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バトルオブフラワーズ⑦〜無貌の歌い手〜

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ザ・サウンドステージ #コウハクウタガッセン

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「皆さん、次のステージにご案内いたします」
 中心から綺麗に真っ二つに割れたキマイラフューチャーの全景をバックにルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)は猟兵達に説明を始めた。
「まだ状況を把握してない方に説明致しますと、キマイラフューチャーに開いたこの隙間から正式名称『システム・フラワーズ』……一般的にはコンコンシステムと呼ばれている物の中枢部に行けるようになったらしいのですが、肝心のシステム・フラワーズはオブリビオン・フォーミュラに支配され、突入するための通路である『ザ・ステージ』も配下のオブリビオンに乗っ取られている状況です。今回はその中の『ザ・サウンドステージ』の攻略をお願いいたします」
 ザ・サウンドステージには特殊な結界が張られており、『コウハクウタガッセン』という特殊戦闘ルールが適用される。
 猟兵とオブリビオンは同時に歌を歌いながら戦う事で、戦闘力が上昇すると共に、ダメージを受けても痛みを感じることも倒れる事も無く戦い続ける事が出来るそうだ。
「この戦場の戦闘は、テレビウムの画面を通してキマイラフューチャー中に中継されており、猟兵とオブリビオンのどちらの『歌』が素晴らしかったかが自動的に判定。その投票で負けた方に蓄積されていたダメージが一気に入って……チュドン、となるそうです」
 攻撃をする必要はあるが、重要なのはあくまでも「歌」。
 キマイラフューチャーの人々は猟兵を応援してはいるが、物事の良し悪しの判定は日常生活の一つであり、割とシビアである。
 猟兵よりもオブリビオンの歌の方が良かったと思えば、容赦なくオブリビオンに票を投じるだろう。
 なお、同時に歌いはするもののキマイラフューチャーの超技術によって、画面越しにはきちんと音声は重なることなく聞こえるそうだ。
「ちなみにオブリビオン側は投票数をいじる妨害を一切していないそうです。よっぽど自分の歌唱力に自信があるんでしょうね」
 ルウがタブレットを操作すると後ろの壁に複数の仮面を持った、「?」マークの袋を被った男の姿が映された。
「相手は自分の顔を変えることで人格や歌える曲をコロコロと変えてしまう無貌のオブリビオンだそうです。同じ曲ばかりを歌って観客をしらけさせることはしない、というエンターテイナーの鏡のようなオブリビオンですが……キマイラフューチャーの未来のために散ってもらいましょう」


平岡祐樹
 飲み会のために、知名度の高い曲を一つは上手く歌えるようになれと親に言われた平岡です。

 このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。

 歌わずに攻撃してたら確定で敗北、攻撃せずに歌ってもオブリビオンに精神ダメージを少しだけ与えるのみ……と中々厳しいステージですが、歌って戦える猟兵の皆さま、ぜひご参戦くださいませ!
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第1章 集団戦 『模倣怪人ノッペロイド』

POW   :    倒錯のマスク
自身の【なりきっている役柄にふさわしい振る舞い】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    対策のマスク
いま戦っている対象に有効な【役になりきれる絵柄の仮面】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    贋作のマスク
対象のユーベルコードを防御すると、それを【使い手の猟兵の顔が描かれた仮面に変換して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:傘魚

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルファ・ユニ
歌おう。
バンシー(精霊)が。

思いのこもった歌詞や秘密をカミングアウトすればいいんだっけ?
じゃあユニに対しての恨み辛み全部吐き出せ
怪人に出す料理の皿に盛り付けて出したり危険なとこに先回りさせて偵察させたり
日常含め普段から結構こき使ってるから積もるものもあるでしょ
出てこないなら手伝ってあげようか?(轟音追憶波フレーバー使用)
あれ、いつもより耳に痛い周波数多いかも(自身は悠々とヘッドホンで耳栓)
サラウンドの大合唱、史上最強最悪の絶叫哀歌お届けしよう

バンシーがUCで結構精神とか鼓膜ぶち壊してくれるだろうから、ユニ自身の攻撃は弱くていいかな
適当にUDCの国歌でも歌ってトンファーで殴っておこう



「思いのこもった歌詞や秘密をカミングアウトすればいいんだっけ?」
「特にそのような制限はない。とにかく画面の向こうの視聴者の心を掴むこと……それがこのステージのルールだ」
 アルファ・ユニ(愛染のレコーディングエンジニア・f07535)が首を傾げるとノッペロイドは仮面をジャグリングしながら答えた。
「さぁ、あなたはどのような歌を聴かせてくれるのかな?」
「歌おう。バンシーが」
 その言葉にノッペロイドは思わずずっこけ、足元にいつのまにかいた毛玉が慌ててユニに振り向いた。おそらく画面の向こうの視聴者の何人かも倒れているだろう。
「出てこないなら手伝ってあげようか?」
 ユニがクローネを操作して【轟音追憶波】の準備を進めようとするとバンシーは「それは勘弁」と言わんばかりに慌てて電子目録に飛びついた。
 そしてスピーカーから流れてきたのは……デスボイスが多いことで有名なバンドのテンポの速いロックナンバーだった。
 オブリビオンに出すシュールストレミング入りの料理の皿に放り込まれたり、危険なところに偵察させられたり、日常生活でこき使わされたり……と日頃から酷い目にあわされている鬱憤をバンシーはとにかくマイクにぶつけていく。
 小さな体から発せられるサラウンドでの大合唱、史上最強最悪の絶叫哀歌にノッペロイドはドン引きし画面の前の視聴者は同情し、涙する。
「あれ、いつもより耳に痛い周波数多いかも」
 そんな中でバンシーが酷い目にあわせている原因の一つは、悠々とヘッドホンで耳栓しながら適当にUDCアースの国で使われている国家を適当に歌いながらノッペロイドをトンファーで殴っていた。
「あなたの血の色は何色なんですかー!」
 それに対してノッペロイドは激昂しながら徒手空拳で対抗する。
 そしてイケメンの男性風の仮面をつけると、人々を応援するさわやかなアイドル曲を歌い始めた。……まるでバンシーを慰めるかのような選曲である。
 約4分の歌が終わると殴り合っていたユニとノッペロイドが、まるで同じ極を合わせられた磁石のように弾かれ、モニターに投票数を表す丸の数とその合計数が表示された。
 その数字は拮抗しつつも、ギリギリユニ側に傾いた。
「ぐうっ……どうやらあなたに対する憎悪よりもバンシーへの同情票の方が優ったようですね……!」
 負けたことによりダメージがノッペロイドの体に入る。
 バンシーの歌声の効果により鼓膜や精神に大ダメージが入ったはずだが……その熱意はまだまだ潰えていないようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・カガミ
本業が歌なので、負けられないわね。
歌唱とパフォーマンスを駆使して踊りを舞うように戦います。
(扇を使って攻撃したり、敵の攻撃を受け流します)
向こうは純粋な歌唱力で勝負するようなら、こちらは歌と踊りを組み合わせた総合力で勝負します。
(アクション有りの歌劇のイメージです)
露出度の高い踊り子の衣装を着て(誘惑も使用します)、激しく踊りながら歌うなど、歌と踊り両方できることを生かしてより観客を楽しませるようにします。
サウンドオブパワーのユーベルコードも歌に合わせて使用して能力を上げた状態で戦います。
『踊り子兼歌姫として日頃から鍛えた歌と踊りを見せてあげる』



「本業が歌なので、負けられないわね」
 露出度の高い踊り子の衣装を着ているステラ・カガミ(踊り子兼歌姫・f14046)の登場にコメント欄の男性陣が一斉に盛り上がっていく。
 その姿を見てノッペロイドは目を細めた……ように感じた。ハテナマークの素顔では細かい表情の変化が分かりにくいのだ。
「なるほど、こちらが純粋な歌唱力で勝負するようなら、そちらは歌と踊りを組み合わせた総合力で勝負……ということですか。臨むところです」
「踊り子兼歌姫として日頃から鍛えた歌と踊りを見せてあげる」
 ノッペロイドは気の強そうな女性の仮面を被り、ステラも扇をノッペロイドに向けて構える。
 ステラがアジアンテイストな曲に合わせて激しく踊りながら歌い、歌も踊りも両方できることを生かしてより観客を楽しませようとするのに対し、ノッペロイドはビートの効いた力強い歌詞とダンスで対抗する。
 視聴者から見れば互角の熱い戦いに見えていたが、当のステラは【サウンド・オブ・パワー】を使用して能力を上げた状態で戦っているにもかかわらず、扇でノッペロイドの攻撃をいなすばかりでカウンターの一発でしか攻撃出来ていないことに焦りを感じ始めていた。
「あなたの歌や踊りは素晴らしい、このような場でなければ私も画面の向こう側に座ってじっくりと観賞したかったものです」
「それはどうも!」
 このオブリビオン、オブリビオンのくせに【サウンド・オブ・パワー】に共感している。
 お互い間奏に入ったところで女の声で褒め称えるノッペロイドにステラはムキになりながら言い返し、ノッペロイドの喉を思いっ切り閉じた扇で突いた。
 不意の急所への一撃に、思わず飛び退いたノッペロイドは苦笑いを浮かべていた。
「ちょっと近づきすぎてしまいましたかね、反省反省」
 そこで間奏が終わり曲が最後のサビに入る。再び二人は歌と踊りを交えた格闘のパフォーマンスに尽力した。
 お互いの曲が終わり、見えない壁がステージを分断し集計が始まる。
 二人の意地とプライドをかけた戦いの結果は……辛うじて、ステラの方に傾いた。どうやらあの喉を突いた一撃が分岐点になったようだ。
「良い、歌と踊りでしたよ」
「あなたもね」
 喉を押さえ苦しそうにしながらも健闘を讃えてくるノッペロイドに、ステラも手を振り返しながらステージを後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ポノ・エトランゼ
はーい、じゃあ歌いまーす
何にしようかしらね
子守唄とか親子の歌とかどうかしら?

いちばん。
子供視点の詩は、わくわくきらきらと
たくさん楽しい冒険。あっちこっちコンコンしてみましょう
何が出るかな? マジパンだったり、可愛い飴だったり?
弾むように歌ってみるわね

観ているキマイラさんたちも一緒に歌いましょう!
リズムをとるだけでも楽しいと思うわよ

にばん。
親御さん視点。
駆けてっちゃう子供たちを、見守って
いつ振り向いても手が振れるように、いつもそばにいるよ、って
疲れちゃったら帰っておいで

と、雰囲気で歌いながら攻撃も。
主に風属性の攻撃!
敵を翻弄したり、たまには風の圧をぶつけて
風矢も射放っちゃうわね



「はーい、じゃあ歌いまーす」
 2連勝を納めた猟兵組の次の刺客は笑顔で手を挙げたポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)。
「何にしようかしらね……子守唄とか親子の歌とかどうかしら?」
 そう言ってポノは「童謡一覧」と書かれた項目をタッチした。
「童謡ですか、なかなかチャレンジャーな選曲ですね」
「観ているキマイラさんたちも一緒に歌いましょう! リズムをとるだけでも楽しいと思うわよ」
 流れてきたゆったりとしたメロディとカメラに向かって笑顔で話しかけるポノの様子を見たノッペロイドは意外そうに呟いた。
「あっちこっちコンコンしてみましょう。何が出るかな? マジパンだったり、可愛い飴だったり?」
 まるで教育番組のお姉さんのように、壁を叩くパントマイムを見せながら歌うポノに、視聴していた小さな子供は釘付けになる。
 子供に不愉快になってもらいなくない、泣かれたくない親達はチャンネルをノッペロイドに変えることが出来ず、楽しそうにリズムに乗る子供達を見た後苦笑いしながらお互いの顔を見やっていた。
「なるほど、このような手がありましたか……。ならば今こちらを見てくれている方々の心に突き刺さる歌を歌わせていただきましょう」
 ノッペロイドは自分への視聴率が低いことを後ろにあるモニターから感じ取り、独身の方に突き刺さるポップチューンをリクエストした。
「駆けてっちゃう子供たちを、見守って。いつ振り向いても手が振れるように、いつもそばにいるよ。疲れちゃったら帰っておいで」
 ポノの童謡は目の前に広がるわくわくきらきらとたくさん楽しい冒険に飛び出していく子供達の視点からそれを後ろから見守る親の視点へと移る。
 どこかコミカルで楽しい印象から、伸びやかに歌わせる歌詞は親の包容力を感じさせる物に変わっていた。
 子供の忙しなさを表すようなフリから、ゆったりとしたフリに変わったことにより、ポノに攻撃する余裕が生まれた。
 目の前にいる子供を包み込むように動かした腕から風の壁が生まれ、ノッペロイドに飛んでいく。
 目に見えない、突然生じた壁にノッペロイドは躓き、体勢を崩してしまった。
 するとノッペロイドの周りにポノの顔を模した仮面が一つ現れた。
「くっ、邪魔くさい攻撃ですね。こうなったら目には目を、歯には歯を、風には風を……」
「あら、まだ歌っているの?」
 ポノの仮面に切り替え、同じような妨害をしようとしたノッペロイドにポノが話しかける。
 その後ろにあるスピーカーからは音が止んでいた。
「な、あなた歌は……!?」
「こっちはもう終わったわよ」
 そう、ノッペロイドは失念していた。童謡の多くは一般的な歌謡曲の半分程度の時間しか要さないことに。
「終わっていてもあなたが歌っている間は、こちらは攻撃し放題なのよね? なら思う存分やらせてもらうわ」
 早く終わってしまったことにより、一部の視聴者の票がノッペロイド側に移ってしまったがそれでも優勢のままポノはこの一戦を切り抜けた。
 ポノが猟兵達とハイタッチを交わす一方で、ノッペロイドは風の刃でズタズタになってステージ上に倒れ伏していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バンリ・ガリャンテ
命懸けの歌合戦だね。心震わす歌を届けられなければチュドンあるのみ。俺の歌は俺を導いてくれるのか、知りたい。
【先制攻撃】で【REMEMBER ME】を。
『目的を知る自分』に目覚め、とんでもねえパワーを発揮する代わりに毎秒命を削り取られるんだ。それってたまらない。ゾクゾクと恐ろしくてワクワクと煮え滾るこの感覚を歌にのせるよ。宛ら自分を【鼓舞】するように。

持てるだけの【歌唱】力でもって敵にもキマフュの皆にも届くよう声を張り上げる。
戦闘は【怪力】任せの【鎧砕き】や【なぎ払い】【吹き飛ばし】と脳筋だけど、そのぶん歌にパワーをこめられっかなって。画面外にも伝わる熱い【パフォーマンス】になるといい。



「命懸けの歌合戦だね。俺の歌は俺を導いてくれるのか、知りたい」
 ルールを聞いたバンリ・ガリャンテ(Remember Me・f10655)はそう言ってサウンドウェポンを構えた。
「さすが本職、余裕がありますね」
 新たな挑戦者の入場に気付いたノッペロイドが膝に手をつきながら立ち上がり、電子目録を差し出す。
 しかしバンリはそれに手を伸ばすどころか、一瞥すらもしなかった。
『嗚呼そうだったな。そのようにする。束の間きっと、そうできる』
 そう呟いた瞬間、バンリの雰囲気ががらりと変わる。
 『目的を知る自分』に目覚めて毎秒命を削り取られる代わりに発せられる、ゾクゾクと恐ろしくてワクワクと煮え滾らせた感覚を覚えながらバンリはマイクを手にした。
 自分自身を鼓舞するようなサウンドウェポンの演奏と持てるだけの歌唱力を発揮した熱唱に画面の向こうの視聴者達はただただ圧倒させられる。
 それを聞いていたノッペロイドは面白そうに声をあげた。
「歌のために自らの身を削りますか! なかなかロックなことをしてくれる!」
 演奏しながら振り回されたサウンドウェポンがノッペロイドの肩に直撃する。
 普段の場所であれば骨が砕けているであろう強烈な一撃にノッペロイドは吹き飛ばされたが、その手元に現れたマスクは笑顔を浮かべたものだった。
「あなたが命をかけるなら、私も命をかけてお相手致しましょう! それが『ザ・サウンドステージ』です!」
 そしてそのマスクを身につけたノッペロイドは高らかに歌い出す。満身創痍なはずの肉体から発せられる、今までの物とははるかに違う雄大な歌声に視聴者は思わず息を呑んだ。
 相手を舐めない本気の歌唱、ある意味本性を露わにしたノッペロイドのパフォーマンスにバンリは獰猛な笑みを浮かべた。
「心震わす歌を届けられなければチュドンあるのみ。上等です、真っ向から受けて立ちましょう!」

成功 🔵​🔵​🔴​

リヴィア・ハルフェニア
「自分の歌に自信があるようで・・・。
では怪人ノッペロイド、シンフォニアとしてその勝負お受けしよう。」

歌うのは思わず手拍子したくなるような楽し気な曲調だけれど歌詞は誰かを応援や励ましたりするそんな歌。

「この歌は今聞いてくれている画面の向こうの貴方達の為に心を込めて歌いましょう。」【誘惑2,鼓舞2】

相手の攻撃は【第六感3】で回避をし、ただ攻撃するのではなくUC【属性攻撃5】をステージの【地形の利用】をしつつ【パフォーマンス,範囲攻撃2】で彩り視聴者を耳と目で楽しませるわ。

【歌唱6,コミュ力2】

≪服装はJC。アドリブ歓迎≫



「自分の歌に自信があるようで……。では怪人ノッペロイド、シンフォニアとしてその勝負お受けしよう」
 凛とした前口上を言いながらリヴィア・ハルフェニア(歌紡ぎ精霊と心通わす人形姫・f09686)が壇上に現れる。
「これはまた気合の入った衣装ですね……。では、こちらをどうぞ」
ノッペロイドは満足に動かせない左腕を一瞥した後、右手で電子目録を差し出した。
「この歌は今聞いてくれている画面の向こうの貴方達の為に心を込めて歌いましょう」
 入力を終えると、思わず手拍子したくなるような楽し気な曲調で、誰かを応援し励ます歌詞に合わせたリヴィアの伸びやかな声がマイクを通して響き渡る。
 奇しくも一戦目に自分が歌った物と似たような選曲にノッペロイドは鼻を鳴らした。
「あえて先ほどと同じ曲調の物を選んでくるとは。私に対しての挑戦状として受け取らせていただきますよ」
 リヴィアが振った腕から生じる冷気によって生まれた結晶がステージ上に舞い散り、視聴者を耳だけでなく目でも楽しませる。
 その冷気を全身に受けたノッペロイドの手にリヴィアの顔を模したマスクが現れる。
「目には目を、歯には歯を、北風には太陽を!」
 そのマスクを顔につけ、高らかに愛を歌い上げる洋楽を選択したノッペロイドは右腕を天に突き上げ、何もないところから大量の炎の柱を突き上げる。その一撃でノッペロイドはリディアの冷気によって涼しくなったステージの温度を一気に引き上げようとした。
「さぁ、心と同じぐらいステージも熱くして参りましょう!」
「確かに炎天下の中でやるライブもいいけど、熱すぎたら観客は倒れてしまいますよ?」
 その言葉と同時に炎の柱が一瞬で氷柱に姿を変える。自身の第六感でどこに炎を生み出すのかを感じ取ったことによる的確な攻撃だった。
「暑いのもいいですが、何事もほどほどが一番だと思うよ?」
 そう言って微笑むリヴィアは人が凍らない程度の冷風でノッペロイドを吹き飛ばした。
「あなたは確かに素晴らしい『エンターテイナー』だったわ。でも、そのパフォーマンスを皆を傷つけようとしている人のために使っている以上、容赦はできません」
 投票が終わり、ノッペロイドよりもリヴィアに票が多く投じられたことが報じられる。
 リヴィアの告げた言葉に、ノッペロイドは息を吐いた。
「……あなた方にはわからないでしょう。真似ることしか出来なかった者の苦しみを、あの方が作り出す理想郷のすばらしさを、誰もが自分のやりたいことを何不自由なく、好きなだけできる世界のすばらしさを」
 先ほどノッペロイドがぶつかった氷柱からひび割れる音が響き始める。
「ですが、努力を続けてきた者たちの歌が視聴者に評価されたということは……我々が過保護すぎた、ということなのでしょうね」
 そう言って頭を上げたノッペロイドの顔は相変わらずのハテナマークだったが、どこか晴れやかに見えた。
 ノッペロイドが立つ場所に向けて氷柱が崩れ落ちる。
「視聴者の皆様、これがあなた方の選んだ道だ! けして後悔しないよう限りある命を燃やし続けなさい!」
 その言葉と同時にノッペロイドの姿は氷柱によって潰される。そしてそれが溶けた先には何も残っていなかった。
「真似ることしか出来なかった、か。私はそうは感じなかったけどね」
 リヴィアはそう呟くと、猟兵とオブリビオン両者の健闘を称えるコメントで埋め尽くされたモニターを見やった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月28日


挿絵イラスト