バトルオブフラワーズ④〜参上、害虫収穫部隊!?
●際臭兵器、カメムシ
「テレビウム・ロックの事件を解決したと思ったら、とんでもないことになってるみたいね。なんか、キマイラ・フューチャーが真っ二つに割れてるし……」
相も変わらず、常識破りで無茶苦茶な世界。しかし、事は指を咥えて見ていられる話ではないと、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)はグリモアベースに集まった猟兵達に、キマイラ・フューチャー世界始まって以来の危機であると告げた。
「この、世界が真っ二つに割れたときにできた亀裂なんだけど、それを怪人達に閉じられる前に、キマイラ・フューチャー世界の中枢になってる、『システム・フラワーズ』に辿り着かないといけないみたいなのよね」
そして、その中枢に陣取る怪人大狩猟、『ドン・フリーダム』を撃破せねばならない。
ちなみに、『システム・フラワーズ』というのは、例の『コンコンコン』のこと。壁を叩くだけで食べ物でもなんでも出てくる便利システムであり、これがなくなるとキマイラ・フューチャー世界は冗談抜きで滅びてしまう。
「そういうわけで、『システム・フラワーズ』までの道のりを確保したいんだけど……周りを守ってる6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻さないと、『システム・フラワーズ』にたどり着くことはできないわ」
『ザ・ステージ』にはそれぞれ『特殊な戦闘ルール』が存在し、ルールを無視して戦っても敵を倒すことは難しい。たとえ、強引な力技で敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出され、強制敗北になってしまう。
「今回、あなた達に向かって欲しいのは、『シュウカクフードバトル』が行われているステージね。このステージでは、怪人達が畑とか野山で野菜とか山菜なんかを収穫しているみたいなの」
食材を収穫中の怪人は不思議な力に守られており、一切の攻撃を受け付けない。彼らは収穫した食材を一ヶ所に積み上げており、一定量以上の食材を収穫されてしまうと、問答無用で猟兵側の敗北となってしまう。
「怪人達の収穫を止めるには、積まれた食材を怪人達の意思で食べさせちゃえばいいわ。要するに、怪人達が収穫してきた食材で美味しそうな料理を作って、それで気を引いて欲しいってわけ」
収穫を中断して料理を食べることに夢中になってしまった怪人達からは、攻撃無効化の効果が失われる。自分で料理して食べさせて攻撃しても良いし、料理班と戦闘班で役割分担をしても構わない。
「あ、ちなみに、敵の怪人なんだけど、ペンタトゥミディアっていうカメムシの集団みたいね。中途半端に刺激すると、私と同じで強烈な臭いのユーベルコードを使って来るから、それだけは注意してね」
おい、今、何て言った? ここまで来て敵がカメムシとか、後出しにも程があるような気がするのですが。
どこからともなく、そんな抗議の声が聞こえて来そうな雰囲気を敢えて無視し、パトリシアは猟兵達を、キマイラ・フューチャー世界へと転送した。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
これは1フラグメントで終了する戦争シナリオです。
このシナリオでは、怪人達が収穫した食材を使って料理を作り、怪人達に食べさせることで無敵モードを解除した上で、攻撃を仕掛けて撃破することになります。
料理に使用できる食材は、畑や野山で収穫できる野菜・山菜・野草全般です。
調味料や調理器具の持ち込みは自由ですが、必ず怪人が収穫した食材を使って料理を作らなければなりません。
調理班と戦闘班に分かれ、それぞれ行動することも可能ですが、片方の班だけが集まっても作戦は成功させられませんので注意してください。
第1章 集団戦
『群れを成す者『ペンタトゥミディア』』
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POW : 臭気放出(臭い)
【凄まじく不快な臭気】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 絶望的な余韻(臭い)
【十秒前に攻撃されたかの如く臭いを撒きつつ】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : バッドスメル(臭い)
【どこ】から【ともなく耐え難い臭気】を放ち、【不快感】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:笹にゃ うらら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ絡み可能。使用はWIZ
ゴリラ型ロボットのヒバゴン・シルバーバックは早速ステージへと移動した。怪人たちがせっせと収穫する食材から狙いのものだけを盗み出して一度持ち去ると、彼は用意していた大きなタライに水を注ぐ。
「仕上げだウホ、トロピカルフリーズ!」
そしてUCによる猛吹雪を吹いてタライの水を凍らせる。それを鉄の拳で砕き、また水を注ぎ最後に野菜を入れた。
最後にヒバゴンタライのそばに立て札を立てた。
『冷やしトマト始めました』と書かれたそれはあまりに普通で罠を感じさせない雰囲気だ。
「この冷やしトマトならうっかり食べるはずでウホ」
特定の嗜好を狙い撃ちにするこのメニューは通用するだろうか。
●冷たく赤い罠
ヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)が指定されたエリアへ足を踏み入れると、そこにはのどかな里山の風景が広がっていた。
どこまでも続く田畑と、その奥に位置する雑木林。だが、これもキマイラ・フューチャー世界の技術で模倣されたものに過ぎないのか、育てられている野菜の季節感がメチャクチャだ。春夏秋冬、およそ旬など関係なく、あらゆる種類の農作物が脈絡もなく植えられている光景はカオスである。
そんな畑の中央に、怪人達が収穫した野菜を山積みにしていた。それらの中から、ヒバゴンは目当ての野菜だけを回収すると、持ち込んだタライに水を入れ。
「仕上げだウホ、トロピカルフリーズ!」
ユーベルコードを使用させて水を凍らせ、鋼の拳で割り砕く。その上で、再びタライに水を注げば、これにて準備は完了だ。
回収してきた野菜をタライに放り込み、ヒバゴンは最後に立札を立てた。そこに書かれていたのは、『冷やしトマト始めました』の文字。そう、ヒバゴンが回収してきた野菜とは、他でもないトマトのことだった。
「この冷やしトマトならうっかり食べるはずでウホ」
ドヤ顔で決めるヒバゴンだったが、果たして怪人達の反応はどうか。確かに、周囲の雰囲気に溶け込んでいるといえば、そうなのかもしれないが。
「ん……なんだ、ありゃ?」
「……ったく、なにやってくれてんだよ。こんなに濡らしちまって……」
なにやらブツブツと呟きながら、怪人達はトマトを持ってはいったものの、それを食べることはしなかった。彼らは回収したトマトを再び野菜の山へ戻すと、残る野菜の収穫作業へと戻って行く。
怪人達に野菜を食べさせるのに必要なのは、『美味しそう』と思わせるように『調理』すること。丸ごと冷やしただけのトマトでは、さすがに料理とは認められず、怪人達の味覚を刺激することもなかったようだ。
苦戦
🔵🔴🔴
ティットリート・ポルカル
「相手がカメムシだって関係にゃいにゃ!」
と、言いながらも、鼻を押さえているいるが、実はあまり気にしてない。「ボクだって料理人にゃ!」
「臭い食材を扱う事もあるにゃ!」
そう言いながら、収穫された食材を眺めていると、見つかったのはジャガイモにタマネギ。慣れた手付きで、下ごしらえしてから炒める。
「ふふふ、味付けはこれにゃ〜」
ティットリートが取り出した瞬間広がる・・・異臭。
それは、彼が持ち込んだ『悪魔の〇〇』と呼ばれる調味料、ヒング。
しかし、熱を加えるといい匂いになる不思議なスパイス。
カンタンだけど美味しいジャガイモとタマネギのヒング炒めの完成!
「攻撃は任せたにゃ〜役割り分担にゃ〜」
●悪魔のスパイス
怪人達に野菜を食べさせるには、彼らの味覚を刺激するような料理を作って出さねばならない。だが、味覚を刺激するとはいっても、そもそもカメムシ連中の放つ悪臭が邪魔をする。
「相手がカメムシだって関係にゃいにゃ!」
それでも、必ず突破口はあるものだと、ティットリート・ポルカル(ケットシーのガジェッティア・f05382)はフライパン片手に気合を入れた。そう言う傍から鼻を抑えているような気もするが、細かいことは気にしたら負けだ。
「ボクだって料理人にゃ! 臭い食材を扱う事もあるにゃ!」
こうなれば、臭いには臭いで対抗してやろう。特性の秘密兵器をエプロンのポケットに忍ばせつつ、野菜の山から目当ての食材を取り出した。
彼が見つけたのは、どこにでもあるジャガイモとタマネギ。これだけでは決め手に欠ける気もするが、なにも奇抜な素材を使えば美味しい料理になるというわけでもない。
料理人であるティットリートの手にかかれば、これらの食材も一瞬にして、素晴らしい料理に大変身! 慣れた手つきで皮を剥き、一口サイズに切ったところで、それらを下ごしらえしてからフライパンで炒め。
「ふふふ、味付けはこれにゃ〜」
最後に取り出したのは、謎のスパイス。蓋を開けた瞬間、周囲に漂う凄まじい異臭!
果たして、こんなもので味付けをして、本当に大丈夫なのだろうか。知らない者からすれば、そんな風に思えたことだろう。
だが、そこは心配無用。ティットリートの取り出したのはアサフェティダ。悪魔の排泄物の異名を持つ、凄まじい悪臭を誇るスパイスなのだが……一度、火を通して炒めれば、不思議や不思議。悪臭は瞬く前に消え去って、主にタマネギの味を香りを引き立てる、魅惑のスパイスに早変わり!
「おや? なんだか美味そうな匂いがするな……」
「丁度いい。こちとら、腹が減ってたんだ。少し休んで、腹ごしらえするか」
匂いに釣られて集まって来たカメムシ怪人達は、警戒心ゼロでティットリートの料理に食らい付いて行く。
(「出だしは上々だにゃ。後のことは、他の皆に任せるにゃ」)
これでひとまず、怪人達の動きを止めることには成功した。後は、このまま料理を食べさせ続け、隙を見て一網打尽にしてしまえば、このエリアを制圧するのも容易いだろう。
成功
🔵🔵🔴
ラッセル・ベイ
ふむ、普通の攻撃は通用しないのか……
中々厄介な能力を持っているな
●戦闘……料理(POW)
仕方ない、作るか
然程得意というわけではないが、心得はある
「地盾グラウンド」にキャベツや玉葱を乗せ「炎剣フラム」で熱す
その上に塩や醤油を振れば、とても簡単な焼き野菜ができる
野菜自体が新鮮だからな、簡単ながら中々に美味
さぁ、幾らでも食べるが良い
……おや、具合が悪そうだな?
ハハハ、実は焼いた野菜に猛毒を混ぜたのだよ
彼女(ポイゼ)の必殺猛毒と言ってな、食べたら確実に死ぬ
さっきまでは攻撃が効かなかったが、やっと効果が現れたようだな
それじゃ、グラウンドを鉄板代わりにした礼を返すぞ
私が自分でやったって?知らん、逝ね
二天堂・たま
カメムシってキマイラフューチャーに関係あるのか?
農耕してる光景なんて見たこと無いし畑や野山も…いや、それより収穫を止めないといけないな。
UC:フレンズコールで召喚した相棒(ひよこ)達に調理の補助と給仕を任せよう。
ワタシはUC:神仙の料理術で料理を作りまくる。
さらに毒使いや医術の技能も活かし、一定量以上食べると効果が出るよう食べ合わせを悪くし、毒も仕込んでおくか。ムシだし。
レシピは
山菜(タラの芽、ふきのとう、菜の花、つくし)の天ぷら盛り合わせ、
二八ソバと野菜(春菊、姫たけのこ、春ゴボウ)のかき揚げ
人参とじゃが芋と玉葱とブロッコリーの豆乳煮込み
春キャベツと人参とコーンのすり胡麻マヨサラダ…かな。
神久・紅玉
ローラさん(f01443)と一緒に参加なのです
コミュ力のお陰で出来た友人さんの中に野菜しか食べない方が居たのです
その方の料理を参考にすればフルコースだって出来ちゃいますよ
でも……私1人じゃ手が足りません、ローラさん手伝ってくださいね?
これできっとお腹いーぱいにしてあげられますね!
メインは個別に作った、ファラフェル!ひよこ豆のコロッケなのです
ころころまるいカワイイコロッケはきっと大人気なのですよ?
戦いになったらお手伝いを……何をすればいいでしょうか
――なるほど、匂いをどうにかすればローラさんや皆さんが動きやすいですね
変幻自在の道具箱をつかい、トイピースで大きな扇風機を作って匂いを吹き飛ばしますよ
キャロライン・ブラック
紅玉(f03420)さまと参戦いたします
果たして、カメムシは人と同じものを食べるのでしょうか
それとも、怪人ですから関係ないのでしょうか……
なんて、考えたところで仕方ありませんね
なんであれ、沢山食べさせれば敵の動きも鈍るでしょう?
ええ、紅玉さまとなら、野菜のみのフルコースでも簡単なことです
協力して作って参りましょう
けれど、メインは別
お肉の代わりに豆やキノコを使った
シェパードパイをわたくしだけで作りますの
紅玉さまと共に料理なんて久しぶりですもの
どちらがより腕を上げているか勝負ですわ
攻撃は敵が食べきる辺りで始めましょう
わたくしは遠距離から近づけぬよう狙い打ちますわ
ですから、臭気はお願いね、紅玉さま?
●ザ・ポイズンクッキング!
収穫バトルに勝利するためには、怪人に料理を食べさせ無防備にした上で、一気に攻撃して殲滅する必要がある。だが、殲滅はともかくとして、料理を作るという部分には、ハードルを感じる者がいるのもまた事実。
「カメムシってキマイラフューチャーに関係あるのか? 農耕してる光景なんて見たこと無いし畑や野山も……いや、それより収穫を止めないといけないな」
謎の超未来世界に突如として出現した田園エリアの存在に、二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)は驚きを隠せない。もっとも、そうしている間にもカメムシどもが野菜をせっせと収穫しているので、まずはあれを止めなければ話にならない。
「ふむ、普通の攻撃は通用しないのか……。中々厄介な能力を持っているな」
いきなり攻撃できないことに、ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)は少々不満顔な様子だった。が、ここで眺めているわけにもいかないので、とりあえず作れる範囲での料理を作ることにした。
「仕方ない、作るか」
得意というわけではないが、心得はある。まずはラッセルが巨大な盾の上に野菜を乗せ、炎剣の熱を火種代わりにして焼き始めた。その上に塩や醤油を振れば、それだけで簡単な野菜バーベキューの完成だ。素材が新鮮なので、これだけでもそこそこ美味しい料理にはなるだろう。
その一方で、たまの作る料理には、随分と気合が入っていた。
まずは山菜。これは軽く灰汁を抜いた後で、ころもを付けて天ぷらにする。春菊、姫筍、そして春ゴボウは、残った天ぷら粉を使ったかき揚げに。
ニンジンとジャガイモ、そしてタマネギとブロッコリーは豆乳で煮込む。春キャベツやコーンを使い、胡麻とマヨネーズで味付けしたサラダも忘れてはならない。
「ふむ……それでは、最後の仕上げと行くか」
「そうだな。折角の野菜料理、タダで怪人に食べさせるなんて勿体なさ過ぎる」
互いに顔を見合わせて頷き、ラッセルとたまは、料理に粉を振り掛けた。一見、調味料を加えたようにしか見えないが……彼らが最後に添加したものは、とてつもなく恐ろしい代物だった。
●お野菜フルコース
カメムシ達の収穫している野菜の山は、気が付けば随分と高く積み上がっていた。
あれをこのまま放置していては、やがてこちらが負けてしまう。どうにかして、全てのカメムシ怪人の気を逸らせないかと、キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は思案した。
「果たして、カメムシは人と同じものを食べるのでしょうか。それとも、怪人ですから関係ないのでしょうか……」
先程までの流れからして、恐らくは後者だ。本物のカメムシであれば汁を吸うことしかできないが、あくまで彼らはカメムシの特性を持った怪人である。
人間の食べるものも、普通に食べることができるのだろう。ならば、ここはひとつ豪華な料理を作ることで、食べずにはいられない状況にしてやろうではないか。
「友人さんの中に野菜しか食べない方が居たのです。その方の料理を参考にすればフルコースだって出来ちゃいますよ」
そう言って腕をまくる神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)だったが、さすがに一人でフルコースを作るのは骨が折れる。
「ええ、紅玉さまとなら、野菜のみのフルコースでも簡単なことです」
キャロラインとも互いに協力することで、二人は野菜だけのフルコースメニューの作成に取り掛かる。
「えっと……まずは、オードブルよね。温野菜と……後は、サラダも必要かしら?」
「カボチャやニンジンを使えば、スープも作れますわ。後は……メインディッシュですわね」
一通り、基本的な料理を作ったところで、いよいよ取り掛かるメインディッシュ。なにやら、鍋に油を入れて揚げている紅玉が作ったのは、可愛らしいサイズのひよこ豆コロッケだ。
「紅玉さまと共に料理なんて久しぶりですもの。どちらがより腕を上げているか、勝負ですわ」
同じく、キャロラインも豆を使うが、それだけではない。野山で採れたキノコも加え、肉なしでも素晴らしい味のシェパードパイを完成させた。
「これできっとお腹いーっぱいにしてあげられますね!」
山盛りのコロッケと巨大なパイを前に、紅玉が思わず満面の笑みを浮かべている。これだけの料理があれば、全ての怪人に収穫作業を中断させることができそうだ。
●お代は命で頂戴します
猟兵達の作った野菜料理は、カメムシ怪人達にも好評だった。
「う~む、やはり働いた後の食事は美味い!」
「これだけガッツリ食えば、残る作業も捗るってもんだ!」
罠とも知らず、ひたすら料理を食べまくるカメムシ怪人達。しかし、料理も残りわずかといったところで、一部の者達に変化が表れ始めた。
「……うぐっ! な、なんか、腹が……」
「お、俺は頭が……い、いかん……身体が……痺れ……」
ラッセルやたまの作った料理を食べたカメムシ怪人達が、突如として腹を抱えてひっくり返り始めたのだ。
「どうやら、ようやく効いて来たようだな」
ドヤ顔で怪人達を見下ろすたま。続けてラッセルが、料理の仕上げに混ぜた謎の調味料について、怪人達にネタばらし。
「ハハハ、実は焼いた野菜に猛毒を混ぜたのだよ」
しかも、食中毒程度で済むような代物ではなく、食べたらほぼ確実に昇天するような猛毒だ。収穫中に直接攻撃しても効かなかっただろうが、食事に夢中で収穫を中断してしまった今、怪人達は毒に対する免疫も失っていた。
「それじゃ、グラウンドを鉄板代わりにした礼を返すぞ。私が自分でやったって? 知らん、逝ね!」
「くそっ! 卑怯な……ぐわぁぁぁっ!!」
猛毒の効果で動けなくなったカメムシ怪人達を、ラッセルが次々と斬り捨てて行く。だが、それにしても、連中は臭い! 倒すたびに周囲にカメムシの放つ悪臭が飛散し、これでは折角の料理も台無しだ。
「おい、なんかヤバいことになってねぇか?」
「こいつら……まさか、猟兵だったのか!? くそっ! 嵌められ……駄目だ、腹が重くて動けねぇ……」
慌てて、毒料理を食べていなかったカメムシ怪人達が立ち上がろうとするも、腹が膨れ過ぎて満足に動けない模様。これは殲滅するチャンスだと、まずは紅玉がトイボックスから取り出したピースで、巨大な扇風機を組み上げた。
「こんなときはこれですね! ふふ、困ったときはお姉さんにお任せですよ」
「なっ……ぐわぁぁぁっ! く、臭ぇぇぇっ!!」
倒されたカメムシ怪人達の放つ悪臭を、残る怪人達に向けて吹き飛ばす。哀れ、自分達の仲間の臭気にやられ、カメムシ怪人達はリバース寸前!
なお、実在するカメムシも、小瓶の中に大量に詰め込まれると自分達の臭気で自家中毒を起こす。彼らの駆除に困っている方は、お試しあれといったところか。
「どうやら、自家中毒に陥ったようですわね。後は、一匹ずつ確実に仕留めましょう」
最後は、遠距離からの狙撃を用い、キャロラインが確実にカメムシ怪人達を駆逐して行く。猛毒と悪臭の自家中毒で動けなくなったカメムシ怪人など、もはや彼女の敵ではない。
田畑に巣食う大害虫。農薬にさえ耐性を持つ彼らではあったが、しかし猟兵達の作った料理トラップには抗えず、完膚なきまでに殲滅されてしまった。
シュウカクフードバトル。このエリアでの勝者は、猟兵達の方に決まったようだ。
成功
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