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⏰バトルオブフラワーズ⑤〜オチモノ・ブロック・大連鎖!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●ザ・ゲームステージ
 システム・フラワーズへと至る道を塞ぐ6つのステージ……南北に分割されたキマイラフューチャーの赤道面に現れたそれらのステージは、個々のステージが全く異なる特殊ルールを強いられる戦場であった。
 今回の目的であるシステム・フラワーズの元へ至るにはそれらのステージ全てを攻略し、制圧し続けなければならない。

 故に――

「……絶対出てくると思ってたわ、こういうオブリビオン……」
 やや疲れ顔のニコラが愚痴りながら猟兵たちに転移先を示す――6つあるステージの中でも、特定のゲームに因んだ特殊ルールが課されるザ・ゲームステージが今回の戦場となるらしい。
 戦場には壁一面を使った超巨大モニターに、その前に並んだコントロールレバーが数本。モニターのサイズから考えて、そのレバー自体が1mほどの長さであり非常に大きいものであることが伺えた。そして、複数本のレバーが並ぶ側と1本だけのレバーが並ぶ側があり――当然とでもいうように、1本だけのレバーの上に腰かけている者が1人。
「オブリビオン、牝山羊怪人マリアディジー。それが今回の相手よ」
 あまりにも、あまりにも巨大な胸部を持つピンク髪の獣人。ニコラの言うところによると、それがこの区画を封鎖しているオブリビオンらしい。
「指定された戦闘方法はパズルゲーム……このゲームでオブリビオンと対戦し、倒すことによってこの地区を制圧できるわ」
 なんだ、普段のように切った張ったの戦闘をする必要はないのかと安心の表情を見せる猟兵も居たが――その期待には応えられないとでもいうようにニコラは首を横に振った。
「むしろ、このパズルゲームを介してでなければこのオブリビオンにダメージが与えられないの」
 つまり、通常の攻撃手段に対しては無敵なのだ。さらにこのパズルゲームで挑むというだけあって、ゲームの腕には自信があるのだろう。通常攻撃で撃破できず、パズルゲームで相手をしなければならない――急に上がったハードルに、猟兵たちは顔を見合わせる。
「そして、オブリビオンの方はユーベルコードをパズルゲームに応用してくるわ」
 生命力を代償とした猟兵のパズル盤面への迅速な妨害。
 ウィルス放出により注意力を削り、ミスを誘発させるユーベルコード。
 そして、パズルの敗北者を対象とした「母性の塊」による拘束。
 ……盤面への干渉はともかく、ウィルス放出と敗北者の拘束はどちらかというと盤外戦術のようにも思えるが。
「現地では、あなた達もユーベルコードをパズルゲームに応用することが出来ると思うわ……それらがどのように発揮されるかはわからないけれど――」
 我こそは、という自信がある者は是非討伐に向かって欲しいとニコラは言葉を結ぶ。

 ニコラのグリモアが投影するのは、件のパズルゲームのプレイデモ。
 オーソドックスな「オチモノ」のようで、特定の色のブロックを一定数以上つなげることで盤面から消し飛ばし、その速度や連鎖消しの数により対戦相手を妨害するという対戦式パズルゲーム。
 ……ルール名、オチモノ・ブロック・大連鎖。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はいつもありがとうございます。引き続きキマイラフューチャーの戦争シナリオをお送りします。

 さて、本シナリオではオブリビオンとの直接戦闘は発生しません。パズルゲームを介してオブリビオンを討伐することとなります。
 パズルゲームは対戦相手の妨害が可能なオーソドックスなタイプです。詳しくはOPをご覧ください。オブリビオンは当然のようにユーベルコードをパズルに応用してきますので、猟兵諸君もパズルに応用できそうなユーベルコードを持ち込むことをお勧めします。

 ――それでは、ザ・ゲームステージ
 ――ルール、オチモノ・ブロック・大連鎖
 ――開幕です! 
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第1章 ボス戦 『牝山羊怪人マリアディジー』

POW   :    救済の女神は惨劇へと現れる(デウスエクスマキナ)
【自身の生命力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【より強く速く相手に浸食する活性状態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    お姉さん特製・ふしぎウイルス
【体に力が入らなくなる、肉体へのウイルス】【頭がボーっとなる、精神へのウイルス】【お姉さんにメロメロになる魅了ウイルス】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    大丈夫?疲れてなぁい?私の『ここ』においで…?
小さな【子も軽く包み込む圧倒的な母性の塊】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【優しさが詰まった極上の居心地】で、いつでも外に出られる。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マックス・アーキボルトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒川・闇慈
「パズルゲームですか……落ちモノならそこまで複雑ではないでしょう。あまり自信はありませんが。クックック」

【行動】
さて、パズルの方針ですが……そこまで腕に自信はありませんし、大連鎖で一気にカタをつけるよりはニ連鎖、三連鎖程度を連続して狙うという方針でいきましょうか。
UCを使った応用については、高速詠唱の技能を用いて炎獄砲軍を使用します。
炎をオブリビオンの周りで爆発させ、爆音と閃光で妨害に使用しましょう。もちろん直接爆破なんてしませんよ。今日の天気が晴れ時々爆発なだけです。(すっとぼけ)

「今日の天気は荒れ模様ですねえ。クックック」

【アドリブ歓迎】



●荒天、時々爆炎
 そそり立つレバーの上でくねくねと奇妙なダンスを披露するマリアディジー。退屈そうな表情で挑戦者を待つ彼女だけの居るゲームエリアに――今、転移ゲートが開いた。
「……あらぁ?」
「クックック――お邪魔しますよ、オブリビオン」
「ええ、待ちかねていたわぁ、イェーガー」
 早速勝負しましょう、と誘いをかけるマリアディジー。それに対し、黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)はちらりとパズルゲームのPVが流れる画面を見て僅かに考え込む。
(落ちモノであるなら、そこまで複雑ではないでしょう……そして、小連鎖でもそれなりの妨害が出来る様子――これなら戦えそうですね)
 パズルゲームのキャラクターが2~3連鎖程度でも妨害エフェクトを発動しているのを見て闇慈の方針が決まった。
「ええ……その誘いに乗らせていただきましょう」
「嬉しいわぁ――」
 闇慈の申し出に答えてマリアディジーがつま先で床を叩く――すると画面に「チャレンジャー!」と表示されて、対戦画面がオープン。1本のレバーがチカチカと瞬き、闇慈のレバーを示す。
「さて、それでは――」
「ええ、ゲームスタートよ♪」
 戦の開始を告げるにはあまりにも軽すぎる電子音と共に――ブロックが落下し始める。マリアディジーはユーベルコードによる高速操作で初手から高速大連鎖狙い……しかし、最初から大連鎖を狙わない闇慈にとってはその速度ですら――遅い。
 3連鎖……妨害ブロックがマリアディジーのフィールドに現れ、同時に闇慈がゲームに込めたユーベルコードが発動した。
「きゃっ――!?」
 BOMB! という派手な爆発音とエフェクト。マリアディジーのフィールドが派手に揺れて光り、それを反映するかのようにマリアディジーの操るレバーからも爆炎が噴き出て彼女の豊満な胸を揺らした。
「おやおや、今日の天気は荒れ模様のようですねぇ?」
 くつくつと喉奥を鳴らしながら、マリアディジーが慌てる間に再びの小連鎖。オブリビオンに攻める暇を与えずに畳みかけていく闇慈。腕に自信がなくとも、方針を決めた猟兵の電撃戦は効果的に作用していた。
 ――程なく、爆炎と閃光で盤外戦術を仕掛けた闇慈が、マリアディジーのゲーム残機を1つ削り切る。
「……くぅ、悔しい!」
 地団駄を踏み悔しがるマリアディジー……ゲームを介さず戦闘することはないというのは事実のようで、マリアディジーはすぐにでも次のゲームを始めようと猟兵へと向き直るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
@SPD

『パズル…ね、また七面倒な仕掛けを用意してくれて』
銃はペンより強し、その体現である私と真逆な影の「姉さん」を宥めます
「そういうルールですから仕方ないですよ…まず、問題を考えましょ?」
『ちっ…分かったわ。ほら、考えなさい!』
そう言ってますけど、私が提案した内容を私とは別の視点でアドバイスを受ける、もしくは姉さんが言った事を私が見直してアドバイスしてパズルを解いていきます
……別の視点で考えれて行けば、きっと解ける…はず

「…っ! 姉さん、危ない!?」
…あれ?頭がぼーっとしてきて……姉さん、奇麗……えへへ
あとは…頼みました、ねえ…さん



●惑乱の姉妹
「では、次は私が出ます……!」
「あら、私のことも忘れないでよ? ――2対1でも、卑怯とは言わないわよね、マリアディジー?」
 続いて転移ゲートから現れたのは秋月・信子(魔弾の射手・f00732)と彼女のユーベルコードに由来する影法師、信子(姉)の姿だ。新たなる猟兵のエントリーに、マリアディジーはそれでもなお余裕の笑顔で受け入れた。
「それで、パズルと聞いたけれど――」
 また七面倒なものを用意したものだ、と信子(姉)はプレイ画面に視線を投げ……そこに表示されている画面が自分の想像していた「パズル」とやや異なることに僅かに目を見開いた。姉の様子に気付いた信子もプレイ画面を見て、はて、といった表情で首を傾げる。
「あの、姉さん……もしかして、これって」
「――来てしまったものは仕方ないわ、やるわよ!」
「ふふ、準備はいいかしらぁ?」
 マリアディジーが胸を揺らしながらタップダンス……2本のレバーが光り、信子たちをプレイエリアに誘う。
「こういうのはアンタのほうが得意よね……大技、任せたわよ」
「わかりました、姉さん――ではそれまでの遅滞はそちらに」
 レバーを握る2人……たとえパズルゲームとはいえ、オブリビオンとの対戦という意味で役割分担はいつもと変わらず。ざっくりとした打合せだけで信子たちは互いの立ち回りを決定する。
「あらあら……そんなにわかりやすい話をしていいのかしらぁ?」
 マリアディジーはそんな信子たちの様子を満面の笑みで眺め――程なくゲームが始まる。マリアディジーは相変わらずの高速操作による大連鎖速攻、それを押し留めるべく信子(姉)が小刻みな小連鎖を重ねてこまめな妨害を投げ、その間に信子が大規模な連鎖を組み上げていく。先の猟兵が示したように、こまめな妨害はマリアディジーに対して確かな効果を持っていたが……
「――あ、れ……?」
 ドロップミス。会心の一撃となるはずだったブロックを、信子は操作ミスで別の場所へ落としてしまう。
「まさか……やってくれたわね、マリアディジー!」
「うふふ――これもまたゲームの一環よ?」
 マリアディジーから漂うかすかな香気。それに信子(姉)が気付いたころにはもう手遅れ。信子の五感はマリアディジーのユーベルコードに犯され、既に正常な感覚を失っていた。
「ごめん、なさい……ねえ、さん――」
「くっ……オフェンスが落ちてどうするってのよ……!」
 信子がゲームからドロップするのにそう時間はかからず、役割分担を破壊された信子(姉)も程なくマリアディジーの高速大連鎖に耐え切れず敗北……多少の手傷は与えたが、2戦目は猟兵の敗北となるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リズ・ルシーズ
アドリブ歓迎だよ!

【SPD】

副脳持ちの実力、見せてあげるよ!

まずは【先制攻撃】で早消しして余裕を作って【時間稼ぎ】をしてから、大連鎖を狙っていこうかな。副脳の演算機能をフル活用して、次の落ちてくるものを予測しながら積み上げていくよ

同姓への興味も、母親の記憶もないボクにそんな精神攻撃聞かないよ!

敵の精神攻撃は、極力気にせず連鎖を仕込んでいくよ、十分に仕込が終わったら連鎖で、お邪魔を【一斉発射】だね

これで終わりだと思った?おまけがあるよ!

【リクリエイト】で、使い切ったはずの大連鎖をもう一度複製して、2回目の攻撃だね



●爛漫の映し身
「ふふ、これで1ゲームは取ったわよ?」
 1ゲームの勝利を誇示するマリアディジー。くたりと倒れた猟兵は既に彼女の術中にあるようで、捕縛ユーベルコードから逃げ出す気配はない。
「1ゲームくらいで勝ち誇らないで! 次はボクが相手だよ!」
 そんな仲間の様子を見てゲームフィールドに駆け付けたのはリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)だ。ぴょんぴょんと飛び跳ねるたびに彼女の足元がみしみしと軋むのは、決してこの部屋の造りが甘いからではない。
「あら、かわいらしい猟兵さん……まだまだお母さんが恋しかったりしないかしら?」
 リズの外見と言動から、ゲーム勝負をするまでもなく容易く堕とせるのではないかと踏んだマリアディジーは、先の猟兵を堕としたのと同じ香気を濃く纏い囁きかける。が――
「ふん、そんな精神攻撃、僕には効かないよ! ――だから、勝負! ボクの実力、見せてあげる!」
 ほんの僅かにも傾ぐ様子を見せないリズにマリアディジーは面食らう。一体、何が理由で己の魅了が防がれているのか、それが不思議でたまらないという表情。その理由はリズの身の上を知らないオブリビオンに判るはずもないものである。
「……いいでしょう。さぁ、ネクストゲームよ!」
 光るレバー、瞬くプレイフィールド。第3ラウンドの開始を場違いに軽い電子音が告げる。
 マリアディジーはこれまでの反省もあってか大連鎖を狙いつつも時折小連鎖を出しながらの積み上げ。リズもまた、それと同様で小連鎖による妨害の帳消しや時間稼ぎを行いながらどんどんブロックを積み上げていく。
「――副脳持ちの実力、舐めないでよね……!」
 ブロックを操作する速度自体は、マリアディジーが僅かに勝る。しかし、ブロックをどこに落とすかの判断自体は、サイボーグとして様々な能力の強化されたリズが上回った。結果として――
「……喰らえ、今だっ!」
 画面一杯を使った大連鎖の開始はリズに軍配が上がる。ほんの数瞬遅れてマリアディジーも追いつき大連鎖を開始。
「ふふふ、連鎖自体の数は同じ……勝負はまだまだかしら?」
 互いの連鎖が打ち消しあい、妨害ブロックの数は互いにゼロ……振り出しに戻った盤面を見てマリアディジーは笑う。リズの速度は分かった、ならば次は負けないとでもいうように。
「ううん、これで終わりだよ!」
「……なんですって?」
 ――連鎖音。
 バグを起こしたようにブロックの消える音と加算される連鎖音。リズの盤面にブロックはないのに、今だに続く妨害ブロックの生成。
「一体、何をしたの!?」
「Re-Create……ボクの攻撃は、1度じゃ終わらない!」
 ユーベルコードによって複製されたもう1つの盤面からの攻撃……1つの盤面を操作することで2つの大連鎖を仕込むというある種の裏技。ゲームシステムが反応しているということは、リズのこの攻撃はルール違反ではない。
 またたく間にマリアディジーの盤面を埋め尽くす妨害ブロック。唖然とするマリアディジーを置き去りにして、ゲームシステムはリズの勝利を告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

モン・サンシン
【SPD】

みゃふふ、ちまちま消しながら『ホトケぇぇぇぇぇ』を応用して自分にしか聞こえない天の声任せで時々連鎖しつつスピード勝負みゃ。相手がオブリビオンなら仕方ない戦術だよー。うみゃー。
「うみゃみゃみゃみゃ、早いのは足だけじゃないよー」



●運否天賦
 その猟兵を相手にして、マリアディジーは奇妙な焦燥感を覚えていた。連鎖の速度、ブロックの積み上げ……そのすべてにおいて、自分が劣っている点はないと確信できる。現に、対戦相手であるモン・サンシン(イタズラ大好き猫・f00444)の盤面には少なくない量の妨害ブロックが積みあがっており、マリアディジーの盤面は非常に整理された綺麗なもの。ごく少量の妨害ブロックがあるとはいえ、それが勝利を妨げるとも思えない程度だ。
「……くっ、面妖ね!」
「みゃふふ、まだまだだよー!」
 ガコン、ガコン。大きなレバーにぶら下がるようにしながらレバガチャプレイのモンの様子は、既に勝負を投げているようにも見えなくもない――が、時折、文字通り「神懸った」プレイを冴えわたらせてしぶとく生き残っている。例えば、偶然落下連鎖が決まったり、落ちてくるブロックの色が非常に都合がよく小規模連鎖が続いたりといったように。
「――今度こそ、これで終わりっ!」
「うみゃー?」
 大規模連鎖。画面一杯を贅沢に使ったマリアディジーの攻勢に、モンの抵抗もここまでかと思えた。
(ホトケェエエエエ――)
「うみゃ! こうだにゃー!?」
 カコカコカコ!
 マリアディジーの連鎖演出の間に、何かが「降りて」きた様子のモンがレバーを押し込んで連打、連打、連打。ブロックを次々と高速落下させ――マリアディジーの連鎖が終わりきるころには、なんとかモンが粘れる程度の中連鎖による反撃が始まる。
「ちぃ……なんでそうも上手く!」
「みゃふふ、いざというときの神頼みだよー?」
 ガコガコ、カコン……大連鎖を決めた反動としてまっさらなマリアディジーの盤面に、レバガチャ操作と天運により発生した偶発的な中連鎖が叩き込まれる。
「しょ、初心者のレバガチャなんかにぃいいい!?」
 ――その試合全体を見るのならば、ゲームプレイヤーとしてのマリアディジーの高い技量が良く判ったかもしれない。しかし、勝負の女神は時として非情であり……ある種の最善を尽くしたマリアディジーを天運で乗り越えたモンが勝者としてシステムに記録されるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

亜儀流野・珠
パズルか!まあ得意ではないが苦手ではないと言ったところだな!
だがキマフュの未来がかかっているからな。俺も参戦しよう!

戦術は小さい連鎖を重ねる方針だ。
で、メインはこっちだよな…奥義「透珠魂」…透明な俺を(こっそりと)召喚し妨害だ!
見えない俺が大事な場面で
絶妙なタイミングで相手のレバーをズラすぞ!
見えないからな!メンテが悪いんだろそのレバー!
妨害がバレ始めたらもう隠さん!一気にレバーを横に押してしまえ!
見えないからな!元気な霊かなんかだろ!



●実力行使(物理)
 レバガチャに負けた……と落ち込んだ様子のマリアディジーの前に、次の挑戦者――亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が颯爽と現れる。既にユーベルコードは発動しているのだろう、ぴょんと跳ねた毛の一房がふよふよと動いていた。
「パズルは苦手でも得意でもないが……キマフュの未来がかかってるんだ! 俺も参加するぜ!」
「――また、初心者ァ? ビギナーズラックは連続しないわよ?」
 なんとか気だるげな色気を振りまきなおし、なんとか立ち直るマリアディジー。新たなレバーを珠に示し、次のゲームが始まりを告げた。
「ふっ――よっ、ほっ!」
(……小規模な連鎖ばかり。こちらの足を止めて速攻しようっていう目論見ね?)
 元気よく大きなレバーを操り、これまで何人かの猟兵がトライしたように小規模な連鎖でマリアディジーのプレイを縛りにかかる珠。危なげなく、かといって技巧が過ぎるでもなく、どこか淡々とした珠のプレイにマリアディジーは冷静に戦略を練る。
「――そちらがそう来るのなら……!」
 こうよ。その言葉と共に、マリアディジーはレバーを右へ振る――振った――振った、はずだった。
「おやぁ? メンテが悪いみたいだな、そのレバー!」
 マリアディジーの動きに従わないレバーを見て、珠がわざとらしく煽る声を投げる。が、が、とマリアディジーが慌てた様子でレバーを操るが……どうにもこうにも、レバーは動く様子を見せない――珠の癖毛がマリアディジーの動きに反応してぽぴこぴこと動いてはいるが。
 そんな間にも珠は小規模連鎖と中規模連鎖を交互に繰り出す速攻。マリアディジーがロクな操作もできない間にどんどんと妨害ブロックを積み上げていく。
「――あなた、何かやっているわね!?」
 オブリビオンであっても、さすがにレバーに直接細工まではしていない……とでもい言いたげな声音でマリアディジーが珠に抗議するが――
「さぁなー? 俺には動かないレバーしか見えないぞー……それ、5連鎖だ!」
 珠が一気に中規模連鎖のラッシュをかければ、あっという間にマリアディジーの盤面が敗北条件を満たす。ドゥン、と盤面がクラッシュする音と共に――2P=Win! という表示が画面に表れて珠の勝利を祝福した。
「――最後に、種明かしくらいは要求してもいいかしら?」
「……だから言ってるだろ? メンテが悪かったんだって。それか――ちょっと元気のいい霊でもいたんじゃないか?」
 最後までしらを切りとおし、珠はマリアディジーのレバー近くに潜ませていた透明な分身……透珠魂を回収。納得のいかない表情をしつつも、猟兵の仕込みを見抜けなかったマリアディジーはすごすごと負けを認めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
@POW&真の姿開放

ちっ…私が言うのもなんだけど汚い手を使ってくれて…ッ!
このままじゃ腹の虫が収まらないからコンテニューよ、コンテニュー!!
信子はそこで頭を冷やしてなさい…仇は取ってあげるわ
さて…さっきの一戦で奴の手は大体わかったわね
高速大連鎖による畳み掛け…ちんたらしてたらさっきの様になるのがオチなら…こっちも【早業】の高速大連鎖で勝負するだけよ!
ゲームに本気を出すのも小癪だけど、真の力を開放させてガンハンドリングの応用で動体視力と思考速度を強化してやってやろうじゃないの
【カウンター】返しで連鎖の応酬を繰り返していけば…たぶん…いえ、きっとボロを出すはず
そこを見切って一気に畳みかけてやるわ!



●真剣勝負
 マリアディジーのこのエリアでの制圧力を示す残機も残りひとつ……猟兵たちがあと1ゲームを取ればこのゲームステージは無事制圧となる。気づけばそんなところまで、猟兵たちの攻略は進んでいた。
「……このままじゃ腹の虫が収まらないわ。最期の1戦、私が貰うわよ」
「そんな、姉さん……」
「アンタはそこで頭を冷やしてなさい」
 仇はとってやる、と短く添えて、信子(姉)は中指を立てる勢いでレバーの前に立つ。
「あらぁ……さっきは2人がかりで負けたのに、1人で勝てると思っているのかしら?」
「これまでの対戦を見ててあらかた対策は立てたわ。それとも……さっきのはまぐれだって自分から認めるのかしら、オブリビオン?」
「……口はよく回るようね、お嬢ちゃん?」
 舌戦は既に一触即発。この空間が通常攻撃無効でなければ、確実に互いの顔面にクロスカウンターが入っているような雰囲気から、ゲームが始まる。
 信子(姉)の方はこれまでのマリアディジーの攻め手を分析し、小規模連鎖による妨害とその間に仕込む大規模連鎖の本命弾という2段構えを選択。マリアディジーの方は小規模連鎖を妨害するための非連鎖消しを組み込んだ高速大規模連鎖組みの構えであり……ある意味、これまでの勝負の中で純粋にパズル技術や反射神経、短時間での判断力を比べる勝負となっていた。
「ちんたらやるつもりはないわ……妨害からの速攻で決めさせてもらう!」
「たかが小娘がぁ!」
 銃を操る際の技術を応用した超絶技巧の信子。ユーベルコードによる加速操作を見せるマリアディジー。これがオブリビオンとの勝負でさえなければ、多くの観衆を魅了できたであろう凄まじい接戦。
「……そのミスは、咎めさせてもらうわ!」
「しまっ!?」
  それを制したのは、ユーベルコードによるブーストではなく、積み上げた技術による勝負を挑んだ信子であった。僅かな積み間違い、普段であればリカバリー可能なたった1手のミス。それを咎めるかのように狙いすました大連鎖がマリアディジーの盤面を襲った。連鎖の始動箇所を潰しながら盤面を埋め尽くす妨害ブロック。残された領域はもやは片手で数えられる程度のブロックしか積めないであろう狭い空間。
「……これは、負けを認めざるをえないわねぇ」
 最後のけじめはつける、とでもいうようにマリアディジーはブロックを連続落下させる。鳴り響くゲーム終了音。
「また機会があれば、また別ジャンルで……そうでなければ、普通に戦って決着をつけましょう?」
 信子の言葉を受け取り、マリアディジーはどこか満足そうな表情で骸の海へと還っていく。

 ……ザ・ゲームステージ、オチモノ・ブロック・大連鎖の制圧が完了したとの報告がグリモアベースにもたらされるのは、もう少したってからのことである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月03日


挿絵イラスト