゆるものを引き付ける力らしいんだけど、それが物理現象に落とし込まれると、雷とか磁力に近似代替変換されるんだとか。
変に妨害されるとさ、その分だけこれが出てくんの。

正直この展開は俺も想定外なんだけど、大丈夫?
回避挙動を引き込んだり、投擲軌道いじくれたり、融通きくし。

何なら、真の姿じゃないけど、骸装、全展開出来るんだけど。



●物理と概念
 エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)はステージに立って閃之卍咬を発動させた。
 エルスの落袈勢を連続で運用できるこのユーベルコードは、超高速連続攻撃が可能になる。
 その姿を見てエイプモンキーがステージの中央に戻ってきた。
「ウッキー! ミーは、ミーはまだ大丈夫だウッキー! そんな、雷を落とそうったって無駄ウッキー!」
「そうかな? まぁ前提として当てなきゃいかん攻撃があるんだけどー」
「ふっふっふっ。浅はかな考えだウッキー! その通り、お前のユーベルコードはまず攻撃を当てなければ意味がないウッキー! そこで、ミーはナイスな避雷針を作るッキー!」
 得意満面な笑みを浮かべ、エイプモンキーはゴテゴテとした避雷針を自らのそばに建てた。しかも、自分を守るための雷避けの壁も構築する。
「見るがいいウッキー! 雷を避け、さらに、もし万が一攻撃が当たったとしても、その後の雷攻撃はすべて避雷針が逸らしてくれるウッキー! さすがミー! お前のユーベルコードなど全部を無駄にしてやるウッキー! その後、ゆっくり攻撃を叩き込むッキー!」
 鼻高々に宣言するエイプモンキー。
 そんな彼に向かってエルスの投擲した武装が次々に襲い掛かった。
 雷避けの壁がその攻撃を――受け止めきれない。武装は壁を貫いてエイプモンキーを傷つける。
「ウッキー?」
 え、どうして雷を避けきれないのかな? とでも言いたげにエイプモンキーはエルスを見た。
 雷の力を付与した武器だよね? どうして防げないの? と、問いかけてくるようだ。
 エルスは穏やかな表情で敵を見返した。
「あ、避雷針的なもので対抗しようとしたんだ。何だかすまん、これ厳密には雷じゃないんだ」
「はあ?! そんな言葉遊びで雷を誤魔化すなんて、おかしいウッキー!」
「頭のいい旧友曰く、引力<属性>らしい。しかも物理じゃなくて概念」
 説明を聞いているうちにも、次々と武装がエイプモンキーに襲い掛かる。
「要するに、あらゆるものを引き付ける力らしいんだけど、それが物理現象に落とし込まれると、雷とか磁力に近似代替変換されるんだとか」
「いた……た、痛い。ウッキー! どういう事ウッキー!」
「変に妨害されるとさ、その分だけこれが出てくんの」
 もう敵はエルスの説明をきちんと理解できる状態ではないかもしれない。
「正直この展開は俺も想定外なんだけど、大丈夫?」
「くっ、そんな気遣い……今は辛いだけだウッキー……」
 襲い来る武装に翻弄され、しくしくと泣くエイプモンキーの声が聞こえて来た。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノトス・オルガノン
◆SPD
連携、アドリブ歓迎

何とかして一矢報いたいものだな
これなら、どうだ

UC:Organumを展開
パイプの切っ先を鋭く加工したヤドリガミである私の一部だ
串刺しにしてやる◆技能【投擲】
おそらく奴はそれを打ち落とすか、盾となる装置を作るだろう
弱点は明確
当たらないと意味などない

相手の装置と衝突させる…と見せかけてパイプから大音量を発生
◆技能【フェイント】【範囲攻撃】【歌唱】【衝撃波】
知っていたとは思うが、大きすぎる音は時に物を破壊する力を持つ
だが知っていても、予測はできたかな?

今投げたそれはただの私の一部ではない

シンフォニックデバイスだ

敵の装置を無効化した上で一撃、食らわせてやる



●Organum
「ふう、酷い目にあったウッキー。だが! ミーのカウンターに対抗するカウンターを思いつくなど、そうそう無いはずウッキー! さあ、これからは、ミーの快進撃の時間だウッキー!」
 この戦場に現れた頃に比べ、ややお疲れ気味のエイプモンキーがふらふらと立ち上がった。
 それに対峙したのがノトス・オルガノン(白百合の鎮魂歌・f03612)だ。
「何とかして一矢報いたいものだな」
 そう言って、ユーベルコード・Organumを発動させた。
「風の裂かれる音、聞いた事があるか?」
「ウッキー?」
 エイプモンキーが首を傾げる。
 ノトスは自身が装備するオルガンのパイプを次々に作成し、念力で展開させた。
「ウッキー! まさか、パイプを使って攻撃するつもりかな、ッキー。数があれば何とかなると思っているようだなウッキー! ふっ、ミーも舐められたものだウッキー! いくら数を増やしたところで、所詮は念力での操作。防ぎ撃ち落とす装置を構築すれば完璧ウッキー!」
 エイプモンキーはそう言って、銃口がいくつもついた盾を作り出した。
「ほらほら、そんなパイプ、ミーの敵じゃないウッキー!」
「なるほど、私の攻撃の弱点は明確だ。当たらないと意味などないと言うことだろう」
 それでもノトスは複製したオルガンのパイプを操り、敵に向ける。
 これはパイプの切っ先を鋭く加工した、ヤドリガミである自身の一部。
「串刺しにしてやる」
 ノトスがパイプを投擲した。
「ウッキー! さあ、撃ち落とすッキー! 数で押して来ようとも、この盾が全ての物理攻撃を防ぎきるウッキー! そうなれば、あとはミーが攻撃するだけだウッキー!」
 そう言って、敵の装置から反撃の銃弾が発射される。ノトスは構わずパイプを敵に放った。
 パイプと弾丸が今にも衝突しようとしている。
 攻撃を防ぎきると、エイプモンキーが自信満々に笑う。
 ノトスはその瞬間、パイプから大音量を発生させた。
「?!」
 それは、まったく予想もしなかったフェイントだった。広範囲にわたる大音量の音と衝撃波。
「知っていたとは思うが、大きすぎる音は時に物を破壊する力を持つ」
 ノトスの声は敵に伝わっただろうか。
 何より、今大音量を発生しているパイプはノトスのシンフォニックデバイスだ。
 エイプモンキーは必死に盾を構えるが、とてもそれだけで防げる衝撃波ではなかった。それに盾や弾丸はパイプを物理的に防ぐだけのモノ。
 ノトスは敵の状態を見て取り、一気に距離を詰めて一撃を叩き込む。
「ウッキー……?!」
 エイプモンキーの体が吹き飛んで地面に叩きつけられた。

成功 🔵​🔵​🔴​

戒道・蔵乃祐
正しく万能の力ですね
この強さで未だ三幹部の先鋒に過ぎないとは…

貴殿方が勝てば、この世界は無限の欲望が齎す今以上の栄華を極めるのかもしれない

ですが其処には、今を生きる人々の居場所は存在しない
条理に押し潰される人々を護ることが僕の意地なれば
此処は押し通させて貰います!


火界呪を詠唱。力溜めで大火球を発生
これに対抗してエイプモンキーは暴徒鎮圧用の放水砲を具現化
僕ごと水流で吹き飛ばそうとする筈

火球を武器受けで、僕を覆うように盾にして水蒸気爆発を起こし
白煙と爆風を目眩ましにダッシュで肉薄
火球から一部を分離させ。激痛・火炎耐性で掌に隠し持っていた、不動明王の炎を纏ったグラップルで鎧砕きの属性攻撃を放ちます



●炎、舞い上がり
 数々の猟兵たちと戦ってきたエイプモンキーは、何とかステージに立っている。
 それでも敵の能力はすさまじい。気を抜けば、形勢を逆転されるかもしれない。
「この強さで未だ三幹部の先鋒に過ぎないとは……」
 戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は表情を引き締めた。
「貴殿方が勝てば、この世界は無限の欲望が齎す今以上の栄華を極めるのかもしれない」
「ウッキー!」
「ですが其処には、今を生きる人々の居場所は存在しない。条理に押し潰される人々を護ることが僕の意地なれば、此処は押し通させて貰います!」
 蔵乃祐はそう言ってユーベルコード・火界呪の詠唱を始める。
「くくく。それは炎のユーベルコードだな、ウッキー!」
「ノウマク サンマンダ バザラダン カン」
 不動明王の炎が膨れ上がり、大火球になっていった。
「炎の対処法は誰でも思いつくウッキー! 水ウッキー! しかも、ミーの作る装置は凄いウッキー! お前の炎は単独でも集まっても威力が高そうだウッキー! ならば、ミーが作るのは超強力スプリンクラーだウッキー!」
 言うが早いか、エイプモンキーは地面にスプリンクラーを設置した。全方向に水を噴出することができるタイプのもので、確かにあの勢いなら自らに迫る炎を消すことも可能だろう。
「しかも! 水を放出するホースも完備しているウッキー!」
 敵はスプリンクラーからホースを引き出し、蔵乃祐に向けた。
「その水流で僕ごと吹き飛ばす気でしょうか?」
 力溜めで作り出した巨大な火球を、蔵乃祐が投げつける。
「ウッキー! そんな火の玉、水で消火してやるウッキー! 多少火の粉が飛んでも、足元のスプリンクラーで防御できるウッキー! あ、この水流は激しいウッキー! 防御だけでなく、攻撃の効果もあるウッキー!」
 ミー凄いと言いながら、エイプモンキーが激しい水流を放出した。
 その瞬間、蔵乃祐は火球の軌道を変える。
「ウッキー?!」
 敵ではなく、自分をかばうように盾にしたのだ。
 水と炎が接触し、瞬間水蒸気爆発が起こる。
 両者の間に白煙と爆風が巻き起こり、互いの姿が一瞬見えなくなった。
「この瞬間を待っていました」
 蔵乃祐が煙の中を駆け抜け、敵に肉薄する。
「ウッキー?! だが、お前には、もう攻撃手段がないウッキー!」
 それに気づいたエイプモンキーは、肉弾戦の構えを取った。
 だが。
 蔵乃祐は掌から出した不動明王の炎をグラップルに纏わせ、敵に最後の一撃を仕掛ける。
「その炎を……どうやって持っていたウッキー?!」
 うろたえるエイプモンキー。蔵乃祐はあらかじめ火球から一部を分離させていたのだ。そして、激痛や火炎に対する耐性を以って、掌に隠し持っていた。
 グラップルが振り下ろされる。
 鎧を砕く勢いの一撃。
 エイプモンキーの体を砕き、その息の根を止めた。

「ウ……ッキー」
 最後に小さく声を出し、エイプモンキーは消えた。
 この戦場での戦いは終わった。
 猟兵たちはそれを確信し、ステージから降りた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月11日


挿絵イラスト