バトルオブフラワーズ④~おむすび、縁結び
●痩せの大食い
「システム・フラワーズのメンテナンスルート攻略は、順調に進んでいるみたいね。あ、でも、怪人の方もステージクリアを邪魔しようと一生懸命だから、のんびりしていると、あっという間に逆転されちゃうかもしれないけど……」
そうなる前に、この勢いで進撃を続けるべきだ。たとえ、その先に待っているのが、どんなアホらしいステージであったとしても。そう言って、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)が猟兵達に持って来た、今回のステージの詳細とは……?
「今回、あなた達に向かって欲しいのは、『オオグイフードバトル』が行われているステージよ。このステージでは、ボスの怪人が自分の好きな食べ物を大量に食べることで、とんでもないパワーアップを果たしているわ」
この状態では、まともに戦っても勝ち目はない。だが、食べれば食べるほど強くなるという特殊ルールは猟兵達にも適用されるため、相手よりも多くの食べ物を食べれば、それだけこちらが有利になる。
「あなた達に向かって欲しいエリアのボスは、縁結びの神様を自称する女の子のオブリビオンね。見た目は小柄で痩せてるけど、油断しちゃダメよ。痩せの大食いを絵に描いたみたいに、底なし胃袋持ってるみたいだし……」
ちなみに、そんな彼女の食べているのはおにぎりである。縁結び故に、おむすびが好きということだろうか? まあ、大食いが得意な者が勝負を挑めば、辛うじてドローには持ち込めそうな感じなのだが。
「実は、山積みにされてるおにぎりの具なんだけど、外からじゃ何が入ってるか分からないのよね。中には激辛メニューとかスイーツとか、普通じゃ考えられないものが入ってるかもしれないから、ハズレを引いてペースダウンなんてことにならないよう、気を付けた方がいいわ」
うわぁ、なにそのロシアンルーレット。しかし、条件は敵の怪人も同じ。
上手く自分の好きな食材が入ったおにぎりだけを見切って食べるとか、なんでも好き嫌いせずに食べまくる熱意など、そういったテクニックや根性が必要な戦いになるだろう。
また、怪人の女の子は縁結びの神だけに『ラブラブな雰囲気を連想させる食べ物』や、『燃え上がる恋心を連想させる食べ物』が入ったおにぎりを食べるとペースが上がる。反対に、失恋の味は苦手なので、そこを逆手に取った作戦も有効かもしれない。
「このままだと、キマイラ・フューチャー世界は『システム・フラワーズ』の故障のせいで、冗談抜きで滅んじゃうわ」
システム・フラワーズは、壁を叩けば何でも出てくるという便利システムであり、キマイラ・フューチャー世界の根幹を成すものだ。それを修復するための道のりを確保するためには、周りを守っている6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻す必要がある。
今回の戦いも、その内のひとつ。大食いに自信のある者は、是非とも力を貸してもらいたい。
そう言って、パトリシアは猟兵達を、キマイラ・フューチャー世界へと転送した。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
これは1フラグメントで終了する戦争シナリオです。
このシナリオでは、ボス怪人と大食い対決をした上で、その勝敗に関係なく通常戦闘に入ります。
戦闘時の戦闘力は、大食い対決で食べた量によって大きく変動します。
今回のメニューは、おにぎり。
中身は見ただけでは分かりません。
まともに大食い対決をしても、怪人との戦力差は互角程度までしか持ち込めません。
大食い対決に勝利するには、何でも好き嫌いせずに気合で食べることを証明できるだけの熱意や、おにぎりの具を見切って戦略的に食べるための工夫が必要となります。
第1章 ボス戦
『ムスビ』
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POW : かみさまの縁結び(物理)
【指名札】が命中した対象を爆破し、更に互いを【運命の赤い糸】で繋ぐ。
SPD : 燃え上がる恋の炎(物理)
レベル×1個の【恋】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ : 恋する乙女は無敵(物理)
全身を【リア充モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
イラスト:華月拓
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠カスミ・アナスタシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マユラ・エリアル
おむすびの大食い対決か…
シンプル故になかなか手強そうだな
だが、負けるわけにはいかない
そうおむすび検定に受かる為にはこの程度の試練乗り越えねば
ところでおむすび検定って何だ?
●大食い
ふっふっふ
私は今日食事を完璧に抜いて来た
更に走り込みをしてきてもうお腹と背中がくっつくぞという感じの勢いだ
空腹は最大の調味料
例え中身がゲテモノだろうと、それはそれで美味しく頂ける筈
というより、腹が減って倒れそうだからもう喰っても良いか?
良いよな?じゃあ勝負開始だ
さあ、スタイリッシュに大食いしてやろうじゃないか
●戦闘
大食い対決が終わったら戦闘だ
【氷塊召喚】で周囲の地形を氷で覆って鉤爪による近接戦闘だ
これで終わりだ!
●最強の調味料
マユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)が指定されたエリアへ向かうと、そこに見えたのは山積みにされた大量のおにぎりだった。
一般的な三角形のものから、丸や四角、中には星形やハート形といった、少し変わった形のものもある。だが、どんな形で、中身にどんな具が入っていようと、マユラにとっては関係なかった。
「おむすびの大食い対決か……。シンプル故になかなか手強そうだな。だが、負けるわけにはいかない!」
なぜなら、おむすび検定に合格するためには、この程度の試練など軽く乗り越えねばならないのだから。ちなみに、おむすび検定なるものが本当に存在するのかどうかは、まあ突っ込まない方向で。
「腹が減って倒れそうだからもう喰っても良いか? 良いよな? じゃあ勝負開始だ」
そういうが早いか、マユラは近くにあったおにぎりを適当に掴むと、恐ろしいスピードで食し始めたではないか!
「あぁっ! す、凄いスピード……でも、私だって負けないんだから!」
縁結びの神が、おむすびの大食いで負けてなるものか。妙にズレた意地を張りつつ、ムスビもまた食べるペースを上げて行く。
「ふっふっふ……私は今日食事を完璧に抜いて来た。更に、走り込みをしてきて、もうお腹と背中がくっつくぞという感じの勢いだ」
しかし、それでもマユラは何らペースを落とすことなく、むしろ大きく差を開かせ始めている。これは拙いと思ったのか、ムスビは近くにあった少し大きめのおにぎりを掴むと、一気に噛り付いたのだが。
「……っ! うわぁっ、これ、すっぱ~い!!」
碌に考えもせず、大きさだけで判断したことが災いした。ムスビの食べたおにぎりの中身は、とても酸っぱい梅干しだったのだ。
「うぅ……酸っぱいのは苦手なのに……」
失恋の味にも似た酸っぱい食べ物を口にしたせいで、ムスビのペースが大きく落ちた。が、その一方で、マユラの方は全くペースが衰えない。中身が生クリームだろうと、果ては世界最高峰の悪臭を誇る名伏し難き発酵ニシンであろうと、何ら怯むことなく食べまくる!
とある食通は言った。飯なんてものは、一生懸命働いたり、身体を動かしたりした後が一番美味いのだと。つまり、空腹こそが最大にして最強の調味料。今の彼女を止めることは、もはや何人たりとも不可能だろう。
「ふぅ……さて、十分に食べたし、そろそろ良いよな?」
再びムスビがペースを取り戻す前に、マユラは先手必勝とばかりに戦闘モードへ移行する。ちょっと待ってくれとのコールが掛かったような気もするが、問答無用だ。
「氷よ、全てを凍てつかせろ!」
自身を中心とした全方位に氷塊を放ち、マユラは周囲の全てを凍らせた。当然、彼女の近くにあったおにぎりも凍ってしまい、これではもう、ムスビは食べてパワーアップすることができそうにない。
「うわわ! は、早く別の場所に行って、もっとおむすび食べないと!」
慌てて逃げ出そうとするムスビだったが、もう遅い! おまけに、凍った床で滑ってしまい、逃げることも叶わない。
「痛ぁ~……って、うわぁぁぁっ! こ、こっち来ないでぇぇぇっ!!」
猛烈な速度で追い縋るマユラの姿に、ムスビは性懲りもなく逃げ出そうとした。が、やはり氷で手足が滑ってしまい、前にも後ろにも進むことができず。
「これで終わりだ!」
追い付いたマユラの繰り出す爪の一撃を受けて、ムスビはエリアの片隅に積まれた、おにぎりの山の中へと突っ込んで行った。
大成功
🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
アリス(f12300)と参加
「大食い勝負? ようし、ボクも頑張っちゃうぞ☆」
小さな身体でも気にせずおむすびを頬張るよ♪
一緒に参加したアリスがどんどん食べていくのを見て
「アリス、すごいすごい!」と応援して【鼓舞】するよ♪
ボクももぐもぐ食べながら匂いやおむすびの形状をヒントにおむすびの中身を【見切って】いくよ!
激辛そうなのがあればムスビに押し付けちゃえ♪
大食い勝負の後は……うぅお腹いっぱい。
代わりに【ライオンライド】で呼び出した子ライオンくんに頑張ってもらおうかな!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
アリスドール・トゥエルブ
ひめさま(ティエル:f01244)と参加
「ひめさまの分までがんばります!」
自身も決して大柄とは言えない、むしろ小さい方だけど仕える小さなお姫様の代わりに頑張る!
愛玩用ドールということで味覚機能はあまり優れていないため好き嫌いせずにどんどん食べていく。
姫様の応援を受けて体内の食糧を魔力に変換する機能もフル稼働させて食べまくるのです!
食後の戦闘は……うぷっ、動くと危ないので遠距離から【ウィザード・ミサイル】で攻撃です。
※アドリブ、絡み歓迎です!
●ロシアンおにぎりバトル!?
エリアを埋め尽くすかの如く、山積みにされた大量のおにぎり。身の丈を遥かに超える大量の食糧を前に、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は思わずため息を吐いてしまった。
果たして、身体の小さな自分が、これをどこまで食べられるのだろうか。しかし、ここで諦めてしまっては始まらない。体型に関係なく、こういう戦いで大切なのは気合だったりするものだ。
「大食い勝負? ようし、ボクも頑張っちゃうぞ☆」
やる気は十分。もっとも、さすがにティエルだけに勝負を挑ませるのは酷と思ったのか、彼女の従者であるアリスドール・トゥエルブ(ミレナリィドールの竜騎士・f12300)が、代わりに大食い役を買って出た。
「ひめさまの分までがんばります!」
元より、愛玩用の人形として作られたアリスドールである。味覚など、一部の器官は敢えて鈍く作られている上、どんな食物であっても魔力に変換できるというのは心強い。
「こうなったら、もう自棄です! 行きますよ!」
たとえ、おにぎりの中身が名伏し難い物体であろうと、今のアリスドールを止めることはできないだろう。甘いも辛いも関係なく食べ続ける彼女の姿に、思わずティエルも感動の拍手を送ってしまった。
「アリス、すごいすごい!」
そう言いながら、ティエル自身も可能な限り食べている……が、量を摂取するというよりも、どうやら形と中身の関連性を調べているようだ。
「ハートの形をしているのは、甘い物が入っていることが多いみたいだね。だったら……」
これをムスビに食べさせるのは拙い。反対に、酸っぱい物や辛そうな物が入ったおにぎりを押し付けられれば、相手の妨害もできるはず。
「くっ……こ、こんなことで、負けないんだから! こっちもペースアップだよ!」
見れば、早くもムスビがハート型のおにぎりに手を伸ばしていたが、そこはティエルがさせなかった。
「そぉい!」
相手が手を伸ばした先に置かれていたおにぎりを弾き飛ばす形で、別のおにぎりを放り投げる。弾き出されたハート型のおにぎりに代わり、ムスビが手に取ったのは見るも怪しい髑髏型のおにぎりであり。
「……ッ! ◇●%#〇☆!?」
言葉にならない悲鳴を上げて、ムスビが盛大にひっくり返った。どうやら、激辛な具の入ったおにぎりを、そうとは知らずに食べてしまったようだ。
「よし、今がチャンスだね! アリス、頑張れ~♪」
「は、はい! ここで一気に、引き離しますよ!」
敵が倒れている隙に、主に甘そうな具の入ったおにぎりを狙い、ひたすら食べまくるアリスドール。相手の好物さえ先に奪って食べてしまえば、追い付かれることもないだろうと。
●食べ過ぎ注意?
激辛おにぎりを食べて卒倒したムスビが意識を取り戻すと、ティエルとアリスドールの二人は、既に戦闘準備万端の状態になっていた。
もっとも、二人とも限界を超えて食べまくったせいか、腹が膨れ過ぎて恐ろしく苦しい。下手に動けば、阻喪は確実。妖精の姫と、それに付き従う従者としては、ここでリバース等という大失態を犯したら末代までの大恥だ。
「……うぷっ! 動くと危ないので……遠距離から攻撃します……」
下手に走ったり跳ねたりするのは拙いと察し、アリスドールは炎の矢を使って遠距離からムスビを狙撃し始めた。が、戦い慣れしていないのが災いしてか、フードバトルで勝ったアドバンテージを用いても、なかなか全てを命中させられない。
「そっちが炎なら、こっちも炎よ! 燃え上がる恋のパワー、思い知らせてあげる!」
アリスドールの放つ炎の矢に対抗し、ムスビもまた炎を飛ばして応戦して来た。
空中で激突する炎と炎。互いに決め手を欠く千日戦争状態。いや、飛ばせる炎はムスビの方が多い分、このままではアリスドールの方が押し負けそうだ。
「うぅ……助けに行きたいのに、お腹いっぱいで動けない……」
慌てて助けに行こうとするティエルだったが、食べ過ぎによって、満足に飛ぶこともできない状況。ならば、ここは任せたとばかりに子ライオンを呼び出して、自分はその背中に跨ったのだが。
「……あれ? どうしたの、ライオン君?」
心なしか、子ライオンが重たそうにしていたのは気のせいだろうか? まあ、それでも生命力を共有している以上、フードバトルで得た戦闘力もまた、しっかり共有させているはずだ。
「アリスを助けるよ。行っけ~!」
炎を飛ばしているムスビの後ろから、子ライオンと共に圧し掛かるティエル。いきなり背中に抱き着かれたことで、ムスビはバランスを崩して転倒し。
「うきゅっ!? ……お、重い……」
哀れ、起き上がることもできないまま、おにぎりの海に沈んでしまった。
「今だよ、アリス!」
「は、はい!」
このチャンスは絶対に逃さない。ここぞとばかりに殺到するアリスの火矢が、次々にムスビの身体を射抜いて行く。
あの時に、激辛おにぎりを食べていなければ、こんなことにはならなかったはずなのに。そんな後悔の念を抱きつつ、気が付けばムスビは全身を火矢で貫かれ、真っ黒焦げの煤まみれになっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラウル・シトロン
おにぎりを大食いすればいいんだね。頑張るよ。
おにぎりは本気でヤバそうだと思ったのだけは野生の勘で避けて、どんどん食べていこうと思う。
スイーツ系は、あんこやきな粉とかだったらうるち米でおはぎを作る場合もあることを考えれば全然いけるし、
生クリーム系でも米粉ケーキが世の中にはあるから、合わないこともないんじゃないかな。
多分大丈夫だよ。どんどん食べていこう。
激辛の具は激痛耐性と火炎耐性があるし、辛いの好きなんだよね。
他に得体の知れない具に当たったら、おにぎりや具の食材を作った人と具になった生き物のことを考えながら、勿体ない精神と気合いで食べ進めていこう。
戦闘になったら【ウィザード・ミサイル】を使うよ。
●好き嫌いはいけません!
フードバトルに負け続け、ムスビはもはや限界だった。
このまま戦えば、本当に敗北してしまう。だが、彼女とて怪人としての、そして縁結びの神を自称する者としての意地がある。
「うぅ……ま、まだまだ……。勝負は……これから……」
満身創痍になりつつも、新しいおにぎりに手を伸ばす。今度はヤバそうな形のものは避けつつ、できれば甘いものを食べたいと願いながら。しかし……。
「おにぎりを大食いすればいいんだね。頑張るよ」
そんな彼女の前に現れたのは、ラウル・シトロン(人狼の駆け出し探索者・f07543)。一見、大食いそうには見えない少年だったが、人は見かけによらないものだ。
「……う、嘘……」
必死におにぎりを食べるムスビを差し置いて、ラウルはかなりのハイペースで食べまくる。しかも、野生の直感を上手く活かすことで、本能的に危険なおにぎりを避けている。
見た目で判断しつつも地雷を引く可能性が残っているムスビと、危険なおにぎりを勅勘だけで避けられるラウルでは、食べるスピードの差は明白であった。さすがに、これ以上の負けは拙いと思ったのか、とうとうムスビはその辺にあるおにぎりを、見境なく口の放り込み始めたが。
「……っ! 苦ぁぁぁいっ!!」
やはり、闇雲に食べるのは危険が大き過ぎたのか、今度は恐ろしく苦い物体が入ったおにぎりを引き当ててしまった。
「うぅ……な、なんで、私ばっかりこんな目に……」
先程から、変なおにぎりばかり食べさせられて、ムスビの身体はボロボロだ。しかし、それに同情してやれる要素は微塵もなく、むしろ偏食気味なムスビの食べ方は、ラウルにとっては許し難いものだった。
「食べ物っていうのはね……自然の与えてくれる最初で最高の恵みなんだよ。辛いのも、苦いのも、文句を言わずに感謝して食べなきゃ失礼なんだ」
大食いバトルを挑むのであれば、せめて好き嫌いをなくしてからにしろ。偏食こそが、最大の敗因。それだけ言って、ラウルはムスビに火矢を放つ。
「えぇっ! ま、またそれなの……って、熱っ! ちょっ……や、やめてぇぇぇっ!!」
再び降り注ぐ炎の矢。しかも、その数は先程の戦いとは比べ物にならないほど多く、さすがにムスビも捌き切れない。
「あぁ……そんな……。縁結びの神様の私が……おむすび勝負で負けるなんて……」
全身から煙を上げながら、燃え尽きたムスビが骸の海へと還って行く。この瞬間、フードバトルファイトの勝利者は、猟兵達に決定した。
大成功
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