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バトルオブフラワーズ⑥〜コスプレ・ダンシング!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「さて、今回はキマイラフューチャーで起きている戦争、『バトルオブフラワーズ』に参戦してもらうよ。説明は……しなくてもみんな知ってるかな?」
 キマイラフューチャーの中枢システム、『システム・フラワーズ』が謎の怪人軍団に占拠されたので、『メンテナンス・ルート』として惑星全体がパカッと割れた。
 その割れた惑星の中心に現れた『システム・フラワーズ』を攻略する必要があるが、そのためにはシステムを守る『ザ・ステージ』を攻略しなければならない。そんな感じだ。
「キミ達に挑んで貰うのは『ザ・ダンスステージ』。『ダンシングフィーバー』と言う特別なルールが適用された戦闘に挑んでもらうよ!」

 『ダンシングフィーバー』。それは、『ダンス』によって戦う戦場だ。この戦場の戦闘はテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継されている。
 戦闘中にダンスパフォーマンスを披露し、視聴者を熱狂させる事が出来れば、『フィーバー』が発生し、攻撃の効果が2~5倍にパワーアップする。逆に熱狂させることに失敗すれば、攻撃の効果は半減以下だ。
 つまり、闘いつつも華麗なダンスパフォーマンスが必須となる。

「で、今回このステージでキミ達に戦ってもらうボスは、『コスプレ撮影怪人アングラーロー』。カメラの頭を持ち、相手にコスプレさせて強制的にポーズを取らせるって言う、別の意味で危険な怪人だね」
 ただ、今回の戦闘では、このユーベルコードが実に厄介な事になる。華麗なダンスの最中に、突然妙なポーズを取らされてしまっては、パフォーマンスが中断され、フィーバーが貰えない。
「そこで。キミ達には今回、最初からコスプレをした上でダンスパフォーマンスに挑んで貰いたいんだ」
 アングラーローのユーベルコードは、『コスプレをさせてポーズを取らせる』と言う物だ。そのため最初からコスプレをしていけば、一連の流れを連続出来ず、強制力が弱まるのだ。
「コスプレの内容は何でも良いけど、普段あまり着ていない衣装が良いね。敵の能力は催眠音波によるものだから、『自分が自分の衣装をコスプレと認識している』ほどに、強制力が弱まるからね」
 例えば、普段から魔法少女をやっている子が魔法少女のコスプレをするより、普通の女の子が魔法少女のコスプレをする方が良い、と言う事である。
「それさえ守れば、コスプレの種類がなんでも良いよ。可愛い、格好良い、セクシー、まあ、いろいろ有るね。女性だけじゃなくて男性のコスプレも結構いろいろ需要はあるから、考えてみると良いよ」
 ただ、テレビウムを通しても放送出来ないような倫理的にまずいコスプレだけはNGなので、そこは注意が必要である。

「キマイラフューチャーは、ボクの故郷の世界でもあるんだ。オブリビオンの魔手に落とす訳にはいかないよね!」
 可愛らしくポーズを決めつつも、ちょっぴり真剣に、くるるは猟兵達を見回した。
「だから、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ!」


一二三四五六
 コスプレ・バトル・ダンシング!

 ごきげんよう。遅まきながら戦争参戦、一二三四五六です。

 今回は『ザ・ダンスステージ』での闘いとなります。華麗なダンスでキマイラ達の私事を得て、そのまま華麗に敵を倒しましょう。
 『コスプレ撮影怪人アングラーロー』はプリマステラ・リコールド(笑顔を胸に・f01278)さんの宿敵となります。投稿ありがとうございます。

 補足。
 オープニング本文に注意事項を書いてあるのでよく読みましょう。本文読んどけばだいたい大丈夫です。

 今回の予知担当はくるるですので、倫理的なアレはそれなりにキツく締めます。普段紅奈の予知シナリオに参加している方はご注意を。軽いお色気アピール程度なら大丈夫です。

 返却は明日予定です。いつもより早いですが、日が変わるぐらいまでのプレイングは問題なく採用するので、焦らずどうぞ。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『コスプレ撮影怪人アングラーロー』

POW   :    ここがコスプレ会場だーーーーーーー!!
【コスプレ化光線とポーズ指定催眠音波 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    お前は最高のコスプレイヤーだ!(フラッシュ)
【強制コスプレ光線 】【ポーズ指定催眠音波】【撮影されると気持ちよくなる催眠】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    良い! 実に良いアングルだ!
【カメラのレンズ 】から【強制コスプレ光線】を放ち、【ポーズを取らせる事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:ケーダ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠プリマステラ・リコールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

間仲・ディコ
こういう格好をするのも新鮮で面白いっすね~!
私はー明るいオレンジのチャイナ服!っす!
髪型もお団子にセット~!
背伸びして、足元はヒール高めに!
激しいダンスはできないけど、楽しくノリノリでいきましょう~!!
やーやー盛り上がってるっすか~!!?

予め【トリニティ・エンハンス】で攻撃力アップしとくっす!

動きのあるステップは踏めないので、リズムを取りつつ上半身メインな賑やかな振り付けでいきましょうか!
キメるシーンではクルッとターン!
からの振り向き様に怪人に向かってピース!アンド
【全力魔法】な炎【属性攻撃】イエーイ!

見せ場が終わったら後方に下がって、
盛り上げ演出という名の炎攻撃
をバンバンいっときましょー!


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

なるほどコスプレねぇ……
依頼で色々と『変装』してるからそういうのには抵抗ないけどさ。
……なんでアタシがレースクイーンのコスなんだよ!?
いつもはライダー、つまりレーサー側だから?なんだそれ!?
くっそ、せめてヒールは低くしてくれよ、高いと踊りにくい!

パラソルを上に放り投げたらダンススタート。
身体全体をダイナミックに使ったブレイクダンスを披露してやる!
もちろん、オブリビオンの事も忘れちゃいないよ。
要は流れを無視したポーズになってなきゃいいんだろ?
【超感覚探知】のテレパスで奴が望むポーズを先読みし、
自然な流れで決めポーズを取れるように
振り付けを即興で組み替えていくよ!


弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み歓迎です。


コスプレしてダンスパフォーマンスをしながらオブリビオンを斬ればいいんですね……、ってなんで私に用意された服はこんなのばっかりなんですか!?

銀花の前にはバニーガール、超ミニスカートのボディコンワンピース、黄金○ット(裸マント)、ヘソ出しレースクィーン、などなど、何だか体の線が丸分かりな服ばかり用意されています。

くぅ……、仕方ありません、このレースクィーンの衣装を借ります!



ダンスはあんまり得意ではありませんので、ここは何時でも刀を抜ける様なポーズでステップを踏んで、体と髪を音楽に合わせて回し、踊っている様に見せます。

撮影しに近付いて来たら鋭刃線閃を喰らわせます。


紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

ダンスか……小学生の頃の夏祭りの盆踊り以来だからアレだけど……まあ、そこは直感(第六感、見切り)で頑張るでありますよ。

服装は最初は犬の着ぐるみ。顔も隠れるヤツ。サイボーグの身体能力なら踊るのも問題ない。
着ぐるみも十分コスプレのはずだけど、文句が来るだろうし、文句が来なくても、電脳魔術を使って所謂ミニスカポリスに衣装替え。(早業)
ギャップで会場は盛り上がる筈でありますよ。え? 胸? 黙れ。

攻撃は踊りの最後にかける。着ぐるみの中に仕込んでおいた04MVを振付の中で自然に手に取って、敵の急所を早撃ち。(クィックドロウ)
狭い会場なら狙撃体勢でなくとも必中でありますよ。(スナイパー)


レン・ランフォード
【SPD】アドリブ等歓迎

ダンスバトル…不謹慎ですが楽しそうなステージですね
特定の舞踏を習ってはいませんが私も楽しんで
相手も見ている人も楽しそうだなと思ってくれればいけると思うんです
…え?コスプレ?

作戦は【分身・雪月花】を使い三人で踊りつつ要所で二人が敵を抑えて一人がアピールするというもの
れんが選んでくれた服は錬がスリットの青い凄いチャイナ服で
れんは黄色いチア服
私は少しピンクなナース服なんですが…あの、スカート短すぎません?

錬はアクション重視でハイキックにバク転…見えちゃう!?
れんはUC【鬼丸兄弟】を使い皆で組体操…ローアングルやめて!?
もー!貴方のせいですからね!注射器を全部急所に投擲します!


フランチェスカ・ヴァレンタイン
コスプレと言われましても、あまり馴染みが…
…はい? わたしにはコレがオススメ? はぁ……

誰かに勧められてやや恥ずかしげにバニースーツ姿へと

多彩な角度の足場を蹴って跳び、別の足場に斧槍の穂先を突き立て
斧槍の長柄にやたらと艶めかしい仕草で腕や脚を絡めながら翼を撃ってぐるりと半周
しなを作ったポーズで撮影ドローンに流し目を送ってキメ

――そんな三次元ポールダンスめいた動きでステージを縦横無尽に舞い踊ります
格好とカメラワークも相俟って、機動のたびに姿態の躍動が目の毒的な意味で凄いことになっているかと?

うまくフィーバーが発生しましたら脳天直下でUCの一撃など
「どうぞ召し、あが――れッ!」

※アドリブ・絡み歓迎


ユーリ・ヴォルフ
キャンディのようなカラフルなステッキに赤い燕尾服
チャラリと音を立てるは懐中時計
白い耳

今私は…不思議の国のアリスに登場するかのような
白兎を演じている
足取り軽やかに。ポップな音楽を想定しながらリズミカルに
長い脚でくるりとターンを決め
手品のように花束を出し、カメラに向かって放り投げるとパチリとウィンク

これらの演技は需要にマッチしているだろうか?
そんな不安は表には出さず
アイドルグループのメンバーのように笑顔を浮かべ
催眠音波は虹色の光(『オーラ防御』)でガードし
隙あらば【ドラゴニアン・チェイン】で繋ぎ、頭上に放り投げ
『属性攻撃』炎で、大輪の炎の華を咲かせる
最後は観客(カメラ)に向かい、紳士的に深々と一礼


氷月・望
ゆーくん『月待・楪(f16731)』と
アドリブ等歓迎、ダンスは苦手
衣装:イタリアのカラビニエリ制服

えー、ゆーくん似合ってるって!可愛いし!
コケないようにはする、ケド……ダンスって難しいから、あはは

ゆーくんをメインに、俺はサブ
カポエィラとブレイクダンスを格好良く踊る姿に見惚れる
でも、口には出さない様に……俺も踊るんだよ、ね
拙いけれど、【情報収集】した初心者向けの技でブレイクダンスをするよ
ステップで誤魔化しつつ、『疾駆せし雷』を
後は、そうだ!【コミュ力】活かして踊りながらの口上で
ゆーくんへの熱狂をもっと盛り上げていこっか!サポートになるかな?

写真?OK、撮ろ撮ろ!
……今度はお揃いにしよっか、なんて


月待・楪
氷月(f16824)と同行
(アドリブetc歓迎/衣装:黒猫フリース着ぐるみルームウェア)

踊りやすいけど…やっぱこれ変じゃねェ?
つーか、氷月頼むから転けるのだけはやめろよ

【ダンス】って言っても格式あるお綺麗なやつじゃなくてカポエィラとブレイクダンス
どっちも足技主体だが…カポエィラはダンスに見えて本来は格闘技っつーことで、攻撃手段としては上等だろ

氷月にペース合わせて踊ってやる
【パフォーマンス】しつつ攻撃を【見切り】隙みて【踏みつけ】たり蹴ったり
ラストは【ダッシュ】で勢いつけて【ジャンプ】からの踵落とし

氷月、写真撮ろーぜ
お前が真面目な格好と顔してんの珍しいし…あーその、似合ってる
ん、それもいいかもな



「まあ、依頼で色々と『変装』してるからね。こういうのには抵抗ないよ」
「ええ、コスプレしてダンスしてオブリビオンを斬る。簡単な依頼ですよね」
 肩を並べ、表情を消して立つ多喜と銀花。
「ない、けどさ」
「簡単、ですけど」
 そう、コスプレをする事になんら抵抗はない、が。
「なんでアタシらが、レースクイーンのコスなんだよ!?」
「そうです、こんな、その、際どくて身体のラインが見えるような!」
 用意された衣装のそこが不満のようで、互いに顔を真っ赤にして抗議する。
「ったく、いつもはライダー……レーサー側だからって安直なんだよ」
「まあ、裸マントよりはマシですが……」
 ぼやく2人……だが、銀花のつぶやきに戦慄の表情を浮かべる。
「そんなのも有ったのかい……」
「ええ、こう、黄金の蝙蝠的に、身体に金粉をまぶして」
 もはやそれはコスプレではなく変質者の類である。それに比べればレースクイーンもマシかと、諦めと共にため息をつく多喜。
「ま、いつまでも文句を言ってるのは性に合わないしね……さあ見てなっ、アタシのダンスをさ!」
 手にしたパラソルを放り投げると、ステージに手をつく。すらりと長い脚が華麗に跳ね上がり、ブレイクダンスを見せつける。
「さあ、テンポを上げてくよっ!」
 いきなりの激しいダンス。静かな会場に熱気を運び込む。
「へぇ、やるなぁ」
 そのダンスに感嘆の声を漏らすのは楪。
「こいつは俺も負けてられない……ん、だが」
 やる気を見せつつも、どうにも躊躇うのは、自分の格好だ。
「……やっぱこれ変じゃねェ?」
「えー、ゆーくん似合ってるって! 可愛いし!」
 黒猫着ぐるみのフリースルームウェア姿に戸惑いを見せる楪に対し、望は人懐っこい笑みを浮かべてみせる。
「いや可愛いから気がすすまないってか……お前の衣装はなんで格好良いんだよ」
「うーん、ゆーくんがこれ来たら、似合いすぎてコスプレ感ないし……」
 そんな望の衣装はカラビニエリ……イタリアの憲兵制服だ。
 クールな風貌に似合わぬ可愛さの楪と、ビシッと決めつつどこか隙のある望、確かにこの組み合わせがコスプレらしい。
「はぁ……まあ良いか。つーか氷月、頼むから転けるのだけはやめろよ」
「コケないようにはする、ケド……ダンスって難しいから、あはは」
 誤魔化し笑いをする望にため息一つ。ステージに踊り出る楪。
「ま、お前の分のフォローは俺がしてやるさ!」
 彼が踊るのも、多喜と同じくブレイクダンス。だが、そこにカポエイラを取り入れ、足技重視でよりワイルドに踊り回る。
(ゆーくんかっこいい……!)
 その華麗なダンスに見惚れつつ、同時に、自分が踊る事に不安を覚える望。ダンスに関しては初心者でしかなく、運動神経だってそこまで良い方ではない。
(……でもっ)
 フォローしてくれると言うパートナーの言葉を信じ、彼は勢いよく飛び込んだ。拙いながら必死に勉強したブレイクダンスで、楪と並び踊る。
「やーやー盛り上がってるっすか~!!?」
 加熱してきたステージに、次に降り立ったのはディコだ。明るいオレンジのチャイナ服に身を包み、髪もシニョンにまとめ、ヒールは高めに。
「楽しく、ノリノリでいきましょう~!!」
 画面の向こうに満面の笑顔でアピールする、愛らしい少女。ダンスもリズムを取りつつ賑やかに、それでいてちょっと背伸びを感じさせるコスチュームだ。
「こういう格好をするのも新鮮で面白いっすね~!」
 高いヒールなので上半身の動きをメインに、華やかに元気よく視聴者を沸かせていく。
「ふむ、そろそろ丁度良い時間だな」
 続いては、カラフルなステッキを華麗に操って、赤い燕尾服のウサ耳青年・ユーリが姿を現す。
 懐中時計で時間を確認し、軽やかに鎖を鳴らす白兎。合わせて音楽もポップな物に変化する。
「さて、それでは不思議の国へと案内させてもらうとしよう」
 足取りは軽やかに、リズミカルに。長い脚を見せつけるように歩み出ると、カメラの前でくるりとターン。
 その回転の間にいつの間にやら、その手には花束が握られている。
「ふっ……」
 笑みをキメながらその花束を放り投げ、ウィンク。バッチリキメたその姿は、主に女性ファンの心を鷲掴みだ。
「ダンスは、小学生の頃の夏祭りの盆踊り以来だからアレだけど……」
 続いては……子供番組に出て来そうな犬の着ぐるみ。顔さえ隠れていて、一体誰だか分からない。
「サイボーグの身体能力なら踊るのも問題ないであります!」
 ダンスはしっかりしているが、どうにもウケはいまいちだ。子供ウケは良さそうだが、このステージを見ている子供はそんなに多くないらしい。
「むぅ……着ぐるみだってコスプレだと言うのに」
 アピールが不発に終わった事で、力が抜けていくのを感じる……が、ここまでは想定通り。その着ぐるみが、データとなって消滅していく。
「さあ、これでどうでありますか!」
 そうして姿を現したのは、ミニスカポリス姿の智華だ。ギャップに視聴者が沸き、失われた力がその身に戻ってくる。
「さあ、この色気でさらに会場を沸き立たせるであり……」
「では……わたくしも、それに参加させて頂きますわ」
 胸を張る智華の隣に、白翼と共に降り立つフランチェスカ。ほんのりと恥じらいに頬を染め、身に纏うはバニースーツ。
「さあ、ご覧くださいまし……!」
 縦横無尽にステージ内の足場を飛び回っては舞い踊る。その度に躍動するその豊満な肢体。
「まだまだ、これからですわ!」
 さらに斧槍を足場に突き立て、それをポールに見立てると、四肢を絡めて回転する。妖艶なダンスを披露する。三次元の激しい機動の度に揺れる姿態は目の毒も良い所。
「ほぉら、こちらからもいかが?」
 カメラワークも意識した、危ないダンス。それは、視聴者(主に男性)の目を釘付けにしていく。
「……わたしたちも」
「う、うん、わかってるけど……ねぇ、これスカート短くない?」
 次いで姿を現すのは3人のレン。ピンクナース服の蓮、青いチャイナの錬、黄色いチア服のれんと、三色に別れた分身娘だ。
「ねぇ、れん? 絶対これスカート短いって言うか、踊ると見え……」
「良いだろ、減るもんじゃなし。覚悟決めてさっさと行くぜ!」
 温厚な蓮が、衣装を選んだれんを問い詰めるが、無口に涼しい顔。
 そして錬は荒々しく笑みを浮かべて、アクション重視で激しいダンスを披露する。
「ちょ、ちょっと、見えるっ、見えちゃうからっ!?」
 ハイキックにバック転、スリット深めのチャイナドレスではなかなか危険なダンス。
 慌てて見えないようにフォローに入る蓮だが、そうして激しく動くほど、蓮は蓮で豊かな胸が揺れる事に気づいていない。
 ……そんな彼女たちのダンスを見ながら、智華は改めて自分の胸を見る。
 誰に何を言われた訳でもないが、智華の胸は彼女たちに比べて……。
「黙れ」
 はい。

『いいねー、すごくいいよー、めっちゃいいねー!』
 そんなダンスステージに現れる闖入者……いや、正確には猟兵がステージに攻め込んだ側だがそれはともかく。
 カメラ頭の怪人、アングラーローが、拍手をしながら猟兵達の前に歩み出る。
『ほーら、こっちに視線をちょうだい! ほらポーズちょうだい!』
 無粋なオブリビオンは、カメラのフラッシュを浴びせてくる。それは、ただの光ではない、ポーズを強要する催眠の光。芸術性など気にしない、ただ己が取らせたいポーズだけを強要する、欲望のフラッシュである。
「よっ……と、こういうポーズがお望みかい?」
『おおー、いい、いいねー!』
 そのフラッシュを浴び、次々とポーズを決める多喜。大胆に、派手に、様々なポーズを決めさせられる。
「こんなもんで良いならいくらでも……はちょっと困るけどさっ!」
 だが、その動きをアドリブで取り入れ、ダンスの調和を崩さない。テレパスによって怪人の求めるポーズをを先読みしているのだ。
「ほらっ……こうっ……だろ!」
 元より、身体全体を使ったダイナミックなダンスは、決めポーズを取り入れやすい。ただ、怪人の求めるポーズが大胆と言うか、過激なものな点については、正直かなり恥ずかしい。
「良いっすねー! 私だってバッチリポーズを決めちゃうっすよー!」
 ならばとディコは、怪人に先んじて歩み出る。元気いっぱい、明るい笑顔。注目を集めると、くるり、と華麗なターンを決める。
「イエーイ!」
『ぶほぉっ!?』
 ピースサインと共に放たれた炎の魔法が、怪人を吹き飛ばした。
「どうっすか、この華麗な決めポーズ!」
『華麗と言うか火力と言うか!』
 燃やされてはたまらんと逃れる怪人の前に、華麗なブレイクダンスで立ちふさがるのは楪。
「おっと、俺達のダンスも見ていけよ!」
『ぶぶふぅっ!?』
 派手な回転と共に連続して繰り出される脚技。相手にフラッシュを焚く隙すら与えぬ連続攻撃が、カメラ頭を蹴り飛ばす。
「流石ゆーくんっ、華麗なステップからの連続キックだっ!」
 そんな楪のダンスをさらに盛り立てるように叫びながら、合わせてステップを踏んでいく望。
 彼の方は初心者用の基本的なステップのみだが、楪が派手な動きでそれに合わせる事で、お互いの動きが調和する。
「よしっ、じゃあゆーくん、そろそろバッチリお願い!」
『あばばばばば』
 ステップに合わせて雷を迸らせる望。怪人が痺れた所を逃さず、楪は一気に走り込む。
「良いタイミングだぜ、氷月……喰らえっ!」
『がっ!?』
 跳躍からの、前宙返り。加速と重力を味方につけた踵落としが、怪人の脳天を大きく揺さぶる。
『いてて……』
 たまらず逃げ出す怪人、だがしかしその欲望はいまだ尽きず、ベストアングルを求めてステージを這うように進む。
「式鬼顕現……くみたいそー……」
『むむむ、良い! そこ、良い!』
 そのままスライディングで滑り込んだのは、式神達の上に乗って組体操アピールを見せるれんの下。アンダースコートをバッチリカメラに収めんとする。
「おお?」
「ローアングルは駄目ー!」
 当然チャイナドレスの錬も同様に激写され、それを慌てて制止に入る蓮。分身とはいえ『レン』の身体である以上、際どい姿を見られるのはあまりに恥ずかしい。
「もうっ、もうっ、ほんと、許さないんですから!」
 両手に構えたのはナースに相応しい注射器だ。顔を真っ赤に、狼狽しながら投げつけていく。
『ふははは、そんな攻撃あたらぶべっ』
「何か言ったでありますか?」
 ひらひらかわす怪人の脳天に突き刺さる一発。きっちりポーズを決め、智華が怪人を見下ろす。
「この程度の距離、必中でありますよ」
 着ぐるみに仕込んでいたアサルトライフルを素早く拾い上げ、きっちりポーズを決めての一発、愛銃04MVの照準に、寸分の狂いもなく、敵の急所を狙撃する。
「そうです、もー……このっ!!」
『のぉぉぉぉっっ!?』
 次いで今度こそ、蓮が注射器を『急所』に突き刺した。……この場合の急所は微妙に意味が違うと言うか、男性視聴者が揃って目をそむけると言うか。
 悲鳴を上げ、ゴロンゴロンと転がっていく怪人……その先にいたのは、髪を振り乱した銀花の姿。
「む、来ましたか」
 ダンスの不得手さを補うべく、長く美しい白髪を大胆に振り乱すその姿は、まるで獅子舞のよう。その派手な動きのままに、愛刀を鞘走らせ、一閃する。
『ヒィッ!』
「ダンスは得意ではないですが、斬るのは得意ですからね!」
 髪が翻る度に、刃が振るわれる。剣の舞の斬撃の度に、怪人の身体が、あとついでに服が刻まれる。
『こ、コスプレ怪人が、服を刻まれてはたまらない!』
 這々の体で逃走する怪人。と、そのカメラが吸い寄せられるように上に持ち上がる。
『はっ!』
 揺れる膨らみ、際どいライン、大胆に広げられた脚。それに視線を奪われてしまうのはもはや、アングラーローと言う怪人の本能にして存在意義だ。それゆえに、回避も防御もままならず。
「どうぞ召し、あが――れッ!」
『がふっ!』
 その媚態を見せつけながら脳天に振り下ろされたフランチェスカの斧槍が、カメラ頭を大きく派手に揺さぶる。
『く……だが怪人として……否、男として悔い無し!』
「ええと、その根性は買わなくもありませんが……?」
 あまり自分の色気に自覚なく、首を傾げるフランチェスカ。そしてふらつく怪人の身体に、竜のオーラが絡みつく。
「さて、そろそろ閉幕の時間だ」
『むぅっ……おぉぉっ!?』
 懐中時計を閉じ、男性アイドルらしい笑顔をカメラに向けるユーリ。そのままグイッとオーラの鎖を引っ張り、頭上へ一気に、怪人を放り投げる。
『くっ、や、やめろっ、私はアングラーローだぞ、高く放り投げられたらアングラーハイになってしまう!』
「いや、それはどうでも良いんだが」
 必死に抵抗し、フラッシュを焚く怪人だが、その光はユーリのアイドルオーラに阻まれて届かない。
「そんじゃまあ、派手に決めて欲しいっすよー!」
 怪人めがけて無数の小さな炎を放つディコ。取り囲んで動きを封じる……と言うよりも盛り上げるための演出を決めて。
「これにて……フィナーレだ!」
『おぉぉぉ……もっと……もっとサービスショットが撮りたかったぁぁぁぁぁ!』
 締めはユーリの、炎竜の一撃。怪人の身体がド派手な花火となって、猟兵達のコスプレダンスショーを締めくくる。
「ご視聴、ありがとうございました」
 その花火を背景に、ユーリは紳士的に、深々に一礼した。

 こうしてこのダンスステージは解放され、世界の中心、システム・フラワーズへの道がまた一歩開かれた。
 それ以上に、視聴者を熱狂させ、大いに盛り上げた方が大事であったかもしれないが。
「氷月、写真撮ろーぜ。お前が真面目な格好と顔してんの珍しいし」
「写真? OK、撮ろ撮ろ!」
 グリモアベースへの帰還前に、せっかくだからと楪と望は記念撮影を始めた。2人の姿を写真に収めながら、楪がふと顔を赤くして視線を反らす。
「あー、ところで、その……似合ってる」
 その言葉に、望も少し照れたように顔を赤くし。
「……今度はお揃いにしよっか、なんて」
「ん、それもいいかもな」
 お互いそんな言葉と共に、照れを隠して微笑みを交わすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月08日


挿絵イラスト