バトルオブフラワーズ⑥〜技で魅せろ!魂で沸かせ!~
●魅せてやれ!
「さて、細かい説明は敢えて省くがお主ら。キマイラフューチャーでの戦争じゃ」
ざっくりとアイリ・ガング―ルは宣言した。
「で、攻略していくにあたって、ザ・ダンスステージをキリという怪人が占拠しておる。それを排除して欲しい」
そうしなければ次の攻略先に進めない、との事だった。
ただし、ピッとアイリは指を一つ立て、君たちに忠告をする。
「ただ一つ注意してくれ。このステージはちょいと特殊じゃ。戦闘中はの、お主たちが助け出したテレビウムによって戦闘風景が生中継されておる。そして、キマイラフューチャー中に生放送されているその場所で、『ダンスによって視聴者を沸かせることが出来た』なら、『フィーバー』が発生するのじゃな。そうするとユーベルコードが強化されるらしい」
逆にフィーバーを発生させていない通常のユーベルコードは弱体化するとの事だった。
理屈は分からないがとりあえずそういう事らしい。
「そしてこれは当然、キリ側にも同じことが言える。相手はキレのあるダンスで視聴者を沸かせてくるじゃろうから、こちらも視聴者を沸かせないと、勝つのは厳しいぞ?」
「……ム?『自分ダンスとか踊ったことないし、下手だし』と思った者もおるな?そりゃ仕方がないじゃろう。技を持たぬものもおるじゃろうて。ならば一生懸命に踊るだけ踊ってみせい。よいか?今日はキマイラフューチャーの者共にとって存亡をかけた戦争ではあるが、どうやら雰囲気からしてハレの日と思っておる者たちもおる。つまりは祭りじゃ。中継を見て湧いてる者たちにとっては少なくともそういう訳よ」
いやはや、戦争を祭りに思うとは。そういう所こそこの世界の強さかもしれんの?とアイリは婆と書かれた鉄扇を仰ぎながら笑う。
「つまり、祭りで皆に見られる場所に立つだけで満点。そっからいかに下手に踊ろうが、いや、下手であっても一生懸命に踊るからこそ、『視聴者』は沸くだろうよ」
つまり大事なのは全力で踊って心意気を見せるらしい。もちろん上手い者はその実力を存分に発揮して視聴者を沸かせばよいぞ?との事だった。
「そういう訳で」
つまりじゃ、一言置いて、
「技(てく)で魅せよ。技(てく)がないなら魂(そうる)で沸かせ!という事じゃ。お主ら、頼んだぞ」
みども
ダンスしながら戦うシナリオです。通常の戦闘よりもダンスに重きを置いた感じになると思いますのでよろしくお願いします。そういう訳で下記のようにプレイングの記載お願いします。
1、ダンスプレイング。
【どのような曲で】【どのようなダンスを】【うまくor下手に踊るか】。
上手い場合はどういう感じに踊るかも記載していただけるとありがたいです。
下手な場合はどれだけ必死に踊ってるか記載していただけるとありがたいです。心情メインでも可。または視聴者に語り掛けてパフォーマンスしながら踊るのもありかもしれませんね。
2、戦闘プレイング。
通常通りお書きください。とはいえ描写自体はダンスをしながら攻撃する形になるわけで、それにそったプレイングだとありがたいです。そうでない場合でもダンスしながらの描写になると思いますのでよろしくお願いします。
1の部分が記載されていると、【ユーベルコードが強化】されますので記載お願いします。ないと弱体化するのであしからず。
以上となります。皆さまの魂、楽しみにしております。
第1章 ボス戦
『キリ』
|
POW : 縁切断(物理)
【手刀】が命中した対象を切断する。
SPD : 縁消去(物理)
【何らかプラス】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【狛犬のような自動砲台】から、高命中力の【その感情を抱いた時の記憶を消す光線】を飛ばす。
WIZ : ただの八つ当たり
【なんかムカついた】から【強烈なビンタ】を放ち、【あまりの理不尽さからくる動揺】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:華月拓
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠カスミ・アナスタシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
―――アップテンポの曲が流れていた。
「はん!どうした!?ボク一人だけ踊らせていていいのかい!?」
ドラムがリズムを刻み、曲が流れを作っていく。その曲の流れをキレのある動きで泳いでいくのは、キリだ。
キマイラフューチャー中に放送されている中で、髪を振り乱しながら楽し気にダンスを踊っている。
「す・・・すげぇ。キレがやばい・・・・・・」
画面越しに誰かが言った。そう、キリのダンスはキレが凄かった。例えばそれはリズムの取り方であったり、曲が転調する直前にキメる場所でのキマり方。
何より指先をそろえて切り裂くように振るう所作が、ダンスの全体の雰囲気を整えていた。
流れるように踊りその技術でもって感嘆させ、沸かせるようなダンスとは違い、要所要所のインパクトで魅せるタイプのダンスだった。そうであるからこそ、アップテンポの曲が似合う。つまりは、かっこいいダンス。
「はっはっはっ!!流石ボク!カミサマはダンスだって得意なんだよ!」
視聴者の興奮に囲まれ、キリは確実に調子に乗っている。
さぁ、猟兵達、魅せてやろう。
天御鏡・百々
【和風の曲で神楽舞を上手に踊る】
ダンス・・・・・・舞もその一種であろうか?
「巫覡載霊の舞」を使用して光を纏い
舞いながら戦うとしようか
和風の舞踊は趣が異なるが、
そうであるからこそ新鮮に見え、視聴者への覚えもよくなることを期待しよう
後光を光らせつつ
和風の華やかな装束をはためかせ
神楽の舞の華麗な動きにて
真朱神楽(武器:薙刀)で敵の防御の隙間を狙ってなぎ払ってゆくぞ
(なぎ払い20、鎧無視攻撃5)
敵のビンタは神通力による障壁で防御するとしよう(オーラ防御51)
●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、連携歓迎
「はん!これはボクの独壇場だね!」
それは、ちょうどキリが一曲終えたタイミング。今まで流れていた音楽が止み、小休止といった所。誰も現れないそのステージの上で、キリはただ勝ち誇っていた。
そして、ステージに備えられたスピーカーからキリの知らない新たな曲が流れ始める。
「・・・・・・ん?」
今までのアップテンポの曲とは全く違う曲調だ。笛の音。太鼓の音。和の音が流れ始める。その曲に合わせて、燐光を纏った少女、天御鏡・百々がステージへと躍り出た。
(舞もまた・・・・・・ダンスの一種であろうか)
天女の如き羽織を纏い、薙刀を手に少女は舞う。
舞うは神楽。神々を慰め楽しませるための舞。その流麗かつ大きな動きは、先ほど踊っていたキリのような激しさやかっこよさは無いが、その分優雅さと美しさに溢れていた。
「ヒーローだ、ヒーローが来た」
初めは訝し気だった視聴者達も、段々と状況を理解していく。
「く・・・・・・クソッ!」
キリもまた、現れなかった猟兵達に調子に乗っていた事で対応がワンテンポ遅れた。
これがキリの知るようなアップテンポの曲ならすぐに対処も出来ただろう。けれど流れてきたのは雅な和の音楽だ。
焦るように自分もスピーカーから音楽を流し、ダンスを始める。その鋭さに、視聴者たちのテンションもまた上がって行く。
しかし、
「キリのダンスもよかったけど、なんていうか、ヒーローのダンス、綺麗だ……」
着実に百々の踊りは、画面越しの人々を魅せていた。
「……むかつく」
理不尽な怒りがキリの心の裡を満たしていく。そもそもこのステージはボク1人だけいればいい。挑戦者なんて必要ない。だからこそ、
「どっかいけよ!」
ダンスのさなか、丁度動きの中で百々とキリが接触するタイミングで、キリの理不尽なビンタが放たれた。
「愚かなり」
百々の放つ燐光がより一層増して、ビンタそのものを不可視の力で跳ね返す。そして出来た隙を、薙刀が払った。
「ぐぅ!」
出来た傷を抑え、キリが後ずさる。ダンスの途中にかっこ悪い様を見せたのだ。 視聴者たちからの評価は下がり、代わりにその下がった分は、
「ふん・・・巫覡載霊の舞は、悪しきを近寄らせることはないのだ」
百々の舞へと上乗せされた。
ただ美しいそれに視聴者たちは魅了され、音楽が終わり、百々が静々とお礼をすれば、皆が皆、画面の前で歓声を上げた。
「フフフ、お粗末様、であるぞ」
直接声を聞く事はない。けれど高まる力に、たしかな手ごたえを感じつつ、百々は次の者の為、ステージを降りて行った。
成功
🔵🔵🔴
愛久山・清綱
傍から見させてもらったが、実に見事なものだな。
俺も負けてはいられん。
■闘
大なぎなたを片手に、シャッフルダンスを踊ろう。
初めて半年ではあるが、技はある程度身についている。
と、その前に音楽プレーヤーでEDMを大音量で流し、
戦場を支配しよう。
ベースは得意のランニングマン。音楽に合わせてTステップや
スピンも取り入れ、軽快に踊るぞ。
隠し味に、曲芸を一つ。
大なぎなたを宙に放り投げ、回転ランニングマンを決めつつ
【怪力】を用いて片手でキャッチ、ポーズを決める。
敵の攻撃、特に八つ当たりのビンタは【残像】を用いた
【見切り】で軽やかに回避。
好機が来たら【怪力】を用いた大ぶりな【剣刃一閃】を放ち、
吹き飛ばしてやるか。
(見事、俺も負けてはいられんか)
流麗な百々の踊りも、鋭いキリの踊りの双方とも目を見張るべきをものがある。新たにステージになった愛久山・清綱は、より一層気を引き締めてステージになった。
装いは踊るダンスに合わせてラフな格好にスニーカー。片手に持つ大なぎなただけは変わらず。けれどやはり、普段が詰襟姿に陣羽織の清綱を知る者がいれば、その装いに驚いた事だろう。
(然り、なれどこれもまた戦装束。我が決意に一片の曇りもなし)
そうしてステージに進み出る。
「へんっ!どうやらボクとジャンルは同じかい?」
そう言いながら既にキリはダンスを踊っている。先ほど遅れをとった分を挽回するかのようだ。
「ふん、さて、な。それより貴様」
偉丈夫が片眉をあげて問いかける。
「既に踊ってるとは、宣戦布告だな?」
「はんっ!知るかよ!そもそもこのステージはボクのモノだ!」
「いや、誰のものでもない。しかし……今この瞬間の主役は、俺だ」
ダンッ!思いっきり右足を清綱が踏み下ろす。そうすると今まで流れていたスピーカーの他、新たなスピーカーがステージの周りに出来上がる。
(このステージでは出るらしい、と聞いたがなるほど、間違ってはいなかったか)
そして流れるのは大音量のEDM。爆音に晒され、キリは思わず呻き、清綱はその鼓動に身を任せるように笑みを浮かべた。
そうして始まるダンス。ここ半年間、習っていたシャッフルダンスだ。
軽快な脚運び。ランニングマンをベースとして、随所随所にTステップやスピンを取り入れ、まるで熟練の技。
ダンスを踊るにあたって大事になってくるのは身体操作と重心移動に関する技能だ。そしてそれはこと、近接戦闘や武術においても重要となってくる要素。
ならば、かつて両親が手に入れた古武術のデータに惹かれ、ただそのデータの身だけでその業を修める程には武術に才のある清綱にとって、ダンスもまた同じように治める事が出来る、という事だった。
「ハッハッハッ!」
知らず、笑みがこぼれる。ああ、自分はなんと幸せなのだろう。斯様に己の持った才を活かすことができるが出来るとは!
男臭い笑みが顔に浮かぶ。
「ふざけんなよ!」
清綱の横、キリもさるもの、清綱の用意したEDMで踊っている。キリのダンスは指の先まで全身を使ったキレのあるもの。対して清綱のダンスはメインがステップだ。
そういう意味では全身を使ったキリのダンスの方がアピール出来る筈。
しかし実際には、
「ヒーロー、楽しそうだな」
そういう事だった。そして何より、『身長190センチ近くの偉丈夫が軽快なステップを踏んでいる』という絵面は、見る側にとっても、楽しい。
力が増していくのを感じながら、清綱は曲芸として回転ランニングマンを決めようと、大なぎなたを宙に放った瞬間、
「ハンッ!今だ!」
キリの手刀が迫り来た。
「無粋!!!!」
そして既にその場所には清綱は居ない。残像だ。そのまま鮮やかな回転ランニングマンをキメ、薙刀を片手でキャッチし、怪力で薙ぎ払い、キリを吹き飛ばした。
そのままポーズ。丁度、曲が終わる。
観客のボルテージはさらに上がり!万雷の拍手が画面の前で巻き起こる。
力の高まりからその様を想起しつつ、残心。一礼して、清綱は去って行くのだった。
成功
🔵🔵🔴
非在・究子
【SPD】
……べ、別のダンスステージでは、ちょっと、しくじった、から、な。
り、リベンジって、やつだ。
1
あ、新しい、モーションを仕入れて、な、なじませて、来たから、な
(【ヒップホップ】で【うまく踊る】
UCを使うと、現実が主観的にはハッキング・改変され、
自身はを含めたすべてはゲームの画面の中に納まったダンスゲームの筐体だけが何もない空間に浮かぶ。画面の上からは矢印のオブジェクトが雨あられと降り注ぎ始めるが、筐体の上にいる仮称:TASさんは難なくそれをこなしていき、画面の中のQ子はキレキレのダンスを決めていく)
2
ダンスのモーションでありつつ、そのまま攻撃動作にもなっており、
魅せコンボを叩き込む。
「・・・・・・」
ユラリと、豊かな体に、目を隠した少女、非在・究子がステージに上がってくる。
「ん?なんだなんだ?」
ざわざわ、その様子に視聴者達がざわめきだす。華が、ない。先ほどの二人はそれぞれ方向性に差があれど華があった。
けれど今、新たにキリに相対するように立つ少女は、どちらかというと影に咲く花のような可愛らしさで、だからこそこの場には相応しくないように感じられたのだ。
「はんっ!そんなジメジメしてた雰囲気じゃ、ボクの勝ちだね!」
キリが勝ち誇る。それに応えず、ただ究子はジッ・・・・・・っとキリを見つめる。 隠された前髪から覗く瞳に宿る光は、強い。
「な、なんだよ……」
思わずキリが後ずさる。
「り、リベンジって、やつだ」
別のダンスステージでしくじった。これはその埋め合わせだ。
「や、やろうじゃん」
ただ相手に、そう告げる。
「わ、わかったよ!!!」
キリがそう答えれば、ミュージックがスタートした。
「《Tool-Assisted Superplay/ツール・アシステッド・スーパープレイ》」
究子がそう叫べば、彼女の主観が様変わりしてゆく。
自分の周り総てが収まったダンスゲーム筐体の中で究子は飴あられと降り注ぐ矢印のオブジェクトに従って踊ってゆく。
当然オブジェクトに合わせて筐体に設置されたボタンをタイミングよく押さないと画面上の究子はうまくダンスを踊れない。けれど、当然の事としてボタンを押す仮称:TASさんは押すボタンを誤らない。
だから画面上の究子もまた、キレキレのダンスを出力してゆく。そしてそれは、先に失敗したダンスではなく、新たなモーションだ。より難易度は高い。
「や、やっぱり。高難易度、だ。だな」
降り注ぐオブジェクトは大量で、その入力に従って踊らされるダンス。動きは現実に反映され、究子はキレキレのダンスを決める。入力はTASさんがやってくれる。 ならば出力である究子は、そのダンスの激しさに耐えればいい。が、無茶な動きも多い。体が悲鳴を上げるのが分かる。辛い。
「く、くそ・・・辛い。ぞ」
けれど、ギリギリを目指す。先に、『所詮はプログラムされたダンスモーション』、『生きたダンスパフォーマンスではない』というような振る舞いを相手にされたのだ。
「な、なに。なにが、どうせ・・・だ。これだから、クソ。クソなんだ、リアル……」
腹が立つ。そういう風にゲームを何か下に見てるのに苛立ちを感じていた。だから、先より複雑で、より新しいモーションを取り入れたのだ。
キリが目を剥く。奇しくも同じジャンルでのダンスだ。相手の踊りは自分と互角、いやそれ以上。
「は・・・はんっ!けれど!」
お前には華がない。美少女は笑い。動きの途中、究子に最接近したタイミングで、縁を断つ手刀を叩き込み、
「弾かれた…!?」
ダンスの中、手を振る動きで、手刀が弾かれた。それはつまり、相手もまた自分と同じく強化を受けているという事。視聴者を沸かせているという事。
「な、何故」
見れば、激しく踊る究子の髪は振り乱れ、その髪の合間から見える瞳がらんらんと輝いていた。
「リアルもクソ。クソだけ、ど。な、なにより……」
「ゲームで、ゲームで負け、負けるの、が……」
「一番、腹が立つんだ!!!」
その動きが生きているかなんて、魂があるかなんて結局は、見てる者の主観でしかない。ただその動き、そこに『勝ちたい』という究子の意思は誰にだって見て取れた。
だから、
「す……すげぇ」
「すげぇ!なんて魂(ソウル)の篭った動きだ!!」
その意思を魂と呼ぶ視聴者(もの)もまた、いた。
ステージは沸き上がり、スコアは最高得点をたたき出す。最高なのは当たり前だ。後は究子の体が電脳の認識をどれだけ現実に出力できるか。
力は高まる。だからこそ、
「・・・・・・!」
キレキレのダンスは、ついにコンボをキメ、キリを吹き飛ばした。
ダンスが終わる。汗にまみれ、疲れの中、力の高まりを感じる。
だから、何も言わず、少女は右手を振り上げて、ステージを去った。
大成功
🔵🔵🔵
アーサー・ツヴァイク
※改変絡みピンチ可、🔵過多なら不採用可
ダンス勝負か…派手なのや上手なのは踊れないが、ヒーローならではなダンス勝負を見せてやるぜ!
さあ、画面の前の君たち! 今日は僕と一緒に、レッツ・ダンス!
テレビウム達のモニター越しで見ているキマフュ市民、特に子供達に呼び掛けて、ヒーロー番組でお馴染みのEDダンスを踊るぜ!
【アニマル・カーニバル】で俺の武装に潜む仲間・ケモノイド達もまとめて召喚、皆でダンスだ! 難しいダンスではないが、子供達は盛り上がるはず!
子供達のフィーバーを得られれば十分、声援を受けたケモノイド達の連携攻撃で攻めるぜ!
さあ、これを見てしまった猟兵の皆も一緒に歌って踊ろう! Que bom!
ステージは最高に沸いていた。和の音楽から始まり、シャッフルダンス。そして少女が軽快なヒップホップの中で魅せた魂のダンス。
どれも素晴らしかった。大人たちはみな沸いていた。
だから次は、子供たちの番だ。
「さあ、画面の前の君たち! 今日は僕と一緒に、レッツ・ダンス!」
男の声が響く。
「わぁ!!!!!!!!ドーンブレイカーだ!!!!」
子供たちの歓声が沸き上がる。
高まる力にそれを感じて、ヒーローは飛び出した。アーサー・ツヴァイクは暁の戦士、ドーンブレイカーの装いのまま、ステージでポーズを決める。そして使うは《アニマル・カーニバル》。蛇に鷲やドラゴン。一角獣はもちろんの事、獅子に狐。それぞれの武器に潜むケモノイドたちだ。なにせこのダンスを踊るには、ステージが1人では寂しい。
「みんな!何時も僕の活躍を見てくれてありがとう!」
キマイラフューチャーにてオブリビオンたちが襲い掛かってくるヒーローショーにて何時も現れる皆のヒーロー、ドーンブレイカー。
それが今日は、テレビの向こうから『自分』へと語り掛けてくれるのだ。もう子供たちは大興奮だ。
「皆、今日は悪いオブリビオンをやっつける為に、皆の力が必要なんだ。一緒にダンスをして、応援してくれ。頼んだぞ!」
そう言って始まるのはヒーロー番組でお馴染みのEDダンス。
ダンス自体のクオリティは今までの3人に比べると見劣りしていた。しかしそれはさもありなん。このダンスは、画面の前の友達と踊る為のもの。難しすぎては、友達が踊れない。
(よし・・・・・・!)
力の高まりを感じる。
そしてそこに、EDとはまた別の曲が流れてくる。吹き飛ばされたキリが復帰して、こちらもダンスを始めたのだ。
「はんっ!なんだよ!そんなダンスだったら、こっちの勝ちだね!」
「いいや、お前の負けだ。俺は今、画面の向こうの皆の力を、受けているからな!」
アップテンポの激しいダンスは、ダンスのクオリティとしては確かに勝っていただろう。しかし、大人は今、前半3人のダンス対決でテンションが上がりきり、些か疲れが見えてきていた。だから休憩中だ。
代わり、子供たちが今テレビの前に釘付けになっている。もはや勝敗は明らかだった。
「さぁ!フィニッシュだ!」
「皆も一緒に」
「「「「BEAST ACTION!!!!!」」」」
そして曲の最後、ドーンブレイカーと画面の前の皆の叫びを受けてケモノイドたちがキリへと、襲い掛かる。
「な、なんだよそれ!ずるくないか!?」
「仲間との絆だ!」
間髪入れずに答える。
「だったらその絆ごと、断ち切ってやる!」
そうして振るわれる絆切断の手刀はしかし、その力を発揮することなく、
「に”ゃ”ー!!!」
当たり前のようにケモノイドたちの連携攻撃に沈んでいった。
「ありがとう、皆!」
そしてそれを見届け、ヒーローとしてのドーンブレイカーの積み重ねを感じながら、ツヴァイクはステージを降りて行った。
成功
🔵🔵🔴
ガルディエ・ワールレイド
踊りも騎士の嗜みの内、ってな
◆ダンス1
壮麗な騎士服を纏う
クラシックを流し、宮廷舞踏をアレンジした《ダンス》を上手に披露
架空のパートナーと踊るような動きをし、要所で観客へのポーズを決める
ポーズも《礼儀作法》で優雅さ重視
◆ダンス2(戦闘
流れる曲をアップテンポに現代アレンジしたクラシックへ変更、踊りもそれに合わせる
「お手をどうぞ」とキリをダンスに誘い、曲の要所でポーズを決める動きに合わせて手刀での【戦場の剛刃】と《見切り》で攻防を
エスコート役を買って出たからにはフェアに行くぜ
二人のフィーバー同時発生を狙う
(流れはわかるだろ?)とアイコンタクトし手刀の撃ち合いを促す
称賛は惜しまず
「やるじゃねぇか」等
兎乃・零時
アドリブ絡み大歓迎
これほんとに戦争なのか…?(背景が宇宙
ま、まぁ良いや
踊って戦えばいいんだろ…?
こうなりゃ全力!
一人が無理なら二人でだ!【手を繋ぐ】して踊ればいい!
【覚悟・気合】いれてくっぞおらぁ!!(やけくそ
アップテンポな曲で
勢いよく力強く!かっこよく…踊れたらなぁ!
当然踊りは下手
パルも流石に良く知らない
ただ
パルは踊っている人達を見て【学習力】で学習可能
ならパルは
兎乃と【手を繋ぐ】して兎乃を【誘導弾】に見立て
戦いの動きと共にダンスを誘導させる
俺様はあえてその動きにのる!
早い早いってぎゃぁ―ッ!?
戦闘時
兎乃【全力魔法】っぽい魔力どばー
パル【誘導弾・属性弾】で攻撃!【拠点防御・オーラ防御】で防御
「うう……うう……あんまりだ」
ステージにはブスブスと至る所から煙を出しながら黄昏ているキリ、ただ一人が残されていた。
「えぇ……これと戦うの俺様……?」
とりあえず戦争だ、という情報で勇んで来れば何やら黄昏ているオブリビオンらしき少女が1人。これでは流石の兎乃・零時も、宇宙猫顔になるのもやむなし、という所だった。
「ま……まぁいいや、踊って戦えればいいんだろ?だったら、パル!」
叫んで自身の式神、紙兎パルを呼び出す。
そうして、パルと手を繋ぎ、徐にダンスを始める。
アップテンポな曲が始まるなか、ダンスの経験が全くなかった零時はしかし、勝算があった。
「パル・・・・・頼むぞ」
そう、式神たるパルに、今までのダンスを見せて学習させていたのだ。
だからパルは、手を繋いだ零時を誘導弾に見立て、振り回す事でダンスを始めるも、
「は・・・はやっ!?あれ!?あれれ!?ちょ!?ちょま!?」
一つ、誤算があった。今までの味方は『二人一組のダンスを踊ってない』。つまりは、ただ振り回されることになるばかりだった。
「おわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁァァ・・・・・・」
「……は?」
ドップラー効果すら発生させながらそこかしこを縦横無尽に動き回る少年と、紙兎。
その様を見て、今度はキリが宇宙猫になる番だった。今まで戦ってきた猟兵達とは違い、明らかに下手。視聴者達はそのコントのような情景を見て、笑いはすれども今までの熱気とは完全に別種の空気が漂っている。
「いける・・・!」
これまで黒星だったのだ。だから、とキリの踊りにも力が入る。ギャグとしては零時も場を沸かせていたが、しかしだからこそそのダンスと対照的に確かな技術力を見せるキリのダンスは、視聴者を沸かせていた。
たしかに、このまま状況が推移すれば、キリは白星を得ていただろう。
しかし、
「はん、見てられないぜってな」
零時の流していた曲が止まり、代わりにクラシックが流れる。スルリ、と流れるように零時とパルへと近付き、僅かに力を込めて零時からパルを取る。ガルディエ・ワールレイドだ。
普段、戦場であれば魔鎧シャルディスを纏いて戦う黒竜の騎士であるガルディエはしかし今この時、壮麗な騎士服を纏ってこの場に居た。
そしてパルをエスコートするかのように宮廷舞踊をアレンジした動きで二人一組のダンスをパルと共に行う。そういった蓄積の無いパルをエスコートするその動きはなるほど、とても板についているもので、
「これはじゃじゃ馬だ・・・な!」
思わずガルディエの顔に苦笑が浮かぶ。このじゃじゃ馬っぷりは、つまり自分がかつて故郷にて習っていた側もきっと感じていた事で。
「はっまさに踊りも騎士の嗜みの内ってな」
そうして一曲踊りきった。高まる力から視聴者達の万雷の拍手を感じながら、そのままパルを零時へと返す。
「すまないな、パートナーを借りて」
ガルディエと零時、並ぶとその背の高さの差が際立つ。見下ろしてくる偉丈夫に、フ。と零時は顔を逸らした
「ふ、ふん!俺様だって!やれば出来るんだからな!」
「なら、楽しみにしている」
「おわぁ!?」
そうしてパルと再び手が繋がる。
再度流れる曲は、現代風にアレンジされたアップテンポのクラシックだ。思わず零時は身構える。が、
「・・・・・・あれ?」
確かに強く引っ張られるが、先ほどのような無理やり引きずりまわされる感触はない。パルは、【学習】したのだった。
「……借りは!返すからな!!!」
少年の言葉を背に青年はフラフラと手を振った。
そして眼前に相対するのはオブリビオン、キリだ。
「さぁ、慣らし運転は終わった。フェアに行こうぜ、レディ」
野性的な笑み。返答は手刀だった。
「おっとぉ!こっちもじゃじゃ馬か」
半身になって避け、手首を取ってお互いにターン。
そしてその回転の力を利用して迫ってくる蹴りを今度は腕で受け止め、衝撃を吸収しきった所で、脚を弾き飛ばし、お互い背を向けた形に。そこで肘討ちを横腹に入れる。
相手もルールが分かったのだろう。そこからは舞踏というオブラートに包んだ戦いだった。アップテンポのクラシックに合わせて、青年とオブリビオンが踊る。そしてそこそこに手刀や足。それぞれの手足を凶器とした武器の交わし合いが発生している。
常ながら舞踏会で踊られているダンスとは違い、戦いの気配がある分だけ野性味を増したそれは、だからこそ『今この瞬間しか見る事の出来ないもの』として視聴者達の眼に焼き付き、離さないものとなっていた。
「さすがだな」
ダンスのさなか、ガルディエの顔に笑みが浮かぶ。こと、ペアダンスと近接戦闘は非常に似通っている。相方の動きを予測し、それに合わせ、テンポを取り、重心を滑らかに移動し、そして身体を確実に操作する。
強敵に磨かれた武と魂が、かつての故郷で作り上げられた礼節と非常に高い次元で混ざり合う境地。思わずガルディエも高揚していた。
「当たり前だろ!ボクは神様だぞ!」
そしてその高揚が、キリにとっては一つ逆転の眼を作っていた。
(・・・・・・お前が今、高揚しているという事は、それはつまり、【プラスの感情】を、ボクが与えてるという事だよな?)
現状はペアダンスという形を取ってる以上、同じ分だけフィーバーが発生している為互角。しかし状況は今までの消耗と肘打ちを喰らった分、キリの方が不利だ。
ここで何か、逆転の眼を探すしかない。
つまりは、縁消去(物理)だった。ガルディエの背後、死角になる場所に狛犬のような自動砲台が顕現する。
それと同時に曲はもうクライマックスだ。
(フェアにやろうなんて、その余裕が命取りだ・・・!)
最後のサビも終わり、ラスト、ポーズを決める瞬間……
「「喰らえ―――!!!」」
叫びが二つ重なり、狛犬から放たれた閃光が、別方向から放たれた閃光でかき消された。
後ろから膨れ上がる害意を感知し、振り返らずとも状況を認識したガルディエがキリを掌底で地面に叩きつけ一時的に行動不能にする。
「つまらない真似をするんじゃねぇよ……!」
そうして後ろを振り向けば、そこには己の打ち出した全力魔法っぽく収束した魔力を浴びせかけて、狛犬を消し飛ばしている零時がいた。
思わずジッと見つめる。
「な……なんだよ。借りは返したからな!」
フィーバーによってキリのユーベルコードは確かに強化されていた筈なのだ。それを相殺したという事はつまり、
「やるじゃねぇか」
思わず男臭い笑みが浮かぶ。自分がキリと踊っていた際、零時もまた、賞賛にたるダンスを見せていたという事なのだから。
「う、煩いな!それよりこれで貸し借りなしだからな!いや、まてよ?俺様が今、ピンチを救ったんだよな?だったらそう……」
少年は胸を張って
「俺様の方が強いんだからな!」
「はっはっはっ……やるか?」
「ピィ!」
それでもなお、目をそらされる事はなかった。ギュッと杖を握ったその姿に、思わず笑みが浮かぶ。
「や、やっていいのか!?俺様は強いぞぉ・・・・・・!特にパルが」
「はっ。いいさ。やめておく。なにせ今日は、ダンスの日だしな」
そう言いながら青年は、少年の頭を撫で、ステージから降りてゆく。
「あっ!ちょっと待てよ!」
そして少年もまた、その大きな背を追って、去って行くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってなあ!
うなれ俺のこの長い脚!
スカイダンサーの真髄を見せてやらあ!
俺の一番得意なフラメンコを披露してみっかあ
靴も履き替えて、服も動きやすいように調節して
さぁ! 演じるはかの情熱の国。ここに常夏の日差しを降らせようぜえ!
おれのこの身体で、おれの情熱を表現するんだ!
オーレ!
長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
危ないところは「野生の勘」で咄嗟に踏みつつ
とにかく楽しく! 見栄えも考えて! しっかり最後まで踊りきるぜえ
もちろんゲームが終わるまでダンスは絶やさないように
ここぞというときに攻撃できそうなら
『金狼舞踏』で攻撃していくぜえ!
「く・・・・・・くそ!」
ダンスを通しての戦いを経て、キリは確実に消耗していた。いましたがガルディエによって叩きつけられた床からどうにか立ち上がり、周囲を見渡す。自分を撮影するテレビウム達。そして、音響機器・・・・・・、そうだ!
思い立った瞬間、キリの体がぶれ、次の瞬間には全ての音響機器が破壊されていた。
無理をしたのだろう。肩で息をするその姿は、今まで以上に消耗しているようだった。
「は・・・はは、これで視聴者によるフィーバーは発生しない・・・!」
つまりはユーベルコードがお互いに弱体化するという事だ。
弱体化したユーベルコードの打ち合いになるなら、この場はまだまだ占拠出来る。そしてステージに立って音響機器を叩いて呼び出そうとするなら、それを邪魔すればいい。
今まであったまっていた場が急激に冷めていくのが分かる。こうすれば勝てないまでも負けはしないのだ。
「ふ・・・・・・ふん!これで猟兵達とステージの縁は切ってやったぞ!」
キリが空しい勝利を叫べば、
「いいや、まだだ!」
それに抗う声もある。
それは、ステージの端から現れた。
「なんだい?たったひとりかい?なら・・・・・・」
ステージに音響機器を作り出して音が鳴るまでにラグがある。1対1なら自分の《縁切断(物理)》で音が鳴る前に機器を破壊できる。
そしてステージに立った男は、床を強く踏み鳴らす。さぁ、機器が出て来るぞ、と身構えたキリは訝しんだ。
「あれ・・・・・・?」
そう、出てこない。男は、脚を踏み下ろして音を鳴らしただけなのだ。
そうしてもう一度、音を鳴らす。さらに一度。再び一度。
「そうさ、音は、音楽は、情熱は、楽器がなくとも奏でられる。知らなかったか?」
足を踏み鳴らす音に手拍子が加わる。そうして音が紡がれる。フラメンコのリズムにのって、短めのジャケットを着たホッキョクオオカミ型の人狼、高鷲・諒一朗は会心の笑みを浮かべた。
里での日々を思い起こす。娯楽はなく、故に音楽すらなく。けれど猟兵が来て、リズムを知った。それはまずは原始的な心臓のリズムで、そしてそこから体でリズムを表現する事をしった。楽しかった。思う様に体を動かし自分を表現する事が。
ならば、ただ『音響がない』というだけで、踊りをやめる理由にはならない・・・!
「くそ!!くそ!!!くそぉ!!!!ボクはカミサマだぞ!」
「だったらお前も音楽を楽しめよ!」
諒一朗のステップに手拍子と、キリの声だけが音だった。即刻辞めさせようと迫り来るキリの手刀はしかし、野生の勘でするりと避ける。
ステップは早くなり、手拍子もまた同様に。
「さぁ!ここに常夏の日差しを降らせようぜえ!」
人狼が叫ぶ。視聴者達はただただ、かたずをのんで見守っていた。諒一朗の音を聞き逃さないとするかのように。その腹にじっとりと熱を貯めて。
「いいねぇいいねぇ!熱いねぇ!」
ステップは観客の高揚を受けて早くなる。今なら、きっとキリの音響機器破壊を上回るスピードで機器を作り出し、音楽を鳴らす事すら出来るだろう。けれど、画面越しからですら感じる興奮は、ただ自分だけを見ているものだ。
自分そのものが南国の太陽のようになっている。第六感を以て諒一朗は感じる。 だから、ただ自分の手と足のみで奏でる。
「やめろ!その不快な音を!!やめろぉ!!!!」
もはや勝負はついてるのだ。今この場にて、ダンスを楽しんでるのは誰なのか。 諒一朗は残念だった。キリもまた、ダンスを楽しめばいいのに。さっきのデュエットだって、きっと楽しかったはずなのに、最後、不意打ちでもって自分から泥を塗った。
そうだから今、
「オーレ!!!!」
ダンスの締め。迫り来る手刀を打ち払い、ダンスを心の底から楽しんだ男の鳴らした手拍子の衝撃波で、
「あ……」
その存在消し飛ばされるのだ。
喝采を感じる。それに応えつつ、消え去りゆくキリを見つめる。悔しそうな顔。
「おいおい、そんな顔するなよ」
「今度湧いて出たら、絶対教えてやるからよ」
ダンスの楽しさを。その言葉に、オブリビオンはただ、舌を出して応え、消えた。
「はっ!」
その態度に逆に『らしさ』を感じながら人狼は笑う。少なくとも今ここで、自分たちは守り切ったのだ。
大成功
🔵🔵🔵