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バトルオブフラワーズ⑧〜闇を堰き止める光

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「皆、来てくれてありがとう。まさかこんな形でキマイラフューチャーズに動きがあるなんて……」
 異常事態を察知してグリモアベースに集った猟兵達を、未だ驚いた様子のアリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)が出迎える。
 集まってくれた猟兵達を見回したアリスは、いそいそと『真っ二つに割れたキマイラフューチャーズ』の見取り図を取り出すと、一つの地点を指さした。
「えぇっと、皆には今回、六つある『ザ・ステージ』の一つの……ここ、『ザ・ペイントステージ』の攻略をお願いしたいの。」
 目的地である『システム・フラワーズ』、そこに辿り着くために全て取り戻す必要のある『ザ・ステージ』の一つを指さしたまま、彼女は此度の戦場の特殊条件について説明し始めた。
「今回の戦場はどこも特殊なルールがあるみたいだけど、このステージでは『クロヌリスレイヤー』……多数のオブリビオンが街並みを模した戦場を『闇のような黒色』に塗りつぶしていって、街が全て塗りつぶされてしまうと、皆が健在でも負け扱いになって問答無用で追い出されてしまうってルールみたいね。ただやっつけるんじゃなくて、どれだけ街を塗られずに守るかが重要みたい。」
 数の力や戦略を駆使して街を塗りつぶそうとしてくるオブリビオンを如何に封殺していくがが今回の戦いの肝になるでしょう。そう付け加えて、アリスは一度話を区切った後、再び口を開く。
「今回は皆がいつも乗り越えてきた戦場とはまたちょっと違う感じだと思うけれど、皆ならぜったい勝てるって信じてるわ!」
 直後、転移によって戦場へ向かう猟兵達を、アリスは何故か自信満々の表情で応援しながら見送った。


真鍮時計
 ごきげんよう!真鍮時計です。
 戦争シナリオについては初めてなので、少し緊張しますが、全力で頑張ろうと思います。

 今回の戦場は『クロヌリスレイヤー』の特殊ルールで、街をひたすら塗ってくるオブリビオンとの集団戦です。
 あの手この手で街を塗ろうとしてくる敵をやっつけちゃってください。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『水かけ三人衆』

POW   :    コーヒーポット怪人・ウェポン
【コーヒーポット兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ジョウロ怪人・ジェノサイド
【ジョウロ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    やかん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【やかん】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エミリー・ローレライ
「塗りつぶす敵…数の力を使って消し去る…」【起動、殲滅せよ機械の僕たち】で浮遊砲台を召喚して、【Duplication】で複製、さらに【Army of Machine】で量産機を召喚する。計66923420060機の浮遊砲台を街を覆うように上空に展開。『一斉発射』『範囲攻撃』『属性攻撃:光』『空中戦』『2回攻撃』『戦闘知識』『力ため』『援護射撃』『誘導弾』を使って敵を殲滅する。



 キマイラフューチャーズの街を模した戦場、その一角に存在する小高いビルの屋上からエミリー・ローレライ(麺の神に愛された天使・f05348)は街並みを見下ろしていた。
 戦いが始まってそう経っていないこともあり街並みに異常は少ないが、それでも確かに視認できる、紙に落とした墨のように広がっていく黒。
 彼女は街を黒く染めていくオブリビオン達を一通り確認すると、浮遊砲台を召喚した。
「塗りつぶす敵…数の力を使って消し去る……起動」
 彼女が合図と共に発動したユーベルコード、【起動、殲滅せよ機械の僕たち】によって召喚された浮遊砲台は【Duplication】により複製され、その数を増やす。
 さらに【Army of Machine】により数を増やした浮遊砲台をベースとした量産機が次々と召喚されていく。
 勢いを衰えさせること無く増えていく浮遊砲台は、見る間に街の一角を覆うように上空を広がっていった。
 空を覆う浮遊砲台により光が遮られ、街が俄に暗くなる。
 街を黒く染めるために各々の頭部から黒い液体を好き放題に撒き散らしていたオブリビオン達が異常に気付き、空を見上げるとそこには何かが蠢く夜のような空。
 突然暗くなった空を怪しんだ彼らが暫し空を見つめていると、無数の星のような輝きが空一面に広がっていった。
 それは浮遊砲台それぞれが今にも放とうとしている光。エミリーはざわめく彼らを見下ろしながら、光を湛えた砲台達へ命令を下す。
「……殲滅しなさい」
 瞬間、一斉に放たれる無数の光線。
 それは雨のように街の一角に降り注いでいった。
 その光景に呆然と立ち竦んでいた者はあっけなく蒸発し
 慌てて路地裏に逃げ込んだ者は追尾してきた光線に食らいつかれ
 屋内に隠れた者は蓄えた力によって壁ごと貫かれる。
 彼らは最後の力を振り絞り少しでも黒を広げようと奮闘したが、程なくして、街の一角は静寂に包まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

夷洞・みさき
僕も一応、キマイラだけど…この世界はほんとに良くわからないね。

街を真っ黒に…ね。UDCアースの子供達が遊んでいたゲームにそんなのがあったような気がするね。

【WIZ】
陣地争いなら僕も引けを取らないよ。
君達が黒く染め上げるというなら、僕はそれを海の水で洗い流そう。
だから乾くと塩で白くなるかもね。

やかんくんは相殺できそうだけど…やかんで海を飲み干せるかな。
それに君達は金物みたいだし、

UCにて塗りつぶし阻止、海水を含む冷気で錆びさせる。
身から出た錆が混じったら真っ黒にはならないだろう?

車輪で踏み潰し容積減少

あ、そうそう、一つ気になっていたんだけど。
じょうろ君だけ仲間外れだよね。
調理具と園芸具で。



 頭部がコーヒーポット、ジョウロ、やかんの三種類の怪人のオブリビオン、水かけ三人衆が各々の頭部から『闇のような黒色』の液体を垂れ流し、街並みを染めていく。
 その光景を目にした夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)はUDCアースの子供達が遊んでいたゲームを思い出し、既視感を感じながらもオブリビオン達の元へ歩みを進めた。
「陣地争いなら僕も引けをとらないよ」
 みさきの存在を認識し、戦闘態勢へと入るオブリビオン達を見据えながら、彼女は宣言とともにユーベルコードを発動した。
 直後、彼女の足元から澱んだ海水が溢れ出し、瞬く間に周囲へ広がっていく。
 呪詛を含み侵食するその水気は、オブリビオン達の頭部を通常ではありえない速度で錆びつかせ活力を奪いながら、彼らが撒いた闇色の黒を薄め攫っていった。
 コーヒーポットの怪人が呪詛の侵食により倒れ、焦ったように力を込めるやかんの怪人に彼女は視線を向け、歩み寄る。
「君は相殺できそうだけど……」
 迫るみさきに怯えたようにやかんを放とうとする怪人だったが、呪詛により耐えきれず膝をつき、手にしたやかんは海に飲まれて沈んでいく。
「海は飲み干せなかったみたいだね」
 そのまま彼女は手にした巨大な車輪、『七咎潰しの大車輪』でやかんの怪人を踏み潰した。
「あ、そうそう、一つ気になっていたんだけど」
 ふと、みさきが振り向きながら、呪詛により衰弱して骸の海へと還りはじめ、今にも消えそうなジョウロの怪人へと声を掛ける。
「じょうろ君だけ仲間外れだよね。調理具と園芸具で。」
 最後の最後に何を言われるのかと身構えているような姿勢を見せていたジョウロの怪人は、その言葉を聞いた瞬間、自分を指さしながらわなわなと震え始めた。
 しばらくそうした後にがくりと膝をつき、頭部の注ぎ口から点々と雫を落とす。
 それは先程までの闇のような黒ではなく、塩気を含んだ海の雫。
 戦闘時にみさきが地形を覆い尽くした海水が頭部に入ってしまったが故の結果だが、それはまるでさめざめと泣いているようにも見えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

短夜・いろは
テメーらを詐欺罪と器物損壊罪で訴えてやる!
理由はもちろん分かってるな?
テメーらが皆をクロヌリスレイヤーなんて噂で騙し、キマイラフューチャーの彩りを破壊したからだ!
ちかいうちに訴える。戦争も起こす。
ザ・ペイントステージもテメーらごと【白色】に問答無用で染まってもらう。
EXPの準備もしておけ!
テメーらはオブリビオンだ!
骸の海にぶち込まれる楽しみにしておけ! いいな!!



 頭部から流れ出る液体で路地を黒く染めつつ練り歩く『水かけ三人衆』。
 彼らが次の目標地点に向かおうと曲がり角を曲がると、建物も、地面も、あらゆるものが白色に染められた異様な光景が彼らを出迎えた。
 思わぬ光景に彼らが反射的に仰け反りながら様子を窺うと、そこには一人の人影。
 その人影、短夜・いろは(やさぐれスプラトゥーン・f15837)はしゃがみこんだまま最後の塗り残しを白く染めると、水かけ三人衆を見据えながら立ち上がった。
 背後の風景を染める眩い程の純白により、彼らから見たいろはの表情は逆光により隠されている。
 そのまま彼女は、滲み出る威圧感と共に口を開いた。
「テメーらを詐欺罪と器物損壊罪で訴えてやる!理由はもちろん分かってるな?」
 困惑したようにたじろぐ三人衆へ向けていろはは一歩踏み出し、それにより凄みのある表情が露わになる。
「テメーらが皆をクロヌリスレイヤーなんて噂で騙し、キマイラフューチャーの彩りを破壊したからだ!」
 そこまで告げたところで一転、彼女は語気を強めて三人衆に向けて激情を放った。
「ちかいうちに訴える。戦争も起こす。ザ・ペイントステージもテメーらごと【白色】に問答無用で染まってもらう。EXPの準備もしておけ!」
 その言葉に偽りがないのを示すように、彼女は高く上げた手に持ったスプレーから白い塗料を拭き散らし、ユーベルコード、【High Graffiti】を発動する。
 それはこの異様な光景を各々の解釈でもって飲み込もうとしていた三人衆に牙を剥いた。
「テメーらはオブリビオンだ!骸の海にぶち込まれる楽しみにしておけ! いいな!!」
 圧倒的なインスピレーションから与えられる形容できない謎の強烈な精神的ショック。
 三人衆はそれに悶え苦しみ、いろはの言葉を最後まで聞き終えぬ内に骸の海へとぶち込まれていった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

アスカ・ユークレース
いつも通り地形を利用して迷彩使用、物陰に隠れつつ狙撃といきますか。【選択UC】なら塗りつぶしと敵の殲滅がいっぺんにできて一石二鳥ですね。
ある程度周囲塗り終わるか敵倒したら移動して他のヘルプに回ります。
近づかれたら…クイックドロウで対処しましょう

黒はカッコいいし嫌いじゃないですけど……貴方達の黒は好きになれません!キマフュらしいカラフルな色に塗りつぶします。

アドリブ、連携歓迎


エルス・クロウディス
「黒塗りは困りますねぇお客さん!」
そりゃ味気ねぇだろ!
一為染身から<空中戦>をチョイス!
ま、背に腹はかえらんないからね。
回帰顕現から技と心を発動、高機動と飛翔能力の獲得し、高高度から<視力>で敵を捕らえ、<2回攻撃>の要領で次々と<援護射撃>。
特に進行を防げなさそうな路地なんかがあれば、道に大き目に力を込めた氷<属性攻撃>で<範囲攻撃>。
一時的にでも封鎖する。
壊されるとしても、その間隙をついて<槍投げ>で闇套をぶん投げ、落袈勢を利用して最高速度を引き上げて突撃だ。

敵の攻撃に関しては、距離を取れば脅威にならなさそうだ。
しっかり<見切>って、間合いをずらす。

さぁ、気張っていくぞ!

アドリブ・連携歓迎



 キマイラフューチャーズの街を模した戦場に飛び出すように駆けていく二人の猟兵。
 片手用のクロスボウ、『フェイルノート』を手にした彼女、アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)は狙撃のために街並みに紛れその姿を隠し、骸装と呼ばれる様々な形態へ姿を変える突撃十字槍、『闇套』を備えた彼、エルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)はその身を空に躍らせた。
「さぁ、気張っていくぞ!」
 エルスはそのまま【一為染身】……三つの力から一つ、空で戦う力を引き出し、【回帰顕現】によりその身を竜の力を完全に制御化に置いた姿へと変える。
 直後、呼応するように竜槍へと変じた闇套から解放された力を纏い、彼は更なる高度へと昇っていった。
「ま、背に腹はかえらんないからね」
 力の解放により軋む体をなんでもない事のように抑え込んで高高度へと昇り詰めたエルスはそこから街を見下ろし、見つけたオブリビオン達に二連続一組の射撃を次々と放ち、刈り取っていく。
 そもそも飛ぶことが出来ないオブリビオン達ではエルスに充分な攻撃は出来ず、辛うじて届いたものは容易く見切られ躱される。
 そのままエルスは上空からでは射線が通らない路地に彼らが逃げ込む前に、迸る氷の力を放つことで凍結させて封鎖していくと、ふと街の異変に気がついた。
 既に黒く塗られていた街並みが、キマイラフューチャーズらしいとも言える極彩色に次々と塗り替えられていく。
「黒はカッコいいし嫌いじゃないですけど……貴方達の黒は好きになれません!」
 そこでは、先程街並みに紛れていったアスカが、物陰に隠れつつ【グラフィティスプラッシュ】により射出した塗料によって黒を更に塗り替えながら、オブリビオン達を巻き込み殲滅していた。
 絶えず街中を移動して居場所を掴ませず、時に屋内から、時に建物の上から塗料を放ち、みるみる街を色づかせてゆく。
 闇のような黒から、情熱的な赤へ、楽しげな黄色へ、涼し気な青へ。夜のような静けさの街は、常に賑やかなキマイラフューチャーズの色を次第に取り戻していった。
 オブリビオン達も負けじと彼女を見つけ出そうとするが、地形に紛れた上に迷彩を重ねた彼女を見つけ出すことは叶わず、街を塗るついでのようにに巻き込まれて力尽きていく。
 一通り塗り終えた後、別の地点に移動しようとする彼女を偶然にも見つけたやかんの怪人のオブリビオンが、塗料の射出を止めるべくやかんを振りかぶるが……彼女が凄まじい速さで撃ち出したフェイルノートの矢を受け、振りかぶったまま仰向けに倒れ骸の海に帰っていく。
 消えていくやかんの怪人を見送ったアスカは、また次の地点へ敵を殲滅し、街に色を与えるために駆け出していった。
 その光景を上空から見届けていたエルスが視線をずらすと、先程氷によって封鎖した通路に集まったオブリビオン達が氷を破壊することによって強引に突破しようとしている事に気が付いた。
 彼らが向かおうとしているのは色づいた広場、新たに黒を塗り広げるつもりらしい彼らに、エルスは思い切り槍を振りかぶった。
「黒塗りは困りますねぇお客さん!」
 冗談めかした声と共に放たれる洒落にならない威力の槍。
 雷の性質を持ったそれはまるで雷霆のようにオブリビオン達を蹴散らし、直後槍を追うように超加速して来ていたエルスの追撃によってその場のオブリビオンは皆還っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィサラ・ヴァイン
色塗り対決。なるほど。歌とか踊りとか芸術系じゃないなら私でも何とかなるよ…!
とは言えどうやって戦えば良いのか……とりあえず私は敵の塗りつぶしを妨害しようかな
【霧中の死】で見通しの悪い猛毒の霧を発生させて、そもそも敵が近付けないようにしよう
無理やり霧の中に入って来るなら、そこは私の狩場
《ヴィサラの心眼》と[第六感]で敵を補足、[目立たない]ように[毒使い]の猛毒の蛇に咬み付かせて[暗殺]
…敵に「この霧ヤベェ」って[恐怖を与える]事が出来れば、色塗りの侵攻を抑える事が出来るはず
…え? 味方も入れない? …ごめんなさい……
《異形生まれの血清》を渡すので、毒に対処しながら頑張ってください…



 街並みの中でも未だ黒く塗られていない区画に立つヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)。
 彼女は遠くに見える点々とした闇のような黒を眺めながら考え込んでいた。
 自身の得手としない歌唱や舞踊といった芸術系よりも、色塗り対決となる今回の戦いならやりようはある。問題は複数の選択肢からどれを選ぶか……彼女が出した答えはオブリビオン達の塗り潰しの妨害だった。
 彼女のユーベルコード、【霧中の死】により、彼女の血がその毒を含んだ霧へと姿を変える。
 その霧は然程時間を必要とせずに街の一角に充満し、街を黒に染めるべく歩みを進めるオブリビオン達の行く先を遮った。
 想定外の霧に一瞬たじろいだものの、当初の目的を思い出し霧の中に踏み入っていくオブリビオン、水かけ三人衆達。
 しかし、霧の中を十数歩進んだ頃に、囁き声のようなものが彼らに届く。
「ようこそ、人生の袋小路へ」
 その声を警戒して辺りを見回してみるものの、辺りは隣の仲間たちの輪郭を捉えるのがやっとの濃霧。
 そこに突然蛇の声が響き、直後、頭部がコーヒーポットの怪人が悶え苦しみながら地に倒れる。
 次に倒れた仲間に駆け寄ったジョウロ頭の怪人が重なるように倒れ、錯乱状態になったやかん頭の怪人が手当たり次第にやかんを放るも、霧の中に虚しく金属音を響かせるだけ。
 その音が響いていたのも、そう長くはなかった。
 この状況を作り出した人物、ヴィサラは心眼と直感によって敵を補足し、勝手知ったる様子で霧の中を歩き、浅はかに霧の中に足を踏み入れたオブリビオン達を次々と仕留めていった。
 入った仲間達が誰一人として帰らず、時々苦しむように地面をこする音が聞こえてくる霧にオブリビオン達はすっかり怯え、黒に塗ることも忘れて一目散に逃げ出していく。
 その後も霧は徐々に広がっていき、この霧が味方を巻き込む可能性に気づいた彼女は霧の中ではっとした表情で呟いた。
「ごめんなさい……血清を渡すので、毒に対処しながら頑張ってください…」
 彼女の血より精製された《異形生まれの血清》、これがあれば仮に誰かが多少霧を吸ったとしても、酷いことにはならないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゲンジロウ・ヨハンソン
中々面白いルールじゃのぅ。
どれ、わしもやれるだけやってみるかね。

○クロヌリスレイヤー
とりあえず阻止に集中すりゃええんかね。
つーわけで、【選択したUC】で 斉藤・かける を呼び出しまくって、
主にコーヒーポッド怪人、ジョウロ怪人を集中爆撃じゃな。
斉藤が上記二種の怪人を追い込んでる間は、わしがやかん怪人を
【挑発】して【カウンター】を入れたり【姓名吸収攻撃】で息切れさせたりして動けんくしとこうかね。
武器斉藤が命中して熱い友情の絆が結ばれたら、友情の芽生えた怪人らと協力して
残ったやかん怪人をボッコボコにしてやろう。

残った怪人は…必要なら追加の斉藤かけるで砕け散るまで爆破でもするかね。



「どれ、わしもやれるだけやってみるかね」
 街を黒に染めるオブリビオンを探して街を歩くゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。
 彼は暫く歩いた所で、建物を頭部から流れ出る液体で黒く塗りたくっていく水かけ三人衆を見つけるとユーベルコードを発動、とある存在を召喚するべく呼びかけた。
「斉藤!好きに暴れろ!!」【三┌(┌( 'ω')┐ウヒョー!】
 その声に呼応して現れる斉藤……斉藤・かけるという名の存在、それも複数。
 それは猛烈な勢いで這い回るようにコーヒーポッド怪人とジョウロ怪人目掛けて突き進み、怪人たちはある種自分たちよりも面妖ともいえる存在に心底驚いた様子で背を向けて逃げ出した。
 目をつけられず、逃げていく二人の仲間とそれを追う斉藤との狭間で翻弄されていたやかん怪人は、自身を挑発するように手招きしているゲンジロウに半ば現実逃避気味に襲いかかり、カウンターとして放たれた拳にあえなく吹き飛ばされた。
 殴られた際に拳を通して生命力を奪われ、緩慢な動きで身を起こしたやかん怪人が目にしたのは二人の仲間が斉藤に捕まる姿。
 その様子に恐れ慄きながらも目を離せず、食い入るように見つめていると、突如斉藤が爆発した。
 何故あの面妖な存在は爆発したのか、何故仲間たちは健在な上にゲンジロウと親しげなのか、なぜ自分を囲むのか!
 訳がわからないといった様子で挙動不審になるやかん怪人をゲンジロウは他二体の怪人と囲むと、一斉に攻撃し始める。
 コーヒーポットの怪人は頭からコーヒーを垂れ流してひっかけ、ジョウロの怪人は凄まじい勢いで水をかけ、ゲンジロウは普通に殴った。
 あまりにも理不尽な最期に物申すように地面に頭突きして、一際大きな金属音を響かせてから骸の海に還っていくやかん怪人を見送り、ゲンジロウと二人は向き合って距離を取る。
 お互いに相容れぬと分かっていても芽生えた友情がその動きを邪魔する状況に、困ったような雰囲気で立ち竦む怪人達、そこに地響きとつい先程聞いたばかりの奇妙な鳴き声が響く。
【三┌(┌( 'ω')┐ウヒョー!】
 斉藤だ。複数体召喚され、二体が先程爆裂したその残り。奇妙な状況のせいで意識の外にいた斉藤が今再び二人の怪人に群がり、彼らを諸共爆破した。
 訳も分からぬ内に砕け散った彼らだが、仮初めのものとはいえ友情を破る苦痛を味合わずに済んだのは、不幸中の幸いだったのかも知れない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

芦屋・晴久
殲滅戦ですか

時間との勝負ならば今回は手早く行くと致しましょう。
私も前線へと出ます。
速攻を仕掛けるために飛相天后にて相手の中心まで飛びながら五行相生、属性は水、現象は竜巻
そう、水流の竜巻により敵毎洗い流してしまいましょう。

因みに私の腰は既に限界です、五行相生を唱えながら敵の中心に行くことがどういう事か分かりますか?

そう、護符に乗った私も巻き込まれるんです。
なんで気づかなかったのか、油断と慢心が私の目を鈍らせていたのでしょう。

・UC対策
私のUCは発生に時間が掛かること、並びに今回は下に水着を着てきた事を対策とします。

え?クロヌリの対策……?あ……


アーーーーーーーー!!!!

アドリブと連携歓迎



時間との勝負の殲滅戦、それならば手早く。そう考え、多くのオブリビオンが密集し、既に黒く染められているこの街を模した戦場における前線へと向かう芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)。
彼は自身が身につける空中に浮かぶ護符を【飛相天后】により変形させ騎乗すると、群れをなすオブリビオン達の中央まで拘束で飛翔して行く。
 彼が騎乗している護符からは重力を制御する力場が発生されており、速度が出ても落ちない様になっている……が、晴久には現在進行系で避けられぬ負担がかかっていた。その部位は、腰。
彼は速攻を仕掛けるために腰への負担に耐えつつ暫しの間飛行を続け、ついに最もオブリビオン達が密集している中心部を発見する。
 そのまま晴久は中心部に狙いを定め、【五行相生】を唱えた。彼が喚び起こす属性は水、巻き起こす現象は竜巻。
「其は五行を重ねて理を創生する軌跡也」
 限界を訴えかけてくる腰を黙らせ、力を行使しながら先程狙いを定めた地点に自身も向かう……向かってしまう晴久。
 水流の竜巻を巻き起こすべく五行相生を唱えながら、その目標地点に向かうとどうなるのか、その答えは暫しの後に明らかになる。
 まず、呪文を唱えてから少々の間を置いて発生する水の渦。それは見る間に成長し、瞬く間に巨大な水流の竜巻へと変じた。
 渦巻く水流は街の黒を洗い流し、コーヒーポット頭も、ジョウロ頭も……ユーベルコードを防ぐ力を持つやかん頭さえもその隙を与えずに巻き込んでいく。
 そして、町の中央でオブリビオン達に猛威を振るっていく水流の竜巻、その天辺では、晴久が物凄い勢いで回転していた。
 これが答えだ。
 五行相生を唱え、護符に乗ってその地点に向かうとどうなるのか……巻き込まれるのだ。彼自身も。
 地上付近でオブリビオン達を巻き込んでいる水流の竜巻はその天辺では、何故この結果に気が付かなかったのかと自身に問いかける晴久の、何故か水着を着用している下半身を水浸しにしながら回転により更なる負担を彼の腰に強いる。
 たまらず叫んだ晴久の悲鳴が止む頃には、もうオブリビオン達は残っていなかった。


●闇を堰き止める光

 猟兵達によりこの『ザ・ステージ』からオブリビオンは全滅。
 制圧による猟兵達の勝利という決着を見届けた街から、残っていた闇のような黒がまるで夜明けのように消えていく。
 戦争の決着には未だ遠いが、猟兵達はオブリビオンから確かに一つ、世界の一部を取り戻したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月06日


挿絵イラスト