バトルオブフラワーズ⑧〜飛び散る黒は努力の証?〜
「皆さん、次のステージにご案内いたします」
理論は不明だが、中心から綺麗に真っ二つに割れたキマイラフューチャーの全景をバッグにルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)は猟兵達に説明を始めた。
「まだ状況を把握してない方に説明致しますと、キマイラフューチャーに開いたこの隙間から『システム・フラワーズ』と呼ばれるコンコンシステムの中枢部に行けるようになったらしいのですが……肝心のシステム・フラワーズはオブリビオン・フォーミュラの『ドン・フリーラム』に支配され、突入するための通路である『ザ・ステージ』も配下のオブリビオンに乗っ取られている状況です。今回はその中の『ザ・ペイントステージ』の攻略をお願いいたします」
基本はシンプル。どちらかが全滅すれば勝ち。しかしそれで問屋がおろさないのがキマイラフューチャーである。
ザ・ペイントステージには特殊な結界が張られており、『ヌリツブシバトル』という特殊戦闘ルールが適用される。
オブリビオンが1体だけしか出現しない代わりにハンデとしてステージの壁や床は「闇のような黒色」に塗り固められており、猟兵は「ある条件」を満たさないとオブリビオンに直接ダメージを与える事が出来ない。
その条件とは、ユーベルコード或いは武器で壁や床を攻撃して、自分の周囲を別の色で塗りつぶす事。
一定以上の範囲を塗りつぶす事で攻撃ゲージが貯まり、それを消費することでオブリビオンに一度だけ攻撃を通す事が可能になる。
なおこの攻撃ゲージを使って壁や床を殴ると通常よりも遥かに広い範囲を塗り潰すことが出来るそうだ。
「なんでせっかく貯めた攻撃ゲージを床や壁に使うのか、という点ですが……マップの3分の2以上を塗り変えた瞬間に、『ノックアウトモード』という物が発令されるそうです。これが発令されるとゲージ関係なしに攻撃が出来るようになるので、一気にこちら側が有利になります」
ただ相手もそれは分かっているので窮地に気づいたら急いで塗り返してくるだろう。
一定範囲を塗りつぶしては敵へ攻撃するヒットアンドアウェイ方式で攻めるか、気づかれない間に3分の2以上を塗りつぶしてノックアウトモードを目指すかは猟兵達の自由だ。
「それでは皆様を転送いたします。……ご武運を!」
平岡祐樹
ローラーコロコロマンメンミ、平岡です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。戦争用の、1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
相手はペイントボールを器用に打って、近距離遠距離関係なく広範囲を塗り潰してくる模様です。
今回の案件ではヒットアンドアウェイか、ノックアウト狙いかをプレイングに書いていただくとものすごくありがたかったりします。
第1章 ボス戦
『安西九郎・来伝・ペディア』
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POW : これぞ明代の武将、天仁須(てにす)の爆炎投法よ!
【テニスラケット】から【球状の爆弾】を放ち、【着弾時の爆発】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : これぞ宋の侠客、春空琉(はる・くうる)の斬撃走法
自身に【謎の魔力】をまとい、高速移動と【移動の際の衝撃派】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : あれは○○闘法!知っている(つもりな)のか来伝!
対象のユーベルコードを防御すると、それを【亜行参紗行伍のページに写し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:笹本ユーリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠水貝・雁之助」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マーリス・シェルスカナ
真っ二つにアースが割れたと思ったら、各地でゲームなBattleデスか。キマイラって、何時もこんな感じなのですカ?こういうのは後で研究するネ、マズは目の前の事から片付けるヨ!
(方針)
此処は色塗りつぶしの『ノックアウトモード』狙いするヨ
Meは『アステロイドスプラッシュ・プログラム』で攻撃ネ
…e、オブリビオン狙い?No、狙うのは『自分を中心に発動』ネ
流石のオブリビオンも、色塗りつぶしの為に自分を中心にしてUbelCodeを発動するなんて考えないデショ?その意表を突いての範囲攻撃ネ
ベルカ・スノードロップ
【ノックアウト狙い】
さてと
UCを発動して戦闘準備
KO狙いで近づければ【零距離射撃】も活用
塗りつぶしには【クイックドロウ】です
quick-draw
drawって引き金を引く以外に「描画する」「汲み上げる」の意味があります
今回のバトルにはもってこいですね?
『ノックアウトモード』では【追跡】しつつ【誘導弾】(ホーミング)と【スナイパー】でKO狙い
それまでは、純白にフィールドを染め上げていきましょう
味方との連携は【情報収集】【コミュ力】で密に行います
「こんな事態でなければ、可愛がるのも吝かではないですが」
『痛い目に遭わさない』なんて悠長な事は言ってられません
事態が事態
「今日は、慈悲は無いです」
トドメです
「真っ二つにアースが割れたと思ったら、各地でゲームなBattleデスか。キマイラって、何時もこんな感じなのですカ?」
「そう、ここは何でもありの大舞台! だからこそあたしはこの『亜行参紗行伍』に書かれた闘技を全世界に広めるのだ!」
マーリス・シェルスカナ(宇宙飛ぶマーリンレディ・f15757)が真っ黒に染まった市街地を見渡していると、後ろからいつのまにかやって来ていた安西九郎・来伝・ペディアがテニスラケットを構えて声を上げた。
「こういうのは後で研究するネ、マズは目の前の事から片付けるヨ!」
「おう、かかってこい!」
回答を予想外の相手からいただいたマーリスはペディアに対抗して杖を掲げると大声で叫んだ。
『近づいたラ危険ですヨ?Meteoriteにご注意デス!』
マーリスに向け3Dの映像技術で作られた隕石が次々と墜落してくる。
これは相手が色を塗りつぶす為に自分を中心にしてユーベルコードを発動するなんて考えないだろう、と意表を突いたマーリスの作戦であった。
しかしペディアは一切動揺することなく、黒いボールを地面に何度か跳ねさせてから宙に放り投げた。
『これぞ明代の武将、天仁須の爆炎投法よ!』
それを思いっきりテニスラケットで空に向かって打つと、隕石のうちの一つが撃ち落とされる。
それを皮切りにペディアは次々にボールを打ち上げては放ち、落ちてくる隕石をボールと相殺した。
「OH……」
「お姉さん、危なかったね! いくらなんでも自分ごと塗り潰すのは危ないと思うよー。お姉さんがどの色のペンキでびしょ濡れになろうがなかろうがあたしには関係ないけど、さ!」
最後の隕石が爆散し、内包されていた白のペンキと黒いペンキが混ざりながら落ちてくる光景に、思わず感嘆と落胆の声を上げたマーリスに黒いボールが直撃した。
「はい、ワンゲーム先取! 大丈夫だよ、洗えばちゃんと落ちるから!」
ペディアはラケットで新しいボールをドリブルしつつ勝ち誇る笑みを浮かべた。
「でも、もしやるとしたら不意打ちかつ、もっと落ちるまでの距離を詰めるべきだったね。……私はどこだって撃ち抜くことが出来るから!」
そしてドリブルしていたボールを思いっきり叩きつけて宙に浮かすと、まるでホームランを放つバッターのようにラケットを大振りしてボールをどこか遠くへと放った。
「さてと」
その頃、ベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)は自分の得物の弾倉が満タンになっていることを確認すると、早速黒く色づいた市街地に向かって真っ白なペイントボールを放ち始めた。
「塗りつぶしにはクイックドロウです。『quick-draw』の『draw』って引き金を引く以外に『描画する』『汲み上げる』の意味がありますから、今回のバトルにはもってこいですね?」
耳につけた通信機越しに誰かに話しかけていたベルカは、急いで振り返る。
そして素早く弾を撃つと、背後から大量に飛んできていた黒いボールが爆散し、そこから飛び散ったペンキがベルカやその周囲にあった白くしたばかりの壁や床を黒に染めた。
しかし近くにボールを撃ってきたはずのペディアの姿は見えない。
「たしか他の方が、空から降らせた隕石で興味をひかせていたはずでしたよね……。つまりその場所からここまで打ってきた……ということでしょうか?」
口に入ってしまった黒いペンキを吐いて口を拭うベルカの脳裏に今回の対戦相手であるペディアの姿がよぎる。
見た目こそ無垢そうで小柄で笑顔の眩しいキマイラの女性であったが、割とえげつない遠距離攻撃を放ってきたことにベルカは思わず顔をしかめた。
「こんな事態でなければ、可愛がるのも吝かではないですが……『痛い目に遭わさない』なんて悠長な事は言ってられませんね」
ベルカは飛んできたボールの方向と通信相手からの情報を元に、邪魔されない位置への移動をペイントボールを撒き散らしながら始めた。
しかし通り過ぎた瞬間に塗ったばかりの床に黒いボールが着弾してしまい、元通りになってしまう。
「……やっぱり攻撃無制限になるだけの難易度ではありますね!」
まるで賽の河原での石塔作りのような行程に、壁に隠れたベルカはうんざりしながら弾倉を入れ替えた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
一一・一一
隠密せずに狙撃する。目立たないように行動する。両方しないといけないのが狙撃手のつらいところ
ヒットアンドアウェイ戦法で相手の嫌がらせを行う
まずバッグワームをかぶって「目立たない」ように攻撃ゲージを貯める
貯めたあとは【スナイパーズプライド】使用して「第六感」と「視力」を強化、バッグワーム外して敵を補足し相手がペイントボールを投げようとしたタイミングで姿を晒して【Q・T・S】でペイントボールと相手を狙撃、相手の攻撃の邪魔と攻撃を行う
その後は相手が追いかけてくるから「罠使い」によるスパイダーを使用して相手をこかしたりして嫌がらする
ノックアウトモード時も同様にQ・T・Sで攻撃しつつおちょくる
「隠密せずに狙撃する。目立たないように行動する。両方しないといけないのが狙撃手のつらいところっすよね……」
耳に当てた通信機からベルカの怒り混じりの呟きを聞きながらため息をつく一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)はバッグワームを被りつつ、近くに来ないと見えないであろう建物の影をアサルトライフルを使ってコツコツ塗り潰していた。
「あっ、こんな所が塗り潰されてる」
ステージの下部分を巡回してもらっている友人からペディアの現在いる場所の情報が送られてきた。割と近くにいるらしく、通信機無しでもその声が聞こえてくる。
「これは……遠くからスナイプでもしたのかな?」
「んー、やっぱりあの程度じゃやり方がバレるっすか。攻撃? 攻撃は……そうっすね、もしよければ囮をお願いしたいっす」
そう応答すると友人はペディアも一一も肉眼では確認出来ない所へワープし、手榴弾の安全ピンを抜くと一気に何個も転がした。
「なんだなんだー!?」
直後響いたとんでもない爆発音を聞きつけ、ペディアが猛ダッシュで一一の隠れる建物の前を走っていく。
『……ってうわ、すごい塗り返されてる!』
爆発痕に悲鳴をあげたペディアはラケットを握り直すとズボンのポケットから黒いボールを取り出した。
『全く、一対多って大変ね! でもこれを乗り越えなければ私の野望も叶えられない!』
『かくし芸にもならないっすけどね……僕の狙撃の技術、見せてあげるっす』
友人の持つ通信機越しの声に振り向いたペディアの顔面と手元を赤いペイントボールが直撃する。
突然の襲撃に、無事だった袖で顔を拭ったペディアはすぐに建物から飛び降りた一一の姿を見つけた。
「あいつか、犯人は!」
ペディアはすぐに気持ちを切り替えて、空の人である一一に向けて黒いボールをいくつも放つ。
しかし【スナイパーズプライド】を使用して「第六感」と「視力」を強化した上に、空中での射撃はお手の物な一一の前に簡単に撃ち落とされてしまった。
「くそぅ、あいつ! 次に見つけたらまっくろくろすけにしてやるー!」
大声で悔しがるペディアの後ろ姿を見つつ、友人は自分の存在がバレないように通信機の音量を下げた。
成功
🔵🔵🔴
セルマ・エンフィールド
【塗りつぶし色・水色】【ノックアウトモード狙い】
この敵、適当なことを言っているだけなのでは……?
春空琉なる人物の実在は知りませんが、移動しなければ衝撃波は発生しない、と。
ならば【アイスリンク・バレット】を敵の足元に発射、凍結させ摩擦を極限まで減らせば高速移動なんてできないでしょう。
その隙にマスケット2丁、デリンジャー4丁を持ち替え次々とあたりを塗り替えます。
敵がペイントボールを打ち出して来たら、軌道を見切り、着弾前にこちらの持つ銃でペイントボールを撃ち落とします。狙いはこちらが塗りつぶしたところと分かっていますし、やれないことはありません。
まだ序盤、本格的な戦いは後続に任せます。
ペディアが自分の技の発案者だと語る春空琉も天仁須もセルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)が知る歴史には登場しない人物である。
そのためセルマの中では「適当なことを言っているだけなのでは……?」という疑念が生まれ始めていた。
「どこだ、あの青フードー!!」
そのため激おこプンプン丸なペディアが衝撃波を撒き散らしながら走る姿を、セルマは冷めた目で見ていた。
「春空琉なる人物の実在は知りませんが、移動しなければ衝撃波は発生しない、と」
動きを見切ったセルマは銃を構えるとペディアの進行方向に向けた。
『直接当てるだけが能ではありませんよ』
銃口から放たれたペイントボールは、ペディアの目の前にある床に着弾すると水色のペンキを撒き散らす。
「おっと危なあああああっ!?」
そしてその床を踏んだ瞬間、ペディアはものすごい勢いで転んで滑っていった。
「凍結させ摩擦を極限まで減らせば高速移動なんてできないでしょう」
そう言ってセルマはペディアの周りにある床を次々に水色のインクで濡らしていく。
つるつる滑る床では体勢を整えることができず、立てる場所を黒いボールを放ってもすぐに塗り返され、涙目になり始めていた。
「ううっ……誰か助けてぇ……」
弾切れを起こしてもセルマの手にはマスケット銃が2丁、デリンジャーが4丁かり、すぐに持ち替えて自由にさせる隙を与えない。
「狙いはこちらが塗りつぶしたところと分かっていますし、やれないことはありません」
本格的な争いは仲間たちに任せるつもりで、セルマは容赦なく徹底的にペディアへの邪魔を行う。
そうしているとステージのあちこちにあったスピーカーから機械音声が流れてきた。
「ステージ上のオブリビオン塗料が3分の1を切りました。これよりノックアウトモードに移行します」
最後の銃が引き金を引いても弾を出さなくなった所で、セルマは息を吐いた。
「仕事は成し遂げました、あとはお任せしますよ」
そう言い捨てて、セルマは背を向けてその場から去っていった。
大成功
🔵🔵🔵
クララ・リンドヴァル
優勢……でしょうか。でも、押し返されてもおかしくないですし、
何とか勝利に近づけたいところですね。
色:薄紫
塗りつぶし中心。味方のサポートを行います。
リザレクト・オブリビオン発動。召喚した2体をマップの別方向に差し向け、出来るだけ離れた場所でこっそり塗りに専念してもらいます。攻撃ゲージは全て塗りにつぎ込みます。
もし敵に遭遇したら構わず逃げてください。また別の場所から敵陣を塗り返していけばOKです。
自分は……隠れていても見つかったら怖いですね。召喚した片方にくっついて動きます。敵に遭遇したら被弾しないように守ってもらいながら一緒に後退します。
「まっずいな……早く塗り返さなきゃ」
セルマがいなくなり、立てる場所の確保に成功したペディアの顔には焦りの色が出ていた。
先程告知された「ノックアウトモード」によりペディアを守っていた特殊なオーラは常に剥がされた状態になってしまっている。
取り戻すには自分で変えられた場所を塗り返して3分の2以上を取り返す必要があり、傷口が大きく広がらないうちに作業に戻る必要があった。
「とりあえず、この滑る床を何とかしなきゃ……」
その頃、クララ・リンドヴァル(本の魔女・f17817)はこっそり死霊蛇竜の影に隠れながら床を薄紫色に塗っていた。
「今の告知、優勢……ということでしょうか。でも、押し返されてもおかしくないですし、何とか勝利に近づけたいところですね」
ノックアウトモードになったから、と言って床を塗る必要がなくなるわけではない。猟兵が塗り替えした量が多ければ多いほどペディアの作業量は増え、ノックアウトモードが解除されにくくなるという面ではクララのように塗りを徹底的に行う役割を担う人というのはまだまだ必要だった。
攻撃ゲージが溜まり、ロッドを思いっきり床に叩きつけると杖の先を中心に薄紫色のペンキが一気にばら撒かれていく。
そんなクララの頭上に大量の黒いボールの雨が音も無く押し寄せてきた。
「うわっ、見つかっちゃいました!?」
足元に突然複数の影が出来たことにより慌てて空を見上げたクララが被弾しないように死霊蛇竜が空を飛び、黒いボールを一身に受ける。
その間にもクララはペディアの姿を見つけようと辺りを見回すが、その姿はどこにも見えない。
「攻撃ゲージの消費音を聞いてボールを飛ばしてきたんでしょうか……」
せっかくの攻撃ゲージを消費した塗りも大量の黒いボールの雨あられにより元通りの黒い床に戻ってしまっている。
しかしなおも黒いボールが降ってくるのはこの付近に猟兵がまだ残っている、とペディアが踏んでいるからだろう。
「とりあえずここに居続けるのは怖いですね……」
クララはフードを深く被り直すと死霊蛇竜を連れて、黒いボールが落ちるこの場所から後退していった。
苦戦
🔵🔴🔴
月夜・玲
塗りつぶしバトルか
ちょっと服が汚れちゃいそうだから嫌な感じだね
とはいえ折角皆が塗りつぶしてくれてるんだし、きちんとチャンスは利用しないとね
さあ、嘘流派もここでお終いだよ
【ノックアウトモード狙い】
折角皆が頑張ってくれたんだからね、ここで一気に決めちゃおう
●攻撃
相手もこっちのノックアウトモードを解除しようと動いてくるだろうから、解除される前に連続攻撃だね
ゲージ関係なし、フィニッシュに向けて一気に攻撃
【高速演算】を使用
敵が見える長距離から、斬撃による衝撃波で攻撃しちゃうよ
無制限だもん、倒れるまで攻撃!
敵がペイントボールを投げていたら、そのボールに対しても衝撃波をお見舞い!
そう簡単に解除はさせないよ?
「折角皆が頑張ってくれたんだからね、ここで一気に決めちゃおう」
ノックアウトモードの宣告を聞いた月夜・玲(頂の探究者・f01605)は気合を入れ直す。
服が汚れてしまうのは嫌だが、キマイラフューチャーの未来と比べれば軽い物である。
「さあ、嘘流派もここでお終いだよ」
自分の近くの床を塗り替えし終わり、どこか遠くへと黒いボールを打ち上げてながら進んでいるペディアを上から見下ろしていた玲はガジェットを起動させた。
『I.S.T起動。サポートモード、敵行動予測開始。』
「そう簡単に解除はさせないよ?」
空を舞っていた黒いボールが爆発四散する。
その音にペディアは反射的に顔を上げたが、何が起きたのかまでは分からずず、自分自身が標的になってもなお理解出来ていなかった。
「うわ、痛い痛い痛い! 何これ!?」
目に見えない衝撃波にペディアは自分の体を抱えながら逃げ惑う。
「無制限だもん、倒れるまで攻撃!」
ノックアウトモードであることをいいことに、玲は容赦なく衝撃波を放ち続ける。
ペディアは遠方に見える玲の姿に気づいたものの、今の状況のままでは黒いボールを玲に向けて打っても何かしらの行為で無効化されてしまうことを察しており、テニスラケットを口惜しげに見下ろしていた。
「くぅぅ……とにかく、ここから逃げないと!」
ペディアの身を魔力が包み込む。そしてその場から逃げるために走り出すと魔力の層から衝撃波が生まれ、玲の放つ衝撃波と相殺した。
「ちっ、このまま一気に決めたかったが……また探さなくては」
そしてその勢いのままI.S.Tの範囲外に飛び出していったペディアを見失った玲は舌打ちをすると、再びペディアを見つけるべく高台から降りて行く。
「はぁ、はぁ、さすがは宋の侠客、春空琉の斬撃走法かな?」
対して玲の姿が見えなくなったところでペディアは大きく息を吐き、その場で崩れ落ちた。
成功
🔵🔵🔴
マーリス・シェルスカナ
Oh!ノックアウトモードネ、ナラさっき真っ黒にやられた分を返すですヨ!
(黒の中でぐったりしてた宇宙魔女、ノックアウトモードになったという音声を聞いた途端に元気になりだして)
(方針)
前回の失敗と今の状況から、『学習力』と『情報収集』で分析して
彼女の『死角』を見つけてやるネ。
その上で、隕石は数出せなくて撃ち落されるカラ、今度は『エレクトロレギオン』を展開するネ。
大丈夫ですヨ、隕石よりは簡単に倒せマス。…タダシ隕石よりは数多いし、正面じゃなくてユーの四方八方から狙いますケド。
「Oh!ノックアウトモードネ、ナラさっき真っ黒にやられた分を返すですヨ!」
黒いペンキまみれになってぐったりしてたマーリスはノックアウトモードになったという音声を聞いた途端に元気になりだした。
前回の失敗から学習し、今の状況と他の猟兵達から情報を収集し、分析することでペディアの行動パターンを推測する。
玲がいた高台から隠れられ、近くに猟兵の姿がなく、障害物が周りに少なくて黒いボールを飛ばしやすい場所。
そこから導き出された場所に急いで向かうと地べたに座り込んだペディアの姿があった
「いましたネ!」
「うわ、さっきのお姉さん。さっきボコボコにしたじゃん勘弁してよ……」
「うるさいデス! 目ニハ目ヲ歯ニハ歯ヲ、やられたらやり返す倍返しデス!」
微妙に使い方が間違っているような気がするが逃す気がさらさらないことは理解できる。
ペディアは立ち上がるとテニスラケットを両手で構えた。
「……じゃあ、もうやり返す気が起きなくなるくらいに真っ黒に染め上げてあげるよ。覚悟しろ!」
「それはこっちのセリフデース! カモン『エレクトロレギオン』!」
マーリスの号令を受けて大量の戦闘用ユニットがいたるところから飛んできてペディアを包囲する。
「大丈夫ですヨ、隕石よりは簡単に倒せマス。……タダシ隕石よりは数多いし、正面じゃなくてユーの四方八方から狙いますケド」
「なめないでよ、お姉さん! この亜行参紗行伍は見た技を書き写すことで自分の物にすることが出来るのだ!」
ペディアが懐から出した紐で括られた冊子に高速で文字を書く。
するとペディアを守るように色違いの兵器が現れた。
勝ち誇った顔を浮かべているペディアにユニット達が襲いかかる。
ユニットは最初こそペディアが呼び出した兵器と相打ちになっていたが、徐々に一体ごとに倒す量が増えていく。
目に見えて劣勢なった所で、ならば自分も参加するまで、とペディアはがむしゃらにテニスラケットを振り回して応戦してきたが四方八方から飛んでくる、脆くはあるが弱くないユニット達の前に疲弊していく。
「これで、チェックメイトデス!」
ユニットの攻撃によってテニスラケットが宙を舞う。丸腰になってしまったペディアにもユニットが突撃し、大爆発を起こしてペディアの体も宙を舞った。
ペディアの体は地面に叩きつけられる前に消滅し、ステージに塗られていたペンキが一気に消えていく。
苦戦はしたものの、なんとか勝利できたことにマーリスは満足そうに胸を張った。
成功
🔵🔵🔴