3
バトルオブフラワーズ③〜身長57メートル

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ


0




●ウザカワロボ
「これはさすがに目立ってるっしょーーー!!!
 いやー、アタシってばロボ作らせても天才ね!!!
 これはもう、グッドデザイン賞とかもらえちゃったりするんじゃない?
 いいねもいっぱい来るに決まってるわよねーーー!!」

 ピンク色の髪の少女の様なロボットの操縦席で、ピンク色の髪の少女が調子に乗っているのだった。

「ロボになっても可愛いアタシを見てーーーーーー!!」

●グリモアベースにて
「皆さん、もう聞いていると思いますけれど、キマイラフューチャーで大規模な戦いが始まっています」
 集まった猟兵達を前に、今回予知をした彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が語っている。
「システム・フラワーズを占領しているオブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』を倒さなければいけないわけです。
 そしてそのためにはまず、周囲を守る6つの『ザ・ステージ』を全てオブリビオンから取り戻さないといけません。
 でないと、目的地である『システム・フラワーズ』にたどり着く事はできないんです」
 というわけで、今回いちごが示したステージはビルドステージの一つである。

●キョダイロボバトル
「このステージでは、『キョダイロボバトル』という特殊戦闘ルールが適用されます。
 まぁ、名前の通りですね。巨大ロボットでの戦闘になるわけですよ」
 ステージはキマイラフューチャーの表面部を再現したような都市となっているが、住民はいないので、被害に気を配る必要はない。
 そしてその中央には基地がある。
「皆さんが転送されるのは、その基地という事になります。
 基地が破壊されたら敗北ですので注意してください。
 そして、その基地内には様々な資材があるので、それを使って皆さんは敵の巨大ロボに対抗するためのマシンを作って戦ってもらうことになります」
 どんなマシンでも望めば作れるくらいの機材はあるので、あとは皆のアイデア勝負という事になる。
「最終的には、その皆さんの作ったマシンが合体して巨大ロボになる、はずです。
 うまく作れていれば……ですけど」
 もちろん、全機揃うまで待っていたら、基地が破壊されかねないので、自分のマシンを作ったものから順々に出撃して、まずは個別のマシンで戦闘してもらうことになるだろう。
「さて、敵ですけれど、敵ももちろん巨大ロボです。
 『アヤカ・ウザカワ』という少女のオブリビオンにそっくりな巨大ロボですね。
 当然操縦者は彼女でしょうけれども、ロボを倒してしまえばパイロットも消えるので、巨大ロボバトルにだけ集中してくださって大丈夫です」
 それではよろしくお願いしますと、いちごは頭を下げて皆を送り出すのだった。


雅瑠璃
 こんにちは、またはこんばんは。
 雅です。
 キマイラフューチャーの戦争、皆さんがんばってますか?

 というわけで、ここでは巨大ロボットでのバトルになります。

 基本的な流れとしては、各自自分の乗るマシン……合体ロボを構成するパーツの1機を作成してもらい、まずは分離形態での戦闘を行います。
 そしてマシンがある程度出揃ったら、合体して最終決戦という流れになります。

 なのでリプレイはある程度人数が揃い次第纏めてお返しする形になると思います。
 誰のどんなマシンと合体してどんなロボになるかは、こちらで適当に組み合わせますので、気にしないで構いません。
 皆さんは好きに、自分の乗るマシンに設定とか趣味とかいろいろ詰め込んでくださいませ(笑)

 それではプレイングお待ちしています。
224




第1章 ボス戦 『アヤカ・ウザカワ』

POW   :    そんなにあたしに関わりたいの?仕方ないなあ♪
全身を【構ってオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【痛みや苦しみ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    もっとアタシに構えー!
【音や煙が派手な様々な火器を装備したモード】に変形し、自身の【回避力と移動力】を代償に、自身の【命中と攻撃速度】を強化する。
WIZ   :    世界で一番可愛いのはアタシ!
【笑顔】【挑発的なポーズ】【自分を見ろというオーラ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:つかさ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リサ・ムーンリッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルーナ・セリオン
巨大ロボ! ガジェッティアで【メカニック】技能持ちのワタシの出番だね!
何でも作れるのならばマシン兼ガジェットとして最高のものを作ってみせよう!

ワタシは空を飛んでみたい、それも一般的な航空力学で考えればとても飛べないような鳥っぽい戦闘機でだ!

単独では堅い翼で攻撃したりビーム撃ったり出来るけど威力はお察しかな。
その分合体後は翼パーツになって出力向上や飛行機能を司る方向性で作ってみよう。
ただ、もしかすると合体したら金ピカになる機能とか色々凝りすぎて時間がかかるかもしれない。
その時は持ち堪えてもらう事になるかな。

いやあ、1回言ってみたいんだ。
「待たせたね!後はワタシに任せたまえ!」とかそういうノリの。


月山・カムイ
……ウザい、とはこういう感情ですか
ウサいではないのがミソですね……まぁ、冗談はさておき

合体ロボですか、その手のネタは特に履修していないのでよく判りませんが
折角ですから己を体現したもの、でも考えてみますか

最終的に合体したロボの武器になる系の侍ロボの作成
合体時には巨大な日本刀になりますので、サンライズパースで立っていただければと思います

合体前は大太刀を構えた侍ロボ
大太刀を振るい大量の敵をばったばったと撫で斬りにするイメージ

合体時は合体ロボの身長を更に超える大太刀となる
刀身はビーム系で更に長大に、相手が回避力移動力を封じるなら、離れた場所から一気に薙ぎ払うのに良いでしょう


摩訶鉢特摩・蓮華
おぉー、あれがオブリンの巨大ロボット…体重550トンくらいありそうだね!
まさか蓮華がロボットに乗って戦う日がくるなんて夢にも思わなかったよ。なんだかワクワクするね♪
それはともかく、基地を壊させるわけにはいかないから真面目にやるよ!

合体ロボといえば、やっぱりライオンロボだよね!口の部分から飛び乗って出撃だよ!
「さぁ、行くよ、トラ丸!発進!」
「待ちなさい!これ以上あなたの好きにはさせないよ!オブリンロボ!」
機動力を活かして前後左右あらゆる方向から爪や牙で攻撃するよ!
さらに奥の手で目からビームや口からミサイルも撃つね!
※オブリビオンのことをオブリンと呼びます。


リステル・クローズエデン
さて、お仕置きの時間です

作成
形状:暗褐色の蠍型メカ(脚部の他に腹部分にキャタピラ付き)
武装:両腕の大型捕獲クロー。尻尾のパイルバンカー。顎の電撃牙
追加武装:尻尾部に可変ビーム砲。背部に増設ミサイルポット

メカニック+武器改造+世界知識+ハッキングで作成。
世界知識とハッキングは作成の為の機械知識と制御系作成に

戦闘
運転しながら、見切りで情報収集。
地形を利用して目立たないように布陣し
スナイパー+援護射撃を行いながら拠点防御と時間稼ぎを行う。
場合によっては、ミサイルの一斉発射も行い目潰しを行う。

ダッシュ+スライディングで近づき
【我流闘法】命中重視。グラップル+鎧砕きで接近戦。
攻撃は見切りと武器受けで防ぐ


セシル・バーナード
巨大ロボットねぇ。いまいちピンとこない……あ、そうか。大きな人形だと思えば!
それじゃ早速建造しよう。

平均サイズより小柄な、ゴスロリ少女風ロボ。命名『アンブレラ』。
日傘で突いたり盾受けしたり、リストカットして零れた機械オイルを鞭のように振るったり、迫られたらフォックスファイアで攻撃するよ。

特徴はダメージを受けるたびに装甲(ドレス)が衝撃を吸収して剥がれてくこと。
で、剥がされ尽くしたら胸は平ら。スパッツの股間には膨らみが。

もう、分かってないなぁ。こんなに可愛い子がオンナノコなわけないじゃない。(誘惑)

合体時は、機体を覆っていたARの男の娘画像を消去して、適当に変形合体。
二度目の夢を壊してごめんね。


叶・雪月
ロボ制作だと……?!
いいだろう俺の【武器改造】が唸るぞ!
だが時間がないのでデザイン性は考えない方がいいなうん

まあ俺自身が剣を使うから剣を使う機体にしよう
うん黒い機体で本当ならば飛行形態から人型に変形させたいんだが……
まあこの名残の翼を合体時に活用してもらおう

さあ、行くぞ黒翼号!

巨大な敵と戦う場合の基本はヒットアンドアウェイだな
ふ、剣だからと近接だけかとおもったか?!
残念だな、この剣はこうやると……変形して銃になるんだ!
いざ食らえ!

……まあロボにはロマンがあるからな、戦争とはいえはしゃいでしまったのはお目こぼししてもらいたいな



●胸がなぜかドキドキする
 人のいないゴーストタウン。
 その中央には、いかにもスーパーロボットの拠点といった感じの基地がある。
 猟兵達がそこで対抗するメカを作ろうとパーツを漁っている間にも、ウザカワロボは迫ってきていた。
『はっはっはー! 見れ見て、アタシをモデルにしたロボ、可愛いだろー!』
 中のパイロットのドヤ顔が見えそうなウザさである。
 だが、ウザいのは見た目と喋りだけで、ロボ自体は脅威ではある。ウザカワロボの一部外装が変形し、銃口らしきものが姿を現す。
『うりゃうりゃうりゃー! もっとアタシを見ろーーー!』
 そこから派手な弾幕が基地めがけて飛んでくるのだった。
 幸いにも、見た目や煙、火花が派手なだけで、攻撃力自体は大したことはないのだが、このまま一方的に攻撃されていれば、基地が崩壊するのも時間の問題である。
 そんな中、ついに自らのメカを完成させた猟兵達が出撃する!

「おぉー、あれがオブリンの巨大ロボット……体重550トンくらいありそうだね!」
 自身の乗るメカを完成させた摩訶鉢特摩・蓮華(紅蓮眼・f09007)は、基地の司令室に戻ってくるなり、窓の外から見えるウザカワロボにそんな感想を漏らす。ちなみに、オブリンとは、彼女がオブリビオンを呼ぶ際の呼称である。オブリビオンだと長いからそう略して呼んでいるらしい。
『んなっ?! そんな重くねぇーし! アタシもっと軽いんですけどぉー?!』
 そんな蓮華の声が聞こえたらしいウザカワロボ……というかその中のアヤカは何か妙に慌てたような声をあげるが、蓮華はマイペースにアヤカの反応をスルーすると、司令室にある搭乗シューターの中に飛び込んでいくのだった。
「まさか蓮華がロボットに乗って戦う日がくるなんて夢にも思わなかったよ。なんだかワクワクするね♪」
 シューターを滑り降りながら、興奮を隠せない蓮華。
 狭い通路を滑り降りていったその先には、彼女が設計開発したライオン型ロボの巨体が天井に四つ脚で立つようにぶら下がっていたのだった。
「さぁ、基地を壊させるわけにはいかないから真面目にやるよ!」
 シューターから飛び出した蓮華は、ライオンの口の中に飛び込んでいく。
 そのまま逆立ちの要領でロボのコクピットに着席すると、ぐるんとどんでん返しのように天井が回転し、基地の外の大地へと入れ替わる。
 ライオンロボは地上に雄々しく四本の脚で立つと、まるで生き物のように吠えるのだった!
「さぁ、行くよ、トラ丸! 発進!」
 ……ライオンじゃなかったのかよ?!

『ライオン? トラ? でも、もふもふじゃないネコ科なんか可愛くねーし!
 アタシの方がよっぽど可愛いし……ってうぼぁーー?!』
 出撃するなり、ライオンの機動力を生かして突撃したトラ丸は、そのままウザカワロボに鋭い爪で攻撃を仕掛けていく。
「これ以上あなたの好きにはさせないよ! オブリンロボ!」
『そんな可愛くない名前じゃねぇーし!!!』
 反撃にと、見た目だけは派手な火器攻撃をトラ丸にあびせてくるウザカワロボだが、前後左右あらゆる方向へと跳躍するトラ丸をとらえきれない。
「くらえ! 奥の手!」
 そして、ライオンの目から放たれるビームが、ウザカワロボのまき散らした爆煙を貫いて突き刺さるのだった。

●急に泣き出した空に声をあげ
『おにょれ……。
 もふもふでもないくせにこの可愛いアタシになんてこと……うぼぉーーーー?!』
 ウザカワロボがトラ丸のビームを受けて後退していく中、別方向から飛んできたビームと大量のマイクロミサイルの雨が、さらにウザカワロボを襲っていく。
「さて、お仕置きの時間です」
 そう静かに呟いたのは、2番手で出撃してきたリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)であった。
『なに、どこから攻撃来たの?!』
 ウザカワロボが辺りをきょろきょろと見まわす中、キュラキュラキュラと無限軌道が回転する音がする。
 無限軌道の音が、ウザカワロボの近くまで迫り、そして振り上げた大きなクローがウザカワロボの脚を掴んで引きずり回した。
「あばばばばばばば……なによ、なんなのよ、どこからって、下ぁ?!」
 そのまま引きずられて転ばされたことで、ようやくアヤカは新手の姿を視認する。
 それは、暗褐色の巨大な蠍。
 多脚の先端がキャタピラになっているだけではなく、その胴体にもキャタピラが設置されており、それで移動する巨大な蠍型メカである。
 もちろん、ウザカワロボを掴んで転ばせたのはその両腕の大型クローだ。
 さらに尻尾には先程の砲撃を行ったビーム砲とパイルバンカーが備えてあり、背にはミサイルポッドも装備されている。そして口もまたバリバリと電撃火花を放つ武器となっているようだ。
 これこそがリステルの持てるスキルを駆使して作り上げた傑作である。

『このぉ! そんな平べったいの、踏みつぶしてやるわよ!』
 クローを振り払い立ち上がったウザカワロボは、蠍メカを踏みつぶそうと脚をあげる。
「無駄です」
 だが、リステルはあわてる騒がず、その攻撃を見切って後退すると、ミサイルの弾幕を張ってウザカワロボの視界を塞ぐ。
 一度視界を奪ってしまえば、ここはゴーストタウン、周りには身を隠す建物など山ほどある。意外と素早い無限軌道の動きで身を隠すと、自分の姿を探して辺りをうろつくウザカワロボの背面へと急に出現し、生身で行う【我流闘法】の応用で、蠍の鋏と尻尾を使っての格闘戦を挑んでいくのだった。
『うぼあぁーーーー?! アタシの尻に刺さったーーーー?!』
 パイルバンカーを背後から突き刺し、ヒットアンドアウェイで再び離れていく。
 リステルの蠍は見事にウザカワロボを翻弄していた。

●魅せる真剣ナメたら危険
 トラ丸や蠍メカの攻撃は、ウザカワロボを翻弄していた、だが、とにかく存在がウザいウザカワロボである。装甲が傷ついているのはわかるのだが、まだまだ中枢は全然無事の様子。
 ともあれ、その2体からなんとか離れて逃げ延びたウザカワロボの中で、アヤカは一息ついていた。
『ったく……動物メカがウロチョロと……ウザいっつーの!』
「貴方がそれを言いますかね?」
 アヤカに対するそんな言葉とともに、突如基地から射出された巨大な日本刀が、ウザカワロボの眼前を掠めて地面に突き刺さる。
『ああああ! 危ないじゃないの!
 この可愛い姿に傷でもついたらどうするんだっつーの!』
「……ウザい、とはこういう感情ですか」
 心底ウザそうに言いながら、突き刺さった日本刀……いや、よく見るとそれは、日本刀を構えた侍ロボだった……のコクピットの中で月山・カムイ(絶影・f01363)はウザカワロボを睨みつける。
「まぁ、冗談はさておき、斬り捨ててあげましょう」
 合体ロボとかそういう知識は特になかったカムイが、何を作るかと考えた時に思いついたのは、己を体現した人型であった。
 ウザカワロボに対するには随分と小柄な侍ロボだが、その体格差にひるむこともなく大太刀を構えてウザカワロボに斬りかかる。
 まるで普段のカムイの剣戟のように。
『はん! 誰がわざわざ刀振るってる周りに行くかっつーの!』
 だが、ウザカワロボは侍ロボの大太刀をかわすと、距離を取って火器での攻撃を仕掛けてきた。
『うりゃうりゃうりゃ! ハチの巣になれっつの!』
「そちらこそ、私の剣を甘く見ないでほしいですね」
 しかし、カムイの侍ロボは、ウザカワロボの火器の弾幕にも慌てず、大太刀を振るう。まるで大量の敵の中を舞って撫で斬りにするかの如く、ウザカワロボが放った弾を次々と大太刀で切り裂き、全ての弾幕を地面に叩き落としていった。
『んなっ?!
 なんてカッコいい……っつーか、目立つことやっちゃってくれてるわけー?!』
「即席で作った割には意外と思いのままに動けますね。
 とはいえ、私だけでは弾幕を防ぐのがやっとですか。しばらくは攻撃は他の人にお任せですかね」
「なら、2人ならどうだ?!」
 カムイの呟きに、脇から別の声が応える。
 と同時に、黒い剣士を模したロボが、手にした剣でウザカワロボに攻撃してきた。
『ちょわっ?! 誰よ?!』
「黒翼号見参! さあ、行くぞ!」
 現れたのは翼のある黒い剣士。乗っている叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)の言葉からすると、黒翼号だ。
 実はこの黒翼号、雪月からすると時間が足りなくて作りこみが甘い代物だったりする。デザインはやっつけだし、本当なら飛行形態から人型に変形させたかったのだが、そこまでやっている余裕もなかったからだ。そもそも最終的な合体機構とは別に、個別のマシンに変形機構を付けての三段変形はかなり手間がかかるので、雪月の武器改造スキルを駆使してもそこまではできなかった。ゆえに黒翼号の名前と、背中の翼は、飛行形態への変形を思い描いた夢の名残であった。

 閑話休題。
 とにかく。巨大なウザカワロボに対するには、カムイの侍ロボ同様に雪月の黒翼号もまだまだ小柄ではあるが、しかし小柄ゆえに動きの速さでは両機ともウザカワロボを越えている。
「巨大な敵と戦う場合の基本はヒットアンドアウェイだな!」
 そういうと雪月は、ウザカワロボを黒翼号の剣で斬りつけると反撃が来る前に即座に離脱する。そうして意識が黒翼号に向いた隙にカムイの侍ロボが別方向から斬りつける。
「こっちがお留守ですね!」
『あーもー! ちょこまかと、ウザいったらないったらーーー!』
「だからお前がそれ言うんじゃねぇよ!」
 2機がかりの攻撃から逃れて離れようとするウザカワロボに対し、黒翼号は手にした剣を変形させる。
「ふ、剣だから離れればいいと思ったか?
 残念だな、この剣はこうやると……変形して銃になるんだ!」
 そして逃げようとするウザカワロボに追撃の銃撃を浴びせていく。
「食らえ!」
『お、お、覚えてなさいよぉーーーーーー!』
 そんなお約束な捨て台詞を残し、ウザカワロボは、銃弾に撃たれながらも一目散に逃げていった。
「逃げられたか……ちょっとはしゃぎすぎたか?」
 ロボにはロマンがあるのだから、ちょっとくらいはしゃいだのはお目こぼししてほしい雪月である。
「でもあちらには、他のマシンが出撃してたでしょう?
 あとは追いつめて、合体してトドメですね」
 そういうと、カムイの侍ロボもウザカワロボの後を追っていった。

●モザイクカケラ
「おっと、ここから先は通さないよ!」
 ウザカワロボが逃げていく先には、すでに先回りしていたのか、巨大なゴスロリ人形が通せんぼをしていた。
『な、な、なによそれ!
 アタシのロボの方が可愛いに決まってるしーーーー!!』
 目の前に突然現れた可愛い外見の人形……ゴスロリ少女風ロボのアンブレラを前に動揺が隠せていないアヤカである。

「巨大ロボットねぇ。
 いまいちピンとこない……あ、でも、そうか。大きな人形だと思えば!」
 セシル・バーナード(セイレーン・f01207)は、そんな思い付きを形にした。
 それがアンブレラである。
 ウザカワロボよりもかなり小型な、先ほどの侍ロボや黒翼号よりも一回り小柄な、日傘をさしているゴスロリ少女型のロボだ。

『なにさ、そんなの! 世界で一番かわいいのはアタシだしーーー!』
 アヤカのウザカワロボは、そう叫びながら、内蔵火器を乱射してアンブレラを攻撃する。
 アンブレラはその名の由来でもある日傘を盾にしてそれを防ぎ、手首から伸びる鞭で攻撃を仕掛けていった。
「えい、えいっ!」
『うわ、何よその鞭?! 液体? オイル?
 よく見たら手首のそれリストカットの跡じゃーーーん?!』
 アヤカがすっかり解説してくれているが、アンブレラが鞭のように振るっているのは、手首のリストカット跡を模した噴出口から流れ落ちる機械オイルである。ゴスロリ少女だからというこだわりの外見といえよう。
『メンヘラ? メンヘラなの? ウザいってホントーーー!!』
「だからそれをキミが言う?」
『やかましいっつーの!!』
 アンブレラに不気味なものを感じたのか、アヤカはとにかく火器を集中して攻撃していく。日傘の盾でもやがて防ぎきれなくなり、次第にゴスロリ衣装が破け、その地肌……というか一次装甲が露になっていった。
『はん、なーによ、胸ぺったんこじゃない』
 衣装という名の装甲が剥げていったアンブレラ本体の胸は絶壁のようにまっ平らで、なぜかアヤカは勝ち誇ったようにドヤ顔をするのだった。
『ほらほら、早くなんとかしないと、自慢の人形が真っ裸になっちゃうわ……よ?!』
 そして更なるウザカワロボの攻撃で衣装はどんどん千切れ飛び、やがてスパッツが露になってしまう。
 そのスパッツは、もっこりと膨らんでいた。
『な、な、な、なによそれーーーーーー?!
 ナニカ膨らんでるじゃないのぉーーーーーー?!』
「やだなぁ。こんなに可愛い子がオンナノコなわけないじゃない。
 もう、分かってないなぁ」
 まさかの男の娘ロボである。
 セシルは朗らかにそう言い放つのだった。
『ば、ば、ば、馬鹿じゃないのぉーーーーー?!』
 なぜか本当に生身のもっこりでも見た気分になったのか、アヤカは顔を真っ赤にしてアンブレラに背を向けて逃げるのだった。

●大空はばたく紅の翼
『ひぃ、ひぃ、なんなのよもーーー!
 この可愛いアタシに対する扱いがなってないんですけどぉーーーー?!』
 アンブレラから逃げ出したものの、ウザカワロボとアヤカは、トラ丸や蠍メカ、侍ロボに黒翼号と、5機のマシンに次第に囲まれていった。
『あーもぉ、これ以上付き合ってられないっしょ!
 アタシの可愛い姿が見にくくなるからやりたくなかったけど、飛んじゃえばもう関係ないもんねー!』
 そう言い放ち、ウザカワロボは脚からジェット噴射をして空へと逃れようとした。
 だが、そこに。
「待たせたね! ここはワタシに任せたまえ!」
 凛とした声が響き、空からナニカが急降下して、飛び上がろうとしたウザカワロボを迎撃する。
 あれは鳥か?
 飛行機か?
 いや、ルーナ・セリオン(機械仕掛けの探求存在・f13441)の操る鳥型戦闘機だ!

「巨大ロボ! ガジェッティアでメカニック技能持ちのワタシの出番だね!
 何でも作れるのならばマシン兼ガジェットとして最高のものを作ってみせよう!」
 そう言ってルーナは基地内で実に楽しそうに機体を組み上げていた。
 空を飛んでみたいと、それも一般的な航空力学で考えればとても飛べないようなマシンで、と。
 その結果、通常では飛べない形の鳥型飛行機を飛ばすための仕掛けを作ったり、さらに合体後の機能とかもいろいろ凝りすぎたりして、制作に一番時間がかかっていたのである。
 その代わり、一度は言ってみたかった台詞をいう事が出来たのだから、ルーナ的には満足なのかもしれない。

 とにかくそうして飛来したルーナの鳥型戦闘機は、ビームを撃ちながら牽制しつつ、一直線にウザカワロボへと降下し、その硬い翼でウザカワロボに体当たりをぶちかまして、地面へと叩き落とした。
『なんでよーーーーー?!』

 そして、ついにここに、この基地を守る6機のマシンが勢ぞろいしたのである!

●怒りをこめて嵐を呼ぶぜ
 墜落してふらふらと立ち上がるウザカワロボの周りを取り囲む猟兵達のマシン群。
『ぐぐぐ……この……』
 アヤカのイライラも頂点に達していた。
 そこに、ルーナが仲間の猟兵達に声をかける。
「よし、ここは私が号令かけさせてもらおう。
 行くぞ、みんな、合体だ!」
「「「おーーー!!!」」」 

 合体の合図を受け、各マシンが変形していく。
 セシルのアンブレラが、ゴスロリ男の娘だったテクスチャを消し、左右に分離して両脚へと変形する。
 リステルの蠍メカがキャタピラを収納してその上に乗り、左右の大型クローを分離させたのちに、腰と尻尾へと変形する。
 蓮華のトラ丸は、手足を収納してその上に乗り、ライオン頭を正面に抱いた胴体部へと変形する。
 雪月の黒翼号は、胴体が左右に分かれ、翼部分を残したまま肩と上腕部に変形してその上へと合体する。さらに蠍メカから分離したクローが肘から先の腕を形成して、クローの中から拳が現れる。
 ルーナの鳥型戦闘機が、黒翼号の翼部分に合体して巨大な翼に変形するとともに、鳥の頭の部分が変形して巨大ロボの頭部へと変わる。
 そして最後に、カムイの侍ロボが一振りの巨大な日本刀に変形して、合体した巨大ロボが、両手でそれをがっちりと握る。
『完成! 巨大イェーガーロボ!!!』
 ロボは大きく足を広げ、半身で右足を前に出し、剣先を敵に向けてかまえた。
 合体と同時に全身が金色に輝きだしたロボは、まるで日の出を背に受けた勇者のような雄々しい立ち姿であった。

『な、な、な、なによそれはーーーーー?!
 アタシのロボちゃんより大きくて、そんなの反則なんですけどぉーーーー?!』
 完全に度肝を抜かれて立ち尽くすウザカワロボとアヤカ。
 ここまで様々な攻撃を受けてきているとはいえ、まだ中枢部分にはダメージもなく戦闘力はそれほど衰えていないウザカワロボなのだが、合体したイェーガーロボの雄姿に完全に気圧されていて、立ち尽くしてしまっていた。

 そこにカムイの大太刀を振るうイェーガーロボが迫る。
『くらえ! 剣神一閃! 必殺イェーガースラッシュ!!!』
 大太刀の刀身から合体したロボよりもさらに長く伸びたビームの刃が、一刀両断の横薙ぎに、ウザカワロボを切り裂いていく。
『そんなーーーーー?!』
 上下に分断されて爆発するウザカワロボの中にアヤカの声が消えていき、このベースでの戦いは猟兵達の勝利に終わるのだった。

 強いぞ、イェーガーロボ!
 ありがとう、イェーガーロボ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月04日


挿絵イラスト