バトルオブフラワーズ⑤〜目指せ足神さま
●EGOISM
此処は『ザ・ステージ』の一つ、ザ・ゲームステージ。
其処に存在するコンピュータールームの様なその場所には、何故かゲーム筐体が用意されていた。
55インチの巨大モニターを搭載したその筐体の前の床には、上下左右の矢印が描かれたパネルが二枚並んでいる。
そしてそのパネルをじぃっと見ている爆弾頭の怪人が一人。
『パネルが二枚って、リア充向けだよなそうだよな。そんなの許せる訳あるかぁあ!! 爆破だ爆破ぁあああ!!』
突然の絶叫。いや、別にこのゲーム筐体はリア充向けじゃないのですがね?
●Do you think about me ?
グリモアベースの片隅で、集まった猟兵達を前に月華は一礼する。
「集まってくれてありがとう。さて、知っている人も多いと思うけれど、キマイラフューチャーが真っ二つに割れたね。いや、真っ二つに割れたのは、道を君達へ開くためなのだろうけれど」
相変わらず淡々としながら口を開く月華。
中枢の『システム・フラワーズ』を占領する『ドン・フリーダム』に辿り着くために、その周囲を守る六つの『ザ・ステージ』を、すべてオブリビオンから取り戻さないといけない旨を伝える。
今回、月華が猟兵達を転移させる先は『ザ・ゲームステージ』になる。
「……まずはオブリビオンとゲームバトルをして、決着を付けないといけないみたいなんだ。勝てれば有利に戦えるから、全力で勝ってきて」
特殊な力が働いているらしく、ゲームバトルは避けて通れない道で。しかしバトルで勝利すれば、その後の戦闘は有利になる故ガチでバトルして来いとのこと。
「対戦してもらうゲームは所謂、リズムゲームらしいよ。音楽に合わせてタイミングよく足元のパネルを踏むものみたい」
ゲームがスタートすると、筐体から音楽が流れだす。そして画面上に上下左右の矢印が流れてくる。
画面上には判定ラインがあり、判定ラインに矢印が重なったタイミングで対応する矢印パネルを踏めばよいのだ。
ゲームの決着がつけば、怪人との戦闘が始まる。
「とりあえず、水分補給は忘れないでね。君達ならば大丈夫だと思うけれど、ゲームは何気に体力使ってハードみたいだから。それじゃあ、行ってらっしゃい」
そう言うと月華は、スポーツドリンクを手渡し猟兵達を見送った。
雪月キリカ
はじめまして、もしくはまたお会いしました、某ゲームの脚前は三段の雪月です。
それ以上の段位は私にはまだ早い。
少し補足を。ゲームの開始前には曲を選ぶことが出来ます。
BPMが速い曲を選曲して怪人を疲れさせたり、変速する曲を選んで突然の高速、低速や停止譜面にアワアワさせたりすればいいと思います。
当然のことながら実際に存在する曲名は出せませんのでご注意ください。
第1章 ボス戦
『リア充どもは爆発しろ怪人』
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POW : リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アルル・アークライト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『リア充共がこのゲームでキャッキャウフフするのを阻止するには、俺が片側のパネルに立てばいいんじゃね?』
我ながらナイスアイデアだと自画自賛しながら、うんうんと一人頷く爆弾頭をした『リア充どもは爆発しろ怪人』。
リア充向けではなくて、対戦する為にパネルは二つあるのだが…… どうしてもそういう思考になるのは、リア充にジェラシーを感じているからなのかもしれない。
そんな中、怪人は突然転移して来た猟兵達に気付くと、自分の役割をハッと思い出す。
リア充への嫉妬で半ば忘れかけいたが、自分は今用意されているこのゲーム筐体で敵とバトルし、激沈させ追い返さなければいけないのだったと。
『来たか我等が敵達め。健やかなるリア充爆破の為に、いざ、尋常にゲーム勝負せい!!』
だから何か違うってば。
高柳・零
POW
リズム…ゲーム…。苦手なんですが。
自分は素早い動きが苦手なので、スローテンポの曲を選びましょう。
相手は気が短そうなので、待ちきれなくてミスる可能性もありますし。
「この筐体で何組のカップルが愛を深めたんでしょうね?」
「今の矢印、ハート形に並んでましたね」
敵を煽って、ミスを誘発させます。自分は慎重に、ミスらないよう、ゲームを進めます。
ゲームに負けた場合は、見切り、盾受け、オーラ防御で守りを固めて持久戦に持ち込み、敵が疲れてきた隙を突いて天斬りを繰り出すという戦法を取ります。
勝った場合は、オーラ防御を全身に展開しつつ、2回攻撃の天斬りで一気に勝負を付けに行きます。
アドリブ歓迎です。
大町・詩乃
幸せな恋人達を爆破するなんて見過ごせません。
お相手致しましょう。
まずはリズムゲームですね。
選曲できるとの事ですので、神社でよく流れる雅楽を選びます。
これならば耳だけでなく全身で覚えておりますので得意ですよ。
神楽を舞うような感じでゲームクリアします。
怪人の方にはゆっくり過ぎて逆に合わないかもしれませんが。
その後の戦闘ではUC:神性解放で戦闘力向上。
「恋人達もこの街も爆破なんてさせません!」という決意で臨みます。
薙刀による【光の属性攻撃】【なぎ払い】で怪人に対して攻撃します。
勿論、周囲の人々やゲームセンターに被害が出ないよう注意します。
ちなみに私は恋人いませんので、嫉妬を込める先では無いですよ~。
亜儀流野・珠
キマフュが割れたと聞いて来てみれば。
何やら見た顔…いや見た頭だな?
で、ダンスゲーか!
リズムゲーは得意だぞ!体動かすの好きだしな!
まあ確かにな?このゲームはかつては「カップル」とかいう直球モードがあったが。今は一人で二面踏むのが主流だな!
さて曲だ…怪人よ!このBPM50~400の高難度曲で戦おうじゃないか!
体力にも足捌きにも自信はある!
そして奥義「天眼」…速かろうと遅かろうと止まろうと、判定直前で見て踏めばいい!簡単だ!
だができん者は体力気力ゲージも全て奪われるだろうな!
【戦闘】
「天眼」を使い攻撃を避けつつ接近、
木槌「砕」で腿を脛を膝をゴンゴン殴る!
バランスを崩したならそのまま頭もスコーンだ!
月凪・ハルマ
キマヒュー世界こんなばっかかオイ。
戦争という緊張感は何処に行った
あー、心配するな怪人。俺リア充ではないよ。
それはそれとしてバトルはするけど
◆SPD
曲はこっちが選んでいいんだよな?
それならゲーム内に収録されているものから
一番テンポが速いものを選択してやろう
―折角だ。どうせやるなら、お互い派手にいこうじゃないか
流れてくる矢印タイミングを【見切り】ながら、
正確な【早業】の足捌きで踏んでいく
こっちの体力もキツイが、それは向こうも同様だろう
ゲームに勝ったら次は戦闘で……と言いたいけど、
ぶっちゃけこっちも疲労困憊なので
UC【大神召喚】発動
(召喚した黒狼に)……それじゃ、後は任せた。
思い切りやっちゃって
リリスフィア・スターライト
世界の危機の中でもゲーム対決なんて
この世界らしいよね。
リズムゲームに挑戦だね。
なるべく変則的なテンポの明るい感じの曲を選びたいかな。
パネルの動きを把握してタイミングよく踏んでいくよ。
どうせなら楽しんでだね。
ゲームに決着後は気を取り直してバトルだね。
多少疲れていても気力で補うよ。
爆破される前に全力天開で一気に勢いを付けて一撃で攻めるよ。
「ゲームは楽しんでこそだけれどね」
「爆破されるのはそっちの方だよ」
レネシャ・メサルティム
ふぅん?あの上で踊ればいいのね
(深く考えずにBPM160~200超くらいの変調系曲をチョイス)
靴はそのままでいいのかしら?ヒールで壊れない?
●踊
対決と言う事だし、全力で踊る
開始と同時に、翼ばさぁっ
思いっきり翼を広げて、広げっぱなしで踊る
慣れてきたら無駄にくるくる回る
怪人の方の画面が、翼で隠れるかもしれないわね?(確信犯)
何か言われても
翼を閉じたままだと踊り難いの
とか何とか、押し通す所存
●戦
踊り疲れて動きたくなってるのでサイコキネシス
何か持ち上げるのに丁度いいものを探し
丁度良いのがあるじゃないと
さっきまで踊ってたゲームの筐体に目を付けて
サイキックエナジーで持ち上げてぶん投げたり振り回したり
筐体は何故か元々用意されていたものだから、曲は猟兵達が好きに選んで良いという謎のハンデを付けた怪人。
どれを選曲して良いのか分からないというのがあったのだろう。爆破ばかりに執着し、音楽に縁遠そうである。
曲を好きに選べるという事は、己のやり易いテンポで戦えるという事。
さぁ。いざ向かわん、対決の舞台へと。
●Are You Ready ?
一番手は零(テレビウムのパラディン・f03921)だった。
「リズム…… ゲーム…… 苦手なんですが」
音を取りそれに合わせるゲームは苦手ではあるが、苦手なりにも出来そうな曲を探す。
モニタ下のボタンをポチポチしながら見つけた曲は、ゲーム内でも最もBPMの低いスローテンポのバラード。
『フ、ゆっくりとした曲ならば俺にも出来そうだ』
足慣らしに丁度良いなと余裕を見せる怪人は、右側のパネルに立ちスタートを待つ。しかし左側に立った零は、己が負けるとは思わない。なぜなら秘策があるからだ。
曲が始まれば、三連符の分かりやすいリズムで矢印が流れてきた。怪人も零も、慎重にパネルを踏みスコアを伸ばす。
だが初見でもプレイしやすい譜面だからか、お互いスコアが拮抗し合いどっちに勝敗が転がるか分からない状況で。
そんな中、零はぽつりと言葉を零す。
「この筐体で何組のカップルが愛を深めたんでしょうね?」
それを聞いた怪人の動きがピタッと止まった。
『カップル。リア充。バラードでラブラブゲームプレイ……そんなの爆破だ爆破ぁあ!!』
そんな想像をして心を乱してしまい、怪人は踏むタイミングをつかみ損ね幾らか取りこぼしを発生させてしまう。
それが零の秘策だった。カップルネタで相手を揺さぶれば、この怪人の事だ。必ずミスをする。目論見通りにリア充爆破に燃え、矢印を続々取りこぼす怪人。
さすればスコアに差が出るのは必然。そして零は怪人よりも高いスコアを収め、勝利を手に入れたのだった。
幸せな恋人たちを爆破しようとするな怪人なんて……!
これから起こり得るかもしれない可能性を見過ごす事など出来ず、お相手致しましょうと前に出るは詩乃(春風駘蕩・f17458)。
『この世にリア充ある限り、爆破をするのが俺のさだめ。それを覆す事など出来ん!』
リア充どもは爆発しろ怪人なので、そう簡単には性根を直すことは難しい。
それは仕方無くなど無いけれども、まずはゲーム勝負と、詩乃が選んだ曲は己にとても馴染みのある雅楽。
他の曲に比べスローなテンポではあるが、これは耳だけでなく全身で覚えている為に得意な曲だ。
決定し、パネルに立てばそこはもう詩乃の舞台。
笙と龍笛の音が筐体から流れ出し、厳かな雰囲気へと一変する。
曲に合わせ流れてくる譜面は雅楽の動きを模する為か、判定の開始から終了までの間、ずっと踏んだままを指示する矢印が流れてくることが多かった。
一見シンプルで誰にでも出来る様な譜面で、スコアに差をつけるのは精度だ。
怪人はこんな易しいものをと甘く見ながらプレイし繋いでいるが、それはグッドやOKの判定多めのコンボである。
対し詩乃は完璧な神楽を舞ったかの様に、パーフェクト判定の多いコンボで。
お互いフルコンボでクリアしたが、同じフルコンボでもパーフェクト判定の多い詩乃の方がスコアは上。
簡単だと思って抜かったわ……!! と悔しがる怪人を横に、詩乃はトトンと軽やかにパネルから降りるのだった。
キマフュが割れたと聞いてやって来たら、なにやら見たことのある顔…… いや、頭がいると、怪人の頭を見るのは珠(狐の恩返し・f01686)。
それはさておき、ダンスゲーで勝負とな?
「リズムゲーは得意だぞ! 体動かすの好きだしな!!」
嘗ては『カップル』なる直球モードもあったこのダンスゲームだが、今は一人で二面踏むのが主流になっているな等と回想しながら、珠は選曲をする。一体その回想は何時何処の事なのかは気にしてはいけない。
「怪人よ!このBPM50〜400の高難度曲で戦おうじゃないか!!」
珠はびしっと怪人を指差し、バトルを挑む。
『どんな曲が選ばれようと、正々堂々と戦うのみだ! かかってくるが良い!』
そして流れ出した曲は、まるで冥王の様な曲だった。モニタ上にはゆっくりと、密集した矢印が流れてくる。
珠も怪人も落ち着いて踏んでゆくのだが、曲の途中にある譜面停止箇所で二人のスコアに差がで始めた。
『天眼』で判定直前にタイミングを判断し、適切に停止箇所を捌く珠に対して、怪人はタイミングを掴み損ねミスを発生させてしまう。
『おのれ……だがまだだ。まだ前半せ……ファァッ?!』
突然怪人が奇声を発したのは、突然矢印が流れてくる速度が上がったからである。刻んでいたリズムが狂い出す怪人。スコアにさらに差が出始める。
矢印を見切ってリズムのギアを切り替えながら、珠はテンポよく舞い跳ねて。曲の終盤には怪人と10万近いスコア差を付け、そしてそのまま勝ち切るのだった。
戦争という緊張感は何処いった。キマフュー世界こんなんばっかかと心中で突っ込むのはハルマ(天津甕星・f05346)。
「あー、心配するな怪人。俺リア充ではないよ」
『そうか。リア充だと言ってきたら今この場で爆破してやるところだった』
そんなやり取りを交わすと、曲はこっちが選んで良いのだなと、ハルマが選ぶは筐体内でも最も基本テンポが速い曲。一般には高速体力譜面曲と呼ばれるものだった。
「折角だ。どうせやるなら、お互い派手にいこうじゃないか」
『俺の脚力と貴様の脚力、どちらが優れているか白黒つけてやろう』
曲が流れ出すと少しして、画面上には密集した矢印が高速で現れる。
その速さはBPM440。一分間に440回のリズムを刻むと言えばお分りいただけるだろうか。
ハルマも怪人も、その矢印を捌くために無言で只管に足を動かす。軽口を叩く余裕はないのだ。
普通の者ならば振り回され、筐体から転げ落ちかねないその譜面を適切に捌く二人の様子は、まるでトップランカー頂上戦。
休み無く襲いかかる譜面は二人の体力を容赦なく奪う。
それでも、ハルマは高い精度でパネルを捌き、怪人とのスコア差をつけて行く。
精度はスコアに影響を及ぼすのだ。踏んだタイミングが微妙にずれているだけで、加算されるスコアに差が出る。
曲が終わり、画面上に表示されたハルマと怪人のスコアは、矢印を見切り、早業で正確に捌いたハルマの方が上。
二人は息切れを起こしながらも、ナイスプレーだったとお互いの健闘を称え合ったのだった。
世界の危機でもゲーム対決なんて、キマフュらしい。
「どうせなら楽しんでだね」
ならば明るい曲がいいと、リリスフィア(プリズムジョーカー・f02074)が選曲したのはハッピーハードコア。だが明るい曲調に反し、譜面が途中急停止したり低速になる、変則的で少しばかりサディスティックな譜面の曲だ。
『なんだか一般ウケの良さそうな曲だな』
一般ウケが良い。つまりリア充向け。爆破だ爆破ぁあ!! と、謎の三段論法を脳内で展開し始め一人叫ぶ怪人を置いて、リリスフィアが決定ボタンを押せば画面は切り替わり、筐体から音楽が流れ出す。
一定のリズムで流れて来た矢印は捌ける。だが、いやらしい低速や停止部分がリリスフィアがパネルを踏むタイミングを少しばかり乱す。
しかし。楽しみ、音と体の動きを合わせれば、自然と的確なリズムを刻んでいる事に気がつくリリスフィア。序盤では踏み損ねたリズムと配置も、中盤には捌けるようになっていた。
一方、怪人の方は生真面目に流れてくる矢印を捌いているが、譜面の流れが急停止する箇所ではリズムを取れずパネルを踏み損ねてしまう。
どうやら高速体力譜面の曲は得意な様だが、変則系の曲は苦手の様で。
曲の終了時に表示されたスコアは、リリスフィアの方が怪人を幾ばくか上回っていた。
リズムを掴めたか掴めなかったかの違いは大きい。二人のスコアに差がついたのは、曲を楽しみリズムを掴めたか、そうでないかの違いだったのだ。
「ふぅん? あの上で踊ればいいのね」
カツンとヒールを踏み鳴らし、最後は私の番ねと前へと出るレネシャ(黒翼・f14243)。
「靴はそのままでいいのかしら? ヒールで壊れない?」
『ヒール程度でパネルは壊れん。寧ろ貴様の方こそ、ヒールでダンスゲームして大丈夫なのか?』
レネシャは怪人の心配をよそにしながら、特に深く考えずに曲目一覧をクルクルと回す。
そうしていたら、黒い翼を持つスーツ姿の男性が描かれたジャケットがレネシャの目に入り。取り敢えずこれで良いかと決定ボタンを押した。
その曲は専用のムービー付きで。曲が流れ出すと、譜面の裏側に謎の十字架オブジェクトが表示される。
そしてその十字架から黒い翼が広がると同時に、レネシャも己の翼をばっさぁと広げる。
『あの、おねーさん、翼。翼がだな……』
それにより思いっきり開始数ノーツを取りこぼした怪人は、翼が画面の邪魔して見えぬとレネシャに言うも。
レネシャは翼が閉じたままだと踊り辛いと返すと、翼を広げたままプレイを続行する。
このままレネシャに気を取られているとスコア差をつけられるので、仕方無く怪人は画面に向き直るのだが…… 既にスコアに差が出始めている。
やっべぇと慌てスコアを詰めようとする怪人。
対しレネシャは段々と慣れ余裕が出たならくるり回り、確信犯的に妨害を行う。だって妨害するなとは言っていないし。
そうなると勝負はレネシャの勝ち逃げで。
バトル後怪人はレネシャを恨めしげに見るも、レネシャの方は全く意に介していなかった。
●Blaze Kick
その場に存在する猟兵達とのゲームバトルを終えた怪人は疲労困憊だった。
只管にダンスゲームをマラソンプレイさせられたのだ。そうなるのも無理はない。
一回プレイの猟兵と連続プレイの怪人では、残り体力的に猟兵達の方が有利である。
『くそう…… ダンスゲームはやめだ!! お得意の爆破で行くから覚悟しろ!!』
怪人のやけっぱちタイムの始まりである。つまり今度はゲームバトルではなく、リアルバトルへとステージを変える気なのだ。
「爆破されるのはそっちの方だよ」
それを真先に察知したリリスフィアが、全身を光り輝く翼で覆わせた後に強い一撃を喰らわせ、ゲーム筐体へと叩きつける。
そこに追い打ちをかける様に珠が木槌で怪人の腿や脛をゴンゴンと殴り。
『ちょっ!? 脛は痛いからな?! コラやめなさい!!』
怪人は疲労と痛みで思うように動かせない足を、無理矢理動かして何とか体勢を立て直そうとする。
疲れているのは怪人だけではない。猟兵側にも一名居る。
「……それじゃ、後は任せた。思い切りやっちゃって」
ハルマの事だ。ハルマは黒狼を召喚すると、そのまま好きなように怪人を攻撃させる。
動けない怪人に思い切り噛みつく黒狼。少し可哀想ではある。
「私は恋人いませんので、嫉妬を込める先では無いですよ~」
軽い口調ではあるが、重い一撃を喰らわせんと薙刀を振るう詩乃。しかしそれは寸でのところで回避されてしまう。
『人生エンジョイしてたらそれはもうリア充じゃぁああ!』
あっぶねぇモロに喰らっていたら真っ二つだったと冷や汗をかく怪人。しかしまだ猟兵達の攻撃は終わらない。
「……丁度良いのがあるじゃない」
レネシャが目を付けたのは、先程迄踊っていたゲーム筐体。それをサイコキネシスで掴むと、怪人目掛け思いっきりぶん投げる。筐体が宙に舞った。
『筐体は手荒な扱いをしないで下さいぃいへぶっ!!』
まるでビリヤードで弾かれる玉のように吹っ飛ぶ怪人。そこへ止めを刺さんとバスタードソードを握った零が怪人へと斬りかかり。ざくっと腹を十字に切り裂けば、怪人はついに地へと手をつく。
『この世にリア充へジェラシーを燃やす者が存在する限り、リア充爆破は不滅なのだぁあああ!!!』
最期にそう叫んだ後、リア充どもは爆発しろ怪人は爆発四散した。
そして最後に残ったのは壊れて動かなくなったゲーム筐体と、勝利した猟兵達。
何だかいつも通りの怪人との応酬だったなぁ等と思いながら、猟兵達はその場を後にするのだった。
成功
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