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バトルオブフラワーズ⑦〜それでもずっと輝いて

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●声にならない願いは
「皆さん、大変ですわ! ですわですわ大変ですわ!」
 本人が一番パニくっているという事態。グリモア猟兵の深護・刹那(花誘う蝶・f03199)が大慌てであわあわと話し出す。
「先に、皆さんが救出したテレビウムの方々は『システム・フラワーズ』の救援を受け取った方々でしたの!」
 システム・フラワーズとはキマイラフューチャーの中枢にあり、件の『コンコン』を実現しているシステムだ。
 つまり、今、キマヒューが大ピンチってことである。
「皆さん、力を貸してくださいませ!」

●割れたキマヒューがオブリビオンを拒んでも
 現在のキマイラフューチャーの状況を刹那がヘタウマな感じで図に描く。
「今、キマイラフューチャーが真っ二つになっていますが、これはシステム・フラワーズがもたらしたメンテナンスルート、つまり最短直結ルートですわ」
 しかし、今現在、道は開いているものの、そこに辿り着くには障害がある。
「システム・フラワーズの周辺に存在する『ザ・ステージ』、オブリビオンに占拠されているこの場所を奪還しませんと、中枢に辿り着けませんの」
 そして、この『ザ・ステージ』は全部6つあるわけだが。刹那が指し示すのはそのひとつ。
「皆さんは、この内のひとつ、『ザ・サウンドステージ』の制圧を手伝って欲しいんですの!」

 『ザ・ステージ』はそれぞれ独自の特殊ルールが支配している空間になる。
「皆さんが戦闘している間、サウンドステージは『コウハクウタガッセン』という特殊戦闘ルールに支配されますわ」
 『コウハクウタガッセン』、それは猟兵もオブリビオンも歌を歌いながら戦うことで、戦闘力が上昇し、それと同時に『どれだけダメージを受けても倒れることなく戦い続けることが出来る』というルールを強いる。
「じゃあ、どうやって勝負をつけるのか、と思うかもしれませんが、これは『歌』で決まりますの」
 どういうことかというと、この戦場の戦闘は、先に救出したテレビウムたちの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継される。そして、猟兵とオブリビオン、どちらの歌が素晴らしかったかが『自動的に判定』される。
 自動的、というところがポイントで、例えば投票などが行われたりとかはなく、あくまでシステム上で勝負がつく。キマイラフューチャーの住民たちは猟兵を応援してくれるだろうけども、それだけで戦況が傾くことは無いということだ。
「このため、『歌わずに戦う』のは、戦闘としても勝負としてもかなり不利になりますわ」

 そして勝負がついた時、『敗北した側』は戦闘中に受けたダメージが一気に襲い掛かる。戦闘中に決して倒れることはないということは、『致命的に至るダメージ量を越えて戦う』ことになり、それらが終わった後に一気に、全員に等しく降りかかるのだ。戦闘不能は避けられない。
「ちなみに、戦闘無しの歌だけの勝負に持ち込みますと、ダメージが発生せず、オブリビオンも倒せませんので」
 永遠に終わらない戦いになる……。

「つまり、『歌って戦え、サウンドステージ!』、これに尽きますわ!」
 ぐっ、と拳を握りしめ、刹那が叫んだ。

●声を集め、つないでみせるよ
 そして刹那は少し困った顔をして呟く。
「正直、歌の判定基準はどのようなものかわかっていませんの」
 そのため、テクニカルに勝利を狙うという手段は正直厳しい。だが、刹那は声を高らかにして謳う。
「ですが、歌にとって大切なことは古よりどのような世界でも変わっていませんわ」
 そう、それは皆もきっと知っていること。すなわち。
「歌に込めるモノ! 想い! 情熱! あるいはパッション!」
 もちろん技能的に上手ければそれはそれでプラスになる。しかし、下手だからといって避ける必要もない、ということだ。
「皆さんの想い、歌にしてぶつけてきてくださいませ!」


るちる
 はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
 どこのシンフォギアだ、と思ったのは秘密です。シンフォギアを知っている人はそんなイメージで良いとすら思っていますけども。

 さて、真面目に言いますと、歌いながら戦ってもらうシナリオになります。『コウハクウタガッセン』の名が示す通り、歌がメインで戦いがサブになる感じでお考えください。
 ただし、このシナリオにおいては歌だけではなく、唄でも、詩でもいいかなーと。『込める想いが戦闘力になる』、それが大切な要素です。技能レベルよりはプレイングの方を重視しますので、その点も留意してくださいな。
 歌に関しては歌詞を書く場合は著作権的な部分にご注意ください。
 それから『こんな感じー』とか『こういう雰囲気でー』とか『こういう仕草で歌うよ!』とか、歌そのものよりはどう歌いながら戦うかをプレイングに書く方が良いかもしれませんね。

 それではプレイングをお待ちしていまーす。
 なんとかGW中に書き上げるぞー!(願望)
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第1章 集団戦 『物理学トリオ』

POW   :    振り子怪人・ウェポン
【振り子兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    メトロノーム怪人・ジェノサイド
【メトロノーム攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    電源プラグ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【電源プラグ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『ザ・サウンドステージ』。
 ここで行われるのはグリモア猟兵の説明にもあった『コウハクウタガッセン』だ。

 ステージの上で待ち構えているのは、振り子とメトロノームと電源プラグの怪人たち。彼らはメトロノームのリズムに合わせて流行りの歌を口ずさみ。演歌のこぶしのリズムで振り子をぶつけてくる。こちらへの攻撃にはアニメ主題歌の勢いでカウンター気味に電源プラグを投げつけてくるようだ。
 そんな彼らとて『コウハクウタガッセン』のルールには逆らえない。

 おっと、言い忘れていた。『相手の歌を妨害する』のは禁則事項だ。強制退出は免れないと思って欲しい。それはオブリビオンであってもだ。

 この場で一番力を持つのは歌だ。歌こそが全てを決める。そう、歌が一番大切だけれども。
 歌詞もダンスも演奏も、音楽にかかわる全ては、この場において歌に通じる。

 さぁ、歌に想いを乗せて、オブリビオンをぶっ飛ばせ!
五條・桜花
歌ですかそこまで得手ではありませんが心を込めてという方で頑張りましょう
私は己が武器を思い桜の歌と参りましょう

歌と共に桜の花びらで攻撃をいたします
これなら、雰囲気も出ますし、自分の歌を歌う際のイメージにもつながりますから

そうですね別れた恋人を思ったあの桜の曲を歌いましょう
私は恋はよくわかりませんが、失くした人を思う気持ちならばわかります
だから失くした人に幸いあるようにと想い歌い上げるのです

桜を見ると思い出す貴方との幸せだった日々を
だからこそ、どうかどうかあなたが幸せであるように、と

そして桜と共に戦いましょう
私は行きます、この想いを胸に
私の想い、ここに咲き誇り舞い散りなさい!


彩波・いちご
「せーのっ!いちごチャンネル~~~♪」
テレビウム越しじゃ足りません
【これから始まる生放送】で中継ドローンを増やしていきますよっ

歌うはキュートでポップなアイドルソング
「私の歌に恋しちゃってくださいねー♪」

アイドルの歌に求められるのは、みんなを笑顔にすること!
元気で明るい、みんなが私に恋しちゃうような歌を歌います♪
マイクロッド越しの歌声を衝撃波として敵へのダメージに変えながら

♪いつでも私を見つけ出して♪
♪もう私から目をそらさないで♪

「みなさーん、楽しんでますかー♪」

♪あなたに贈るMy wish!甘くてすっぱいStrawberry♪
♪わたしの願い叶えてくれたらあなたにあげるイチゴ味♪


月藤・紫衣
歌、ですか。
【歌唱】しながら世界に精霊に干渉し戦うのは我々シンフォニアの領域です…これは負けていられませんね。

【満月夜に歌え、藤花のように】は旅立った故郷の藤の下で母に美しい月夜にはこれを歌いながら、踊りたくなるのだと、戦いのための舞踊と共に教えられた歌。
私にとっては旅立った日を思い出し…きっといつか、果てのないようなこの旅の終わりを見付けられると、そう奮い立たせてくれる歌です。

ですから、ええ…久しぶりに本気で参りましょう。
歌いながら舞い戦うのは得意なんです…得物は母の扇と違ってこの酔蜜月刀ですが、ほらこうして踊りながら振るえば、まるで月のように煌めいてくれるでしょう?

(アレンジetc歓迎)


リヴィア・ハルフェニア
刹那さんお久しぶり。と挨拶してる場合ではなかったわね。
とても慌てていたから何かと思えば…なるほど。
この事態はテレビウム事件が関わっていたのね。

時として歌は言葉以上に想いを伝えるの。
今までの戦いや人生で仲間だけではなく敵でも出会う事で私の知らないものを知る事が出来た。
たくさんの掛け替えのない出会い、胸を痛める別れ、人々の温かさ‥感じてきたモノ全てに深い感謝と強い願いを込めて。

UCは何が発生するかはこの歌と感情に任せてみましょう。
攻撃は踊る様に避けながらいつもより「魅せる」戦いを心がけるわ。

シンフォニアとしての誇りをもって私は紡ぎましょう。

【パフォーマンス,歌唱6】

≪JCの見た目。アドリブ歓迎≫


フォルセティ・ソルレスティア
【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「えー、中継されるのは恥ずかしいかな」
でも、大好きなフィオ姉ちゃん(f00964)のためにボクの思いを歌うね

【行動】()内は技能
銀月琴ルーナ・プラータを取り出して明るくリズミカルに歌うよ(歌唱)
『いつも一緒にそばで見守ってくれて 
 美味しいもの 一杯作ってくれるフィオ姉ちゃん』
やっぱ照れ臭いけど恥ずかしがらずに堂々と歌うよ
『たまにドジするけど そんなフィオ姉ちゃんが大好きだよ
流れる星にボクの想いを込めて…』
遥か上空を見上げながらしっかりと歌うんだ
そして物理学トリオに向かって歌とUCを叩きつけるよ!
『カラミダド・メテオーロ』×2
(全力魔法×2回攻撃)←リフレイン


フローライト・ルチレイテッド
よし、では行きましょう!

UC【Metallic dance stage】を使用、スピーカーを増やします。

【聞き耳、野生の勘】でなんとなく距離感を計りつつ、【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、鼓舞、誘惑、催眠術、マヒ攻撃、範囲攻撃、早業】を駆使して、指定UCを発動。
音楽に魂をかけたロックバンドの霊を召喚、一緒に楽器を掻き鳴らして歌いながら、あらゆる物を打ち砕く演奏でどーんと攻撃します。

敵からの攻撃は【野生の勘、聞き耳】で感知して【早業】でかわす感じに。

さあ、魂に火をつけるんだ! ハートを燃やせ! Phantomッ! Ignitionッッ!!



●オンステージ・猟兵!
 此度、『ザ・サウンドステージ』に足を踏み入れた猟兵たちは、全部で6人。
 『コウハクウタガッセン』で戦う相手は、すでにステージの上に。物理学トリオが複数で不協和音とも言える歌を、思い思いに歌っている。

 そのステージを取り戻す、その一助となるために。
 猟兵たちもまたステージの上にあがった。

●桜舞う
 猟兵の一番手は五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)。
(歌ですか……そこまで得手ではありませんが……)
 それでも何かの縁あってこの場に足を踏み入れたならば、と。グリモア猟兵の言葉を思い出し、『心を込めて』という方向で頑張ろうと。月の光を編み上げた光のベールをたなびかせながら、彼女はステージに立つ。
「私は己が武器を思い、桜の歌と参りましょう」
 桜花の前口上に、スポットライトが彼女に向いた。

「~~♪」
 桜花が口ずさむのは、別れた恋人を思った桜の曲。
(私は、恋はよくわかりませんが……)
 失くした人を思う気持ちならばわかる、と、その想いを込めて桜花は言葉を紡ぐ。そう、だからこそ桜花は。
(失くした人に幸あるように)
 想い歌い上げるのだから。

 ――桜を見ると思い出す貴方との幸せだった日々を――
 ――だからこそ、どうかどうかあなたが幸せであるように――

 桜花の歌とともに、彼女の武器が桜の花びらと化す。ユーベルコード『桜の乱舞』。その名の通り、乱れ舞う桜の花びらが。
「そして桜と共に戦いましょう」
 桜花の声に乗って物理学トリオへ押し寄せる。電源プラグ怪人が電源プラグを投げつけて相殺をはかるも。
(私は行きます、この想いを胸に)
 次々と押し寄せてくる『想い』に、次第に押し流されていく物理学トリオ。
「私の想い、ここに咲き誇り、舞い散りなさい!」
 トドメとばかりに張り上げた桜花の歌声に、物理学トリオは文字通り吹っ飛ばされるのであった。

●キュートでポップな苺色
 桜花の歌い終わりと入れ替わるようにステージに飛び上がる影。
「せーのっ! いちご~チャンネル~~~♪」
 軽快なリズムとともに現れたのは、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。同時にいちごの周りに複数のドローンが飛び回り始めた。
「テレビウム越しじゃ足りません。中継ドローンを増やしていきますよっ」
 マイクを可愛く構えながら、びしっと物理学トリオを指差して宣戦布告するいちご。
「私の歌に恋しちゃってくださいねー♪」

 いちごが歌い出すのはキュートでポップなアイドルソング。それはいちごがローカルアイドルとしての活動の中で創り出した、正真正銘いちごの持ち歌。

 ♪ いつでも私を見つけ出して ♪
 ♪ もう私から目をそらさないで ♪

 魔法の杖なマイクロッドをふわりくるりと、足元は軽快にステップとリズムを刻んで。
(アイドルの歌に求められるのは、みんなを笑顔にすること!)
 いちごの想いがマイクを通して、物理学トリオに対する衝撃波となって。電源プラグ怪人がなんとか電源プラグで相殺するも、いちごの歌は止まらない。

 ♪ あなたに贈るMy wish! 甘くてすっぱいStrawberry ♪
 ♪ わたしの願い叶えてくれたらあなたにあげるイチゴ味 ♪

 明るい歌声に合わせて、ブレスの合間にポーズを決めちゃったりしながら。
(元気で明るい、みんなが私に恋しちゃうような歌を歌います♪)
 そして、いちごはドローンに視線を向けて。言うことはただひとつ!
「みなさーん、楽しんでますかー♪」
 返ってきた好意的な反響でいちごの武器――歌声が強化される。この場においてその効果は、絶大!
「もう一曲、いきますよー♪」
 いちごの歌声が再び衝撃波となって物理学トリオへ襲い掛かる。声援を受けたアイドルの歌声に、物理学が勝てるはずもなく。今度こそいちごは物理学トリオを吹っ飛ばすのであった。

●月に藤咲く、衣(きぬ)のごとく
 先にステージで戦う仲間たちを見ながら、月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)がぽつりと呟く。
「歌、ですか」
 歌で世界に、精霊に干渉する戦い方は、彼らシンフォニアが得意とする領域。ならば、と紫衣は決意とともに言葉を紡ぐ。
「これは負けていられませんね」

 ステージに立った紫衣は空を仰ぐ。納めた刀の柄に左手を添え、口から溢れる言葉を支えるように右手を差し出し。
 紡ぎ歌うは『満月夜に歌え、藤花のように』。紫衣の声がユーベルコードとなり、響き渡る。

(母は……)
 思い起こすのはこの歌を戦いのための舞踊とともに教えてくれた養親のこと。
 曰く、紫衣が後にした故郷の藤の下、美しい月夜にはこれを歌いながら、踊りたくなるのだ、と。
 その歌を今紡ぐ紫衣の胸中に甦るのは旅立った日。そして。
(きっといつか、果てのないようなこの旅の終わりを見つけられる……)
 そのように紫衣を奮い立たせてくれる歌でもある。

 ゆえに。

(ですから、ええ……久しぶりに本気で参りましょう)
 歌に合わせて、すらりと抜き放つ魔法刀剣。その銘を『酔蜜月刀』という。歌いながら舞い戦うのは得意なのだ、と、身体が舞いの足を踏む。
(母の扇とは姿形全く違いますが)
 くるりふわりと身を翻し、酔蜜月刀を踊り、振るう。その切っ先は逸れることなく、ただただ、風を切りながら、物理学トリオを斬り裂いて。
「まるで月のように煌めいてくれるでしょう?」

●精霊と歌紡ぐ人形姫
 仲間の歌声を聴きながら、リヴィア・ハルフェニア(歌紡ぎ精霊と心通わす人形姫・f09686)はふと出発前のグリモアベースを思い出す。
(とても慌てて、挨拶してる場合ではなかったけども)
 久しぶりに見た少女人形はとてもあわあわしていて。それでもリヴィアを見て、『頑張って』と送り出してくれた、その光景を。

 想いに浸るのはここまで。次はリヴィアの番だ。
(時として歌は言葉以上に想いを伝えるの)
 リヴィアの胸中に満たされる想い。それは今までの戦いや人生で。仲間だけではなく敵であっても、出会いはリヴィアに彼女の知らないものをもたらしてくれた。それは例えば、たくさんの掛け替えのない出会い、胸を痛める別れ、人々の温かさ……。
(感じてきたモノ全てに深い感謝と強い願いを込めて)
 リヴィアは高らかに謳う。
「シンフォニアとしての誇りをもって私は紡ぎましょう」

 リヴィアの口から想いが溢れ出る。言葉を紡ぎ、開き、歌に乗せて。踊るように舞うように。ドレスにあしらわれたピアノの鍵盤がまるで風に乗るメロディのごとくはためいて。
 リヴィアの歌と舞いで発動したエレメンタル・ファンタジアが、風を刃と化し、やまびこのごとく、物理学トリオを巻き込み、斬り裂いて。
「良い歌をお魅せできたかしら?」
 とリヴィアは微笑んだ。

●星惑わす歌声
 仲間たちによるステージ上のパフォーマンスを眺めながら、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)は。
(えー、中継されるのは恥ずかしいかな)
 と思うものの、脳裏によぎるのは大好きな姉の姿。
「でも、大好きなフィオ姉ちゃんのためにボクの思いを歌うね」
 そしてステージはフォルセティを招き入れる。

 不思議な形状を持つハープを取り出し、リズミカルに明るい声で歌い出すフォルセティ。

 ♪ いつも一緒にそばで見守ってくれて ♪
 ♪ 美味しいもの 一杯作ってくれるフィオ姉ちゃん ♪

 声には少しというかやっぱりというか、照れくささが混じり込んでいるけど、フォルセティの演奏と声は堂々としていて。
 しっかりと、想いを歌声に乗せて、見上げるのは遥か上空。

 ♪ たまにドジするけど そんなフィオ姉ちゃんが大好きだよ ♪
 ♪ 流れる星にボクの想いを込めて…… ♪

「いっくよー!」

 それはまだ歌が続くという意志でもあり、フォルセティのユーベルコード『カラミダド・メテオーロ』が発動した瞬間でもある。空から灼熱の巨大隕石が物理学トリオに向かって飛来する。物理学トリオが電源プラグを投げつけようとするものの、その巨大さにあわあわと、歌うことも忘れて戸惑ったのが運の尽き。
 リフレインするフォルセティの歌とユーベルコードに吹っ飛ばされる物理学トリオであった。

●蛍の光で刺すインクルージョン
 猟兵側のトリを飾るのはフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)。
「よし、では行きましょう!」
 ステージにあがったフローライトは、自分の名と同じ蛍石をイメージした美しい色のダブルネックギターを構え、叫ぶ。
「『Metallic dance stage』!」
 フローライトの声に応じて、野外ライブ用スピーカー(浮遊仕様)が彼の周りを漂い始める。ライブの準備はオーケー。
 次にやることは……魂を歌うのみ!
「さあ、魂に火をつけるんだ! ハートを燃やせ! 『Phantomッ! Ignitionッッ!!』」
 ギターをかき鳴らし、『M・A・D』の名を持つマイクを構えて、ユーベルコードを解き放つフローライト。彼の呼びかけに応じたロックアーティストたちがそれぞれの楽器、いや、この場においては最高に類する『武器』を構えて、始まるのはフローライトとのセッションだ。
「祈れ ただ祈れ 行くぜ!」
 楽器演奏に歌唱の技術、そしてパフォーマンス。それ以外にもあらゆる技能をこの一曲に込めて。
「例えもう壊れても 最高の歌を歌うのさ 歌うんだ!」
 文字通り、歌を、音量を物理学トリオに叩き付けるフローライトたち。声と演奏の奔流に、電源プラグ怪人が抗うもその抵抗すらも吹き飛ばして。

●アンコールは必要ないってさ
 此度のサウンドステージを巡る戦いは、『コウハクウタガッセン』は、猟兵たちの圧勝で終わった。
 歌に乗せた想いが、そのパフォーマンスが、物理学トリオなど歯牙にもかけず、この場のオブリビオンは一掃されて。
 誰かが言う。『せっかくだ、もうひとセッションいくかい?』と。
 ジャンルも得手も違う、それでも歌を愛する猟兵たちは、勝利の凱歌を歌い上げるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月05日


挿絵イラスト