0
バトルオブフラワーズ③〜獣の暴動、守りの猟兵〜

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ


0




●ザ・ビルドステージ
 赤道面で南北に分割されたキマイラフューチャー、そして現れた6つの「ザ・ステージ」たち……それぞれの戦場で特異なルールを課されて戦う猟兵たち。
 今回、ニコラが案内するのは……

「ザ・ビルドステージの一角……獣人型怪人のオブリビオンたちが暴れまわっている区画になるわ」
 オブリビオン「たち」という言葉からもわかるように、その場で相手にする必要があるのは普段の戦闘とは桁違いに多い多数のオブリビオンたち。猟兵たちだけではとてもではないが手に負えそうにない量の怪人だ。
「ザ・ビルドステージ……タワーダイセンリャク。それがあなたたちに課されるルールよ」
 多数の怪人が跋扈する景色が切り替わる。ニコラのグリモアから投影されるのは、プラモデルなどで親しい者も多いかもしれない兵器類……戦車や戦艦の砲塔、あるいはプロペラ駆動の飛行機といった様々な機体や武器のスクラップであった。
「現地に多数積み上げられたスクラップを元に、オブリビオンを倒すための防衛装置を作製する……それがこのステージを攻略するのに必要な手順よ」
 ニコラの説明によると、あまりにオブリビオンの数が多すぎるため、猟兵一人一人の奮闘を後押しするための防衛装置が非常に有効らしい。もちろん、防衛装置なしで戦うこともできるが……その際に期待できる戦果は防衛装置在りの戦果と比べてあまりにも雀の涙な量になるとのこと。そう言い切れるほど、オブリビオンの数が「多すぎる」のだ。
「防衛装置に移動能力は求めない方がいいわ――作れなくはないと思うけれど、耐久力が大幅に低下するでしょうから。基本は、定点から薙ぎ払うような、そうね……攻撃タワーみたいなものを作るイメージかしら?」
 どのような防衛装置を作るのかは各自のイメージ次第。好きに作って派手に戦えばいいとニコラも言葉を重ねる。
「ただ、その装置を動かすための電源? 的なものは1人あたり1つしか提供されないから、2台以上作るよりは1台をしっかり仕上げるのがいいと思うわ」

●量産型怪人たち
「そして、獣人型怪人の詳細だけれど……」
 ニコラのグリモアが投影する画像が切り替わる。映し出されるのは、擬人化されたモグラ、カエル、ネコたち……奇妙なデフォルメのそれらが、その戦場で猟兵が立ち向かうべき相手だ。
「地底を征くモグラ怪人、空を翔るカエル怪人、そして大地を走るネコ怪人……それぞれドリル攻撃、高速連続攻撃、ユーベルコードを相殺する拳が持ち味らしいわ。相手がどこから攻めてくるのか、どういう防衛装置なら有効か……この情報が皆の役に立つことを祈るわ」
 連携を前提としていずれかの怪人への対処能力に特化した防衛装置を作るか、あるいはある程度のオールラウンダー性を求めるのか、それすらも現地へ向かう猟兵の判断次第。
「攻めてきている怪人たちは、予知で見えた範囲でも数百体をくだらないわ……防衛装置をうまく使って、彼らを全部撃破してちょうだいね?」
 防衛装置を用いる以外は、いつも通りの「討ち漏らすな」という比較的単純な特殊条件らしい。
 最後にウィンクをひとつ――いつも通りの表情を見せ、ニコラは戦地へ向かう猟兵たちを送り出すのだった。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして、そうでない方はいつもありがとうございます。戦争シナリオをお送りします、Reyoです。

 今回のステージ攻略にはそれぞれ特殊ルールが設けられており、これを達成していないと敗北判定となるようです。詳しい条件についてはOPをご覧ください。
 また、本シナリオではいろいろと防衛装置を作れますが、あまりにも版権的すぎる場合いろいろごにょごにょありましてマスタリングいたしますのでご了承ください。

 ――それでは、ザ・ビルドステージ
 ――ルール、タワーダイセンリャク
 ――開幕です!
94




第1章 集団戦 『つよくてクールなアニマルズ』

POW   :    モグラさんドリル怪人・ウェポン
【モグラさんドリル兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    カエルさん殺法怪人・ジェノサイド
【カエルさん殺法攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ネコちゃん拳法怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ネコちゃん拳法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳶沢・成美
「これはすごい、陸が2割で敵が8割とか言った方がいいんでしょうかね」
:防衛装置:
たくさんのプロペラを組み合わせた暴風発生装置
がっちり固定しとにかく強い風をおこす様に作る
「名前は……台風一号かなんかテキトーにつけときましょう」
強風を受ければ体制を崩しやすくなるし、上手くすれば一歩も進めなくなるかもしれません
特にカエル怪人はカエル要素が強いなら乾燥に弱いはず、
それでなくとも空を翔るなら風の影響を強く受けるに違いないです

防衛装置で足止めした獣人型怪人たちに対し
”全力魔法”の”範囲攻撃”で【火雷神道真】使用
”2回攻撃”でもう一回攻撃

アドリブ・絡み・可 ””内技能


月山・カムイ
やってやれぬ事はないでしょうが、流石に無駄に単騎駆けしてもこの数ですと囲まれて終わり、ですね
やれやれ、では防衛装置の作成でもしてみますか

空を駆けるカエル怪人の対空防衛装置の作成
結局のところ上から攻撃されるのが厄介な訳ですから……ふむ、網にかけるのがいいですか
飛び越えて進まれたり、背後を突かれると厄介ですからねぇ

多重連装砲により投網を射出して絡め取り、地上に叩き落とす方面の作戦
地上に叩き落とせば、ネコ怪人の進行を妨げる事も出来るでしょうし、ネコ怪人相手の攻撃を叩き込む事も可能でしょう
一石二鳥を狙う形で、やってみるとしますか



●カエルを吹き飛ばす網嵐
 転移ゲート、超えて現地――システム・フラワーズへのメンテナンスルートを塞ぐべくステージに殺到するオブリビオンの大軍。スクラップが山積みになった猟兵たちの陣地に迫るその軍勢は、確かに猟兵個人がいかに奮闘しようと対処しきれない数に見えた。
「これはすごい……陸が2割で敵が8割、といったところですかね」
 ステージに降り立った鳶沢・成美(人間の探索者・f03142)の言う通り、陣地から見える光景はそのほとんどがオブリビオンで埋め尽くされている。個体ごとに見ればカワイイデフォルメをした怪人たちも、それだけの数が集まっていると可愛さの欠片もない。
「そう時間もありそうにありませんね……防衛装置を作るとしますか」
 対して月山・カムイ(絶影・f01363)はそのオブリビオン軍勢をちらりと一瞥し、さっそくスクラップを選別し始める。大量に打ち捨てられているのは、このキマイラフューチャーという世界において一体どういう来歴を持つのか疑問になる数々の兵器。その多くが、カムイの知る世界での「二次大戦」ごろのものであった。
「……怪人は3種類――どれかに狙いを絞った方が効果的になりそうですね」
 猟兵ならではの膂力で巨大な鉄塊をひょいひょいと選り分けて、カムイは自分のイメージする防衛装置に必要なパーツを積み上げていく。
「ああ、プロペラがあればこちらに頂けますか?」
「プロペラ、ですか? ……ここらあたりですかね」
 少し遅れてパーツの選別に入った成美も、既に脳内に設計図があるのだろう。特定のパーツを求めてカムイに声をかける。応じるカムイは、手近なところに投げ出されていた戦闘機の機首からべりべりとプロペラを剥がして投げた。
「おっと――ありがとうございます。そちらでも足りないパーツがあれば言ってくださいね」
「ふむ……でしたら、戦車のトップパーツなどあれば――」
 めりめり、ぽいっ。バキン、ガキン、ごろん。溶接された鋼をユーベルコードで切断し、ボルトとナットを緩める時間ももったいないと強引に剥がす。
 しばらくしてそこに組みあがったのは、多数のプロペラを備えた巨大な風車のような防衛装置と、多数の射出筒を備えたミサイルランチャーのような防衛装置。それぞれ成美とカムイの作ったものであり――
「猟兵、死すべしケロォ!」
「台風一号、スイッチオン!」
 成美の組み上げた巨大風車が、電源装置を投入されて唸りを上げる。我こそは一番槍と飛び込んできたカエル怪人が、動き始めた風車から放たれる突風に乗ってはじき返された。
「――名前は適当でしたが、なるほど。効果は十分のようですね」
 デフォルメされているとはいえカエルはカエルである……自慢の脚力で空を飛ぼうにも逆風であり、そもそも強風が湿ったカエルの粘膜をどんどん乾かしていく。皮膚の乾いたカエルたちはしおしおと元気をなくしており、怪人たちにとっては大打撃であった。
「……狙いは、これでいけそうですね」
 その横で断続的に投網を放っているのはカムイの作った多連装ネットランチャーである。突風で弾き飛ばされたカエル怪人たちめがけて投網が飛び、見事に包んで地面へデリバリー。動けば動くほど絡まる投網によりカエル怪人たちに戦線復帰を許さないだけでなく、投網に絡まったカエル怪人は後続の他の怪人たちを邪魔する障害物となってしまう。まさに一石二鳥、カムイの狙い通りの結果である。
「ひとまず、対空装置はこれで大丈夫そうですね」
「ええ、そのようですが……」
 手近な目標を次々と撃退していく風車と連装砲の様子を見守りつつ――それを潜り抜けてくる猛者怪人たちに対し構える成美とカムイ。
「――あとは、これを守り切ればいい」
「そうだね――さぁ、よろしくお願いしますよ、道真さま」
 刀剣一閃、神威覿面。
 かくして、空を翔るカエル怪人の行軍は2人の猟兵により迎撃されるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

樫倉・巽
一つしか作れないとなると対象を絞った方が良さそうだな
地面から来るモグラ用の仕掛けを作るか

ドリルに絡まるようなロープをたくさん用意してその先に爆弾を付けておく
それを地面に撒いておきモグラがやって来たらドリルがロープを巻き取って爆弾が爆発するようにしておく
爆弾は手榴弾を使い基本は1体を倒せるくらいにして全ての爆弾が誘爆しないようにしておく
投擲機を設置して定期的に仕掛けを増やせるようにしておき
仕掛けが使われたら補充する
あらかじめ地面を柔らかく整地しておきドリルがスムーズにロープを巻き取れるようにしておくとともに投擲機でロープと爆弾を射出したときロープが広がりやすくし爆弾の爆発を防ぐ


ルク・フッシー
ぼ、防衛施設…ですか?大量の敵の侵攻を防ぐ…うーん…
……(ポク、ポク、ポク…チーン)
あ、そうか!『アルダワ』!あれを再現しましょう!

という訳で、ボクはアルダワの迷宮のような地下に跨る罠だらけの迷路を作って侵攻を妨害します
これでも【早業】技能がありますから、それなりの大きさの物ができると思います…
設置する罠は…あ、そうだ!触手でいきましょう!あれは本当に厄介ですからね…本当に…
…そう言えば、触れた相手を凍らせる『アイス触手』なんてのも見た事ありますね…あれも採用しましょう!
さすがに触手は現地に転がってないと思いますけど、ボクの【材質塗装】で物質を触手に変換します!
…ボクは何をやってるんでしょう…


ジニア・ドグダラ
……うーん、私のUCだとうまく活用できそうなのが、あまり……?そういえば、これはありなのでしょうか?

【高速詠唱】で召喚した骸骨の霊を使役して、音が反響しそうな場所に巨大スピーカーを多数投げつけて設置していきましょう。
敵の攻撃に合わせ、骸骨の霊には【怨嗟の声】をマイク越しに叫ばせましょう。スピーカー越しからでも声は届くはずですし、【呪詛】に塗れた【怨嗟の声】は対象を恐怖させ、行動を大幅に遅らせ、【時間稼ぎ】にはなることでしょう。
……ただ、直接攻撃できるほど余裕はないので、そこは他の方に、お願いします。私はちまちまと、詠唱し続け骸骨の霊の【呪詛】を強めておきましょう。

※アドリブ・他者との協力歓迎


サハル・マフディー
なるほどねェ、スクラップを組み合わせて防衛装置を作り、それを以てオブリビオン討伐の助けとするか。
面白そうじゃァないか、高い塔を組んでやろうかね。

自身の怪力も活用し、大きなスクラップや重たいスクラップを積極的に使用
「この砲身なんかは使えそうじゃないか?ここに取り付けて、角度はこうで……と」
弾丸として使うための鉄球も多数確保、撃ち出せるように準備する
鉄球の中には【毒孕む紫煙の吐息】を吹き込んで、毒玉として使用
防衛装置は高さ重視、弾丸の飛距離重視
「さァ決戦といこうか怪人ども。私の毒の弾丸、喰らって立てていたら褒めてあげるよ!」

アドリブ・連携歓迎



●対ドリル迷宮~アルダワ魔法学園キマフュ分校~
 地平線を埋め尽くす数多のオブリビオン。カエル怪人に効果的な風車と投網の防衛装置の設置を受けてカエル怪人の割合は減りつつあったが――対照的に地面からの脅威が猟兵たちに迫りつつあった。
 ぼこっ、と音を立てて大地が割れ、そこからひょっこりとカワイイ顔をしたモグラ怪人が顔を出す。猟兵の陣地までの距離を測り、再び潜航――あとどれ程を掘れば猟兵たちの陣地へと強襲できるのか、モグラ怪人には手に取るようにわかる。

 故に。

 妙に脆い地盤を掘りぬいた先に、なにやら石造りのように見える古風な通路が広がっていたことはモグラ怪人にとって青天の霹靂であった。さらに言えば、通路の中には陰鬱な調子で謎の声が延々と流れている謎の空間である……仮にそのモグラ怪人がホラー好きだったとしても全力で右に回れをするだけの陰鬱さ。
 しかし、ここで後ろに戻っても意味はない――そしてこの手にはドリルがある。陰鬱な怨嗟の声に頭痛を覚えながら、モグラ怪人はごりごりと通路の天井を削り始めた。もう一度、地上に顔を出して猟兵陣地との距離を測るべく。
 ごりごり、ごりごり、ごりごり――BOMB!

「……ひとまず、俺の作った罠は無事稼働しているようだな」
「あの位置だと、ボクの作った迷宮に掛かったのでしょうか?」
 地上でその様子を眺めていた2人の猟兵が、罠の出来と成果に満足げな鼻息を漏らす。石造りの古風な通路を作って陣地周辺に埋めたのがルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)、それの天井部分をカバーするように爆弾ロープをばらまいていたのが樫倉・巽(雪下の志・f04347)である。
 ルクの案……アルダワ世界においてオブリビオンを地下に封じる立役者となっている学園地下迷宮のスケールダウンを設置する、という作戦はモグラ怪人に対しては比較的有効に作用していた。敷設位置は猟兵陣地の周辺一帯。素直にモグラ怪人が進んでくれなかったときのカバーとして、巽の用意したチェーンマイン風爆導索を敷設。ロープに繋がれた小型爆弾は、モグラ怪人のドリルにロープが引っかかるとそのまま引き寄せられて爆発するような仕組みで……先ほど爆発したのがソレである。
「呪詛の声を有効に使える場所に悩んでいましたが……簡易迷宮というのはいい場所ですね」
 ユーベルコードで呼び出した巨大な骸骨をマイク状に形成した電源装置前に立たせつつ、ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)は簡易迷宮内に設置するスピーカーを次々と量産している。スピーカーのいくつかは地上にも設置されており、マイクを通した骸骨のカースド・ヴォイスがじわじわとオブリビオンを蝕んでいた。ルクと巽の迷宮+爆弾がモグラ怪人の撃破に貢献しているとすれば、ジニアのスピーカー装置はオブリビオン軍団全体の動きを押しとどめている。
 そして――オブリビオン軍団の動きが僅かにでも鈍れば、そこに叩き込まれる砲弾があった。
「さァ、私の毒弾、喰らって立っていられたら褒めてあげるよ!」
 巨大な塔とそこから生えた1本の砲。その根元で一抱えもある弾丸を装填しているのはサハル・マフディー(神の信徒は紫煙と共に・f16386)である。組み上げられたキャノン・タワーが放つのはサハルお手製の毒霧鉄球――着弾地点でユーベルコードの紫煙をばらまく広範囲殲滅弾だ。
 地上に顔を出せば爆弾と毒煙、しかし地下に潜れど迷宮と呪いの声――空を征くカエル怪人の半数が撃破されている今、空は既にオブリビオンの勢力圏ではない。残されている活路も猟兵の防衛装置が次々と塞いでおり、次第に数多の軍勢を誇るオブリビオンたちも圧され気味となっていた。
「さて、それじゃあ俺は追加の地雷を撒いてくる」
 サハルの放った砲弾の紫煙が晴れたのを見て、巽が肩にロープを引っ提げて前線に出る――敷設された迷宮はともかく、その天井をカバーする爆弾は消耗品である。定期的な補充に出る巽の道行を、ジニアの投げたスピーカーが怨嗟の道案内でサポートすれば、猟兵側の消耗は極限まで抑えられる。
「それなら、ボクも、迷宮の敷設は終わりましたし……」
 アルダワ魔法学園といえば、罠である。ルクがこれまで猟兵として潜ったことのある迷宮にも必ずと言っていいほど罠があった。
「――罠、といえば」
 思い浮かぶ数々のトラップ。物理的、精神的――様々なものがあった。しかし、様々な経験を経てなおルクの脳裏に残っていたのは。
「――これだ!」
 ――触手。うねうねと蠢き、特定範囲内に侵入した者を絡めとり、場合によっては体内に蓄えた毒の類で相手を弱らせる。嫌らしいことこの上なく、時としてイヤーンな光景を生み出すこともあるキング・オブ・トラップだ。
「直接的な材料がなくっても……!」
 一度思いついてしまえばルクの行動は早かった――ユーベルコード「材質塗装」を用いてコード類をまとめて触手に変換。冷却パイプを元にアイス触手なんていう変わり種も用意して、迷宮の中に植えていく。
 さぁ、これでモグラ怪人たちもひとたまりもないぞ! とルクは満足そうな表情で腕を組んだが――
「砲塔角度上げェ! 射角を取って射程を広げるよ! 他の子たちに負けてられないからねぇ!」
 ふと、サハルが全力で弾丸を製造しキャノンタワーから打ち出しているのを見て我に返った。
「……僕は何をやってるんでしょう……」
 びちびちと跳ねるイキの良い触手を片手に、ルクは戦場で黄昏るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミフェット・マザーグース
戦うのは苦手だけど モノ作りならできるかも?
髪の毛で持ち上げ つないで 組み立てて
完成するのは巨大パイルバンカー!

『太陽の家』のみんなと一緒につくるよ!

ミフェットが生まれたのは宇宙の船のなか
機械をあつかう「メカニック」の知識はあるよ
いそいで落ちてる機械から、なにが作れるか「情報収集」して、防衛装置を作る手伝いをするね。

UC【バウンドボディ】
髪の毛を触手状にして、伸ばして「怪力」で持ち上げたり、「ロープワーク」で部品をつないだり、どんどん組み立てるよ

作るものは、「罠使い」の知識で考えた対地面音響マシーン
地面に巨大な鉄の杭を突き刺して激しく振動させて、地面に潜ったモグラさんたちを一網打尽!


秋月・信子
@SPD【太陽の家】関係者と共闘希望

私に課せられた…いや、自らの能力を使うことで名乗り出たのはミフェットちゃんやみんなが防衛装置を組み上げるまでの【時間稼ぎ】
眼の前に積み上げられているのは遺棄されたスクラップ同然の対戦車ライフルやミサイルランチャー等残骸の山だ

――形象、開始
瞳を蒼く輝かせながら詠唱を呟いてUC【魔銃、解凍】を発動させ、影を残骸の山に纏わりつかせると同時に【拠点防衛】向けの即席防錆装置とも言える銃座を頭の中でイメージする
ふと、ミーティングで姉と慕う二重身のアドバイスを思い出した
『拠点防衛、ね。まぁ、デンドロビウムとかディープストライカーのようなものを作り上げれば良いんじゃない?』


ティエル・ティエリエル
【太陽の家】で参加
何か面白いものないかなってスクラップの山をどんどん漁るね♪
ごそごそとスクラップの山を崩して掘り出したのは大量のピッチングマシン!

ようし、ミフェットがモグラさんをやっつけるマシン作るなら、
ボクはこれでカエルさんを打ち落とす防衛装置を作るね!

複数のピッチングマシンを連結させてぴょんぴょん飛び跳ねているカエルさんを打ち落としていくよ☆
ふふーん、打ち出すのは普通のボールじゃないよ!このすっごく重い鉄球をドンドン飛ばしていくね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●太陽の戦線
 空と地底は既に猟兵が制圧。既に進路の大半を制限され、猟兵たちとの正面決戦を強いられているオブリビオン軍勢。地上を行くにしても逆風、毒弾、呪詛の声……オブリビオンに対しては多数のバッドステータス。最初は2対8であった陸とオブリビオンの割合も逆転しつつあった。
「……よし、これで完成! いつでも撃てるよ!」
 髪に当たる部分で怪力を発揮したミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)の巨大なパイルバンカーが完成。地下に罠を設置している猟兵との兼ね合いもあり、その巨塔は威力を発揮する瞬間を今か今かと待っている。
「こっちは順調に迎撃中! 他の人が風車とかを作ってくれたのもあって、撃墜率も結構高いよ!」
 一方、早めに鉄球ピッチングマシーンを完成させていたティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は未だあきらめずに上空からの侵入を狙うカエル怪人を集中的に迎撃していた。連結されたピッチングマシーンはいわゆる五月雨撃ちという様相、ティエルが拾い集めてくる鉄球も常に品切れ寸前といった様相である。飛距離はやや控えめであったが、他の対策が超遠距離からの対抗手段となっている兼ね合いで対空近接防御はほとんどティエルが請け負っている形となっていた。
「2人とも、防衛装置は完成したのね? ――だったら、私もちょっと最後の仕上げに入るわ!」
 廃棄されていた対戦車砲を組み合わせた巨大スナイパーライフルで応戦していた秋月・信子(魔弾の射手・f00732)も、2人の様子を見て一時的に応戦を止める。既に脳内で設計図は出来上がっているが――激化する戦闘の中で、同行した2人の護衛を行いながら自分の装置を組み上げるほどの器用さは信子にはなかった。
「了解だよ、信子! さぁ、ピッチングマシンに鉄球大・投・入!」
「ミフェットも鉄球拾ってくるね! ……あ、こういうのを、ぐしゃっとしてボールみたいにしてもいい?」
「大丈夫、ボクのピッチングマシーンだもん!」
 銃座構築に入った信子を守るように、ティエルのピッチングマシーンを中心とした鉄球弾幕が加速する。ミフェットはミフェットで、適当な鉄塊を拾ってきてはぐしゃりと折り曲げ捏ね回し、鉄球サイズにすることで給弾速度を上げていく。多人数で1つの防衛装置を運営するのは彼女らが思っている以上に効果的な制圧力を発揮し、鉄球の五月雨撃ちは豪雨へと進化するほどであった。
「――魔銃、解凍……!」
 頼もしい2人の仲間に背を預け、信子は必要なパーツを1か所に集めてユーベルコードを起動する。愛用の自動拳銃を核とした戦況に最適な魔銃の形成、それこそが信子の切り札であり――材料となるスクラップが大量に転がるこの戦場におけるある種の最適解。イチである猟兵の殲滅力を、オブリビオンに合わせて数百、数千へと拡大するオプションワークス。
「――敵の軍勢に切れ目アリ! このままやれば、ボクたちの勝ちだよ!」
 そして、ティエルのその声を耳にして、装填するべき弾数も定まる。
「……向こうの猟兵さんも、オッケーだって――ミフェットのパイルバンカーも、信子に合わせるね」
「わかりました! ……ロールアウトまであと数秒、カウントダウンしますから合わせてください!」
 ある程度の鉄球をティエルに提供したミフェットも、他の猟兵からのゴーサインをもらって対地方向にセットされたパイルバンカーの側へ。
「――3、――2、――1!」
 ゼロカウント。
 信子の手元に組み上げられた魔銃は、巨大な砲塔を6連装とした大型リボルバーキャノン。ゴトン、と撃鉄の落ちる重い音と共に、無音にも感じる圧倒的な砲声と弾丸が放たれた。
 同時に大地を揺るがすはミフェットの対地パイルバンカー。ゴッ、という大地の唸り声は即ち大地の揺れである。撃ち込んだパイルバンカーが動力を受けて振動し、その揺れをさらに拡大――局所的な大地震を引き起こした。
 大地が揺れ、空を割く重砲撃がオブリビオンの軍勢を削り取っていく。
 とどろく揺れは、信子の用意した6発の砲弾に合わせて6度――ユーベルコードに由来するその砲撃を弾き返そうとネコ怪人たちが奮戦したが、あまりにもサイズ感が違い過ぎて多少の干渉などものともせずに貫き通し、巨大パイルバンカーの揺れは猟兵の用意した簡易迷宮ごとモグラ怪人たちを地下に埋葬した。

 ――終わった……?
 
 誰ともなく、その場に集まった猟兵の口からぽろりとそんな言葉が漏れる。
 それに答えるように、戦場の様相とはまるで違う、軽いノリの「ウィナー、猟兵!」という機械合成音。その声にほっと胸を撫でおろす猟兵たち。
 数十分前まではステージの一角を埋め尽くしていたオブリビオンたちは、その全てを猟兵に撃破され――戦争の一端がここに終結したのである。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月02日


挿絵イラスト